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【発明の名称】 茶葉摘採機
【発明者】 【氏名】松村 鋼司

【氏名】栗田 裕之

【氏名】斉木 雅宏

【要約】 【課題】摘採茶葉を収容する袋の交換のために摘採開始位置への移動回数を低減することで摘採作業の手間を省いて効率のよい摘採作業を行える構成を備えた茶葉摘採機を提供する。

【解決手段】茶樹畝を跨いで茶葉を摘採可能な刈刃44を備え、その刈刃44により摘採された茶葉を刈刃後部に位置する袋収納する構成を備えた茶葉摘採機において、上記刈刃後部にて該刈刃44による刈幅中央位置を境にして左右および上下各段にそれぞれ設けられている茶葉収納袋F1、F2を備え、上記上下各段に位置する茶葉収納袋F1、F2は、予め設定された茶樹畝での摘採可能な移動距離に応じて上段F2および下段F1側が選択されて上記刈刃後部に開口を対面させる構成とされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茶樹畝を跨いで茶葉を摘採可能な刈刃を備え、その刈刃により摘採された茶葉を刈刃後部に位置する袋に収納する構成を備えた茶葉摘採機において、上記刈刃後部にて該刈刃による刈幅中央位置を境にして左右および上下各段にそれぞれ設けられている茶葉収納袋を備え、上記上下各段の左右に位置する茶葉収納袋は、予め設定された摘採量に達したときに上段および下段が切り換えられて上記刈刃後部に開口を対面させる構成とされていることを特徴とする茶葉摘採機。
【請求項2】 請求項1記載の茶葉摘採機において、上記茶葉収納袋は、上記刈刃を装備した走行台車に搭載され、その開口部が上記刈刃により摘採された茶葉を吹き飛ばす送風手段の後部に対面させてあることを特徴とする茶葉摘採機。
【請求項3】 請求項1記載の茶葉摘採機において、上記上段の茶葉収納袋は、その開口が伸縮可能なシリンダにより昇降自在に支持され、該シリンダは、上昇位置を初期位置とし、茶葉収納袋の容量に対応する摘採量が得られる摘採機の移動距離に達した時点で下段の茶葉収納袋の開口を塞いだ状態に下降して上記上段側の開口を上記刈刃に対面させることを特徴とする茶葉摘採機。
【請求項4】 請求項3記載の茶葉摘採機において、上記シリンダは、制御部からの信号により下降駆動され、その制御部は、1条の茶畝の長さによって得られる摘採量と上記茶葉収納袋の容量とにより該茶葉収納袋が摘採茶葉で満たされるまでの摘採可能な移動距離を割り出し、その移動距離に達した時点で上記シリンダの下降駆動を行わせるための信号を出力することを特徴とする茶葉摘採機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、茶葉摘採機に関し、さらに詳しくは茶葉摘採機における茶葉収納袋の選択機構に関する。
【0002】
【従来の技術】茶園用の茶葉摘採機の一つに軌道式の茶葉摘採機がある。この茶葉摘採機は、列状に栽植された茶樹畝の各畝間に単一のレールが敷設され、茶樹畝を挾む左右の畝間の敷設レールを一対の軌道として走行しながら茶樹畝の全面にわたり茶葉の摘採,剪枝,防除等の各種作業が行える構造を備えている。上述のような軌道式の茶葉摘採機は、従来より公知のものであり、例えば特開平1−174301号公報、特開平4−91716号公報等に記載された先行技術が知られ、また本出願人においても先に特開平4−320613号公報に記載された先行技術を提案している。
【0003】この種の装置は、茶樹畝を挾む左右両側の畝間に敷設されているレールを一対の軌道として、レールに沿って移動する左右の軌道台車間に、茶樹畝を跨ぐ門形のフレームを架設させ、この門形フレームに茶樹畝の全面にわたる刈取部および茶葉収納部を備えた摘採装置を上下動可能に装着している。そして、茶葉の摘採作業を行うときは、刈刃を茶樹畝の摘採深さまで下降させた状態で軌道台車を前進させ、この前進により茶葉の摘採作業を行うと共に摘採した茶葉を袋に収容しつつ進行し、所定経路の摘採作業が終ると、刈刃を所定の高さまで上昇させた状態にして摘採開始端まで高速で戻り、収容した茶葉袋を交換して、次の摘採作業に移るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述のような軌道式の茶葉摘採機では、摘採された茶葉を収容するための茶葉収納部が設けられている。茶葉収納部の構成には、例えば、摘採装置に備えられているバリカン刃によって摘採された茶葉を右半部、左半部の袋受け部に分流されて洩れなく袋に収容するようにした構造がある。この構造では、刈幅中央位置を境にしてバリカン刃の後部に配置されたトンネル形の袋受け部を設け、上記刈幅中央位置に設けられている回転ブラシによって摘採茶葉を袋受け部に取り付けられている茶葉袋内に導くようになっている。しかし、このような茶葉収納部の構成には次のような問題があった。刈幅中央位置を境にして左右に配置されている袋内が摘採茶葉で満たされるとその度に袋を交換しなければならない。そこで、袋交換時には摘採開始位置にまで戻る必要がある。このため、摘採作業時での移動時間に加えて、摘採開始位置に戻るための移動時間、換言すれば、摘採作業に直接関係しない時間が必要となることから、摘採作業に手間がかかることになる。そこで、摘採開始位置に戻る時間を低減するために、摘採機上に多数の茶葉収容袋を搭載しておくことも考えられる。このような方法では、一々摘採開始位置に戻る必要がないものの、茶葉で満たされた茶葉袋を摘採機上に多数搭載しておくことはできない関係上、これら茶葉で満たされた袋を運搬する必要がある。従って、このような方法においても、茶葉袋の運搬という摘採作業とは関係のない作業内容が必要となることから、摘採作業に要する時間を短縮することが難しく、摘採作業に手間がかかることは否めない。
【0005】本発明の目的は、上記従来の茶葉摘採機における問題に鑑み、摘採茶葉を収容する袋の交換のために摘採開始位置への移動回数を低減することで摘採作業の手間を省いて効率のよい摘採作業を行える構成を備えた茶葉摘採機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、茶樹畝を跨いで茶葉を摘採可能な刈刃を備え、その刈刃により摘採された茶葉を刈刃後部に位置する袋に収納する構成を備えた茶葉摘採機において、上記刈刃後部にて該刈刃による刈幅中央位置を境にして左右および上下各段にそれぞれ設けられている茶葉収納袋を備え、上記上下各段の左右に位置する茶葉収納袋は、予め設定された摘採量に達したときに上段および下段が切り換えられて上記刈刃後部に開口を対面させる構成とされていることを特徴としている。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の茶葉摘採機において、上記茶葉収納袋は、上記刈刃を装備した走行台車に搭載され、その開口部が上記刈刃により摘採された茶葉を吹き飛ばす送風手段の後部に対面させてあることを特徴としている。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の茶葉摘採機において、上記上段の茶葉収納袋は、その開口が伸縮可能なシリンダにより昇降自在に支持され、該シリンダは、上昇位置を初期位置とし、茶葉収納袋の容量に対応する摘採量が得られる摘採機の移動距離に達した時点で下段の茶葉収納袋の開口を塞いだ状態に下降して上記上段側の開口を上記刈刃に対面させることを特徴としている。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項3記載の茶葉摘採機において、上記シリンダは、制御部からの信号により下降駆動され、その制御部は、1条の茶畝の長さによって得られる摘採量と上記茶葉収納袋の容量とにより該茶葉収納袋が摘採茶葉で満たされるまでの摘採可能な移動距離を割り出し、その移動距離に達した時点で上記シリンダの下降駆動を行わせるための信号を出力することを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1乃至4記載の発明では、上下各段に位置する茶葉収納袋が、予め設定された茶樹畝での摘採可能な移動距離に応じて上段および下段側が選択されて上記刈刃後部に開口を対面させる構成とされているので、従来の摘採茶葉収納量に対して2倍の収納量を確保できるとともに、摘採可能な移動距離に達した時点で下段の茶葉収納袋から上段の茶葉収納袋に摘採茶葉の収納方向が切り換えられるので、茶葉収納袋を取り換えるための戻り移動を低減できる。しかも、摘採茶葉の収納方向の切り換えは、予め設定した摘採可能な移動距離に応じて動作するシリンダにより自動的に切り換えられるので、茶葉収納袋交換のために作業者が摘採機から乗降する動作をなくすことができる。
【0011】
【実施例】以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。図1,図2は軌道式の茶葉摘採機を示しており、この軌道式茶葉摘採機は、本願の先願に該当する特願平6−258297号の願書に添付された明細書に示された構成を主要部として備えているものであり、以下にその構成について説明した後、本実施例についての説明を行う。図1,図2に全体構造を示す軌道式茶葉摘採機は、茶樹園の各茶樹畝の両側の畝間にレール支柱1を介して所定の地上高に敷設された円形パイプ製の左右のレール2,2上を走行する軌道台車3の門型フレーム4に沿って茶葉摘採装置5を昇降自在に装備したものであり、軌道台車3は、左右の台車サイドフレーム6,6の前端に前輪7を前輪支持ベース8を介して回転自在に支持し、その後端に後輪9を後輪支持ベース10を介して回転自在に支持している。
【0012】なお、前記前輪支持ベース8は、台車サイドフレーム6の前端面に対し上下2本のボルトで固定されており、上方の固定ボルトを挿通するボルト挿通孔が下方のボルトを中心とした円弧長孔とされることで、下方のボルト廻りに任意の角度だけ左右に傾動して固定できるようになっている。前記後輪支持ベース10も同じ固定構造により任意の角度だけ左右に傾動して固定できるようになっている。
【0013】ここで、前記左右のレール2,2上を転動する左右の前輪7及び後輪9は、転動面であるU字溝の両側が脱輪防止用のツバを兼用するものであるが、左右のレール2,2の間隔に多少の広狭があっても対応できるようにするため、本実施例では片側(例えば左側)の前輪7はU字溝の幅が広く設定され、レール2に対して左右方向にそれぞれ5cm程度づつ相対移動可能となっている。これに対応して片側(左側)の後輪9は、図示しないが、後輪支持ベース10の両壁間に回転自在に横架された駆動軸に対しその長手方向に摺動自在に嵌合し、この後輪9は、その両側に配置して駆動軸に巻装された左右のコイルスプリングにより駆動軸の長手方向中央部にフローティング支持されており、コイルスプリングに抗して左右方向にそれぞれ5cm程度づつ移動可能となっている。
【0014】前記左右の後輪9は、後輪支持ベース10上に設置された後輪駆動モータ13により減速ギヤボックス14,チェーン伝動機構15を介して回転駆動される前記駆動軸11と共に回転するものであり、上記後輪駆動モータ13の回転制御によって軌道式茶葉摘採機は所定の低速で前進走行して摘採作業等を行い、その作業終了後あるいは後述する茶葉収納袋の交換時には高速で後退走行するようになっている。
【0015】なお、前記前輪支持ベース8の前端には、軌道式茶葉摘採機の前進端で作動して前記後輪駆動モータ13の回転を停止するリミットスイッチ16(一方のみ表示)が設置され、また台車サイドフレーム6の後部付近には、軌道式茶葉摘採機の後退端で作動して後輪駆動モータ13の回転を一旦低下させた後に停止させる2段階作動式のリミットスイッチ(図示されず)が設置されている。
【0016】前記門型フレーム4は、角パイプの溶接構造物であり、左右の上部サイドフレーム4a,4a及び下部サイドフレーム4b,4bにより前後に連結された前部門型フレーム4cと後部門型フレーム4dとを有している。前部門型フレーム4cの左右の縦フレーム4e,4eの下端部は、前記左右の台車サイドフレーム6,6の前端部に立設された前部連結支柱6a,6aにそれぞれ外嵌しており、前部連結支柱6aに複数形成された上下のピン孔(図示されず)の一つに連結ピン17が挿通されることで、上下方向に伸縮調整自在に連結されている。同様に後部門型フレーム4dの左右の縦フレーム4f,4fの下端部も、左右の台車サイドフレーム6,6の後端部に立設された後部連結支柱6b,6bにそれぞれ外嵌し、各ピン孔の一つに連結ピン17が挿通されることで上下方向に伸縮調整自在に連結されている。
【0017】ここで前記前部門型フレーム4cの左右の縦フレーム4e,4eの上端部間に横架された横フレームは、その長さ方向(左右幅方向)に伸縮自在に嵌合した部分横フレーム4g,4hで構成され、同様に前記後部門型フレーム4dの左右の縦フレーム4f,4fの上端部間に横架された横フレームは、その長さ方向(左右幅方向)に伸縮自在に嵌合した部分横フレーム4i,4jで構成されている。
【0018】前記前部門型フレーム4cの横フレームにおいて、一方の部分横フレーム4gの上面には横フレーム伸縮モータ20が一体接続された減速ギヤボックス21とベアリングケース22とが固定され、他方の部分横フレーム4hの上面にはナット23が固定されており、このナット23にはネジシャフト24が螺合し、その基端部は上記ベアリングケース22に回転自在に支持されている。そしてネジシャフト24の基端部がジョイントを介して上記減速ギヤボックス21の出力軸に連結されることで、ネジシャフト24は横フレーム伸縮モータ20により減速ギヤボックス21を介して回転駆動され、このネジシャフト24の回転に伴う上記ナット23の移動により、部分横フレーム4g,4hが相互に自動伸縮するようになっている。
【0019】同様に、前記後部門型フレーム4dの横フレームにおいても、一方の部分横フレーム4iの上面には減速ギヤボックス21とベアリングケース22とが固定され、他方の部分横フレーム4jの上面にはナット23が固定されており、このナット23にはネジシャフト24が螺合し、その基端部24aはベアリングケース22に回転自在に支持されている。そしてこのネジシャフト24の基端部はジョイント25を介して減速ギヤボックス21の出力軸に連結されている。
【0020】ここで、前記部分横フレーム4i上の上記減速ギヤボックス21と部分横フレーム4g上の前記減速ギヤボックス21とは、両端部にユニバーサルジョイント26a(一方のみ表示)を有する連動シャフト26を介して相互に連結されており、横フレーム伸縮モータ20の回転により両減速ギヤボックス21,21の出力軸が同一速度で回転駆動されるようになっている。そして部分横フレーム4i上の減速ギヤボックス21の出力軸が回転駆動されることで、ネジシャフト24が回転して部分横フレーム4j上のナット23が移動し、部分横フレーム4i,4jが相互に自動伸縮するのであり、この自動伸縮は前記部分横フレーム4g,4hの自動伸縮と同期して行われる。
【0021】一方、前記門型フレーム4の左右両側には、前後方向に延びる左右一対の昇降フレーム27,27(片方のみ図示)が配置されている。この昇降フレーム27は、前部門型フレーム4cの縦フレーム4eの外側面に付設されて上下方向に延びる角形断面のガイドパイプ28及び後部門型フレーム4dの縦フレーム4fに案内されて昇降駆動されるもので、その前端部には、前後上下に配置されて上記ガイドパイプ28を前後方向から挟持する4つの転動輪(図示されず)が左右の支持板30,30を介して回転自在に支持され、またその後端部には、前後上下に配置されて後部門型フレーム4dの縦フレーム4fを前後方向から挟持する4つの転動輪31が支持板32を介して回転自在に支持されている。なお、図示省略した反対側の昇降フレーム27も同様に構成されている。
【0022】前記茶葉摘採装置5は、茶樹畝の上方にて左右方向に延びるバリカン式の茶葉摘採部38が門型フレーム4の直前方に配置され、その後方の門型フレーム4の内側には、茶葉摘採部38で摘採された茶葉を収容する茶葉袋を載置するための袋載置台39が配置されたもので、茶葉摘採部38の両端部は袋載置台39の左右両側に立設されたサイドフレーム40,40の上部に左右一対の支持ステー(図示されず)を介して連結支持されている。摘採茶葉を収容するための構成に関しては、後で詳しく説明する。
【0023】なお、前記茶葉摘採部38は、両端部にそれぞれエンジン42とこれに駆動される送風機43とを有するもので、一方のエンジン42に駆動されるバリカン刃44は、茶樹畝の上面に沿うよう上方に湾曲して左右方向に延びている。そしてこのバリカン刃44の上方に配置されて上記両送風機43,43にそれぞれ接続された送風ダクト45,45は、バリカン刃44に沿ってその左右方向中央部に向かって延びており、各送風ダクト45,45にはバリカン刃44で刈り取られた茶葉を後方に吹き飛ばすための送風ノズル46が長手方向に沿って複数個接続されている。
【0024】また、前記バリカン刃44の左右方向中央部の直上方には、図3に示すように、ブラシ駆動モータ47により回転駆動される回転ブラシ48が設置され、この回転ブラシ48の後方には、図3および図6に示すように、中仕切板49が設置されており、バリカン刃44の中央部で摘採された茶葉を回転ブラシ48及び中仕切板49により左右に振り分けるようになっている。また、上記袋載置台39は、左右方向に拡縮できる構成を備えており、軌道幅に応じて前後輪が幅方向に位置調整されるのに合わせてバリカン刃44の刈幅に対応させるようになっている。
【0025】一方、上記した軌道式茶葉摘採機の構成を対象として、本実施例の特徴となる構成を説明すると、次の通りである。図1において、前述した茶葉摘採部38は、下段に位置する袋載置台39が該当する下段の茶葉収納部(便宜上、図1において符号50で示す)に加えて、上段に今一つの茶葉収納部(便宜上、図1において符号51で示す)が設けられている。上段の茶葉収納部51は、下段の茶葉収納部50に位置する中仕切板49を境にして左右一対に設けられ、図3に示すように、中仕切り板49を跨いだ左右位置で上面および前後面が開放された袋受け部51Aを有している。図3において、袋受け部51Aは、正面視形状が上向き凹状をなし、その上面における前部および後部は刈幅方向に延長された支持フレーム53,54と一体化され、側部では支持フレーム53,54同士が連結されることで上面が四辺の枠形状に構成され、この上面は透明板55によって塞がれている。袋受け部51Aの下面には、下段の茶葉収納部50の袋載置台39に載置される茶葉収納袋F1(図7参照)の開口上縁が取り付けられるようになっており、また、袋受け部51Aの上面に位置する支持フレーム54には、上部の茶葉収納部51に設けられる茶葉収納袋F2(図7参照)の開口上縁を係止するためのフック54A(図1、図3参照)が複数設けられている。
【0026】袋受け部51Aは、後述するシリンダ56によって昇降かつ傾動可能に支持されている。つまり、支持フレーム53,54のうち、バリカン刃44側に位置する支持フレーム53には、図4に示すように、その刈幅方向中央位置にシリンダ56のロッド56Aがヒンジ結合されている。シリンダ56はサイドフレーム4aにより支持されているバッテリ57を電源とする電動シリンダが用いられ、下段の茶葉収納部50に位置する袋載置台39に立設された支柱58(図4参照)の上部に基端部がヒンジ結合されている。一方、支持フレーム53に対向する支持フレーム54は、図2に示すように、刈幅方向両端の一部が、サイドフレーム40に設けられているブラケット40Aの長孔内に枢支されており、シリンダ56の進退動作に連動して支持フレーム53が昇降および傾動する際の支点部とされている。つまり、シリンダ56のロッド56Aが伸長していないときには、図4に示すように、上段の茶葉収納部51に位置する袋受け部51Aが略水平となり、ロッド56Aが伸長した場合には、図4に示すように、袋受け部51Aが茶葉摘採装置5側に向けて移動する一方、サイドフレーム40側に位置する支持フレーム54の枢支部を支点として下降傾動し、袋受け部51Aが茶葉摘採装置5に対向する。
【0027】シリンダ56の進退移動は、摘採可能な移動距離に応じて制御されるようになっており、そのための構成は図5に示されている。図5は、軌道式茶葉摘採機の駆動を始めとする各種制御を実行する制御部100の構成を説明するためのブロック図であり、同図において制御部100は、マイクロコンピュータにより主要部が構成され、図示しないI/Oインターフェースを介して入力側には本実施例と関係する構成として、操作パネル101、距離計102および茶葉収納袋の重量センサ103が接続され、出力側にはシリンダ56の駆動部104が接続されている。操作パネル101は、図1に示すように、サイドフレーム4aにより支持されて設けられており、本実施例では、1条の茶畝を対象とした移動距離および茶葉収納袋の容量(収容可能な茶葉の重量)を入力するための入力操作部が設けられている。上記重量センサ103は、上下段の茶葉収納部50、51に位置する茶葉収納袋の総重量を検知するためのものであり、満杯状態にあるときに信号を出力する。制御部100は、1条の茶畝の長さにより得られる茶葉摘採量と茶葉収納袋の容量とから茶葉収納袋が一杯になるまでの摘採可能な移動距離を割り出せるようになっている。このため、制御部100は、1条の茶畝からの茶葉摘採量と茶葉収納袋の容量とから摘採移動量を得ることができるマップデータが予め登録されており、入力された1条の茶畝長さと茶葉収納袋の容量を参酌して摘採移動量を割り出すことができるようになっている。制御部100では、割り出された摘採可能な移動距離に達した時点で、シリンダ56を自動的に伸長させるための信号が出力され、上段の茶葉収納部51が茶葉摘採装置5に対面させられるようになっている。つまり、茶葉収納袋F2が取り付けられる上段の茶葉収納部51に設けられているシリンダ56は、図4および図7において二点鎖線で示すように、ロッド56Aが収縮した状態で袋受け部51Aが上昇して水平に向く態位を初期態位とされている。この態位では、図7に示すように、袋受け部51Aの下面に取り付けられている下段の茶葉収納部50の茶葉収納袋F1の開口が茶葉摘採装置5のバリカン刃44後部に対面する。シリンダ56は、制御部100からの信号によってロッド56Aが伸長されると、図4および図7において実線で示すように、袋受け部51Aを下降させて傾動させることにより下段の茶葉収納部50に位置する茶葉収納袋F1の開口を塞いで上段の茶葉収納部51に位置する茶葉収納袋F2の開口を茶葉摘採装置5のバリカン刃44後部に対面させる。
【0028】茶葉摘採機が茶畝を移動する距離は、本実施例の場合、駆動輪9の外径と回転数とを用いて距離計102において割り出され、その距離が上記制御部100において割り出された移動量に達した際に制御部100に信号を出力する。重量センサ103は、上下各段に位置する茶葉袋内F1、F2が満杯になった時を警告するためのものであり、警告により茶葉収納袋の交換を促す。
【0029】本実施例は以上のような構成であるから、茶畝における摘採開始位置に茶葉摘採機が設置されると、上段および下段の茶葉収納部50、51において茶葉収納袋F1、F2がセットされる。上段の茶葉収納部51に有する袋受け部51Aには茶葉収納袋F2が開口縁をフック54A(図3参照)に係止されると共に、袋受け部51Aの下面に下段の茶葉収納部50に位置する茶葉収納袋F1が取り付けられ、上段および下段の各左右位置にて4カ所にそれぞれ設けられる。
【0030】一方、茶葉収納袋F1、F2が上下各段の茶葉収納部50、51に設置されると、作業者により1条の茶畝長さおよび茶葉収納袋の容量が操作パネル101から入力される。なお、この場合、茶葉摘採機は茶畝の摘採開始位置にあり、シリンダ56は初期態位とされているので、図7に示すように、下段の茶葉収納部50に位置する茶葉収納袋F1の開口が茶葉摘採装置5のバリカン刃44の後部に対面している。操作パネル101においてこれら情報が入力されると、制御部100では、図6に示す処理が実行される。図6において、制御部100では、入力された1条の茶畝長さおよび茶袋の容量に基づいて摘採可能な移動量が割り出される(ST1)。摘採作業が開始されると、図7に示すように、下段の茶葉収納部50で左右に位置する茶葉収納袋F1に対してバリカン刃44によって摘採された茶葉が振り分けられて収納される。茶葉摘採機が茶畝を移動すると、その移動距離が距離計102により判別され(ST2)、制御部100にて割り出された摘採可能な移動距離に達すると距離計102から制御部100に信号が出力される。制御部100では、割り出した摘採可能な移動距離に達した場合、シリンダ56のロッド56Aを伸長させる信号を駆動部104(図5参照)に出力する(ST3)。
【0031】シリンダ56のロッド56Aが伸長すると、初期態位にあった袋受け部51Aが下降して傾動させられ、図8に示すように、下段に位置する茶葉収納袋F1の開口を塞いで上段に位置する茶葉収納袋F2を茶葉摘採装置5のバリカン刃44後部に対面させる。これにより、下段に位置する茶葉収納袋F1が茶葉により一杯になっても、そのまま上段の茶葉収納袋F2に向けて摘採された茶葉の収納が継続されることになる。
【0032】一方、距離計102からの信号によりシリンダ56が作動されると下段に位置する茶葉収納袋F1から上段の茶葉収納袋F2に切り換えられて茶葉が収納されるが、上段に位置する茶葉収納袋F2内も摘採茶葉により満たされた場合には重量センサ103からの信号により警告が行われ(ST4、ST5)、この時点で摘採開始位置に戻って茶葉収納袋の交換を行うようにすることができる。なお、茶葉袋F1、F2が交換された時点には、シリンダ56が初期態位に復帰させられる。また、制御部100では、距離計102からの信号によりシリンダ56の態位切換が行われる際、重量センサ103により茶葉収納袋F1、F2の総重量を検知しているので、茶葉収納袋F1、F2が一杯であるにも拘わらず、距離計102が誤動作した場合に誤って摘採作業が継続されてしまうのを防止することができるようになっている。
【0033】以上のような実施例によれば、1条の茶畝長さと茶葉収納袋の容量を入力するだけで自動的に茶葉収納袋の交換が行えるので、上下各段の茶葉収納袋が摘採茶葉で一杯になるまでは作業者が茶葉摘採装置上で袋の取付交換作業をする必要をなくすことができ、摘採作業に専念することができる。なお、本発明は、上記実施例に挙げた軌道式の茶葉摘採機を対象とするだけでなく、クローラ式簡易乗用型の摘採機を対象とすることも可能である。
【0034】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、請求項1乃至4記載の発明によれば、上下各段に位置する茶葉収納袋が、予め設定された茶樹畝での摘採可能な移動距離に応じて上段および下段側が選択されて上記刈刃後部に開口を対面させる構成とされているので、従来の摘採茶葉収納量に対して2倍の収納量を確保できるとともに、摘採可能な移動距離に達した時点で下段の茶葉収納袋から上段の茶葉収納袋に摘採茶葉の収納方向が切り換えられるので、茶葉収納袋を取り換えるための戻り移動を低減できる。しかも、摘採茶葉の収納方向の切り換えは、予め設定した摘採可能な移動距離に応じて動作するシリンダにより自動的に切り換えられるので、茶葉収納袋交換のために作業者が摘採機から乗降する動作をなくすことができる。これにより、茶葉収納袋の交換作業に要する時間や作業負担を低減して摘採作業効率を向上させることが可能になる。
【出願人】 【識別番号】000250270
【氏名又は名称】落合刃物工業株式会社
【出願日】 平成10年6月29日(1998.6.29)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2000−4644(P2000−4644A)
【公開日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【出願番号】 特願平10−182181