| 【発明の名称】 |
苗移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹山 智洋
【氏名】和田 俊郎
【氏名】伊藤 尚勝
|
| 【要約】 |
【課題】苗植付爪の条間調節によって爪の土中突入量が変化しても、これに適正に対応させた覆土輪の条間調節を可能とさせる。
【解決手段】単一の苗トレイ(22)から複数の苗取出爪(23)により取出した苗(N)を、左右方向に傾斜した植付軌跡で上下運動させる複数の苗植付爪(25)に受継いで同時多条の苗植付けを行う苗移植機において、複数の苗植付爪(25)の左右間隔巾を調節自在に設けると共に、複数の覆土輪(20a)(20b)の左右間隔巾を調節自在に設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 単一の苗トレイから複数の苗取出爪により取出した苗を、左右方向に傾斜した植付軌跡で上下運動させる複数の苗植付爪に受継いで同時多条の苗植付けを行う苗移植機において、複数の苗植付爪の左右間隔巾を調節自在に設けると共に、複数の覆土輪の左右間隔巾を調節自在に設けたことを特徴とする苗移植機。 【請求項2】 覆土輪を取付ける覆土輪軸を、本機側の支持部材の傾斜取付面に位置調節自在に固定させたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。 【請求項3】 覆土輪を傾斜覆土輪軸に支持すると共に、該傾斜覆土輪軸の取付長さを変更自在に本機側の支持部材に固定させたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は苗トレイから比較的植付条間隔の狭い玉ネギなど野菜苗を取出して圃場に植付ける苗移植機に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】従来、1つの苗トレイより左右2つの苗取出爪により同時に2株分の苗を取出し、左右2つの苗植付爪に受継いで同時2条の植付けを行うようにした手段があるが、苗トレイに対応させる左右苗取出爪の左右間隔巾と、植付条間に対応する左右苗植付爪の左右間隔巾とは異なる(例えば苗取出爪の間隔巾142mmに対し苗植付爪の植付間隔巾略200mm)ため、左右苗植付爪の駆動機構を傾けて左右苗植付爪の苗受継ぎ(最上動)位置にあっては間隔巾を小、苗植付位置(最下動)位置にあっては間隔巾を大とさせて、適正植付条間を保持させている。 【0003】このような植付爪の植付軌跡が傾いた状態で、苗植付爪の支持長さを変更させて例えば植付条間20cm或いは24cmの何れにも対応させる場合には、条間の変更によって植付爪の土中突入両(植深)も変化する。またこのような苗植付爪の左右間隔巾の変更時には、この後方の左右覆土輪の左右間隔巾も同時に変更する必要があるが、通常覆土輪の取付高さは左右間隔巾の変更に関係なく一定のため、苗植付爪の左右間隔巾の変更によって苗の植付深さが変化したときには、苗の植付深さに適正に対応させた覆土が行われないという不都合がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】したがって本発明は、単一の苗トレイから複数の苗取出爪により取出した苗を、左右方向に傾斜した植付軌跡で上下運動させる複数の苗植付爪に受継いで同時多条の苗植付けを行う苗移植機において、複数の苗植付爪の左右間隔巾を調節自在に設けると共に、複数の覆土輪の左右間隔巾を調節自在に設けて、例えば植付条間の20cm或いは24cmなど異なる複数の条間に容易に対応可能とさせて、この多条用苗移植機の対応性を拡大させるものである。 【0005】また、覆土輪を取付ける覆土輪軸を、本機側の支持部材の傾斜取付面に位置調節自在に固定させて、苗植付爪の左右間隔巾の調節によって、苗植付爪の土中突入量(植深)が変化するときには、傾斜取付面に沿う覆土輪の左右間隔巾の調節によって、その変化分覆土輪の取付高さも変化させて、苗植付爪との間の差を0に補正して、苗の植付深さに常に適正に対応させた覆土を行うものである。 【0006】さらに、覆土輪を傾斜覆土輪軸に支持すると共に、該傾斜覆土輪軸の取付長さを変更自在に本機側の支持部材に固定させて、苗植付爪の左右間隔巾の調節によって、苗植付爪の土中突入量(植深)が変化するときには、取付長さの異なる傾斜覆土輪軸の交換によって、その変化分覆土輪の取付高さも変化させて、苗植付爪との間の差を0に補正して、苗の植付深さに常に適正に対応させた覆土を行うものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は移植機の全体側面図、図2は同全体平面図であり、図中(1)はエンジン(2)を搭載する移動機体、(3)は前後スライドフレーム(4)(5)に機体(1)を左右スライド自在に支持する固定フレーム、(6)はスライドアーム(7)を介して機体(1)をスライド動作させる油圧式スライドシリンダ、(8)はミッションケース(9)からの駆動横軸(10)に左右伝動ケース(11)を介し上下揺動自在に支持する左右の後車輪、(12)は前記固定フレーム(3)の前端側にアクスルフレーム(13)を介し上下揺動自在に支持する左右の前車輪、(14)は固定フレーム(3)後端側のスイング軸(15)を介し前後車輪(12)(8)を上下揺動させる油圧式スイングシリンダ、(16)は機体(1)の後方にシャーシフレーム(17)を介し装設する苗供給装置、(18)は左右の後車輪(8)間で装設してミッションケース(9)に植付伝動ケース(19)を介して連結させる苗植付装置、(20a)(20b)は畝面(M)を鎮圧する左右1対の鎮圧ローラである覆土輪であり、前記苗供給装置(16)の左右往復移動する苗載台(21)上の苗トレイ(22)より1株分のポット苗(N)を箸形苗取出爪(23)でもって取出し、この取出されたポット苗(N)を前記苗植付装置(18)のマルチカッタ(24)と連動して上下動するホッパ開孔形苗植付爪(25)に放出供給して、操向ハンドル(26)操作による機体(1)の走行中畝面(M)に一定間隔毎のポット苗(N)の植付け(移植)を行うように構成すると共に、機体(1)の左右スライド調節によって植付条位置の変更などを行うように構成している。 【0008】また、(27)は前記スイングシリンダ(14)を動作させて機体(1)を昇降操作する昇降レバー、(28)は植付クラッチの入切を行う植付クラッチレバー、(29)は走行速度を変速する主変速レバー、(30)は機体(1)を左右方向に位置調節するスライド調節レバー、(31)は左右後車輪(8)の駆動を停止させて機体(1)を旋回操作する左右サイドクラッチレバーである。 【0009】図3乃至図8に示す如く、前記苗取出爪(23)及び苗植付爪(25)は、1つの苗載台(21)の苗トレイ(22)に対し一定の間隔を有して左右に各2つ並設させ、同位相駆動して1つの苗トレイ(22)から2条分の苗取りを行うと共に、同時2条の植付けを行うもので、前記シャーシフレーム(17)側に連結する左右ケースブラケット(32)(32)にロータリ入力軸(33)・ロータリケース(34)・クランクアーム(35)・取出アーム(36)をそれぞれ介し2つの苗取出爪(23)(23)を左右対称に配設させ、ミッションケース(9)に入力軸(37)を連動連結する植付クラッチケース(38)の出力軸(39)(40)端に、左右のロータリ入力軸(33)(33)をチェン(41)を介しそれぞれ連結させ、植付クラッチケース(38)の植付クラッチ(38a)の入時に左右2つの苗取出爪(23)(23)を同位相で駆動して、1つの苗トレイ(22)より2条分のポット苗(N)の同時取出しを行って、取出し後植付爪(25)との受継ぎ位置まで下向きに移動させるように構成している。 【0010】また、前記苗植付爪(25)は、ミッションケース(9)に植付入力軸(42)を連動連結する単一の伝動ケース(19)の出力軸(43)両端にロータリケース(44)・クランクアーム(45)・植付アーム(46)をそれぞれ介して左右の苗植付爪(25)を左右対称に取付けるもので、前記出力軸(43)回りにロータリケース(44)を回転させ、クランクアーム(45)を介して昇降ガイドレール(47)に沿って植付アーム(46)を前後揺動させ乍ら昇降させ、植付爪(25)を楕円形状の植付け軌跡(L)で上下運動させると共に、開閉自在に分割された半円錐形状の2つの爪体(25a)(25b)によって植付爪(25)を形成し、ロータリケース(44)の1回転中において植付爪(25)が上昇したとき、前記取出爪(23)から苗(N)を受取り、植付爪(25)が下降したときクランクアーム(45)のカム(48)と植付アーム(46)のロッド(49)とのカム作用によって、各爪体(25a)(25b)を前後に開動させて畝面(M)に開孔を形成させ、各爪体(25a)(25b)内部の苗(N)を畝面(M)の開孔に落下させるように構成している。 【0011】さらに前記苗載台(21)は、シャーシフレーム(17)に固設する左右サイドフレーム(50)間のガイドレール(51)と横送り駆動軸(52)に左右往復動自在に支持させると共に、苗載台(21)に縦送り駆動軸(53)を介し支持する駆動スプロケット(54)と、遊転軸(55)を介し支持する遊転スプロケット(56)間に張架する縦送りチェン(57)の所定間隔毎の縦送りピン(57a)を苗トレイ(22)のセル(22a)底部間に掛合させて、苗載台(21)が左右移動終端に到達したとき縦送り軸(58)の縦送りカム(59)を介して苗トレイ(22)を1ピッチ分縦送りするように構成している。 【0012】図8、図9にも示す如く、左右2つの苗植付爪(25)(25)と、これら左右2つの爪(25)(25)をそれぞれ駆動するロータリケース(44)・クランクアーム(45)・植付アーム(46)など左右苗植付装置(18a)(18b)を正面及び背面視で左右方向に左右対称に傾斜させるもので、前記クランクアーム(45)の取付軸(60)に遊星ギヤ(61)・中間ギヤ(62)を介し連結させるロータリケース(44)の太陽ギヤ(63)を、伝動ケース(19)の左右フランジ体(64)(65)に着脱自在に傾斜させて固定させ、安全クラッチ(66)を有して伝動ケース(19)に略水平に支持する伝動ケース(19)の出力軸(43)両端に、ボール式自在継手(67)を介してロータリケース(44)の取付軸(68)を傾斜姿勢で固定させ、伝動ケース(19)の左右両側に太陽ギヤ(63)及び取付軸(68)を介し左右苗植付装置(18a)(18b)を正面及び背面視で上部間隔巾を小、また下部間隔巾を大とさせるように一定角度(θ)(θ≒6°)傾けて連結するように構成している。 【0013】そして、例えば200(横10×縦20)穴或いは288(横12×縦24)穴の苗トレイ(22)の取出穴ピッチ(横10のとき5、横12のとき6穴のピッチ)に、左右2つの苗取出爪(23)中心間の距離となる爪ピッチ(T)を一致させ、左右の苗植付爪(25)の最上動時には左右の苗植付爪(25)の間隔巾を爪ピッチ(T)に近づけて、苗取出爪(23)から苗植付爪(25)に対する苗(N)の受渡しを確実なものとさせると共に、左右の苗植付爪(25)の植付位置となる爪最下動時には植付条間(W1)(W1=24cm)まで左右の苗植付爪(25)の間隔巾を拡げて、適正条間で苗(N)を植付けるように構成している。 【0014】図5にも示す如く、エンジン(2)の出力プーリ(69)にベルト(70)を介して連結させる入力プーリ(71)と、植付クラッチケース(38)などにエンジン(2)駆動力を伝える苗出力プーリ(72)とを、ミッションケース(3)の入力軸(73)に支持させると共に、ミッションケース(3)の左右走行出力軸(10)(10)にチェン(74)(74)を介して左右車輪(75)(75)を連結させ、左右後車輪(8)(8)を駆動するように構成している。 【0015】また、前記苗出力プーリ(72)を有する入力軸(73)に無段変速ベルト(76)を介し苗取変速プーリ軸(77)を連動連結させると共に、該プーリ軸(77)にチェン(78)を介し植付クラッチケース(38)の入力軸(37)を連動連結させて、エンジン出力を苗供給装置(16)に伝達するように構成している。 【0016】而して図2に示す如く、広巾畝において機体(1)を最左側位置とさせる移植作業においては、1行程の植付作業で同時2条の植付けを行い、この植付け作業終了後機体を旋回させ2行程目の同時2条の植付けを行うことによって1畝面(M)上に4条分の苗の植付けが行われ、さらに機体(1)をスライドさせ既植の左右の各2条間に植付けを行うことによって1畝面(M)上に6条或いは8条など多条の植付けも可能とさせることができる。 【0017】また、同時2条の植付けによって苗載台(21)の横送り量を小とさせて苗供給装置(16)の全巾を縮小させることができると共に、植付けた苗(N)の条間(W1)を常に一定に揃えることができ、また広巾畝においても機体(1)を最左側位置とすることによって、左後輪(8)後方の畝間の作業者位置より容易にハンドル(26)操作を可能とさせることができて、このハンドル(26)操作性を向上させることができる。 【0018】さらに、植付条間(W1)より左右苗取出爪(23)の苗取間隔巾(爪ピッチ(T))が小さく(T<W1)、苗取出爪(23)の苗取中心と苗植付爪(25)の苗植付中心とが左右方向に寸法(E)オフセットするこのような移植構造においても、左右苗植付装置(18a)(18b)の左右方向に傾いた上下運動軌跡(L)によって、苗取出爪(23)から苗植付爪(25)に直接的に苗(N)を良好に受継ぎさせて、構造コンパクトな手段で植付精度を向上させることができる。 【0019】図4、図10にも示す如く、前記植付アーム(46)に固設する爪支持板(79)に軸受ボス(80)を介し各爪体(25a)(25b)上端側の開閉ロッド(81a)(81b)或いは(82a)(82b)を支持させ、各ロッド(81a)(81b)或いは(82a)(82b)に固設する各揺動板(83)(84)の中央を係合ローラ(85)を介し相互に連結させると共に、一方の揺動板(83)の揺動アーム(86)を前記ロッド(49)の他端側に連結させて、前記クランクアーム(45)が1回転するとき、前記植付アーム(46)のアーム軸(87)に固設するカム(48)でロッド(49)を進退させ、爪体(25a)(25b)の下部を開閉させて、苗植付爪(25)による苗(N)の植付けを行うように構成している。 【0020】前記苗植付爪(25)は植付条間24cm或いは20cmに対応させて、開閉ロッド(81a)(81b)の植付アーム(46)と植付爪(25)の中心間の支持長さ(K1)を短、或いは支持長さ(K2)を長(K1<K2)とさせた2種類の苗植付爪(25)を備え、左右の植付アーム(46)に支持長さ(K1)の短い苗植付爪(25)を支持させたときには広い植付条間(W1)(W1=24cm)に、また支持長さ(K2)の長い苗植付爪(25)を支持させたときには狭い植付条間(W2)(W2=20cm)に対応させるように構成している。 【0021】またこのような支持長さ(K1)(K2)の異なる苗植付爪(25)の苗植付動作時には、苗植付爪(25)の土中突入量(植深)も変化するもので、開閉ロッド(81a)(81b)・(82a)(82b)の傾斜によって爪体(25a)(25b)の支持長さが長くなる程爪体(25a)(25b)の突入量が大となって、広い植付条間(W1)のときの爪突入量よりも狭い植付条間(W2)のときの爪突入量が差(Z)分だけ大となる。 【0022】このため、苗植付爪(25)の後方で覆土を行う覆土輪(20a)(20b)においては、覆土輪(20a)(20b)での条間調節時に、苗植付爪(25)の突入量の差(Z)を0に補正にして、苗植付爪(25)の突入量に関係なく常に適正な覆土を行うように構成するもので、図12乃至図14に示す如く、前記入力軸(42)をフローティング支点とする植付伝動ケース(19)に植付フレーム(87)の前端を連結させると共に、覆土輪(20a)(20b)を後端に取付ける左右ゲージフレーム(88)の前端を支軸(89)を介し揺動自在に植付フレーム(87)に連結させ、レバーガイド(40)を介して位置調節自在に植深レバー(91)を植付フレーム(87)後端に取付け、連結金具(92)を介して前記レバー(91)をゲージフレーム(88)に連結させ、レバー(91)操作により植付爪(25)に対する覆土輪(20a)(20b)の支持高さを変更し、植付爪(25)の苗移植深さを変化させるように構成している。 【0023】また、ガードフレーム(87)にレバーガイド(90)を固定させるブラケット(93)にレバー上下支点(94)を設け、該支点(94)のブラケット(95)にレバー左右支点(96)を介して植深レバー(91)を取付け、該レバー(91)を上下及び左右に揺動自在に支持させると共に、前記レバー上下支点(94)のアーム(97)にピン(98)を介して連結金具(92)を連結させるもので、フローティング支点軸である入力軸(42)を中心に植付部及び覆土輪(20a)(20b)を一体的に上下に揺動させ、前記覆土輪(20a)(20b)を畝面(M)に接地させ乍ら移動するように構成している。 【0024】さらに、左右ゲージフレーム(88)間を横連結パイプ(99)で連結させ、該連結パイプ(99)中央の下方彎曲部(99a)に固設するブラケット(100)にボルト(101)を介し取外し自在に中央の覆土輪支持部材(102)を連結させ、該支持部材(102)に固設する傾斜輪軸(103)或いは(104)の両端に内側2つの覆土輪(20b)(20b)を回転自在に支持させると共に、左右ゲージフレーム(88)の後端後方に延設するL形状の支持部材(105)に、外側2つの覆土輪(20a)(20a)を傾斜輪軸(106)を介し支持する調節板(107)をボルト(108)を介し左右位置調節自在に連結させている。 【0025】前記傾斜輪軸(103)(104)は広い植付条間(W1)に対応させる支持長さの長い輪軸(104)と、狭い植付条間(W2)に対応させる支持長さの短い輪軸(103)とに交換自在に設けるもので、これら輪軸(103)(104)両端の覆土輪取付部は水平ラインに対し左右外上りとなる一定角度(θ)の傾斜を有して、支持長さの短い輪軸(103)より長い輪軸(104)に覆土輪(20b)(20b)を取付けた場合、支持高さを差(Z)分上昇させて、苗植付爪(25)における植付条間(W1)(W2)の差(Z)を補正して0とし、苗植付深さに適正に対応させた覆土を行うように構成している。 【0026】また、前記支持部材(105)における調節板(107)の取付面(105a)も左右外上りとなる一定角度(θ)の傾斜を有して、狭い植付条間(W2)に対応する内側位置より広い植付条間(W1)に対応する外側位置に調節板(107)を取付面(105a)に沿ってスライド調節したとき、内側の覆土輪(20b)(20b)と同様に外側の覆土輪(20a)(20a)の支持高さを差(Z)分上昇させて、広い植付条間(W1)の苗植付深さに適正に対応させた覆土を行うように構成している。 【0027】なお、支持部材(105)と調節板(107)のボルト(108)による位置調節は、複数のボルト孔の取付位置の変更によって行うものである。 【0028】図15に示す如く、前記覆土輪(20a)(20b)はアルミダイキャストで形成し、植付条を挾んでV字形対向させる左右1対の覆土輪(20a)(20b)の反対側面を中空開口部(109)に形成し、該開口部(109)に蓋板(110)を設けるもので、蓋板(110)に固設する軸体(111)と、覆土輪(20a)(20b)の条側面とをビス(112)を介し固着させて、蓋板(110)によって覆土輪(20a)(20b)の内部に稲の刈株などが入って回転不良となるのを防止すると共に、覆土輪(20a)(20b)を軽量とさせるように構成している。 【0029】また覆土輪(20a)を支持する左右のゲージフレーム(88)は覆土輪(20a)の外側位置に配設して、該覆土輪(20a)と対向するもう一方の覆土輪(20b)間で形成される苗(N)の通過スペースを大きく確保して、苗(N)の引掛りを防止すると共に、傾斜輪軸(106)に覆土輪(20a)を固定させる取付ボルト(106a)の頭部を覆土輪(20a)の条側面より突出させない状態に設けて、苗(N)の引掛りを防止するように構成している。 【0030】また図12に示す如く、前記覆土輪(20a)(20b)の上方に覆土輪(20a)(20b)の全体を覆う合成樹脂製の泥除けカバー(113)を設けるもので、左右シャーシフレーム(17)(17)間を横架する横フレーム軸(114)の固定取付板(115)にボルト(116)を介し取外し自在にカバー(113)前端を固定させて、苗載台(21)の苗トレイ(22)から落下する水や土が覆土輪(20a)(20b)にかかって土が付着するなどの不都合を防止するように構成している。 【0031】図4、図8、図11に示す如く、前記苗取出爪(23)と苗植付爪(25)の苗受継ぎ位置でこれら爪(23)(25)の中間位置に苗中継ガイド(117)を配設するもので、該ガイド(117)は平面視U形として苗取出し方向に開放させ、苗受継ぎ時には爪(23)下端とガイド(117)上端とをラップさせて、爪(23)の開放方向にガイド(117)の両側面(117a)を臨ませ、ガイド(117)の中央連結面(117b)を植付爪(25)の中心側に若干傾斜させて、図8に示す如く背面視で取出爪(23)と植付爪(25)とが位置ずれしている構成でもガイド(117)の案内によって植付爪(25)に苗(N)を良好に受継ぎさせるように構成している。 【0032】また前記苗中継ガイド(117)は植付条間(W1)(W2)の何れにも共用するもので、2条用の左右2つのガイド(117)を横軸(118)で連結させ、横軸(118)中央に固設する取付板(119)を本機側に固定させている。 【0033】図16、図17に示す如く、前記変速プーリ軸(77)に支持して変速プーリ(76a)に巻回する変速ベルト(76)の巻付径を変更する株間変速アーム(120)を、本機後フレーム(121)に前記入力軸(37)を中心として揺動自在に設けるもので、ミッションケース(9)の前方に本機中フレーム(122)を、また上方に後フレーム(121)をそれぞれ配設し、前記変速アーム(120)に軸(123)を介し変速ロッド(124)の一端側を連結させ、該ロッド(124)の他端側にロックネジ(125)を介して調節ノブネジ(126)を結合連結させると共に、ノブネジ(126)を後フレーム(121)の調節板(127)に支持させ、ロックネジ(125)を弛めてノブネジ(126)によってロッド(124)を進退させるとき、変速アーム(120)を入力軸(37)を中心として揺動させ、変速プーリ軸(77)を図17矢印方向に揺動させて、株間の変速調節を行うように構成している。 【0034】而して、従来の如く操向ハンドル(26)近傍まで変速ロッドを延設して操作を行うなどの構造の複雑さもなく、変速アーム(120)の近傍に設ける簡単構成のノブネジ(126)によって容易に株間変速が行えると共に、ロックネジ(125)によってノブネジ(126)の弛みを防止して所定の株間を確実に保持させることができる。 【0035】図18、図19にも示す如く、前記苗植付装置(18)の前方に畝面(M)を鎮圧し均平とするソリ形状の均平板(128)を設けるもので、均平板(23)は2条分を一体とし、中フレーム(122)の前端に連結する本機前フレーム(129)の後端下側に支点軸(130)を介し均平板(128)の前端側を揺動自在に支持すると共に、均平板(128)上面に固設するバネ座(131)と、中フレーム(122)の左外側に軸(132)を介し揺動自在に設ける均平調節ハンドル(133)と間に引張バネ(134)を張設して、張設ハンドル(133)によって均平板(128)の均平位置や均平圧を変更するように構成している。なお(122a)は中フレーム(122)下端縁に形成するハンドル(133)の位置決めノッチである。 【0036】また図20にも示す如く、前記前フレーム(129)の前端側に右アクスルフレーム(13)前端を六角軸(135)を介し支持させるもので、右アクスルフレーム(13)前端をピン(136)を介し取外し自在に六角軸(135)右端に固定させると共に、前フレーム(129)の固定軸(136)の右端に連結固定する筒軸(137)の六角穴(137a)に、六角軸(135)の左端を調節ピン(138)を介し位置調節自在に挿入固定させて、調節ピン(138)に六角軸(135)の周方向の荷重が加わるのを規制すると共に、ピン(138)の差換時の位置合わせを容易とさせるように構成している。 【0037】また前記調節ピン(138)の筒軸(137)側のピン孔(139)は六角軸(135)のピン孔より大径に形成して、ピン(138)の差換時の位置合わせを容易とさせるように構成している。 【0038】 【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、単一の苗トレイ(22)から複数の苗取出爪(23)により取出した苗(N)を、左右方向に傾斜した植付軌跡で上下運動させる複数の苗植付爪(25)に受継いで同時多条の苗植付けを行う苗移植機において、複数の苗植付爪(25)の左右間隔巾を調節自在に設けると共に、複数の覆土輪(20a)(20b)の左右間隔巾を調節自在に設けたものであるから、例えば植付条間の20cm或いは24cmなど異なる複数の条間(W1)(W2)に容易に対応可能とさせて、この多条用苗移植機の対応性を拡大させることができるものである。 【0039】また、覆土輪(20a)を取付ける覆土輪軸(106)を、本機側の支持部材(105)の傾斜取付面(105a)に位置調節自在に固定させたものであるから、苗植付爪(25)の左右間隔巾の調節によって、苗植付爪(25)の土中突入量(植深)が変化するときには、傾斜取付面(105a)に沿う覆土輪(20a)の左右間隔巾の調節によって、その変化分覆土輪(20a)の取付高さも変化させて、苗植付爪(25)との間の差を0に補正して、苗(N)の植付深さに常に適正に対応させた覆土を行うことができるものである。 【0040】さらに、覆土輪(20b)を傾斜覆土輪軸(103)(104)に支持すると共に、該傾斜覆土輪軸(103)(104)の取付長さを変更自在に本機側の支持部材(100)に固定させたものであるから、苗植付爪(25)の左右間隔巾の調節によって、苗植付爪(25)の土中突入量(植深)が変化するときには、取付長さの異なる傾斜覆土輪軸(103)(104)の交換によって、その変化分覆土輪(20b)の取付高さも変化させて、苗植付爪(25)との間の差を0に補正して、苗(N)の植付深さに常に適正に対応させた覆土を行うことができるものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年6月3日(1999.6.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062270 【弁理士】 【氏名又は名称】藤原 忠治
|
| 【公開番号】 |
特開2000−342023(P2000−342023A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月12日(2000.12.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−156009 |
|