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【発明の名称】 脱穀装置における排藁詰まり検出装置
【発明者】 【氏名】衛藤 哲郎

【要約】 【課題】汎用コンバインにおける脱穀部6の排藁が詰まり易い箇所に排藁詰まりセンサ9を設けて、オペレータに注意を促する。

【解決手段】第1扱室50と第2扱室52とを隣接させ、第1扱室50内の第1扱胴41と、第2扱室52内の第2扱胴42の回転軸線を平行となるように配置し、第1扱室50の穀稈搬送終端側と第2扱室52の穀稈搬送始端側とを連通口53を介して連通する。排藁詰まりセンサ9は、少なくとも、連通口53を構成する囲み部材としての連通口底板54の外面に配置し、所望により、第2扱室52から揺動選別部の後部側への排藁通路としての送り口57を構成する囲み部材のうち、底板59の外面に配置する。排藁詰まりセンサ9にて排藁詰まりを検知する信号を出すと、コントローラ11にて警報ブザー12を作動せ、車速を減速させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自走式のコンバインに搭載され又は定置式の脱穀装置における扱室に、排藁が流出できる通路を構成する囲み部材を連設し、該囲み部材の外面には当該囲み部材への外力を検知する排藁詰まりセンサを設け、該排藁詰まりセンサの検出により、前記通路内にて排藁が詰まったことを検知したときには、警報を報知する制御手段を備えたことを特徴とする脱穀装置における排藁詰まり検出装置。
【請求項2】 前記囲み部材のうち底板の外面に、当該底板の変形の程度もしくは付与される外力の大きさにより前記通路内にて排藁が詰まったことを検知できる排藁詰まりセンサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置における排藁詰まり検出装置。
【請求項3】 自走式のコンバインに前記制御手段を搭載し、前記通路内にて排藁が詰まったことを検知したときには、コンバインの走行速度を減速させるように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の脱穀装置における排藁詰まり検出装置。
【請求項4】 自走式のコンバインに搭載した脱穀装置における第1扱室と第2扱室とを隣接させ、両扱室内の扱胴の回転軸線を平行となるように配置し、第1扱室の穀稈搬送終端側と第2扱室の穀稈搬送始端側とを連通口を介して連通し、該連通口を構成する囲み部材に、前記排藁詰まりセンサを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の脱穀装置における排藁詰まり検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自走式のコンバインに搭載され又は定置式の脱穀装置における扱室から流出する排藁により通路が詰まったことを検知するための脱穀装置における排藁詰まり検出装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の検出装置は、排藁が通過する通路内に、詰まった排藁により、移動(回動)するセンサレバーを臨ませ、この移動量または回動量をリミットスイッチ等のセンサ本体のスイッチ部にON・OFF信号にて判別するようにした排藁詰まり検出装置があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記通路内にセンサレバーを突出させていると、これに通過する排藁が引っ掛かり、これが原因で排藁の詰まりが助長されたり、誤作動が発生するという問題があった。また、前記センサレバーは移動もしくは回動する部品であるため、詰まった排藁の除去作業時にセンサレバーを不用意に変形させたり、損傷させてしまうという問題もあった。
【0004】本発明は、これらの問題を解決して、トラブルの発生がない脱穀装置における排藁詰まり検出装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の脱穀装置における排藁詰まり検出装置は、自走式のコンバインに搭載され又は定置式の脱穀装置における扱室に、排藁が流出できる通路を構成する囲み部材を連設し、該囲み部材の外面には当該囲み部材への外力を検知する排藁詰まりセンサを設け、該排藁詰まりセンサの検出により、前記通路内にて排藁が詰まったことを検知したときには、警報を報知する制御手段を備えたものである。
【0006】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脱穀装置における排藁詰まり検出装置において、前記囲み部材のうち底板の外面に、当該底板の変形の程度もしくは付与される外力の大きさにより前記通路内にて排藁が詰まったことを検知できる排藁詰まりセンサを設けたものである。そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の脱穀装置における排藁詰まり検出装置において、自走式のコンバインに前記制御手段を搭載し、前記通路内にて排藁が詰まったことを検知したときには、コンバインの走行速度を減速させるように制御するものである。
【0007】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の脱穀装置における排藁詰まり検出装置において、自走式のコンバインに搭載した脱穀装置における第1扱室と第2扱室とを隣接させ、両扱室内の扱胴の回転軸線を平行となるように配置し、第1扱室の穀稈搬送終端側と第2扱室の穀稈搬送始端側とを連通口を介して連通し、該連通口を構成する囲み部材に、前記排藁詰まりセンサを設けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体化した実施形態について説明する。図1は汎用コンバインの側断面図、図2は脱穀部の概略平面図、図4は穀稈詰まりセンサ配置位置を示す図である。本発明に係る汎用コンバイン1は、左右一対の走行クローラ式の走行部2,2とその上に搭載され、後述するような、脱穀装置としての脱穀部6を搭載した走行機体3と、走行機体3の前方に昇降可能に装着されたフイーダ部5を介して設けられた左右長手の刈取前処理装置4とを備える。
【0009】走行部2は、左右一対の走行フレーム21,21の前後端の配置した駆動輪22及び従動輪23と、走行フレーム21,21下面中途部に配置した複数の転動輪24との外周に巻回されたクローラ2a,2aからなる。そして、図1または図3に示すように、左右各走行フレーム21と、走行機体3とは、左右の油圧シリンダ25と、前後位置の側面視L字状のレバー27,27と、この前後のレバー272,27を同時に作動させるように連結する連結杆26等とからなる傾動機構を介して連結し、油圧シリンダ25を互いに独立的に作動させて左右の走行部2に対して走行機体3の左右を相対的に昇降させることにより、一方の走行部2が圃場等の泥濘等で沈み込んでも、走行機体3の左右を略水平に保持できるよう構成されている。
【0010】刈取前処理装置4は、横長のバケット状のプラットホーム30の前端縁に刈刃装置31が配置され、プラットホーム30の前側上方に、左右一対の昇降リンク32を介して掻込みリール33が配置され、刈刃装置31が刈り取った穀稈をプラットホーム30内に掻込むように構成されている。プラットホーム30内に横設した横送りオーガ34を回転駆動させて、プラットホーム30の左右中央から進行方向に向かってやや左寄り位置に刈り取られた穀稈を集積する。
【0011】プラットホーム30における前記穀稈の集積部から後方に延びるほぼ矩形筒状のフイーダ部5の後端を脱穀部6の前端の穀稈投入口35に連通させると共に、フイーダ部5の後端を走行機体3に対して昇降自在に枢着し、走行機体3の前端と前記フイーダ部5とを図示しない油圧シリンダにて連結して、刈取前処理装置4を昇降可能に構成する。そして、前記集積された穀稈をフイーダ部5内の穀稈搬送コンベヤ36にて脱穀部6の始端側に搬送する。
【0012】なお、走行機体3の前端に配置された運転室37は、前記フイーダ部5より上方に配置され、プラットホーム30内や掻込みリール33が見渡せるように司会良好な位置にある。また、運転室37内には運転席38や操向用丸ハンドル39並びに各種操作レバー、スイッチ類を備えた操作盤40が備えられている。走行機体3内における脱穀部6には、図1、図2及び図4に示すように、第1扱室50と第2扱室52とを隣接させ、両扱室内の扱胴41,42の回転軸線を平行となるように配置し、第1扱室50の穀稈搬送終端側と第2扱室52の穀稈搬送始端側とを連通口53を介して連通させるように配置している。即ち、走行機体3の前側寄りの第1扱室50内に大径ロータ状の第1扱胴41を、その後側の第2扱室52内には小径ロータ状の第2扱胴42を、各々回転軸線がコンバイン1の進行方向に対して横方向に水平状に延びるように配設されている。各扱胴41,42の外周には、各々スクリュー羽根43,44が螺旋状に巻回突設されている。
【0013】第1扱胴41及び第2扱胴42の上側を区画する天仕切り板45、左右側板46,47及び第1扱胴41の下方側にスクリュー羽根43から所定距離隔てて配置される円弧状の第1受け網48と、一方の側板46から他方の側板47方向に延びる仕切り壁49とで、第1扱室50が構成され、同じく前記仕切り壁49、天仕切り板45、左右側板46,47及び第2扱胴42の下方側にスクリュー羽根44から所定距離隔てて配置される円弧状の第2受け網51と後壁56とで、第2扱室52が構成される。
【0014】そして、この第1扱室50と第2扱室52とは、前記仕切り壁49の先端と前記一方の側板46との間の連通口53を介して連通されている。穀稈、排藁等が通過するための通路としての連通口53を構成する囲み部材の一つとして、第1受け網48の後端と第2受け網51の先端とに連設する連通口底板54が張設されている。また、後壁56の先端と他方の側板47とに、第2扱室52から後述する揺動選別部7のストローラック72に処理されるべき穀稈、排藁等を送り出す送り口57が開口されている。なお、第1扱胴41の外周のうち、前記連通口53に接近する部位には、第1扱胴41の軸線方向に延びる掻出羽根55が突設されており、同様に第2扱胴42の外周のうち、前記送り口57に接近する部位には、第1扱胴41の軸線方向に延びる掻出羽根58が突設されている。
【0015】走行機体3の後部側に配置されたエンジン8の出力軸からプーリ及びベルト伝動により第1扱胴41及び第1扱胴42が図4において反時計方向に回転することにより、フイーダ部5から送給された穀稈は、第1扱室50の第1受け網48の上に引き込まれ、この第1受け網48上を図5の右方向(連通口53に近づく方向)に搬送しながら、脱穀処理される。次いで、第1扱胴41の掻出羽根58にて排出された未処理穀稈は、連通口53を介して第2扱室52内の第2受け網51の上に引き込まれ、この第2受け網51上を図5の左方向(送り口57に近づく方向)に搬送しながら、脱穀処理される。なお、第1扱胴41及び第1扱胴42におけるスクリュー羽根43,44には、図示しないが多数の扱歯突設されており、穀稈を効果的に切断するようにしている。
【0016】第1受け網48及び第2受け網51を漏下した排藁混じりの穀粒は、揺動選別部7に落下させて選別する。上述のように、脱穀部6に第1扱胴41及び第2扱胴42を走行機体3の進行方向と直角に並列的に配置し、第1扱室50から第2扱室52に連通口53を介して連通しているから、両扱室にわたって平面視でUターンさせながら穀稈を順次脱穀処理するので、走行機体3が短いものでありがら、処理経路が長くなって効率よく脱穀処理できるものである。また、第2扱胴42を第1扱胴41よりも小径に形成することで、刺さり粒等の未処理物品を完全に脱穀処理できる。
【0017】揺動選別部7は、図1に示すように、脱穀部6の下方に配置されており、揺動機構70により、走行機体3の前後方向に一体的に揺動する流穀板71、グレンシーブ、チャフシーブ73、ストローラック72等からなり、揺動選別部7の下方前側には風選別のための唐箕フアン80、スクリューコンベヤ付き一番選別樋81、スクリューコンベヤ付き二番選別樋82が配置されている。
【0018】前記エンジン8の出力軸からプーリ及びベルトの伝動系を介して唐箕フアン80及び揺動選別部7等を駆動し、脱穀部6から流穀板71に落下した排藁混じりの穀粒からグレンシーブ、チャフシーブ73により排藁と微塵混じりの穀粒とに分離し、排藁は走行機体3後端に開口する排藁排出口83から機外に排出する。微塵混じりの穀粒を、グレンシーブ、チャフシーブ73の下方を流れる唐箕フアン80からの選別風により穀粒と微塵とに分離し、微塵及び前記送り口57から排出されストローラック72上にて刺さり粒分離処理された残りの排藁は、共に排藁排出口83から機外に排出される。
【0019】選別された穀粒のうち二番選別樋82に集まったものは、還元揚穀コンベヤを介して揺動選別部7の前側(流穀板71側)に還流させる一方、一番選別樋81に集まる穀粒はスクリューコンベヤ及び揚穀コンベヤを介して側方等の穀粒タンクに集積される。次に、図4を参照しながら、脱穀装置(脱穀部)6における排藁詰まり検出装置の構成について説明する。
【0020】本発明に適用する排藁詰まりセンサ9は、少なくとも、第1扱室50から第2扱室52への穀稈、排藁の通路である連通口53を構成する囲み部材としての連通口底板54の外面に配置し、所望により、第2扱室52から揺動選別部7の後部側への排藁通路としての送り口57を構成する囲み部材のうち、底板59の外面に配置するものである。
【0021】そして、排藁詰まりセンサ9は、前記通過すべき排藁の詰まりにより、薄い鋼板である連通口底板52または底板59に通常の状態(円滑に排藁が通過している状態)に比べて大きい外力が作用して弾性変形するときのその変形量もしくは外力の大きさを検知できる歪みゲージ式センサ等を利用するものである。排藁詰まりセンサ9,9の検知信号は増幅器10に送られ、さらに、制御手段としてのマイクロコンピュータ式のコントローラ11に伝送され、ここで、予め設定記憶された閾値と比較し、前記検知信号の値が閾値より大きい時には、排藁詰まりであると判別して、警報ブザー(警報ランプ)12を作動させてオペレータに知らせる。このとき、エンジン8もしくは変速部、ブレーキ部の駆動回路にも所定の信号を出して、コンバインの車速を減速するように制御することが好ましい。
【0022】この構成により、コンバイン1を前進させながら刈取前処理装置4を作動し、圃場の植立した穀稈の穂先側を刈取りながら、掻込みリール33にて穀稈を掻込み、横送りオーガ34にて集めて、フイーダ部5を介して脱穀部6に送り込み、第1扱胴41を有する第1扱室50から第2扱胴42を有する第2扱室52へ処理すべき穀稈(排藁)を送り込み、所定の脱穀処理を実行するが、前記第1扱室50から第2扱室52への連通口53等に穀稈(排藁)が詰まると、連通口底板54が内面側(連通口53側)から受ける圧力が以上に大きくなるので、この検知信号を判別して、排藁詰まりであると判別して、警報ブザー(警報ランプ)12を作動させ、車速を減速することにより、脱穀部6への刈取穀稈の供給量を減少させて、前記箇所での排藁詰まりを迅速に解消できるようにするのである。
【0023】なお、長期間排藁詰まり現象が継続すると、脱穀処理作業が不能となるので、コンバインを停止して、前記詰まった排藁を除去すべきである。
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載の発明の脱穀装置における排藁詰まり検出装置は、自走式のコンバインに搭載され又は定置式の脱穀装置における扱室に、排藁が流出できる通路を構成する囲み部材を連設し、該囲み部材の外面には当該囲み部材への外力を検知する排藁詰まりセンサを設け、該排藁詰まりセンサの検出により、前記通路内にて排藁が詰まったことを検知したときには、警報を報知する制御手段を備えたものである。
【0025】このように本発明における排藁詰まりセンサは、排藁が流出できる通路を構成する囲み部材の外面に配置し、且つ当該囲み部材への外力を検知するものであるから、センサ部品が前記通路を狭めたり、排藁の通過を邪魔することがなく、また、前記通路内にて排藁が詰まったことを検知したときには、制御手段にて警報を報知するものであるから、オペレータは迅速に対処できるという効果をそうするのである。
【0026】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脱穀装置における排藁詰まり検出装置において、前記囲み部材のうち底板の外面に、当該底板の変形の程度もしくは付与される外力の大きさにより前記通路内にて排藁が詰まったことを検知できる排藁詰まりセンサを設けたものである。このように詰まった排藁の自重が作用し易い底板の外面に、排藁詰まりセンサを設けたものであるから、詰まり現象を早期に検知し易くなり、トラブル防止の処置も迅速にできるという効果を奏するのである。
【0027】そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の脱穀装置における排藁詰まり検出装置において、自走式のコンバインに前記制御手段を搭載し、前記通路内にて排藁が詰まったことを検知したときには、コンバインの走行速度を減速させるように制御するものであるから、この車速減速により、脱穀装置内への穀稈の供給量が減少し、その間に一旦詰まった排藁が通路を通過できるようにすることができるのである。
【0028】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の脱穀装置における排藁詰まり検出装置において、自走式のコンバインに搭載した脱穀装置における第1扱室と第2扱室とを隣接させ、両扱室内の扱胴の回転軸線を平行となるように配置し、第1扱室の穀稈搬送終端側と第2扱室の穀稈搬送始端側とを連通口を会して連通し、該連通口を構成する囲み部材に、前記排藁詰まりセンサを設けたものである。
【0029】このように両扱室及び各扱胴を並列的に配置し、第1扱室から第2扱室に連通口を介して連通しているから、両扱室にわたって平面視でUターンさせながら穀稈を順次脱穀処理するので、走行機体が短いものでありがら、処理経路が長くなって効率よく脱穀処理できるものである。しかし、前記Uターン箇所である連通口の箇所には排藁が溜まり易く、詰まり易いから、この箇所の囲み部材の外面に排藁詰まりセンサを設けことで、脱穀部の最も詰まり易い箇所を常時監視することができるという効果を奏するのである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成10年7月21日(1998.7.21)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
【公開番号】 特開2000−32833(P2000−32833A)
【公開日】 平成12年2月2日(2000.2.2)
【出願番号】 特願平10−205469