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【発明の名称】 自走式根菜収穫機
【発明者】 【氏名】吉田 道一

【氏名】松井 幹夫

【氏名】福田 幸広

【氏名】十川 広美

【氏名】大倉 明美

【要約】 【課題】根菜類をマルチフィルムで覆われた土中より掘り起こし、引抜き搬送して収納容器に収納する自走式根菜収穫機の根菜の葉を引き抜く際にマルチフィルムを同時に引き込むのを防止する。

【解決手段】マルチフィルム70で覆われた畝に栽培された根菜を掘起し、引抜く作業時においては、コンベアの始端部において引き抜かれる際に、根菜とともにマルチフィルムも持ち上げられて、マルチフィルムまでコンベアへ引き込むのを防止すべく、前記引抜きコンベアの前端部下方へ、マルチ押えローラ65を配設し、引抜きコンベアBの前端で根菜の葉部が挟持されて、後上方へ搬送するときに、根菜のみ引抜きコンベアによって後方へ搬送されるべく構成し、前記引抜きコンベアの前端部に、葉部を引き起こすディバイダー30を配設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大根、人参等の根菜類をマルチフィルム70で覆われた土中より、引抜きコンベアBにより搬送しながら引き抜き、後方へ搬送する根菜収穫機において、マルチフィルム70で覆われた畝に栽培された根菜を掘起し、引抜く作業時においては、コンベアの始端部において引き抜かれる際に、根菜とともにマルチフィルム70も持ち上げられて、マルチフィルム70までコンベアへ引き込むのを防止すべく、前記引抜きコンベアの前端部下方へ、マルチ押えローラ65を配設し、引抜きコンベアBの前端で根菜の葉部が挟持されて、後上方へ搬送するときに、根菜のみ引抜きコンベアBによって後方へ搬送されるべく構成し、前記引抜きコンベアBの前端部に、葉部を引き起こすディバイダー30を配設したことを特徴とする自走式根菜収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大根、人参等の根菜類をマルチフィルムで覆われた土中より掘り起こし、引抜き搬送して、収納容器に収納する自走式根菜収穫機の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】大根等の根菜収穫機として、従来トラクタに牽引されて、鍬状の掘起し器にて根菜を土中より掘り起こし、該掘起し器の後部より延設した引抜きコンベアのベルトにて根菜の葉部分を挟持して斜め上方に根菜を搬送し、収納容器に収納する技術は、公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の根菜収穫機によりマルチフィルムで覆われた畝に栽培された根菜を掘起し、引抜く作業時においては、コンベアの始端部において引き抜かれる際に、根菜とともにマルチフィルムも持ち上げられて、マルチフィルムまでコンベアへ引き込むことがあった。特に、根菜が斜め方向に植立した場合にはマルチフィルムが引っ掛かり易く、巻き込みの原因ともなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の如き課題を解決するために、次のような手段を用いるものである。大根、人参等の根菜類をマルチフィルム70で覆われた土中より、引抜きコンベアBにより搬送しながら引き抜き、後方へ搬送する根菜収穫機において、マルチフィルム70で覆われた畝に栽培された根菜を掘起し、引抜く作業時においては、コンベアの始端部において引き抜かれる際に、根菜とともにマルチフィルム70も持ち上げられて、マルチフィルム70までコンベアへ引き込むのを防止すべく、前記引抜きコンベアの前端部下方へ、マルチ押えローラ65を配設し、引抜きコンベアBの前端で根菜の葉部が挟持されて、後上方へ搬送するときに、根菜のみ引抜きコンベアBによって後方へ搬送されるべく構成し、前記引抜きコンベアBの前端部に、葉部を引き起こすディバイダー30を配設したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の構成の実施例を添付の図面を用いて説明する。図1は本発明の自走式根菜収穫機の側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく正面図、図4は引抜きコンベアBと載置コンベアDの位置関係を示す平面図、図5はマルチ押えローラ取付部の側面図、図6はマルチ押えローラとマルチカッター部分の正面図、図7は同じく平面図である。
【0006】図1乃至図3より自走式根菜収穫機の全体構成について説明する。まず、水平状のメインフレーム1の下方に、前部クローラ走行装置2L・2R、及び後部クローラ走行装置3L・3Rが配設されており、該前部クローラ走行装置2L・2Rは、上方の操作部Gに配置した操向ハンドル5による操向操作にて操向可能となっている。該操作部Gはメインフレーム1の右側前方で、右側のクローラ走行装置2Rの上方位置に形成されている。即ち、メインフレーム1の右前上に操作コラム4を立設し、その上部に操向ハンドル5が突設されている。そして、該操作コラム4の後方にエンジン室6が配設されており、該エンジン室6内にエンジンが内蔵されていて、該エンジン室6上には運転席7が配設されている。更に該エンジン室6の後方位置で、該メインフレーム1上に燃料タンクが搭載されている。
【0007】そして、該メインフレーム1の左側前方(反操作部G側)より後方にかけて、根菜を掘取り、搬送し、葉部分を切除し、収容する一連の根菜収穫用の装置が配設されている。まず、メインフレーム1左側前部より、土中の根菜を掘り上げるための掘起し装置A、該掘起し装置Aの後部より、掘り上げた根菜の葉部分を挟持して搬送する引抜きコンベアB、その後端部の下方に、載置コンベアD、該載置コンベアDの外側に葉部切断装置E、該載置コンベアDの後方に収納容器Fが搭載されている。
【0008】以上のような一連の根菜収穫用装置の各装置について具体的に説明する。まず、掘起し装置Aより説明する。前記メインフレーム1の前端部に回動支点軸14が横設されており、該回動支点軸14にロアリンク13・13の後部が枢支され、その後部に昇降フレーム15が立設され、該昇降フレーム15の上端部にトップリンク支持部15aが設けられ、該トップリンク支持部15aにトップリンク16の後端部が枢支されている。このように引抜きコンベアBの前部側部に昇降リンク機構が配設されている。そして更に、該トップリンク16の前端部と該ロアリンク13・13の前端部が、前部マスト12に枢支されている。前記前部マスト12の前端部には、正面視略L字状に構成した鍬状の掘起し爪9の上端部が、上下位置調節可能に取付けられている。
【0009】該掘起し爪9の上部は前部マスト12の内側より延設されるクランクアーム10の先端部に固定され、該クランクアーム10の後端部は、該前部マスト12に側面に固設した油圧モーターである掘起し爪駆動モーターM1の出力軸を中心に回転するカムに枢支して、該モーター駆動によるカム回転により、該クランクアーム10がクランク運動をし、これにより、該掘起し爪9が前後に揺動して、土中を掘り上げるように構成している。
【0010】そして、前記ロアリンク13の後端には昇降アーム17が固定され、該昇降アーム17の先端が前記昇降フレーム15の内側に設けた油圧シリンダー47のピストンロッドに枢結されて、該油圧シリンダー47を伸縮させることにより前記回動軸14を中心にロアリンク13・13が回動し、前部マスト12に設けた掘起し爪9を昇降でき、引抜きコンベアBも昇降できるのである。該ロアリンク13・13により昇降される支持輪11が設けられている。
【0011】前記引抜きコンベアBは搬送フレーム21L・21Rの前後方向の略中央部から外側(左へ)折り曲がった平面視「く」字状に構成され、搬送フレーム21L・21Rの前後両端部にプーリー23F・23F・23R・23Rを配し、前記搬送フレーム21Lの屈曲部24にプーリー23C・23C、プーリー23d、プーリー23e・23eを配して、これらプーリーに挟持ベルト25L・25Rを巻回し、ガイドして後方へ搬送駆動できるようにしている。
【0012】また、左右に並設している前記搬送フレーム21L・21Rは連結フレーム22・22・・・、連結フレーム26aによって一体的に連結され、該連結フレーム26a下端は前記回動軸27に固定され、引抜きコンベアBを前記回動軸27を中心に回動可能にしている。また、搬送フレーム21L・21Rの前後中央側面と、前記掘起し装置Aを昇降させる前記ロアリンク13の中途部側面との間にコンベア昇降シリンダー29が介装されており、該コンベア昇降シリンダー29の下端部が前記ロアリンク13から突設する枢支軸28bに回動可能に枢支し、上端部は連結フレーム22の左側に突設する枢支軸28aを回転可能に枢支して、前記掘起し装置Aを昇降させる時には、同時に前記引抜きコンベアBをも昇降され、また、該コンベア昇降シリンダー29を駆動させることによって前記引抜きコンベアBを個別に昇降させることができ、葉の高さ等に合わせることができる。
【0013】また、引抜きコンベアBの前端部に、着脱可能にディバイダー30を配設しており、該ディバイダー30は、タイン39a・39a・・・を付設した駆動チェーンを収納する引上チェーンケース32L・32Rを左右に配設し、該引上チェーンケース32L・32R内のチェーンの駆動は、該引抜きコンベアBの、それぞれの前部プーリー23Fより伝動する。また、該引抜きコンベアBの前端部下方には、マルチ押えローラ65とマルチカッター67が配されている。そして、その後部の引抜きコンベアB下部に尻尾切り装置45が配設されており、ローラによって尻尾部分を中央に案内し、カッターで尻尾の先端を切断するようにしている。該カッターの刃はモーターによって回転させている。
【0014】前記載置コンベアDは前記フレーム21L・21R上に載置され、側面視三角形状に構成した搬送フレーム31の各頂点に搬送ローラ33・34・35を枢支して搬送ベルト36を巻回し、前記搬送ローラ33・34・35の右側には、それぞれスプロケットが設けられ搬送補助チェーン37Rを三角形状に巻回し、また、前記搬送ローラ34・35の左側にも同様にスプロケットが設けられ、搬送補助チェーン37Lを水平部のみ巻回し、該搬送補助チェーン37L・37Rには一定距離ごとにタイン39b・39b・・・を付設している。
【0015】そして、駆動軸27aからスプロケット、チェーンを介して前記搬送補助チェーン37R・37Lが駆動され、搬送ベルト36を駆動できるようにし、載置部38の中途部の外側(左側)に葉部切断装置Eを配設し、該葉部切断装置Eは、上下に刃の一部分が重なるように回転刃40・41を配置し、動力は前記駆動軸27aから取り出し、根菜が搬送される途中で葉部を切断できるようにしている。この葉部切断装置E下方にシュータが配され葉部を掘り起こした後の畝上部へ落下するようにしている。
【0016】このような構成の自走式根菜収穫機において、マルチ押えローラ65は、図5及び図6に示すように構成されている。即ち、前記引抜きコンベアBの搬送フレーム21L・21Rのそれぞれの前部に支持パイプ60・60が垂設され、該支持パイプ60・60に複数の孔を開口した支持杆61・61が上下に摺動可能に嵌挿され、ピンの挿抜により高さ調整可能としている。該支持杆61の下端はローラ支持部62を枢支し、該ローラ支持部は前方に前記プーリー23Fの下方まで延設しその先端で左右水平方向に配置したローラ63の軸を回転自在に軸支している。そして、該ローラ支持部62の前方と該支持パイプ60の中央部の間に圧縮バネを内装するローラ押え64が枢支され、該ローラ63を下方に付勢している。上記の構造を持つマルチ押えローラ65が前記引抜きコンベアBの前端部下方に配設している。
【0017】よって、掘り起こし作業時には、掘起し爪9の揺動によって根菜が持ち上げられて、引抜きコンベアBの前端で根菜の葉部が挟持されて、後上方へ搬送するときに根菜が持ち上げられ、このときマルチフィルム70が根菜を覆っているので同時に持ち上げられるが、マルチ押えローラ65が両側から押さえるので、根菜のみ引抜きコンベアBによって後方へ搬送される。
【0018】そして、内側(左側)の該マルチ押えローラ65の前記支持パイプ60の内側(左側)から正面視略L字型のカッターアーム66を機体中央まで延設させ、その先端部側面に上下位置調整可能にマルチカッター67を固定し、該マルチカッター67は刃を前方に向け下方に突設させている。このように、マルチカッター67を畝に合わせ取付け、機体の中央に配置されているため、図7に示すように二畝栽培の往復作業の一行程において左右方向の中央部をマルチカッター67が進行してマルチフィルム中央を切り2分割する。
【0019】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。第1に、従来の根菜収穫機によりマルチフィルムで覆われた畝に栽培された根菜を掘起し、引抜く作業時においては、コンベアの始端部において引き抜かれる際に、根菜とともにマルチフィルムも持ち上げられて、マルチフィルムまでコンベアへ引き込むことがあった。特に、根菜が斜め方向に植立した場合にはマルチフィルムが引っ掛かり易く、巻き込みの原因ともなっていた。本発明によれば、引抜きコンベアによって葉部を引き込む際に根菜の両側を該マルチ押えローラで押さえ付けている為、マルチフィルムを引き込むことはなく、葉部を挟持することができる。第2に、自走式根菜収穫機のマルチ押えローラは支持部を上下に調節することで畝の高さに合わせ位置調整し、根菜を引き抜く際には根菜の両側からマルチフィルムをローラで押さえ付ける為、マルチフィルムを同時に引き込み搬送装置に巻き込むようなことがなくなったのである。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】000132909
【氏名又は名称】株式会社タカキタ
【出願日】 平成6年7月13日(1994.7.13)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2000−5(P2000−5A)
【公開日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願番号】 特願平11−174209