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【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】佐伯 正文

【氏名】井関 秀夫

【氏名】加藤 哲

【氏名】福島 寿美

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】苗箱搬送部14で搬送されてきた苗箱から苗を取出してその取出した苗を圃場に植付ける構成とした移植機において、前記苗箱搬送部14をその上方から苗箱が供給される構成とし、苗箱の上端部を保持して吊り下げた状態で前記苗箱搬送部14の上方に移動可能とした苗箱供給部12を設けたことを特徴とする移植機。
【請求項2】前記苗箱供給部12を複数の苗箱を吊り下げ可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の移植機。
【請求項3】前記苗箱供給部12に吊り下げた苗箱を自動的に前記苗箱搬送部14の上方に移動する構成としたことを特徴とする請求項1記載の移植機。
【請求項4】前記苗箱供給部12に吊り下げた苗箱を前記苗箱搬送部14に自動的に供給する構成としたことを特徴とする請求項1記載の移植機。
【請求項5】前記苗箱搬送部14で搬送中の苗箱が設定位置まで搬送されると前記苗箱供給部12から前記苗箱搬送部14に苗箱が供給される構成としたことを特徴とする請求項4記載の移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、苗箱から苗を取出してその取出した苗を圃場に植付ける移植機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、苗箱搬送部で搬送されてきた苗箱から苗を取出してその取出した苗を圃場に植付ける構成とした移植機において、苗箱搬送部に新たに供給する予備の苗箱は、苗箱の下面側を受けて苗箱を支持する苗箱載置台の上に載せておく構成としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の移植機では、苗箱載置台上に載った苗箱を苗箱搬送部に供給するときには、苗箱全体を苗箱載置台の上方領域から水平方向外側に移動させないと苗箱搬送部に供給できない。これが、苗箱搬送部への苗箱供給作業の迅速化や容易化を図るうえでの障害の一つとなっている。そこで、本発明は、その点に着目して、従来よりも更に迅速に又容易に苗箱供給作業が行えるようにすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、次のような構成のものとした。
【0005】請求項1記載の発明は、苗箱搬送部14で搬送されてきた苗箱から苗を取出してその取出した苗を圃場に植付ける構成とした移植機において、前記苗箱搬送部14をその上方から苗箱が供給される構成とし、苗箱の上端部を保持して吊り下げた状態で前記苗箱搬送部14の上方に移動可能とした苗箱供給部12を設けたことを特徴とする移植機としたものである。
【0006】請求項2記載の発明は、前記苗箱供給部12を複数の苗箱を吊り下げ可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の移植機としたものである。
【0007】請求項3記載の発明は、前記苗箱供給部12に吊り下げた苗箱を自動的に前記苗箱搬送部14の上方に移動する構成としたことを特徴とする請求項1記載の移植機としたものである。
【0008】請求項4記載の発明は、前記苗箱供給部12に吊り下げた苗箱を前記苗箱搬送部14に自動的に供給する構成としたことを特徴とする請求項1記載の移植機としたものである。
【0009】請求項5記載の発明は、前記苗箱搬送部14で搬送中の苗箱が設定位置まで搬送されると前記苗箱供給部12から前記苗箱搬送部14に苗箱が供給される構成としたことを特徴とする請求項4記載の移植機としたものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明では、苗箱搬送部14で搬送されてきた苗箱から苗を取出してその取出した苗を圃場にその苗を植付けていく。苗の植付作業が進んで、新たに苗箱を苗箱搬送部14に供給するときは、苗箱供給部12において苗箱の上端部が保持されて吊り下げている苗箱を、前記苗箱搬送部14の上方に移動して苗箱の上端部の保持を解き下降させれば、その苗箱は苗箱搬送部14の上方から供給される。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明が奏する作用のうえに、前記苗箱供給部12に複数の苗箱が吊り下げられ、その各苗箱を前記苗箱搬送部14の上方に移動して苗箱の上端部の保持を解き、苗箱搬送部14の上方から供給するものとなる。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明が奏する作用のうえに、前記苗箱供給部12に吊り下げた苗箱を自動的に前記苗箱搬送部14の上方に移動するものとなる。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項1記載の発明が奏する作用のうえに、前記苗箱供給部12に吊り下げた苗箱を前記苗箱搬送部14に自動的に供給するものとなる。
【0014】請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明が奏する作用のうえに、前記苗箱搬送部14で搬送中の苗箱が設定位置まで搬送されると前記苗箱供給部12から前記苗箱搬送部14に苗箱が供給されるものとなる。
【0015】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、前記苗箱搬送部14をその上方から苗箱が供給される構成とし、苗箱の上端部を保持して吊り下げた状態で前記苗箱搬送部14の上方に移動可能とした苗箱供給部12を設けたものなので、新たに苗箱を苗箱搬送部14に供給するとき、苗箱供給部12において苗箱の上端部が保持されて吊り下げられている苗箱を、前記苗箱搬送部14の上方に移動して苗箱の上端部の保持を解き下降させれば、苗箱搬送部14に苗箱が供給されることになって、機体構成上、苗箱搬送部14から離れたところに苗箱を支持することになっても、従来よりも更に迅速に又容易に苗箱供給作業が行え、能率良く苗の植付作業が行える。
【0016】請求項2記載の発明は、上記の請求項1記載の発明において、更に、前記苗箱供給部12を複数の苗箱を吊り下げ可能に設けたものなので、上記の請求項1記載の発明の効果を奏するとともに、前記苗箱供給部12に吊り下げた複数の苗箱のそれぞれを、前記苗箱搬送部14の上方に移動して苗箱の上端部の保持を解き下降させ、苗箱搬送部14に供給できて、上下に複数重ねるように苗箱を支持する従来の構成と比べて、複数の苗箱を低く配置でき、よって、重心が低く安定走行ができるものとなる。
【0017】請求項3記載の発明は、上記の請求項1記載の発明において、更に、前記苗箱供給部12に吊り下げた苗箱を自動的に前記苗箱搬送部14の上方に移動する構成としたものなので、苗箱供給作業の迅速化、容易化が更に一層図れ、能率良く苗の植付作業が行える。
【0018】請求項4記載の発明は、上記の請求項1記載の発明において、更に、前記苗箱供給部12に吊り下げた苗箱を前記苗箱搬送部14に自動的に供給する構成としたものなので、苗箱供給作業の自動化が図れ、能率良く苗の植付作業が行える。
【0019】請求項5記載の発明は、上記の請求項4記載の発明において、更に、前記苗箱搬送部14で搬送中の苗箱が設定位置まで搬送されると前記苗箱供給部12から前記苗箱搬送部14に苗箱が供給される構成としたものなので、苗箱供給部12から苗箱搬送部14に苗箱が適正な状態で自動供給されて、自動苗箱供給の動作が適確に継続し、能率良く苗の植付作業が行える。
【0020】
【発明の実施の態様】図1乃至図30は本発明の一実施例をあらわしている。この移植機1は、四輪走行車両である本機2に6条植の植付部3と施肥装置4が装着されており、全体で乗用型施肥田植機として構成されている。植付部3は本機2の後部に設けた平行リンク式の植付部装着装置5に装着され、本機2に対して昇降自在となっている。なお、植付部装着装置5は油圧シリンダ6によって上下動させられる。
【0021】植付部3は大きく分けて、植付部の各部を駆動する駆動機構を内蔵する伝動ケース8と、苗を所定の苗取り位置に1下部づつ供給するための苗供給装置9と、前記苗取り位置に供給された苗を水田面に植付ける植付条数分の植付装置10とからなる。
【0022】さらに、苗供給装置9は、苗箱を垂直に吊した状態で所定方向に案内する苗箱供給部12、該苗箱供給部によって所定位置に送られてきた苗箱を下方に引き渡す苗箱引渡し部13、該苗箱引渡し部より受け取った苗箱を上から下へ搬送する苗箱搬送部14、苗を押し出した後の空箱を所定の回収部へ戻す空箱戻し部15、前記苗箱搬送部14を搬送中の苗箱から苗を押し出す苗押出し装置16、該苗押出し装置によって押し出された苗を下方に運ぶ苗受渡し装置17、該苗受渡し装置の補助をする苗落とし装置18、前記苗受渡し装置17から受け取った苗を植付装置12の苗取り位置へ搬送する苗搬送ベルト19等からなる。
【0023】使用する苗箱は図35乃至図37に示す構造をしている。この田植機の苗供給装置9は苗箱ごとセットする方式であり、曲がった搬送経路に沿って搬送し得るように、苗箱300は可撓性を有する合成樹脂材料で一体成形されている。すなわち、苗箱300は、上部に開口する育苗ポット301,...が縦横に整列状態で並んでおり、各ポットの底部に3本の放射状スリット302を有する苗押出し孔303が形成されている。この苗押出し孔303は水抜きも兼ねている。長手方向を縦、それと直交する方向を横とすると、縦方向についてはポット間隔が一定ピッチpであり、横方向については中央部にポットとポットの間隔が広くなった境界部306が設けられ、その両側に横1列当たり同数づつ(例えば7個づつ)ポットが等間隔で配置されている。したがって、帯状の境界部306を挟んで育苗ポットが左右2群に分けられた状態となっている。苗箱の左右縁部は案内用の耳部307となっており、該耳部にポットの縦方向のピッチpと同ピッチで平面視四角形の爪穴308が形成されている。耳部307の先端部309はほぼ直角に下向きに屈曲している。苗箱300は全体に薄肉に形成されており、前後および左右方向の可撓性を有する。ポット301,・・・内に床土を入れて播種し、一定大きさの成苗310になるまで育成する。
【0024】以下、植付部3の各部について説明する。
【0025】苗箱供給部12は、前部が上位となるよう傾斜したハンガーレール20と左右一対のサイドレール21,21を備えている。これらレール20,21,21は背面視門形の支柱22,22に支持されている。後述するハンガー280に苗箱300を吊し、該ハンガーをハンガーレール20に引っ掛け、自重で苗箱300を前から後ろへ送るようになっている。その際、苗箱300の下部が左右に振れるのをサイドレール21,21によって防いでいる。なお、ハンガーレール20の苗箱引渡し位置Aよりも先の部分20aは斜め前方に屈曲させられて、苗箱が外されたハンガー280を回収箱23に導くようになっている。
【0026】ハンガーは図31乃至図33に示す構造をしている。すなわち、ハンガーレール20に引っ掛けるための上部が円弧状になったフック部材281を備え、該フック部材の下部に、苗箱の境界部306を挟みこむ第1クリップ282と、境界部306の両側に位置する複数個(例えば4個)のポット301,・・・の底部を抱え込み状態に保持する第2クリップ283とが設けられている。第2クリップ283はベースプレート285に蝶番286で取り付けられ、トルクバネ287によってポット301,・・・を挟みつける方向に付勢されている。第2クリップ283の開操作は、第2クリップ283の指当て部283aとベースプレート285の指当て部285aを2本の指で挟みつけて行う。ハンガー280をハンガーレール20に引っ掛けた際に、フック部材281に固着した回り止めプレート289がハンガーレール20の側面部に当接し、ハンガー280が水平面内で回らないようになっている。
【0027】また、ハンガー同士の間隔を一定に保つための部材として、フック部材281の側面部に固着したスペーサプレート290と、該スペーサプレートに前方に突出させて固着したスペーサロッド291が設けられている。スペーサプレート290には中央部に穴293が開けられており、その穴の上部293aはスペーサロッド291がちょうど嵌合する程度に幅が狭まっている。スペーサロッド291は、先端部291aが上向きに屈曲し、さらにその先端屈曲部よりも若干後方の位置から係止部291bb,291bが左右に突出している。これら左右係止部の両端の幅は前記穴293の本体部の幅よりも広くなっている。
【0028】ハンガー280に吊り下げた複数の苗箱をハンガーレール20にセットした場合、前後のハンガーの高さが異なるため、先行のハンガー280(1)のスペーサロッド291の先端屈曲部291aが後行のハンガー280(2)の穴293に挿入した状態となる。係止部291b,291bがスペーサプレート290に係止し、両ハンガー280(1,2)がそれ以上接近することはなく、苗箱供給部12に吊されている苗箱の間隔が一定に保たれる。
【0029】2個のハンガーを同一高さに置いた場合は、図34に示すように、右のハンガー280(1)のスペーサロッドの先端部291aが左のハンガー280(2)のスペーサプレート290の穴293の上部293aに嵌合するようになり、両ハンガーが連結した状態となるので、同時に2個の苗箱を持つことができ、運搬に便利である。
【0030】苗箱引渡し部13は、苗箱搬送部14の真上に移動してきた苗箱を前後から挟んで支える固定フェンス24と回動フェンス25を備えている。固定フェンス24は、苗箱300の耳部307を後方から受け止めるべく左右両側に設けられ、該固定フェンスの下部に上下に長い長方形の開口部24aが形成されている。回動フェンス25は、回動中心軸26の回りに回動自在に支持され、図10に示す開状態と図11に示す閉状態に適宜作動するようになっている。回動フェンス25は閉状態において苗箱のポット底面に当接する本体部25aと、閉状態において耳部307に前方から当接する耳部押え25bと、閉状態にある時に次の苗箱が必要以上に接近するのを防止するためのストッパ25cとからなる。
【0031】なお、回動フェンス25の開閉動作は後述する苗箱送り動作に連動するようになっているので、その駆動機構については苗箱送り装置の項で説明することにする。
【0032】さらに、固定フェンス24,24の後方には、引渡し位置Aで停止させられた苗箱のポットから苗が惰性で抜け落ちるのを防止するための苗飛散防止カバー27が設けられている。
【0033】図38に示すように、固定フェンス24に固着した取付片27aに蝶ボルト27bによって苗飛散防止カバー27を取り付け、該蝶ボルトを挿通させる穴27cを前後方向の長穴にしておくと、苗丈に合わせて苗飛散防止カバー27の取付位置を調整することができる。
【0034】また、図39に示すように、苗飛散防止カバー27をバネ27dを介して取付片27aに取り付けると、苗の葉がこのカバー27に当たる際にショックを吸収することができる。
【0035】苗箱搬送部14は、苗箱搬送経路の両側部に設けた案内フェンス28,28によって耳部307,307を挟んだ状態で苗箱300を垂直に案内するようになっている。案内フェンス28,28の下部には、上下に長い長方形の開口部28a,28aが形成されている。苗箱搬送部14の下部が、苗箱のポットから苗を押し出す苗押出し位置Bとなっている。
【0036】苗箱引渡し部13と苗箱搬送部14には、図7乃至図9に示す苗箱送り装置が設けられている。
【0037】30は送り爪で、案内フェンス28の開口部28aに後方から挿入され、苗箱の爪穴308の下部壁面に係合する爪部30aが上端部に形成されている。この送り爪30は、下クランクアーム32の先端部に設けたローラ軸33にトルクバネ34を介して苗箱経路側に付勢された状態で取り付けられており、下クランクアーム32が支軸36を中心として揺動するのにともない上下動するようになっている。送り爪30が下限位置にあるとき、爪部30aが苗押出し位置Bに位置するよう設定されている。下クランクアーム42は苗送りロッド38を介して駆動される。
【0038】40は制止爪で、案内フェンス28の開口部28aに後方から挿入され、苗箱の爪穴308の上部壁面に係合する爪部40aを有する。この制止爪40は、支軸41に回動自在に支持されており、下端部は前記ローラ軸33に摺動自在に当接している。このため、下クランクアーム32が上に回動すると、制止爪40の下部40bが後方に押され、制止爪40が爪穴308から外れるようになっている。さらに、下部40bが一定以上後方に押されると、制止爪40が送り爪の係合部30bに係合し、送り爪30が爪穴308から外れる。
【0039】43は板バネブレーキで、そのフック部43aが爪穴308に係合することにより、苗箱が自重で落下するのを防止する作用をしている。
【0040】45は遮断爪で、苗箱の爪穴308の上部壁面に係合する爪部45aが上端部に形成されている。この遮断爪45は、支軸46によって前後方向に揺動自在にスライド部材47に軸支され、トルクバネ49によって後方に付勢されている。スライド部材47には上下方向の長穴54が形成され、案内フェンス28に固定した上下のストッパピン55,56がこの長穴54に嵌合している。そして、スライド部材47の上端部に引張バネ58が取り付けられている。したがって、遮断爪45は、長穴54の上下端部とストッパピン55,56が係合する範囲内で上下にスライド可能であり、常時は引張バネ58によって上限位置に引っ張り上げられている。
【0041】また、遮断爪45には連動アーム50が一体に設けられており、遮断爪45が下限位置にある時、後記苗押出しピン100,...に連動する遮断解除ピン51がこの連動アーム50を後方に押し、遮断爪45を前方に回動させるようになっている。
【0042】60は引落し爪で、固定フェンス24の開口部24aに後方から挿入され、苗箱の爪穴308の下部壁面に係合する爪部60aと、苗箱の下端部の爪穴308にしか爪部60aが係合しないように規制する凸部60bが形成されている。この引落し爪60は、送り爪30と同様に、上クランクアーム62の先端部に設けた軸63にトルクバネ64を介して苗箱経路側に付勢された状態で取り付けられており、上クランクアーム62が支軸66を中心として揺動するのにともない上下動するようになっている。
【0043】引落し爪60は送り爪30と連動するように構成され、下端が下クランクアーム32に連結された連動ロッド67の上端係合部67aが上クランクアーム62に設けた連動ピン68に係脱自在となっている。連動ロッド67は遮断爪45のフック45bに遊嵌しており、遮断爪45の揺動に連係して連動ロッド67と連動ピン68の係脱が行われる。
【0044】回動フェンス25の開閉機構としては、回動フェンス25を開く方向に付勢するトルクバネ70が設けられているとともに、上クランクアーム62の閉作動アーム部62aに係合する閉作動部材71が回動フェンス25の下部に固着されている。
【0045】さらに、回動フェンス25には、固定フェンス24の係止部73に係合し得るロック爪74が設けられている。このロック爪74は、トルクバネ75によって上向きに付勢され、図12に示すように、回動フェンス25が閉状態にある時は係止部73に係合し、回動フェンス25を閉状態にロックするようになっている。また、図13に示すように、引落し爪60が下動する際、その爪部60aがトルクバネ75の作用に抗してロック爪74の先端屈曲部74aを下方に押し下げ、回動フェンス25を閉状態から解除するようになっている。
【0046】図15は苗箱搬送工程中の1状態であり、下クランクアーム32が下に揺動した状態を表す。送り爪30および制止爪40の爪部30a,40aが案内フェンス28の開口部28a内に挿入されており、制止爪40によって苗箱の爪穴308の上部壁面(初期状態の場合は苗箱の下端面)が受け止められ、苗箱300が静止状態に保持されている。
【0047】図16は下クランクアーム32が上に揺動した状態を表し、送り爪30が上動することによりその爪部30aが爪穴308の上部壁面に沿って摺動し、爪部30aが爪穴308から外れるとともに、ローラ軸33に押されて制止杆40の下部40bが後方に回動し、制止爪40も爪穴308から外れる。板バネブレーキ43の作用によって、苗箱300はそのままの位置に保持される。
【0048】図16の状態から下クランクアーム32が下に回動すると、図17に示すように送り爪30の爪部30aが爪穴308に嵌合する。この時点ではまだ制止爪40の爪部40aは爪穴308から外れている。この状態でさらに下クランクアーム32が下に回動することにより、爪部30aが爪穴308の下部壁面を押し下げて苗箱300を1ピッチp分だけ搬送する。下クランクアーム32が下死点まで回動すると、ローラ軸33による規制が解除されて制止爪40が爪穴308に嵌合し、図11の状態に戻る。
【0049】上記苗送り動作中、遮断爪45は苗箱耳部307の裏面に摺接した状態となっている。苗箱送り動作が繰り返され、苗箱300の上端が遮断爪45を通過すると、苗箱による規制がなくなるため、トルクバネ49の作用で遮断爪45が後方に回動し(図18参照)、それによって連動ロッド67の係合部67aが連動ピン68に係合する。すると、下クランクアーム32と上クランクアーム62が連結され、引落し爪60が送り爪30と同様に上下動するようになり、引渡し位置Aで待機している苗箱300を下方に引き下げる。苗箱300はハンガー280から外れ、苗箱搬送部14に落ち込む。
【0050】苗箱が外れフリーとなったハンガー280は、ハンガーレール20の回収部20aを通って回収箱23に回収される。それに伴って後続の苗箱が滑り落ちてくるが、この後続の苗箱は回動フェンス25,25のストッパ25c,25cに受け止められる。
【0051】また、上クランクアーム62が駆動する際、その閉作動アーム部62aが閉作動部材71を押し、回動フェンス25が閉じられる。それと同時に、ロック爪74が係止部73に係合し、回動フェンス25が閉状態にロックされる(図12参照)。苗箱引渡し時、引落し爪60の爪部60aがロック爪74の先端屈曲部74aを下方に押し下げ、回動フェンス25が閉状態から解除され(図13参照)、トルクバネ70の作用で回動フェンス25が開き、後続の苗箱が苗箱引渡し部13に送られてくる。
【0052】なお、引落し爪60に規制用凸部60bが設けられているため、一度引き落した苗箱に爪部60aが引っ掛かることがなく、寸法誤差等による引落しミスを防止することができる(図14参照)。
【0053】引き落された苗箱300は、上位置で待機している(図18参照)遮断爪45に一旦受けられる。苗箱を受けた遮断爪45は苗の重量によってスライド部材47に沿って下側にスライドする(図19参照)。そして、苗押出し時に遮断解除ピン51が突出すると、連動アーム50が後方に押され、遮断爪45が苗箱の下端面から外れる。苗箱は自重で滑り落ち、先行の苗箱の上に載る。遮断爪45は再び苗箱耳部307の裏面に摺接した状態となる(図20参照)。
【0054】遮断爪45が苗箱の下端面から外れて前側に回動する(図9の状態)と、連動ロッド67の係合部67aと連動ピン68の係合が解除され、引落し爪60は作動しなくなる。
【0055】また、図40に示すように、ハンガーレール20の適所に位置決め突起77を設けるとともに、これに係合するストッパ78をハンガー280の第2クリップ283に固定して設けておくと、苗箱300を保持しているときはハンガー280が定位置に停止させられ、苗箱300を解放するとハンガー280が自動的に回収箱23に送られるようになる。
【0056】空箱戻し部15は、図21に示す如く、苗箱の耳部307,307を案内する断面コ字状のレール80,80と、苗箱の境界部表面側を受ける受けパイプ81と、苗箱の境界部裏面側に嵌合する案内パイプ82とを備え、レール80,80によって苗箱の左右を挟み、受けパイプ81と案内パイプ82によって苗箱の前後を挟むようになっている。レール80,80の間隔および受けパイプ81と案内パイプ82の間隔は苗箱1枚がちょうど通れるだけの幅になっており、このように構成することにより、苗箱同士が途中で重なることがなくなる。
【0057】苗押出し装置16は、前記苗箱送り台14の苗押出し位置Bに位置する苗箱から苗を横1列分づつ後方に押し出す所定本数(図示例では14本)の苗押出しピン100,...を備えている。苗押出しピン100,...は左右方向の棒材101に取り付けられており、該棒材の両端部を支持する苗押出しロッド102,102を前後動させ、苗押出しピン100,...が後方に突出する際に該苗押出しピンが苗箱の苗押出し孔303に挿入してポット301内の苗を後方に押し出すようになっている。
【0058】苗押出しロッドの駆動機構は図23のように構成されている。105はギヤケースで、苗押出しロッド102の基部がこのギヤケース105内に摺動自在に支持されている。苗押出しロッド102の基部にはラック106が形成され、該ラックに噛合する扇形ピニオン107がギヤケース105内に設けられている。左右のギヤケース105,105内のピニオン107,107は共通の軸108に取り付けられ、この軸108の一方の端部に固定して取り付けた揺動アーム109と後記第二駆動軸212に取り付けた駆動アーム110とが緩衝連結体112で連結されている。緩衝連結体112は、揺動アーム109側の筒体113と駆動アーム110側のロッド114を摺動自在に嵌合させ、ロッド114の中間部に嵌着させたフランジ115と筒体113の上下壁との間にバネ116,117を介装させてある。
【0059】図の位置から駆動アーム110が矢印方向に回転すると、ロッド114を押し上げる力がバネ116を介して筒体113に伝えられ、揺動アーム109が上向きに回動し、さらにピニオン107が右回りに回動し、苗押出しピン110,・・・が突出する。駆動アーム110の回転が死点越えすると、圧縮されていたバネ116が反発することにより緩衝連結体112が縮み、揺動アーム109が下向きに回動し、さらにピニオン107が左回りに回動し、苗押出しピン110,・・・が後退する。すなわち、苗押出しピン110,・・・の突出は緩衝材であるバネ116を介して強制的に駆動され、苗押出しピン110,・・・の後退はバネ116によって急速に行われるのである。苗押出しピン110,・・・が所定位置まで後退すると、フランジ115が筒体113の段部113aに係合し、その以後のロッド114の下動はスプリング117に吸収されるようになり、苗押出しピン110,・・・のオーバーストロークを防止している。
【0060】緩衝連結体112が安全装置として機能し、苗押出しピン110,・・・に外力が加わった場合等にその力がこの緩衝連結体112に吸収されるので、後述するミッションの損傷を防止できる。また、この緩衝連結体112はケース外に設けられているので、調整や付け替えが容易である。
【0061】苗受渡し装置17は、共通の支持軸121a,122aに基部が支持された左右各一対のリンク121,121,122,122と、該一対のリンクの先端部に連結軸121b,121b,122b,122bによって連結されたブラケット123,123とで平行リンク装置を構成し、左右のブラケット123,123の間に架け渡して設けた保持枠124に苗ホルダ125が保持されている。苗ホルダ125には、苗310の床土部分310aが嵌合する凹部125a,・・・が形成されている。
【0062】この凹部125aは、背面視で上部が開放した円形をし、側壁面の後端部にリブ126,126が形成され、底面部には抵抗プレート127が設けられている。抵抗プレート127は、軸128に回動自在に取り付けられ、バネ129によって上向きに付勢されている。苗を凹部125aに押し込む時には苗のポット部がこの抵抗プレート127を押し下げる。苗が凹部125a内に完全に納まったならば、抵抗プレート127が凹部125aの底面よりも上に突出するので、苗が前方に抜けなくなる。
【0063】苗受渡し装置17の駆動機構は、下リンク122,122の支持軸122aに取り付けた揺動アーム131と前記第二駆動軸212に取り付けた駆動アーム132を緩衝ロッド133で連結し、駆動アーム132を一定方向に回転させて揺動アーム131を揺動させるように構成されている。緩衝ロッド133は揺動アーム側のロッド133aと駆動アーム側のロッド133bからなり、両者がバネ134を介して力を伝え合うようになっている。図240中の135,136はリンク132の上下回動範囲を規制するストッパである。
【0064】なお、平行リンク装置の駆動側リンクである下リンク122,122の支持軸122aは、前記苗押出し装置16のギヤケース105,105に支承されている。このようにすると、苗押出し装置16と苗受渡し装置17の位相のずれが少なくなり、作動精度が向上するとともに、部品数の低減化が図れる。
【0065】上記駆動機構の作用で左右各一対のリンク121,121,122,122が上下に揺動し、苗ホルダ125が図240における苗受取位置(E)と苗解放位置(F−G)の間を移動する。苗ホルダ125がF−Gの中間点にある時、リンク121,122の回動支点である支持軸121a,122aの直下に連結軸121b,122bが位置するようになっているので、苗ホルダ125がF−G間をほぼ水平に前方に移動することとなる。
【0066】苗落とし装置18は、L形アーム140に取り付けられた苗落とし具141を有する。この苗落とし具141は、先端が苗ホルダ125の凹部125a,・・・に挿入し得るように分岐しており、各先端分岐部は側面視で図20であらわされるよう屈曲し、苗床310aの底部を受ける苗抜き部141aと苗床310aの上側面に当接する苗叩き部141bが形成されている。
【0067】L形アーム140は支持軸143に回動自在に支持されている。そして、その近傍に苗落としカム144が設けられ、該カムの外周面に当接するカムローラ145がL形アーム140の適所に取り付けられている。L形アーム140はバネ146にカム144の方向に付勢されている。カム144は円周の一部分に凹部144aが形成された形状をしており、カムローラ145がその凹部144aに落ち込んだ時にだけ、バネ146の力で苗落とし具141が瞬間的に下動するようになっている。なお、カム144も前記第二駆動軸212に取り付けられている。
【0068】苗ホルダ125が苗受取位置(E)にある時、前記苗押出し装置16によって苗箱から苗が押し出され、その苗が苗ホルダ125の各凹部125a,・・・に押し込まれる。そして、苗を保持したまま苗ホルダ125が解放位置(F−G)まで回動する。苗ホルダ125がF点からG点に移動する時、苗落とし具141の苗抜き部141a,・・・が苗ホルダの凹部125a,・・・に挿入し、該凹部に保持されている苗が相対的に後方に抜き出される。前述の如く、苗ホルダ125はF−G間をほぼ水平に前方に移動するので、苗抜き部141a,・・・が凹部124a,・・・に直線的に挿入されることとなり、苗ホルダ125からの苗抜きが良好に行われる。さらに、苗ホルダ125がG点に到達すると、苗落とし具141が下動し、その苗叩き部141b,・・・が凹部125a,・・・から押し出された苗を苗搬送ベルト19,19の上に叩き落とす。
【0069】苗搬送ベルト19は隣接する2条(L,R)同士で1組となっており、これら一対の苗搬送ベルト19(L,R)は互いに左右対称形となっている。苗搬送ベルト19は一対のローラ150,151に張架されており、駆動ローラ150が所定方向に回転することにより、ベルトが常時矢印方向に移動するようになっている。苗受渡し装置17から受け渡される14個の苗は7個づつ左右の苗搬送ベルト19(L,R)の上面に載せられる。そして、その苗を苗搬送ベルト19(L,R)が外方に搬送し、植付装置10の苗取り位置T1 に順次苗を1個づつ供給する。また、苗取り位置T1 の下方には、植付装置10による植付時に苗を圃場面まで案内するためのガイドプレート153が設けられている。
【0070】植付装置10は、側面視円形のロータリケース160と、該ロータリケースに設けた一対のへら状の植込杆161,161とを備えてなる。ロータリケース160の内部構造は図28および図29に示すようになっている。図において、163は伝動ケース8の後端部に支承された植付装置取付軸で、該植付装置取付軸の先端部にキー164によって固定メタル165が嵌着され、さらに該固定メタルにロータリケースハウジング166が固定されている。したがって、ロータリケース160は植付装置取付軸163と一体に回転する。植付装置取付軸163の周囲には、環状のガイド溝168aを有する植付杆作動カム168が嵌合している。このカム168は、軸受169によってハウジング166に対して回転自在であるとともに、伝動ケース10に固着した固定プレート170に爪168bによって一体化されている。カム168のガイド溝168aには一対のローラ172,172が嵌合している。これらローラ172は、支持軸173の周囲に回転自在に嵌合するアーム174に取り付けられている。また、アーム174にはギヤ175が形成されており、該ギヤ174は植付杆取付軸177に取り付けたギヤ178が噛合している。植込杆161は植込杆取付軸177にコッタピン179で固定状態に取り付けられている。
【0071】植付装置取付軸163が所定方向に回転すると、これと一体になったロータリケース160も回転し、植込杆161が閉軌跡T(図27参照)を描きながら移動する。その際、ローラ172,172が植込杆作動カム168のガイド溝168aに沿って移動することによりアーム174が揺動し、その揺動がギヤ175,178を介して植込杆取付軸177に伝えられる。このため、植込杆161は移動中、微妙にその角度を変化させる。すなわち、苗取り位置T1 を通過する時は水平状態となっており、苗搬送ベルト19によって苗取り位置T1 に供給された苗310と平行になる。そして、ロータリケース160に対してそのままの姿勢を保ったまま下に回動し、ガイドプレート153の中を通して苗を植付位置T2 に導く。植付後、植込杆161がロータリケース160に対し相対的に前方に回動するよう姿勢を変化させることにより、絶対的には植込杆160が真上に引き抜かれる如く動作するので、植込杆160と苗の分離が無理なく行われ、植え付けた苗310の姿勢が乱れない。
【0072】伝動ケース8は、図3に図示されているように、並列に配した3個のミッションケース180,・・・、これらミッションケースの間隔部および外端部に継ぎ足した4個の継足ケース181,・・・、各継足ケースの背面部に固着連結した4個のチエンケース182,・・・の各パーツを組み合わせてなる。ミッションケース180,・・・の後部は左右に突出する筒状になっており、その筒状部180b,180bで継足ケース181,・・・に固着連結されている。中央のミッションケース180(C)には入力部183が一体に形成されている。また、中央のミッションケース180(C)の前端部には植付部装着装置5に連結するローリング軸184が回動自在に支承されており、植付部3全体が本機2に対してローリング可能に支持されている。そして、中央2個のチエンケース182(2,3)の後端部両側と左右両端のチエンケース(1,4)の後端部内側に1個づつ計6個の植付装置10,・・・が設けられている。
【0073】次いで、伝動ケース8の内部構造について説明する(図30参照)。なお、図30は展開断面図であり、各部の向きおよび位置関係等は実際とは異なっている。
【0074】本機2のPTO出力が入力部183内の入力軸185に入力され、該入力軸からミッションケース180,・・・の筒状部180b,・・・と継足ケース181,・・・内に支承された第一駆動軸186へ一対のベベルギヤ190,191によって伝動される。この伝動部は安全クラッチとして構成されている。すなわち、ギヤ190は入力軸185に回転自在に嵌合しており、入力軸185とギヤ190はクラッチ体192を介して伝動結合されている。このクラッチ体192は入力軸185に対して摺動自在で、スプリング193によってクラッチ体192をギヤ190側に押圧することにより両者の伝動爪190a,192aが咬み合うようになっている。このため、負荷が一定以上になると、スプリング193の押圧力に抗してクラッチ体192がギヤ190から外れ、伝動が停止される。スプリング193を受けている筒体195をクラッチ体192から離れる方向にシフタ196でずらすと、負荷の大きさに関係なく伝動が停止される。
【0075】第一駆動軸186には、前記ベベルギヤ191の他に、各植付装置駆動用スプロケットホイール200,・・・と、各苗搬送ベルト駆動用ベベルギヤ201,・・・と、ミッションケース本体部180a,・・・内の各軸へ伝動するためのギヤ202,・・・とが取り付けられている。なお、第一駆動軸186は2条分単位に分割された3本の軸186(L,C,R)からなり、これら各軸を中央2個のスプロケットホイール200,200で接続した構造となっている。
【0076】スプロケットホイール200,・・・と前記植付装置取付軸163,・・・に取り付けたスプロケットホイール204,・・・との間にチエン205,・・・が張設されており、第一駆動軸186の回転動力が各植付装置10,・・・に常時伝えられる。
【0077】ベベルギヤ201,・・・には苗搬送ベルト駆動ローラ軸207,・・・に取り付けたベベルギヤ208,・・・が噛合しており、第一駆動軸186から苗搬送ベルト駆動ローラ軸207,・・・へ直接伝動される。
【0078】ミッションケース180は植付部3の各部を駆動する駆動軸を備えた植付部駆動ケースであって、このミッションケース180内には、第一駆動軸186と平行に、カウンタ軸211、第二駆動軸212、および第三駆動軸213が設けられている。そして、第二駆動軸212の左右両端部に前記苗押出し駆動アーム110と苗受渡し駆動アーム132がそれぞれ別個に取り付けられているとともに、ケースの外側面近傍に苗落としカム144が取り付けられている。また、第三駆動軸213には先端部を前記苗送りロッド58に連結させた苗送り駆動アーム58aが取り付けられている。
【0079】第一駆動軸186からカウンタ軸211を経由して第二駆動軸212へ、2組のギヤ202,215および216,217によって減速して伝動される。また、第二駆動軸212から第三駆動軸213へはカム駆動で伝動され、第三駆動軸213は間欠駆動される。219は第二駆動軸212に取り付けたカム、220は第三駆動軸213に取り付けたアーム221に支承されているカムローラである。
【0080】ギヤ217と第二駆動軸212の伝動部には次のように構成された畦クラッチ230が設けられている。前記ギヤ217は第二駆動軸212に回転自在に嵌合し、またこれに対向してクラッチ体231を第二駆動軸212に回転不能かつ摺動自在に嵌合させ、ギヤ217の爪217aとクラッチ体231の爪231aを噛み合わせて伝動するようになっている。クラッチ体231はスプリング232でギヤ217側に付勢されているので、常時はクラッチ入の状態になっている。クラッチ体231のテーパ面231bにクラッチピン233を押し当てると、両者の爪217a,231aが外れて、クラッチ切となる。その際、クラッチ体231が所定の角度になった時点でクラッチが切れるよう設定されている。したがって、植付部3の各部は2条単位でクラッチを入り切りするようになっており、クラッチを切った場合これら各部が定位置で停止される。
【0081】植付部3の下側には、整地用のフロートとして、左右中心部に位置するセンターフロート250(C)と、本機2の後輪の後方に位置するサイドフロート250(L,R)とが設けられている。各フロート250(L,C,R)は前部が広く後部は狭い形状をしており、後部の左右両側部に苗移植用の溝を成形する作溝器251,・・・が取り付けられている。フロート250(L,C,R)は、伝動ケース8に上下に回動自在に設けたフロート支持杆(図示省略)の後端部に支持ピン(図示省略)で枢着されているとともに、前部が拡縮リンク255によって吊られており、水田面の凹凸に応じて前部が上下動するようになっている。
【0082】センターフロート250(C)は水田面高さを検出するセンサであり、該センターフロートの上下動に基づいて前記油圧シリンダ6制御用の油圧バルブ257のスプールが切り替わり、植付部3が水田面に対して一定高さになるよう制御する。このため、苗の植付深さを常に一定に保たれる。前記フロート支持杆を回動させて各フロートの支持高さを変えることにより、苗の植付深さを調節することができる。
【0083】施肥装置4は、肥料を貯蔵するホッパ状の肥料貯蔵部260と、該肥料保持部内の肥料を下方に繰り出す繰出器261と、該繰出器から繰り出された肥料を苗植付用の溝に導く肥料導管262と、前記作溝器251の内側に設けた肥料吐出部263とを備えている。
【0084】植付作業を始めるに際しては、苗箱搬送部14に苗箱300を装填するとともに、苗箱案内部12に複数個の苗箱300,・・・をハンガー280,・・・によって吊り下げ状態にセットする。そして、植付部3を図10示す作業位置まで下降させ、植付部3および施肥装置4が駆動させながら本機2を発進させると、進行にともなって圃場面に形成される苗植付用の溝に肥料が供給されるとともに、その直後に苗が植え付けられる。
【0085】以上に説明したようにこの移植機は、前記苗箱搬送部14をその上方から苗箱が供給される構成とし、苗箱の上端部を保持して吊り下げた状態で前記苗箱搬送部14の上方に移動可能とした苗箱供給部12を設けたものなので、新たに苗箱を苗箱搬送部14に供給するとき、苗箱供給部12において苗箱の上端部が保持されて吊り下げられている苗箱を、前記苗箱搬送部14の上方に移動して苗箱の上端部の保持を解き下降させれば、苗箱搬送部14に苗箱が供給されることになって、機体構成上、苗箱搬送部14から離れたところに苗箱を支持することになっても、従来よりも更に迅速に又容易に苗箱供給作業が行え、能率良く苗の植付作業が行える。
【0086】また、前記苗箱供給部12を複数の苗箱を吊り下げ可能に設けたものなので、前記苗箱供給部12に吊り下げた複数の苗箱のそれぞれを、前記苗箱搬送部14の上方に移動して苗箱の上端部の保持を解き下降させ、苗箱搬送部14に供給できて、上下に複数重ねるように苗箱を支持する従来の構成と比べて、複数の苗箱を低く配置でき、よって、重心が低く安定走行ができるものとなる。
【0087】また、前記苗箱供給部12に吊り下げた苗箱を自動的に前記苗箱搬送部14の上方に移動する構成としたものなので、苗箱供給作業の迅速化、容易化が更に一層図れ、能率良く苗の植付作業が行える。
【0088】また、前記苗箱供給部12に吊り下げた苗箱を前記苗箱搬送部14に自動的に供給する構成としたものなので、苗箱供給作業の自動化が図れ、能率良く苗の植付作業が行える。
【0089】更に、前記苗箱搬送部14で搬送中の苗箱が設定位置まで搬送されると前記苗箱供給部12から前記苗箱搬送部14に苗箱が供給される構成としたものなので、苗箱供給部12から苗箱搬送部14に苗箱が適正な状態で自動供給されて、自動苗箱供給の動作が適確に継続し、能率良く苗の植付作業が行える。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成5年7月19日(1993.7.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−350508(P2000−350508A)
【公開日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【出願番号】 特願2000−139998(P2000−139998)