| 【発明の名称】 |
苗植付け方法と苗植付け装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】名本 学
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一方向に進行しながら該進行方向に対して不等間隔で圃場に苗を植付けることを特徴とする苗植付け方法。 【請求項2】 進行方向に対して不等間隔で圃場に苗を植付ける苗植付け手段を設けたことを特徴とする苗植付け装置。 【請求項3】 前記苗植付け手段を、異なる軌跡で苗植付け動作する複数の苗植付け体により構成したことを特徴とする請求項2記載の苗植付け装置。 【請求項4】 前記複数の苗植付け体を駆動軸回りに回動させる回転ケースに設け、該回転ケースの回転により複数の苗植付け体のそれぞれを回転ケースの回転方向とは逆方向に且つ不等速に回転させる不等速伝動手段を設けて該不等速伝動手段により複数の苗植付け体が異なる軌跡で苗植付け動作するよう構成したことを特徴とする請求項3記載の苗植付け装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、稲や野菜などの苗を圃場に植付ける苗植付装置及び苗植付け方法の技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】近年、移植作業の進行方向に対して、通常の植付け間隔(12〜24cm)よりも広い間隔(例えば、26〜45cm)で苗を植付けて栽培するという移植栽培技術が試みられている。所謂、疎植式といわれる移植栽培技術である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記疎植式の移植栽培技術は、一株あたりの受光量が増大し風通しも良好となって一株一株良好に成長させられ、結果として一株あたりの収穫量の増大が図れるという利点がある。しかし、この技術は、苗植付け間隔を広くしたぶん、単位面積あたりの苗植付け株数が少くなるので、圃場全体としての収穫量の増加は、あまり見込めないという面があった。 【0004】そこで、この発明は、疎植式の移植栽培技術の利点を生かしつつ、圃場全体としての収穫量の増加も図ることを課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段及び方法】そこで、この発明は、上記課題を解決するために、以下のようにした。即ち、請求項1記載の発明は、一方向に進行しながら該進行方向に対して不等間隔で圃場に苗を植付けることを特徴とする苗植付け方法とした。請求項2記載の発明は、進行方向に対して不等間隔で圃場に苗を植付ける苗植付け手段を設けたことを特徴とする苗植付け装置とした。 【0006】請求項3記載の発明は、前記苗植付け手段を、異なる軌跡で苗植付け動作する複数の苗植付け体により構成したことを特徴とする請求項2記載の苗植付け装置とした。請求項4記載の発明は、前記複数の苗植付け体を駆動軸回りに回動させる回転ケースに設け、該回転ケースの回転により複数の苗植付け体のそれぞれを回転ケースの回転方向とは逆方向に且つ不等速に回転させる不等速伝動手段を設けて該不等速伝動手段により複数の苗植付け体が異なる軌跡で苗植付け動作するよう構成したことを特徴とする請求項3記載の苗植付け装置とした。 【0007】 【作用】苗は、一方向に進行しながら、該進行方向に対して不等間隔で圃場に植付けられていって、広い苗植付け間隔が部分的に形成される。 【0008】 【発明の効果】請求項1記載の発明は、一方向に進行しながら該進行方向に対して不等間隔で圃場に苗を植付ける苗植付け方法としたので、広い苗植付け間隔が部分的に形成されて、一株一株良好に成長させられて一株あたりの収穫量の増大が図れ、しかも、広い苗植付け間隔でのみ苗を植付ける従来の技術と比べて、単位面積あたりの苗植付け株数を多くできて圃場全体としての収穫量の増加が図れる。 【0009】請求項2記載の発明は、進行方向に対して不等間隔で圃場に苗を植付ける苗植付け手段を設けた苗植付け装置としたので、広い苗植付け間隔が部分的に形成されるよう苗を容易に植付けられ、上記効果に加え、作業能率の向上も図れる。請求項3記載の発明は、上記苗植付け装置にあって、前記苗植付け手段を、異なる軌跡で苗植付け動作する複数の苗植付け体により構成したので、広い苗植付け間隔が部分的に形成されるよう苗を容易に且つ能率良く植付けられ、作業能率の更なる向上が図れる。 【0010】請求項4記載の発明は、上記苗植付け装置にあって、前記複数の苗植付け体を駆動軸回りに回動させる回転ケースに設け、該回転ケースの回転により複数の苗植付け体のそれぞれを回転ケースの回転方向とは逆方向に且つ不等速に回転させる不等速伝動手段を設けて該不等速伝動手段により複数の苗植付け体が異なる軌跡で苗植付け動作するよう構成したので、広い苗植付け間隔が部分的に形成されるよう苗を植付けられる苗植付け装置を、乗用田植機で採用されているロータリー式苗植付け装置を利用して容易に且つ安価に構成でき、しかも、高速作業も行なえるようになる。 【0011】 【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を以下に例示する。この発明の苗植付け方法は、一方向に進行しながら該進行方向に対して不等間隔で圃場に苗を植付ける苗植付け方法であるが、例えば、図1に示すような状態となるよう植付ける。なお、図1(a)は、進行方向に苗を4条植付けて行っている植付け状態を平面視であらわしており、黒丸印が苗aで、白丸印が苗bを示していて、苗aの次に広い苗植付け間隔d1(具体的には26〜45cm)をあけて苗bを植付け、その次に狭い苗植付け間隔d2(具体的には3〜5cm)をあけて苗aを植付けるというように、広い苗植付け間隔d1と狭い苗植付け間隔d2とが交互に形成されるようにして植付けた状態を示す。図1(b)は、黒丸印が苗aで、白丸印が苗b、二重丸印が苗cを示していて、苗aの次に広い苗植付け間隔d1をあけて苗bを植付け、その次に狭い苗植付け間隔d2をあけて苗cを植付け、そして、その次に狭い苗植付け間隔d2をあけて苗aを植付けるというように、狭い苗植付け間隔d2で三株苗が植付けられた後に広い苗植付け間隔d1が形成されるように植付けた状態を示す。図1(c)は、黒丸印が苗aで、白丸印が苗b、二重丸印が苗cを示していて、苗aの次に広い苗植付け間隔d1をあけて苗bを植付け、その次にまた広い苗植付け間隔d1をあけて苗cを植付け、そして、その次に狭い苗植付け間隔d2をあけて苗aを植付けるというように、広い苗植付け間隔d1が連続して2回形成されその後に狭い苗植付け間隔d2で一株苗が植付けられるというように植付けた状態を示す。 【0012】以上のような苗植付け方法を採用すると、広い苗植付け間隔が部分的に形成されて、一株一株良好に成長させられて一株あたりの収穫量の増大が図れ、しかも、広い苗植付け間隔でのみ苗を植付ける従来の技術と比べて、単位面積あたりの苗植付け株数を多くできて圃場全体としての収穫量の増加が図れる。尚、図1(b)の苗植付け方法は、(a)の方法と比べると収穫量の増加が更に図れ、(c)の苗植付け方法は、(a)の方法と比べると一株一株を更に良好に成長させられる。 【0013】次に、この発明の苗植付け装置の一実施形態について説明する。この苗植付け装置は、田植機や野菜移植機等の苗移植機に採用できるが、ここでは、乗用田植機に装着した一例で、図1(a)の苗植付け方法を行なうものについて、以下図面に基いて説明する。まず、図2に示す乗用田植機1の全体的な構成を説明する。乗用田植機1は、エンジン2を搭載し駆動回転する左右一対の前輪3・3及び後輪4・4を備えた走行車体5の後側に昇降リンク装置6を介して苗植付け機7が装着された構成となっている。尚、走行車体5には操縦座席8と操向用のハンドル9が設けられている。 【0014】前記苗植付け機7には、走行車体5側から伝動入力される伝動フレ−ム10が苗植付け機7のフレームを兼ねつつ、その内部に苗植付け機7の各作動部への伝動機構を備えて設けられる。その伝動フレ−ム10上に前側が上位となるよう傾斜して苗載台11が設けられ、伝動フレ−ム10内の左右往復移動機構と連動連結して左右に往復移動するようになっている。また、伝動フレ−ム10の両側部から後方に延びる植付け駆動用伝動フレ−ム部10b・10bの各後端側両側方に突出する植付け駆動軸12の両端部にそれぞれ苗植付け装置13…が装着されて4条植えの構成としている。よって、苗載台11が左右に往復動してその苗載台上の苗を苗載台下端に設けた苗受け枠14の苗取出口14a…に順次供給し、苗植付け装置13…の苗植付け体15a・15b…が所定の軌跡を描きながら回転して前記苗取出口14a…に供給された苗を分離し保持して、その保持した苗を圃場に達したとき放出して植え付けるようになっている。また、苗植付け機7の下側には、中央にセンタ−フロ−ト16a、左右両側にサイドフロ−ト16b・16bが、それぞれ左右横方向の軸芯回りに回動可能に取り付けられている。 【0015】苗植付け装置13について以下説明する。苗植付け装置13は、進行方向に対して不等間隔で圃場に苗を植付けるよう設けている。よって、この苗植付け装置13で苗を植付けると、広い苗植付け間隔が部分的に形成されて、一株あたりの収穫量の増大が図れ、しかも、広い苗植付け間隔で等間隔に苗を植付ける従来の技術と比べて、単位面積あたりの苗植付け株数を多くできて圃場全体としての収穫量の増加が図れる。そして、この苗植付け装置13は、広い苗植付け間隔を部分的に形成して植付ける作業を能率良く行えるものである。 【0016】また、この苗植付け装置13は、異なる軌跡T1・T2で苗植付け動作する複数の苗植付け体15a・15bにより構成したので、広い苗植付け間隔が部分的に形成されるように苗を植付ける作業を容易に且つ能率良く行なえ、作業能率の更なる向上が図れる。更に、この苗植付け装置13は、前記複数の苗植付け体15a・15bを駆動軸12回りに回動させる回転ケース17に設け、該回転ケース17の回転により複数の苗植付け体15a・15bのそれぞれを回転ケース17回転方向とは逆方向に且つ不等速に回転させる不等速伝動手段18a・18bを設けて該不等速伝動手段18a・18bにより複数の苗植付け体15a・15bが異なる軌跡T1・T2で苗植付け動作するよう構成したので、広い苗植付け間隔が部分的に形成されるよう苗が植付けられる苗植付け装置を、乗用田植機で採用されているロータリー式苗植付け装置を利用して容易に且つ安価に構成でき、しかも、高速作業も行なえるようになる。 【0017】さて、苗植付け装置13の更に具体的な構成を以下説明する。まず、植付け駆動用伝動フレーム部10bの後端側側方に突出する植付駆動軸12に回転ケース17を一体回転するよう取付けている。この回転ケース17の側面部にあって回転中心に対して互いに180度ずれた二箇所から突出した回転軸19a・19bにそれぞれ苗植付け体15a・15bを一体的に取付けている。そして、回転ケース17内において、第一太陽ギヤ20aと第二太陽ギヤ20bを植付駆動軸12に回転自在に設け、且つ第一太陽ギヤ20aを前記伝動フレーム部10bの側面に固定したメタル21と回転ケース17内で係合して回転不能に設け、更に、第二太陽ギヤ20bを第一太陽ギヤ20aに対して一体回転するように係合している。 【0018】そして、一方の苗植付け体15aを取付けている回転軸19aと第一太陽ギヤ20aとの間には第一不等速伝動手段18aを設け、他方の苗植付け体15bを取付けている回転軸19bと第二太陽ギヤ20bとの間には第二不等速伝動手段18bを設けている。第一不等速伝動手段18aは、植付駆動軸12と回転軸19aとの中間に配置したカウンタ軸22aに支持され第一太陽ギヤ20aに噛み合うカウンターギヤ23aと、前記回転軸19aに一体回転するよう設けられ前記カウンターギヤ23aに噛み合う苗植付け体回転ギヤ24aとを備え、第一太陽ギヤ20aとカウンターギヤ22aと苗植付け体回転ギヤ23aとは、それぞれ非円形ギヤや偏心ギヤ等のピッチ円半径が変化する非真円ギヤで構成して、回転ケース17の回転にともない苗植付け体15aが図3、図4に示す軌跡T1を描いて回転するようになっている。 【0019】第二不等速伝動手段18bは、植付駆動軸12と回転軸19bとの中間に配置したカウンタ軸22bに支持され第二太陽ギヤ20bに噛み合うカウンターギヤ23bと、前記回転軸19bに一体回転するよう設けられ前記カウンターギヤ23bに噛み合う苗植付け体回転ギヤ24bとを備え、第二太陽ギヤ20bとカウンターギヤ22bと苗植付け体回転ギヤ23bとはそれぞれ非円形ギヤや偏心ギヤ等のピッチ円半径が変化する非真円ギヤで構成して、回転ケース17の回転にともない苗植付け体15bが図3、図4に示す軌跡T2を描いて回転するようになっている。 【0020】苗植付け体15a・15bは、図5に示すように、苗植付け体ケース25a・25bと、該ケース25a・25bを回転軸19a・19bに一体的に取付けるためのメタル26a・26bと、苗植付け体ケース25a・25bに一体に取付けられ苗を苗取出し口14aから一株分分離し保持する苗分離爪27a・27bと、苗分離爪27a・27bが保持した苗を圃場面に突入させると爪先端方向に突出して苗を放出する苗押出し体28a・28bとを備えている。苗押出し体28a・28bは、苗植付け体ケース25a・25b内で回転軸19a・19bに回転自在に嵌合し且つ回転ケース17側への延出部が回転ケース17に回転不能に係合するように設けたカム29a・29bとバネの作用により、苗植付け体15a・15bの回転にともなって苗植付け体ケース25a・25b内から突出・引込み動作するよう設けている。 【0021】尚、図5中にあって、植付駆動軸12は、植付け駆動用伝動フレーム部10b内にあって、伝動フレ−ム10側からチェン30を介して伝動回転するスプロケット31が回転自在で且つ軸方向に摺動自在に嵌合していて、このスプロケット31がスプリング32で植付駆動軸12に一体回転する駆動メタル33側に付勢されて駆動メタル33を一体回転させるよう係合している。従って、ここで苗植付け装置13に過負荷が作用した時に駆動を断つよう作用するクラッチを構成している。 【0022】以上説明した乗用田植機1及び苗植付け装置13の作用は、以下のとおりである。まず、乗用田植機1を苗植付圃場に移動して植付開始地点に到着したら、昇降リンク装置6を下降作動して苗植付機7のフロ−ト16a・16b・16bを圃場面に接地した状態にする。そして、苗植付クラッチを入りにして苗植付機7へ伝動状態とし苗植付作業走行を開始する。 【0023】このとき苗植付装置13は、苗植付け装置13は、各苗植付け体15a・15bの各苗分離爪27a・27bの先端が、図3に示すような軌跡T1及び軌跡T2を描いて回転して、苗を植付ける圃場面Fに対して、広い苗植付け間隔d1と狭い苗植付け間隔d2が交互に形成されるようにして苗植付け動作して、苗が不等間隔で高速に植付けられていく。 【0024】ところで、上記のものは、図1(a)の苗植付け方法を行なうため苗植付け体を回転ケースに2体設けた構成であるが、図1(b)或は(c)の苗植付け方法を行なうため苗植付け体を回転ケースに3体設けて構成することもでき、よって、苗植付け態様に合わせて回転ケースに設ける苗植付け体は複数として構成できるものである。 【0025】また、進行方向に対して不等間隔で圃場に苗を植付ける苗植付け手段を設けた苗植付け装置の具体構成は、上記の実施の態様以外としては、例えば、苗植付け装置自体は等間隔に苗を植付ける従来のものとする一方、苗植付け装置の植付駆動軸を一定周期で緩急回転するよう駆動回転制御して、広い苗植付け間隔が部分的に形成されるように苗を植付ける構成とすることもできる。 【0026】また、上記の説明では、田植方法及び田植装置における実施の形態を示したのであるが、野菜苗の苗植付け方法及び苗植付け装置において実施した場合は、苗植付け体にくちばし式の構成を採用できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年4月14日(1999.4.14) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2000−295907(P2000−295907A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月24日(2000.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−106690 |
|