| 【発明の名称】 |
小型作業機械の吊り支持機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】森下 廣治
【氏名】渡邊 耕次
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| 【要約】 |
【課題】安価で簡単な構造によってユーザへの振動の伝達や操作桿への振動の伝達を確実に防止することが可能な構成を備えた小型作業機械の吊り支持機構を提供する。
【解決手段】操作桿(1B)の先端部に刈刃(3)などの作業部材(1C)およびその先端に至る中途部に操作ハンドル(4)さらに基部には小型エンジン(2)を装着し、前記操作桿(1B)の一部にバンドを掛け止めするためのハンガー(1D)を備えた吊り支持機構を有する小型作業機械において、前記吊り支持機構は、前記操作桿(1B)の外周面と前記操作桿(1B)に対するハンガー(1D)の挿嵌面との間に弾性体(10)を介在させてハンガー(1D)への振動を減衰する構成とされている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作桿(1B)の先端部に刈刃(3)などの作業部材(1C)およびその先端に至る中途部に操作ハンドル(4)さらに基部には小型エンジン(2)を装着し、前記操作桿(1B)の一部にバンドを掛け止めするためのハンガー(1D)を備えた吊り支持機構を有する小型作業機械において、前記吊り支持機構は、前記操作桿(1B)の外周面と前記操作桿(1B)に対するハンガー(1D)の挿嵌面との間に弾性体(10)を介在させてハンガー(1D)への振動を減衰する構成とされていることを特徴とする小型作業機械の吊り支持機構。 【請求項2】 請求項1記載の小型作業機械の吊り支持機構において、前記弾性体(10)は、前記操作桿(1B)の外周面と前記ハンガー(1D)の挿嵌面とにそれぞれ接触して配置されると共にバンド部材(11)を前記操作桿(1B)に固定することにより軸方向に移動を規制されることを特徴とする小型作業機械の吊り支持機構。 【請求項3】 請求項1又は2記載の小型作業機械の吊り支持機構において、前記弾性体(10)は、前記ハンガー(1D)における前記操作桿(1B)の周方向及び軸方向両端面とそれぞれ接触して配置されていることを特徴とする小型作業機械の吊り支持機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、小型作業機械の吊り支持機構に関し、さらに詳しくは、刈払機のハンガー取付構造に関する。 【0002】 【従来の技術】使用者が手で支えながら操作することができる小型作業機械の一つに刈払機がある。刈払機は、雑草やかん木などの刈払作業に用いられるものであり、そのための構成として、小型エンジンによる駆動力により刈刃を回転させる機構を備えた構成がある。刈払機の構成の一例としては、図3に示す構成がある。図3において、刈払機1は、小型エンジン2を備えた駆動部1Aと、小型エンジン2の出力軸に連動する伝達軸が内在している操作桿1Bと、操作桿1Bの先端に位置して伝達軸に連動可能な刈刃3を備えた作業部材1Cとを備えている。操作桿1Bの途中には、刈払機1を操作する際の操作ハンドル4が一体化されており、この操作ハンドル4には、把持グリップ部5、5’と小型エンジン2のスロットルレバー6が備えられている。駆動部1Aと操作ハンドル4との間には、図示しない肩掛けベルトの端部が取り付けられるハンガー1Dが装着されており、使用時や搬送時に作業者への重量負担を軽減するようになっている。 【0003】従来、ハンガー1Dの構造として、図4および図5に示す構造がある。図4に示す構造は、操作桿1Bにハンガー1Dの摺動を阻止して定位置に保持しておくための樹脂製ブッシュ部材7を挿嵌し、このブッシュ部材7に対してハンガー1Dが回転可能に装着されており、図5に示す構造は、操作桿1Bに直接ハンガー1Dが挿嵌されている。図4に示す構造では、ハンガー1Dが操作桿1B上で摺動するのを規制するために、操作桿1Bに捲装され、分割された片部同士を締結することで操作桿1Bに固定されるバンド部材8によってブッシュ部材7を操作桿1Bの外周面に圧着させ、また、図5に示す構造では、ハンガー1Dの両端に位置して操作桿1Bに捲装される片部を備えた半割り状のバンド部材8’の分割片同士を締結することでバンド部材8’を操作桿1Bの外周面に圧着させることによりそれぞれ操作桿1Bの軸方向での移動を規制するようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記ハンガー1Dの支持構造では、ハンガー1Dが操作桿1Bの周方向に沿って回転することができ、これによって、刈払機1の使用態位に応じてハンガー1Dが肩ベルトの展張方向延長上に位置できるようになっている。ハンガー1Dを回転させるには、ハンガー1Dの内周面とブッシュ部材7の外周面(図4参照)あるいは操作桿1Bの外周面(図5参照)との間に隙間を設ける必要がある。しかし、このような隙間が存在しても小型エンジン2及び刈刃3からの振動がハンガー1Dに伝達する。これにより、ハンガー1Dに掛け止めされている肩ベルトを介して振動がユーザに伝わり、ユーザに不快感を与えたり疲労が顕著となる。さらに、操作桿1Bとハンガー1Dとの小刻みな衝突あるいは操作桿1Bとブッシュ部材7との小刻みな衝突によって操作桿1B等に摩耗や衝撃疲労が生じやすくなり、これによって操作桿1B又はブッシュ部材7等が破損する虞もある。従来、吊りバンドに防振機構を備えさせたものもあるが、構造が複雑となるばかりでなく、コストも上昇するという問題があった。 【0005】本発明の目的は、上記従来の小型作業機械における吊り支持機構における問題に鑑み、安価で簡単な構造によってユーザへの振動の伝達や操作桿への振動の伝達を確実に防止することが可能な構成を備えた小型作業機械の吊り支持機構を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、操作桿(1B)の先端部に刈刃(3)などの作業部材(1C)およびその先端に至る中途部に操作ハンドル(4)さらに基部には小型エンジン(2)を装着し、前記操作桿(1B)の一部にバンドを掛け止めするためのハンガー(1D)を備えた吊り支持機構を有する小型作業機械において、前記吊り支持機構は、前記操作桿(1B)の外周面と前記操作桿(1B)に対するハンガー(1D)の挿嵌面との間に弾性体(10)を介在させてハンガー(1D)への振動を減衰する構成とされていることを特徴としている。 【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の小型作業機械の吊り支持機構において、前記弾性体(10)は、前記操作桿(1B)の外周面と前記ハンガー(1D)の挿嵌面とにそれぞれ接触して配置されると共にバンド部材(11)を前記操作桿(1B)に固定することにより軸方向に移動を規制されることを特徴としている。 【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の小型作業機械の吊り支持機構において、前記弾性体(10)は、前記ハンガー(1D)における前記操作桿(1B)の周方向及び軸方向両端面とそれぞれ接触して配置されていることを特徴としている。 【0009】 【作用】請求項1および2記載の発明では、弾性体(10)が操作桿(1B)とこれに挿嵌されるハンガー(1D)との間に接触させて介在させてあるので操作桿(1D)に伝わる振動が弾性体(10)により緩衝されて減衰され、ハンガー(1D)への振動の伝達を抑制することができる。 【0010】請求項3記載の発明では、弾性体(10)がハンガー(1D)における前記操作桿(1B)の周方向及び軸方向両端面と接触しているので、操作桿(1B)に生じる周方向および軸方向での振動を減衰することができる。 【0011】 【実施例】以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。図1は、本発明実施例による吊り支持機構を説明するために操作桿の一部を示す斜視図である。なお、図1および図2において、図3以降に示した部材と同じ構成部品に関しては説明の都合で同符号により示してある。また、操作桿1B内に挿通されている動力伝達軸20は、図1を除いて図示を省略されている。図1において、本実施例による吊り支持機構は、操作桿1Bに装着された弾性体10を備えている。弾性体10は、クロロエチレンゴムなどの比較的剛性が高くしかもある程度柔軟性を持ち弾性変形が可能な材質によって操作桿1Bの外周面に圧入可能な内孔を有する円筒状に形成され、操作桿1Bの軸方向に沿った長手方向両端には、大径フランジ部で構成された係止部10Aが設けられている。 【0012】弾性体10における係止部10A間の外周面には、図2に示すように、ハンガー1Dが挿嵌されている。弾性体10は、係止部10A間の外周面に挿嵌されているハンガー1Dを操作桿1Bの周方向に回転させることができるように、操作桿1Bの外周面に対しては緩い嵌合状態で設置されている。この場合の嵌合状態は、操作桿1Bの外周面に軽く接触している状態とされている。なお、弾性体10とハンガー1D間を緩い嵌合状態とし、弾性体10と操作桿1B間を圧着状態にさせてもよい。 【0013】弾性体10の長手方向両端には操作桿1Bの軸方向で弾性体10の位置決めを行うためのバンド部材11が配置されている。バンド部材11は、操作桿1Bの外周面に捲装される円筒部11Aと捲装部11Aから連続して径方向に延長された分割片からなる締結部11Bとを備え、締結部11Bには、ボルト30を挿通するための締結孔11Cが形成されている。円筒部11Aは、締結部11Bが合致させられて締結されることにより操作桿1Bの外周面に圧接できる形状寸法とされている。 【0014】本実施例は以上のような構成であるから、操作桿1Bにハンガー1Dを設置する場合には、予め弾性体10を収縮変形させてハンガー1Dの内孔内に挿通し、係止部10Aをハンガー1Dの長手方向両端に位置させておく。ハンガー1Dが外周面に挿嵌された弾性体10は、操作桿1Bに挿通され、ハンガー1Dの設置位置にてバンド部材11を捲装して締結部11Bを締結することで、操作桿1Bの軸方向で位置決めが行われて定置される。なお、弾性体10を操作桿1Bに圧着させることにより、バンド部材11を省略することもできる。 【0015】バンド部材11の締結により操作桿1Bの軸方向で位置決めされたハンガー1Dは、肩ベルトの端部が掛け止めされると、刈払機1の使用態位に応じて操作桿1Bの周方向で回転することができる。つまり、弾性体10とハンガー1Dとは密着しているものの、弾性体10と操作桿1Bとは軽く接触しているので、肩ベルトの展張方向の変化に応じて弾性体10が操作桿1Bの周方向で回転する。 【0016】小型エンジン2又は刈刃3等からの振動は操作桿1Bを伝わるが、その振動が弾性体10に達すると、弾性体10の弾性変形および形状復帰によって緩衝される。このため、ハンガー1Dへの振動の伝達が抑制されるので、肩ベルトに振動が伝わることが抑止される。一方、操作桿1Bの外周面には弾性体10が接触しているので、操作桿1Bの振動が弾性体10によって緩衝されることになり、操作桿1Bへの衝撃力が作用しなくなる。これにより、操作桿1Bにはハンガー1D等の対向部材からの衝撃力が作用しないので、摩耗や衝撃疲労が発生しない。 【0017】本実施例によれば、弾性体10に形成されている係止部10Aがハンガー1Dの長手方向両端を係止しているので、操作桿1Bからの振動モードが、径方向および軸方向いずれの場合であってもハンガー1に対する振動の伝達が緩衝されて抑制できる。なお、上記実施例では、ハンガー1Dおよびバンド部材11は、樹脂製のものが用いられており、これによって軽量化を図るようになっている。この場合、図1および図2において符号1D1で示すように、肩ベルト(図示されず)の端部が掛け止められる箇所には金属製のブッシュを装填して摩擦剛性を持たすように構成されている。 【0018】 【発明の効果】請求項1および2記載の発明によれば、弾性体が操作桿とこれに挿嵌されるハンガーとの間に接触させて介在させてあるので操作桿に伝わる振動が弾性体により緩衝されてハンガーへの振動の伝達を減衰させることができる。これにより、弾性体を介在させるだけの簡単かつ安価な構造によってユーザへの振動伝達を確実に防止することができるので、ユーザの身体疲労や不快感を低減することが可能になる。しかも、ハンガーと操作桿とに作用する衝撃を緩衝して減衰できるので、操作桿等の摩耗や衝撃疲労を低減することも可能になる。 【0019】請求項3記載の発明によれば、弾性体がハンガーにおける前記操作桿の周方向及び軸方向両端面と接触しているので、操作桿に生じる周方向および軸方向での振動を減衰することができ、操作桿からハンガーへの振動モードの殆どを減衰することが可能となる。これにより、ハンガーに作用する振動モードに関係なく確実に減衰してユーザへの振動の伝達を防止することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000237215 【氏名又は名称】富士ロビン株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月16日(1998.9.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100063565 【弁理士】 【氏名又は名称】小橋 信淳
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| 【公開番号】 |
特開2000−83438(P2000−83438A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月28日(2000.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−261353 |
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