| 【発明の名称】 |
乾田直播装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】前島 孝通
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| 【要約】 |
【課題】従来の乾田直播装置における作溝器では、掘削中に種子と肥料とが混じり合ったり、種子と肥料を投入する前に土塊等によって溝が埋まりやすいために、肥料過多や播種深さ・施肥深さの設定精度低下が発生し、種子の出芽や苗立ち率の悪化、及び稲の品質不良などが起こりやすい、という問題があった。
【解決手段】作溝器として播種用の作溝ディスク29aと施肥用の作溝ディスク31aを並設した乾田直播装置3において、各作溝ディスク29a・31aの内側にガイドディスク29b・31bを設け、播種用のディスク対29a・29bと施肥用のディスク対31a・31bとを構成し、該播種用のディスク対29a・29bと施肥用のディスク対31a・31bは、いずれも前端を閉じたV字状にすると共に、内側のガイドディスク29b・31bを走行方向に対して平行若しくは後方外広がりに配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロータリー耕耘装置の後部に複数の播種装置と並列に施肥装置を設け、該播種装置と施肥装置の下方に播種溝と施肥溝を形成する作溝器として播種用の作溝ディスクと施肥用の作溝ディスクとを並設した乾田直播装置において、各作溝ディスクの内側にガイドディスクを設けて播種用のディスク対と施肥用のディスク対とを構成し、該播種用のディスク対と施肥用のディスク対のいずれも前端を閉じたV字状にすると共に、内側のガイドディスクを走行方向に対して平行若しくは後方外広がりに配置したことを特徴とする乾田直播装置。 【請求項2】 前記播種用のガイドディスクと施肥用のガイドディスクを前後にずらして配置したことを特徴とする請求項1記載の乾田直播装置。 【請求項3】 前記播種用のガイドディスクと施肥用のガイドディスクを上下にずらして配置したことを特徴とする請求項1記載の乾田直播装置。 【請求項4】 前記ディスク対における作溝ディスクの前端部をガイドディスクの前端部よりも前方内側にずらして配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の乾田直播装置。 【請求項5】 前記ディスク対を回動可能に軸支する支持板には、土塊や根株などをディスク外側へ誘導する保護部材を付設したことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の乾田直播装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は稲の刈取を行なった後の乾田を耕耘した後に、種子を直接に播種すると同時に、施肥する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から苗箱に播種して苗マットを作り、該苗マットを田植機の苗載台に載せて田植えをすることは行われているが、種子は苗代で苗まで生育させる一方、土壌は耕耘して水を引き込み、代掻きを行っていたため、大変な労力と時間が必要とされていた。そこで、このような多くの作業行程を省いて省力化を図った乾田直播が提案されている。この乾田直播とは、種子を畑状態の本田に播いて覆土し、発芽後もしばらくは湛水せずに生育させる栽培法であり、従来は、乾田の土壌面に播種溝を掘削し、該播種溝の中に種子を播種し、その上に播種溝を掘削した際に出た土壌を覆土としていた。 【0003】しかしながら、このような従来の乾田直播においては、種子を覆う被覆土壌に大きな土塊が多い場合や、稲の刈り株の直ぐ横に播種した場合には、雑草の発芽を被覆した土壌で抑えるということができずに、水稲の種子の直ぐ近傍の位置から雑草の種子が発芽して雑草の多い水田となることが多く、また、播種後に施肥等を別途行う必要があり手間がかかっていた。そこで、ロータリー耕耘装置の後部に複数の播種装置と並列に施肥装置を設け、該播種装置と施肥装置の下方に播種溝と施肥溝を形成する作溝器を並設することにより、乾田を設定深さに耕耘した後に設定深さに播種し、複数条の播種と施肥を連続的に行う乾田直播装置が考えられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このような乾田直播装置においては、播種溝用の作溝ディスクと施肥溝用の作溝ディスクとを各一枚ずつ別々に設け、これらをハ字状に配設して掘削し、掘削直後に前記播種装置と施肥装置により各溝内に種子と肥料とを投入するようにしていたが、掘削時に発生する相対的な土の流れ(以下「土流」とする)とともに、他方の作溝ディスクで押し出された土が溝に流入し、播種深さや施肥深さを一定に設定できない、という問題があった。また、前記土流により、種子からある程度離れた土中に埋めるべき肥料が押し流されて種子と混ざり合い、肥料過多が発生して種子の出芽や苗立ち率の悪化、および稲の品質不良などが起こりやすい、という問題があった。 【0005】そこで、前記のような溝への土の流入や種子と施肥との混合を防止するため、前端を閉じた2枚のディスクからなるV字状のディスク対を左右に並設する技術もあるが、左右のディスク対の内側ディスク間の隙間は後方ほど狭くなるため、該隙間に土流が滞留しやすく、特に、耕耘が不十分な時や土質が堅い時に耕耘砕土層中に残留する大きな土塊が滞留した場合には、該土塊が溝に転がり落ち、せっかく掘削した播種溝や施肥溝が埋まってしまう、という問題があった。 【0006】また、左右のディスク対の間隔を大きくすると前記のような滞留は発生しないが、そのかわり、機体幅が増加し、また、種子と肥料の間隔が必要以上に拡大するため肥料の効果が薄くなり、それを補うには多くの肥料が必要となりコスト高を招く、という問題があった。そこで、左右のディスク対の間隔を大きくせずに前記滞留を防止するには、播種用のディスク対と施肥用のディスク対とを溝間の分だけ左右にずらした上で前後に配設することにで、内側ディスク間の隙間は広くなり土塊の滞留は起こらないようになるが、そのかわり、前後のディスク対の間隔を大きくする必要から機体長が長くなる、という問題があった。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。すなわち、請求項1においては、ロータリー耕耘装置の後部に複数の播種装置と並列に施肥装置を設け、該播種装置と施肥装置の下方に播種溝と施肥溝を形成する作溝器として播種用の作溝ディスクと施肥用の作溝ディスクとを並設した乾田直播装置において、各作溝ディスクの内側にガイドディスクを設けて播種用のディスク対と施肥用のディスク対とを構成し、該播種用のディスク対と施肥用のディスク対のいずれも前端を閉じたV字状にすると共に、内側のガイドディスクを走行方向に対して平行若しくは後方外広がりに配置したものである。 【0008】請求項2においては、請求項1記載の播種用のガイドディスクと施肥用のガイドディスクを前後にずらして配置したものである。 【0009】請求項3においては、請求項1記載の播種用のガイドディスクと施肥用のガイドディスクを上下にずらして配置したものである。 【0010】請求項4においては、請求項1乃至請求項3記載のディスク対における作溝ディスクの前端部をガイドディスクの前端部よりも前方内側にずらして配置したものである。 【0011】請求項5においては、請求項1乃至請求項4記載のディスク対を回動可能に軸支する支持板には、土塊や根株などをディスク外側へ誘導する保護部材を付設したものである。 【0012】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の乾田直播装置をトラクタの後部に装着した状態の前方斜視図、図2は本発明の乾田直播装置の側面図、図3は播種用の作溝ディスクとガイドディスク間の播種パイプの配置状況を示す側面図、図4は播種用のディスク対、施肥用のディスク対の支持構成を示す側面図、図5は施肥用の作溝ディスクとガイドディスク間の施肥パイプの配置状況を示す側面図、図6は各ディスク対の支持構成を示す平面図、図7は各ディスク対の配置構成を示す平面図、図8はガイドディスクを前後にずらした場合の土塊破砕効果を示す側面図、図9はガイドディスクを上下にずらした場合の土塊破砕効果を示す側面図、図10はガイドディスクを前後にずらした場合の土塊破砕効果を示す平面図である。 【0013】まず、トラクタの後部に本発明に係わる乾田直播装置を装着した全体構成について、図1により説明する。トラクタ1の後部に設けた作業機装着装置に、ロータリ耕耘装置2を昇降自在に装着する。該ロータリ耕耘装置2のデプスフレーム4後部に乾田直播装置3を装着するのである。該乾田直播装置3はロータリ耕耘装置2と共に、トラクタ1の油圧装置により昇降自在とされている。 【0014】ロータリ耕耘装置2は、トラクタ1のPTO軸よりユニバーサルジョイント等を介して動力がギヤボックスに入力され、該ギヤボックスより伝動軸、チェーンケース5を介して、ロータリ耕耘装置2下部に横架した爪軸6に動力が伝達されて回動駆動される。該爪軸6には、直刀、なた爪又は溝掘爪等の爪7が目的に応じて複数装着されている。 【0015】すなわち、直刀の回転により、予め播種溝や施肥溝を形成する部分を掘削し、また、なた爪の回転により、耕耘幅内の表土近くを砕いて耕耘して耕耘砕土層を形成し、さらに必要に応じて、溝掘爪の回転により、深く掘り起こして排水溝を掘削して水はけを良くし、播種溝、施肥溝等への水たまりの発生を防止し、種子が発芽する前に腐敗するのを防ぐ構成となっている。 【0016】乾田直播装置3の前部上方には、前記デプスフレーム4に支持された施肥装置8と薬剤散布装置9が配設され、該施肥装置8と薬剤散布装置9よりも下方には、播種装置10、及び作溝器11、覆土ディスク12が上下揺動可能に配設されており、該作溝器11の側部には除草剤や防虫剤等の薬剤を、各ディスクの間には肥料や種子を、前記施肥装置8、薬剤散布装置9、及び播種装置10から供給できる構成としている。 【0017】前記覆土ディスク12の後方には転動可能に鎮圧ローラー13が横設され、該鎮圧ローラー13の後方には、ホース16を介して薬液散布ノズル15が配置されており、前記トラクタ1前部に設けた図示せぬ薬液タンクから、モータ又は接地輪の回動で駆動するポンプにより圧送されてくる除草剤等の薬液が、薬液散布ノズル15から噴霧されて、鎮圧した土壌の上から薬剤を散布できる構成としている。 【0018】なお、前記薬液散布ノズル15の吐出方向を後方とした上に、薬液散布ノズル15と鎮圧ローラー13と間に防護板14を設けることにより、薬剤が鎮圧ローラー13にかからないようにすると共に、該防護板14によって薬剤が風等で飛散しないようにしている。ただし、該薬剤散布ノズル15はロータリ耕耘装置2の耕耘幅に散布できるものであれば、一つでも、それ以上でも設けることもできる。また、前記施肥装置8、薬剤散布装置9及び播種装置10並びに作溝器11、覆土ディスク12等は1条ずつ単位で構成されており、それぞれを取外し可能としているが、前記ロータリ耕耘装置2と鎮圧ローラー13は、共に全ての条に渡り、1台ずつ設けられるようにしている。 【0019】次に、前記施肥装置8、薬剤散布装置9及び播種装置10について、図1乃至図3、図5により説明する。図1に示すように、前記デプスアーム4後端からは、乾田直播装置3の外枠を構成する支持フレーム17の前フレーム17aが垂下され、該前フレーム17aの両側端から後方には横フレーム17bが延出され、該横フレーム17bの後端部にはチェーンケース19の後部が回動可能に軸支されている。該チェーンケース19の上部には側板21が固設され、該左右の側板21・21間には支持ステー18が横架されると共に、側板21・21から前方への延出部と前記横フレーム17bの前端部の間には、作溝深さ調節バー20が間隔調節可能に螺挿されている。 【0020】すなわち、該作溝深さ調節バー20のハンドル20aを把持して回動させると、チェーンケース19が鎮圧ローラー13の枢軸13aを中心に上下に回動され、前記支持フレーム17に対する支持ステー18との間隔、すなわち支持ステー18に係止された前記施肥装置8、薬剤散布装置9、播種装置10並びに作溝器11、覆土ディスク12の高さの微調整が可能な構成となっている。 【0021】図2、図3に示すように、前記支持ステー18には第一係止具47と第二係止具48が左右に着脱可能に並設され、そのうちの第一係止具47の後面には、支持ボックス46の前面が締結固定され、該支持ボックス46の後部には薬剤散布装置9の薬剤繰出装置9bが固定されている。該薬剤繰出装置9bの上部には薬剤ホッパー9aを設けると共に、薬剤繰出装置9bの下部は、連結パイプ9cを介して播種作溝ディスク29aの側方に設けられた薬剤パイプ9d上部に連通されており、前記薬剤繰出装置9bから送出される薬剤を播種ディスク対29a・29bの側方に散布できるようにしている。 【0022】また、図3、図5に示すように、前記第二係止具48の後面は、施肥装置8の施肥繰出装置8bの前面が締結固定され、該施肥繰出装置8bの上部には肥料ホッパー8aが設けられ、施肥繰出装置8bの下部は伸縮自在な中間パイプ8cを介し、施肥ディスク対31a・31bの間に設けられた施肥パイプ8d上部に連通されており、前記施肥繰出装置8bから送出される肥料を、作溝器11のうちの施肥ディスク対31a・31bによって形成された施肥溝の中に落下するようにしている。 【0023】第二係止具48の下面には、平面視コ字状の固定具49が外嵌固定され、該固定具49の両側面には、上下に並設された連結アーム50・51の前部が、前高後低に回動可能に軸支され、該連結アーム50・51の後部には前取付フレーム23が枢結されている。該前取付フレーム23の後部には後取付フレーム24が固設され、該後取付フレーム24の上部には播種装置10の種子繰出装置10bが固設され、該種子繰出装置10bの上部には種子ホッパ10aが設けられている。種子繰出装置10bの下部は播種パイプ10c上部に連通されており、前記種子繰出装置10bから送出される種子を、作溝器11のうちの播種ディスク対29a・29bにより形成された播種溝の中に落下するようにしている。 【0024】前記連結アーム50・51の前後の支軸50aと支軸51aとの間にはバネ43を介装し、該バネ43によって、前取付フレーム23を介して作溝器11や覆土ディスク12を一定圧力で地面に押しつけ、施肥深さや播種深さの設定精度を高めるようにしている。 【0025】また、図2に示すように、前記施肥繰出装置8b、薬剤繰出装置9b、種子繰出装置10bの駆動力は前記鎮圧ローラー13から伝達される。すなわち、前記伝動ケース19内上部に設けたスプロケットには施肥繰出装置8bの入力軸37が固設され、該入力軸37は薬剤繰出装置9bの入力軸36と、チェーン35を介して連結され、一方、入力軸37はチェーン33、連結軸38、チェーン34を介して種子繰出装置10bの入力軸39にも連結されている。従って、乾田直播装置3の進行に伴い鎮圧ローラー13が回動すると、枢軸13aに固設されたスプロケットが回動され、伝動ケース19内のチェーン32を介して前記入力軸37が駆動されるため、前記の如く連結された前記施肥繰出装置8b、薬剤繰出装置9b、種子繰出装置10bに一斉に動力が伝達される構成となっている。なお、本実施例では、駆動力を前記鎮圧ローラー13の回動によって得るようにしているが、モーター等による駆動でもよく、特に限定されるものではない。 【0026】次に、前記施肥ディスク対31a・31b、播種ディスク対29a・29bについて、図2、図4、図6乃至図10により説明する。図4、図6、図7に示すように、前記前取付フレーム23の前面には平面視コ字状の取付ステー25を固設し、該取付ステー25内には作溝器支持アーム26を上下摺動可能に内挿する。さらに、取付ステー25にはボルト44を螺挿し、作溝器支持アーム26を摺動させた後にボルト44を締め付け、所定高さに固定できるようにしている。該作溝器支持アーム26の下端には支持板27を固設し、該支持板27には施肥軸52と播種軸53とが軸支され、該施肥軸52により施肥ディスク対31a・31bが、播種軸53により播種ディスク対29a・29bが軸支される構成となっている。 【0027】該施肥ディスク対31a・31b、播種ディスク対29a・29bとも内側にはガイドディスク31b・29bを有し、該ガイドディスク31b・29bは走行方向に対して平行に配設されて、両ディスク対の間には同一幅の通路が形成されるため、掘削時に発生した土流は、他方の溝に押し戻されずにそのまま後方へ誘導される。その結果、施肥や播種の前に溝が再度埋まることもなく、播種深さや施肥深さの設定精度を大きく向上させることができ、さらには、種子と肥料とが土流に運ばれて混ざることもなく、肥料過多による稲の品質悪化などを防止することができるのである。なお、ガイドディスク31b・29bは走行方向に対し後方外広がりに配設してもよく、この場合には前記誘導効果が一層促進されることとなる。また、このような構成においては、各ディスク対間の間隔が従来のままであっても、内側のガイドディスク間の隙間は狭くならないため、該隙間に土塊が滞留して播種溝や施肥溝を埋めることはなく、隙間を増加するための機体幅や機体長の拡張も不要である。 【0028】なお、図2に示すように、前記取付ステー25の下部からは左右方向にフレーム55を突出し、該フレーム55からは、施肥作溝ディスク31aと播種作溝ディスク29aの外面沿いにスクレーパー45・45を後斜め下方に向かって延出し、該スクレーパー45・45の下辺を各ディスクの外面にスクレーパー45・45自体の弾性によって押圧しておき、作溝作業中に各ディスクの外面に固着した土や薬剤などを掻き落して作溝能力の低下を防止するようにしている。 【0029】また、施肥用のガイドディスク31bと播種用のガイドディスク29bとは、図4、図7に示すように、前後かつ上下にずらして配設されており、この効果について説明する。ガイドディスク31bとガイドディスク29bを前後にずらした場合は、図8に示すように、各ガイドディスクの軸芯61a・63aの位置が異なるため、軸芯から土塊59までの回転半径61b・63bも異なり、その結果、土塊59に働く回転力62・64の大きさや向きも各ディスクにより著しく異なる。すると、図10に示すように、軸芯から土塊59までの距離が長く、回転力の大きな方のディスクによってせん断力70が発生し、該せん断力70が土塊59に作用して破砕し、細かな土にして側方又は後方に飛散し排除するので、堅い土塊が溝を埋めることがなく、正確な深さに施肥や播種を行うことができるのである。 【0030】また、ガイドディスク31bとガイドディスク29bを上下にずらした場合も同様であり、図9に示すように、各ガイドディスクの軸芯66a・68aの位置が異なるため、軸芯から土塊59までの回転半径66b・68bも異なり、その結果、土塊59に働く回転力67・69の大きさや向きも各ディスク間で著しく異なる。従って、軸芯から土塊59までの距離が長く、回転力の大きな方のディスクにより前記せん断力70が発生し、土塊59を破砕して細かな土とし側方又は後方に排出するのである。本実施例においては、施肥用のガイドディスク31bを播種用のガイドディスク29bよりも深く、かつ前方に配置しており、前記効果が複合された形で土塊59に作用して破砕効果が発揮されている。 【0031】また、図7に示すように、施肥ディスク対31a・31b、播種ディスク対29a・29bのいずれにおいても、作溝ディスク31a・29aの前端部をガイドディスク31b・29bの前端部よりも前方かつ機体内側にずらして配設しており、作溝ディスク31a・29aとガイドディスク31b・29bとの合わせ部65・66を作溝ディスク31a・29aによってカバーし、該合わせ部65・66に土塊や藁が挟まり各ディスクの回動が阻害されるのを防止するように配設している。 【0032】なお、図4、図7に示すように、前記支持板27から後方には側面視でU字状の保護部材28を延出し、該保護部材28により土塊や根株などをディスク外側へ誘導するようにしており、前記のような配置構成による土塊59の破砕効果や排除効果を良好に保つことができるのである。そして、前記前取付フレーム23の下部からはロッド54が側方に突出され、該ロッド54端部からは覆土ディスク支持アーム41が後方に突設され、該覆土ディスク支持アーム41には覆土ディスク12・12が配設されており、施肥や播種が完了した直後に覆土できる構成となっている。 【0033】このような構成において、トラクタ1を走行させ、ロータリ耕耘装置2の作動により、予め播種溝や施肥溝を形成する部分を掘削し、これらの掘削溝に沿って施肥ディスク対31a・31bと播種ディスク対29a・29bが通過して正確な深さに施肥溝と播種溝が形成される。該各溝内には肥料及び種子が投下され、前記播種溝の側方に薬剤が散布された後は、後方に配置した覆土ディスク12・12によって前記溝が埋められて肥料及び種子が土中に埋められることとなる。その後は、鎮圧ローラー13によって鎮圧され、更に、鎮圧後には前記薬液散布ノズル15から薬液が全面に渡り散布される。なお、本発明を適用する種子は特に限定されるものではなく、薬剤に浸漬したり、コートしたものも使用することができ、特に、ゲルを被覆したものでも可能であり、ゲルを被覆したものであると発芽に必要な水分及び酸素及び養分がゲルに含まれているために更に発芽性・成長性を向上することができる。 【0034】 【発明の効果】本発明は、以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。すなわち、請求項1においては、ロータリー耕耘装置の後部に複数の播種装置と並列に施肥装置を設け、該播種装置と施肥装置の下方に播種溝と施肥溝を形成する作溝器として播種用の作溝ディスクと施肥用の作溝ディスクとを並設した乾田直播装置において、各作溝ディスクの内側にガイドディスクを設けて播種用のディスク対と施肥用のディスク対とを構成し、該播種用のディスク対と施肥用のディスク対のいずれも前端を閉じたV字状にすると共に、内側のガイドディスクを走行方向に対して平行若しくは後方外広がりに配置したので、機体幅・機体長を増加させることなく、播種深さや施肥深さの設定精度を大きく向上させることができ、さらに、種子と肥料とが混同しないように、種子から適正距離だけ離間した位置と深さに施肥することができて、肥料の過多や過少による稲の品質悪化などを防止することができる。 【0035】請求項2においては、請求項1記載の播種用のガイドディスクと施肥用のガイドディスクを前後にずらして配置したので、土塊が破砕されて細かな土となって排除され、より正確な深さに施肥や播種を行うことができる。 【0036】請求項3においては、請求項1記載の播種用のガイドディスクと施肥用のガイドディスクを上下にずらして配置したので、土塊が破砕されて細かな土となって排除され、より正確な深さに施肥や播種を行うことができる。 【0037】請求項4においては、請求項1乃至請求項3記載のディスク対における作溝ディスクの前端部をガイドディスクの前端部よりも前方内側にずらして配置したので、作溝ディスクとガイドディスクとの合わせ部に土塊や藁が挟まるのを防止し、各ディスクの回動を促進させて、作溝能力を一層向上させることができる。 【0038】請求項5においては、請求項1乃至請求項4記載のディスク対を回動可能に軸支する支持板には、土塊や根株などをディスク外側へ誘導する保護部材を付設したので、各ディスクの配置構成による土塊の破砕効果や排除効果を良好に保つことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597041747 【氏名又は名称】アグリテクノ矢崎株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月15日(1999.6.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−354403(P2000−354403A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月26日(2000.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−168286 |
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