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【発明の名称】 コンバインの刈取装置
【発明者】 【氏名】二宮 伸治

【氏名】松沢 宏樹

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置の前方に刈取前処理装置を設け、前記走行装置による走行速度と前記刈取前処理装置へ伝達する回転とを同期させて変更するように構成したものにおいて、前記走行装置の後進操作に関連して前記刈取前処理装置の駆動速を増速させるにあたり、前記走行装置による走行速度に同期させて前記刈取前処理装置へ伝達する回転よりも増速させるように構成したコンバインの刈取装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバインの刈取装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来、特開昭52−75538号公報には、走行装置の前方に刈取前処理装置を設け、前記走行装置による走行速度と前記刈取前処理装置へ伝達する回転とを同期させて変更するように構成したものについて記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、単に走行速度と刈取前処理装置の回転とを同期させているだけであるので、後進するときの走行速度に連動して刈取前処理装置の回転が下がり過ぎるという課題がある。
【0004】
【発明の目的】穀稈の搬送処理の確実化、操作性の向上、作動の確実化。
【0005】
【課題を解決しようとする手段】本発明は、走行装置2の前方に刈取前処理装置5を設け、前記走行装置2による走行速度と前記刈取前処理装置5へ伝達する回転とを同期させて変更するように構成したものにおいて、前記走行装置2の後進操作に関連して前記刈取前処理装置5の駆動速を増速させるにあたり、前記走行装置2による走行速度に同期させて前記刈取前処理装置5へ伝達する回転よりも増速させるように構成したコンバインの刈取装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方位置に設けた脱穀装置、4は操縦部、5は前記脱穀装置3の前方位置に設けた刈取前処理装置、6は刈取前処理装置5を上下させる刈取上下シリンダ、7は刈取前処理装置5の最前方部の分草体、8は分草した穀稈を引起す引起装置、9はスターホイル、10は掻込装置、11は刈刃、12は株元側搬送装置、13は穂先側搬送装置である。各搬送装置により搬送される搬送路の終端には扱深さ調節装置14の始端部を臨ませ、扱深さ調節装置14の終端部は前記脱穀装置3に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置15に引き継ぐ株元側引継搬送装置16の始端部下方位置に臨ませ、扱深さ調節装置14は前記株元側引継搬送装置16へ穀稈を引継ぐ位置を、穀稈の稈身方向に変更し、脱穀装置3の脱穀室に供給するときの扱深さを調節する。17は扱深さ調節用アクチュエータである。
【0007】前記穀稈供給搬送装置15の始端部と前記株元側引継搬送装置16の終端側との間には、短穀稈の供給を補助する補助供給装置18の補助搬送チエン19を設ける。補助供給装置18は後述する畦際制御により刈り取った短穀稈を脱穀装置3の脱穀室に供給するものである。即ち、短穀稈が刈り取られて供給されると、株元側引継搬送装置16が深扱き位置に位置変更し、更に株元側引継搬送装置16の引継搬送チエンの案内ローラ20が穀稈供給搬送装置15に対して稈身方向の離れる側に移動し、これにより脱穀装置3に短穀稈の株元側を補助供給装置18により補助搬送供給する。21は補助供給用アクチュエータである。しかして、前記刈取前処理装置5には圃場の穀稈を感知する穀稈センサ23と、穀稈の長さを感知する短穀稈識別センサ24とを夫々設け、また、刈取前処理装置5の高さを検知する刈取高さセンサ25を設ける。刈取高さセンサ25はポテンショメータあるいは超音波センサ等により構成する。また、機体の走行速度を検出する車速センサを機体所望位置に設ける。そして、操縦部の所望位置には、前記刈取高さセンサ25により刈取前処理装置5が所定高さまで上昇したときは脱穀装置3は駆動させるが、刈取前処理装置5および穀稈供給搬送装置15の駆動を停止させるオートリフト制御入切スイッチを設け、また、操縦部の所望位置には、刈取前処理装置5が畦際に近付くに従い、刈取前処理装置5を徐々に上昇させて穀稈の穂先側を刈り取り、扱深さ調節装置14を深扱き位置に位置変更させ、更に株元側引継搬送装置16の引継搬送チエンの案内ローラ20が穀稈供給搬送装置15に対して離れ、刈り取った短穀稈の搬送を補助する補助供給装置18を作動させる高刈り制御スイッチを設ける。
【0008】この場合、刈取搬送停止制御と高刈り制御は、相反する関係にあるので、高刈り制御を刈取搬送停止制御に対して優先して実行するようにし、刈取前処理装置5が停止する高さに上昇しても刈取前処理装置5を停止させないように構成する。即ち、高刈り制御スイッチにより高刈り制御中は、刈取搬送停止制御入切スイッチがオンで刈取搬送停止制御中であっても刈取前処理装置5および穀稈供給搬送装置15を停止させない(図5)。しかして、高刈り制御中は、前記脱穀装置3を負荷が少ないときの態様に制御するように構成する。即ち、高刈り制御中は、前記脱穀装置3に供給される穀稈の量は減少するので、送風唐箕30の回転数を低く(弱く、遅く)、揺動選別棚31のシーブ32の間隔を狭くする等の脱穀制御を連動させて行う(図6、7)。しかして、前記刈取前処理装置5の回転数と前記走行装置2による走行速度とは、同調させ、走行速度が速いときは刈取前処理装置5の回転数を早く(高く)、走行速度が遅いときは刈取前処理装置5の回転数を遅く(低く)、あるいは、倒伏穀稈の場合は標準穀稈のときに比して走行速度に対して相対的に刈取前処理装置5の回転数を早くする等の圃場条件により走行速度と刈取前処理装置5の回転数とを関連させて同調させる所謂刈取シンクロ制御構成を設けている。刈取シンクロ制御構成の具体的構成は任意であるが、一例を示すと、エンジン35の回転をミッションケース36の入力プーリ37に入力し、入力プーリ37の回転をシンクロ用変速装置(油圧式変速装置HST)38のHSTポンプ39によりミッションケース36の入力軸40に変速して伝達し、入力軸40の回転をミッションケース36に設けた走行装置2の走行用出力軸41と刈取用出力軸42より出力する。なお、刈取用出力軸42にはHSTモータ43を設け、走行用出力軸41および刈取用出力軸42の回転の変速可能範囲を広げている。
【0009】したがって、エンジン35の回転がシンクロ用変速装置38により変速されるが、走行用出力軸41と刈取用出力軸42は同調して変速され、刈取前処理装置5の回転数と走行速度とが同調した刈取シンクロとなる。しかして、走行速度が遅くなると、刈取前処理装置5の回転数もシンクロして低下するが、走行速度が極端に遅くなると、刈取前処理装置5の株元側搬送装置12や穂先側搬送装置13等の搬送速度が遅過ぎて、穀稈こぼれ等の問題が生じる。そのため、予め設定された基準より遅い超低速のときは、刈取シンクロ制御を解除し、前記走行装置2の走行速度に同期させて前記刈取前処理装置5へ伝達する回転よりも増速させて、刈取前処理装置5の回転を所定回転以上に回転数を維持するように構成する(図9)。即ち、前記したオートリフト制御のときなどは、超低速になるが、このときの制御による操作性の向上と刈取前処理装置5の作業精度の確保とを両立させる。前記刈取前処理装置5の回転を所定回転以上に変速する刈取用変速装置47を前記刈取用出力軸42と刈取前処理装置5の刈取入力軸48の間に設ける。実施例では、刈取用出力軸42と刈取入力軸48の夫々に設けた前進用割りプーリ49により前進用変速装置50を構成し、前記刈取用出力軸42に設けたギヤ51とカウンタ軸52のギヤ53およびカウンタ軸52と刈取入力軸48に設けた後進用割りプーリギヤ54により後進用変速装置55を構成し、前記前進用割りプーリ49とギヤ51は刈取用出力軸42に遊嵌状態に取付け、前進用割りプーリ49とギヤ51の間に選択クラッチギヤ56を摺動のみ自在に設けて刈取用出力軸42の回転を前進用割りプーリ49と前進用変速装置50の何れかに伝達する。
【0010】したがって、刈取作業中に後進する場合は、前記後進用変速装置55により刈取前処理装置5に回転を入力すると共に、増速回転させる。この場合、一旦機体を停止させ、次に、刈取前処理装置5を上昇させて後進するが、この刈取前処理装置5を上昇させる前に刈取前処理装置5の回転を増速させると、搬送途中の残り穀稈を穀稈供給搬送装置15に確実に搬送でき、好適である。しかして、前記刈取用出力軸42から引起装置8の回転伝達経路中には引起回転変速装置57を設け、該引起回転変速装置57により引起装置8の回転のみを独立して変速可能に構成し、その一例として、前記刈取前処理装置5の上下操作レバーによる下げ操作されたときは、倒伏穀稈の刈取作業と判断して引起装置8の回転数を早くするように構成する(図10〜図12)。58は割りプーリ、59、60はギヤ群である。また、前記刈取前処理装置5は刈取高さセンサ25により刈高さ自動制御され、また、上下操作レバーにより別途手動操作によっても刈高さ変更可能であるが、上下操作レバーによる下げ操作されたとき、既に地面に対して相当に低い所定高さにあるときは、前記下げ操作を無視するように構成する。なお、前記下げ操作を無視するとともに、刈取前処理装置5を僅かに上昇させるように、上げのパルス出力すると、刈取前処理装置5の突っ込みを防止できて好適である(図13)。しかして、前記走行装置2と機体フレーム1との間には、機体を水平にするローリング機構または/およびピッチング機構を設け、所望位置に設けた傾斜感知センサおよび機体高さセンサにより自動水平制御および自動車体高さ制御可能に構成しているが、水平または/および車体高さ変更出力中には前記刈取前処理装置5の高さを上げる場合のみに有効とし、刈取前処理装置5を下げる作動はしないように構成する。即ち、水平または/および車体高さ変更出力中は、地面に対する刈取前処理装置5の高さが変化するので、自動と手動とを問わずに変更出力されているときは刈取前処理装置5を下降させないようにしている(図14〜図16)。62はローリング機構の走行装置2と機体フレーム1との間に設けた前側リンク、63は同後側リンク、64は左右ローリングシリンダ、65はピッチングシリンダ、66はピッチング用リンク機構である。
【0011】しかして、前記ローリング機構または/およびピッチング機構を有し、刈取前処理装置5の自動刈高さ制御および車体傾斜制御可能にしたものにおいて、前記刈取前処理装置5の高さを設定する刈取ポジションダイヤルにより刈取前処理装置5の刈高さを設定するときは、前記車体傾斜制御による前後傾斜を付加した上で設定する。即ち、刈取ポジション設定に車体前後傾斜のパラメータを付加して設定する(図17)。また、前記刈高さ制御において、刈高さの修正出力中は刈取高さセンサ25から送出されるデータは刈高さ制御には使用せずに無効とし、刈高さの修正出力停止中(修正出力後の安定作業中)のデータを有効とするように構成する(図18)。しかして、前記刈取前処理装置5の自動刈高さ制御は、まず、基準値を設定し、この基準値に対して一定距離走行後前記刈取高さセンサ25によりデータをサンプリングし、その後所定距離ごとに前記刈取高さセンサ25によりデータをサンプリングし、サンプリングしたデータはその直前にサンプリングしたデータと比較し、地面に近付くと「+」、離れると「−」とし、サンプリングデータ全体のうち60%が「+」のとき地面に接近、サンプリングデータ全体のうち60%が「−」のとき地面より離れていると判断し、前記基準値に近付けるべく刈取上下出力して、高さ制御を行う(図19、20)。また、この場合、前記サンプリングによって傾向を判断し、この傾向を示す各データの差を平均し、この平均値に基づいて、上下出力の出力パルスのオンタイムを決定し、出力する。
【0012】
【作用】次に作用を述べる。走行装置2により機体を前進させると、各分草体7により分草し、分草体7により分草された穀稈は引起装置8により引起され、スターホイル9により後方に掻込まれ、刈刃11により切断され、切断された穀稈は株元側搬送装置12と穂先側搬送装置13により搬送され、搬送された穀稈は扱深さ調節装置14に挾持送されて株元側引継搬送装置16に引き継がれ、株元側引継搬送装置16により穀稈供給搬送装置15に穀稈を引き継ぐ。この場合、株元側引継搬送装置16の始端部に対して扱深さ調節装置14の終端部は穀稈の稈身方向に遠近調節自在であるから、株元側センサおよび穂先側センサの信号により、扱深さ調節装置14の終端部位置を調節することにより穀稈の挟持位置を変更して、脱穀室に供給する穀稈の扱深さが略一定になるように調節する。しかして、刈取搬送停止制御入切スイッチを入りにしていると、圃場において、方向変換のため、刈取前処理装置5を上昇させると、刈取高さセンサ25がこれを検知し、脱穀装置3の駆動は続行するが、自動的に刈取前処理装置5および穀稈供給搬送装置15の駆動を停止させる(他の詳細な条件は省略している)という自動刈取前処理装置5上昇制御を実行する。一方、高刈り制御スイッチを入りにしていると、畦際の穀稈の刈取で刈取前処理装置5が畦に接触するのを防止するために、圃場の穀稈の穂先側を刈り取る高刈り制御を行う。
【0013】このとき、高刈り制御スイッチと刈取搬送停止制御入切スイッチの両方が入りのときは高刈り制御を優先実行させ、刈取前処理装置5および穀稈供給搬送装置15の駆動を停止させない。また、高刈り制御中は、穀稈センサ23は搬送中の穀稈によりオンになるが、短穀稈の穂先は短穀稈識別センサ24に接触しないので、制御部は短穀稈が刈取り搬送中であることを認識し、扱深さ調節装置14の終端を株元側引継搬送装置16に対して遠くして深扱き位置にし、次に、株元側引継搬送装置16の終端をアクチュエータにより穀稈供給搬送装置15の始端部に対して遠くに移動させ、短穀稈の株元を補助搬送チエン19により搬送して、穂先を脱穀室に供給する。しかして、前記高刈り制御中は、送風唐箕30の回転数を低く(弱く、遅く)、あるいは、揺動選別棚31のシーブ32の間隔を狭くする等の脱穀制御を連動させるから、脱穀選別精度を向上させ、ロスの発生を防止する。即ち、高刈り制御中は、穀稈の穂先側が脱穀室に供給され、供給量も少ないので負荷が少なく、前記脱穀制御を連動させることで、一層有効になる。しかして、前記刈取前処理装置5の回転数と前記走行装置2による走行速度とは同調させているから、刈取作業を円滑に行えるが、走行速度が著しく遅いときまでも、シンクロさせると、搬送等に不具合が生じるが、予め設定された基準より遅い超低速になったときは、刈取シンクロ制御を解除して刈取前処理装置5の回転を所定回転以上の回転数に維持または走行装置による走行速度に同期させて前記刈取前処理装置へ伝達する回転よりも増速させるように構成する。即ち、刈取前処理装置5の回転を所定回転以下にしないように制御しているから、刈取前処理装置5が上昇して、穀稈の姿勢と搬送装置12、13のとの位置関係が変化するが素早く搬送して、搬送の影響を極力少なくさせる。
【0014】実施例では、エンジン35から刈取前処理装置5に至る伝動経路中に前進用変速装置50と後進用変速装置55を設けているから、種々の場面で走行速度が遅くなっても、刈取前処理装置5の適正回転を維持して、円滑に刈取作業を行える。また、後進用変速装置55を設けているから、ミッションケース36から逆回転が刈取用出力軸42より出力されても、これを刈取用の正回転に変換しつつ、回転を維持できる。したがって、刈取作業中に後進する場合に、一旦機体を停止させ、次に後進するまで刈取前処理装置5は通常の場合と同様に駆動されて、刈取った穀稈を脱穀装置3に供給でき、搬送中に穀稈が零れる等の不具合は発生させない。また、機体の停止操作するのみで、走行速度の変化を26により検出し、所定の走行速度より遅くなると、自動的に刈取シンクロ制御を解除して刈取前処理装置5の回転を所定回転に維持するから、操作を煩雑にせず、操作性も犠牲にしない。また、同様に、刈取作業中の後進操作に連動して、自動的に刈取前処理装置5を上昇させる自動後進刈取前処理装置5上昇制御のときも、この刈取前処理装置5を自動上昇させる前に刈取前処理装置5の回転を増速させるから、搬送途中の残り穀稈を穀稈供給搬送装置15に確実に搬送できる。即ち、刈取前処理装置5を上昇させると、搬送装置と穀稈の位置関係が相違して、搬送姿勢が変化するが、できるだけ速やかに穀稈を搬送させるから、穀稈こぼれを防止する。
【0015】また、同様に、高刈り制御中の高刈り開始時のときの前後進に伴う刈取前処理装置5の自動上昇させるときも、刈取前処理装置5の回転を維持させるから、搬送途中の残り穀稈を穀稈供給搬送装置15に確実に搬送できる。また、刈取用変速装置47は、刈取用出力軸42と刈取入力軸48の夫々に設けた前進用割りプーリ49により構成する前進用変速装置50と、刈取用出力軸42に設けたギヤ51とカウンタ軸52のギヤ53とカウンタ軸52と刈取入力軸48に設けた後進用割りプーリ54とにより構成する後進用変速装置55により構成し、刈取用出力軸42に遊嵌状態に取付けた前進用割りプーリ49とギヤ51の間に選択クラッチギヤ56を摺動のみ自在に設けて刈取用出力軸42の回転を前進用割りプーリ49と後進用変速装置55のギヤ51の何れかに切替え伝達し、選択クラッチギヤ56の摺動を自動化しているから、簡単な構成で、実現でき、コストを上昇させない。しかして、前記刈取用出力軸42から引起装置8の回転伝達経路中には引起回転変速装置57を設け、該引起回転変速装置57により8の回転のみを独立して変速可能に構成しているから、倒伏穀稈の刈取作業するときは、初期設定されている自動刈高さ調節の刈高さより上下操作レバーにより刈取前処理装置5の下げ操作を行うので、この操作により自動的に引起回転変速装置57を作動させて、引起装置8の回転数を早くする。したがって、特別な操作をすることなく、倒伏穀稈の刈取作業に対応した作業速度にでき、作業を円滑にし、操作性を向上させる。
【0016】また、上下操作レバーによる下げ操作されたとき、既に地面に対して相当に低い所定高さにあるときは、前記下げ操作を無視するように構成しているから、誤操作等によって刈取前処理装置5が圃場に接触するのを防止する。また、前記下げ操作を無視するとともに、刈取前処理装置5を僅かに上昇させるように、上げのパルス出力するから、一層刈取前処理装置5の突っ込みを防止できて好適である。しかして、前記走行装置2と機体フレーム1との間には、機体を水平にするローリング機構または/およびピッチング機構を設け、所望位置に設けた傾斜感知センサおよび機体高さセンサにより自動水平制御および自動車体高さ制御可能に構成しているが、水平または/および車体高さ変更出力中には刈取前処理装置5の高さを上げる場合のみに有効とし、刈取前処理装置5を下げる作動はしないように構成しているから、水平または/および車体高さ変更出力中に地面に対する刈取前処理装置5の高さが変化しても、刈取前処理装置5は下降しないから刈取前処理装置5が圃場に接触するのを防止する。また、自動と手動とを問わずに車体の高さ(姿勢)が変化しているときに刈取前処理装置5を下降させないので、状況判断を誤認しているときに、特に有効である。しかして、前記ローリング機構または/およびピッチング機構を有し、刈取前処理装置5の自動刈高さ制御および車体傾斜制御可能にしたものにおいて、前記刈取前処理装置5の高さを設定する刈取ポジションダイヤルにより刈取前処理装置5の刈高さを設定するときは、前記車体傾斜制御による前後傾斜を付加した上で設定するように構成しているから、刈高さ位置は常時圃場に対して一定にでき、作業を安定させ、操作性を向上させる。なお、刈取ポジションダイヤルにより刈取前処理装置5の刈高さを変更したとき、前記高刈り制御における自動上昇目標位置を連動させて自動変更するように構成しても良い。
【0017】また、前記刈高さ制御において、刈高さの修正出力中は刈取高さセンサ25から送出されるデータは刈高さ制御には使用せずに無効とし、刈高さの修正出力停止中(修正出力後の安定作業中)のデータを有効とするように構成しているから、刈取前処理装置5が上下している間のデータを無視するので、データは常に安定作業中のものとなり、制御精度を向上させる。即ち、刈取前処理装置5を上下させている間も、刈取高さセンサ25は信号を送出し、上下させているときは変化量が大きいから、この振幅の大きいデータを基準にして刈高さ制御すると、相当にでこぼこした圃場のときの制御のようになってしまい、不必要に修正が行われハンチングするが、これを防止できる。しかして、前記刈取前処理装置5の自動刈高さ制御は、まず、基準値を設定し、この基準値に対して一定距離走行ごとに刈取高さセンサ25によりデータをサンプリングし、その後所定距離ごとに刈取高さセンサ25によりデータをサンプリングし、サンプリングしたデータはその直前にサンプリングしたデータと比較し、地面に近付くと「+」、離れると「−」とし、サンプリングデータ全体のうち60%が「+」のとき地面に接近、サンプリングデータ全体のうち60%が「−」のとき地面より離れていると判断し、前記基準値に近付けるべく刈取上下出力して、高さ制御を行うように構成しているから、全体の傾向をもとにして制御を行うので、安定した制御ができる。また、この場合、前記サンプリングによって傾向を判断し、この傾向を示す各データの差を平均し、この平均値に基づいて、上下出力の出力パルスのオンタイムを決定し、出力するように構成しているから、特別な装置を付加することなく、制御を安定させることができ、コストを上昇させない。
【0018】
【効果】本発明は、走行装置2の前方に刈取前処理装置5を設け、前記走行装置2による走行速度と前記刈取前処理装置5へ伝達する回転とを同期させて変更するように構成したものにおいて、前記走行装置2の後進操作に関連して前記刈取前処理装置5の駆動速を増速させるにあたり、前記走行装置2による走行速度に同期させて前記刈取前処理装置5へ伝達する回転よりも増速させるように構成したコンバインの刈取装置としたものであるから、走行速度と刈取前処理装置5へ伝達する回転とを同期させて刈取作業を円滑にすると共に、低速走行のときの不具合を解消し、作業効率を向上させ、操作性も向上させる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年6月16日(1998.6.16)
【代理人】 【識別番号】100080470
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 宏太郎 (外1名)
【公開番号】 特開2000−16(P2000−16A)
【公開日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願番号】 特願平10−185677