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【発明の名称】 田植機
【発明者】 【氏名】青木 荘吾

【要約】 【課題】田植機の小型化、軽量化を図ること。

【解決手段】本発明では、走行機体(2) の後部に植付機(3) を昇降可能に配設し、走行機体(2) は、エンジンにミッションケース(21)を連動連結し、同ミッションケース(21)にリヤアクスルケース(27)を連動連結し、同リヤアクスルケース(27)に左右一対の後車輪(28,29) を連動連結してなる田植機において、リヤアクスルケース(27)は、ミッションケース(21)に左右一対の中空状の連結体(32,33) を連設し、各連結体(32,33) の内部に連動軸(37,38) を回動自在に収容し、同連動軸(37,38) によってミッションケース(21)と後車輪(28,29) とを連動連結すべく構成することとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体(2) の後部に植付機(3) を昇降可能に配設し、走行機体(2) は、エンジンにミッションケース(21)を連動連結し、同ミッションケース(21)にリヤアクスルケース(27)を連動連結し、同リヤアクスルケース(27)に左右一対の後車輪(28,29) を連動連結してなる田植機において、リヤアクスルケース(27)は、ミッションケース(21)に左右一対の中空状の連結体(32,33) を連設し、各連結体(32,33) の内部に連動軸(37,38) を回動自在に収容し、同連動軸(37,38) によってミッションケース(21)と後車輪(28,29) とを連動連結すべく構成したことを特徴とする田植機。
【請求項2】 ミッションケース(21)に左右一対の連結体(32,33) を左右幅方向に間隔を開けた状態でそれぞれ連設したことを特徴とする請求項1記載の田植機。
【請求項3】 ミッションケース(21)に左右一対の連結体(32,33) の前端部をそれぞれ連設するとともに、同連結体(32,33) の後端部の間に、後車輪(28,29) を支持するための後車輪支持体(34)を架設したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の田植機。
【請求項4】 機体フレーム(5) にミッションケース(21)を連結するとともに、機体フレーム(5) の後端部と連結体(32,33) の後端部との間に後部フレーム(18)を連設して、機体フレーム(5) と連結体(32,33) と後部フレーム(18)とによって側面視で略三角形状のトラス構造部(20)を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の田植機は、自走可能な走行機体の後部に植付機を昇降可能に配設していた。
【0003】そして、走行機体は、機体フレームの上部にエンジンを配設する一方、同エンジンにミッションケースを連動連設し、同ミッションケースの後部にリヤアクスルケースの基端部を機体後方へ向けた状態で連動連設し、同リヤアクスルケースの後端部に左右一対の後車輪を連動連結していた。
【0004】リヤアクスルケースは、アルミダイキャスト製の左右一対のケーシングから構成し、しかも、走行機体の左右中央部に配置していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の田植機にあっては、リヤアクスルケースの構造が複雑なものとなっており、部品点数が多く、組立作業に時間を要し、また、重量が重くなってしまうおそれがあった。
【0006】また、走行機体の左右中央部にリヤアクスルケースが位置していたため、走行機体と植付機とを連動連結する植付連動機構や、昇降機構を構成する昇降シリンダー等とリヤアクスルケースとが干渉しないようにしなければならず、植付連動機構や昇降シリンダー等の配置の自由度が低く、田植機のコンパクト化が図れないおそれがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、ミッションケースに左右一対の中空状の連結体を連設し、各連結体の内部に連動軸を回動自在に収容し、同連動軸によってミッションケースと後車輪とを連動連結するようにリヤアクスルケースを構成することとした。
【0008】また、ミッションケースに左右一対の連結体を左右幅方向に間隔を開けた状態でそれぞれ連設することとした。
【0009】また、ミッションケースに左右一対の連結体の前端部をそれぞれ連設するとともに、同連結体の後端部の間に、後車輪を支持するための後車輪支持体を架設することとした。
【0010】また、機体フレームにミッションケースを連結するとともに、機体フレームの後端部と連結体の後端部との間に後部フレームを連設して、機体フレームと連結体と後部フレームとによって側面視で略三角形状のトラス構造部を形成することとした。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る田植機は、走行機体の後部に植付機を昇降可能に配設し、走行機体は、エンジンにミッションケースを連動連結し、同ミッションケースにリヤアクスルケースを連動連結し、同リヤアクスルケースに左右一対の後車輪を連動連結したものである。
【0012】しかも、ミッションケースに左右一対の中空状の連結体を連設し、各連結体の内部に連動軸を回動自在に収容し、同連動軸によってミッションケースと後車輪とを連動連結するようにリヤアクスルケースを構成したものである。
【0013】そのため、リヤアクスルケースの構造を簡単なものとして、組立作業性を向上させることができるものである。
【0014】また、中空状の連結体を用いているため、部品コストを低減することができるとともに、軽量化を図ることができ、また、リヤアクスルケースの最低地上高を高くすることができ、走行時にリヤアクスルケースに障害物が衝突することが少なくなり、リヤアクスルケースの破損を防止することができるものである。
【0015】特に、ミッションケースに左右一対の連結体を左右幅方向に間隔を開けた状態でそれぞれ連設することにより、左右の連結体の間に、走行機体と植付機とを連動連結するための植付連動機構や、昇降機構を構成する昇降シリンダー等を配設することができ、植付連動機構や昇降シリンダー等の配置の自由度が高くなり、田植機のコンパクト化を図ることができるものである。
【0016】しかも、ミッションケースに左右一対の連結体の前端部をそれぞれ連設するとともに、同連結体の後端部の間に、後車輪を支持するための後車輪支持体を架設することにより、リヤアクスルケースの剛性を高くすることができ、リヤアクスルケースの長寿命化を図ることができるものである。
【0017】更には、機体フレームにミッションケースを連結するとともに、機体フレームの後端部と連結体の後端部との間に後部フレームを連設して、機体フレームと連結体と後部フレームとによって側面視で略三角形状のトラス構造部を形成することにより、走行機体の剛性を高めることができるものである。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0019】本発明に係る田植機1は、図1に示すように、自走可能に構成した走行機体2の後部に植付機3を昇降機構4を介して昇降可能に連設している。
【0020】走行機体2は、図1に示すように、機体フレーム5の下部に走行部6を配設する一方、機体フレーム5の前側上部に原動機部7を配設し、同原動機部7の後方位置に運転操作部8を配設している。
【0021】機体フレーム5は、図1〜図3に示すように、前後方向に向けて伸延させるとともに後部を上方へ向けて折曲した左右一対のメイン体9,10と、同メイン体9,10の前端部間に架設した前部体11とから平面視で略コ字状に形成している。図中、12は左右のメイン体9,10の前部間に架設した接続体、13はエンジン載置台、14は正面視門型状の座席支持体である。
【0022】また、機体フレーム5は、図1〜図3に示すように、メイン体9,10 の後端部に、前高後低の傾斜状に伸延させた左右部体15,16 と、同左右部体15,16 の上端部間に架設した後部体17とから背面視で略門型に形成した後部フレーム18を連設している。19は左右部体15,16 の間に架設した接続体である。
【0023】原動機部7は、図1〜図3に示すように、機体フレーム5のエンジン載置台13の上部に原動機としてのエンジン(図示省略)を配設する一方、機体フレーム5の中途下部に変速機としてのミッションケース21を配設し、エンジンとミッションケース21とを連動連結している。図中、22はボンネットである。
【0024】走行部6は、図1〜図3に示すように、ミッションケース21の左右側部に左右一対の前車輪23,24 をフロントアクスルケース25,26 を介して連動連結している。
【0025】また、走行部6は、図1〜図3に示すように、ミッションケース21にリヤアクスルケース27を連動連設し、同リヤアクスルケース27の後端部に左右一対の後車輪28,29 をそれぞれ連動連結している。図中、30,31 は後車軸である。
【0026】リヤアクスルケース27は、図1〜図3に示すように、ミッションケース21の左右側部に左右一対の中空状の連結体32,33 の前端部を左右幅方向に間隔を開けた状態で、かつ、機体後方へ向けて伸延させた状態でそれぞれ連設し、同連結体32,33 の後端部間に後車輪支持体34を左右幅方向に伸延させた状態で架設し、同後車輪支持体34の左右端上部に左右部体15,16 の下端部を取付けて、機体フレーム5のメイン体9,10と連結体32,33 と後部フレーム18の左右部体15,16 とによって側面視で略三角形状のトラス構造部20を形成している。図中、35,36 は接続体である。
【0027】また、リヤアクスルケース27は、連結体32,33 の内部に連動軸37,38 を回動自在にそれぞれ収容する一方、後車輪支持体34の左右端部で左右一対の後車軸30,31 を回動自在に支持しており、ミッションケース21の左右側部から機体外側方へ向けて突出したミッション出力軸41,42 に連動軸37,38 の前端部を連動連結し、同連動軸37,38 の後端部に後車軸30,31 の基端部を連動連結し、同後車軸30,31の先端部に左右の後車輪28,29 を取付けて、エンジンの動力を後車輪28,29 へと伝達するようにしている。
【0028】このように、本実施例では、ミッションケース21に左右一対の中空状の連結体32,33 を連設し、各連結体32,33 の内部に連動軸37,38 を回動自在に収容し、同連動軸37,38 によってミッションケース21と後車輪28,29 とを連動連結しているため、リヤアクスルケース27の構造を簡単なものとして、組立作業性を向上させることができる。
【0029】しかも、中空状の連結体32,33 を用いているため、部品コストを低減することができるとともに、軽量化を図ることができ、また、リヤアクスルケース27の最低地上高を高くすることができ、走行時にリヤアクスルケースに障害物が衝突することが少なくなり、リヤアクスルケース27の破損を防止することができる。
【0030】また、本実施例では、ミッションケース21に左右一対の連結体32,33 を左右幅方向に間隔を開けた状態でそれぞれ連設しているため、左右の連結体32,33 の間に、後述するような走行機体2と植付機3とを連動連結するための植付連動機構43や、昇降機構4を構成する昇降シリンダー44或いは施肥装置等を配設することができ、植付連動機構43や昇降シリンダー44等の配置の自由度が高くなり、田植機1のコンパクト化を図ることができる。
【0031】さらに、本実施例では、ミッションケース21に左右一対の連結体32,33 の前端部をそれぞれ連設するとともに、同連結体32,33 の後端部の間に、後車輪28,29を支持するための後車輪支持体34を架設しているため、リヤアクスルケース27の剛性を高くすることができ、リヤアクスルケース27の故障を防止して長寿命化を図ることができる。
【0032】また、本実施例では、機体フレーム5にミッションケース21を連結するとともに、機体フレーム5の後端部と連結体32,33 の後端部との間に後部フレーム18を連設して、機体フレーム5と連結体32,33 と後部フレーム18とによって側面視で略三角形状のトラス構造部20を形成しているため、走行機体2の剛性を高めることができる。
【0033】運転操作部8は、図1に示すように、ボンネット22の頂部にステアリングホイール45を回動自在に配設し、同ステアリングホイール45の直後方位置に座席46を配設し、同座席46の左右側方位置に変速レバーや昇降レバー等の各種操作部材(図示省略)を配設している。図中、47はケーシング体である。
【0034】昇降機構4は、図1に示すように、後述する植付機3に設けた支持体48の左右基端部と機体フレーム5の左右部体15,16 の中途部との間に左右一対の下側支持桿49,49 をそれぞれ上下回動自在に取付ける一方、支持体48の中途部と左右部体15,16 の上部との間に左右一対の上側支持桿50,50 をそれぞれ上下回動自在に取付けて、上側支持桿50,50 と下側支持桿49,49 とで平行リンクを構成し、更には、下側支持桿49,49 の前端部にクランク桿51,51 の基端部を連設し、同クランク桿51,51 の先端部とメイン体9,10間に架設した接続体(図示省略)との間に油圧式の昇降シリンダー44を配設し、同昇降シリンダー44の先端部にクランク桿51,51 の先端部を連動連結している。
【0035】そして、昇降シリンダー44を伸張させることにより、植付機3を降下させ、一方、昇降シリンダー44を短縮させることにより、植付機3を上昇させるようにしている。
【0036】植付機3は、図1〜図3に示すように、昇降機構4の後部に支持体48を連結し、同支持体48の下部に植付フレーム52を取付け、同植付フレーム52の上部に苗載台53を前高後低の傾斜状に載設している。図中、54はフロートである。
【0037】植付フレーム52は、図1〜図3に示すように、左右幅方向に伸延させた円筒状の前側支持体55と、同前側支持体55の左右端部に、後端部を後方に向けて伸延させた左右一対の円筒状の左右側支持体56,57 とから平面視で略門型に形成している。
【0038】また、植付フレーム52は、左右側支持体56,57 の後端部に左右一対の植付機構58,59 をそれぞれ取付けており、走行機体2の原動機部7と植付機構58,59 とを植付連動機構43を介して連動連結している。図中、60,61 はブラケット、62,63は左右側支持体56,57 の後端部に左右幅方向に伸延させた状態でそれぞれ連設した後端部体である。
【0039】植付連動機構43は、ミッションケース21の後側上部に駆動軸64を後方に向けて連動連結し、同駆動軸64にPTO軸65の前端部を連動連結し、同PTO軸65の後端部に植付フレーム52の内部に収容した連動軸(図示省略)を連動連結して、エンジンの動力をミッションケース21、駆動軸64、PTO軸65を介して連動軸へ伝達し、更には、連動軸から植付機構58,58,59,59 へと伝達して、4個の植付機構58,58,59,59 によって苗載台53の上部に載置した苗を4条同時に田面に植え付けるようにしている。
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0041】(1)本発明では、ミッションケースに左右一対の中空状の連結体を連設し、各連結体の内部に連動軸を回動自在に収容し、同連動軸によってミッションケースと後車輪とを連動連結するようにリヤアクスルケースを構成することにより、リヤアクスルケースの構造を簡単なものとして、組立作業性を向上させることができる。
【0042】また、中空状の連結体を用いているため、部品コストを低減することができるとともに、軽量化を図ることができ、また、リヤアクスルケースの最低地上高を高くすることができ、走行時にリヤアクスルケースに障害物が衝突することが少なくなり、リヤアクスルケースの破損を防止することができる。
【0043】(2)本発明では、ミッションケースに左右一対の連結体を左右幅方向に間隔を開けた状態でそれぞれ連設しているため、左右の連結体の間に、走行機体と植付機とを連動連結するための植付連動機構や、昇降機構を構成する昇降シリンダー等を配設することができ、植付連動機構や昇降シリンダー等の配置の自由度が高くなり、田植機のコンパクト化を図ることができる。
【0044】(3)本発明では、ミッションケースに左右一対の連結体の前端部をそれぞれ連設するとともに、同連結体の後端部の間に、後車輪を支持するための後車輪支持体を架設しているため、リヤアクスルケースの剛性を高くすることができ、リヤアクスルケースの長寿命化を図ることができる。
【0045】(4)本発明では、機体フレームにミッションケースを連結するとともに、機体フレームの後端部と連結体の後端部との間に後部フレームを連設して、機体フレームと連結体と後部フレームとによって側面視で略三角形状のトラス構造部を形成しているため、走行機体の剛性を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年6月7日(1999.6.7)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開2000−342027(P2000−342027A)
【公開日】 平成12年12月12日(2000.12.12)
【出願番号】 特願平11−160036