トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 収穫機
【発明者】 【氏名】景山 秀明

【要約】 【課題】収穫ずべき根菜Kの茎葉部がたとえ霜枯れしていても、意図しない茎葉部の裂断が発生せず、効率的な収穫が行えるようにする。

【解決手段】圃場に植生している根菜の茎葉部を挟持して斜め後上方へ搬送しつつ、その根部を引き抜くように作動する左右一対の挟持無端帯3と、この挟持無端帯3により搬送されている根菜Kの根部を特定方向へ案内する左右一対の根部案内杆45と、この案内杆45に案内されている茎葉部を挟持無端帯3から受継して前記特定方向へ搬送する茎葉排出装置43とを備えた収穫機において、一対の挟持無端帯3、3で搬送されている茎葉部が挟持無端帯3と根部案内杆45との引っ張り合いで緊張する前に、茎葉排出装置43がその茎葉部を把持するように、茎葉排出装置43の搬送始端部sを挟持無端帯3と根部案内杆45とに近接させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場に植生している根菜の茎葉部を挟持して斜め後上方へ搬送しつつ、その根部を引き抜くように作動する左右一対の挟持無端帯と、この挟持無端帯により搬送されている根菜の根部を挟持無端帯の搬送角度よりも小さな角度で特定方向へ案内する左右一対の根部案内杆と、この案内杆に案内されている根菜の茎葉部をこの案内杆よりも上方で前記挟持無端帯から受継して前記特定方向へ搬送する茎葉排出装置とを備えた収穫機において、前記一対の挟持無端帯で搬送されている茎葉部がこの挟持無端帯と前記根部案内杆との引っ張り合いで緊張する前に、前記茎葉排出装置がその茎葉部を把持するように、この茎葉排出装置の搬送始端部を挟持無端帯と根部案内杆とに近接させたことを特徴とする収穫機。
【請求項2】 根部案内杆と茎葉排出装置とを、これら間の上下方向距離が根部案内杆の終端部へ向かうに伴って漸増するように関連させたことを特徴とする請求項1記載の収穫機。
【請求項3】 圃場に植生している根菜の茎葉部を挟持して斜め後上方へ搬送しつつ、その根部を引き抜くように作動する左右一対の挟持無端帯と、この挟持無端帯により搬送されている根菜の根部を挟持無端帯の搬送角度よりも小さな角度で特定方向へ案内する左右一対の根部案内杆と、この案内杆に案内されている根菜の茎葉部をこの案内杆よりも上方で前記挟持無端帯から受継して前記特定方向へ搬送する茎葉排出装置とを備えた収穫機において、根部案内杆を案内始端側辺部分と案内終端側辺部分からなる概ねへ字形に屈曲し、案内始端側辺部分を前記挟持無端帯の搬送角度よりも小さな角度の上り傾斜になすと共に案内終端側辺部分を下り傾斜となし、一方、茎葉排出装置の搬送方向を前記案内始端側辺部分に概ね平行させると共に、この排出装置の搬送始端部を前記挟持無端帯と前記案内始端側辺部分との間に位置させて前記挟持無端帯と前記案内始端側辺部分とに近接させたことを特徴とする収穫機。
【請求項4】 茎葉排出装置の搬送始端部が、根部肩部から10cm以下の範囲の茎葉部を把持する構成であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は人参等の根菜類の収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】圃場に植生している根菜の茎葉部を左右一対の挟持無端帯により挟持して斜め後上方へ搬送しつつ、その根部を引き抜くように作動する左右一対の挟持無端帯を備え、このように抜き取った人参の茎葉部を切除して根部のみを収容部に集めるようにした収穫機は既に存在している。
【0003】この収穫機は図16に示すように、左右一対の挟持無端帯3からなる挟持搬送手段の搬送途中から後方へ延出された根部案内杆45と、根部案内杆45の上方に位置された茎葉排出装置43と、根部案内杆45の後部に位置された茎葉切断手段44とを備えた構成となされている。ここに、根部案内杆45は後方へ向けて上り傾斜した案内始端側辺部分aと後方へ向け水平状となされた案内終端側辺部分aとを備えてなる。
【0004】上記一対の挟持無端帯3で茎葉部を挟持された人参はこれら無端帯3で搬送される過程で、その根部の肩部を左右一対の根部案内杆45に挟まれて先ずその案内始端側辺部分aにより案内される。この状態で挟持無端帯3による人参の搬送が進行するに連れて、挟持無端帯3によるその茎葉部の挟持個所と、根部案内杆45に案内されるその根部の肩部との距離が増大される。
【0005】挟持無端帯3の搬送により人参が茎葉排出装置43の搬送始端s近傍に達したとき、その茎葉部は挟持無端帯3と根部案内杆45との引っ張り合いにより引張力を付与されて緊張した状態となり、根部の肩部は根部案内杆45に圧接した状態となる。茎葉排出装置43はこの状態でその茎葉部を受継し、根部案内杆45に沿ってさらに水平後方へ搬送する。
【0006】この茎葉排出装置43による搬送の過程で、茎葉切断手段44の回転刃44aが茎葉部の一定高さ位置を切断して、その根部を落下させる。根部から分離された後の茎葉部は茎葉排出装置43により排出位置まで搬送される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の収穫機で人参を収穫する際、その茎葉部が霜枯れして引張強度が弱まっていると、茎葉排出装置43の搬送始端sがこの茎葉部を把持する前に、挟持無端帯3と根部案内杆45との引っ張り合いにより、その茎葉部が裂断され、根部が落下することがある。
【0008】こうして落下した根部は、余分な手間を生じさせるものとなって作業者の負担を増大させたり、収穫損失となるものである。本発明は、このような問題点を解消し得るものとした収穫機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本願の第一発明では、圃場に植生している根菜の茎葉部を挟持して斜め後上方へ搬送しつつ、その根部を引き抜くように作動する左右一対の挟持無端帯と、この挟持無端帯により搬送されている根菜の根部を挟持無端帯の搬送角度よりも小さな角度で特定方向へ案内する左右一対の根部案内杆と、この案内杆に案内されている根菜の茎葉部をこの案内杆よりも上方で前記挟持無端帯から受継して前記特定方向へ搬送する茎葉排出装置とを備えた収穫機において、前記一対の挟持無端帯で搬送されている茎葉部が挟持無端帯と前記根部案内杆との引っ張り合いで緊張する前に、前記茎葉排出装置がその茎葉部を把持するように、茎葉排出装置の搬送始端部を挟持無端帯と根部案内杆とに近接させる。
【0010】このようにすれば、茎葉排出装置が茎葉部をこれが裂断される前に把持するようになり、このように把持された茎葉部は根部に近い比較的引張強度の大きい個所を把持されるため、茎葉切断手段に到達するまでその根部側が裂断されることはなく、茎葉切断手段により確実に切断処理される。なお、茎葉排出装置により搬送される茎葉部は茎葉排出装置と挟持無端帯との間で裂断されることは生じるかも知れないが、このような現象は根菜の収穫に障害とならない。
【0011】上記発明は次のように具体化する。即ち、前記根部案内杆と前記茎葉排出装置とを、これら間の上下方向距離が前記案内杆の終端部へ向かうに伴って漸増するように関連させる。これにより、茎葉排出装置に把持された茎葉部はその搬送が進行するに連れて、茎葉排出装置と根部案内杆により引っ張られて緊張する。これにより根部の肩部は根部案内杆の下面に圧接された状態となる。
【0012】上記発明と同じ目的を達成するため、本願の第二発明では次のようになす。即ち、圃場に植生している根菜の茎葉部を挟持して斜め後上方へ搬送しつつ、その根部を引き抜くように作動する左右一対の挟持無端帯と、この挟持無端帯により搬送されている根菜の根部を挟持無端帯の搬送角度よりも小さな角度で特定方向へ案内する左右一対の根部案内杆と、この案内杆に案内されている根菜の茎葉部をこの案内杆よりも上方で前記挟持無端帯から受継して前記特定方向へ搬送する茎葉排出装置とを備えた収穫機において、根部案内杆を案内始端側辺部分と案内終端側辺部分からなる概ねへ字形に屈曲し、案内始端側辺部分を前記挟持無端帯の搬送角度よりも小さな角度の上り傾斜になすと共に案内終端側辺部分を下り傾斜となし、一方、茎葉排出装置の搬送方向を前記案内始端側辺部分に概ね平行させると共に、この排出装置の搬送始端部を前記挟持無端帯と前記案内始端側辺部分との間に位置させて前記挟持無端帯と前記案内始端側辺部分とに近接させた構成とする。これによっても、第1発明と同様な作用が得られるものとなる。
【0013】上記何れの発明においても、茎葉排出装置の搬送始端部が根部から10cm以下の範囲の茎葉部を把持する構成となす。このようにすれば、霜枯れした茎葉部を有する人参等であっても、茎葉排出装置の把持個所の下方でその茎葉部が裂断されるような現象を発生することなく、確実に処理されるものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図15を参照して、本発明の一実施例を説明する。図1は根菜収穫機の側面図、図2は概略平面図、図3は正面図、図4は動力伝達系統の平面図、図5は動力伝達系統の説明図である。
【0015】図2に示すように、走行機体1の下方に左右一対の走行クローラ2a、2bを配置し、走行機体1上で人参等の根菜Kの既掘起こし側(図2において上側、進行方向右側)の走行クローラ2bの外縁よりも内側(未掘起こし側)には、前端から操縦コラム4、運転座席5、エンジン6を配置し、走行機体1の後端には、図1に示すトランスミッション7を配置する。エンジン6の動力は図4及び図5等に示すようにベルト伝動機構7aを介してトランスミッション7に伝達され、続いて前記左右一対の走行クローラ2a、2bの後端に配置された駆動輪8に伝達される。
【0016】また走行機体における根菜Kの未掘起こし側(図2において下側)で、進行方向左側の走行クローラ2aの外縁より外側には、左右一対の挟持無端帯3、3からなる挟持搬送手段が配設されており、具体的には次のようになされている。
【0017】即ち、図1に示す走行機体1の後部寄り部位の作業部回動支点9には支持フレーム10がブラケット10aを介して上下回動可能に支持されている。この支持フレーム10に装着された図4に示す始端ホイール11、11及び後端ホイール12、12には、前記左右一対の挟持無端帯3、3が卷き掛けられ、各挟持無端帯3の前後中途部は多数の中間ホイール13により略一直線状に支持されている。
【0018】図2及び図4に示すように、左右一対の挟持無端帯3、3による根菜Kの茎葉部の挟持搬送ラインHが、前記根菜Kの未掘起こし側の走行クローラ2aの外縁より外側に、平面視にて走行機体1の進行方向と並行状となるように配置されている。この際、前記始端ホイール11、11と一体的に回転される大径の掻込ホイール3A(図15参照)を設けることにより、挟持搬送の開始部を構成する。
【0019】上記した挟持搬送手段の左右一対の挟持無端帯3、3のうち、根菜Kの未掘起こし側前方の下部には、引き抜くべき根菜Kの茎葉部を、それより未掘起こし側の根菜Kの茎葉部と絡まないように分離するための分草装置14を備えている。
【0020】この分草装置14は図4、図6〜図9に示してあって、即ち、回転駆動される無端ベルト64に基端を固定され且つ所定間隔で多数配置された分草タイン15が、走行機体1の進行方向の前面側において略垂直面上を図9に示す圃場面19から上向きに移動するように構成されている。
【0021】また前記左右一対の挟持無端帯3、3のうち、根菜Kの既掘起こし側の前方の下部には、引き抜くべき根菜Kの茎葉部を引き起こすための引起こし装置16が配置されている。
【0022】この引起こし装置16は図4、図7〜図10に示してあって、即ち、回転駆動する無端ベルト641に基端を固定され且つ所定間隔にて多数配置されたタイン17が始端ホイール11の前面側において、前記分草装置14のタイン15と互いに略直交するように配置され、且つタイン17が圃場面19から上向きに移動するとき、当該タイン17の先端が分草装置14におけるタイン15の被作用側となるタインケース65側面と対峙するように配置されている。
【0023】このように、分草装置14において略垂直面上で上向き移動されるタイン15と、この分草装置14のタインケース65側面に直交するような引起こし装置16のタイン17とにより、掘り起こすべき根菜Kにおける垂れ下がった茎葉部の左右両側を上向きに引き起こし掻き上げることができるから、始端ホイール11、11に卷き掛けられる左右一対の挟持無端帯3、3からなる挟持搬送手段の挟持搬送の開始部に、前記茎葉部を確実に挟持させることができる。
【0024】さらに、図1〜図4、図11に示すように、掘起こし刃25を昇降操作するための昇降リンク機構としての上リンク22及び下リンク23の各々の基端側の回動支点20、21は、前記作業部回動支点9よりも前方である走行機体1の内面側に配置されており、該上下回動支点20、21を中心にして上下回動可能な並行リンクとしての上リンク22及び下リンク23の先端側に縦支持杆24が連結され、この縦支持杆24の下端に、掘起こし刃25が固定されている。
【0025】そして、図1、図2及び図5に示すように、前記上部の回動支点20の入力軸20aに固定したプーリ28と、前記エンジン6の出力プーリ27とに無端帯29を卷き掛けて入力軸20aを回転させるようになし、この入力軸20aに被嵌した偏心ボス(図示せず)を介して前記上リンク22の基端を連結し、この上リンク22を上下方向に振動駆動させるようになしてある。これにより、圃場面19から差し込んだ掘起こし刃25を根菜Kの根部より下方で上下や前後に振動させ、走行機体1の前進移動中における根菜Kの根部の引抜きを容易となす。
【0026】また、図1、図4及び図5に示すように、前記下部のリンク23の基端と走行機体1との間に装着された油圧シリンダ26により前記並行な上下リンク22、23を昇降回動させるように構成してある。
【0027】また図1、図2及び図4に示すように、前記作業部回動支点9と同芯軸上に設けたパイプ状の動力伝達横フレーム30の外方端に前向きパイプフレーム31が連結してある。この前向きパイプフレーム31の先端には、左右一対の挟持無端帯3、3の長手方向中途部の上方において根菜Kの既掘起こし側に向かって横向きに延びる引起こし用伝達パイプ32を連結し、この引起こし用伝達パイプ32の未掘起こし側端部から前方向へ延びる伝達ケース33を設け、この伝達ケース33を、前記分草装置14の上部に固定された分草用伝達ケース34と連結している。
【0028】また前記作業部回動支点9の前方で左右一対の挟持無端帯3、3の長手方向概ね中間部の下方には左右一対の水平回転する回転刃35a、35aを備えた切断手段35が設けてあり、またこの切断手段35の前方に図12に示すように一対の回転ブラシ36a、36aを備えた泥落とし手段36が設けてある。
【0029】そして図1、図2、図4及び図5に示すように、エンジン6の動力が、前記上部の回動支点20と同軸の入力軸20aに固定したプーリ37から、ベルト38を介して前記作業部回動支点9と同芯軸上であって動力伝達フレーム30内に嵌挿される入力軸39の突出端に固定したプーリ40に伝達され、さらに、前向きパイプフレーム31、引起こし用伝達パイプ32、伝達ケース33及び分草用伝達ケース34内の伝達軸31a、32a、34a及びチェン33a等の伝達機構を介して、引起こし装置16及び分草装置14に伝達される一方、入力軸39の外方端に固定されたプーリ351、ベルト352及び、根先切断手段35に保持されている入力軸353に固定されたプーリを介して根先切断手段35に伝達され、この切断手段35から泥落とし手段36に伝達される構成としてある。
【0030】また、前記トランスミッション7のPTO出力軸36からベルト47aを介して、前記作業部回動支点9と同芯軸である別の入力軸39a(図5参照)に固定されたプーリ401にもエンジン6の動力が伝達されるようになしてある。このプーリ401の回転は、チェン41を介して後部伝動ケース42に伝達されると共に、チェン410を介して前記左右一対の挟持無端帯3、3における両後端ホイール12と同軸の入力部に伝達されて両挟持無端帯3、3を回動させると共に、前記両後端ホイール12より下部にて、根菜Kの茎葉部を後方に搬送するための左右一対で上下に配置された無端搬送帯43a、43bからなる茎葉排出装置43及び左右一対の水平回転する回転刃44a、44aからなる茎葉切断手段44に伝達される構成となしてある。
【0031】図13及び図14に示すように、前記両後端ホイール12より下部には、根菜Kの根部の肩部を後方向に案内することにより、前記茎葉排出装置43へ茎葉部を受け継がせるための左右一対の根部案内杆45が配置してある。そして茎葉排出装置43の後方には図2に示すように、前記後部伝動ケース42から湾曲状のガイド板gが後向きへ突出させてある。
【0032】前記切断手段44の下方には、茎葉部を切除分離された根菜Kの根部を受け止め、走行機体1の後端の側方(根菜Kの掘起こし側)に搬送するため、選別コンベア46が配置されており、図5に示すように入力軸39に固定されたプーリ461からベルト47bを介して選別コンベア46への入力部46aのプーリ462に動力伝達される構成としてある。
【0033】この選別コンベア46は、一対の無端チェン間に多数の棒状スラット46bが一定間隔にて張り渡されているものであり、走行機体1の後端にて歩行する作業者が、選別コンベア46上の根菜Kのうち不良品を選り分ける。
【0034】選別コンベア46の排出端には、図2に示すように、良品の根菜Kを受け止めて蓄積するためのコンテナ48を載置するものとした前後長手のコンテナ台49がある。このコンテナ台49は走行機体1の側面に対して基端が蝶番を介して上下回動可能に連結され、非作業時には、上向きへ回動し、作業時には略水平に姿勢保持されるようになされている。
【0035】なお、前記茎葉切断手段44にて切断されて落下する根菜Kの根部が選別コンベア46において隣接したスラット46bの隙間に刺さり込まないように寝かせた状態に姿勢変更させると共に、落下する根部が金属製等の固いスラット46bに直接激突しないように作用するものとした図13に示すゴム板製の緩衝材50が根部の落下経路に配置されている。
【0036】また、前述のように、前記左右一対の挟持無端帯3、3、引起こし装置16及び分草装置14は、前記作業部回動支点9を中心にして一体的に上下回動するように各装置部のフレーム同士は連結されており、図3及び図4に示すようにそれらの前部側から前向きに突出させた支持杆51の前端に装着された接地前輪52により圃場面19上で支持されるようになされている。
【0037】そして、非作用時や路上走行時には、前記掘起こし刃5や、前記左右一対の挟持無端帯3、3、前記引起こし装置16及び前記分草装置14の下端が地面に緩衝しないようにこれらの部分を上昇位置に保持するための機構が形成してある。
【0038】この機構は具体的には、次のようになす。即ち、図11において油圧シリンダ26を伸張作動させると、昇降リンク機構である並行状の上下リンク22、23の前端側が上向き回動するようになす。
【0039】この回動作動のとき、下リンク23の側面に設けた押上げ用の回転可能なローラ53の上面が、前記一対の挟持無端3、3の支持フレーム10の下面側等に設けた側面視「へ」字状のガイドレール54の下面に沿って移動し、この移動により、掘起こし刃25と共に挟持無端帯3、3、引起こし装置16及び分草装置14の下端を一体的に圃場面19より上方に大きく持ち上げる構成となす。
【0040】図13及び図14に示すように、上方に茎葉切断手段44、茎葉排出装置43、挟持無端帯3が配置される選別コンベア46の搬送側下方の走行機体1上にコンテナ載置台76を介して不良品の根菜を収容するための屑コンテナ77を載置し、選別コンベア46上で作業者によって選り分けた不良品の根菜を屑コンテナ77に収容収集すると共に、作業部回動支点9の上方を覆い、挟持無端帯3によって挟持搬送される根菜Kから落ちる土が作業部回動支点9に付着積載してこの回動を阻害するのを防止するための屋根形の支点カバー78を設ける。
【0041】この支点カバー78の頂上部から後下がりに傾斜するカバー78のカバー後面79の先端を前記屑コンテナ77の前側上方に延設し、カバー後面79の上方に位置する挟持無端帯3から茎葉排出装置43への受継ぎ部において、未成熟で茎葉部が短いために受継ぎミスで落下する未成熟の根茎の殆どをカバー後面79で受け止め屑コンテナ77内に案内することにより、不良品の根菜や未成熟の根菜等、屑野菜を圃場に放出することなく回収し、作業後の圃場に屑野菜が散乱し、収穫後の圃場の体裁を悪化させるのを防止するように構成している。
【0042】また前記カバー後面79の途中から先部を篩い線79aで構成し、泥土のみをカバー後面79の下側に篩い落とし、カバー後面79に泥土が滞積し、屑根菜の流下を阻害するのを防止するように構成している。
【0043】また選別コンベア46において落下してくる根菜Kが倒れる側のコンベアフレーム80の上面でその所定範囲にはゴム板製の緩衝材81が配置され、根部がコンベアフレーム80の金属面に倒伏当接し、この根部が損傷するのを防止するように構成している。
【0044】次に上記収穫機の特徴部分について、さらに詳細に説明する。図1及び図13に示すように、各根部案内杆45は案内始端側辺部分aと案内終端側辺部分bからなる側面視へ字形に屈曲し、案内始端側辺部分aを前記挟持無端帯3の搬送角度よりも小さな角度の上り傾斜になすと共に、案内終端側辺部分bを下り傾斜となしてある。
【0045】茎葉排出装置43は搬送方向を案内始端側辺部分aに概ね平行させると共に、搬送始端部sを挟持無端帯3と案内始端側辺部分bとの間に位置させて挟持無端帯3と案内始端側辺部分aとに近接させてある。
【0046】この際、茎葉排出装置43の搬送方向を案内始端側辺部分aに概ね平行させたことは、茎葉排出装置43の搬送始端sを挟持搬送ラインH(図2参照)に近接させ易くなすのである。また茎葉排出装置43の搬送始端部sは根部からの距離が10cm以下の範囲の茎葉部を把持する構成となしてある。
【0047】さらに茎葉切断手段44は、図13及び図14に示すようにその切断面が根部案内杆45の案内終端側辺部分bに平行するように設け、回転ハンドルeを操作することにより回転刃44a、44aが平行リンクhを介して上下へ平行移動される構成としてある。
【0048】次に上記収穫機で根菜Kの収穫作業を行う場合の使用例及び作動について説明する。圃場に列状に植生された人参等の根菜Kをその1列毎に収穫するのであって、このため、オペレータは運転座席5に座ってエンジン6を駆動し、走行機体1を走行させながら、油圧シリンダ26のピストンロッドを短縮作動させることにより、収穫すべき列の位置の地面に掘起こし刃25を押し込み、この一方では走行機体1の向きを調節し、左右一対の挟持無端帯3、3を卷き掛けている左右一対の始端ホイール11、11の間が前記未掘り起こし側の根菜Kの列に位置するように位置合わせする。
【0049】走行機体1の進行につれて、分草装置14の下端のタイン15の上昇移動により、掘り起こすべき根菜Kの茎葉部と、それより未掘起こし側の根菜Kの茎葉部とが絡まないように分離される。また前記上部リンク22の基部の偏心ボスの回転により上下揺動される掘起こし刃25が心土をほぐして収穫すべき列の根菜Kの根部より下方を掘り起こす。
【0050】次いで、引起こし装置16のタイン17の回動により、茎葉部が挟持無端帯3、3の始端ホイール11、11の個所で、前記引き起こされた茎葉部を挟持開始し、このとき前記一対の挟持無端帯3、3がこの茎葉部を走行機体1の後方に行くに従って上昇するように搬送するので、その茎葉部の根部は圃場から軽い力で引き抜かれる。
【0051】一対の挟持無端帯3、3の挟持搬送ラインHに沿って走行機体1の後方に向けて揚上される根菜Kの根部は回転ブラシ36a、36aのブラシ毛で表面を摺擦されて付着泥や、枯れ葉等の垂れ下がった残葉を掻き落とされた後、回転刃35a、35aで徒長した先部を切除され長さを均等化される。
【0052】このように切除された根部はさらに揚上されて根部案内杆45に達する。この後、挟持無端帯3はさらに茎葉部を斜め後上方へ搬送し、一方では根部案内杆45の案内始端側辺部分aが根部の肩部の左右に近接してこの根部を挟持搬送ラインHの傾斜角度よりも小さな角度で斜め後上方へ案内する。
【0053】従って、茎葉部は挟持無端帯3による搬送が進むに連れて、未だ緊張はされないが緊張される傾向となっていくのである。この際、案内始端側辺部分aは上り傾斜であるため、茎葉部は、緊張される傾向を急激に増大されることはない。
【0054】こうして案内される茎葉部はやがて茎葉排出装置43の搬送始端sに達するが、このときの茎葉部は未だ挟持無端帯3と根部案内杆45とで緊張される前の状態であり、従って霜枯れした茎葉部であっても裂断されることはない。この茎葉部がさらに挟持無端帯3で搬送されると、茎葉排出装置43の搬送始端sをなす一対の無端帯43b、43bの前端部が根部肩部から10cm以下の範囲の茎葉部分を挟持するものとなる。
【0055】ここにおいて、茎葉排出装置43の搬送始端sが挟持搬送ラインHに近接していることは、茎葉部が緊張される前の時点で茎葉排出装置43の搬送始端sが茎葉部を挟持することを可能となし、また茎葉排出装置43の搬送始端sが根部案内杆45の案内始端側辺部分aに近接していることは、根部肩部から10cm以下の範囲の茎葉部を茎葉排出装置43の搬送始端sが挟持することを可能となす。
【0056】この後、茎葉排出装置43はその搬送始端sに挟持した茎葉部を根部案内杆45の頂点へ向け斜め後上方へ搬送する。この搬送中には、茎葉排出装置43と根部案内杆45の案内始端側辺部分aとが平行であるため、搬送される茎葉部の緊張の度合いは殆ど変化しないのであり、従って茎葉部はたとえ霜枯れしていても裂断されることなく、前記頂点まで円滑に移動される。
【0057】このようにして茎葉部が前記頂点に達した後は、茎葉排出装置43と根部案内杆45の案内終端側辺部分bとの間の上下方向距離が後方へ向かう程、増大するため、茎葉排出装置43により搬送される茎葉部は搬送が進むに連れて茎葉排出装置43と案内終端側辺部分bとの引っ張り合いが生じてその緊張状態が増大する。根部が根部案内杆45の搬送終端部に達したときは、その肩部は根部案内杆45の下面側に確実に圧接された状態となる。
【0058】この圧接状態ではその茎葉部に相当な引張力が作用するが、茎葉排出装置43は比較的強度の大きい個所である根部近傍の茎葉部分を挟持しているため、その茎葉部がたとえ霜枯れしていても茎葉排出装置43よりも下方で裂断されることはない。上記圧接状態の下で、根菜Kは茎葉切断装置44の左右一対の回転刃44a、44aにより根部と茎葉部との間を安定的に切断される。
【0059】こうして切断分離された根部は自由落下し、緩衝材50に一旦受け止められ緩衝された後、選別コンベア46に載って横移動され、コンテナ台49後部のコンテナ48に集積されて収穫される。
【0060】一方、根部と分離された茎葉部は、茎葉排出装置43によりさらに後方へ連続して搬送され、その搬送終端から圃場面19に放出される。この際、茎葉部は未掘起こし側の圃場面19に落下しないようにガイド板gで案内される。
【0061】
【発明の効果】以上に説明した本発明によれば、収穫すべき根菜の茎葉部がたとえ霜枯れしていても、挟持無端帯から茎葉排出装置へ搬送される途中において意図しない茎葉部の裂断は発生するものとならず、根菜は確実に茎葉切断手段に達して茎葉部を切除され、効率的な収穫処理が行えるようになる。
【0062】請求項2又は4によれば、たとえ霜枯れした茎葉部を有する根菜であっても根菜の根部からの一定高さ位置を茎葉切断手段により的確且つ安定的に切断されるものとなる。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成10年6月19日(1998.6.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−4629(P2000−4629A)
【公開日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【出願番号】 特願平10−189856