| 【発明の名称】 |
種子発芽育成具及びその製造方法並びに製造型装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊勢谷 努
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| 【要約】 |
【課題】種子の発芽育成に際して新たな趣向を加えることが可能な種子発芽育成具を提供する。
【解決手段】種子発芽育成具1は、卵形等の密封容器状の外殻2でその外形が定められ、外殻2の内部には、水溶性フィルム8に包まれた種子7と、種子7の発芽育成のための培養土9とが含まれ、外殻2には同じく種子7の発芽育成のために培養土9に水分を供給する孔部(水分供給部)15が形成されている。この種子発芽育成具1の使用方法は、種子発芽育成具1を受け皿等に載せた後、外殻2の頭部3側の薄状外殻(開口予定部)5を割り、割った開口部から水を注ぎ込む。注がれた水により水溶性フィルム8が溶けて種子7が剥きだしとなり、受け皿23に溜まった水は外殻2の底部4側に設けられた孔部15からフィルタ13を介して、保水性の高い培養土9を伝って種子7に供給される。この状態で、所定の期間放置しておくと種子7が発芽する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 密封容器状をなす外殻と、その外殻の内部に封入された種子及び種子の発芽育成のための培養土及び/又は培養石とを含み、前記種子は、前記培養土及び/又は培養石の外殻近傍に配置され、前記外殻は、前記種子が配置されている近傍において部分的な破壊、切除又は離脱により開口可能な開口予定部を有していることを特徴とする種子発芽育成具。 【請求項2】 前記種子が配置されているのとは反対側に位置する部分の外殻には、前記培養土及び/又は培養石に外部から水分を供給可能な水分供給部が設けられている請求項1記載の種子発芽育成具。 【請求項3】 密封容器状をなす外殻と、その外殻の内部に封入された種子及び種子の発芽育成のための培養土及び/又は培養石と、同じく種子の発芽育成のための水分を供給する吸水材とを含み、前記種子は、前記培養土及び/又は培養石の外殻近傍に配置され、前記外殻は、前記種子が配置されている近傍において、薄肉状に形成されて、この部分が部分的に破壊により開口予定部とされ、前記吸水材は軸状形態を有し、その一端が、前記種子が配置されているのとは反対側の前記培養土及び/又は培養石の外殻近傍に配置され、他端が、その種子近傍に配置されていることを特徴とする種子発芽育成具。 【請求項4】 前記種子が配置されているのとは反対側に位置する部分の外殻には、前記吸水材に外部から水分を供給可能なように水分供給部が設けられている請求項3記載の種子発芽育成具。 【請求項5】 前記種子は、水溶性の外装材により包まれて、前記培養土及び/又は培養石の外殻近傍に配置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の種子発芽育成具。 【請求項6】 前記外殻は、土壌改質効果のある成分を含む材料を、釉薬を掛けずに低熱で焼き上げた素焼き状態の陶磁器で構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の種子発芽育成具。 【請求項7】 前記外殻は、長石及び/又はカオリンを主成分とした材料で構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の種子発芽育成具。 【請求項8】 前記外殻には、撥水剤によるコーティングが施されている請求項1ないし7のいずれかに記載の種子発芽育成具。 【請求項9】 前記培養土及び/又は培養石は、少なくともピートを含んでいる請求項1ないし8のいずれかに記載の種子発芽育成具。 【請求項10】 前記種子と前記外殻との間には、弾性マットが設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載の種子発芽育成具。 【請求項11】 前記外殻には、前記培養土及び/又は培養石の前記種子が配置されているのとは反対側に位置して、水溶性の外装材により包まれた肥料が埋め込まれている請求項1ないし10のいずれかに記載の種子発芽育成具。 【請求項12】 前記肥料を外装する水溶性の外装材は、水分を吸収後、徐々に溶け出す材料により構成されている請求項11記載の種子発芽育成具。 【請求項13】 当該種子発芽育成具において前記種子が配置されている側と反対側は底部とされており、その底部の外殻には前記水分供給部としての孔部が設けられているとともに、その孔部には通水性を有するフィルターが、該孔部を塞ぐ形態で前記外殻に装着されている請求項2又は4ないし12のいずれかに記載の種子発芽育成具。 【請求項14】 石膏等の吸水材料により形成された成形型に泥奬状態の材料を注入して所定時間内保持する工程と、注入口に蓋をした状態で、その成形型を反転する工程と、その反転を行った後のさらに所定時間後、成形型内に残っている泥奬状態の材料を排泥する工程と、排泥後、前記成形型内表面に残った外殻部材を脱型する工程と、を含む外殻部材成形工程と:脱型して取り出された外殻部材を素焼き等により固化する固化工程と:前記外殻部材に形成されている孔部から、種子並びに培養土及び/又は培養石を入れる内容物充填工程と:前記外殻部材の孔部を塞ぐ孔部閉止工程と:を含むことを特徴とする種子発芽育成具の製造方法。 【請求項15】 石膏等の吸水材料により形成された成形型に泥奬状態の材料を注入して所定時間保持する工程と、泥奬材料が注入された成形型の注入口側に、非吸水性の穴開け用栓が設けられている蓋をして、その成形型を反転する工程と、その反転を行った後のさらに所定時間後に前記蓋を成形型から取り除き、成形型内に残っている泥奬状態の材料を排泥する工程と、排泥後、前記成形型内表面に残った外殻部材を脱型する工程と、を含む外殻部材成形工程と:脱型して取り出された外殻部材を素焼き等により固化する固化工程と:これにより得られた外殻部材内に少なくとも種子並びに培養土及び/又は培養石を入れる後工程と:を含むことを特徴とする種子発芽育成具の製造方法。 【請求項16】 請求項14及び15に記載の製造方法において、外殻部材成形工程に用いる製造型装置であって、石膏等の吸水性材料により形成されており、種子発芽育成具の密封容器形状を型取る型本体部と、同じく石膏等の吸水性材料により形成され、前記型本体部の注入口に蓋をするための蓋部と、を有することを特徴とする製造型装置。【請求項17】 前記蓋部には、その一部分が当該蓋部から前記型本体部内に突き出る状態で、非吸水性部材が埋め込まれている請求項16記載の製造型装置。【請求項18】 前記型本体部には、当該型本体部に注入する泥奨材料の分量を規定するための注入量規定部が設けられている請求項16又は17記載の製造型装置。 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、植物の種子発芽育成具に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、植物の種子の発芽育成は、植木鉢に培養土を入れ、その培養土の中に種子を蒔いて所定の方法に従って、水、肥料を供給して行っていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような方法による種子の発芽育成はマンネリ化されており、独創性や新鮮さに欠けている。本発明の課題は、種子の発芽育成に際して新たな趣向を加えることが可能な種子発芽育成具を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題を解決するために、本発明の種子発芽育成具(請求項1)は、密封容器状をなす外殻と、その外殻の内部に封入された種子及び種子の発芽育成のための培養土及び/又は培養石とを含み、種子は、培養土及び/又は培養石の外殻近傍に配置され、外殻は、種子が配置されている近傍において部分的な破壊、切除又は離脱により開口可能な開口予定部を有していることを特徴とする。 【0005】このように、種子発芽育成具の形状を密封容器状の外殻で定め、例えば容器形状を卵形、ひょうたん形、野菜形状、動物形状等の特徴ある形とすれば、未使用(種子の発芽育成を行わない)時には飾り物として用いることができ、使用(種子の発芽育成を行う)時には、卵形等の飾り物から発芽してくるように見えるため、従来の植木鉢等を用いた場合に比べ、一風変わった趣向により種子の発芽育成を楽しむことができる。この種子発芽育成具を用いた好適な種子の発芽育成方法(特に発芽方法)は、種子を配置した付近の外殻(種子発芽育成具の頭部)を例えばスプーン、ミニハンマー等で軽くたたいて割り、発芽しやすい適当な大きさの穴を外殻に開ける。次に、穴の開いた種子発芽育成具の上方から水を注ぐ。この状態で、所定の期間放置しておくと、保水した培養土により種子が発芽する。この場合、外殻を、種子が配置されている近傍において容易に破損可能なような形態及び/又は材質により形成しているため、その外殻が割りやすくなっている。このような形態及び材質は、例えば、種子近傍部分を他の部分に比べて肉薄状にしたり、強度が弱い材質により形成すればよい。なお、種子は、培養土の外殻近傍に配置するものとしたが、これは、培養土の内部に種子を埋め込むと、その土圧により種子が発芽しないことがあるためである。 【0006】上記種子が配置されているのとは反対側に位置する部分の外殻には、養土及び/又は培養石に外部から水分を供給可能な水分供給部を設けることができる。この場合、例えば種子発芽育成具を受け皿等に載せて発芽育成を行うとよい。その際、水を受け皿に溜まる程度に注ぎ、その溜まった水が、種子が配置されているのとは反対側に位置する水分供給部から培養土に吸収され、吸収された水が種子に供給され、その発芽育成が促進される。 【0007】一方、本発明の種子発芽育成具(請求項3)は、請求項1の構成に加え、種子の発芽育成のための水分を供給する吸水材が外殻内部に含まれ、外殻が、種子が配置されている近傍において、例えばその内周面が当該外殻の厚さ方向に窪む状態となって薄肉状に形成されていることを特徴とする。この場合、この薄肉状部分が部分的に破壊により開口予定部とされ、また、吸水材は軸状形態を有し、その一端が、種子が配置されているのとは反対側の前記培養土及び/又は培養石の外殻近傍に配置され、他端が、その種子近傍に配置される。【0008】この場合の具体的な種子の発芽育成方法(特に発芽方法)は、請求項1と同様、種子を配置した付近の外殻(種子発芽育成具の頭部)を軽くたたいて割り、発芽しやすい適当な大きさの穴を外殻に開けて水を注ぐ。また、この外殻の例えば底部から上記吸水材を露出させ、これを受け皿中の水に接触させることにより、底部吸水方式により外殻内に水が吸引される。あるいは、外殻の底部を密封し、その外殻内部に溜まった水を吸水材が吸収し種子に供給することもできる。この場合、吸水材により水が種子に供給されやすいため、その種子の発芽育成が促進される。ここで、吸水材としては、例えば糸状ないしフィルム状の高吸水性高分子材料を束ねて芯状にしたものや、吸水性フィルムをロール状に巻いて芯状にしたもの等を用いることができる。なお、上記種子が配置されているのとは反対側に位置する部分の外殻には、吸水材に外部から水分を供給可能とするための水分供給部を設けることができる。 【0009】上記種子発芽育成具において、種子を水溶性外装材に包んだ状態で、培養土及び/又は培養石の外殻近傍に配置することができる。この場合、種子発芽育成具の輸送時等に種子が種子発芽育成具内で散らばること、あるいは種子発芽育成具の外殻を割る時に種子が種子発芽育成具内部から飛び出ること等が防止される。この水溶性外装材は注がれた水により溶けるため、発芽育成を行うときに水を注げば種子が培養土に蒔かれた状態となり都合がよい。なお、水溶性外装材としては、例えば澱粉や蛋白質等の天然高分子、あるいはポリビニルアルコールやポリエチレンオキシド等の合成高分子を用いることが可能である。 【0010】上記外殻は、土壌改質効果を有する成分を含む材料を、釉薬を掛けずに低熱で焼き上げた素焼き状態の陶磁器で構成することができる。この場合、外殻を土壌改質効果のある成分によって構成することにより、種子発芽育成具を使用した後の外殻の廃棄に際して、外殻を土壌内にそのまま廃棄しても環境汚染に関する問題が生じない。さらに、この種子発芽育成具は、素焼き状態の陶磁器により構成されているため、発芽育成を行う時、頭部を割りやすくなっている。なお、素焼きの温度としては、700〜1000℃程度にするのが好ましく、700℃未満では焼きが不充分で強度が落ち過ぎ、1000℃を超える場合は、種子を配置した付近の強度が高くなってしまい破損がしにくくなる。 【0011】上記外殻は、土壌改質効果を有する長石及び/又はカオリンを主成分とした材料により構成することができる。具体的には、例えば長石及び/又はカオリンを含んだ人工土であるニューボンにより構成でき、この場合、外殻(栽培容器)として保水性、保肥性、通気性に優れるようになる。また、種子の発芽育成後、苗を別の苗床等に植え替えた時、残った外殻を細かく砕いて土に返すことが可能で、苗育成用の土に用いた場合には、保水性、保肥性に優れ、根腐れ、しおれ防止などに効果がある。なお、上記ニューボンの含有成分組成は、例えば重量分率で、長石:40〜50%、カオリン:40〜50%、蛙目粘土:0〜9%、アルミナ:0〜9%、タルク:0〜9%、その他:残部、程度とするのが、保水性、保肥性、通気性を良くする上で効果的である。 【0012】上記外殻には、撥水剤によるコーティングを施すことができる。素焼き状態の陶磁器からなる外殻は、材質的に多孔質のため表面に内部培養土の有機物がしみだし、外殻にコケ、カビ等が付いて美観を損ねる心配がある。しかしながら、上記のように外殻表面に撥水剤をコーティングすれば、コケ、カビ等の付着を防止することが可能となる。なお、撥水剤としては、例えば含フッ素ワックスやパラフィンワックス、シリコーン類等を用いることができ、そのコーティングは、例えばスプレー缶から噴霧塗布するスプレー法や、撥水剤を溜めた容器内に外殻を一定時間浸漬し乾燥させて塗布する浸漬法等により行うことができる。 【0013】また、上記培養土及び/又は培養石は、少なくともピートを含んで構成することができる。ピートは石炭の一種で、石炭化度の最も低いものであり水分を多く含むので、乾燥して養土として使用すれば極めて保水性の高いものとなり、優れた培養効果を発揮する。その培養土の具体的含有成分組成は、例えば体積分率で、ピートモス:20〜40%、セラグリーン:40〜60%、黒炭:5〜15%、ゼオライト:1〜10%、バーミキュライト:1〜10%、その他:残部、程度とするのが、優れた培養効果を発揮する上で望ましい。 【0014】また、種子と外殻との間には弾性マットを設けることができる。この場合、種子の発芽育成を行う際に、種子を埋め込んだ付近の外殻を割った破片が、外殻内部の培養土内に入ることを防止することができ、内側の種子を覆う状態で弾性マットを配置すれば、種子発芽育成具の輸送時等に種子が培養土内で散らばることを防止できる。さらに、後述する種子発芽育成具の製造時において培養土を入れる際に、その培養土の量を弾性マットの大きさにより調整することも可能になる。発芽育成を行う際には、種子を埋め込んだ付近の外殻を割った後に、弾性マットを取出し、上述した以後の発芽育成工程を行うことになる。なお、このような弾性マットとしては、多孔質性の高分子材料等を採用することが可能である。 【0015】一方、培養土の種子が配置されているのとは反対側には、水溶性外装材により包まれた肥料を埋め込むことができる。このような肥料としては、例えば窒素、リン、カリウム元素等を含む市販の肥料を採用することができる。この肥料を外装する水溶性外装材は、水分を吸収後、一定期間後に徐々に溶け出す材料により構成することができる。この場合、所定期間の後(例えば発芽した後)の苗の育成時に、徐々に水溶性外装材が溶け出して、土壌内に生えた根に対して肥料が効きだすものとされ、徐々に溶けるため特定の期間内で苗の育成を促進することができる。なお、種子により水溶性外装材の種類を適宜選択して、肥料が効きだす時期を調整することが可能である。 【0016】次に、当該種子発芽育成具において、種子が配置されている側と反対側を底部とし、その底部の外殻に水分供給部としての孔部を設け、さらにその孔部に通水性のあるフィルターを該孔部を外側から覆う形態で、封止材により外殻に封止して設けることができる。例えば、孔部を水捌けのよい多孔質性のフィルターで当該種子発芽育成具の外側から覆い、中心付近に孔を有する例えばドーナツ状の封止材(シール)によりフィルターをさらに外側から封止すれば、封止材の孔からフィルターを介して吸水材に水分が効率よく供給される。この場合、フィルターが多孔質性で水捌けのよいものであるため、培養土が種子発芽育成具外部にこぼれ出ることはなく、また、種子側から供給された水が底部から種子発芽育成具外部に抜けやすくなり、一方、吸水材による外部(受け皿)からの水分の吸収も効率よく行われる。なお、吸水材が存在しない構造において、上記外殻の底の部分に孔部が形成され、この孔部から内部へ培養土及び/又は培養石や種子等を入れ、その後、この孔部を通水性のあるフィルターで覆い、必要に応じフィルターの固定のために上記封止材を用いる。そして、この外殻の底部を例えば小皿等に置けば、外殻の上記開口(割ること等により形成)のみならず、底部からも吸水できる。【0017】上記種子発芽育成具の製造方法は、石膏等の吸水材料により形成された成形型に泥奬状態の材料を注入して所定時間内保持する工程と、注入口に蓋をした状態で、その成形型を反転する工程と、その反転を行った後のさらに所定時間後、成形型内に残っている泥奬状態の材料を排泥する工程と、排泥後、前記成形型内表面に残った外殻部材を脱型する工程と、を含む外殻部材成形工程と:脱型して取り出された外殻部材を素焼き等により固化する固化工程と:外殻部材に形成されている孔部から、種子並びに培養土及び/又は培養石を入れる内容物充填工程と:外殻部材の孔部を塞ぐ孔部閉止工程と:を含むことを特徴とする。 【0018】この製造方法においては、成形型へ泥奬を注入し、蓋をした後、所定時間を経過すると、例えば吸水性の高い石膏(焼石膏)により形成された成形型の表面において、その表面付近の泥奬が成形型により吸水され、乾燥して固まるようになっている。ここで、成形型内に入れる泥奬の量は、注入口まで完全には入れず、ある程度成形型内に空間ができるようにしておく。泥奬を注入してから所定時間経過後、成形型を反転すると注入口とは軸方向逆側に空間でき、その空間以外の部分においては、成形型の吸水によりさらに内部の泥奬が固まり、固まっている部分の厚みが徐々に厚くなっていく。なお、反転後の空間部分においては、反転前に固まったものが薄く付着している(これが、種子が配置される側、すなわち割られる側の外殻となる)。 【0019】反転してさらに所定時間経過後、成形型内に固まらずに残った泥奬を排泥し、型内表面に残ったものを脱型して成形された外殻部材を得る。その後、成形された外殻部材に対し、700〜1000℃程度の低温で、5〜7時間程度の範囲で素焼きを行う。素焼きを行った外殻部材は、撥水剤に浸漬することにより撥水コーティングされ、その後、種子発芽育成具の底となる部分の外殻部材に所定の穴開け具により孔部(これが吸水材への水分供給部となる)を貫通させてもよいし、型成形の段階で孔部を形成し、その孔部付きの生材に素焼きを施してもよい。この孔部から、孔部と対向する側の外殻部材内に、好適には以下のように構成材を入れることができる。例えば、弾性マットと、水溶性外装材に包まれた種子とをこの順序で入れる。さらに培養土を弾性マットが弾性変形する程度にぎっしり入れ込むとともに、水溶性外装材に包まれた肥料を、孔部付近の培養土内に入れる。さらに、外殻部材の孔部に種子発芽育成具の外側から覆う形態で通水性のあるフィルターを被せ、必要に応じ封止材により外殻とフィルターとを封止する。 【0020】なお、上記の製造方法において、注入口を塞ぐ蓋として、非吸水性の穴開け用栓が設けられている蓋を用いれば、その栓の表面においては泥奬が固まらないようになる。したがって、成形した外殻部材に穴開け用栓に対応した大きさの孔部が形成され、そこから内容物を挿入することが可能となり、また、その孔部を種子発芽育成具の水分供給部とすることができる。なお、上記穴開け用栓は、非吸水性ないし成形型としての強度等の性質を考慮した上で、例えばアルミ材質等により構成するのが好ましい。また、吸水材を有する種子発芽育成具の製造方法について、吸水材を挿入する方法は、例えば、円筒パイプ等により培養土を円筒状に抜き出して貫通孔を設けた後、その貫通孔に吸水材を挿入し、その後再び培養土を埋めて行うことが可能である。また、上記成形型(型本体部)には、注入する泥奨材料の分量を規定するための注入量規定部を設ける事ができ、種子発芽育成具に好適な泥奨材料の注入量を示すことが可能となる。【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づき説明する。図1は、本発明の種子発芽育成具1の一実施例を示す全体斜視図であり、図2は部分切欠斜視図、図3は軸断面図、図4は底面図である。図1に示す通り、この種子発芽育成具1は、先細の頭部3から自身の外径が軸線方向に徐々に大きくなり、その外径が最大となる腹部6から底部4に向けて再び外径が小さくなる、言わば卵形状を有した密封容器状の外殻2により外形が定められ、底部4には底面4aが形成されている。 【0022】図2及び図3に示すように、外殻2内部には、培養土(土状、石状のものを含む)9が詰められており、単粒又は複数粒(本実施例の場合6粒)の種子7が水溶性フィルム8に包まれた状態で頭部3側に封入されている。この水溶性フィルム8に包まれた種子7(以下、これを単に種子7ともいう)は、培養土9と外殻2との間に配置されているが、培養土9の頭部3側において多少埋め込まれた状態(種子7の上に数ミリの培養土9が被る程度)としてもよい。なお、種子7と外殻2との間にはスポンジ材(弾性マット)17が種子7全体を覆う形態で挿入されており、種子7の浮動を防止している。また、図3に示すように、種子7と軸線方向反対側、すなわち底部4側の培養土9内には、種子発芽後の苗育成促進用の肥料11が水溶性フィルム10(水溶性フィルム8とは異なる材質で出来ている)に包まれた状態で1ないし複数枚(本実施例の場合2枚)埋め込まれている。なお、種子は水溶性フィルム8ではなく、別の袋状部材の中に入れておき、袋状の部材を破って種子を取り出してもよいし、最初から裸で種子をセットしてもよい。また、スポンジ材17は無くてもよく、肥料11についても、裸の状態で埋められていてもよいし、全くなくてもよい。 【0023】外殻2は、その厚みが頭部3側において底部4側ないし中間部分である腹部6側に比べて薄くされている。その頭部3側の外殻2(この部分を薄状外殻(開口形成部)5とする)は、発芽育成を行う時に部分的に割られて除去され、種子発芽のための孔部(発芽用開口部)とされる部分であり、発芽に充分な大きさの孔となるように、種子7が配置されている領域(軸線に直角な方向の断面領域)よりも大きな断面領域において肉薄とされている。薄状外殻5の形態は、外殻2において当該種子発芽育成具1の外部側に窪む状態となっている。 【0024】一方、図3及び図4に示すように、外殻2の底部4側には外殻2を貫通する孔部15が設けられ、その孔部15に対して種子発芽育成具1の外側からフィルター13が被されている。フィルター13は本実施例では四角形状のシート状のものとされているが、その形状に制限はなくその他の多角形状、円形状等を採用可能で、図5に示すように、外殻2の孔部15の内径を覆いうる大きさを有していればよく、水捌けのよい材質、例えば多孔質性のフッ素系樹脂等により構成されいる。このフィルター13はシール部材(封止材)14により全体が被われた状態で底面4aにシール(封止)されており、特にシール部材14に設けられた孔部16が、外殻2の孔部15と同芯的になるようにシールされている。シール部材14の中心付近に設けられた孔部16は外殻2の孔部15の径とほぼ同じ大きさに形成されている。また、シール部材14の外周と底面4aの外周とはほぼ一致するようになっている。なお、孔部15は非通水性材料で封入し、底部からの吸水を考えない構造でもよい。 【0025】外殻2は、土壌改質効果のある成分を含んだ材料を、釉薬を掛けずに低熱で焼き上げた素焼き状態の陶磁器により構成されており、その外表面にはカビ等の付着防止策として撥水剤がコーティングされている。土壌改質効果のある材料として本実施例においては、重量分率で長石:46%、カオリン:45%、蛙目粘土+アルミナ+タルク:9%の成分を含有するニューボン(人工土の一種)が用いられている。また、撥水剤としては、含フッ素ワックスが用いられており、そのコーティングは、撥水剤を溜めた容器内に外殻2を一定時間浸漬して塗布する浸漬法により行うことができる。その他の撥水剤としては、例えばパラフィンワックス、シリコーン類、長鎖アルキル酸エステル等の疎水性化合物を採用することが可能で、また、その他のコーティング方法としては、例えばスプレー缶から噴霧塗布するスプレー法等を採用することもできる。なお、コーティング材がなく、素焼き状態のままの外表面としてもよい。 【0026】例えば、ニューボンにより構成されている本実施例の外殻2の厚みは3〜4mm程度、薄状外殻5の厚みは0.7〜1.5mm程度とするのが好ましい。外殻2の厚みが3mm未満の場合、全体強度が低下することがあり、また4mmを超えると、全体形状及び重量も大きくなってしまい種子発芽育成具として好ましくない。一方、薄状外殻5の厚みが0.7mm未満の場合、強度が低くなりすぎて輸送時等に破損してしまう場合があり、1.5mmを超えると、発芽用開口部を設ける際に割り取るのが困難となる。 【0027】外殻2内に積められた培養土9の含有成分組成は、体積分率で、ピートモス:30%、セラグリーン:50%、黒炭:10%、ゼオライト:5%、バーミキュライト:5%、その他:残部、とされている。なお、セラグリーンは重量分率で、SiO2:50〜70%(例えば60.8%)、Al2O3:10〜30%(例えば24.3%)、Fe2O3:1〜5%(例えば2.51%)、Na2O:0.05〜0.5%(例えば0.17)、K2O:1〜5%(例えば2.12%)、CaO:0.05〜0.5%(例えば0.10%)、その他:残部を有するものであり、バーミキュライトは重量分率で、SiO2:20〜50%(例えば38.45%)、Al2O3:10〜30%(例えば15.53%)、Fe2O3:10〜30%(例えば22.73%)、MgO:3〜15%(例えば7.85%)、K2O:0.5〜5%(例えば2.25%)、CaO:0.5〜5%(例えば2.22%)、H2O:2〜20%(例えば10.01%)、その他:残部を有するものである。 【0028】また、上記培養土9への添加物として、過酸化カルシウム、活性二価鉄・三価鉄、植物より抽出した天然ミネラル及び活力剤、肥料(成分元素として、窒素、リン、カリウム等を含む)等を添加することができる。過酸化カルシウムは、長期間酸素を放出してカルシウムを補給し、根腐れ防止及び生長促進の効果があり、培養土1リットルに対し1〜5g(例えば3g)程度添加するのがよい。活性二価鉄・三価鉄は、特に粉末状のものを使用するのがよく、植物の健全生長を促す効果があり、培養土1リットルに対し0.2〜3g(例えば1g)程度添加するのがよい。植物より抽出した天然ミネラル及び活力剤は、植物の耐病性向上に寄与するものであり、栽培する種子の種類によりその添加量は各々異なる。また、肥料は、培養土1リットルに対し、窒素元素を含む成分を20〜70mg(例えば50〜60mg)程度、リン元素を含む成分を20〜70mg(例えば50〜60mg)程度、カリウム元素を含む成分を80〜300mg(例えば150〜170mg)程度添加するのがよく、液肥として培養土に吸収させている。 【0029】次に、種子7を包む水溶性フィルム8と、肥料8を包む水溶性フィルム10とについて、まず、種子7側の水溶性フィルム8には、例えば、水溶性蛋白質、糖質等の天然高分子化合物を用いることができ、溶解して培養土内に混入された場合でも培養土を汚すことはなく、種子7の発芽育成にも悪影響を与えることはない。なお、ポリビニルアルコール等の合成高分子化合物を用いることも可能であるが、土への影響を考慮すれば天然高分子化合物を用いることが望ましい。また、肥料8側の水溶性フィルム10は、その水溶性フィルム10が水分を吸収後、一定期間経過した後に徐々に溶け出す材料により構成されている。本実施例では、水分と接触(水分を吸収)して約20日目以降少量ずつ溶けだし、約160日間肥料がその効果を発揮することが可能なものを採用している。なお、肥料11としては、各種種子に対応した市販の肥料を採用することが可能で、例えば、炭素、窒素、リン、カリウム、カルシウム元素を含んだものを採用することができる。 【0030】以上のような構成の種子発芽育成具1の使用例を、図6を参照しつつ説明する。この種子発芽育成具1を用いた種子の発芽育成方法(特に発芽方法)は、まず図6(a)に示すように、種子7を配置した付近の外殻2、すなわち薄状外殻(開口形成部)5をスプーン20、ミニハンマー21等で軽くたたいて割り、外殻2に種子7が発芽しやすい適当な大きさの穴(発芽用開口部)22を開ける。この時、薄状外殻5は割れやすくなっているため、開口部22の大きさ及び形状を適度に調整することが可能となっている。次に、図6(b)のように、発芽用開口部22の開いた種子発芽育成具1を受け皿23に乗せて、種子発芽育成具1の上方から発芽用開口部22に水を注ぐ。この上方から注がれた水により水溶性フィルム8が溶けてフィルム内部の種子7が培養土9に剥きだしとなり、注がれた水は外殻2の孔部15から受け皿23に溜まるようになっている。なお、水は受け皿23に十分溜める程度に注ぎ込む。一方、水を注いだ後、受け皿23に溜まった水は外殻2の孔部(水分供給部)15からフィルタ13を介して、保水性の高い培養土9を伝って種子7に供給される。この状態で、所定の期間放置しておくと、種子7が発芽する(図6(c))。なお、図6(c)の発芽した状態においては、培養土9内部に根が生えており、その根は肥料11(水溶性フィルム10は注がれた水により徐々に溶ける)を養分として吸収している。なお、割ることにより形成される開口部22の内縁は、図6(b)に示すような円形状に近いきれいな内周縁となるように割ることもできる。これは、割り方の丁寧さに依存する。 【0031】次に、種子発芽育成具1の製造方法の幾つかの例について図面を参照しつつ説明する。図7は外殻部材成形工程の一例を示す図であり、まず、図7(a)に示すような成形型(型本体部)30内に長石及びカオリンを主成分とするニューボンの泥奬31を注入口40から目盛線Bまで入れ、図7(b)に示すように蓋32を被せる。この成形型30と蓋32は同材質の吸水性の高い石膏(硫酸カルシウムより構成される焼石膏)により形成されており、泥奬31の水分を吸収し、成形型30の表面上付近の泥奬31(図7(b)の破線外側部分33)を乾燥して固化させる(泥奬の流動性がなくなる程度で、完全に乾燥して固まることはなく半固化状態である)。図7(a)に示すように、成形型30は種子発芽育成具の外殻となる外殻部材を形成する外殻部材形成部41と、注入口側外殻部材形成部42とを有している。また、図7(b)に示すように、蓋32にはアルミ材質(非吸水材)の栓34が蓋32に埋め込み等により図示された状態で備え付けられており、成形型30内の中心軸とほぼ同軸に成形型30の空間A内に突き出される。なお、栓34は非吸水性のアルミ材質により構成されているため、その表面上においては泥奬31は吸水されず固化されない。 【0032】このように成形型30へ泥奬31を入れ、蓋32を被せた後、所定時間を経過すると、成形型30の表面において、その表面付近の泥奬33が成形型により吸水され、乾燥して固まる。この所定時間経過後、図7(c)に示すように成形型30を反転すると注入口40とは軸線方向逆側に空間Cができ、その反転により図7(b)の状態で形成されていた空間A内に泥奬31(固まっていないもの)が流入する。この時、空間Cにおける成形型30の表面には、図7(b)の状態で固まった頭部用外殻部材35が形成されており、図7(c)においてはその頭部用外殻部材35は厚みを増さないようになっている。一方、頭部用外殻部材35以外の腹部用外殻部材36及び注入口側外殻部材37においては、その厚みが成形型30の吸水作用により増し続けるようになっている。なお、成形回数を重ねる度に、この成形型30の吸水作用は弱くなっていくため、所定の厚みの腹部用外殻部材36及び注入口側外殻部材37を得るには時間を余分に要するようになる。 【0033】図7(c)の状態で所定時間経過後、蓋32を成形型30から取り外し、図7(d)に示すように、成形型30内に固まらずに残った泥奬31を排泥する。排泥後には、種子発芽育成具の薄状外殻5となる頭部用外殻部材35と、頭部用外殻部材35よりも肉厚の腹部用外殻部材36と、腹部用外殻部材36とほぼ同じ厚さの注入口側外殻部材37とが一体となって成形型30内に残っている。この成形型30内に残ったものを、成形型30から脱型して図8(a)に示す外殻部材39を得る。さらに、外殻部材39の注入口側外殻部材37を切断除去して図8(b)に示す外殻2を得る。外殻2は薄状外殻5を有し、切断された箇所には孔部15が形成されている。 【0034】その後、外殻2に対し素焼きを行い、素焼きを行った外殻2を図9に示すような撥水剤51が充填された容器50内に浸漬することにより、外殻2に撥水コーティングを施す。この場合、撥水剤51としては含フッ素ワックス等が用いられる。なお、撥水コーティングは省略可能である。 【0035】撥水コーティング後、所定時間風乾し、図10に示すような工程により外殻2内部に内容物を混入する。まず、図10(a)に示すように、孔部15から、孔部15と対向する薄状外殻5の内側にスポンジ状の弾性マット17を入れる。次に、図10(b)に進み、水溶性フィルム8に包まれた種子7を弾性マット17上に入れる。続いて図10(c)のように、培養土9を弾性マット17が弾性変形する程度にぎっしり入れ込む。この時、水溶性フィルム10に包まれた肥料11を培養土9とともに混入している。 【0036】さらに、図10(d)に進み、孔部15を外殻2の外側から覆う形態でフィルター13を被せ、さらにその外側からフィルター13を包み込むように、フィルター13よりも大径の封止材14により、外殻2とフィルター13とを封止(シール)する(図5参照)。なお、封止材14は孔部16を有するものであり、封止材14の孔部16の中心と、外殻2の孔部15の中心とがほぼ一致するように位置合わせを行う。また、フィルター13を直接外殻2に固着すれば、別途封止材14は必要ない場合もある。 【0037】以上のような、外殻部材39を成形し切断処理により外殻2を得る工程(外殻成形工程)、及び素焼き工程、撥水剤塗布工程、内容物混入工程を含む製造工程により、図1に示すような種子発芽育成具1が製造される。 【0038】以下、外殻部材39を成形する際に用いる成形型30の構造について、さらに具体例を説明する。図11は成形型30の分解平面図であり、図12はその斜視図である。この成形型30は、3つの種子発芽育成具を一度に成形できるものであり、蓋32と、型本体部61,62とを有している。蓋32は、その内部に埋め込まれた状態のアルミ材質の栓34を3つ有し、型本体部61,62と合体するための嵌合凸部E1,D1を有している。 【0039】型本体部61及び62は、蓋32の嵌合凸部E1,D1と嵌合する嵌合凹部E2,D2をそれぞれ有し、また両者61及び62が嵌合するために、型本体部61には嵌合凹部F1,G1,H1が、型本体部62には嵌合凸部F2,G2,H2が設けられている。また、各型本体部61,62には、上述のように外殻部材形成部41と、注入口側外殻部材形成部42とが設けられ、各形成部41,42内部に泥奬31が目盛線Bまで入れられた状態で成形されている。なお、嵌合用の各凹凸部は互いに逆形態に、すなわち凹を凸、凸を凹にできることは言うまでもない。 【0040】このような型本体部61及び62を嵌合凹部、凸部により嵌合し、泥奬31を注入後さらに蓋32を被せて合体させる。その状態が図13であり、図13(a)が側面図、同図(b)が上面図、同図(c)が正面図である。なお、成形型30内には図14に示すように、目盛線Bが形成され、この目盛線Bまで泥奬31(ハッチング部分)が入れられており、この状態で所定時間静置しておくと泥奬31が成形型表面上において固まる。 【0041】次に、本発明の種子発芽育成具の変形例を示す。図15の種子発芽育成具100は、その中心軸線付近に軸状の吸水材12が、種子発芽育成具100の軸線にほぼ平行に設けられている。この吸水材12は、図17に示すように吸水紙がロール状に巻かれた形態のものであって、その一端は底部4側においてフィルター13と接する、もしくはフィルター13の近傍に配置され、他端は頭部3側において種子7と接する、もしくは種子7の近傍に配置されて、外殻2の孔部15からフィルター13を介して水分を吸収し、種子7にその水分を供給できるようにされている。なお、吸水材12はロール状のものに限られず、軸状のものであってフィルター13から種子7に延びる形態のものであれば円柱状あるいは螺旋状等の形態を採用することが可能である。また、この場合、水溶性フィルム10に包まれた肥料11は、外殻2の中心軸線から外れた位置、特に孔部15の延長線上を外して培養土9内に混入されている。 【0042】この種子発芽育成具100の製造方法は、まず、図18(a)〜(c)に示すように種子発芽育成具1の製造方法と同様に弾性フィルム17、種子7、培養土9、肥料11を外殻2内部に入れる(外殻2も種子発芽育成具1と同様の方法により成形する)。続いて、図18(d)に示すように、アルミ等で形成されたパイプ材56等により培養土を円筒状に抜き出して、培養土9の中心軸線上(孔部15の延長線上)に貫通孔55を形成する。この際、培養土9はぎっしりと積められているため貫通孔55内部に崩れることはなく、また、上記肥料11も中心軸線を外して混入されているため、パイプ材56により水溶性フィルム10が破損されることはない。続いて、図18(e)に示すように、水分を供給するための吸水材12(図17)を貫通孔55に挿入する。挿入に際しては、吸水材12の一端が種子7を包む水溶性フィルム8に接するように行い、一方、孔部15側の吸水材12の端が底面4aの平面上に位置するように挿入する。なお、長めの吸水材12を挿入し、底面4aから突き出る部分を切り取って挿入の位置合わせを行うことも可能である。吸水材12を挿入後、抜き出した培養土9を再び貫通孔55内部に返して、貫通孔55を埋めるものとされている。 【0043】一方、図19の種子発芽育成具200は、頭部3側(種子が配置されている側)の外殻を薄状外殻5としないで、着脱可能な蓋状外殻70としている。この場合、図6に示したような薄状外殻5を割って発芽用開口部22を形成する必要はなく、蓋状外殻70を取り外せば発芽育成を行えるようになっている。図20は、その種子発芽育成具200の軸断面図であり、外殻(本体外殻)2内に培養土9が満杯にならないように入れられ、水溶性フィルム8に包まれた種子7がその培養土9に載置されている。さらに、培養土9及び種子7に被さる状態で弾性マット74が載置されており、その弾性マット74を覆う状態で蓋状外殻70が被されている。蓋状外殻70は外殻2に載せることができるように、外殻2の端面71と同形の端面72を有しており、その載置部分73の外周面を封止材(シール部材)により両者をシールし、発芽育成を行う際にシール部材を剥がすものとすることも可能である。また、蓋状外殻70を凹凸等の嵌合式のもの、あるいはネジ式のもの等としてもよい。 【0044】一方、図21の種子発芽育成具300は、その底部4側に水分供給部としての孔部15を設けない構成であり、この場合、供給された水分が培養土9の底部4側に溜まり、培養土9の保水作用によりその溜まった水分が種子7に供給される。この場合も、図22に示すように吸水材12を中心軸上に、及び第二吸水材80(吸水材12よりも吸水性が強くないものが好ましい)を外殻内部の底部4側に配置して、供給された水分を第二吸水材80が保水し、吸水材12が順次水分を種子に供給する構成としてもよい。なお、この種子発芽育成具300の製造に際しては、底部4側を設けていない外殻部材を成形し、その外殻部材に種子7、培養土9等の内容物を混入した後、底部4を貼り付けて製造することができる(例えば底部4の接合後、素焼きする等)。 【0045】また、図23の種子発芽育成具400は、外殻401を本物の卵(鶏卵)の殻により構成している。この種子発芽育成具400は、卵の殻の端部に孔部402を設けて卵白及び卵黄を取り出した殻に、種子7、培養土9等の内容物を混入し、孔部402を外側から覆う形態でフィルター13を被せ、必要に応じその外側からシール部材14により外殻401とフィルター13とを封止することで製造される。この種子発芽育成具400は、天然の卵を使用したものであるため生産コストを抑えることができるとともに、殻(外殻401)を土壌に返した場合も、環境汚染等の問題も生じない。 【0046】さらに、種子発芽育成具の外殻形状は、本実施例の卵型に限定されず、野菜型、動物型等、種々の飾り物形態の外殻を成形して採用することが可能である。例えば、図24は鯨型の外殻501により構成される種子発芽育成具500であり、発芽部分(発芽開口部を設ける部分)502は鯨の潮吹き部分とされている。また、図25は亀型の外殻601により構成される種子発芽育成具600であり、発芽部分602は亀の甲羅頂上部分とされている。このような種子発芽育成具500,600を受け皿に水とともに設置すれば、鯨あるいは亀が泳いでいるように見えるため一風変わった趣向により本発明の種子発芽育成具を楽しむことが可能で、その底部には孔部15が設けられているため、培養土あるいは吸水材が孔部15から受け皿内の水を吸って種子に供給することができるようになっている。
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| 【出願人】 |
【識別番号】399028322 【氏名又は名称】聖新陶芸株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年5月31日(1999.5.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095751 【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 正倫
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| 【公開番号】 |
特開2000−342016(P2000−342016A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月12日(2000.12.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−152901 |
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