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【発明の名称】 汎用コンバイン
【発明者】 【氏名】桐畑 俊紀

【要約】 【課題】運転席のあるキャビンの側方にはフィーダハウスがあり視界が悪かった。また、フィーダハウスの直後にロータが配置されているため、該ロータ上方をキャビンが覆いロータ部の保守点検作業がやりにくく、更に、ロータ下方に唐箕が配置されていることから車高の上昇が避けられず、車体バランスの悪化を招いていた。

【解決手段】刈取装置8の後部にスクリュー型のロータ21・22を配置した汎用コンバインにおいて、フィーダハウス10は運転席15の下方に配置し、該フィーダハウス17とロータ21との間にビータ51を設け、該ビータ51の下方に唐箕27を配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取装置の後部に穀稈の搬送を行うフィーダハウスを連通し、該フィーダハウスの後部にスクリュー型のロータを左右方向に配置した汎用コンバインであって、前記フィーダハウス後部とロータの間にビータを配置したことを特徴とする汎用コンバイン。
【請求項2】 前記運転席の後部下方にビータを配置したことを特徴とする請求項1記載の汎用コンバイン。
【請求項3】 前記ビータの下方に選別装置の唐箕を配置したことを特徴とする請求項1記載の汎用コンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリュー型ロータを進行方向に対して直角方向に配置した汎用コンバインの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に汎用コンバインでは、走行装置より前方に刈取装置を突出し、該刈取装置により刈り取った穀稈をキャビン側方のフィーダハウスから後方の脱穀部に搬送し、該脱穀部にはスクリュー型のロータを前後方向に配置して該ロータの回転によって脱穀を行う構成としていた。なお、本出願人はロータを左右方向に配置したコンバインを出願済みである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の前後方向にロータを配置した構成では、脱穀入口が該ロータの前端部に限定されるため、該脱穀入口まで刈取穀稈を搬送するフィーダハウスはロータの前端部に連設する必要があった。そこで、該フィーダハウスの側方に隣接してキャビンを設け、機体の大型化を防いでいた。そのため、キャビンの運転席からの視界が悪く、刈取位置の確認も困難であり、操縦操作性に劣るという問題があった。
【0004】一方、左右方向にロータを配置した構成でも、脱穀入口は左右一側に配置され、フィーダハウスが左右一側に偏って配置され、前記同様に運転席からの視界が悪くなっていた。この問題を回避するためフィーダハウス上方にキャビンを設けた場合には、視界は著しくに良好となるが、車高が高くなり車体バランスが悪化するという問題が生じ、また、該フィーダハウスの直後にロータが配されているため、該ロータ上を前記キャビンが覆う構成となり、ロータカバーを開閉するにはキャビンを前方に倒す等の手間がかかって、脱穀部およびロータ下方の選別装置の保守点検作業が極めて煩雑になるという問題があった。
【0005】更に、両ロータタイプにおいても、ロータ下方には風選別を行うべく、風量に余裕のある比較的大型のファンである唐箕が配置されていることから、車高の上昇が避けられず、コンバイン自体の重心が高くなり、圃場間移動時の畦越えやトラックへの積み込み、積み降ろし時等でバランスを崩しやすいという問題もあった。本発明は、前記の点に鑑み、運転席からの視界が良好であり、装置の保守管理の容易で、車体バランスにも優れた汎用コンバインを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。すなわち、請求項1においては、刈取装置の後部に穀稈の搬送を行うフィーダハウスを連通し、該フィーダハウスの後部にスクリュー型のロータを左右方向に配置した汎用コンバインであって、前記フィーダハウス後部とロータの間にビータを配置したものである。
【0007】また、請求項2においては、前記運転席の後部下方にビータを配置したものである。
【0008】更に、請求項3においては、前記ビータの下方に選別装置の唐箕を配置したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の汎用コンバインの全体側面一部断面図、図2は同じく平面図、図3は同じく正面断面図、図4は従来例と本発明での各部品配置の比較説明図である。
【0010】まず、本発明に係わる汎用コンバインの全体構成を図1乃至図3により説明する。クローラー式走行装置1上に本機が搭載され、本機より前方に刈取装置8及び搬送装置9が突出されている。刈取装置8はプラットホーム2内に横送りオーガ3を左右方向に収納して、回転駆動することによって穀稈を略中央に集めるようにしている。前記プラットホーム2前端には刈刃4が横設され、該刈刃4の前上方には掻込リール5が配設されている。前記プラットホーム2の両側の後部上に昇降リンク6の後部が枢支され、該昇降リンク6の前端に前記掻込リール5が回転自在に支持され、油圧モーター等によって掻込リール5が回転駆動される。また、前記プラットホーム2の両側前端には分草板7が配設されている。
【0011】搬送装置9については、前記プラットホーム2の後部左右中心よりやや左側寄りには前記横送りオーガ3のスクリュー羽根の送り終端位置に合わせてフィーダハウス10が連通され、該フィーダハウス10内にコンベア11が収納され、該フィーダハウス10の後端は、左右水平方向に回転軸心を有する円筒状のビータ51を介して、脱穀入口12に連通されており、フィーダハウス10の後部は機体フレーム13に昇降回動自在に支持されている。そして、フィーダハウス10の下面と本機の機体フレーム13との間には油圧シリンダー14を介装して、刈取装置8を昇降可能としている。該フィーダハウス10の上方には運転席15や操向ハンドル16等を収納したキャビン17を配置している。
【0012】機体前上部には脱穀部18が配設されており、該脱穀部18は複数のロータ(第一ロータ21と第二ロータ22)と受網20等からなり、該第一ロータ21と第二ロータ22は筒の外周にスクリュー羽根21a・22aを設けたスクリュー型に構成されて、軸心は左右水平方向に向けられて、前後平行に配置されている。但し、本実施例では二つのロータを配置しているが3本以上配置して脱穀処理の距離を長くすることもできるのである。また、前記第一ロータ21と第二ロータ22の間には仕切り板23が設けられ、該第二ロータ22の後部には左右方向に後板24が設けられ、前記仕切り板23の右側には連通孔23aが開口され、前記後板24の左側には排出孔24aが開口されている。
【0013】このような構成において、フィーダハウス10からビータ51を介して脱穀入口12に刈取穀稈が送られると、第一ロータ21の回転によって、刈取穀稈は右方へ搬送されながら脱粒される。そして、第一ロータ21の右端に至ると連通孔23aから第二ロータ22の脱穀空間に送られ、該第二ロータ22の回転によって左方へ搬送されながら脱粒され、第二ロータ22の左端に送られると、排出孔24aより選別装置19後部上に排稈が落下されて圃場上へ放出されるのである。
【0014】また、前記脱穀部18下方には選別装置(揺動選別装置)19が配置されており、該選別装置19は前記第一ロータ21と第二ロータ22の長さに合わせた幅とし、その構成は、受け網20、流穀板25やグレンシーブ26等よりなる揺動選別装置、及びビータ51下方の唐箕27等からなる。そして、一番物は一番コンベア28より揚穀コンベア29を介してグレンタンク30に貯留され、二番物は二番コンベア31より還元コンベア32を介して選別装置19の前部へ還元されるのである。尚、前記揚穀コンベア29によりグレンタンク30上部に搬送された一番物は、レベリングコンベア54で前方に送られ、グレンタンク30の前後方向略中央位置に設けられた回転羽根等からなるレベリングディスク55によってタンク中央に向かって投入され、グレンタンク30内の穀粒が均一に貯蔵されるようにしている。
【0015】前記グレンタンク30は脱穀部18の上方に配置され、その幅は機体フレーム13の幅と略同じとし、該グレンタンク30の下部には第一ロータ21と第二ロータ22の両ロータを配置させている。該グレンタンク30の下部内で機体の進行方向に向かって右側には、排出コンベア33を前後方向に収納し、該排出コンベア33の後端は排穀コンベア52の下端に連通し、該排穀コンベア52はグレンタンク30の側面より上方に突出し、その上端は排出オーガ34の基部と連通している。該排出オーガ34は前方に水平に延出されており、上下左右に回動可能とし、排出オーガ34の先端を任意位置に移動可能として、グレンタンク30内の籾をトラックの荷台等へ排出できるようにしている。
【0016】また、図2に示すように、前記縦コンベア52の下部に動力入力ケース115を配置し、エンジン53の動力を減速ケース121で減速し、動力入力ケース115内に入力するように構成し、動力入力ケース115内のベベルギア機構等を介して排出コンベア33を駆動する一方で、別のベベルギア機構を介して縦コンベア52より排出オーガ34内のスクリューを駆動している。このように、籾を排出する動力伝達経路を排出コンベア33方向と、縦コンベア52、排出オーガ34方向への二方向に分けたので、例えば、排出コンベア33、縦コンベア52、排出オーガ34へと順次動力を伝達してゆく構成に比べて、連続して動力を伝達する動力伝達部経路を短くできギア等の連動部に過剰な負荷がかかることを防いでいる。
【0017】また、グレンタンク30は、前記排出コンベア33の回転軸を中心として機体フレーム13側方に回動自在に支持され、該グレンタンク30の下面の前後端部には油圧シリンダ56・56の上端が枢結され、該油圧シリンダ56・56の下端はそれぞれ前記第一ロータ21前方の機体部分と、第二ロータ22後方の機体部分に枢支されており、油圧シリンダ56・56を伸縮させることでグレンタンク30を昇降回動可能とし、グレンタンク30内の穀粒を排出したり、ロータ等をメンテナンスできるようにしている。更に、前記グレンタンク30の後部にはエンジン53が配置されている。該エンジン53の下方はミッションケースや伝動ケース等を介して車軸36に連結され、該車軸36に駆動スプロケットを固設して、クローラー式走行装置1を駆動して走行できるようにしている。
【0018】次に、以上のような全体構成から成る汎用コンバインおいて、本発明に係わる構成を、図1、図2、図4により更に詳細に説明する。前記フィーダハウス10の前端は、オーガ3の外周側面に植設されたスクリュー羽根の送り終端部に連結され、該終端部にはオーガ3の回動により穀稈が集積され、該穀稈はフィーダハウス10内に配設されたコンベア11によりフィーダハウス10後端に搬送される。コンベア11は、前記第一ロータ21や第二ロータ22等とベルトやプーリー等を介して動力が伝達されるようにしている。
【0019】また、フィーダハウス10は、キャビン17の下方に配置するとともに、本実施例では、ビータ51、脱穀入口12とともに機体の進行方向に向かって左側寄りに設けている。これにより、運転席からの視界を良好とするばかりでなく、ロータを往復して脱穀されるようになって、穀稈の脱穀処理の距離を長くし脱穀性能の向上を図ることができるのである。
【0020】前記フィーダハウス10の後端には円筒状のビータ51が横架され、該ビータ51の外周側面には複数の突起57が植設されており、ビータ51の回動により突起57も回転されて穀稈をはね飛ばし前記脱穀部18まで搬送する。該脱穀部18の前部へ搬送された穀稈は、脱穀入口12を通り第一ロータ21の左前部に取り込まれて脱穀処理が施され、続いて第二ロータ22においても脱穀されるのである。
【0021】次に、キャビン、ロータ、唐箕の配置構成を図4により説明する。従来の左右方向にロータを配置したコンバインは図4(a)に示すように、フィーダハウス10の後部の直後に第一ロータ21が配置され、キャビン17’の後部が第一ロータ21の上方を覆う構成となっていた。よって、ロータカバー58を開閉する際には、キャビン17’が邪魔となるので、該キャビン17’を前方または側方に傾倒させてからロータカバー58を開けていたのである。従って、メンテナンスや部品交換等では煩雑な工程が要求され、順番を間違うと重大な機械トラブルを招く要因ともなる。
【0022】また、従来では、前記脱穀部18の下方に脱穀後の穀粒を藁屑を選別するための選別装置19’が配置され、第一ロータ21の直下にはグレンパンを設け、更にその下方に唐箕27’を設けていたのである。これは、前述の如く、第一ロータ21がフィーダハウス10の直後に配置されるので、必然的に第一ロータ21、グレンパン、唐箕27’と上下方向に配置される。このため脱穀部18の設置高さが高くなり、ひいては車高が高くなり車体バランスが悪化する事態を招いていた。
【0023】本発明では図4(b)に示すように、フィーダハウス10の後部と第一ロータ21との間にビータ51が設けられるので、ビータ51の上方にキャビン17の後部が位置することになる。このビータ51の径は第一ロータ21の径よりもかなり小さいので、キャビン17はそのぶん低く配置することができ、車高を低くすることができるのである。また、第一ロータ21の上方がキャビン17により覆われないので、ロータカバー58を上方へ開放するときにキャビン17が邪魔にならず、容易に開閉可能となった。これにより、機械の保守点検を頻繁に行うことができ、重大なトラブルを未然に防ぐことが可能となったのである。
【0024】また、ビータ51の下方には空間ができてしまうので、その空間に唐箕を配置することが可能となり、その空間を有効に利用でき、更に、グレンパンはその後方の第一ロータ21下方に配置できて、選別装置19の上下高さを低くすることができ、第一ロータ21や第二ロータ22等の脱穀部18も低く設置することができて、高さ抑えられ、重心を低くし重量バランスの向上を図ることができるようになったのである。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。すなわち、請求項1の如く、刈取装置の後部に穀稈の搬送を行うフィーダハウスを連通し、該フィーダハウスの後部にスクリュー型のロータを左右方向に配置した汎用コンバインであって、前記フィーダハウス後部とロータの間にビータを配置したので、ロータ上方がキャビンで覆われることがないため、ロータカバーの開閉が容易となり、脱穀部や選別装置の保守点検作業等が簡単に行え、深刻な機械トラブルの回避が可能となった。
【0026】請求項2の如く、前記運転席の後部下方にビータを配置したので、フィーダハウスで視界が遮られず、刈取部の視認性が向上し、また、キャビンを低く配置できるようになり、車高を低くすることが可能となった。
【0027】請求項3の如く、前記ビータの下方に選別装置の唐箕を配置したので、選別装置の上下高さを低くすることができて、車高のアップが抑えられて重心を低くすることができ、刈取収穫作業時、あるいはトラックへの積み込み、積み降ろし時等の車体バランスを大きく改善することができ、重心が低くなって走行安定性も向上できたのである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成10年7月22日(1998.7.22)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2000−37124(P2000−37124A)
【公開日】 平成12年2月8日(2000.2.8)
【出願番号】 特願平10−206501