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【発明の名称】 施肥装置付き田植機
【発明者】 【氏名】田中 政一

【要約】 【課題】ミッドマウント型施肥装置付き田植機において、作業効率や機体の安定性低下を招くことなく、小型軽量化及び製造コストの低減化を図る。

【解決手段】走行機体の後部に昇降リンク機構を介して苗植付装置7を昇降自在に連結するとともに、走行機体における運転座席27の後側に施肥装置Aを搭載してある施肥装置付き田植機において、運転座席27の左横側方に副変速レバー25を、かつ、右横側方に植付レバー26を夫々配置し、施肥装置Aにおける肥料貯留用のホッパ13を、その左右方向端部が運転座席27及び操作レバー25,26の人為操作用空間S1,S2を迂回して横側方に回り込む形状(平面視で前向き開放コ字状)に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の後部に昇降リンク機構を介して苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、前記走行機体における運転座席の後側に施肥装置を搭載してある施肥装置付き田植機であって、前記運転座席の横側方に操作レバーを配置し、前記施肥装置における肥料貯留用のホッパを、その左右方向端部が前記運転座席及び前記操作レバーの人為操作用空間を迂回して横側方に回り込む形状に形成してある施肥装置付き田植機。
【請求項2】 走行機体の後部に昇降リンク機構を介して苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、前記走行機体における運転座席の後側に施肥装置を搭載してある施肥装置付き田植機であって、機体前部のボンネットの両横側方に、左右方向で機体内側の端部に設けた前後向き支点で折畳み揺動可能な予備苗台を配備し、これら予備苗台が折り畳まれた状態における該予備苗台部分での機体全幅を、前記施肥装置における肥料貯留用のホッパの全幅よりも小となるように設定してある施肥装置付き田植機。
【請求項3】 走行機体の後部に昇降リンク機構を介して苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、前記走行機体における運転座席の後側に施肥装置を搭載してある施肥装置付き田植機であって、運転部のフロアステップの両横側方に、機体横側方に張出た補助ステップを装備するとともに、これら補助ステップ部分での機体全幅を、前記施肥装置における肥料貯留用のホッパの全幅と略同一となるように設定してある施肥装置付き田植機。
【請求項4】 走行機体の後部に昇降リンク機構を介して苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、前記走行機体における運転座席の後側に施肥装置を搭載してある施肥装置付き田植機であって、苗載台における左端又は右端の端部苗載せ面の折り畳み又は取外しにより、該苗載台の横幅を1条分縮小可能に構成するとともに、運転部のフロアステップの両横側方に、機体横側方に張出た補助ステップを装備し、横幅が1条分縮小された前記苗載台の全幅と、前記両補助ステップ部分での機体全幅と、前記施肥装置における肥料貯留用のホッパの全幅とが略同一となるように設定してある施肥装置付き田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の後部に昇降リンク機構を介して苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、走行機体における運転座席の後方箇所に施肥装置を搭載してあるミッドマウント型の施肥装置付き田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のようなミッドマウント型の施肥装置付き田植機において、施肥装置の上部に配備されるホッパは、その容量を確保するために、走行機体における運転座席の後方箇所において前後幅が一律に広くなるように形成されていた(例えば、特開平11−56020号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術のように運転座席の後方箇所においてホッパの前後幅を一律に広くすると、走行機体と昇降リンク機構の連結点を支点にした苗植付装置の昇降操作の際に、そのホッパに苗植付装置が接触する虞がある。そこで上述のようなミッドマウント型の施肥装置付き田植機においては、その虞を解消するために、昇降リンク機構として、運転座席の後方箇所に施肥装置を搭載しない他の田植機のものよりも長さの長いものを採用して、走行機体と苗植付装置の離間距離を大きくするようにしているのであるが、この場合、走行機体と苗植付装置の離間距離を大きくする分だけ、田植機全体としての前後長さが長くなって田植機の大型化を招くとともに、苗植付装置を昇降駆動する油圧シリンダとして大型のものを採用する必要が生じることから、田植機の小型軽量化及び製造コストの低減化を図る上において改善の余地があった。
【0004】ちなみに、ホッパとして前後幅の狭いものを採用することによって、走行機体と苗植付装置の離間距離を大きくすることなく、苗植付装置の昇降操作の際に、苗植付装置が施肥装置のホッパに接触する虞を解消することも考えられるが、この場合には、ホッパの前後幅を狭くする分だけその容量も小さくなることから、植え付け作業中におけるホッパに対する肥料補給回数が多くなって作業効率の低下を招くようになる。又、作業効率の低下を回避するために、ホッパとして縦長のものを採用して容量の増大を図ることも考えられるが、この場合には、その分だけ機体の重心位置が高くなって機体の安定性が低下するようになる。しかも、その安定性の低下は、ホッパ内の肥料が満杯に近いほど顕著になる。
【0005】本発明の目的は、ミッドマウント型の施肥装置付き田植機において、作業効率や機体の安定性低下を招くことなく、苗植付装置の昇降操作の際に苗植付装置が施肥装置のホッパに接触する虞を解消できるようにしながらも、田植機としての小型軽量化及び製造コストの低減化を図れるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔構成〕第1発明は、走行機体の後部に昇降リンク機構を介して苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、走行機体における運転座席の後側に施肥装置を搭載してある施肥装置付き田植機において、運転座席の横側方に操作レバーを配置し、施肥装置における肥料貯留用のホッパを、その左右方向端部が前記運転席及び操作レバーの人為操作用空間を迂回して横側方に回り込む形状に形成してあることを特徴とする。
【0007】第2発明は、走行機体の後部に昇降リンク機構を介して苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、走行機体における運転座席の後側に施肥装置を搭載してある施肥装置付き田植機において、機体前部のボンネットの両横側方に、左右方向で機体内側の端部に設けた前後向き支点で折畳み揺動可能な予備苗台を配備し、これら予備苗台が折り畳まれた状態における予備苗台部分での機体全幅を、施肥装置における肥料貯留用のホッパの全幅よりも小となるように設定してあることを特徴とする。
【0008】第3発明は、走行機体の後部に昇降リンク機構を介して苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、走行機体における運転座席の後側に施肥装置を搭載してある施肥装置付き田植機において、運転部のフロアステップの両横側方に、機体横側方に張出た補助ステップを装備するとともに、これら補助ステップ部分での機体全幅を、施肥装置における肥料貯留用のホッパの全幅と略同一となるように設定したことを特徴とする。
【0009】第4発明は、走行機体の後部に昇降リンク機構を介して苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、走行機体における運転座席の後側に施肥装置を搭載してある施肥装置付き田植機において、苗載台における左端又は右端の端部苗載せ面の折り畳み又は取外しにより、苗載台の横幅を1条分縮小可能に構成するとともに、運転部のフロアステップの両横側方に、機体横側方に張出た補助ステップを装備し、横幅が1条分縮小された苗載台の全幅と、両補助ステップ部分での機体全幅と、施肥装置における肥料貯留用のホッパの全幅とが略同一となるように設定してあることを特徴とする。
【0010】〔作用〕請求項1の構成によれば、肥料貯留用のホッパを、その左右両側部が運転座席の側方に回り込む形状に形成することによって、運転座席の直後方に位置するホッパ中央部の前後幅を狭くして、ホッパの全体を運転座席側に寄せるようにしながらも、その分、運転座席の左右両側後方に位置するホッパ左右両側部の前後幅を前方側に広くした状態にできるので、ホッパ全体としての容量を小さくすることなく、施肥装置を運転座席側に寄せた状態にすることができるようになる。
【0011】これによって、昇降リンク機構として、走行機体における運転座席の後方箇所に施肥装置を搭載しない他の田植機のものよりも長さの長いものを採用しなくても、苗植付装置の昇降操作の際に苗植付装置が施肥装置のホッパに接触する虞を解消できることから、田植機全体としての前後長さや重量が大きくなることを回避できるようになり、又、昇降リンク機構として長さの長いものを採用する場合に比較して、苗植付装置を昇降駆動する油圧シリンダとして軽量で安価な小型のものを採用することができるようになる。故に、走行機体と苗植付装置の間に施肥装置が配備されるミッドマウント型でありながら、苗植付装置の昇降操作の際に苗植付装置が施肥装置のホッパに接触する虞を解消できる上に、田植機の小型軽量化並びに製造コストの低減化を図れるようになる。
【0012】しかも、ホッパを、その左右両側部が運転座席の側方に回り込む形状に形成して、その容量を確保するようにしていることによって、ホッパとして縦長のものを採用しなくても、植え付け作業中にホッパに対する肥料の補給回数が多くなることを回避できるので、補給回数が多いことによる作業効率の低下を回避できるとともに、機体の重心位置が高くなって安定性が低下する、というホッパを縦長のものとした場合の不都合も回避できるようになる。
【0013】又、ホッパを、その左右方向端部が運転席及び操作レバーの人為操作用空間を迂回して横側方に回り込む形状としたので、副変速レバーや植付レバー等の運転座席の横傍に配置される操作レバーを手指でレバー操作する際にホッパが邪魔になることがなく、軽快なレバー操作性が維持されるようになる。
【0014】請求項2の構成によれば、ボンネットの両横に配置される予備苗台を折り畳み状態とすれば、その部分の全幅がホッパの左右幅よりも小さくなるから、機体の全幅が縮小できるとともに、予備苗台の折り畳みを前提として機体で最も幅の広い箇所がホッパ部分であるという認識を持つことを可能とする。故に、倉庫への格納時や移動走行時における機体通過の最低幅は、常にホッパ幅1箇所を判断材料にすれば良く、複数箇所の全幅を考慮しなくて済むようになる。
【0015】請求項3の構成によれば、ホッパへの肥料補給作業や予備苗の搬入作業等の作業性改善に寄与する補助ステップを、その部分の全幅がホッパ幅とほぼ同じ状態となるように付設したので、機体としての全幅は補助ステップ部分又はホッパ部分のいずれか一方の認識で済み、倉庫への格納時や移動走行時における機体通過の最低幅は、常に補助ステップ部分又はホッパ部分の1箇所を判断材料にすれば良く、複数箇所の全幅を考慮しなくて済むようになる。
【0016】請求項4の構成によれば、苗載台の端部1条分の苗載せ面を折り畳み又は取り外して、例えば6条用を5条用にするといった具合に、苗載台の全幅を1条分縮小化できるので、苗載台が田植機の本機よりも横幅が広い場合には、田植機としての全幅を縮小できるようになる。そして、請求項3の構成による作用効果の項で説明したように、機上作業性向上に寄与する左右の補助ステップ部分の全幅と、ホッパ部分の全幅と、横幅が縮小された苗載台との三者がほぼ同じ横幅であるから、機体としての全幅は補助ステップ部分、ホッパ部分、又は苗載台部分のいずれか一つの認識で済み、倉庫への格納時や移動走行時における機体通過の最低幅は、常に補助ステップ部分、ホッパ部分、又は苗載台の1箇所を判断材料にすれば良く、複数箇所の全幅を考慮しなくて済むようになる。
【0017】〔効果〕請求項1に記載の施肥装置付き田植機では、運転座席の直後の機体上に施肥装置を配備するミッドマウント型において、作業効率並びに機体安定性の低下を招くことなく、苗植付装置の昇降操作の際に苗植付装置が施肥装置のホッパに接触する虞を解消できる上に、田植機としての小型軽量化及び製造コストの低減化が図れ、しかも運転座席横での良好なレバー操作性も得られるようになった。
【0018】請求項2に記載の施肥装置付き田植機では、予備苗台の折り畳み構造によってホッパ部分を機体で最も幅の広い部分にでき、全幅の縮小化及びその箇所の認識がし易いものとして、移動走行や倉庫への格納が行い易い等、運転がし易く取扱性が向上するものにできた。
【0019】請求項3に記載の施肥装置付き田植機では、左右の補助ステップを設けて苗補給等の機上作業性向上に寄与できるようにしながら、機体全幅箇所の認識が容易で移動走行や倉庫への格納が行い易い等、運転がし易く取扱性が向上するものにできた。
【0020】請求項4に記載の施肥装置付き田植機では、苗載台を1条分の横幅縮小により、田植機としての全幅を小さくでき、かつ、補助ステップを設けて苗補給等の機上作業性向上に便利なものとしながら、機体全幅箇所の認識が容易で移動走行や倉庫への格納が行い易い等、運転がし易く取扱性が向上するものにできた。
【0021】
【発明の実施の形態】図1、図2に示すように、操向操作自在な左右一対の前輪1及び左右一対の後輪2を備えた機体の前部に、エンジン3及びミッションケース4を備えて、機体の中央部に運転部5を形成し、機体の後部にリンク機構6を介して苗植付装置7を昇降操作自在に連結して乗用型田植機を構成してある。苗植付装置7は6条植えに構成されており、3個の植付伝動ケース8、植付伝動ケース8の左右両側に回転駆動自在に支持される回転ケース9、回転ケース9の両端に配備される一対の植付爪10、3個の接地フロート11、及び苗載台12等で構成してある。
【0022】次に施肥装置Aについて説明する。図1〜図6に示すように、施肥装置Aは、粉粒体である肥料を貯留するホッパ13、このホッパ13から流下して送られてくる肥料を肥料移送経路である施肥ホース14の始端部である漏斗部20に所定量ずつ繰り出す繰出し機構15、施肥ホース14で送られてくる肥料を圃場に供給する作溝器52、漏斗部20に繰り出された肥料を風力で施肥ホース14に送り込むブロワ16、ブロワ16で生起された風を計6箇所の施肥ホース14に分配供給する送風ダクト17等から構成されている。
【0023】図5、図6に示すように、繰出し機構15は、外周に肥料入込み用の凹部24aが周方向に沿って多数形成された繰出しロールRを、ホッパ13の肥料排出口の下方で、漏斗部20の上方の位置で回転可能にロールケース18内に配置して構成してある。繰出しロールRを、これに一体形成された従動ギヤ19Gと、動力が入力される駆動軸21の駆動ギヤ21Gとの咬合によって駆動回転するように構成してある。
【0024】ホッパ13は、左右端の2条用大容量ホッパ部13a,13aと、内側の1条用小容量ホッパ部13b,13bとを一体形成して成る樹脂製のものに構成されている。小容量ホッパ部13b,13bの前後幅は、運転座席27の後方に位置する短いものに、かつ、大容量ホッパ部13a,13aの前後幅は、運転座席27の左右側方に回り込む長いものに構成してあり、2条用と1条用夫々の肥料量に見合った容量が設定されている。又、ホッパ13の開閉蓋28は、4箇所のホッパ部13a,13b,13b,13aに亘る一体品であり、図5に示すように、後部に設けた支点Zで揺動開閉自在に取付けてある。
【0025】運転座席27の左横側方には、副変速レバー(操作レバーの一例)25 を、かつ、右横側方には植付レバー(操作レバーの一例)26と感度調節レバー(操作レバーの一例)29とが夫々配置され、ホッパ13の左右方向端部である大容量ホッパ部13a,13aは、それら各レバー25,26,29の人為操作用空間S1,S2を迂回して横側方に回り込む形状に形成されている。
【0026】つまり、ホッパ13は、その前部中央箇所が凹入する平面視コの字状に形成されており、各操作レバー25,26,29の配置や操作に支障を来すようになることを防止できるようになっており、各操作レバー25,26,29の配置に新たな工夫を凝らすといった手間や、各操作レバー25,26,29の操作が行い難くなるといった不都合が生じることを阻止できるようになっている。
【0027】次に、車体構造について説明する。図7〜図10に示すように、車体フレームFは、ミッションケース4と後車軸ケース34とを連結する左右一対の角パイプ製の主フレーム38,38と、これらを連結する複数の横フレーム部材58と、パイプ製のステップフレーム59と、主フレーム38から立ち上がる状態にその後部上面に固着される板金製で左右一対の縦フレーム60,60とで構成されている。又、主フレーム38から下方に離れた位置において、ミッションケース4と後車軸ケース34とを連結する左右一対の補強パイプ96,96を架設して、フレーム強度を上げてある。
【0028】縦フレーム60の後端部には、昇降リンク機構6の上アーム6Aの取付部77が形成されるとともに、その少し前(後)側の位置に、この取付部77と全く同じものである取付部77が形成されている。つまり、上アーム6Aの二股状の前支持部6a,6aと、その間に配置される引張り駆動型で単動型の油圧昇降シリンダ78の前端部を回動自在に枢支する支軸79を、両縦フレーム60,60に固着したボス80,80に支承してあり、そのボス80挿通用の孔77を、縦フレーム部材60F単品のプレス成形時に前後2箇所に形成してある。尚、ボス80の支持強度を向上するため、縦フレーム60後部の内側に、平面視で略コ字状に屈曲された補強プレート84が左右夫々に溶着してある。
【0029】又、施肥フレーム81取付け用の前後一対の孔81a、苗植付装置7に装備される左右のマーカ82,82のうちの一方を選択するために左右にスライド操作されるL字金具83の支持孔83a、昇降リンク機構6の最上昇に伴って揺動操作されるマーカロック解除用アーム85の支軸挿通用の孔85a、ステー取付け用のボルト孔86等も、前後2箇所に形成されている。
【0030】前述の前後2箇所の孔77,81a,83a,85,86は、ホイールベースの若干異なる2機種において、縦フレーム部材60F単品のプレス成形用の金型を共通化するためのものであり、L字金具83の支持孔83aを除き、ホイールベースの変更長さと同じ又はほぼ同じ長さだけ前後に隔てて各孔77,81a,85,86が形成されている。ホイールベースが長い機種では、プレス成形されたそのままの縦フレーム部材60Fを用いるが、ホイールベースの短い機種では、図8に仮想線で示す上下向きのカットラインCuでプレス切断して用いる。
【0031】昇降リンク機構6の下アーム6Bは、主フレーム38の後端部に背面視上向きコ字状の補強ステー38aを伴って貫通固着されたボス38bに枢支してある。前述したホイールベースの違いに対応するには、主フレーム38を形成する角パイプ材の長さを変更すれば良い。例えば、前記ボス38bや後車軸ケース34の取付け部(図示せず)の溶接治具と、ミッションケース4取付け部(図示せず)の溶接治具との設定間隔を、これら両治具を載置するレール台での固定位置をホイールベース方向で変更設定可能にすることにより、主フレームの組み立て設備をホイールベースの異なりに対して比較的容易に対応させることができる。
【0032】次に、運転座席下方の車体構造について説明する。図7、図12〜図14に示すように、運転部5には、ステップ部47とリヤフェンダ部48とを有したフロアステップ49と、運転座席27下方のセンタカバー51とを備えて良好な外観を呈している。センタカバー51は、フロアステップ49における運転座席27の下方位置に形成された開口49a部分を被う無底箱状の蓋部材に形成されており、フロアステップ49から立上がる状態で設けてある。
【0033】センタカバー51は、その上壁51aを挿通する1個のノブボルト52を、開口49aを通して縦フレーム60から立設された正面視下向きコ字状の支持部材53に螺着することで車体に装着してあるとともに、その車体への装着状態では、センタカバー51の下端裾部51cが、フロアステップ49の開口49aの周縁から立設された縁リブ49bを外囲するように構成してある。
【0034】そして、センタカバー51の下端裾部の裏面に、上下方向に延びる縦リブ51bを多数一体形成するとともに、それら縦リブ51bと下端裾部51aとの間に、断面が略下向きU字形状のクッションゴム57介してフロアステップ49の縁リブ49bが挟み込み配置されるように構成してある。この挟み込み配置により、フロアステップ49とセンタカバー51とは位置ずれや浮いたりすることなく、しっかりと、繋がり良く連設され、良好な外観を呈するようになっている。
【0035】運転座席27は、縦フレーム60の前上端から立設された前ステー55に横支点Qで前方に揺動開閉自在に枢支されるとともに、座席下部の裏面左右に一対装備されたゴム製の吸着座56,56を、センタカバー51の上壁51aを介して支持部材53に載せ付けることで車体に装備されている。従って、センタカバー51には、前ステー55挿通用の孔とノブボルト52挿通用の孔とが形成されるだけであり、センタカバー51の内部が外からは見えないようになっている。
【0036】図6、図7に示すように、運転座席27と苗載台12との前後間における車体上に、左右に並設される状態の施肥装置Aを配置し、側面視における施肥装置Aと後輪2との上下間に、左右のリヤフェンダ部48を一体に含む板材製の仕切り壁87を施肥装置Aの左右幅に亘る状態で設けてある。つまり、仕切り壁87は合成樹脂製のフロアステップ49の後端部で構成されており、ホッパ13への肥料補給時に零れた肥料や繰出し機構15から漏れた肥料を受け止めて、縦フレーム60に装備された各種機械装置類や電装品等に肥料が降りかからないようにしてある。
【0037】そして、施肥装置Aを車体に支持する施肥フレーム81を、仕切り壁87を迂回するべく仕切り壁87の後側において縦フレーム60の後端部から立設された主支持フレーム90と、この主支持フレーム90の前側において仕切り壁87を上下方向に貫通する補助支持フレーム91とで構成してある。補助支持フレーム91は板材で形成されており、仕切り壁87に形成されるその貫通孔87aは前後向きのスリット程度の極小さなものである。又、主支持フレーム90下端の縦フレーム60への取付部90Aには、前述した2種のホイールベースに対応するべく、前後一対のボルト挿通用孔90a,90aを、前後に間隔を開けて2組形成して対応してある。
【0038】フロアステップ49を支持するステップフレーム59は、車体左右方向で内側が主フレーム38に固着される左右向きの前取付部59Aと、車体左右方向で内側が縦フレーム60に固着される左右向きの後取付部59Bと、これら前後の取付部どうしを連結する前後向きの支持部59Cとで成る平面視で略内向き開放コ字状に屈曲形成された1本のパイプで構成されている。
【0039】右側のステップフレーム59の前取付部59Aは、右主フレーム38の内がわ側面に固着されて縦向きに立ち上がり、その上端で屈曲されて斜め右前に延出されてから真右横に延ばされる形状に形成され、その右端を後に屈曲して平面視で主フレーム38と平行な支持部59Cに続く。支持部59Cの後部は上方に屈曲されて上斜め後に延ばされてから内側に屈曲され、縦フレーム60の前後中間における上端部を貫通して固着される真横向きの後取付部59Bに続いている。
【0040】左側のステップフレーム59は、その前取付部59Aが、左主フレーム38の外がわ側面に固着されて縦向きに立ち上がる以外は、右側のステップフレーム59と左右対称で同じ構造である。そして、左右の後取付部59B,59Bの先端部どうしは、左右の縦フレーム60,60の間において連結金具92で連結固着一体化してあり、支持強度を向上させてある。
【0041】ステップフレーム59の支持部59Cの支持強度を確保するために、前後一対のステップ支持フレーム93,93を設けてある。すなわち、横断面が後向きコ字状となるように屈曲された板材で成る支持フレーム93を、左右の主フレーム38,38を横切る状態でこれら主フレーム38,38に固着される左右に長い部材に構成して、その左右端部の夫々を支持部59C,59Cに固着して一体化してある。両ステップ支持フレーム93,93の左右中央部には、ワイヤーハーネスや各種操作ロッドを通すために、下方に凹入した切欠き部93aが形成されている。又、両ステップ支持フレーム93,93の外端には、これらに跨がる状態で板金製の乗降ステップ94がボルト止めされている。
【0042】参考として、フロアステップ49の左右にワイドステップ(補助ステップ)95を付設した場合について説明する。図10、図11に示すように、ワイドステップ95は、外郭を形成する平面視で略内向きコ字状のパイプ枠97と、前後一対の板金製支持フレーム98,98とを固着一体化して成る補助フレーム99に、合成樹脂で成る補助ステップ面100をボルト止めして構成されている。パイプ枠97の後部は斜め上方に持ち上げられて、鋼板製の傾斜板100aが固着されるとともに、前後の支持フレーム98,98、及びパイプ枠97の三者をワイドステップ95としての内側部分で連結するバー材101を設けてある。
【0043】尚、このワイドステップ95の取付けには、前支持パイプ103と後支持パイプ104から成るボンネット横の予備苗搭載フレーム102の装着が条件であり、パイプ枠97の前端部を前支持パイプ103にボルト連結するとともに、後支持パイプ104に固着した受止め片104aで補助ステップ面100の前部を下方から受止め支持してある。
【0044】そして、図11に示すように、前後の支持フレーム98,98は、その左右中間部をステップ支持フレーム93の外端部に1本のボルト105で連結するとともに、支持フレーム98の機体内側端部98aを、この部分の上方移動が阻止されるようにステップ支持フレーム93に上下方向で接当させてある。つまり、ワイドステップには、人が乗る等の下向きの荷重が作用するものであってモーメント上、内側端部98aは上に移動しようとする成分の力が作用することになるから、該内側端部98aの上面をステップ支持フレーム93の下面に当て付けるだけで良く、その部分にはボルトが不要で済む構造を可能としている。
【0045】図1、図15、図17に示すように、機体前部のボンネット30の両横側方に、左右方向で機体内側の端部に設けた前後向き支点Qで折畳み揺動可能な予備苗台31を予備苗搭載フレーム102に配備し、これら予備苗台31,31を上方に揺動させて折り畳んだ状態における予備苗台31部分での機体全幅L1 を、施肥装置Aにおける肥料貯留用のホッパ13の全幅L2 以下(L1 ≦L2 )となるように設定してある。
【0046】図16、図17に示すように、6条用の苗載台12における左端又は右端の端部苗載せ面32の折り畳み又は取外しにより、苗載台12の横幅を1条分縮小して5条用の幅寸法にすることが可能に構成し、その1条分縮小された苗載台12の全幅L3 と、両補助ステップ95,95部分での機体全幅L4 と、肥料貯留用のホッパ13の全幅L2 とが略同一となるように(L2 ≒L3 ≒L4 )設定してある。
【0047】図16に示すように、苗載台12下端の摺動レール35のレール端部36を、支点Xで折り畳み揺動自在であり、かつ、バックル37によって一直線状の作用状態に維持できるように構成するとともに、苗載台12の横方向での保護部材39の端部40を車体左右方向にスライド移動自在に構成して、横に張出た作用姿勢と左右方向で内側に退入した収納姿勢とに切換え自在に、かつ、ボルト41の操作で各姿勢に係止維持自在に構成する。
【0048】これにより、端部苗載せ面32を折り畳むとともに、左右のレール端部36,36を折り曲げ、かつ、左右のストッパ部材39,39を収納姿勢にすることにより、苗載台12の全幅を5条分の横幅L3 に縮小することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年6月10日(1999.6.10)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−350509(P2000−350509A)
【公開日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【出願番号】 特願平11−163455