| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】大野 隆行
【氏名】藤田 茂雄
【氏名】王 健
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| 【要約】 |
【課題】搬送装置の部位に詰まりを発生した場合には、迅速に詰まりを検出して作業者に報知し得るコンバインを構成する。
【解決手段】株元センサ23と稈長センサ24との間を刈取穀稈が搬送される時間を設定し、作業開始時において、株元センサ23で刈取穀稈を検出した後に、設定時間内に稈長センサ24で刈取穀稈を検出しない場合には、ランプ27、ブザー28を作動させると共に、エンジンを強制的に停止させる制御装置25を備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植立穀稈の株元を刈取装置で切断し、切断された刈取穀稈を挟持式の搬送装置で後方に搬送し、この搬送穀稈の穂先部を脱穀装置に送り込むよう構成されたコンバインであって、前記搬送装置の搬送上手側位置に刈取穀稈の存否を判別する第1センサを備え、この搬送装置の搬送下手側位置に刈取穀稈の存否を判別する第2センサを備え、刈取開始時に第1センサで刈取穀稈の存在を検出した後に、設定時間内に第2センサで刈取穀稈の存在を検出しない場合、又は、作業時に第1センサで刈取穀稈の存在を検出する状態で第2センサで刈取穀稈が存在しない状態を検出し、この検出状態が所定時間以上継続した場合には報知装置を報知作動させる制御装置を備えているコンバイン。 【請求項2】 前記搬送装置の刈取穀稈の搬送速度が車体の走行速度と正比例して変化するよう構成されると共に、前記設定時間が搬送装置の搬送速度と正比例して変更されるよう構成されている請求項1記載のコンバイン。 【請求項3】 前記報知装置が、報知作動時にエンジンを停止させるエンジン停止機構で構成されている請求項1記載のコンバイン。 【請求項4】 前記搬送装置が、刈取穀稈の株元を挟持する挟持搬送機構と、刈取穀稈の穂先に接当して搬送力を作用させる穂先係止搬送機構と、刈取穀稈の穂先に接触するセンサからの信号に基づいて該挟持搬送機構による刈取穀稈の挟持位置を変更して挟持位置から穂先位置までの距離を予め設定された値に維持する扱深さ調節機構とを備えて構成されると共に、この扱深さ調節機構用のセンサが前記第2センサに兼用されている請求項1記載のコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、植立穀稈の株元を刈取装置で切断し、切断された刈取穀稈を挟持式の搬送装置で後方に搬送し、この搬送穀稈の穂先部を脱穀装置に送り込むよう構成されたコンバインに関し、詳しくは、刈取穀稈の詰まりを判別する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】上記のように構成されたコンバインとして特開平6‐315313号公報に示されるものが存在し、この従来例では株元センサで刈取穀稈の存在を検出する状態で脱穀装置の負荷が小さい場合には、刈取穀稈を搬送する搬送経路中で詰まりが発生したと判断してエンジンを停止させるものとなっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】コンバインは走行を行い乍ら刈取った刈取穀稈を搬送装置を介して脱穀装置に搬送し、脱穀処理を行う構成となっていることから、搬送装置の部位で刈取穀稈に詰まりを発生した場合には、走行に伴って詰まりが発生した部分に対して刈取穀稈が継続的に送り込まれ過負荷によるエンジン停止に繋がるばかりでなく、詰まった刈取穀稈を取り除くにも手間が掛かるものとなる。そこで、従来例のように穀稈の詰まりを検出すると即時にエンジンを停止することで詰まりが発生した部位に多量の穀稈が滞留する不都合を解消するものも存在する。 【0004】しかし、従来例のように刈取穀稈の搬送を検出する状態においてエンジンの負荷の低下を検出した時点で、詰まりが発生したことを判別するものでは、詰まりが発生して穀稈が搬送されなくなった後に、脱穀装置から刈取穀稈が送り出される、あるいは、脱穀装置内の処理物の量が減少することによって負荷が低下するまでの時間だけは刈取穀稈が詰まり発生部位に送り込まれ続けるものとなり、改善の余地がある。 【0005】本発明の目的は、搬送装置の部位に詰まりを発生した場合には、できるだけ迅速に詰まりの発生を検出して作業者に報知し得るコンバインを合理的に構成する点にある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は冒頭に記載したように、植立穀稈の株元を刈取装置で切断し、切断された刈取穀稈を挟持式の搬送装置で後方に搬送し、この搬送穀稈の穂先部を脱穀装置に送り込むよう構成されたコンバインにおいて、前記搬送装置の搬送上手側位置に刈取穀稈の存否を判別する第1センサを備え、この搬送装置の搬送下手側位置に刈取穀稈の存否を判別する第2センサを備え、刈取開始時に第1センサで刈取穀稈の存在を検出した後に、設定時間内に第2センサで刈取穀稈の存在を検出しない場合、又は、作業時に第1センサで刈取穀稈の存在を検出する状態で第2センサで刈取穀稈が存在しない状態を検出し、この検出状態が所定時間以上継続した場合には報知装置を報知作動させる制御装置を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0007】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記搬送装置の刈取穀稈の搬送速度が車体の走行速度と正比例して変化するよう構成されると共に、前記設定時間が搬送装置の搬送速度と正比例して変更されるよう構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0008】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項1において、前記報知装置が、報知作動時にエンジンを停止させるエンジン停止機構で構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0009】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項1において、前記搬送装置が、刈取穀稈の株元を挟持する挟持搬送機構と、刈取穀稈の穂先に接当して搬送力を作用させる穂先係止搬送機構と、刈取穀稈の穂先に接触するセンサからの信号に基づいて該挟持搬送機構による刈取穀稈の挟持位置を変更して挟持位置から穂先位置までの距離を予め設定された値に維持する扱深さ調節機構とを備えて構成されると共に、この扱深さ調節機構用のセンサが前記第2センサに兼用されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0010】〔作用〕上記第1の特徴によると、例えば、設定時間を搬送装置で第1センサの位置から第2センサの位置まで穀稈を搬送するに必要とする時間より少し長い時間に設定することにより、刈取作業開始時には最初に送り込まれた刈取穀稈の存在を第1センサで検出した後、この刈取穀稈の存在を設定時間内に第2センサで検出できない場合には、第1センサが配置された部位と第2センサが配置された部位との間の搬送装置に詰まりを発生したと判断できるものとなり、これと同様に作業途中に第1センサで刈取穀稈の存在を検出した状態で、第2センサで刈取穀稈の存在を検出できない状態を生ずると、第1センサが配置された部位と第2センサが配置された部位との間の搬送装置に詰まりを発生したと判断できるものとなり、これにより報知手段を報知作動させることで作業者に対して詰まりの発生を認識させ得るものとなる。 【0011】上記第2の特徴によると、車体の走行速度を変更した場合でも設定時間が適正な値に設定されるので、低速走行時にも対応できるよう設定時間を長い値に設定するものと比較して、走行速度に関わらず、詰まりが発生した場合には即時に詰まりの発生を判別できるものとなる。 【0012】上記第3の特徴によると、詰まりが発生した場合には、エンジンを停止させることで作業者に対して詰まりの発生を確実に認識させると同時に、エンジンが停止することで詰まりが発生した部位に対して刈取穀稈を送り込む不都合が解消されるものとなる。 【0013】上記第4の特徴によると、従来からコンバインに備えられている扱深さ制御用のセンサを用いることになるので詰まり検出に用いるセンサの数を低減でき部品数の低減ばかりでなく、コストダウンにも繋がるものとなる。 【0014】〔発明の効果〕従って、作業開始時であっても作業途中であっても、搬送装置の部位に詰まりを発生した場合には、詰まりの発生を迅速に検出して作業者に報知し得るコンバインが合理的に構成されたのである(請求項1)。又、車体の走行速度を変更した場合でも、詰まりの発生を走行速度に対応した最短の時間で報知できるものとなり(請求項2)、エンジンの停止によって詰まりの発生を作業者に対して確実に認識させると共に、刈取穀稈の詰まりを取り除く作業も容易に行えるものとなり(請求項3)、従来から備えられているセンサの兼用化によって少ない部品点数で低廉でありながら穀稈の詰まりを報知できるコンバインが構成されたのである(請求項4)。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1,図2に示すように、左右のクローラ走行装置1で走行する車体2に脱穀装置3とグレンタンク4とを左右並列に備えると共に、この車体2の前部位置に運転部Aを備え、車体2の前端位置に運転部Aと左右に並列して刈取前処理部Bを昇降自在に備えてコンバインを構成する。前記刈取前処理部Bは車体前部の横向き姿勢の軸芯P周りで揺動自在に連結された伝動フレーム5に支持され、この伝動フレーム5を昇降駆動する油圧シリンダ6を備えることで刈取前処理部Bが昇降自在に構成されている。又、図3に示すように前記運転部Aには作業者が着座する運転座席7が備えられると共に、この運転座席7の前部位置には車体2の操向制御と刈取前処理部Bの昇降制御とを行う操向レバー8と、メータパネルMとを配置し、運転座席7の側部位置には車体2の走行速度を設定する主変速レバー9が配置されている。 【0016】前記刈取前処理部Bは圃場の穀稈を引き起こす引起し装置11と、この引起し装置11からの穀稈の株元を係止して後方に送る補助搬送装置12と、穀稈の株元を掻き込む複数の掻込み回転体13と、穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置14と、刈取られた刈取穀稈Kを後方に送る縦搬送装置15と、この縦搬送装置15からの刈取穀稈Kが送られる供給搬装置16とを備えて構成され、この供給搬装置16は脱穀装置3のフィードチェーン17に対して刈取穀稈Kを供給する位置に配置されている。又、この縦搬送装置15は刈取穀稈Kの株元を挟持搬送する前部位置の第1挟持搬送機構18と、この第1挟持搬送機構18の後方位置の第2挟持搬送機構19と、これらの上方位置において刈取穀稈Kの穂先側を係止搬送する係止搬送機構20とを備えて構成され、更に、第2挟持搬送機構19は前記伝動フレーム5の中間位置の縦向き姿勢の軸芯Q周りで揺動自在に支持され、この第2挟持搬送機構19の揺動姿勢を調節する電動モータ21を備えて扱深さ調節系を構成している。 【0017】図2に示すように縦搬送装置15の前方位置に刈取穀稈Kとの接触で揺動操作される接当部材23Aを有し刈取穀稈Kの存在時にはON操作される一対の株元センサ23,23(第1センサS1の一例)が配置されている。この株元センサ23は後記するように扱深さ制御する際に、刈取作業状態にあるか否かを判断する際に使用される。又、縦搬送装置15の後端部の上部位置に刈取穀稈Kとの接触で揺動操作される接当部材24Aを有し刈取穀稈Kの存在時にはON操作される一対の稈長センサ24,24(第2センサS2の一例)を備えており、この一対の稈長センサ24,24の接当部材24A,24Aの中間位置に刈取穀稈Kの穂先側の端部が位置するよう前記電動モータ21を制御して前記第2挟持搬送機構19の揺動姿勢を設定することで扱深さを調節する扱深さ調節機構が構成されている。 【0018】図1に示すように、前記脱穀装置3の扱室には前後向き姿勢の軸芯周りで回転する扱胴3Aが備えられ、この下方位置に扱室からの処理物を選別する選別部(図示せず)を備えている。又、前記運転座席7の下方にエンジンEが配置され、このエンジンEから刈取前処理部Bと、脱穀装置3とに動力を伝える伝動系が形成されている。 【0019】このコンバインでは前記株元センサ23,23と前記稈長センサ24,24とを用いて刈取穀稈Kの詰まりを判別して作業者に報知するよう構成されている。つまり、図4に示すようにマイクロプロセッサを備えた制御装置25に対して前記一対の株元センサ23,23と、前記稈長センサ24,24と、車体2の走行速度を計測する速度センサ26とからの信号が入力する系が形成されると共に、この制御装置25から前記電動モータ21を制御する出力系と、メータパネルMに備えた警報用のランプ27とブザー28とを制御する出力系と、前記エンジンEを強制的に停止させるエンジン停止機構29に対する出力系とが形成され、以下に制御動作を説明する。 【0020】図5のフローチャートに示す詰まり処理ルーチン(a)は、圃場で刈取作業を開始する際に機能するものである。つまり、速度センサ26の計測値に基づいてタイマ値を設定し、一対の株元センサ23,23のうち一方でもOFFからONに切換わった時点でタイマ(ソフトウエアで構成されている)を作動させる。このタイマの値は株元センサ23の位置から稈長センサ24の位置まで刈取穀稈Kが搬送されるに要する時間(通常の走行速度で1.6秒程度)であり、この縦搬送装置15の搬送速度は走行速度と同期して変化するので前述のように車体2の走行速度を計測することでタイマ値を設定するものとなっている。又、このタイマ値は、通常の走行速度で前述した1.6秒より僅かに長い時間に設定されている。次に、タイムアップまでに(タイマでセットされた時間が経過するまでに)一対の稈長センサ24,24のうちの何れか一方でもOFFからONに切換わると、詰まりが発生していないと判断でき、これとは逆に、タイムアップまでに何れの稈長センサ24,24もOFFからONに切換わらなかった場合には詰まりが発生していると判断できるのでランプ27を点灯させ、ブザー28を作動させ、エンジン停止機構29によってエンジンEを停止させる報知作動を行うものとなっている(#101〜#106ステップ)。尚、この制御ではランプ27、ブザー28、エンジン停止機構29夫々が報知装置Tに相当する。 【0021】図6のフローチャートに示す詰まり処理ルーチン(b)は、作業途中に機能するものである。つまり、時間経過に伴った株元センサ23,23のON・OFFの状態を制御装置25のメモリ(図示せず)に記憶しておき、次に、株元センサ23,23と稈長センサ24,24との状態を判別し、一対の株元センサ23,23の一方でもONにある状態で夫々の稈長センサ24,24がともにOFFに切換わったことを検出すると、この検出タイミングを基準にして設定時間以前の株元センサ23の状態をメモリから読出し、一対の株元センサ23,23が設定時間以前には夫々ともOFF状態であったかどうか判別する。この設定時間は株元センサ23の位置から稈長センサ24の位置まで刈取穀稈Kが搬送されるに要する時間(1.6秒程度)に設定され、この判別によって設定時間以前に一対の株元センサ23,23が夫々ともOFF状態であったことが判別された場合には、欠株のように穀稈が存在しない圃場を通過したと判断して警報を行わず、これとは逆に、一対の稈長センサ24,24が夫々ともOFFに切換わったことを検出し、この検出タイミングを基準にして設定時間以前の夫々の株元センサ23,23の状態をメモリから読出し、夫々の株元センサ23,23が設定時間以前には一方でもON状態であったことが判別された場合には、この稈長センサ24,24が夫々ともOFFにある状態が所定時間継続した時点で詰まりが発生していると判断してランプ27を点灯させ、ブザー28を作動させ、エンジン停止機構29によってエンジンEを停止させる報知作動を行うものとなっている(#201〜#206ステップ)。尚、この制御でもランプ27、ブザー28、エンジン停止機構29夫々が報知装置Tに相当する。 【0022】このように、本発明では刈取穀稈Kを搬送する部位の搬送上手位置と搬送下手位置とに刈取穀稈Kの存否を判別するセンサを配置するだけで、刈取穀稈Kの詰まりが発生した場合には、詰まり発生から短時間のうちに詰まりの発生を感知して作業者にランプ27の点灯と、ブザー28の作動とエンジンEの強制な停止とで、詰まりの発生を確実に作業者に報知すると共に、エンジンEの停止によって詰まりの部位に刈取穀稈を供給することを即座に阻止して、詰まりの拡大を未然の防止するものとなっている。このように詰まり発生から短時間のうちに報知とエンジンEの停止とを行うことで詰まり解消のための作業を楽に行えるものとなっている。特に、2つの位置に配置されたセンサとしてコンバインに本来備えられた2種のスイッチを兼用できるので、専用のセンサを備える必要がなく、部品点数の増大を抑制すると同時にコストを抑制し得るものとなっている。 【0023】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態以外に、例えば、エンジン停止機構に代えて主変速レバーを中立位置に戻し操作する電動モータ等のアクチュエータを備えることで、前述のように刈取穀稈の詰まりを発生した場合には主変速レバーを戻し操作して車体の走行を停止させるよう実施することも可能である。尚、このように車体の走行を停止させる際に前述と同様にランプの点灯とブザーの作動を行う形態の報知を行う以外に、液晶ディスプレイに文字を表示することや、電気的に合成した人の言葉で詰まりの発生を報知するように報知装置を構成することも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年7月15日(1998.7.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−32827(P2000−32827A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月2日(2000.2.2) |
| 【出願番号】 |
特願平10−200132 |
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