| 【発明の名称】 |
田植機の粉粒体供給装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】園田 義昭
【氏名】中川 善清
【氏名】松村 哲也
【氏名】牧原 邦充
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| 【要約】 |
【課題】苗植付機構と苗縦送り機構と肥料繰出し機構を一挙に入切り操作する構造や、繰出し機構の駆動構造の簡単化や合理化を図ることを目的とする。
【解決手段】肥料繰出し機構に対する施肥クラッチ33と、苗植付機構に対する畦際クラッチ81と、苗縦送り機構に対する縦送りクラッチ83との夫々を互いに同じ条数毎に対応して設け、それら3種のクラッチ33,81,83を連動機構84を介して一挙に入切り操作する単一の操作具85を備える。連動機構84を、畦際クラッチ81と縦送りクラッチ83と操作具85との計三者に亘って連動連結されるインナワイヤと、一端が固定され、かつ、他端が施肥クラッチ33に連動連結されるアウタワイヤとを備えたボーデンワイヤ86で構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粉粒体を貯留するホッパと、このホッパから送られてくる粉粒体を所定量ずつ繰り出す繰出し機構と、繰り出された粉粒体を苗植付装置に装備された作溝器に送る粉粒体移送経路とを備えてある田植機の粉粒体供給装置であって、前記繰出し機構への動力を断続する粉粒体クラッチと、植付機構への動力を断続する畦際クラッチと、苗縦送り機構への動力を断続する縦送りクラッチとの夫々を全植付条のうちの一部の少数条に対応して備えるとともに、それら3種のクラッチを連動機構を介して一挙に入り又は切り操作する単一の操作具を備え、前記連動機構を、前記操作具と前記3種のクラッチのうちのいずれか二つとの計三者に亘って連動連結されるインナワイヤと、一端が固定され、かつ、他端が前記3種のクラッチのうちの残りの一つに連動連結されるアウタワイヤとを備えたボーデンワイヤで構成してある田植機の粉粒体供給装置。 【請求項2】 繰出しロールの回転に伴って粉粒体を所定量ずつ繰り出す繰出し機構と、前記繰出しロールに粉粒体を供給するホッパとを備え、前記繰出しロールを一方向クラッチを介して一定方向に回転させる動力変換機構を設けるとともに、手動で回転操作自在な操作具で前記繰出しロールを前記一定方向に回転操作する手動操作機構を設けてある田植機の粉粒体供給装置。 【請求項3】 前記繰出しロールを、走行用伝動系から分岐した動力で駆動回転するように構成してある請求項2に記載の田植機の粉粒体供給装置。 【請求項4】 繰出しロールの一定方向への回転に伴って粉粒体を所定量ずつ繰り出す繰出し機構と、前記繰出しロールに粉粒体を供給するホッパとを備え、前記繰出しロールに第1一方向クラッチを介して連動される第1補助アームと、前記第1一方向クラッチと同じ回転方向で作動する第2一方向クラッチを介して前記繰出しロールに連動される第2補助アームと、駆動回転される回転アームに単一のロッドで連動連結されて往復揺動する受動アームとを備え、前記受動アームの一方への揺動によって前記第1一方向クラッチのみが空駆動され、かつ、前記受動アームの他方への揺動によって前記第2一方向クラッチのみが空駆動されるように、前記両補助アームと前記受動アームとを連動連結する一方向回転機構を備えてある田植機の粉粒体供給装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、施肥装置や施薬装置等の田植機に装備される粉粒体供給装置に係り、詳しくは、駆動構造の簡素化や、植付機構と連動させた動力の入切り構造、或いは手動操作による粉粒体の試し出し等の各構造を合理的に構成させる技術に関する。 【0002】 【従来の技術】田植機に搭載される粉粒体としては、特開平10‐215621号公報に示されるように、運転座席と苗載台との前後間に搭載された施肥装置がある。この施肥装置は、ホッパから繰り出された肥料を、機体の左横に配備したブロワの風力により、フロート部分に配置される作溝器までの比較的長い移送経路を詰まり無く良好に肥料を移送できるように構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】施肥装置は植付作動と共に駆動されるものであるから、畦際における端数条植えを行う場合には、前記公報に示されたように、苗植付機構と苗縦送り機構と肥料繰出し機構の三者を一挙に入切り操作する操作構造が必要になるが、その具体的な連係操作構造は開示されていなかった。 【0004】又、特開平10‐304722号公報に示されたように、車体下腹部を通る伝動軸で往復駆動される左右一対のロッドで施肥装置に動力入力させることにより、脈動的に繰出し機構を連続回転駆動できる利点を備えているが、ロッド及びその駆動用のベベルギヤ機構が左右夫々に必要であり、比較的構造が煩雑で必要スペースも大になることから、他の機械装置類との配置レイアウトに制約を受け易く、融通が効き難いものであった。 【0005】本発明は、苗植付機構と苗縦送り機構と肥料繰出し機構を一挙に入切り操作する構造や、繰出し機構の駆動構造の簡単化や合理化を図ることを目的とする。又、エンジンを起動することなく人為操作で繰出し機構を駆動して、肥料等の粉粒体の試し出しを行う構造を簡単に備えることも目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】〔構成〕第1発明は、粉粒体を貯留するホッパと、このホッパから送られてくる粉粒体を所定量ずつ繰り出す繰出し機構と、繰り出された粉粒体を苗植付装置に装備された作溝器に送る粉粒体移送経路とを備えてある田植機の粉粒体供給装置において、繰出し機構への動力を断続する粉粒体クラッチと、植付機構への動力を断続する畦際クラッチと、苗縦送り機構への動力を断続する縦送りクラッチとの夫々を全植付条のうちの一部の少数条に対応して備えるとともに、それら3種のクラッチを連動機構を介して一挙に入り又は切り操作する単一の操作具を備え、連動機構を、操作具と3種のクラッチのうちのいずれか二つとの計三者に亘って連動連結されるインナワイヤと、一端が固定され、かつ、他端が3種のクラッチのうちの残りの一つに連動連結されるアウタワイヤとを備えたボーデンワイヤで構成してあることを特徴とする。 【0007】第2発明は、田植機の粉粒体供給装置において、繰出しロールの回転に伴って粉粒体を所定量ずつ繰り出す繰出し機構と、繰出しロールに粉粒体を供給するホッパとを備え、繰出しロールを一方向クラッチを介して一定方向に回転させる動力変換機構を設けるとともに、手動で回転操作自在な操作具で繰出しロールを一定方向に回転操作する手動操作機構を設けてあることを特徴とする。 【0008】第3発明は、第2発明において、繰出しアームを、走行用伝動系から分岐した動力で駆動回転するように構成してあることを特徴とする。 【0009】第4発明は、田植機の粉粒体供給装置において、繰出しロールの一定方向への回転に伴って粉粒体を所定量ずつ繰り出す繰出し機構と、繰出しロールに粉粒体を供給するホッパとを備え、繰出しロールに第1一方向クラッチを介して連動される第1補助アームと、第1一方向クラッチと同じ回転方向で作動する第2一方向クラッチを介して繰出しロールに連動される第2補助アームと、駆動回転される回転アームに単一のロッドで連動連結されて往復揺動する受動アームとを備え、受動アームの一方への揺動によって第1一方向クラッチのみが空駆動され、かつ、受動アームの他方への揺動によって第2一方向クラッチのみが空駆動されるように、両補助アームと受動アームとを連動連結する一方向回転機構を備えてあることを特徴とする。 【0010】〔作用〕請求項1の構成によれば、粉粒体クラッチと畦際クラッチと縦送りクラッチとの3種のうちのいずれか二つと単一の操作具とに亘って連動連結されるインナワイヤと、一端が固定され、かつ、他端が残り一つのクラッチに連動連結されるアウタワイヤとを備えたボーデンワイヤを設けたので、例えば、施肥クラッチにアウタワイヤを連動連結すれば、インナワイヤを引く方向の操作具操作によって、施肥クラッチは押し操作され、かつ、畦際クラッチと縦送りクラッチとは引き操作されることになる。 【0011】従って、アウタワイヤの押し操作で施肥クラッチが、かつ、インナワイヤの引き操作で畦際クラッチと縦送りクラッチとが夫々切り(又は入り)操作されるように操作方向を設定すれば、単一の操作具で3種のクラッチの同時入切り操作が行えるようになる。そしてそのための連動連結構造は1本のボーデンワイヤを設けるだけの簡単な構成で済むものとなる。 【0012】請求項2の構成によれば、繰出しロールを一方向クラッチを介して一定方向に回転させる動力変換機構を設けた構造において、手動で回転操作自在な操作具で繰出しロールを一定方向に回転操作可能な手動操作機構を設けたものである。これによれば、繰出しロールの駆動経路に一方向クラッチが介装されているので、繰出しロールを、その駆動部を動かすことなく繰出し方向に回転させることが可能であるから、エンジン停止時でも繰出しロールを粉粒体繰出し方向には動かすことが可能であり、粉粒体の試し出し等、操作具の手動操作によって繰出し機構を駆動可能である。 【0013】請求項3の構成によれば、次のような作用が得られる。肥料や薬剤等の粉粒体は圃場における単位面積当たりの量を定めて供給するものであり、植付苗数には左右されない。故に、走行用伝動系から分岐した動力で繰出しロールを駆動回転するように構成すれば、植付作業時に走行速度を変更してもそれに同調して繰出し機構の駆動速度も変更されるので、繰出し量調節が不要になる。又、株間距離を変更するべく株間変速を行っても施肥駆動系とは関係がないので、従来のように繰出し量調節を行うことが不要になる。 【0014】PTO伝動軸で繰出し機構を駆動する従来の構造では、株間距離を変更するべく株間変速を行うと、それに伴って施肥装置の駆動速度も変更されてしまうので、前述したように単位面積当たりの肥料量を一定にするには、必ず肥料の繰出し量調節を行わねばならない煩わしさがあったが、本請求項のものではそのような煩わしさを解消できるようになる。 【0015】請求項4の構成によれば、同一方向に作動する2個の一方向クラッチと一方向回転機構とを介して往復揺動移動する受動アームで繰出しロールを駆動させるように構成したので、受動アームの一方への揺動移動でも他方への揺動移動でも繰出しロールを一定方向に回転できるようになり、受動アーム、ロッド、及びベベルギヤ機構等を1組のみ設ける構造としながら、安定作動に有利な繰出しロールの連続回転状態が得られるようになる。 【0016】〔効果〕請求項1に記載の田植機では、アウタワイヤとインナワイヤとが相対的に背反移動する性質を利用して単一のボーデンワイヤを用いる簡単な構造としながら、粉粒体クラッチと畦際クラッチと縦送りクラッチの同時入切り操作が行える合理的な粉粒体供給装置が得られた。 【0017】請求項2及び3に記載の田植機の粉粒体供給装置では、一方向クラッチを介して繰出しロールを一定方向に回転させる構造を利用することにより、手動回転操作自在な操作具を設ける程度の簡単な改造としながら、粉粒体の試し出し等、手動操作で繰出し機構を駆動できる便利なものが得られた。 【0018】請求項3に記載の田植機の粉粒体供給装置では、繰出し機構の動力を走行系から取ることにより、株間距離を変更しても粉粒体の繰出し量調節が不要となり、繰出し量調節の簡単化が図れる利点がある。 【0019】請求項4に記載の田植機の粉粒体供給装置では、2個の一方向クラッチ等を用いることにより、繰出しロールを連続駆動回転できる好ましいものを、1本ロッドによる簡素な伝動構造で実現でき、ロッド配設スペース並びに他の機械装置類との干渉が軽減できて配置レイアウトに融通が効き易い等の利点が得られた。 【0020】 【発明の実施の形態】図1、図2に示すように、操向操作自在な左右一対の前輪1及び左右一対の後輪2を備えた機体の前部に、エンジン3及びミッションケース4を備えて、機体の中央部に運転部5を形成し、機体の後部にリンク機構6を介して苗植付装置7を昇降操作自在に連結して乗用型田植機を構成してある。苗植付装置7は6条植えに構成されており、3個の植付伝動ケース8、植付伝動ケース8の左右両側に回転駆動自在に支持される回転ケース9、回転ケース9の両端に配備される一対の植付爪10、3個の接地フロート11、及び苗載台12等で構成してある。 【0021】次に施肥装置Aについて説明する。図1〜図6に示すように、施肥装置Aは、粉粒体である肥料を貯留するホッパ13、このホッパ13から流下して送られてくる肥料を肥料移送経路である施肥ホース14の始端部である漏斗部20に所定量ずつ繰り出す繰出し機構15、施肥ホース14で送られてくる肥料を圃場に供給する作溝器52、漏斗部20に繰り出された肥料を風力で施肥ホース14に送り込むブロワ16、ブロワ16で生起された風を計6箇所の施肥ホース14に分配供給する送風ダクト17等から構成されている。 【0022】図6、図8に示すように、繰出し機構15は、外周に肥料入込み用の凹部24aが周方向に沿って多数形成された繰出しロールRを、ホッパ13の肥料排出口の下方で、漏斗部20の上方の位置で回転可能にロールケース18内に配置して構成してある。繰出しロールRを、これに一体形成された従動ギヤ19Gと、動力が入力される駆動軸21の駆動ギヤ21Gとの咬合によって駆動回転するように構成してある。 【0023】図8、図9に示すように、繰出しロールRは、一端に従動ギヤ19Gが形成された中空状の回転軸19に、2種類の幅と2種類の深さを備えた計6個の部分ロールr1〜r3を一体回転状に外嵌して構成されている。左右方向で中央の第1部分ロールr1,r1と、中央から2番目の第2部分ロールr2,r2とは幅及び深さの小なる凹部24aを備えた同一のものであり、左右端の第3部分ロールr3,r3は幅及び深さの大なる凹部24aを備えたものに設定してある。 【0024】各部分ロールr1〜r3の夫々には、左右片側にのみ仕切り壁24bが形成されており、各仕切り壁24bが全て同じ向きになるように並設されるとともに、一方の第1部分ロールr1の仕切り壁24bが繰出し機構としての左右中心に一致するように配置されている。そして、一方の最も端の第3部分ロールr3とロールケース18との間に1個の仕切りリング23を配備することによって各凹部24aを軸方向に仕切ってある。尚、22は、各部分ロールr1〜r3にすり切り作用するブラシである。 【0025】図8〜図11に示すように、繰出しロールRの上側には、押込み移動及び復帰自在な第1〜第3部分シャッターs1〜s3を備えて成るシャッター機構Sが配置されている。このシャッター機構Sは、第1〜第3部分ロールr1〜r3のいずれか一つ又は複数に肥料供給するかを選択設定することにより、単位時間当たりの施肥量を複数段階に調節できるようにするものである。 【0026】各部分シャッターs1〜s3はいずれも同じ構造であり、図12に示すように、第2部分シャッターs2のもので説明すると、ホッパ13からの肥料が繰出しロールRに流下するのを阻止する遮断板26と、手指で摘むことで押し引き操作される棒状の操作部25とで構成されている。遮断板26はバネ板製であって上下方向に弾性変形自在であるとともに、操作部25はロールケース18に形成された前後方向視でL字状の挿通孔79を貫通して前方に延設されている。 【0027】操作部25を摘んで(前方に)引っ張り出せば遮断板26が繰出しロールR上に位置して肥料供給が遮断される閉じ姿勢になり(図11の左側参照)、操作部25を摘んで(後方に)押し込めば、遮断板26が上方に屈曲してロールケース18内壁面に沿って収納されて、繰出しロールR上に細い操作部25のみが位置して肥料供給される開通姿勢になる(図8及び図11の右側参照)。 【0028】例えば、第1及び第2部分ロールr1,r2に対するシャッターs1,s2を引っ張り出して閉じ姿勢にし、かつ、第3シャッターs3を押し込んで開通姿勢にすると、第3部分ロールr3の凹部24aにのみ肥料が入り込む状態で施肥が行われる。又、全ての部分シャッターs1〜s3を押し込めば、全ての部分ロールr1〜r3の凹部24aに肥料が入り込むので、単位時間当たりに繰り出される肥料が多い状態となる。このように3個の部分シャッターs1〜s3を単独で、或いは組み合わせて押し込み又は引っ張り出しすることにより、単位時間当たりに繰り出される肥料の量を5段階(r1又はr2,r3,r1+r2,r1又はr2+r3,r1+r2+r3)に調節することができる。 【0029】上記構造の繰出し機構15を2条一体型に構成して成る繰出し部kの4組を左右に並設してあるとともに、その4組の繰り出し部kのうちの内側2組の繰出し部k,kは、2組あるシャッター機構S,Sの一方を全閉状態として1組の繰出し機構15のみ作動する1条用のものに設定してある。つまり、図10に示すように、左右端の2条用の繰出し部k,kの間に、2組の1条用の繰出し部k,kを配置して6条用の施肥装置Aを構成してある。 【0030】ホッパ13は、左右端の2条用大容量ホッパ部13a,13aと、内側の1条用小容量ホッパ部13b,13bとを一体形成して成る樹脂製のものに構成されている。小容量ホッパ部13b,13bの前後幅は、運転座席27の後方に位置する短いものに、かつ、大容量ホッパ部13a,13aの前後幅は、運転座席27の左右側方に回り込む長いものに構成してあり、2条用と1条用夫々の肥料量に見合った容量が設定されている。又、ホッパ13の開閉蓋28は、4箇所のホッパ部13a,13b,13b,13aに亘る一体品であり、図7に示すように、後部に設けた支点Zで揺動開閉自在に取付けてある。 【0031】繰出し機構15の駆動構造について説明する。図7〜図10に示すように、4個の各ロールケース18のボス部18bに亘って、断面六角状の1本の駆動軸21が回転自在に支持されており、該駆動軸21に前述した駆動ギヤ21Gを相対回転自在に外嵌してある。そして、シフト回転体29が駆動軸21に一体回転及びスライド自在に外嵌されて、シフト回転体29を駆動ギヤ21Gへの咬合側に付勢するバネ30を備えるとともに、バネ30に抗してシフト回転体29を駆動ギヤ21Gから離脱させるべく、揺動自在なシフト部材31を備えてある。つまり、ワイヤー(符記せず)を引張ることでシフト部材31を強制揺動させて、駆動軸21の回転動力が繰出し機構15に伝わるのを遮断可能な施肥クラッチ(粉粒体クラッチの一例)33を構成してある。 【0032】図1、図4に示すように、車体下部には、ミッションケース4から機体後部の後車軸ケース34に動力伝達する走行伝動軸35が前後配置されており、この走行伝動軸35から施肥装置Aに動力分配するための伝動ケース36を、後車軸ケース34の直前位置に設けてある。走行伝動軸35を囲繞する状態の伝動ケース36にはベベルギヤ機構(図示せず)が装備され、その出力軸に取付けた駆動アーム37を左右一方の横側方に装備してある。 【0033】一方、図7、図13、図14に示すように、駆動軸21には、第1ワンウェイクラッチ38を介して受動アーム(第1補助アームを兼ねている)39が装備されており、この受動アーム39と駆動アーム37とをロッド40で連動連結してあるとともに、受動アーム39の上方揺動と下降揺動のいずれの動きも、駆動軸21の一定方向の回転に変換させる動力変換機構41を備えてある。つまり回転する駆動アーム37で往復駆動揺動される受動アーム39を1個備える構造としながら、駆動軸21を連続的に一定方向に回転させるようにしてある。 【0034】動力変換機構41は、第1ワンウェイクラッチ38と同方向の回転力のみ伝達する第2ワンウェイクラッチ42を介して駆動軸21に外嵌される従動アーム(第2補助アームの一例)43と、支点Yで揺動自在なベルクランク44と、受動アーム39の前端部とベルクランク44とを連動するロッド45と、ベルクランク44と従動アーム43とを連動するロッド46とから構成されている。 【0035】つまり、動力変換機構41は、受動アーム39の一方への揺動によって第1一方向クラッチ38のみが空駆動され、かつ、受動アーム39の他方への揺動によって第2一方向クラッチ42のみが空駆動されるように、受動アーム39と従動アーム43とを連動連結する一方向回転機構に構成されている。 【0036】従って、受動アーム39が上昇揺動するときは、図13(イ)に示すように、第1ワンウェイクラッチ38が一体で回動して駆動軸21を矢印イ方向に回転させ、矢印ロ方向に回動することになる従動アーム43の回転は、第2ワンウェイクラッチ42が空回りすることになる。又、受動アーム39が下降揺動するときは、図13(ロ)に示すように、矢印ロ方向に回動することになる第1ワンウェイクラッチ38は空回りし、矢印イ方向に回転することになる従動アーム43の回転は、第2ワンウェイクラッチ42が一体で回動して駆動軸21を同じく矢印イ方向に回転させるのである。 【0037】図7、図9、図20〜図22に示すように、施肥クラッチ33と、植付機構80への動力を断続する畦際クラッチ81と、苗縦送り機構82への動力を断続する縦送りクラッチ83との夫々を2条(全植付条のうちの一部の少数条の一例)に対応して3組備えるとともに、それら3種のクラッチ33,81,83は、左右向き支点z回りで上下揺動する単一の施肥クラッチレバー(操作具の一例)85によって一挙に入り又は切り操作するための連動機構84を備えてある。 【0038】連動機構84は、畦際クラッチ81及び縦送りクラッチ83と施肥クラッチレバー85とに亘って連動連結されるインナワイヤ86iと、一端が固定され、かつ、他端が施肥クラッチ33のシフト部材31に連動連結されるアウタワイヤ86oとを備えたボーデンワイヤ86で構成されている。つまり、施肥フレームに支承された施肥クラッチレバー85の後方における近くの位置に、シフト部材31にロッド連動されて上下軸芯y回りで回動自在な揺動アーム76を設け、この揺動アーム76にアウタワイヤ86oの基端側受け77を形成してある。 【0039】アウタワイヤ86oの先端は、植付フレームに取付けられた先端側受け78で固定支持され、インナワイヤ86iの先端が畦際クラッチ81の被動アーム81aに連動されるとともに、その前方側におけるインナワイヤ86iの途中部位に縦送りクラッチ83の被動アーム83aが連動連結されている。 【0040】図21に示すように、施肥クラッチレバー85は、その上昇揺動端がクラッチ切り位置OFFであり、下降揺動端がクラッチ入り位置ONに設定されている。そして施肥クラッチレバー85のインナワイヤ86iの連結点85aは、クラッチ切り状態では基端側受け77先端部と支点zとを結ぶ線分D.P.よりも上側に位置し、クラッチ入り状態では前記線分D.P.よりも下側に位置するように構成されている。そして、インナワイヤ86iが、縦送りクラッチ83や畦際クラッチ81に装備のクラッチ入り付勢バネ(図示せず)によって常時引っ張り付勢されていることから、施肥クラッチレバー85をクラッチ入り及び切り位置ON,OFFのいずれの位置にも維持するデッドポイント機構を構成してある。 【0041】施肥クラッチレバー85の上下揺動範囲は、そのレバーガイド板90によって決められており、クラッチ切り位置OFFにレバー操作すれば、インナ及びアウタの両ワイヤ86i,86oが共にレバー側に引っ張られて前記3種のクラッチ33,81,83が全て切りとなり、クラッチ入り位置ONにレバー操作すれば、前述したクラッチ入り付勢力によってインナ及びアウタの両ワイヤ86i,86oが共に反レバー側に復帰移動し、3種のクラッチ33,81,83が全て入りとなるのである。 【0042】前述したように、2条一体型の繰出し部k,kのうちの中央2組のものは1条使いとしているために、6条用田植機でありながら施肥クラッチ33は4個ある。これに対して、畦際クラッチ81と縦送りクラッチは共に2条一体型で3個に設定されているため、3個の施肥クラッチレバー85のうち、中央のものは2組の繰出し部k,kの施肥クラッチを同時操作するようにしてある。すなわち、図21(イ)に示すように、左右方向で内側2個の揺動アーム76,76どうしを連動ロッド87で連動連結して、同時に入り切りできるようにするとともに、機体進行方向で左側の揺動アーム76に基端側受け77を備えてある。 【0043】又、図21(ロ)に示すように、機体進行方向で左側の施肥クラッチレバー85を、それに対応する揺動アーム76の位置よりも機体内側方向に配置するために、インナワイヤ86iの基端側を連結する連動アーム88を機体左側に配置し、この連動アーム88と施肥クラッチレバー85とを支点zを有した支点軸89で連動連結する構造としてある。 【0044】図23に示すように、手動ハンドル(操作具の一例)92で繰出しロールRを一定方向に回転操作する手動操作機構Hを備えてある。すなわち、断面正六角形状の駆動軸21の右端には、手動ハンドル92を収納自在に備えてあり、この手動ハンドル92は、内側の対辺距離が駆動軸21の二面幅に等しくなるようにUの字に折り曲げられた帯鋼で構成され、手動ハンドル92の各アーム部には、駆動軸21に支持されたピン91に嵌合する長孔93が形成されている。長孔93には、その両端近傍位置に対向する絞り突起93aを形成してあり、長孔93の各端においてピン91を軽く係合して位置保持できるデテント機能が生じるようにしてある。 【0045】通常は、図23の実線で示すように、ピン91が長孔93のハンドル先端側端に位置するように、駆動軸21に沿った姿勢で一体回転するように収納しておき、必要なときには、図23の仮想線で示すように、ピン91がハンドル基端側端に位置するようにスライド移動させ、かつ、90度回動させることで、手動ハンドル92を駆動軸21から垂直に突出させた作用姿勢にすることができる。又、図示しないが、手動ハンドル92の回動操作をし易くするために、ハンドル先端側に把手を備えた形状としても良い。 【0046】図4、図5、図19に示すように、送風ダクト17は、漏斗部20に接続される状態で4組の繰出し部k毎に配備されるゴム等の軟質材製の部分ダクトD1と、これら部分ダクトD1とブロワ16とを順次接続連結するPE樹脂やPP樹脂等の硬質材製の連結ダクトD2とを繋ぎ合わせた単一の送風経路に構成してある。連結ダクトD2は、互いに隣合う部分ダクトD1どうしを接続連結する3個の中間連結ダクト49と、最も送風上手側の部分ダクト48とブロワ16とを接続連結する始端側連結ダクト50と、の計4部品で構成されている。 【0047】部分ダクトD1は、送風上手側2個の部分ダクト48,48と、蓋(終端側ダクトの一例)51bが一体形成された送風下手側の部分ダクト51と、送風下手側から2番目の部分ダクト47との3種類から構成されている。そして、各繰出し部kにおける漏斗部20の各々に供給される風力を均一化するべく、これら部分ダクト51,47,48,48内の送風経路に突出する突起部51a,47a,48a,48aを一体形成してある。送風下手側2個の突起部51a,47aは同じ突起であるが、これらよりも送風上手側2個の突起部48aの方が大きいものとしてある。 【0048】すなわち、送風ダクト17での風の取込み口面積を同一とした場合には、風下側程風圧が高くなって単位時間当たりの風方が大となる傾向にあり、それを是正するにはダクト内部に絞りを設けて、送風下手側の取込み口程、その風上側でのダクト断面積を小さくすることが有効であることが判ってきた。 【0049】従って、4個の部分ダクトD1夫々に形成される突起を、風上側から順に大きくすれば良いのであるが、そうすると4個の部分ダクトD1が全て異なる部品となり、型費が高くなるとか部品管理上や組付け間違いが生じ易い等の不利がある。そこで、大きい突起48aと小さい突起47a,51aとを備えた2種の部分ダクト48,47(51)を2個ずつ配置する手段により、各漏斗部20への風量の均一化と上記不利の解消との中用を図ってある。 【0050】繰出し部kにおいては、施肥ホース14の始端である風取込み口14a,14aが極めて接近して並んでいるので、風下側の風取込み口14aが送風ダクト17のより奥まで挿入されるように位置差を設けてあり、これによって相隣る風取込み口14a,14aでの風量の均一化も図ってある。又、部分ダクトD1はゴム製であって、各取込み口14aを隙間無く直接嵌合連結することができるので、従来では必要であったゴムパッキン等のシール材の省略に成功している。 【0051】図15〜図17に示すように、機体の左側に装備されるブロワ16は、電動モータ53で回転駆動される羽根車54を二つ割り構造のケーシング55内に収容して成る遠心型に構成されており、ケーシング55には、下向きの吸込み口55aと下側で右向きの排風口55bとが形成されている。排風口55bは、始端側連結ダクト50の始端側に挿入される構造である。 【0052】図5、図6、図18に示すように、ケーシング55に取付けられた側面視略コ字状のブラケット56を、始端側連結ダクト50の前側(電動モータ53側)に設けた縦軸芯X、すなわち機体フレーム側の支承パイプ57の縦向き部分に、上下方向に位置決めされた状態で相対回動自在に外嵌してある。これによりブロワ16は、排風口55bが始端側連結ダクト50に挿入して接続連結される閉じ作用姿勢と、その作用姿勢から前方に回動して排風口55bと始端側連結ダクト50との連結が解除されてその接続連結部が露呈される開き退避姿勢(図18の仮想線参照)とに姿勢変更自在である。 【0053】次に、施肥装置Aの支持フレームについて説明する。図4〜図6に示すように、施肥装置用支持フレームfは、4個の繰出し部kを一体的に支持する主支持フレーム58と、この主支持フレーム58を機体に固定する主及び副の取付けフレーム59,60と、前述した支承パイプ57とから構成されている。 【0054】主支持フレーム58は、上辺が下辺よりも後方に突出した断面略後向きコ字状で左右に延びるチャンネル材で構成され、各ロールケース18を2本の取付けボルト61で固定している。大小のホッパ部13a,13bの夫々には、肥料が残り少なくなったことを検出する肥料残量センサ62を計4個装備してあり、それらの配線である左右のワイヤーハーネス63,63を機体に導くべく、主支持フレーム58内側の空間部を利用して配策してある(図8参照)。 【0055】主支持フレーム58は、これに溶着された左右中央の主取付けフレーム59と、それの左右夫々にボルト止めされた計2個の副取付けフレーム60,60とで機体フレームFに支持してある。主取付けフレーム59は、左右一対のステー部59a,59aと、これらに亘ってに跨がる下向きU字状のパイプ部59bとを一体化して構成され、運転座席27等を支持する板金製の縦フレーム64にボルト止めされている。副取付けフレーム60は、後方に90度曲がる状態で立ち上げられた板材で構成され、後方フレーム66に溶着されたサポート部材(フェンダ65支持用)67にボルト止めされている。 【0056】支承パイプ57は、その下部が後方フレーム66から垂下されたブラケット66aにボルト止めされるとともに、主支持フレーム58の左端に前方突出状態に溶着されたアーム部材58aに上端部を嵌合してピン止めしてある。ブロワ16を支持するブラケット56は、上下のグロメット68,68を介して支承パイプ57に嵌装されるとともに、支承パイプ57に溶着されたワッシャ69で位置決めされている。 【0057】植付爪10によって植え付けられた苗の横側部に、溝を形成しながら肥料を田面に送り込んでいく作溝器52を備えてあり、6個の作溝器52が接地フロート11に各々2個ずつ取付けられている。左右外側2組の繰出し部k,kでは、各繰出し機構15と2個の作溝器52とが2本の施肥ホース14によって接続され、左右内側2組の繰出し部k,kでは、一方の繰出し機構15と1個の作溝器52とが1本の施肥ホース14で接続されている。 【0058】以上の構造により、PTO軸70の動力によって苗植付装置7の回転ケース9が回転駆動され、一対の植付爪10により苗載台12から交互に苗が取り出され田面に植え付けられて、苗の植付作業が行われる。これと同時に、走行伝動軸35の動力で駆動アーム37の回転運動によるロッド40の往復運動が、変換機構41によって駆動軸21の一定方向の回転運動に変換されて繰出し機構15が駆動される。 【0059】すると、繰出しロールRの凹部24aにホッパ13からの肥料が入り込み、回転軸19の回転により肥料が漏斗部20に繰出される、ブロア16の送風が、送風ダクト17を介して漏斗部20に供給され、高圧の風により肥料が施肥ホース14を通って作溝器52に迅速に供給され、作溝器18で形成された圃場の溝に肥料が供給され施肥作業が行われるのである。 【0060】図13に示すように、受動アーム39におけるロッド40との連結位置が変更自在に構成されており、その連結位置変更により、ロッド40の往復運動に対する受動アーム39の揺動角度を変更し、駆動軸21及び繰出しロールRの回転速度を変更して、繰り出される肥料の量を調節することができる。 【0061】一つの植付伝動ケース8(一対の回転ケース9)に対して動力を伝動及び伝動遮断操作自在な畦際クラッチ81、畦際クラッチ81を伝動及び伝動遮断操作する畦際クラッチレバーとしての施肥クラッチレバー85を備えてある。図8、図9に示すように、繰出し部kの固定部の軸芯y周りで揺動自在な操作アーム31は、その端部がシフト回転体29に係合しており、施肥クラッチレバー85と操作アーム31とがボーデンワイヤ86により接続されている。 【0062】これにより、例えば右側の植付伝動ケース8の施肥クラッチレバー85を伝動遮断側に操作して、右側の植付伝動ケース8の畦際クラッチ81を伝動遮断操作すると、右側の植付伝動ケース8の一対の回転ケース9が停止して、右側の2つの植付条の植え付けが行われず、右側の2つの植付条に対応する肥料繰出し部kの駆動軸15が停止して、右側の2つの植付条への肥料の供給が停止するのである。 【0063】図8に示すように、シャッター機構Sの直下におけるブラシ22の前側には、肥料排出口71が形成してあり、横軸芯W周りで揺動自在な切換板72によって排出口71を開閉自在に構成してある。排出口71は、合流経路73を介して排出ホース74を接続してあり、通常の苗植付作業時には、切換板72を閉姿勢に操作され、ホッパ13からの肥料は全て繰出し機構15に供給される。そして、苗植付作業を終了した場合等において、ブロワ16及び施肥装置A停止させた状態で、切換板72を開姿勢に操作すると、ホッパ13に残った肥料が排出ホース74を通して排出することができる。 【0064】ところで、繰出し部kは2箇所の漏斗部20,20とその幅に見合う2組分のロールケース18を備えた2条一体型が基本であるが、左右中央の2個の繰出し部kは、6条用に合わせるために、一方の漏斗部20が機能しないようにしてある。すなわち、図10に示すように、3個1組の部分ロールr1〜r3のワンセットを省き、かつ、左右中央の2個の肥料ホッパ13b,13bでは、部分ロールr1〜r3のワンセット分の供給口幅となるように傾斜底面75を追加形成してある。 【0065】〔別実施形態〕一方向連動機構41を、本実施形態では、第1補助アームと受動アームとが一体のものとして構成してあるが、これらのアームを別体として、受動アームと第1補助アームと、及び受動アームと第2補助アームとを夫々連動させた構造の一方向連動機構41としても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年3月25日(1999.3.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−270638(P2000−270638A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−80847 |
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