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【発明の名称】 コンバイン等の油圧駆動回路
【発明者】 【氏名】大塚 浩司

【氏名】城下 哲也

【要約】 【課題】操向旋回作用中のときは、刈取機の昇降作用が不十分であった。

【解決手段】刈取機3を油圧駆動用の油圧を優先分流バルブ58で制御流Aと余剰流Bとに分流して、この制御流Aを横移動切替バルブ60へ送油して左右移動制御させ、又、この余剰流Bを昇降切替バルブ66へ送油して昇降移動制御させ、該優先分流バルブ58と該横移動切替バルブ60、及び該昇降切替バルブ66との間には、該制御流Aと該余剰流Bとの流路を切替する方向切替バルブ59を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車台2に対して刈取機3を油圧ポンプ57から油圧駆動用の油圧を優先分流バルブ58で制御流Aと余剰流Bとに分流して該制御流Aを横移動切替バルブ60へ送油して左右移動制御と該余剰流Bを昇降切替バルブ66へ送油して昇降移動制御とを行わせると共に、該横移動切替バルブ60及び該昇降切替バルブ66が中立位置、又は該昇降切替バルブ66が下降位置へ位置するときは該制御流Aと該余剰流Bとを合流させて方向制御用の操向シリンダ56へ送油するコンバイン等において、該優先合流バルブ58と該横移動切替バルブ60及び該昇降切替バルブ66との間には該制御流Aと該余剰流Bとの流路を切替する方向切替バルブ59を設けたことを特徴とするコンバイン等の油圧駆動回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、走行車台に設けた刈取機は、油圧駆動用の油圧を優先分流バルブで制御流と余剰流とに分流して、この制御流を横移動切替バルブへ送油して左右移動制御させ、又、この余剰流を昇降切替バルブへ送油して昇降移動制御させ、該優先分流バルブと該横移動切替バルブ及び該昇降切替バルブとの間には、該制御流と該余剰流との流路を切替する方向切替バルブを設けてなる油圧駆動回路に関するものでコンバイン等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】刈取り幅が狭い2条刈り等の小型のコンバインでの収穫作業においては、走行車台の横幅に対して、この走行車台の前部に設けた刈取機を横移動させて、刈取り幅を補うことにより、未刈り穀稈の踏み倒しを防止しているものがあるが、これら小型のコンバイン等における油圧駆動回路は、従来では、油圧ポンプからの圧油を並列に配置して各切替バルブを介して各々伸縮シリンダに送油して作動させ、刈取機の昇降移動作用や左右横移動作用、及びコンバインの操向旋回作用等を行わせる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の油圧駆動回路では、コンバインの操向旋回作用を行っているときに、同時に作業上必要となる刈取機の昇降作用を行わせようとする際に、操向旋回側に油圧の主流が消費されているために、圧油量が不足して十分な昇降作用を行うことができないことになり、収穫作業が困難になることがあったり、又、昇降の微調整が困難であったり、上昇させて停止させたときのショックが大であったり、横移動作動のときの作動スピードが遅い等の問題があったが、この発明により、これらの問題点を解消しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明は、走行車台2に対して刈取機3を油圧ポンプ57から油圧駆動用の油圧を優先分流バルブ58で制御流Aと余剰流Bとに分流して該制御流Aを横移動切替バルブ60へ送油して左右移動制御と該余剰流Bを昇降切替バルブ66へ送油して昇降移動制御とを行わせると共に、該横移動切替バルブ60及び該昇降切替バルブ66が中立位置、又は該昇降切替バルブ66が下降位置へ位置するときは該制御流Aと該余剰流Bとを合流させて方向制御用の操向シリンダ56へ送油するコンバイン等において、該優先合流バルブ58と該横移動切替バルブ60及び該昇降切替バルブ66との間には該制御流Aと該余剰流Bとの流路を切替する方向切替バルブ59を設けたことを特徴とするコンバイン等の油圧駆動回路の構成とした。
【0005】
【発明の作用】小型のコンバインでの収穫作業においては、刈取り幅が狭いために未刈り穀稈を踏み倒さないように、走行車台2に設けた刈取機3は、この走行車台2の横幅に対して左右側へ横移動させるこの小型のコンバインの油圧駆動回路は、油圧ポンプ57から送油される圧油を優先分流バルブ58により、分流した制御流A側では、横移動切替バルブ60へ送油して、例えば横移動シリンダ等の作動により、該刈取機3を左側、又は右側へ横移動させると共に、余剰流B側では、昇降切替バルブ66へ送油して、昇降シリンダ等の作動により、該刈取機3を上昇、又は下降させ、この左右横移動作動、及び昇降移動作動時以外では、制御流Aと余剰流Bとは合流し、操行切替バルブへ送油して、左右の操向シリンダ等の作動により、該コンバインを左側、又は右側へ操向旋回を行わせるが、このような操向旋回と同時に該刈取機3を昇降移動させる必要が生じたときは、操向旋回と横移動とを切換え作用させる制御流Aとは、別回路の余剰流Bによって該刈取機3を昇降を主体的に作用させることにより、圧油量の不足もなく十分な昇降作用を行うことができる。
【0006】又、これらの制御流Aと余剰流Bとの流路の切換制御は、優先分流バルブ58と横移動切替バルブ60、及び昇降切替バルブ66との間に設けた方向切替バルブ59の切換作動によって行われる。
【0007】
【発明の効果】油圧ポンプ57からの圧油を優先分流バルブ58で分流したこの分流を方向切替バルブ59で流路を切換えて、制御流A側で刈取機3を左右横移動作用を、余剰流B側で該刈取機3の昇降移動作用を行わせ、この両作業時以外では、制御流Aと余剰流Bとを合流させコンバインを左右方向への操向旋回作用を行わせることにより、制御流Aとは別回路の余剰流Bによって該刈取機3の昇降を主体的に作用させる。この作用以外のときのみ操向旋回を補助的に作用させるようにできることにより、操向旋回作用と同時に昇降作用を行わせても、圧油量の不足もなく十分な昇降作用を行うことができ、昇降作用の微調整が可能となると共に、停止時のショックも減少する。又、流路の切替を該方向切替バルブ59で行うことにより、確実に切替が行われる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。コンバイン1の走行車台2の前部に装着する刈取機3を左右横移動作用、及び昇降移動作用させる油圧駆動回路4を図示して説明する。図3、及び図4は小型のコンバイン1の全体構成を示すもので、走行車台2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ5を張設した走行装置6を配設すると共に、該走行車台4上にフィードチェン7により挾持搬送して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀されて選別された穀粒を回収して一時貯留するグレンタンク8と、この貯留した穀粒を機外へ排出する排穀オーガ9とを設けた脱穀機10を載置構成させる。
【0009】前記脱穀機10の前方側に植立穀稈を刈り取ると共に、この刈り取った穀稈を後方側へ搬送しながら横倒れ姿勢に変更してフィードチェン7へ受渡しする刈取機3を、土壌面に対し昇降自在に作用するよう走行車台2の前端部へ装架して設け、この刈取機3の一側にコンバイン1の操作制御を行う操作装置11と、操作のための操作席12とを設けると共に、これらの走行装置6、脱穀機10、刈取機3、操作装置11等によって該コンバイン1の機体13を構成させる。
【0010】図5,図6、及び図7は刈取機3の全体構成を示すもので、走行車台2の前端部に設けた走行用ミッションケース14の上端部に刈取架台15を固設すると共に、この刈取架台15の左右の側板に刈取伝動ケース16を横方向で回動可能に支承し、この刈取伝動ケース16に刈取機3を駆動する刈取駆動軸17を軸承すると共に、該伝動ケース16から刈取後フレーム18を下方に延長しその下端部に適宜の横幅を有する横移動シリンダ19を接合した構成とする。
【0011】前記横移動シリンダ19は、図8に示す如く油圧駆動による複動式の横移動ピストンを形成するパイプ状の横移動フレーム20を、刈取機3の全幅に亘り左右両側に横移動可能に配置すると共に、この横移動フレーム20の全幅に亘って貫通内装した下部駆動軸21を軸承して構成させる。前記刈取機3の前端部に植立穀稈を分草する左右、及び中央の分草体22を各々配置し、これら各分草体22を支持する各分草パイプ23の後端部を、横移動フレーム20と略同一の横幅を有する角パイプ状の支持フレーム24に接合すると共に、該分草体22の後側から植立穀稈を引き起こす左右両側の穀稈引起装置25,26を上方へ向け後傾させて配置し、該支持フレーム24の前面側に略同一幅で穀稈を刈り取る刈刃装置27を左右の該分草パイプ23に取り付け、この刈刃装置27の上方に刈り取られた穀稈を掻き込む左右両側の掻込搬送装置28,29等を配設して前処理部30を構成させる。
【0012】前記刈取伝動ケース16に軸承した刈取駆動軸17からベベルギヤを介して、自在継手を有し伸縮可能の上部駆動軸31を前方に向け延設し、この上部駆動軸31を右側の該穀稈引起装置26を駆動可能に、その上部側に設けた右上部ギヤケース32にベベルギヤを介して連動連結すると共に、この上部駆動軸31の防護と同時に前処理部30の上下回動を規制保持する連結フレーム33を、該刈取伝動ケース16側の係止部を中心として、該右上部ギヤケース32側を該前処理部30の横移動に応じて左右両側へ回動可能に連結して構成させる。
【0013】前記右上部ギヤケース32と、前処理部30の全幅に亘って延長した横移動フレーム20の右端部に接合した右下部ギヤケース34とを、右縦パイプ35によって接合すると共に、この右縦パイプ35に、上部駆動軸31から各々ベベルギヤを介して下部駆動軸21に連動連結する右縦駆動軸36を内装して構成させる。
【0014】前記横移動フレーム20の左端部に接合した左下部ギヤケース37と、左側の穀稈引起装置25の上部側に接合した左上部ギヤケース38とを、中間部をく字状に折曲させた接続ギヤケース39を介して左縦パイプ40を上・下に分割して接合すると共に、この左縦パイプ40に、下部駆動軸21から該接続ギヤケース39を介して、左側の穀稈引起装置25を駆動可能に各々ベベルギヤを介して連動連結する上・下分割の左縦駆動軸41を内装して構成させる。
【0015】前記横移動フレーム20の右下部ギヤケース34、及び左下部ギヤケース37の外側部と、支持フレーム24の両端部とを左右の連結板42によって各々連結接合し、刈刃装置27を、該右下部ギヤケース34の一側に内装したベベルギヤによる刈刃駆動部と、該支持フレーム24の左端側に軸承した刈刃駆動アーム43の一端部とをロットにより連動連結して構成させる。
【0016】前記刈刃装置27の上方近傍に刈り取った穀稈を掻込み搬送する先端側を逆八字状に開いた左右両側の掻込搬送装置28,29を配設し、この左側の掻込搬送装置28は下部側の左縦駆動軸41の途中から、上側の左掻込ラグベルト28aと下側の左掻込ホイル28bとを連動連結すると共に、この左掻込ホイル28bから右掻込ホイル29bを駆動させて、この右掻込ホイル29bと右掻込ラグベルト29aによる右側の掻込搬送装置29を伝動可能に構成させる。
【0017】左右両側の前記掻込搬送装置28,29によって掻き込まれた穀稈は穀稈搬送装置44に引き継がれて搬送され、後方のフィードチェン7へ受け渡しされるが、この穀稈搬送装置44は、穀稈の穂先側を穂先送りラグ45aに保持して搬送する穂先送り部45と、株元側を株元送りチェン46aに挾持して搬送する株元送り部46とを、各々上下位置に連結部材により、連結固定して構成させる。
【0018】上下両側位置の前記穀稈搬送装置44の両搬送終端部44a近傍を貫通して、各々穂先送り部45と株元送り部46とを駆動する縦方向の搬送支軸47を、刈取伝動ケース16に刈取架台15を挟んで連動連結する搬送駆動ケース48から、ベベルギヤを介して、上方に突設させると共に、この搬送支軸47回りに該穀稈搬送装置44を左右側に回動可能に構成させる。
【0019】前記穂先送り部45に対し株元送り部46の後端部を、搬送穀稈を左右側に傾斜させるために、チェンローラ49を外側へ張り出して株元送りチェン46aにより、三角形状に配置し、このチェンローラ49を、フィードチェン7の始端部近傍で穀稈の受け渡しが最適となる位置に、別の取付板50により、搬送駆動ケース48に固定して構成させる。
【0020】前記穀稈搬送装置44を搬送駆動ケース48により、上下回動させて、フィードチェン7に受渡しする穀稈の扱深さを調節可能とすると共に、刈取後フレーム18の下部側を走行車台2の前端側との間に、油圧等の伸縮作用により、刈取機3を刈取伝動ケース16を支点として、上下回動により、昇降させる昇降シリンダ51を連結して構成させる。
【0021】左側、又は中央の分草体22の後部側に、未刈稈への接当によって機体13の進行方向を検出する前後回動自在の検出杆52aを、各々左右両側へ突出させた方向センサ52を配設し、この方向センサ52の該検出杆52aにより、未刈稈を検出したときは、図9に示す如く、走行用ミッションケース14に内装された左右の操向クラッチ53の入・切と、この操向クラッチ53に連動させた操向ブレーキ54の制動とを、操向シフタ55により、作用させる操向シリンダ56の左右両側の操向シリンダ56a,56bを配設して構成させる。
【0022】前記分草体22を土壌面に近接させ、走行装置6によって機体13を前進させて刈取機3により、植立穀稈の刈り取りを行うが、この刈り取りは上部駆動軸31から各部への動力の伝達により、該各分草体22によって植立穀稈の分草を行い、この分草された穀稈を左右の穀稈引起装置25,26により引起し、この引起された穀稈を刈刃装置27によって刈取ると同時に、左右両側の掻込搬送装置28,29によって掻込み、この掻込んだ穀稈を穀稈搬送装置44により、後方へ搬送すると共に、供給深さを調節制御して、フィードチェン7へ受け渡し、脱穀機10により、脱穀を行わせる。
【0023】このようなコンバイン1の作業時に、刈取機3を昇降シリンダ51の作動によって上昇、又は下降させる昇降作用と、刈取幅が狭く走行クローラ5による未刈稈の踏み倒しを避けるために、該刈取機3の前処理部30を横移動シリンダ19によって左側、又は右側への横移動作用と、機体13を走行シリンダ56の左右両側の走行シリンダ56a,56bの作動によって左、又は右方向への操向旋回作用とを、各々油圧駆動回路4により、作動させるよう構成させる。
【0024】前記油圧駆動回路4は、図1に示す如く油タンク57aから油圧ポンプ57により供給される圧油を、3ポート2位置切替による優先分流バルブ58(フロープライオリティバルブ)により、制御流Aと別回路の余剰流Bとに分流し、方向切替バルブ59により、流路を任意に切替する構成であり、制御流A側では4ポート3位置を電磁切替する横移動切替バルブ60と、パイロットチェック弁62を介して横移動シリンダ19を作動させて刈取機3の前処理部30を左側、又は右側に横移動可能に接続し、この横移動切替バルブ60の作業時以外はチェック弁62を介して4ポート3位置を電磁切替する操向切替バルブ63を介して、操向シリンダ56の左右両側の操向シリンダ56a,56bを作動させて機体13を左、又は右方向に操向旋回可能に接続すると共に、これらの操向シリンダ56a,56bの回路にパワステレバー64の左右傾動により圧油量を調節するパワステリリーフバルブ65を接続して構成させる。
【0025】一方、余剰流B側では、4ポート3位置をパワステレバー64の上下傾動により切り替えする昇降切替バルブ66を介して昇降シリンダ51を作動させ刈取機3を上昇、又は下降可能に接続し、この昇降切替バルブ66の作用時以外はチェック弁67を介して操向シリンダ56a,56bの回路に合流させるように接続して構成させる。
【0026】このような油圧作用により、機体13の操向旋回と同時に刈取機3を昇降させる必要が生じたときは、油圧駆動回路4における優先分流バルブ58を経て方向切替バルブ59により分流された余剰流Bによって昇降作用を行わせることにより、制御流Aによって作用される操向旋回とは別回路のため、従来の如く、操向旋回と昇降とを並列接続回路で作用させるときのように圧油量が不足することがなく、充分な昇降作用により円滑に作業を行うことができる。
【0027】図2示す如くパワステレバー64とパワステリリーフバルブ65との連結部近傍の左右側位置に、該パワステレバー64の左右傾動の操作により、左右に二段階に操作可能で低速と高速とに切替するスライドスイッチ68a,68bを各々設け、これらスライドスイッチ68a,68bにより、同時に操向切替バルブ63と横移動切バルブ60とを作用させるべく、左右両側の該スライドスイッチ68a,68bと該操向切替バルブ63のソレノイドU,V、及び横移動切バルブ60のソレノイドS,Tとを並列接続して構成させる。(図1参照)前記油圧駆動回路4の方向切替バルブ59による制御流Aと余剰流Bとの流路を任意に切替えできる構成であり、この切替条件は刈取機3、及び脱穀機10を作動させる刈取スイッチ3a、及び脱穀スイッチ10aがON状態であり、パワステレバー64により、フィットボタン64aがON状態であり、更にスライドスイッチ68a,68bの低速位置が高速位置へ操作状態であるときに切替される構成である。
【0028】前記機体13の直進走行を行うために左右走行作用により、例えば左方向に舵取操向するときは、パワステレバー64を左に傾動させると左のスライドスイッチ68aがONし、このONにより操向切替バルブ63のソレノイドU側と横移動切バルブ60のソレノイドS側とが同時に電圧が印加されて切り替わり、左の操向シリンダ56aの作動により該機体13が左方向に曲がると同時に、横移動シリンダ19が作動して刈取機3の前処理部30が左方向に移動することによって、相対的に該機体13の操向量を少なくすることができ、方向制御時の応答性を向上することができる。
【0029】なお、小型の前記コンバイン1では、操向ブレーキ54の構成を簡素化してコストを下げるべく操向クラッチ53と連動させているため、操向旋回時に支障をきたさないようパワステリリーフバルブ65の初期圧を高くしている関係から、該操向ブレーキ54の制動力が強過ぎて機体13の操向量が大きくなり、方向制御時の応答性が低下するが、このとき操向シリンダ56と同時に横移動シリンダ19を作動させることにより、該操向ブレーキ54の制動力を押え操向量を少なくして応答性を向上させることができる。
【0030】また、前記の如くパワステレバー64に設けたスライドスイッチ68a,68bのONにより操向シリンダ56と横移動シリンダ19とを同時に作動させることにより、機体13の左右操向時に刈取機3の前処理部30の横移動をプラスして方向制御時の操向作用の向上を図ったものにおいて、これらの作用を作用時と非作用時とに切り替える切替手段としてのモード切替スイッチ71をパワステレバー64の上端部に設け、このモード切替スイッチ71をONしたときのみ作用を行わせることによって、刈取作業時以外の方向制御時に横移動がプラスされるというような不具合を防止することができる。なお、方向センサ52の検出信号によってのみ左右操向と同時に横移動がプラスされるようにしてもよい。
【0031】図10、及び図11で示す如く優先分流バルブ58、昇降切替バルブ66、メインリリーフバルブ72a、及びパワステリリーフバルブ65を一体構成したコントロールバルブ72において、該優先分流バルブ58からの制御流Aの取出しポートを有する回路は、図11で示す如く該コントロールバルブ72にAポートを設け、図10で示す如く該コントロールバルブ72のプラグ73にBポートを設けた構成である。又、油圧駆動回路は図12で示す如く構成としている。
【0032】前記コントロールバルブ72において、該優先分流バルブ58からの制御流Aの取出しポートを有しない回路は、図13、及び図14で示す如く制御流Aの流路孔73aを設けた構成である。又、油圧駆動回路は図15で示す如く構成としている。これにより、前記コントロールバルブ72のボデー素材を共用とし、制御流Aを通る孔加工を変更することにより、2型式が可能となって、ボデー加工工数、管理工数が低減され、又、本機への取付部材、ホースの配置などが同じに行えることにより、メリットがある。
【0033】図16の油圧駆動回路74で示す如く余剰流Bが流れる昇降切替バルブ66とチェック弁67との間の流路には、流量制御弁75を設けた構成であり、制御流Aと余剰流Bとが合流し、全量を操向シリンダ56へ送油する該油圧駆動回路74において、余剰流Bの合流量を任意に設定できる構成としている。これにより、余剰流Bの合流する合流量を可変に設定することにより、パワステリリーフバルブ65の初期圧が変更できることにより、従来のACD走行(走行方向自動制御の走行)のときのブレーキ力は一定であり、圃場の条件、及び機械の型式等によっては、ACD走行が敏感すぎる不具合があったが、ACD走行のときのブレーキの強さを任意に設定できて、これを解消できる。
【0034】図17の油圧駆動回路76で示す如く操向シリンダ56の左右両側の操向シリンダ56a,56bとパワステリリーフバルブ65との間には、左・右可変絞り弁77a,77bを各別に設けた構成であり、該操向シリンダ56a,56bの初期圧を別々に調整できる構成としている。これにより、従来は前記操向シリンダ56a,56bの初期圧は、パワステリリーフバルブ65で設定された初期圧であることにより、左側、及び右側が同じ圧力であり、ACD走行のように初期圧のみで方向を制御するときに、機体のバランス、及びクラッチ性能により、左右の曲がり量に差が生じていたが、初期圧を別々に調整できることにより、これを解消することができる。
【0035】図18の油圧駆動回路78で示す如く油圧ポンプ57の下手側には、該油圧ポンプ57からの圧油を通過させる分流弁79を設け、一方を昇降シリンダ51作動用の昇降切替バルブ66へ送油させ、他方を操向シリンダ56作動用の操向切替バルブ63へ送油させ、それぞれの流路にはリリーフバルブ80a,80bを設けている。該昇降切替バルブ66のスプール位置が中立位置、又は下げ位置のときにおいて、2つの流れを合流させる構成である。
【0036】前記分流弁79は、オリフィスの面積比に等しい分流比とした構成である。前記操作装置11に設けた無段変速レバー11aを後進位置へ操作したときは、リンク11b等によって、昇降切替バルブ66のスプールを上げ位置へ変更する構成としている。これにより、従来はバックアップ機構により、無段変速レバー11aを後進位置へ操作すると、刈取機3を上昇中は、操向操作ができなかったが、分流弁79を設けたことにより、該バックアップ機構により、バックアップ作動中(該刈取機3を上昇中)であっても、該分流弁79により、流入量を一定比率に分流することによって、アイドリングの時、又は後進のときのエンジンが低回転域であっても、該刈取機3の上昇が可能である。
【0037】図19の油圧駆動回路81で示す如く油圧ポンプ57の下手側には、該油圧ポンプ57からの圧油を優先分流バルブ58を通過させて分流させ、制御流Aを操向シリンダ56作動用の操向切替バルブ63へ送油させ、余剰流Bを昇降シリンダ51作動用の昇降切替バルブ66へ送油させ、該昇降切替バルブ66のスプール位置が中立位置、又は下げ位置のときにおいて、余剰流Bと制御流Aとを合流させる構成である。
【0038】前記操作装置11に設けた無段変速レバー11aを後進位置へ操作したときは、リンク11b等によって、昇降切替バルブ66のスプールを強制的に上げ位置へ変更する構成としている。これにより、従来はバックアップ機構により、無段変速レバー11aを後進位置へ操作すると、刈取機3を上昇中は、操向操作ができなかったが、該無段変速レバー11aを後進位置へ操作のときは、リンク11b等によって、スプールを強制的に上げ位置にすることにより、制御流Aは操向切替バルブ63へ導かれ、操向操作が可能となり、中立位置、又は下げ位置では、全流量が導かれることにより、ACD操向の時の応答性も向上する。
【0039】図20、及び図21で示す如く無段変速用として設ける油圧ポンプ82と刈取上下用コントロールバルブ83を走行用ミッション14の一側部に装着する構成において、該刈取上下用コントロールバルブ83と該走行用ミッション14との間には、バックアップ回路(分流弁)84を追加可能とした油圧バルブ85の構成であり、この油圧バルブ85から操向シリンダ56作動用と昇降シリンダ51作動用の圧油が送油される構成としている。
【0040】これにより、バックアップ回路(分流弁)84を追加するときは、刈取上下用コントロールバルブ83へ装着するだけでよく、部品の共用化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年6月26日(1998.6.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−4630(P2000−4630A)
【公開日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【出願番号】 特願平10−180494