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【発明の名称】 田植機の苗載台
【発明者】 【氏名】加藤 祐一

【氏名】松岡 秀樹

【氏名】西 陽一朗

【氏名】土井 邦夫

【氏名】前川 智史

【要約】 【課題】8条植え以上の田植機で、苗載台を折り畳み式とした場合、左右両側の分割苗載台を折り畳む操作は面倒であった。

【解決手段】左右一側の2条の苗載台を着脱可能とした分割苗載台16Dを構成し、該分割苗載台を残りの主苗載台16Mの上方に載置固定可能とし、8条植えの田植機とした場合、苗載台の各条に配置する苗マット押さえ46を、前記分割苗載台側から、2条分、3条分、3条分を一体的に連結し、前記分割苗載台の左右両側にハンドル40を設け、該左右ハンドルの一方を他方より高位置に配置し、該左右ハンドルを分割苗載台の重心を挟んで配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗載台の左右幅方向の長さを縮小可能とした田植機において、左右一側の2条の苗載台を着脱可能として分割苗載台とし、該分割苗載台を残りの主苗載台の上方に載置固定可能としたことを特徴とする田植機の苗載台。
【請求項2】 8条植えの田植機であって、苗載台の各条に配置する苗マット押さえを、前記分割苗載台側から、2条分、3条分、3条分をそれぞれ一体的に連結したことを特徴とする請求項1記載の田植機の苗載台。
【請求項3】 前記分割苗載台の左右両側に把持部を設け、該左右把持部の一方を他方より高位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の田植機の苗載台。
【請求項4】 前記分割苗載台の左右両側に把持部を設け、該左右把持部を、分割苗載台の重心を挟んで配置したことを特徴とする請求項1記載の田植機の苗載台。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機機の苗載台の左右一側を収納し、左右幅を狭めて格納したり、搬送したりできるようにした田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、8条植え以上の多条植え型田植機においては、搬送や移動や格納する場合には、苗載台が左右横方向にはみ出し、苗載台が邪魔になることがあるので、苗載台やガイドレールを折り畳めるように構成した技術が公知となっている。例えば、特開平10−127121号の技術である。この技術の苗載台は、左右両側の2条分の苗載台を、平行移動しながら中央の苗載台上に載置するように折り畳み、左右のガイドレールやバンパーは上方または前方へ折り畳むように構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の苗載台の折り畳み機構はリンク機構により平行移動する構成としていたので、機構が複雑となり、また、左右の苗載台を中央の苗載台側に折り畳み、それぞれをロックする構成としていたので、操作手順が多くなり、面倒な作業となっていたのである。また、苗載台上には苗マット押さえが各条毎に配置されており、これらは1条または2条毎に開放する構成としていたので、作業終了時に8条の残り苗を取り出すときには面倒な作業となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、請求項1においては、苗載台の左右幅方向の長さを縮小可能とした田植機において、左右一側の2条の苗載台を着脱可能とした分割苗載台を構成し、該分割苗載台を残りの主苗載台の上方に載置固定可能としたものである。また、請求項2においては、8条植えの田植機であって、苗載台の各条に配置する苗マット押さえを、前記分割苗載台側から、2条分、3条分、3条分をそれぞれ一体的に連結したものである。また、請求項3においては、前記分割苗載台の左右両側に把持部を設け、該左右把持部の一方を他方より高位置に配置したものである。また、請求項4においては、前記分割苗載台の左右両側に把持部を設け、該左右把持部を、分割苗載台の重心を挟んで配置したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は左右方向の長さを縮小可能とした苗載台を備えた田植機の全体側面図、図2は分割苗載台を主苗載台上に載せて収納した状態を示す後面図、図3は本発明の苗載台の後面図、図4は分割苗載台の後面図、図5は苗載台の側面図、図6は分割苗載台の背面図、図7は分離した状態の苗載台の背面図である。
【0006】まず、8条の乗用田植機について図1より全体構成から説明する。乗用田植機Aは走行部1の後部に昇降リンク機構27を介して植付部4が配置され、該走行部1は車体フレーム3前部上方にエンジン2を搭載し、前下部にフロントアクスルケースを介して前輪6を支持させると共に、後部にリヤアクスルケース7を介して後輪8を支持している。そして、前記エンジン2はボンネット9に覆われ、該ボンネット9の両側に予備苗載台10・10を配設し、該ボンネット9後部のダッシュボード5上に操向ハンドル14を配置し、該ボンネット9両側とその後部の車体フレーム3上を車体カバー12で覆い、操向ハンドル14後方位置に座席13を配置し、ボンネット9の両側と座席13前部と、座席13左右両側及び座席13後方をステップとしている。
【0007】そして、前記運転席13の側部には走行変速レバー30や植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー31や植付感度調節レバーが配置され、ダッシュボード下部のステップ上には主クラッチペダル32や左右ブレーキペダルが配設され、前記座席13後方には8条用の施肥機33が配設されている。
【0008】また、前記植付部4は苗載台16や植付爪17やセンターフロート34やサイドフロート35等から構成されており、前記苗載台16は前高後低に配設して、苗載台16の下部は下ガイドレール18、前面の上部は上ガイドレール19によって左右往復摺動自在に支持し、該下ガイドレール18及び上ガイドレール19は植付センターケース20よりフレーム等を介して支持されている。そして、植付センターケース20より連結パイプを介してチェーンケース21を平行に後方へ突出して、該チェーンケース21の後部に一方向に回転させるロータリーケース22を配置し、該ロータリーケース22の両側に一対の植付爪17・17を配置している。こうして、前進走行とともに苗載台16を左右に往復摺動して、この往復動に同期させて植付爪17を駆動して一株分の苗を切り出し、連続的に植え付け作業を行うように構成している。
【0009】また、前記植付センターケース20の前部にローリング支点軸を介して前記昇降リンク機構27と連結され、該昇降リンク機構27はトップリンク25やロワーリンク26等より構成され、座席13下方に配置した昇降シリンダ28によって植付部4を昇降できるようにしている。
【0010】次に、本発明の苗載台16の構成を説明する。前記苗載台16は、図2〜図7に示すように、進行方向右外側の二条分の苗載台を分割して分割苗載台16Dとし、機体中央側の固定された六条分の苗載台を主苗載台16Mとしており、前記分割苗載台16Dを着脱可能に構成して、該分割苗載台16Dを取り外して主苗載台16Mの後部上に載置係合して収納可能に構成している。なお、外側へ延長した下ガイドレールは前方へ回動して収納できるようにしており、サイドバンパーは内方向へ摺動して収納できるようにしている。
【0011】前記苗載台16は上面に各条毎に左右両側に前後方向にリブ16a・16a・・・を設けて、苗マットをリブ16a・16a・・・でガイドできるようにしており、前記分割苗載台16Dの左右両側のリブ16a・16a上の上下中途部には図4に示すように、把持部であるハンドル40L・40Rが設けられ、ハンドル40Lは後上方へ突出され、ハンドル40Rは側方へ突出して配置されている。該ハンドル40L・40Rの苗載台16の上下方向に対する配設位置は高さが異なり、外側(本実施例では右側40R)を高くし、内側(本実施例では左側40L)を低く配置している。そして、該ハンドル40L・40Rの取付部同士を結ぶ線Xは分割苗載台16Dの重心Gの近傍を通過するように配設されて、重心Gを挟んでハンドル40L・40Rが位置するようにしている。
【0012】このようにして、分割苗載台16Dを着脱する時にはハンドル40L・40Rを持って持ち上げて移動するのであるが、ハンドルの一方が低いために収納時に後述する嵌合ピン41Lを支持パイプ43Lに嵌合し易く、持ち上げて移動するときには力を入れ易くなる。また、重心Gを挟んでハンドル40L・40Rが配置されているので、移動時にバランスを崩すことなく、容易に移動できるのである。
【0013】また、分割苗載台16Dの背面(前面)側の左右両側の上下中途部には、図6に示すように、嵌合ピン41L・41Rが下方に向かって突出され、後述する主苗載台16M上に設けた支持パイプ43L・43Rに挿入して載置固定できるようにしている。また、分割苗載台16Dの前上部、即ち、中央のリブの裏側(背面側)の上部に設けた前記上ガイドレール19の左右中央部の上面には係合孔42が開口されて、主苗載台16M上に設けた係合ピン44を係合して固定できるようにしている。このようにして3点で支持するようにしている。前記係合孔42はグリスを注入するための孔も兼用して、部品点数を差具現している。
【0014】前記支持パイプ43L・43Rは図3に示すように、左から4条目の左側のリブ16aと5条目の右側のリブ16a上にそれぞれ固定されており、左側の支持パイプ43Lの取付部は後述するストッパーステー50に溶着し、ストッパーステー50をリブに固定することによって左右の支持パイプ43L・43Rの取付工数を減少できるようにしている。また、支持パイプ43L・43Rは連結杆49によって連結されて補強され、また、左側の支持パイプ43Lの上端は右側の支持パイプ43Rの上端よりも高く配置し、分割苗載台16Dの嵌合ピン41Lから差し込んでガイドとし、もう一方の嵌合ピン41Rを容易に挿入できるようにしている。また、4条目の右側のリブ16aの上部に前記係合ピン44が回動可能に配置されている。
【0015】また、分割苗載台16Dと主苗載台16Mを連結した作業状態では、ロック装置45によって固定されており、該ロック装置45は下ガイドレール18と上ガイドレール19と平行にパイプを横設して、該パイプ内にロックロッドを挿入し、該ロックロッドの一端にハンドルを設け、他端にロックカムを設けて、連結時にハンドルを回動してロックカムがパイプより抜けない構成としている。
【0016】このようにして、分割苗載台16Dを外す場合には、ロック装置45を解除して、ハンドル40L・40Rを持って持ち上げて、そのままの状態で分割苗載台16Dを主苗載台16Mの上方位置まで移動して、嵌合ピン41L・41Rを支持パイプ43L・43Rに挿入し、係合ピン44を係合孔42に係合して固定するのである。
【0017】また、図3、図4、図5において、主苗載台16M及び分割苗載台16Dには、それぞれ左右のリブ16a・16a間に苗マット押さえ46と苗ストッパー47が配置されている。前記苗マット押さえ46は図4、図5に示すように、縦押さえ棒46aと横支持棒46bと支持シャフト46cからなり、縦押さえ棒46aは側面視略逆V字状に構成して、その下側基部は支持シャフト46cに固設され、該支持シャフト46cの両側は、主苗載台16Mにおいては、左から1条目の左側リブ16aと3条目の右側リブ16aと6条目の右側リブ16a上に固設したストッパーステー50・50・50に回転自在に枢支されている。分割苗載台16Dにおいては、支持シャフト46cの両側は両側のリブ16a上に固設したストッパーステー50・50に回転自在に枢支されている。
【0018】前記縦押さえ棒46aの上端は横支持棒46bに固設され、該横支持棒46bは平面視略U字状に構成して、その両端を前記ストッパーステー50を固設したリブ16aの上方位置に配置した高さ調節ステー51に係合可能としている。また、苗ストッパー47の基部が前記縦押さえ棒46aの基部より突出した枢支ピン46dに枢支され、苗ストッパー47の後面が前記支持シャフト46cに係合可能としている。よって、苗ストッパー47の解除時は支持シャフト46cに係合させ、苗マットを受け止めるときには条毎に下方へ回動して先端を苗載台16の上面に当接させるようにしている。
【0019】以上のように構成した苗マット押さえ46において、従来の8条植えの田植機の苗マット押さえの数は、両側の折り畳む2条の苗載台に各一つ、固定側の苗載台の中央2条と左右1条に各一つずつで、合計5つの苗マット押さえが必要であったが、本発明では主苗載台16Mには3条分を一体的に構成した苗マット押さえ46M・46Mを二つ配置し、分割苗載台16Dに2条分を一体的に構成した苗マット押さえ46Dを配置している。即ち、苗マット押さえ46を分割苗載台D側から、2条分、3条分、3条分の苗マット押さえ46D・46M・46Mを合計3つ配置する構成として、苗マット押さえ46の数を削減して、残り苗を取り出すときの操作も減少して効率が良く、部品点数を減少して組立工数も減少してコスト低減化を図っている。
【0020】また、各条に設けられる苗ストッパー47及び苗マット押さえ46を支持する支持シャフト46cは前記ストッパーステー50に支持されるので、該ストッパーステー50の数は5個、つまり、主苗載台上に3個、分割苗載台上に2個必要であり、従来では左右両側の分割苗載台の各々左右にストッパーステーが必要であるから4個、固定側の苗載台においては、苗マット押さえが3つあるために、ストッパーステーは4個必要となり、合計8個必要なり多くのストッパーステーが必要であったが、本発明ではストッパーステーの数も減少できるのである。
【0021】また、前記分割苗載台16Dにはフラッシャランプ54と苗継ぎセンサー55が配置されており、該フラッシャランプ54と苗継ぎセンサー55へは主苗載台16M側から電力を供給し、制御信号を伝えるが、従来では、伸び縮み可能なカールコードを用いたり、コードに余裕をもたせて配線して、折り畳み可能としていたが、折り畳みや作業状態にセットするときにコードが他の部品に引っ掛かり易く、破損のおそれがあった。また、メンテナンスのときに分割苗載台16Dを外しても移動できる範囲がコードによって決まり、また、着脱する構成とした場合にはその部分を防水部品とする必要があり、付け替えも面倒な操作となっていた。
【0022】そこで、本実施例の田植機においては、図7に示すように、分割苗載台16Dと主苗載台16Mの対向する側面、即ち、接合部分にコンセントタイプのコネクタ60a・60bを配置し、該コネクタ60aにフラッシャランプ54と苗継ぎセンサー55に接続したコードを接続している。なお、このコネクタ60a・60bは防水型としている。このように構成することによって、分割苗載台16Dを側方へ移動するだけで外すことができ、逆方向へ移動するだけで作業状態にセットして、配線も接続することができる。よって、コードの絡みもなく切断されるおそれもなくなる。
【0023】また、図8に示すように、ロック装置45に接点を兼用する構成することも可能である。即ち、アース側の線は分割苗載台16Dと主苗載台16Mの接合部分に連結し、2条分の苗継ぎセンサー55のプラス側の線は上下のロック装置45・45に接続し、フラッシャランプ54のプラス側は上部の位置決め用の嵌合部56に接続する。そして、主苗載台16M側のロック装置45・45の嵌合部45a・45aと嵌合部56の嵌合部56aにそれぞれハーネスを接続してそれぞれの制御部に接続する。このように構成することによって、前記同様に作業状態にセットしてロックすると、嵌合部を介して導通し、高価なカールコードを省いてフラッシャランプ54と苗継ぎセンサー55を作動することが可能となり、コードが絡むこともなくなる。そして、ロックされないと導通しないので、分割苗16Dのセットが不十分な場合には苗継ぎセンサー55が作動して運転部において警報が発せられ、正常にセットしていなことを知らせることができ、収納状態が容易に判断できるのである。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く、苗載台の左右幅方向の長さを短くすることを可能とした田植機において、左右一側の2条の苗載台を着脱可能として分割苗載台とし、該分割苗載台を残りの主苗載台の上方に載置固定可能としたので、左右両側の苗載台を分割して両側を折り畳む構成に比べて、苗載台を縮小(収納)させる操作が簡単になり手間も減少し、構造も簡単に構成できる。
【0025】また、請求項2記載の如く、8条植えの田植機において、苗載台の各条に配置する苗マット押さえを、前記分割苗載台側から、2条分、3条分、3条分をそれぞれ一体的に連結したので、作業後に残った苗マットを取り出すときに、3つの苗マット押さえを開放するだけでよいので、操作する手間を減少できる。
【0026】また、請求項3記載の如く、前記分割苗載台の左右両側に把持部を設け、該左右把持部の一方を他方よた高位置に配置したので、作業者が分割苗載台を着脱するときに、同じ高さに把持部を配置したどきに比べて、低い側に配置した嵌合部での嵌合操作が行い易く、力も入れ易くなり、前後方向の回転力に対して対処し易く、バランス良く操作ができるのである。
【0027】また、請求項4記載の如く、前記分割苗載台の左右両側に把持部を設け、該左右把持部を分割苗載台の重心を挟んで配置したので、分割苗載台を取り外して持ち上げた時に、バランス良く持ち上げられ、左右一方が傾いて取り付け難くなったり、一方の手に多くの荷重が係る等の不具合がなくなる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年4月2日(1999.4.2)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2000−287512(P2000−287512A)
【公開日】 平成12年10月17日(2000.10.17)
【出願番号】 特願平11−95801