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【発明の名称】 根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置
【発明者】 【氏名】尾崎 慎右

【氏名】木村 幸徳

【氏名】蜂谷 正志

【要約】 【課題】茎葉挟持部の高さ設定を円滑に、且つ自動的に行なう。

【解決手段】圃場面19に接地するゲージ輪52を上下させて茎葉挟持部Aの圃場面に対する上下位置を調節可能とする。該上下位置をゲージ輪52の支持杆51に設けた電動シリンダ90のコントローラ94により制御する。該コントローラ94に、機体1の傾斜を計測する傾斜センサ93からのセンサ値と、茎葉挟持部Aの高さ設定部95で設定した設定値とから自動的に上記上下位置の制御を行わせる。コントローラ94に自動スイッチ96を設け、該自動スイッチ96がオンされているときのみ、自動的に制御を行わせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場面19に接地するゲージ輪52を上下させて茎葉挟持部Aの上下位置を調節可能とし、該上下位置をゲージ輪52の支持杆51に設けた電動シリンダ90のコントローラ94により制御するようにした根菜収穫機において、前記コントローラ94に、機体1の傾斜を計測する傾斜センサ93からのセンサ値と、茎葉挟持部Aの高さ設定部95で設定した設定値とから自動的に上記上下位置の制御を行わせることを特徴とする根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置。
【請求項2】 上記コントローラ94に、該コントローラ94を作動させる自動スイッチ96を設け、該自動スイッチ96がオンされているときのみ、自動的に制御を行わせることを特徴とする請求項1記載の根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置。
【請求項3】 上記コントローラ94と上記電動シリンダ90を作動させるリレーボックス91との間に牽制スイッチ99を介装すると共に、コントローラ94に伸縮リミットスイッチ98を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置。
【請求項4】 ゲージ輪52の上下位置の上限及び下限の設定104,105を変更可能とすることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかの根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置。
【請求項5】 上記上限及び下限の設定104,105を運転部近傍で行うことを特徴とする請求項4記載の根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人参等の根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】左右一対の挟持無端帯により圃場に植生している根菜類を挟持して掘り取り搬送する収穫機において、茎葉挟持部の圃場面に対する上下位置をゲージ輪によって調節することは知られている。上記上下位置をゲージ輪の支持杆に設けた電動シリンダで設定するには、手動スイッチにより電動シリンダを伸縮させて茎葉挟持部の位置を調整している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような調整を掘り取り作業中に行うことは作業者にとって負担が大きいばかりでなく、作業者の熟練が要求されるという問題があった。本発明の課題は、上記従来技術の問題を解消することにあり、即ち、茎葉挟持部の高さ設定を円滑に、且つ自動的に行なうことができる根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題を達成するために、請求項1記載の根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置は、圃場面19に接地するゲージ輪52を上下させて茎葉挟持部Aの上下位置を調節可能とし、該上下位置をゲージ輪52の支持杆51に設けた電動シリンダ90のコントローラ94により制御するようにした根菜収穫機において、前記コントローラ94に、機体1の傾斜を計測する傾斜センサ93からのセンサ値と、茎葉挟持部Aの高さ設定部95で設定した設定値とから自動的に上記上下位置の制御を行わせることを特徴とする。
【0005】請求項2記載の根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置は、請求項1の手段において、上記コントローラ94に、該コントローラ94を作動させる自動スイッチ96を設け、該自動スイッチ96がオンされているときのみ、自動的に制御を行わせることを特徴とする。
【0006】請求項3記載の根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置は、請求項1又は2の手段において、上記コントローラ94と上記電動シリンダ90を作動させるリレーボックス91との間に牽制スイッチ99を介装すると共に、コントローラ94に伸縮リミットスイッチ98を設けることを特徴とする。
【0007】請求項4記載の根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置は、請求項1〜3のいずれかの手段において、ゲージ輪52の上下位置の上限及び下限の設定104,105を変更可能とすることを特徴とする。
【0008】請求項5記載の根菜収穫機の茎葉挟持部高さ制御装置は、請求項4の手段において、上記上限及び下限の設定104,105を運転部近傍で行うことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の態様】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。先ず、本発明に係る実施例の人参収穫機の全体構成について説明する。図1は実施例の側面図、図2は同実施例の概略平面図、図3は同実施例の正面図、図4は同実施例機の動力伝達系統の平面図である。
【0010】全体構成としては、機体1の下方に左右一対の走行クローラ2a,2bを配置し、機体1上には、人参Kの既掘起し側(図2において上側、進行方向右側)の走行クローラ2bの外縁よりも内側(未掘起し側)に、前端から操縦コラム4,運転座席5,エンジン6を配置する。機体1の後端側には、トランスミッション7を配置し、該トランスミッション7から前記左右一対の走行ローラ2a,2bの後端に配置された駆動輪8(図1参照)に動力伝達される。
【0011】また、人参Kの未掘起し側(図2において下側、進行方向左側)の走行クローラ2aの外縁より外側(未掘起し側)には、左右一対の挟持無端帯3,3からなる挟持搬送手段の少なくとも先端側が位置するように配置する。支持フレーム10は、機体1の後部寄り部位の茎葉挟持部回動支点9で、ブラケット10aを介して上下回動可能に支持させる。該支持フレーム10に装着された始端ホイール11,11及び後端ホイール12,12には、前記左右一対の挟持無端帯3,3を巻き掛け、各挟持無端帯3の前後中途部は多数の中間ホイール13・・で略一直線上に支持させる。図2及び図4に示すように、挟持無端帯3,3による人参Kの茎葉部の挟持搬送ラインHが、前記人参Kの未掘起し側の走行クローラ2aの外縁より外側で、平面視において、機体1の進行方向と平行となるように配置させる。
【0012】前記挟持無端帯3,3のうち、人参Kの未掘起し側の前方の下部には、引き抜くべき人参Kの茎葉部を未掘起し側の人参Kの茎葉部と絡まないように分離するための分草装置14(図2,4参照)を設ける。前記挟持無端帯3,3のうち、人参Kの既掘起し側の前方の下部には、引き抜くべき人参Kの茎葉部を引き起こすための引起し装置16を配置する。この引起し装置16は、回転駆動する無端ベルトに、基端が所定間隔で多数装着されたタイン17・・を始端ホイール11の前面側で前記分草装置14におけるタイン15と互いに略直交するように配置する。前記挟持無端帯3,3、分草装置14及び引起し装置16からなる茎葉挟持部Aは、茎葉挟持部回動支点9を中心にして一体的に上下回動するように、各装置部のフレーム同士は連結されており、それらの前部側から前向きに突出する支持杆51の前端に装着されたゲージ輪52で圃場面19に対して支持される。
【0013】図1乃至図6に示すように、分草装置14及び引起し装置16は、下部はこれら装置部の支持フレーム10で支持し、上部は、これら伝達ケースに支持する基板60と、基板60の下端部に下向きに弾圧付勢して取り付ける従動プーリ61と、基板60の上部に伝達ケースから突出させる駆動軸62に係合・軸支させる駆動プーリ63と、これらプーリ61,63の間に張設するタイン15・・,17・・付きの無端ベルト64と、基板60にボルト止めで着脱自在に取り付けてタインケース65を形成するカバー65aとで構成する。
【0014】更に、図6に示すように、引起し装置16の機体進行方向となる前面側下部にはデバイダ70を配置する。このデバイダ70は、引起し装置16の前面側下部に、基端を支軸71を介して上下揺動自在に機体進行方向に突出させて支持させる取り付けアーム72の先端に取り付ける。また、引起し装置16の機体進行方向の前面側上部に、ブラケット73及び位置決め具74を介して上下動自在にデバイダ70の操作杆75を設ける。
【0015】さらに、図5に示すように、サブソイラを昇降操作するための上リンク22と下リンク23の各基端側の回動支点20,21は、前記茎葉挟持部回動支点9よりも前方である機体1の内側面に配置する。上記上下回動支点20,21を中心にして、上下回動可能な平行リンクとしての上リンク22、下リンク23の先端側に縦支持杆24を連結し、該縦支持杆24の下端には、掘起し刃25を固定する。そして、図1及び図2に示すように、前記上部の回動支点20の入力軸20aに固定したプーリ28と、前記エンジン6の出力プーリ27とに無端帯29を巻き掛けて入力軸20aを回転させ、該入力軸20aに被嵌した偏心ボス(図示せず)を介して前記上リンク22の基端を連結し、この上リンク22を上下方向に振動させる。
【0016】図1、図2及び図4に示す如く、前記茎葉挟持部回動支点9と同芯軸上に設けたパイプ状の動力伝達横フレーム30の先端に前向きパイプフレーム31を連結する。また、前向きパイプフレーム31の先端には、左右一対の挟持無端帯3,3の長手方向中途部の上方において人参Kの既掘起し側に向かって延びる引起し用伝達パイプ32を連結する。更に、引起し用伝達パイプ32の未掘起し側端部から前方向に延びる伝達ケース33を介して、前記分草装置14の上部に分草用伝達ケース34を連結する。
【0017】そして、前記回動支点20と同軸の入力軸20aに固定したプーリ37から、無端帯38を介して、前記茎葉挟持部回動支点9と同芯軸上で動力伝達横フレーム30内に嵌挿される入力軸39突出端に固定のプーリ40に動力伝達し、さらに、前向きパイプフレーム31、引起し用伝達パイプ32、伝達ケース33及び分草用伝達ケース34内の伝達軸等の伝達機構を介して、引起し装置16及び分草装置14に各々動力伝達される。
【0018】また、前記入力軸39に固定されたプーリから、チェン41を介して後部伝動ケース42に動力伝達し、前記挟持無端帯3,3における両後端ホイール12,12と同軸の入力部に動力伝達して両挟持無端帯3,3を回動駆動する。更に、前記両後端ホイール12より下部で、人参Kの茎葉部を水平後方に搬送するための左右一対で上下に配置された無端搬送帯43a,43bからなる茎葉排出装置43及び左右一対の水平回転する回転刃44a,44aからなる切断手段44に回転力を伝達する。
【0019】図1において、符号82は茎葉挟持部回動支点9の前方で挟持無端帯3の中間部下方で配置する左右一対の水平回転する回転刃83から成る切断手段である。図7に示すように、前記両後端ホイール12,12より下部には、人参Kの根部の上端を水平後方向に案内することにより、前記茎葉排出装置43へ茎葉部を受け継がせるための左右一対の案内杆45を配置する。また、前記切断手段44で切断されて落下する人参Kの根部が、選別用コンベヤ装置46における隣接するスラット46b,46bの隙間に刺さり込まないように、寝かせた状態に姿勢変更させると共に、落下する根部がスラット46bに直接激突しないように、ゴム板製の緩衝材50を根部の落下経路に配置する。
【0020】更に、選別用コンベヤ装置46上に落下する人参Kが倒れる側のコンベヤフレーム80の上面の所定範囲には、ゴム板製の緩衝材81を配置する。前記切断手段44の下方には、茎葉部を切除分離された人参Kの根部を受け止め、機体1の後端の側方(人参Kの既掘起し側)に搬送するための、選別用コンベヤ装置46を配置する。該選別用コンベヤ装置46への動カ伝達機構として、トランスミッション7(図1)のPTO出力軸36(図1)から、プーリ、チェン47a、47b(図1,2)を介して選別用コンベヤ装置46への入力部46aを構成させる。この選別用コンベヤ装置46は、図1,2に示すように、一対の無端チェン間に多数の棒状のスラット46bが一定間隔で張り渡されている。前記切断された茎葉部は、茎葉排出装置43の後端から圃場面19に放出されるが、そのとき、未掘起し側の圃場面19に落下しないように傾斜しているガイド板55で案内される。
【0021】更に、図9に示すように、ガイド板55とは別体で、ガイド板55の下方には、保護板55aを付設する。即ち、廃棄すべき茎葉部は風にあおられて、次の作業行程に落下することがあり、次作業において茎葉部をデバイダ70が拾ってしまう不具合があるので、ガイド板55の付加的な部材として、ガイド板55の下端部に方形状のゴムを垂らした保護板55aを掛け止めし、風の影響を極力なくして、次行程の掘り取り部を排葉が覆い隠さないようにしている。上記選別用コンベヤ装置46の排出側端には、図2に示すように、良品の人参Kを受け止め、蓄積するためのコンテナ48を載置する前後長手のコンテナ台49を配置する。
【0022】上記コンテナ台49に隣接して、図2,10,11に示すように、運転席の後方には空のコンテナ48,48を予備的に載置しておく空コンテナ台110を設ける。空コンテナ台110は、篭状に形成されており空コンテナ台110の前面に設けられた取付孔部111,111が、運転席後方の機体1に2本設けられた取付突杆112,112に嵌合されている。空コンテナ台110の上記前面に隣接する一側面には、更に取付孔部111と同一形状の取付孔部111a,111aが取り付けられており、取付孔部111,111と取付孔部111a,111aとが選択的に取付突杆112,112に装着可能となっており、作業勝手に合わせて図10(A)又は図11に示す状態に変更可能である。
【0023】即ち、空コンテナ台110の取付方向を90°方向を変えられるようにすることにより、進行方向に対して後方又は側方からコンテナ48を取り出すことができるから、作業体系(補助者が1人又は2人以上の複数)に合せて、作業勝手の都合の良い方向に合せて取り付けができる。また、取付孔部111,111がコンテナ48の底辺より上方にあるため、どの方向に取付けても邪魔にならない。図7及び図8に示す如く、選別用コンベヤ装置46の搬送側下方の機体1上に、コンテナ載置台76を介して不良品の人参を収容するための屑コンテナ77を載置する。そして、該屑コンテナ77に、選別用コンベヤ装置46上で作業者によって選り分けられた不良品の人参を収容する。
【0024】また、屑コンテナ77には茎葉挟持部回動支点9の上方を覆い、茎葉挟持部回動支点9の回動が阻害されるを防止するための屋根形の支点カバー78を設ける。この支点カバー78の頂上部から後下がりに傾斜するカバー78のカバー後面79の先端を、前記屑コンテナ77の前側上方に延設する。そして、前記カバー後面79の上方に位置する挟持無端帯3,3から茎葉排出装置43への受継ぎ部において、未成熟で茎葉部が短いために受継ぎミスで落下する未成熟の人参を受け止め、屑コンテナ77に案内して投入する。
【0025】上記手段により、不良品や未成熟の屑人参を圃場に放出することなく回収し、作業後の圃場に屑人参が散乱し、収穫後の圃場の体裁を悪化させるのを防止する。更に、選別コンベアに茎葉付人参がきた時、ナイフ等を使って斬るのは危険である為、一時的に茎葉付人参を収穫しておく為のコンテナが必要であるが、そのために支点カバー78、特にカバー後面79を利用し、カバー後面79の終端部に屑コンテナ77をラップさせる。したがって、支点カバー78及びカバー後面79を伝って人参は屑コンテナ77に落ちるようになっている。
【0026】この構成により、茎葉付人参を支点カバー78及びカバー後面79に向って落とすと、屑コンテナ77に溜めておくことができるから、選別コンベア装置46付近でナイフを使わずに作業ができる。更に、選別コンベア装置46始端部でオーバフローした人参も屑コンテナ77に落とすことができる。なお、屑コンテナ77の底部は適度な穴あきとしておけば土壌はたまらない。また、前記カバー後面79の途中から先部を篩線79aで構成し、泥土のみをカバー後面79の下側に篩い落とし、カバー後面79に泥土が堆積することを防止し、屑人参の流下を阻害する。
【0027】本実施例の人参収穫機を用いた収穫作業についての概略を説明する。非作業時や路上走行時には、前記掘起し刃25や、前記左右一対の挟持無端帯3,3、引起し装置16、分草装置14の下端等の茎葉挟持部Aが地面に干渉しないよう、上昇位置に保持する。そのために、電動シリンダ26を駆動させ、昇降リンク機構である平行状の上・下リンク22,23の前端側を上向き回動させる。このとき、下リンク23の側面に設けた押し上げ用の回転可能なローラ53の上面が、前記挟持無端帯3,3の支持フレーム10の下面側等に設けた側面視「ヘ」字状のガイドレール54の下面に沿って移動する構成とすれば、1つの電動シリンダ26のピストンロッド突出動の作動で、掘起し刃25と共に茎葉挟持部Aを一体的に圃場面19より上方に大きく持ち上げることが可能となる。
【0028】実施例では、圃場に列状に植生された人参等の人参Kをその1列毎に収穫する場合であって、オペレータは運転座席5に座ってエンジン6を駆動し、機体1を前進させる。電動シリンダ26のピストンロッドを後退させると、収穫すべき列の位置の地面に掘起し刃25を押し込み、茎葉挟持部Aを下動させ、オペレータは操向ハンドルを操作して機体1の向きを調節し、左右一対の挟持無端帯3,3を巻掛けている左右一対の始端ホイール11,11の間が前記未掘起し側の人参Kの列に位置するように位置合わせする。
【0029】機体1の前進につれて、分草装置14の下端のタイン15・・の上昇移動で、掘り起こすべき人参Kの茎葉部と、それより未掘起し側の人参Kの茎葉部とを絡まないように分離する。また、前記上部のリンク22の基部の偏心回転ボスにより上下揺動する掘起し刃25が芯土をほぐして収穫すべき列の人参Kの根部より下方を掘り起こす。次いで、引起し装置16のタイン17・・の回動で、茎葉部が挟持無端帯3,3の上縁よりも上方に引き起こされる。挟持無端帯3,3の始端ホイール11,11の箇所で、前記引き起こされた茎葉部の挟持を開始し、前記挟持無端帯3,3が機体1の後方に行くに従って上昇するように配置されているので、茎葉部が挟持された人参Kの根部は圃場から軽い力で引き抜かれる。
【0030】一対の挟持無端帯3,3の挟持搬送ラインHに沿って機体1の後方に向けて揚上させられる人参Kの根部の上端は、案内杆45の下面筒所で拘束され、略水平後方に移動し、それより上方の茎葉部は、茎葉排出装置43の左右一対、上下の搬送帯43a,43bで挟持されながら機体1の後方に移動させられる。その途次、切断手段44の左右一対の回転刃44a,44aで、人参Kの根部と茎葉部との間が切断されるから、その人参Kの根部は自由落下し、緩衝材50に一且受け止められ緩衝された後、選別用コンベヤ装置46に載って横移動し、コンテナ台49後部のコンテナ48に集積されて収穫される。
【0031】上記全体構成において、本実施例の最も重要な特徴である茎葉挟持部Aのゲージ輪52の上下位置制御装置について説明する。ゲージ輪52を支持する支持杆51には、図2に示すように、電動シリンダ90が介装されており、該電動シリンダ90の伸縮により支持杆51は伸縮し、結果的に前記挟持無端帯3,3、引起し装置16、分草装置14等からなる茎葉挟持部Aの地上高の調整が可能となる。この調整は通常は収穫機の回行時、及び、収穫作業前に行う。
【0032】この制御手段として、図11に示すようなリレーボックス91と手動スイッチ92を用いてゲージ輪52を設定する手段がある。しかし、この手段は比較的時間がかかり、能率的ではないことからゲージ輪52の支持杆51をスイッチ操作だけで設定位置に引き上げ、或いは引き出しを行う手段を採用する。
【0033】本実施例に採用する上下動制御手段について、図13,14を用いて説明する。先ず、茎葉挟持部回転支点9に、図13に示す機体1の傾き角度を計測する傾斜センサ93を付設して、このセンサ値をコントローラ94に入力させ、更に該コントローラ94には茎葉挟持部A高さの設定部95と、コントローラ94を作動させるための自動スイッチ96と、電動シリンダ90の駆動モータ90aを手動で作動させる手動スイッチ92と、電動シリンダ90の伸縮を停止させる伸縮リミットスイッチ98,98とを付設し、更に、コントローラ94の出力端子からは牽制スイッチ99,99を介してリレーボックス91に出力させる。そして、該リレーボックス91により、電動シリンダ90の駆動モータ90aを作動・停止させる。
【0034】図14は、図13に示すコントローラ94の制御思想を示しており、茎葉挟持部回転支点9の傾斜角度、即ち機体の傾斜角度を計測値に、前もって茎葉挟持部高さ設定部95に作業者により設定されている信号(値)を読み込ませ、自動スイッチ96がオンされていることを前提に、コントローラ94に電動シリンダ90の伸縮量を計算させる。したがって、コントローラ94にゲージ輪52の適当な位置を計算させて作業地に合わせた茎葉挟持部高さで収穫作業が行なえる。即ち、コントローラ94の内部プログラムを適宜作成することにより、収穫機の傾き等、状況にあった判断をさせることができる。
【0035】例えば、計算(制御)させるに当たっては、一例として、傾斜角度の測定値と修正値との相関表或いは修正式をコントローラ94に修正ソフトとして入力しておき、傾斜角度の測定値に応じて、作業者により設定されている信号(値)を修正して、計算結果をリレーボックス91に出力させる。また、本実施例は、伸縮リミットスイッチ98,98や牽制スイッチ99,99を設けたことにより、茎葉挟持部A先端に負荷がかかった時には、電動シリンダ90の伸縮を停止させて、電動シリンダ90の故障を防ぐ。又、手動スイッチ92をオンしたときは、電動シリンダ90が作動する。この電動シリンダ90の作動は、作業者がゲージ輪52の高さ、即ち茎葉挟持部位置の高さを見ながら適宜伸縮リミットスイッチ98,98をオンすることにより停止する。
【0036】上記ゲージ輪52の上下動制御手段に、更に、茎葉挟持部位置の上限及び下限設定を行う手段として、図15に示すような上下位置制御手段を採用してもよい。この上下動制御手段は、図13に示す上下動制御手段に加えて、ゲージ輪52の上限高さ及び下限高さを運転席において変更可能に構成したものである。即ち、茎葉挟持部回転支点9に傾斜センサ93を構成するゲージ検出用ポテンションメータを付設して、コントローラ101にゲージ設定(ゲージ輪52の標準高さに対応する設定)102として適宜入力し、該コントローラ101には、自動スイッチ96、手動スイッチ103を設け、更に、コントローラ101からリレーボックス91に出力させる。そして、該リレーボックス91により、電動シリンダ90の駆動モータ90aを作動させる。
【0037】コントローラ101には、上記ゲージ設定102に加えて、茎葉挟持部Aの圃場面に対する下限位置の設定に対応するゲージ輪52の機体1に対する上限位置を設定する上限設定104、及び、茎葉挟持部Aの圃場面に対する上限位置の設定に対応するゲージ輪52の機体1に対する下限位置を設定する下限設定105を作業者により運転席で無段階で設定可能とする。そのために、図16に示すように、コントローラ101には前記手動スイッチ103及び自動スイッチ96に加えて、上限設定104のボタン及び下限設定105のボタンを作業者の運転部近傍に設ける。
【0038】上記構成において、自動スイッチ96を操作すれば、コントローラ101が電動シリンダ90の伸縮量を自動的に計算し、ゲージ設定値に対応するゲージ輪52の位置を設定する。即ち、自動スイッチ96の最初のON操作により、リレーボックス91は、電動シリンダ90を伸縮させてゲージ輪52を自動的に適正な位置に設定する。そして、更に例えば作業終了後、自動スイッチ96をもう一度押すと、上限位置までゲージ輪52が上がる。
【0039】このような手段は、収穫作業時、或いは作業機の回行時にレバーでゲージ輪52を作動させる手間が省け、作業時の操作の複雑さを解消する。また、ゲージ輪52の上・下限の設定値を変更したい場合には、図16に示す上限設定104のボタンを押している時間に応じて電動シリンダ90を縮めてゲージ輪52を上動させ、上限位置を設定することができる。逆に、下限設定105のボタンを押している時間に応じて電動シリンダ90を伸長させ、ゲージ輪52を下動させてゲージ輪52の下限位置を設定することができる。
【0040】なお、自動スイッチ96のON操作をせず、手動スイッチ92をオンしたときは、上記図13に示した制御装置の場合と同じように電動シリンダ90が作動する。即ち、この電動シリンダ90の作動は、作業者がゲージ輪52の高さ、即ち茎葉挟持部位置の高さを見ながら適宜伸縮リミットスイッチ98,98をオンすることにより停止する。
【0041】本実施例の茎葉挟持部高さ制御装置は、圃場面19に接地するゲージ輪52を上下させて茎葉挟持部Aの圃場面19に対する上下位置を調節可能とし、該上下位置をゲージ輪52の支持杆51に設けた電動シリンダ90のコントローラ94により制御するようにした根菜収穫機において、コントローラ94に、機体1の傾斜を計測する傾斜センサ93からのセンサ値と、茎葉挟持部Aの高さ設定部(入力部)95で設定した設定値とから自動的に上記上下位置の制御を行わせることができる。更に、上記作用効果に加えて、コントローラ94に自動スイッチ96を設け、該自動スイッチ96がオンされているときのみ自動的に制御を行わせることで、ゲージ輪52の上下位置の自動制御或いは手動調整を適宜選択することが可能である。
【0042】更に、上記効果に加えて、コントローラ94と電動シリンダ90を作動させるリレーボックス91との間に牽制スイッチ99を介装すると共に、コントローラ94に伸縮リミットスイッチ98を設けることで、収穫作業中に茎葉挟持部Aに大きな外力が作用したときにはコントローラ94からの制御を停止させ、例えばゲージ輪52を最下位置まで下動させて、茎葉挟持部Aの保護を図るようにしてもよい。更に、上記作用効果に加えて、ゲージ輪52の上下位置の上限及び下限の設定104,105を変更可能とすることで、茎葉挟持部Aの保全、作業機体の安定性を確保する。
【0043】更に、上記効果に加えて上限及び下限の無段階の設定104,105を運転席近傍の設定ボタンで行うことで、収穫作業中の設定変更が容易であり、種々の状況に迅速に対応することが可能となる。上記実施例は人参収穫機を例示したが、人参と近似する他の根菜類にも適用できることは言うまでもない。また、上記特許請求の範囲の項には、実施例との対応関係を理解し易くするために、図面符号を付したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0044】
【発明の効果】本発明は上記構成により、下記の効果を奏する。
1.請求項1に記載の発明によれば、圃場面に接地するゲージ輪を上下させて茎葉挟持部の上下位置を調節可能とし、該上下位置をゲージ輪の支持杆に設けた電動シリンダのコントローラにより制御するようにした根菜収穫機において、コントローラにより、機体の傾斜を計測する傾斜センサからのセンサ値と、茎葉挟持部の高さ設定部で設定した設定値とから自動的に上記上下位置の制御を行わせることができる。
【0045】2.請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加えて、コントローラに、自動スイッチを設け、該自動スイッチがオンされているときのみ制御させることで、ゲージ輪の上下位置の自動調整或いは手動調整を適宜選択することが可能である。
【0046】3.請求項3に記載の発明によれば、上記効果1又は2に加えて、コントローラと電動シリンダを作動させるリレーボックスとの間に牽制スイッチを介装すると共に、コントローラに伸縮リミットスイッチを設けることで、収穫作業中に茎葉挟持部に大きな外力が作用したときにはコントローラからの制御を停止させることができる。
【0047】4.請求項4に記載の発明によれば、上記効果1〜3のいずれかに加えて、ゲージ輪の上下位置の上限及び下限の設定を変更可能とすることで、茎葉挟持部の保全、作業機体の安定性を確保する。
【0048】5.請求項5に記載の発明によれば、上記効果4に加えて、上限及び下限の設定を運転席近傍で行うことで、収穫作業中の設定が可能であり、種々の状況に迅速に対応することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成10年8月7日(1998.8.7)
【代理人】 【識別番号】100105382
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 正昭
【公開番号】 特開2000−50713(P2000−50713A)
【公開日】 平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願番号】 特願平10−224285