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【発明の名称】 泥土除去装置付き根菜収穫機
【発明者】 【氏名】影山 秀明

【氏名】尾崎 慎右

【要約】 【課題】従来の構成においては、掘取られた根菜に付着した泥土が機体内に持ち込まれて、茎葉部の切断作用や搬送体の作用に悪影響を及ぼすと同時に、収納コンテナへの泥土の混入が問題であったので、引抜き搬送経路前半部内に泥土除去装置を配設し、根先や茎葉部の切断作用の前行程で根菜類に付着している泥土を除去し、円滑なる切断作用を促すと同時に収納コンテナへの泥土の混入を回避して、作業性の向上をはかった泥土除去装置付き根菜収穫機を提供する。

【解決手段】本発明は根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、根菜類の搬送経路前半部内に泥土除去装置としてブラシ状に植毛した泥土除去体を左右に対峙構成し、その間を通過する根菜類に付着した泥土をブラシが摺接して除去する様に構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、根菜類の搬送経路前半部内に根先切断装置を装着し、その前方に根部に付着した泥土を除去する為の泥土除去装置を装設した事を特徴とする根菜収穫機。
【請求項2】 根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、根菜類の搬送経路前半部内で左右に案内板を対峙させ、互いに対峙面をブラシ状に植毛して泥土除去装置として兼用構造に構成した事を特徴とする泥土除去装置付き根菜収穫機。
【請求項3】 根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、根菜類の搬送経路前半部内で左右に対峙させた構成にし、ブラシ状に植毛した泥土除去装置を設け、該泥土除去装置の毛先の動きが収穫する根菜の外形に沿って追随する様に構成した事を特徴とする泥土除去装置付き根菜収穫機。
【請求項4】 根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備え、該一対の無端帯が形成する根菜類の搬送経路内に左右に対峙装着したブラシ状の泥土除去装置を弾設し、互いに対峙方向に弾圧付勢しながら外力により対峙間隔を広狭自在に構成した事を特徴とする泥土除去装置付き根菜収穫機。
【請求項5】 根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、左右一対に対峙装着したブラシ状の泥土除去装置に複数カ所の屈折点を設け、根菜が通過する点が蛇行状に屈折する様に構成した事を特徴とする請求項4記載の泥土除去装置付き根菜収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人参等の根菜収穫機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の根菜収穫機において、走行機台の前部又は側部に配設した根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えたものが知られているが、該一対の無端帯で搬送される根菜は泥土が付着したまま茎葉部の切断処理をし、最終行程である収納コンテナまで搬送されるものが一般的に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の構成においては、掘取られた根菜に付着した泥土が機体内に持ち込まれて、茎葉部の切断作用や搬送体の作用に悪影響を及ぼすと同時に、収納コンテナへの泥土の混入が問題であった。
【0004】本発明は、従来の構成における課題を解決するために、引抜き搬送経路前半部内に泥土除去装置を配設し、根先や茎葉部の切断作用の前行程で根菜類に付着している泥を除去し、円滑なる切断作用を促すと同時に収納コンテナへの泥の混入を回避して、掘取り作業における作業性の向上を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を達成するために、走行機台の前部に配設した根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、根菜類の搬送経路前半部内に根先切断装置を装着し、その前方に根部に付着した泥土を除去する為のブラシ状に植毛した泥土除去装置を装設し、該泥土除去装置を左右に対峙構成して、その間を通過する根菜類に付着した泥土を植毛したブラシが摺接して除去するのである。
【0006】根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、根菜類の搬送経路前半部内で左右に案内板を対峙させ、互いに対峙面をブラシ状に植毛して泥土除去装置として兼用構造に構成し、左右の案内板の間を通過する根菜を所定の位置に誘導しながらブラシを摺接させ、同時に泥土の除去をおこなって、収納用コンテナに泥土が混入しない様にしたのである。
【0007】根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、根菜類の搬送経路前半部内で左右に対峙させた構成で、ブラシ状に植毛した泥土除去装置を設け、該泥土除去装置のブラシの毛先の動きが収穫する根菜の外形に沿って追随する様に構成して、根菜を通過しやすくし根菜の表面への摺接力を和らげ、根菜への損傷を未然に防止する様にした。
【0008】具体的には、根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、左右に対峙する様に構成した泥土除去装置を弾設し、互いに対峙する方向に弾圧付勢し、根菜類が通過する時はその押圧力により対峙間隔が広狭自在になる様に構成した。
【0009】根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、左右に対峙弾設したブラシ状の泥土除去装置に複数カ所の屈折点を設け、根菜が通過する際に蛇行状に屈折する様に構成し、搬送速度が速くなり複数個の根菜がピッチを詰めて通過しても、まんべんなく摺接し効率よく泥土の除去が出来る様に構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の要部である根菜類に付着した泥土を取り除く為の泥土除去装置装着側面図である。図2は本発明の実施例に係わる人参収穫機の全体側面図であり、図3は同じく人参収穫機の全体前面図であり、図4は本発明の実施例に係る人参収穫機の概略駆動系平面視図である。本発明の要部である泥土除去装置の平面図を図6とし、図6におけるB−B断面図を図5とし、同じくA−A断面図を図7とする。又、図8は本発明の実施例に係る人参収穫機の引起し装置と分草装置の前面視図である。図9は引起し装置と分草装置の配置を示す断面図である。図10は本発明の実施例に係る人参収穫機の茎葉切断及び排出装置関係側面図で、図11は本発明に係る別案の平面図であり、図12は同別案の断面図である。
【0011】まず、本発明の実施例である人参収穫機の全体構成について、図2〜図4により説明する。走行機台(1)の下方に左右一対の走行クロ−ラ(2a)(2b)を配置し、走行機台(1)上には人参等の根菜(K)の既掘取り側の走行クロ−ラ(2b)の外縁より内側にして走行機台(1)の右上側に操縦部(4)を設け、該操縦部(4)は操縦コラム(4a)と運転席(4b)とで主に構成され、運転席(4b)の下方にはエンジン(5)が配設されている。走行機台(1)の後端側には走行伝動装置(7)を配設し、該走行伝動装置(7)から前記左右一対の走行クロ−ラ(2a)(2b)の後端に配置された駆動輪(8)に動力が伝達される。また運転席(4b)の左側には、土中に侵入してその振動で土を膨軟にする堀取り刃(25)と、膨軟になった土から根部を浮き上がらせその茎葉部を挟持して斜め上後方に引抜き搬送する左右一対の挟持搬送無端帯(3)(3)からなる引抜き装置(6)を、機体進行方向に対して操縦部(4)の左側方を通って機体後部にまで延設し、側面視にて前低後高で緩傾斜状態に斜設している。
【0012】該引抜き装置(6)は走行機台(1)の後部寄り部位に設けた作業部回動支点(9)にてブラケット(10a)を介して上下回動可能に支持された支持フレ−ム(10)と一体的に回動して傾斜角度を調節することが可能で、根菜(K)の成育状態に適合した作業操作を可能にする構成となっている。さらに、その構成を詳述すると、支持フレ−ム(10)に装着された前プ−リ(11)(11)と後プ−リ(12)(12)には、前記左右一対の挟持搬送無端帯(3)(3)が巻き掛けられ、各挟持搬送無端帯(3)は前後中途部に複数個装着されている中間プ−リ(13)・・にて略一直線状に支持され、左右一対の挟持搬送体(6a)(6b)を構成している。該左右一対の挟持搬送体(6a)(6b)が対峙して、茎葉部の挟持搬送経路(H)を形成し、該挟持搬送経路(H)は未掘取側の走行クロ−ラ(2a)の左側を平面視にて機体の進行方向と略平行になるように配置されている。
【0013】前記挟持搬送経路(H)の途次にて下方に根先切断装置(69)が配設してあり、該根先切断装置(69)は挟持搬送経路(H)に対して平行に回転する根先切断回転刃(70)(70)が左右に組み合わされ、前処理部入力軸(39)からベルト伝動で駆動される。
【0014】更に、挟持搬送経路(H)の下方で根先切断装置(69)の前方には、泥土除去装置(71)が配設してあり、該泥土除去装置(71)の構成を図5〜図7を参照しながら記述すると、左右一対に組み合わされた左泥土除去体(71a)と右泥土除去体(71b)とで構成され、互いに対峙して通路(Ha)を形成し、該通路(Ha)は平面視で挟持搬送経路(H)の一部と重合し、互いに上下平行な相対位置を形成している。又、左右泥土除去体(71a)(71b)は各々複数個のプレ−ト(72)・・が連設され、左右対峙する面にはブラシ状の軟質合成ゴムを植毛したブラシ部(72a)を締着してあり、該ブラシ部(72a)は通路(Ha)を搬送され通過していく根菜(K)に摺接して、根菜(K)に付着している泥土を除去する様になっている。
【0015】尚、詳述すると前記左右泥土除去体(71a)(71b)は成形された複数個のプレ−ト(72)・・からなり、該プレ−ト(72)はプレ−ト体(72b)にブラシ部(72a)を植毛したもので、左右泥土除去体(71a)(71b)の構成は複数個のプレ−ト(72)・・を接続ピン(72c)を介して回動自在に枢着接続し、該接続部を屈折点として蛇行状に屈折自在になっていて、各プレ−ト(72)は各々圧縮バネ(72d)と支持ピン(72e)によって、弾設されている。該圧縮バネ(72d)は左右プレ−ト(72)(72)の対峙面に対して各々垂直に弾圧付勢する様に支持ピン(72e)の一端を引抜き装置(6)の支持フレ−ム(10)に遊着してあるので、該対峙面によって形成された通路(Ha)を根菜(K)が通過する際は通路幅が広がり、通過後は元の通路幅に復元する様になっている。尚、別案として図11及び図12に示す様にプレ−トを一体の構成にて固設して、左右対峙する面にブラシ部(72a)を締着し根菜(K)の移動により泥土を除去する事も可能である。
【0016】一方、前記引抜き装置(6)の左挟持搬送体(6a)の始端部前方から前半部前方にかけて分草装置(14)が連設され、該分草装置(14)は回転駆動する無端ベルトに、所定間隔で多数個装着された分草タイン(15)が機体進行方向と平行で略垂直面内にて畝面近傍を最下点として上向きに周回移動するように斜設されている。
【0017】又、前記引抜き装置(6)における右挟持搬送体(6b)の下部前方には、根菜(K)の茎葉部を引き起こす為の引起し装置(16)が配設され、図8〜図9に示す如く、該引起し装置(16)は周回駆動する無端ベルトに所定間隔で多数個装着された引起しタイン(17)が引抜き装置(6)の下部前面側にて分草タイン(15)と互いに略直交するように配置され、且つ引起しタイン(17)が上向きに周回移動する時、該引起しタイン(17)の先端が分草装置(14)のタインケ−ス(14a)側面と対峙するように配設されている。この様に配設された前処理部は引抜き装置(6)に連設され、引抜き装置(6)と一体的に作業部回動支点(9)によって上下回動自在に構成にしてある。
【0018】この様に、分草装置(14)の分草タイン(15)における上向きの作用と分草装置(14)のタインケ−ス(14a)側面に対して直交面内で周回する引起しタイン(17)とにより、掘取ろうとする根菜(K)の垂れ下がった茎葉部の左右両側を上向きに引起し掻上げる事が出来るので、左右一対の挟持搬送無端帯(3)(3)の始端部での茎葉部への挟持搬送作用を確実にする事ができる。
【0019】又、図2と図4に示す様に前記掘取り刃(25)を昇降操作する為の昇降リンク機構である上リンク(22)と下リンク(23)とからなる平行リンクは、上下の各回動支点(20)(21)を中心に上下回動自在とし、その前端部に連結された支持杆(24)を介して掘取り刃(25)を固着し、下リンク(23)の基端部に油圧シリンダ−装置(26)を装着し、該油圧シリンダ−装置(26)によって土中への侵入深さを調節して、上リンク(22)の基端側に位置する前記上回動支点(20)の入力軸(20a)に軸着したプ−リ(28)とエンジン(5)の出力プ−リ(27)とにベルト(29)を巻き掛けて入力軸(20a)を回転させ、上リンク(22)の基端側に固着した偏心ボスを入力軸(20a)に被嵌し、該入力軸(20a)の回転を偏心ボスによりピストン運動に変え、掘取り刃(25)に振動が付与されるのである。
【0020】又、図2及び図4に示す如く、前記作業部回動支点(9)と同芯軸上に設けたパイプ状の伝動横フレ−ム(30)の先端に伝動縦パイプ(31)を連結し、該伝動縦パイプ(31)の先端には、引抜き装置(6)の上方を横断して引起し装置(16)に連結された引起し伝動フレ−ム(32)と更に前方に延びる伝達ケ−ス(33)を介して分草伝動フレ−ム(34)を分草装置(14)に連結している。そして、前記の上回動支点(20)の入力軸(20a)に軸着したプ−リ(37)からベルト等の無端帯(38)を介して前記作業部回動支点(9)と同芯軸上に設けた伝動横フレ−ム(30)内に嵌挿された前処理部入力軸(39)に軸着したプ−リ(40)に動力が伝達され、さらに上記伝動機構を経て、引起し装置(16)及び分草装置(14)が各々駆動される。
【0021】又、前記作業部回動支点(9)と同芯軸である前処理部入力軸(39)の他端に軸着されたプ−リからベルト(41)を介して後部伝動ケ−ス(42)に動力を伝達し、更に前記引抜き装置(6)における左右の後プ−リ(12)(12)と同軸の入力部(18)に伝動して、引抜き装置(6)を駆動すると共に、該後プ−リ(12)より下方にて、根菜(K)の茎葉部を水平後方に搬送する為の左右一対で上下に配置された茎葉排出無端帯(43a)(43b)からなる茎葉排出装置(43)を駆動し、同時に該茎葉排出装置(43)の搬送経路前半部の下方に配置された左右一対の水平回転自在の回転刃(44a)(44a)からなる切断装置(44)に回転力が伝達される。
【0022】さらに詳述すると図2及び図10に示す如く、引抜き装置(6)の終端部下方に茎葉排出装置(43)が配設され、該茎葉排出装置(43)の下方には根菜(K)の肩部(S)を当接摺動しながら所定の位置に誘導する肩部揃え板(45)及び茎葉部を切除する切断装置(44)が同一垂直面上に連設され、肩部(S)すなわち根部の上端を後方に誘導する事により、前記茎葉排出装置(43)へ茎葉部を受け継がせると同時に前記肩部(S)即ち根部の上端を揃えて、切断装置(44)での茎葉部の切断位置を均一にする為に肩部揃え板(45)が作用するのである。
【0023】尚、切断装置(44)により茎葉部を切断するが、傾斜地等の作業で機体が傾いた為に、回転刃(44a)も機体と共に傾いても、根部は自重によって垂直方向に吊り下がるので、回転刃(44a)に対して根菜(K)の根部の中心線は斜めになり、回転刃(44a)による切断面は斜め切りになり商品価値を落とすので、バネ鋼の支え棒(47)2本を左右対称に回転刃(44a)の下方に付設して根部を挟み、根部の傾きを防止するように構成して、茎葉部の切断処理を円滑にした上で、良品の根菜収穫物が選別コンベア(48)によってコンテナ(49)に収納される。
【0024】該選別コンベア(48)は切断装置(44)の下方に配置され、茎葉部を切除された根菜(K)を受け継ぎ機体の後部側方に横送りする。走行伝動装置(7)の出力軸(36)からプ−リ・ベルト(50a)(50b)を介して選別コンベア(48)への入力部(48a)に伝動される。該選別コンベア(48)は一対の無端チェ−ン間に多数の棒状部材(48b)を一定間隔に橋架し、該無端チェ−ンの周回移動によって根菜(K)を搬送し、終端位置の下方に配置されたコンテナ(49)に根菜(K)を落下収納する。尚、コンテナ(49)は前後長手のコンテナ台(51)に載置されていて、該コンテナ台(51)は機体の側面に対して基端が蝶番を介して上下回動自在に連結され、非作業時には上向きに会同し、作業時にはコンテナ台(51)が略水平となるように姿勢保持される。
【0025】尚、前記切断装置(44)で切断されて落下する根部が選別コンベア(48)の棒状部材(48b)の隙間に刺さり込まないように横倒し状態に姿勢変更させると共に、落下する根部が金属製等の固い棒状部材(48b)に直接激突しない様にする為のゴム板製の緩衝材(52)が根部の落下経路に配置されている。
【0026】又、図2〜図4に示すように、前処理部は前部側から前方に突出する支持桿(53)の前端に装着されたゲ−ジ輪(54)にて圃場面に対して適正高さに支持されている。そして非作業時や路上走行時には、前記堀取り刃(25)や引抜き装置(6)や引起し装置(16)及び分草装置(14)の下端が地面に干渉しない様にこれらの部分を上昇位置に保持する為に、油圧シリンダ−装置(26)を駆動し、昇降リンク機構即ち平行リンクの上下リンク(22)(23)の前端側を上向き回動させ、下リンク(23)の側面に枢設した押上回転ロ−ラ(55)を引抜き装置(6)の支持フレ−ム(10)下面側等に固設した側面視「へ」字状のガイドレ−ル(56)の下面に沿って移動させると、1つの油圧シリンダ−(26)のピストンロッド突出動の作動で、堀取り刃(25)と共に引抜き装置(6)や引起し装置(16)及び分草装置(14)の下端を一体的に路面より上方に大きく持ち上げ保持する事が可能となる。
【0027】ここで、前記の構成による根菜(K)の収穫作業について図1〜図3を参考にして説明する。実施例は圃場に条植された人参等根菜類を1条毎に収穫する場合で、エンジン(5)を起動し機体を前進させながら、運転者によるハンドル操作で引抜き装置(6)の始端部を収穫する条に対して条合わせして、油圧シリンダ−装置(26)を作動させてピストンロッドを後退させると、掘取り刃(25)は土中に押し込まれ、上リンク(22)のピストン運動により付与された振動によって土を膨軟にしながら、機体の前進につれて分草装置(14)の下端の分草タイン(15)の上昇移動にて、掘取られる根菜(K)の茎葉部と隣接した根菜(K)の茎葉部とが絡まない様に分離する。次いで、引起し装置(16)の引起しタイン(17)の回動にて、茎葉部は引起され引抜き装置(6)の左右一対なる挟持搬送無端帯(3)(3)の始端部に送られ、該引抜き装置(6)の後傾姿勢により後方に搬送されるに従い茎葉部は上方に引っ張られ根菜(K)は土から引き抜かれる。
【0028】更に、左右一対の挟持搬送無端帯(3)(3)が対峙して形成する茎葉部の挟持搬送経路(H)に沿って、機体の後部斜め上に挟持搬送される根菜(K)が搬送行程の途次において、泥土除去装置(71)により形成された通路(Ha)を通過する時、ブラシの摺接により根部に付着した泥土は除去され、連設する根先切断装置(69)によって根先が切り揃えられる。そして、搬送行程の後半に至って茎葉部はその付け根を肩部揃え板(45)に当接規制され、略水平後方に移動して、茎葉部のやや上部は茎葉排出装置(43)の左右一対で上下に構成された搬送帯(43a)(43b)に挟持されながら機体の後方に移送される。
【0029】そこで、切断装置(44)の左右一対の回転刃(44a)(44a)にて、茎葉部は切断され根部は自由に落下し、緩衝材(52)に一旦受け止められ緩衝された後、選別コンベア(48)に載って横送りされ、コンテナ台(51)後部のコンテナ(49)に収容し収穫される。前記の切断された茎葉部は茎葉排出装置(43)の終端から圃場に放出されるが、この時未堀取り側に落下しない様に湾曲したガイド板(57)にて案内される。
【0030】一方、図8及び図9に示すように分草装置(14)の構成は、下部をこれら装置部のフレ−ムに支持し、上部を分草伝動フレ−ム(34)にボルトで締着する基板(14b)とケ−スカバ−(14c)とで箱状のタインケ−ス(14a)を形成し、その中に受動プ−リと分草伝動フレ−ム(34)から突出した駆動軸に係合軸着した駆動プ−リとその間に分草タイン(15)を装着した無端帯を巻き掛け構成した仕組みが内蔵されている。作用側となるタインケ−ス(14a)の前面において分草タイン(15)がタインケ−ス(14a)から機体進行方向に向いて突出して下から上に移動し、引起しによる分草作用を得る。一方引起し装置(16)においても同様の構成で、作用側となる引起しタインケ−ス(16a)の一側面において、引起しタイン(17)が機体の側方に向いて突出して下方から上向きに周回して引起し作用を得る。
【0031】又、引起し装置(16)の機体進行方向となる前面側下部には分草板(57)が配設される。該分草板(57)は引起し装置(16)の前面側下部に基端を支軸(58)に枢着して上下回動自在に機体進行方向に突出支持させる取付けア−ム(59)の先端に固着されている。又、引起し装置(16)の機体進行方向となる前面側上部にブラケット(60)及び位置決め具(61)を介して上下動自在に上部を支持する操作桿(62)を設け、該操作桿(62)の下端を分草板(57)に連結し、操作桿(62)の上下操作及び操作位置での位置決めによって、分草板(57)と前記引起し装置(16)及び分草装置(14)とで構成する前処理部において、分草板(57)以外の構成部材とは別個に、分草板(57)を単独で対地高さ調節を行う様に構成してある。
【0032】これによって、例えば引起し装置(16)の引起しタイン(17)と分草装置(14)の分草タイン(15)の回行軌跡の下端を畝面に可及的に接近又は摺接させる様に、前処理部の対地高さを調節した時、分草板(57)の先端が畝の法面に掛かることにより、その法面から浮き上がってしまう場合、分草板(57)を単独でこの先端が畝の法面に可及的に接近又は摺接させる様に、下降側に調節し、この畝の法面に倒伏した茎葉部を掬い上げて引起し装置(16)の引起しタイン(17)の作用範囲内に誘導させる様にする。この対地高さでは分草板(57)の先端が畝の上面に位置し土中に突入する場合には、分草板(57)を単独でこの先端が畝の上面に可及的に接近又は摺接する様に、上昇側に調節し、畝の上面において分草板(57)を適正に機能させる様に構成している。
【0033】この他、分草板(57)が単独で対地高さ調節可能であると、機体が左右前後に傾いた状態で作業する場合でも、常に分草板(57)及び引起し装置(16)及び分草装置(14)の適正な対地高さが得られるので効果的である。
【0034】図10に示す様に、上方に切断装置(44)と茎葉排出装置(43)及び引抜き装置(6)が配設される選別コンベヤ(48)の搬送側下方の走行機台(1)上にコンテナ載置台(63)を介して不良品の根菜(K)を収容する為の屑コンテナ(64)を載置し、選別コンベヤ(48)上で作業者によって選り分けた不良品の根菜(K)を屑コンテナ(64)に収容収集すると共に、作業部回動支点(9)の上方を覆い、挟持搬送無端帯(3)によって挟持搬送される根菜(K)から落ちる茎葉等が作業部回動支点(9)に付着積載して、作業部の回動を阻害するのを防止する為の屋根形の支点カバ−(65)を設けた。
【0035】該支点カバ−(65)は頂上部から後下がりに傾斜させ、該傾斜面の先端を前記屑コンテナ(64)前側上方に延設し、この傾斜面の上方に位置する引抜き装置(6)から茎葉排出装置(43)への受継ぎ部において、未成熟で茎葉部が短い為に受継ぎミスで落下する未成熟の人参等根菜類を該傾斜面で受け止め、屑コンテナ(64)に誘導投入する事により、未成熟等不良品の屑根菜をも圃場に放出することなく回収し、作業後の圃場に屑根菜が散乱し、収穫後の圃場の体裁を悪化させるのを防止するように構成している。
【0036】又、前記支点カバ−(65)の傾斜面の途中から先部を篩線(66)で構成し、泥土のみを傾斜面の下側に篩落とし、傾斜面に泥土が堆積し、屑根菜の流下を阻害するのを防止するように構成している。
【0037】又、選別コンベヤ(48)において、落下してくる人参等根菜(K)の倒れ込み側でのコンベヤフレ−ム(67)の上面でその所定範囲にはゴム板製の緩衝材(68)が配設され、根部がコンベヤフレ−ム(67)の金属面に直に当接し、該根部が損傷するのを防止するように構成している。
【0038】
【発明の効果】根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、根菜類の搬送経路前半部内に根先切断装置を装着し、その前方に根部に付着した泥土を除去する為のブラシ状に植毛した泥土除去装置を装設し、該泥土除去装置を左右の対峙構成にしたので、その間を通過する根菜類に付着した泥土を植毛したブラシが摺接して除去する事ができ、しかもその位置が搬送経路前半部内にあるので、根菜を掘取った搬送行程の早期で泥土の除去作用が行われて、泥土の機体内持込みが少なく、その上収納コンテナから位置的に遠くなり、収納コンテナへの泥土の混入を防止する事が出来るのである。
【0039】根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、根菜類の搬送経路前半部内に左右の案内板を対峙させ、互いに対峙面をブラシ状に植毛して泥土除去装置として兼用構造に構成したので、左右の案内板の間を通過する根菜を所定の位置に誘導しながらブラシを摺接させ、同時に泥土の除去もおこなって、収納用コンテナには泥土が混入しない様にする事ができる。
【0040】根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、根菜類の搬送経路前半部内で左右に対峙させた構成にし、ブラシ状に植毛した泥土除去装置を設け、該泥土除去装置のブラシの毛先の動きが収穫する根菜の外形に沿って追随する様に構成したので、根菜が通過しやすくなり根菜の表面への摺接力を和らげ、根菜への損傷を未然に防止する事ができた。
【0041】根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、左右に対峙装着したブラシ状の泥土除去装置を弾設し、互いに対峙する方向に弾圧付勢し、根菜類が通過する時はその押圧力により対峙間隔を広狭自在に構成したので、根菜が通過する時は広がり通過後は元の位置に復元して、根菜の形状のバラツキを吸収し一定の摺接力を保持しながら作用するので、根菜形状の大小に係わらず有効なる泥土の除去ができ、根菜への損傷も回避することが出来る。
【0042】根菜類の茎葉部を挟持して引抜き搬送する一対の無端帯からなる根菜掘取部を備えた根菜収穫機において、左右に対峙し弾設したブラシ状の泥土除去装置に複数カ所の屈折点を設け、根菜が通過する際に蛇行状に屈折する様に構成したので、搬送速度が速くなり複数個の根菜がピッチを詰めて通過しても、まんべんなく摺接し効率よく泥土の除去が出来る。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成10年6月19日(1998.6.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−4627(P2000−4627A)
【公開日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【出願番号】 特願平10−189853