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【発明の名称】 肥料等散布器
【発明者】 【氏名】備前 俊博

【要約】 【課題】肥料や薬剤等散布物を、手作業で栽培過程の野菜等の株元あるいはその近くに散布することができるようにする散布器に関するものであり、特に、希望するときに手軽に使用でき、安価に提供可能とする新規な構造の肥料等散布器を提供する。

【解決手段】容器本体1の下方側を窄め、その下端に所定大きさの散布口2を形成すると共に、該散布口2よりも上方には、容器本体1から適宜高さにまで達する長さを有し、その上端にハンドル部4が交叉状配置に取着され、且つ該ハンドル部4も貫通状とする案内孔31が形成されてなる吊下げ杆3を配設して容器本体1に一体化する一方、容器本体1の散布口2には開閉駒9が組み合わされた上、該開閉駒9を、前記ハンドル部4の上に配した操作レバー5に連動すると共に、吊下げ杆3の案内孔31に誘導されて上下復帰動するようにした作動杆8の下端に取着してなるものに形成した肥料等散布器である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器本体の下方側を窄め、その下端に所定大きさの散布口を形成すると共に、該散布口よりも上方には、容器本体から適宜高さにまで達する長さを有し、その上端にハンドル部が交叉状配置に取着され、且つ該ハンドル部も貫通状とする案内孔が形成されてなる吊下げ杆を配設して容器本体に一体化する一方、容器本体散布口には開閉駒が組み合わされた上、該開閉駒を、前記ハンドル部の上に配した操作レバーに連動すると共に、吊下げ杆の案内孔に誘導されて上下復帰動するようにした作動杆の下端に取着してなるものに形成したことを特徴とする肥料等散布器。
【請求項2】 容器本体の上端開口部分を肥料等散布物用の充填口となし、同容器本体の下方側を窄め、その下端に所定大きさの散布口を形成すると共に、該散布口よりも上方には、容器本体から適宜高さにまで達する長さを有し、その上端にハンドル部が交叉状配置に取着され、且つ該ハンドル部も貫通状とする案内孔が形成されてなる吊下げ杆を配設して容器本体に一体化する一方、容器本体散布口には開閉駒が組み合わされた上、該開閉駒を、前記ハンドル部の上に配した操作レバーに連動すると共に、吊下げ杆の案内孔に誘導されて上下復帰動するようにした作動杆の下端に取着してなるものに形成したことを特徴とする肥料等散布器。
【請求項3】 容器本体の上端開口部分を肥料等散布物用の充填口となし、同容器本体の下方側を窄め、その下端に所定大きさの散布口を形成すると共に、該散布口よりも上方には、容器本体から適宜高さにまで達する長さを有し、その上端にハンドル部が交叉状配置に取着され、且つ該ハンドル部も貫通状とする案内孔が形成されてなる吊下げ杆を配設して容器本体に一体化する一方、容器本体散布口には開閉駒が組み合わされた上、該開閉駒を、前記ハンドル部の上に配した操作レバーに連動すると共に、吊下げ杆の案内孔に誘導されて上下復帰動可能であって、その上下復帰動巾を調節機構部で変更可能にしてある作動杆の下端に取着してなるものに形成したことを特徴とする肥料等散布器。
【請求項4】 開閉駒、散布口、吊下げ杆とその案内孔、および作動杆が、夫々容器本体の中心を通る軸芯に合致するように配されてなるものとした、請求項1ないし3何れか記載の肥料等散布器。
【請求項5】 開閉駒、散布口が、夫々容器本体の中心から外れた位置に配されてなるものとした、請求項1ないし3何れか記載の肥料等散布器。
【請求項6】 容器本体下方に複数の散布口が形成され、夫々に開閉駒が組み込まれた上、枝状に分岐させた作動杆下端に取着されてなるものとした、請求項1ないし3何れか記載の肥料等散布器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の目的】この発明は、粉末あるいは比較的細かい粒状の肥料や薬剤等散布物を、栽培過程の野菜等の株元あるいはその近くで所望する箇所に適格に散布することができるようにするための手作業用の散布器に関するものであり、特に、希望するときに手軽に使用でき、安価に提供可能とする新規な構造の肥料等散布器を提供しようとするものである。
【0002】
【従来技術】野菜栽培においては、その生育に従って肥切れしないように適格な追肥作業を実施したり、作物によっては土壌施用殺虫剤等として粒状薬剤を使って株周りの土壌に散布する作業を実施しなければならない。こうした粉末あるいは比較的細かい粒状の肥料や薬剤等散布物の散布手段としては、散布物を貯留するタンクと共に、エンジン、ブロワ、燃料タンク等を一式にまとめて作業者が背負えるようにし、ブロワに接続した散布ホースの先端ノズルからそれら散布物を強制散布するようにした機械式散布機が主流を占めており、広範囲に効率的に散布物、例えば除草剤等を散布したり、稲作のように密集した作物へ追肥や消毒を施す手段として極めて都合が良く、古くから様々に改良が加えられ、軽量で高性能の散布機が次々に提供され、広く普及してきている。
【0003】しかし、それら既に提供されている動力式散布機には、栽培過程の野菜等の株元あるいはその近くで所望する箇所等といった限られた箇所にスポット的に所定量の散布物を放出する機能は全く採用されておらず、したがって、このような作業を実施しようとすれば、作業者が散布物の入った容器を抱え、所定量の散布物を摘んで所望する箇所に手撒きしていくしか方法はなく、作業者に大きな負担が掛かるだけではなく、その都度所定量を所望箇所に適格に散布できるとは限らなかったり、あるいは、風の強いとき等には、その風の所為で中腰になって散布箇所に近付けた顔にそれら散布物が飛び掛かってしてしまい、衛生管理面でも不都合を来してしまうといった問題を生じてきており、栽培農家においてはそれら作業の改善が望まれていた。
【0004】こうした要望に応えるため、例えば、昭和62年実用新案出願公告第7059号公報に掲載された「肥料散布器」等に見られるような考案も提案されているが、この公知の散布器は、その開示された技術内容からも明確に把握できるように、結局のところ、手で摘むという部分の機能に代えるためだけの器具にしか過ぎず、したがって、作業者は、腰を屈めたり、中腰に構えた上、所望する箇所に向けて手を差し出す動作から何等解放される訳でもなく、また、その都度、手先を微妙に動かして器具自体を細かく動かし、その動かし方の加減と目による確認とを必要としていて、所定量の散布物を所望する方向に散布できるようになるまで、相当使い慣れて習熟しなければならず、その取扱い上で困難性を伴うことになるであろうと予想される等、まだまだ克服されなければならない多くの課題を残すものに止まっており、確かに手に摘んで散布する従前までの手段に比較すれば、その散布効果において幾分正確さも増すであろうし、散布時に顔等へ掛かる割合もそれなりに改善されるであろうが、目的の作業を実施するための散布器具としては、栽培農家が期待するような機能を十分に果たし得るものという訳にはいかないものであった。
【0005】この発明は、これまでの以上のような状況に鑑み、誰でもが特別な訓練を要することもなく、所望する箇所にその都度その都度略所定量の散布物を散布することが可能になる上、その作業姿勢についても無理がなく、長時間に渡って散布作業を継続、実施することができ、しかも構造も簡素で製造が容易であって故障も起き難く、安価に提供することができるようにすることにより、多くの栽培農家のこの種作業の作業内容の効率化に役立つ新規な構造の散布器の開発、研究に取り組み、長年に渡る試行錯誤と試作実験とを繰り返してきた結果、遂にここにきてその成果を得るに至ったものであり、その構成は、以下において詳述するとおりのものである。
【0006】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明は、基本的に以下のとおりの構成を要旨としている。即ち、容器本体の下方側を窄め、その下端に所定大きさの散布口を形成すると共に、該散布口よりも上方には、容器本体から適宜高さにまで達する長さを有し、その上端にハンドル部が交叉状配置に取着され、且つ該ハンドル部も貫通状とする案内孔が形成されてなる吊下げ杆を配設し、容器本体に一体化する一方、容器本体散布口には開閉駒が組み合わされた上、該開閉駒を、前記ハンドル部の上に配した操作レバーに連動すると共に、吊下げ杆の案内孔に誘導されて上下復帰動するようにした作動杆の下端に取着してなるものに形成した肥料等散布器である。
【0007】この基本的な構成からなるこの発明の肥料等散布器を、より具体的なものとして示すと、容器本体の上端開口部分を肥料等散布物用の充填口となし、同容器本体の下方側を窄め、その下端に所定大きさの散布口を形成すると共に、該散布口よりも上方には、容器本体から適宜高さにまで達する長さを有し、その上端にハンドル部が交叉状配置に取着され、且つ該ハンドル部も貫通状とする案内孔が形成されてなる吊下げ杆を配設し、容器本体に一体化する一方、容器本体散布口には開閉駒が組み合わされた上、該開閉駒を、前記ハンドル部の上に配した操作レバーに連動すると共に、吊下げ杆の案内孔に誘導されて上下復帰動するようにした作動杆の下端に取着してなるものに形成した構成を要旨とする肥料等散布器とすることができる。
【0008】そして、さらに、より望ましい構成のものとしては、容器本体の上端開口部分を肥料等散布物用の充填口となし、同容器本体の下方側を窄め、その下端に所定大きさの散布口を形成すると共に、該散布口よりも上方には、容器本体から適宜高さにまで達する長さを有し、その上端にハンドル部が交叉状配置に取着され、且つ該ハンドル部も貫通状とする案内孔が形成されてなる吊下げ杆を配設し、容器本体に一体化する一方、容器本体散布口には開閉駒が組み合わされた上、該開閉駒を、前記ハンドル部の上に配した操作レバーに連動すると共に、吊下げ杆の案内孔に誘導されて上下復帰動可能であって、その上下復帰動巾を調節機構部で変更可能にしてある作動杆の下端に取着してなるものに形成した肥料等散布器とすることができる。
【0009】容器本体は、散布物の所定量を収容した上、その下端から当該散布物を自然落下式に流出させる機能を果たすものであって、図示した後述の実施例にも採用しているように、鉄板を折曲加工して形成するようにする外、プラスチック製のものとして形成することもでき、その上端開口部分をそのまま肥料等散布物用の充填口として開口したままにするか、必要に応じてその上端開口部分に開閉自在な蓋付のものにする外、上端面を隠蔽状のものに形成し、その上端面に続く周壁面の一部を窓状に刳り貫き、当該刳り貫いた部分の周壁の両側を立ち上げて樋状にした蓋部を、その下端が容器本体に枢着されて上下に回動するような構造のものとなし、該蓋部を開いて散布物を充填可能にするようにしたもの等とした上、同下方側を窄め、その下端に所定大きさの散布口を形成し、各部の水平断面は一般的には円形として形成すればよく、その他必要に応じて楕円形、正方形等他の断面形状のものに形成したり、あるいは、散布口側の水平断面形が充填口側と異なるものに形成する等、製造上や散布効率上、使用性等各種条件を勘案した適宜形状、構造のものとすることができることはいうまでもない。
【0010】吊り下げ杆は、その下端側に一体化する上記容器本体が、作業者が中腰になる等無理な作業姿勢を取らないでも、その散布口部分を所望する栽培作物の株元やその周辺所望箇所に望ませることが可能となるよう、作業者の手から最適な下方位置を決める機能と共に、その上端に一体に組み込む操作レバーからの作動操作を後述する開閉駒に伝達するための作動杆が、所定姿勢に保持されたまま、上下動するよう案内する機能とを果たすものであり、所定長さの一本物の中空管からなるものとしてその中空部分を案内孔となるようにしたものとする外、所定の間隔を置いて配した少なくとも上下2個のリングの外周あるいは内周間を複数本の細棒で連結し、案内孔が外側に連通状のものとなって、案内孔内に異物が侵入あるいは付着したままとなってしまわないようにする等、後述の作動杆との関係を考慮したり、あるいは全体の長さの調節が可能になるよう、例えば継ぎ足し可能で、継ぎ足し部分を螺合接合その他公知の各種接続手段によるものとする等、特別な構造からなるものとすることも可能である。
【0011】そして、この吊り下げ杆は、前記した容器本体の中心あるいは略中心から立設状配置となるよう、その下端側を熔着、ネジ止めその他の手段で一体化あるいは着脱自在に一体化し、前記散布口が容器本体中心部下方に形成されていれば、同案内孔の下端がその中心方向に向くようにし、また、後述の実施例2や3のように、散布口が容器本体中心部から外れた位置に形成されているものでは、そのずれた位置に形成された散布口の方に向くよう、吊り下げ杆自体を容器本体に斜設状配置となるように立設してもいいが、散布口が容器本体中心部下方に形成されている場合と同様に、容器本体の中心あるいは略中心に止まるようにし、該案内口に挿入、案内される後述の作動杆の案内口よりも下方に位置する部分をその方向に曲げ、実質案内口が散布口中心方向に望むようにするのと同様の目的を達成するようにしても差支えはない。
【0012】ハンドル部は、上記吊り下げ杆の上端に横設、一体化され、例えば人差し指と中指または中指と薬指の間に吊り下げ杆を挟むような握り方で、親指を除く4本の指がその下面側に回るようにした把持の仕方が可能になるようにし、それら4本の指で吊り下げ、支持するようにすることにより、吊り下げ杆を介してその下端に一体化にされている前記容器本体を手によって吊り下げ状にする機能を果たすものであり、吊り下げ杆上端に熔着、ネジ込み、あるいはネジ止め等適宜手段で一体化したものとする。但し、その吊り下げ杆との一体化に際しては、吊り下げ杆の案内孔上端が該ハンドル部を貫通状となって上方に解放されてなる一体化が実現されるよう、その一体化構造を配慮したものとしなければならない。
【0013】作動杆は、上記のようにして、容器本体にハンドル部の横設、一体化された吊り下げ杆が立設、一体化され、ハンドル部にも解放状となっている案内孔に、その下端または上端から挿通状とされた上、当該案内孔にその姿勢を規制された状態で上下動するようにすると共に、該作動杆下端には、後述する開閉駒が取着されたものとなし、作動杆を上下動することにより、該開閉駒が散布口の下方から出入りして散布口全体を完全に閉鎖状としたり、あるいは散布口との間に適宜間隙を生じて容器本体内に充填した散布物が、その間隙の大きさに応じ、単位時間当りに自然落下する分量を調節できるようにすると共に、その間隙発生時間を適宜調節、制御して自然落下する散布物の全体量をその都度決定できるようにする機能を果たすものであり、したがって、その上下動に際して下端に取着した開閉駒が正確に上下連動するよう、それ自体が伸び縮みや湾曲変形することのない鋼棒や鋼管、あるいは剛性あるプラスチック棒、管等によって形成されるようにし、前記吊り下げ杆の案内口に挿通状としただけではその下端が散布口方向に向かないときは、案内口下端開口部分よりも下方側をその方向に向くよう湾曲、変形したものとし、その下端部に開閉駒を取着することによって、該駒辺が確実に散布口に嵌合状となるようにしなければならない。
【0014】この作動杆は、上下復帰動、正確には下方移動させた状態からの上方側への復帰動をなし得る構造のものとして組み込まれていなければならず、そのため、吊り下げ杆下端とそれよりも下方に露出状となっている作動杆適所との間に引っ張りバネを介在したものとし、作動杆上端側で、ハンドル部に開口した案内口上端から上方に突出状とした作動杆部分に手動で加えられた下方側への力で作動杆を下方移動させ、当該力を解除することにより、該引っ張りバネが作用して自動的に作動杆を上方移動させるようにし、作動杆に力を加えない限り、作動杆下端に取着した開閉駒が、常時確実に散布口に完全に嵌合して散布口を閉鎖状となるようにしたものとする外、後述する各実施例に採用してあるとおり、ハンドル部に開口した案内口上端から上方に突出状となっている作動杆適所と、ハンドル部との間に圧縮バネを介在し、先と同様にした作動杆上端への手動による力で作動杆を下方移動させ、当該力を解除することにより、該圧縮バネが作用して自動的に作動杆を上方移動させ、先の場合と同様に、作動杆に力を加えない限り、作動杆下端に取着した開閉駒が、常時確実に散布口に完全に嵌合して散布口を閉鎖状となるようにしたものとすることもできる。
【0015】操作レバーは、上記作動杆に対し、手動、主として親指部分によって力が加えられ、その力を当該作動杆に伝達する機能を果たすものであり、作動杆上端に対してステッキの柄のような一体構造のものとして形成されるようにする外、作動杆上端には単に当接状となるだけで、その一端側を前記したハンドル部に枢着状に組み込まれ、当該枢着部を支持点としたテコ構造のものに形成してなるものとすることもでき、操作性や組立て、製造性等を勘案して何れか最適な構造によるものを適宜選択、採用するようにする。
【0016】そして、この操作レバーには、手動による下方側への移動幅を規制、あるいは調節するための上下復帰動巾の調節機構部が組み込まれてなるものに形成するのが望ましく、その調節機構部の最適な状態への調整により、操作レバーの操作が何時でも一定の下げ巾に保持されるようにし、作動杆下端に取着した開閉駒と散布口との間隙が何時でも一定となるようにして、単位時間当りに流れ出す散布物の量を定量化し、後は手動操作時間を加減するだけで、散布物の散布量をその都度その都度比較的簡単に略等量となるようにしたものとする。
【0017】したがって、この調節機構部は、操作レバーの操作範囲を規制する機能を果たすものとして形成されなければならず、該操作レバーの下方に、容器本体から吊下げ杆を介して所定高さ位置にハンドル部が横設、固定状とされている構造を生かし、ハンドル部に対する接近距離が変更、調整できるように、例えばハンドル部側を取着部として上向きとするか、逆に操作レバー側を取着部として下向きとし、その突出高の調節ができるようにした構造の突起部を突設、形成し、当該突起部の調節された箇所の規制を受け、操作レバーのハンドル部側に近付く方向、即ち、前記した作動杆を下方側に移動させ、その下端に取着した開閉駒を容器本体下端の散布口から離脱状としていく方向への動きが、常にその箇所に当接してそれ以上の動きに繋がらないようにする、実施例に採用している構造に代表されるような機構のものや、特に実施例に取り上げてはいないものの、開閉駒を作動杆下端に進退自在となる構造で取着しておき、操作レバーをハンドル部側に一杯に動かしても、該開閉駒の作動杆に対する位置が最適に調整されていて、実質的に作動杆の下方側に移動するストロークを規制したのと略同様の作用が得られるようにした機構のもの等もこの発明に包含されるのはいうまでもない。
【0018】開閉駒は、前記した容器本体下端に形成された散布口に嵌合状に組み合わされ、該散布口に完全に嵌合した状態で同所を閉鎖し、容器本体内に充填した散布物が下方に落下しないようにすると一方、同散布口への嵌合程度を変えていくことにより、その嵌合状態に応じた程度に散布口との間の隙間量を変更していくようにして、散布口から落下、放出される散布物の量を調節するようにする機能を果たすものであり、したがって、該開閉駒は、散布口に対してその嵌合程度を変えていくに連れて散布口との間の隙間量を変更できるよう、基本的には錘台状の形状、即ち、散布口が円形であれば円錘台状のもの、正方形であれば角錐台状のものとして形成し、散布口の下からその窄めた上端側を嵌合状として作動杆の下端に取着するように組み合わせるのが最も望ましい。
【0019】その他、この開閉駒は、散布口よりも上方で容器本体内部から下方に向けて嵌合状となるようにしたものとすることも可能であり、この構造によるものとする場合には、上記した錐台状のものであればその窄んだ側が下方となる姿勢で作動杆の下端に取着されるようにする必要があるが、必ずしも錐台状のものでなくても、容器本体の下方側が散布口に向けて窄めた構造に形成されていることから、散布口よりも大きく、散布口の形状に相似するように形成した単なる平板状のものでも、この開閉駒としての機能を十分果たし得るものとすることができる。
【0020】更には、開閉駒としての機能を確実に達成する上で多少の不安を残す虞も予想されるが、散布口を閉鎖可能な形状の平板状のもので形成し、その周縁の一部を蝶番構造のような構造で片開き可能なものとして作動杆の下端に取着した上、該作動杆の下方側への移動操作で変わる開閉角度によって散布口との隙間量が変更可能となるようにしたものでもよく、これら何れによる構造のものも、この発明の開閉駒に包含されるものになるのはいうまでもない。なお、散布口を完全閉鎖状としたときの密着状態を良くするため、少なくとも散布口周縁に当接状となる開閉駒部分は、硬質ゴムのような硬質あるいは比較的硬質の弾性素材によって形成されるようにすべきである。以下、この発明の肥料等散布器に係わる上記したとおりの構成が、より一層明確に把握できるように、幾つかの代表的な実施例を取り上げ、具体的な説明を加えていくこととする。
【0021】
【実施例1】図1の全体斜視図、および図2の一部を省略した中央縦断面図に示す事例は、この発明の肥料等散布器の基本的構成を備えてなるものの最も代表的な実施例であり、直径12cm、長さ12cm程度の大きさとした鋼板製筒体の下方端に、同じく鋼板製の逆円錘形状とした部分を熔着、一体化し、その下端を直径25mm程度の大きさに開口して散布口2としてなる容器本体1を形成し、該容器本体1の中心にその軸芯が合致する如くして、約40cm程度の長さでその中空部を案内孔31としてなる吊下げ杆3が、下端側約10cm程度の部分が容器本体1内に挿入状となる配置で組み合わされた上、その挿入部分の上下外周面に、相互が平面交叉状配置となるようにした連結片32,32を添設、熔着すると共に、各連結片32,32の両端を夫々容器本体1の内周面に当接して熔着、一体化してしまうことにより、容器本体1の散布口2の中心に案内孔31の軸芯を合致させた状態で、吊下げ杆3を容器本体1に一体化する。
【0022】そして、吊下げ杆3の上端には、該吊下げ杆3上端を5mm程度貫通状となるようにした構造で、長さ約15前後の長さとしたハンドル部4を横設すると共に、相互が直交状となるようにして熔着、一体化してしまい、ハンドル部4の略中央位置から上方に突出状とした吊下げ杆3の上端には、吊下げ杆3の案内孔31が上方に開口したままとなるようにして、圧縮バネ6下端を支持するための下鍔片33を熔着、一体化してある。
【0023】ハンドル部4は、強度を保つためと、親指を除く4本の指で下から掬うように把持したときの感触を良くするための両方の配慮から浅溝断面の鋼板からなるものとして形成され、その一端側には、後述の操作レバー5を枢着するための立ち上げ片41を突設、一体化すると共に、該立ち上げ片41よりも内側適所に、立ち上げ片41よりも短いネジ棒73を突設し、図2からも判るように、調節摘み72付きの進退キャップ71をその上端から螺合したものとし、それらネジ棒73に対して調節摘み72の回動操作で進退キャップ71を上下させ、進退キャップ72上端のハンドル部4からの離反距離を調節可能とする構造によって調節機構部7が実現されている。
【0024】こうして形成されたハンドル部4付きの吊下げ杆3に対し、その下鍔片33上に圧縮バネ6を載置状とした上、該圧縮バネ6の中空部を通じて吊下げ杆3の案内孔31に入り込むようにして作動杆8を挿入し、その下端が、案内孔31を突き抜けて容器本体1内で散布口2直上辺りにまで達しさせた状態にすると、作動杆8の上端に予め一体化してある上鍔片81が先の圧縮バネ6の上端に引っ掛かり状となってしまい、該上鍔片81と前記した下鍔片33との間に圧縮バネ6が挟まれた構造となり、作動杆8のそれ以下への移動は、作動杆8の上鍔片81の上から下方に向けて外力を加え、圧縮バネ6を圧縮変形させない限り実現しない構造となり、該外力は、後述する操作レバー5の手による握力によって惹起されるようにし、この外力を取り除くことにより、一旦下降した作動杆8は、圧縮バネ6の正常な状態の位置にまで自動的に上昇、復帰することとなって、その範囲内で作動杆8の上下復帰動が実現されるようにしてある。
【0025】上記のようにして吊下げ杆3に組み合わされた作動杆8の下端には、硬質ゴム製で円錘形状とした開閉駒9が、容器本体1の外側、散布口2の真下から当該散布口2内に嵌合させるようにして取着、固定される。その際、該開閉駒9の下端側の大きさが、散布口2の径よりも予め大きく設定されてなるものに形成してあって、開閉駒9の下端寄りの部分が散布口2に密着状となる状態が、作動杆8に上方からやや外力を加えて圧縮バネ6がやや圧縮された姿勢の段階において達成されてしまうよう、開閉駒9の作動杆8下端への取着、固定状態を規制して実施するようにし、開閉駒9の下端寄り所定箇所が散布口2に密着状となっている段階では、圧縮バネ6の復元力が常に作動杆8を上方側に戻そうと作用し続け、開閉駒9の下方寄り所定箇所の散布口2への密着構造が強化され、容器本体1内に充填した散布物の重量で勝手に開いてしまうことがなく、また、仮に双方の密着部分に一部散布物が付着、残留したとしても、それらを圧潰して両者間に隙間を生じさせてしまうこともない構造が実現されるようにしてある。
【0026】こうして容器本体1の下端散布口2に開閉駒9を嵌合状とし、吊下げ杆3に姿勢を案内された作動杆8を、その上端側が圧縮バネ6の僅かに規制された姿勢でバランスするように組み込み、作動杆8上端から圧縮バネ6のバネ圧力に抗した外力を加えない限り、開閉駒9の下端寄り所定部分が散布口に密着状に嵌合、保持されたままに安定する構造に組み立ててから、前記したハンドル部4に対し、該ハンドル部4と略同じ長さで、下向き溝断面とした鋼板製の操作レバー5の一端側を、ハンドル部4の立ち上げ片41上端に被さるように組み合わせ、両者間に軸棒51を貫通状にして枢着する。
【0027】その結果、操作レバー5は、枢着側の一端縁下面が立ち上げ片41上端に当接する状態となって他端側の上方への回動が阻止された構造を実現すると共に、操作レバー5の中央辺り下面に、作動杆8の上端で、圧縮バネ6の上端を規制する上鍔片81が当接状となるようにしてあり、操作レバー5の他端側に力を加えて押し下げ状に操作すると、該操作レバー5の中央辺り下面が作動杆8を下方に押し下げる作用を及ぼし、圧縮バネ6のバネ圧力に抗して外力を加えた分だけ作動杆8が下方に移動し、その下端に取着した開閉駒9も連動して下降することから、円錘台形に形成してある開閉駒9の形状に起因して、散布口2との間に、その下降程度に応じた間隙を生じ、該隙間を通じて容器本体1内部の散布物が自然に流出、落下し始め、その後、適当なタイミングで操作レバー5に加えていた外力を取り除くと、圧縮バネ6の復元力で作動杆8が自動的に引き上げられ、と同時にその下端の開閉駒9も元の状態まで復元し、散布口2に密着、閉鎖して散布物の流出を殆ど瞬時に停止させてしまう構造となって、作動杆8の上下復帰動が実現され、その上下復帰動巾は、ハンドル部4の立ち上げ片41に近接、突設したネジ棒73に螺合、組み合わせてある進退キャップ71の調節摘み72を回動操作して当該進退キャップ71を上下させる調節機構部7により、操作レバー5の外力による押し下げ巾が当該進退キャップ71上端に当接して規制、調整されることになる。
【0028】
【実施例2】図3のハンドル部2側だけを示す要部拡大縦断面図には、ハンドル部2に対する操作レバーの組合せ構造と、作動杆8の上下復帰動巾を調節するための調節機構部とに特徴のある他の代表的な実施例を示してあり、上記した実施例1同様にして吊下げ杆3の上端にハンドル2が横設されると共に、同下鍔片33と作動杆8上端の上鍔片81との間に圧縮バネ6を介在状とした構造で作動杆8を組み合わせた後、上記した実施例1の場合のように、ハンドル部2の一端側に立ち上げ片を突設することなく、下向き溝断面で鋼板製とした操作レバー5の一端を軸棒51で枢着した構造とするものであって、該操作レバー5を圧縮バネ6のバネ圧力に抗して押し下げようとしたときに、当該下向き溝断面のフランジ部(通常の上向き溝断面で底部となる部分)が、上向き断面配置のハンドル部2の両側ウエブ部42,42に邪魔されて下方側への回動に支障を来すことがないよう、この実施例の操作レバー5では、枢着部側から回動操作に支障を来すことのない範囲までの中央辺りまでのフランジ部を欠除した構造のものとして組み合わせるようにしてある。
【0029】また、調節機構部7は、上記実施例1の場合とは逆に、操作レバー5の枢着側とは反対側の端部寄り下面適所に雌ネジ筒76を下向き、突設した上、その雌ネジ穴に、下端を調節摘み75に形成した進退ネジ棒74を進退自在に螺合、組み合わせ、当該調節摘み75を出し入れしてその調節摘み75部分の操作レバー5からの突出量を規制、調節しておくようにすることにより、操作レバー5に外力を加えて下方に回動したときに、調節摘み75部分がハンドル部2上面に当接してそれ以上の下方への回動を阻止し、その結果、作動杆8の下降移動量を規制、調節し、延いては作動杆8下端に取着した開閉駒9の散布口2への嵌合程度が常に調整された範囲に止まり、その散布量の調整が、単に操作レバー5を操作している時間だけで決定できるようにしている。
【0030】
【実施例3】次の図4の要部拡大縦断面図に示す事例も、図3の実施例と同様に、ハンドル部2に対する操作レバーの組合せ構造と、作動杆8の上下復帰動巾を調節するための調節機構部との構造に夫々特徴のある更に他の代表的な実施例を示すものであって、主要部が上向き溝断面とした鋼板製のハンドル部2の略中央に作動杆8を挿通可能な刳り貫き孔を穿設した上、該刳り貫き孔中心に吊下げ杆3の案内孔31軸芯が合致するようにして、該吊下げ杆3上端にハンドル部4を熔着、横設した上、作動杆8を刳り貫き孔を通じて吊下げ杆3案内孔31に差し込み、前記実施例1で説示したようにして、その下端に開閉駒9を取着すると共に、ハンドル部4から上方に突出状となっている作動杆8上端側に圧縮バネ6を嵌めてから、予め形成してある作動杆8上端の雄ネジ部82に操作レバー5の雌ネジ部52を螺合していって、該雌ネジ部52下端縁で圧縮バネ6上端を押圧気味とすることにより、圧縮バネ6のバネ圧力が作用して作動杆8にやや上向きの力が掛かり、作動杆8下端の開閉駒9の下端寄り所定箇所が、図示していない容器本体1の散布口2に密着、嵌合状となって安定するようにしてある。
【0031】そして、この事例における調節機構部7は、図4中に示してあるとおり、ハンドル部4の両ウエブ部42,42の相対する箇所に形成した縦長調節孔78に、位置決め棒77を遊嵌し、その両端に図示されていない蝶ネジを螺合することにより、該位置決め棒77のハンドル部4からの高さ位置を所望の高さとなるよう調整、仮固定してしまい、操作レバー5に外力を加え、圧縮バネ6のバネ圧力に抗して下方に押し込んだときに、その下面が当該位置決め棒77に邪魔され、それ以下の下方に押し込まれてしまうことがないようし、操作レバー5に連結してある作動杆8の下降移動巾を規制、調節できるようにした構造を採用して形成されている。
【0032】
【実施例4】図5の容器本体1側を中心とした要部拡大縦断面図には、上記までの各実施例と違い、容器本体1の散布口2と、それに嵌合状とする開閉駒9に関係する部分の構造とに特徴のある他の代表的な実施例である。即ち、図からも明確に把握されるとおり、容器本体1の下端に形成する散布口2の位置が、容器本体1の一方(図中左側)の側面に片寄らせて形成されており、上記までの実施例と同じように、容器本体1主要部の中心に立設、一体化した吊下げ杆3に案内された作動杆8の下端を、その散布口2の方にやや屈曲させた上、その先に剛性あるコイルバネ83を介して開閉駒9を取着し、図示しない操作レバー5の押し下げ操作で作動杆8を下降移動させたときに、作動杆8の主要部軸芯から外れた方向への開閉駒9の出入りが円滑に実施されるようにした構造のものに形成してなる事例である。
【0033】なお、この事例における容器本体の平面形は、円形、正方形等適宜平面形のものとして形成することも可能ではあるが、特に平面三角形の容器本体1(但し、図示したものはそれに対応させていない。)となし、その一つの頂角部分に散布口2が形成されるよう、平面三角形の筒体の頂角を挟む2辺の下方側を夫々互いに向き合う方向に傾斜させ、図に見られるとおりの下方を散布口2方向に窄めた形状のものに形成するようにすると、鋼板を折曲、熔着した構造のものとして容易に形成可能になる。この平面三角形の筒体からなる容器本体1の散布口2は、やはり三角形輪郭のものとなるため、それに嵌合状とする開閉駒9も、三角錘台形のものに形成される必要があることはいうまでもない。
【0034】また、この実施例のように、散布口2の形成箇所を容器本体1主要部中心からずらして形成する場合には、その容器本体1の重心位置が必ずしも容器本体1主要部の中心に合致するとは限らないことから、容器本体1内に散布物を充填して手に持ったときに、吊下げバランスが悪くなる虞もあり、それを避けてバランスした状態での使用ができるように、吊下げ杆3の立設、一体化する位置を容器本体1主要部中心から予め最適な位置に変更して形成するようにするのが望ましいことはいうまでもないことである。
【0035】
【実施例5】最後の図6の、上記図5と同様の仕様で示している事例も、容器本体1の散布口2と、それに対応する開閉駒9等の構造に特徴のあるものであって、この事例では、散布口2が、容器本体1の主要部中心から対称配置となるようにして二口となるようにしたもので、容器本体1の下方側を二股状にして窄めた構造のものに形成し、夫々の下端に散布口2,2を開口した上、容器本体1の主要部中心に案内、配置された作動杆8の下端に繋ぎ板84を熔着、横設し、該繋ぎ板84の両端寄りで、各散布口2,2の真上に当たる箇所から作動分岐杆85,85を垂設状とした上、その下端に夫々の散布口2,2の下側から嵌合状となるようにして各開閉駒9,9が取着されてなるようにしたものである。なお、この構造によるものも鋼板製のものとして形成できなくはないが、部材取りが複雑で且つ熔着も繁雑なものになる虞があることから、望ましくは、プラスチック型成型によるよるものとした方が、大量生産向きであるということができる。
【0036】なお、以上の各実施例の何れでも全く触れてはいないが、容器本体1内に散布物を入れて使用している途中で、何等の事由で作業を中断し、この発明の肥料等散布器自体から手を放さなければならないときに、当該器具に充填物を入れたまま横置きしたのでは、それら散布物が容器本体1の上端開口部分から零れ出してしまうため、必要に応じて開閉蓋を組み合わせ、仮令横置きしても散布物が中から零れ出してしまわないような構成のものとしたり、あるいは、容器本体1の側面にバランスさせた配置で伸縮自在の脚部を3本あるいは4本組み合わせたものに形成し、必要に際してそれら脚部を下方に延ばして、器具自体が自立できるようにする等、使用に利する付属構造を適宜組み込むようにしたもの等も、当然この発明の肥料等散布器に包含されていることはいうまでもない。
【0037】
【作用】以上のとおりの構成からなるこの発明の肥料等散布器は、例えば実施例1に示したこの発明の最も代表的な構造からなるものによって説明すれば、先ず、容器本体1の上方開口部分から、散布の対象となる肥料や薬品等といった適宜散布物の所定量を充填した上、人差し指と中指または中指と薬指の間に吊り下げ杆3を挟み、小指の方がハンドル部3と操作レバー5との枢着側と反対側に位置するような握り方で、親指を除く4本の指がハンドル部3の下面側に回るようにすると共に、親指は操作レバー5の上を越えさせ、親指の付け根辺りが操作レバー5の上に載るようにし、丁度親指とその他4本の指とで挟みを握るような要領で動かせるように把持して器具自体を手でぶら下げるように持ち上げ、各指に力を入れて操作レバー5を押し下げ、力を緩めて元に戻す操作を繰り返しながら、そのタイミングを習熟しながら開閉駒9を動かして散布口2から放出される散布物の出具合を目で確認し、作業者の手を動かすタイミングでは散布物の散布量が所望する量になっていないと判断したときには、ハンドル部3と操作レバー5との間に配してある調節機構部7の調節摘み72を回して操作レバー5の回動巾を増減調節し、それに連動する吊り下げ杆3の上下復帰動巾を規制、調節した上、再度試験的な操作を何度か繰り返して、所望する最適量の散布物の散布が実施されるようにする。
【0038】調整を終えてしまえば、そのまま手で吊下げ状にぶら下げ、例えば育成中の根深ネギの株元への追肥作業を実施しようとしているのであれば、容器本体1の散布口2が、7ないし8cm間隔置きに植えられている根深ネギの株元に向くように、やや吊下げ杆3の下端側を作業者の足元から前に出すよう、把持している手首に力を入れて操作し、吊下げ杆3の姿勢を垂直ではなく少し傾斜させた状態に保持したまま、今度は全ての指に力を入れ、覚えたタイミングで力を緩めさえすれば、その間に操作レバー5の中央辺り下面で、作動杆8の上端で、圧縮バネ6の上端を規制する上鍔片81に当接して作動杆8を下方に押し下げ、操作レバー8の回動巾を調節する調節機構部7に規制された位置まで下降移動して止まり、作業者が覚えた握っているタイミングの間、その状態が続き、その後、力を緩めると同時に、圧縮バネ6の作用で、略瞬時に作動杆8を元の状態に復帰させることになり、その箇所の追肥作業を終えたことになるから、以降は、順次各根深ネギの株元に向けて同様の作業を繰り返し施していけばよく、作業者は、その追肥作業のために屈み込んだり、中腰の姿勢を取る必要が一切無くなる。
【0039】上記の作業者の一回の操作過程において、圧縮バネ6のバネ圧力に抗して手で力を加え、調節機構部7で規制された範囲内で作動杆8が下方に移動し、その下端に取着した開閉駒9も連動して所定範囲分だけ下降し、円錘台形に形成してある開閉駒9の形状に起因して、散布口2との間に、所定の間隙を生じ、該隙間を通じて容器本体1内部の肥料を所定の割合で流出し続けた後、覚えたタイミングで操作レバー5に加えていた力を緩めてしまうと、圧縮バネ6の復元力で作動杆8が自動的に引き上げられ、と同時にその下端の開閉駒9も元の状態まで復元し、散布口2に密着、閉鎖して肥料の流出を殆ど瞬時に停止させてしまうことから、その力を入れてから緩めるタイミングさえ間違わないようにすれば、根深ネギの株元に施される肥料の散布量は、各根深ネギ毎に略一定の割合にした追肥作業を継続することができることになる。
【0040】なお、実施例4で取り上げてあるような散布口2の方向を容器本体1の一方の側面にずらしたり、あるいは特に実施例として取り上げてはいないが、散布口2の先に、開閉駒9の動きに支障を来すことのない工夫の施された付属の放出樋や放出管等で株元に向かうような構造のものとすれば、上記したような吊下げ杆3に対する操作をせず、略垂直状にぶら下げたままに近い状態でも散布口2から放出される肥料等の散布物を、かなり正確に作物の株元辺りに散布する作業を実施可能になるものとすることができる上、実施例5の散布機のように、散布口2が、所定の間隔を隔てて2個並設されてなるようにしたものでは、一回の散布作業で株元の両側に平均して散布作業を施すことができるものとなる。
【0041】
【効果】以上示したとおり、この発明の肥料等散布機は、従前までに全く顧みられることもなく放置されたままで、専ら作業者の手作業に頼り、作業者が腰を屈めたり、中腰となって手を差し延ばし、手に摘んだ肥料等の散布物を作物の株元近くに撒くしか特に有効な手段の無かった散布作業を、極めて簡素な構造で製造もし易く、したがって、安価に購入できる器具として使用でき、しかもその取り扱いについても特別な訓練も必要とすることもなく、何回かの練習で簡単に習得して散布作業を確実に実施できるようになっており、またその取り扱い過程において破損その他の故障等を起こしてしまう虞も極めて少なく、長年に渡っての使用に十分絶え得るものとなっているこもあって、この種作業を必要とする、特に野菜類を栽培する農家に大いに役立つものになるという極めて秀れた特徴を発揮するものとなっている。
【0042】特に実施例として取り上げたものでは、上記した特徴を遍く発揮し、非常に実用価値の高い散布機として提供可能になるのは勿論のこと、その意匠上の効果や小形化の面でも秀れているという特徴等も加わっており、作業者が使い易い上、その保管や輸送、販売等についても極めて都合が能く、しかもこの発明の基本的な特徴点となっている、操作レバー5に外力を加えている時間と、外力の大きさに起因する作動杆8の押し下げ量とを加減するための構成が簡潔且つ頑丈に形成し得るものとなっていて、散布口2を開放状としている時間とその隙間量とを習熟、調節して決定してしまえば、その都度繰り返し、散布物はその決定された割合に応じた分量だけ確実に放出、散布されるようにした散布作業の実施が保証されることになるという大きな利点を有するものとして提供することができる。
【0043】叙述の如く、この発明の肥料等散布器は、極めて簡潔な構造からなるものであって、取り扱い作業性に秀れていると同時に、製造容易で安価に提供可能であり、しかも、その散布効率は、従前からの手作業には比較にならない程に秀れていることから、野菜作物等を栽培する農家にとって極めて都合の良いものとなってその作業効率と共に作業内容の軽減化にも繋がるものとなり、それら栽培農家から高い評価が得られることになるのは勿論のこと、提供される野菜単価にも反映することになって、延いては一般消費者からも大いに歓迎されることに繋がっていくのではないかと予想されるものである。
【出願人】 【識別番号】391064278
【氏名又は名称】株式会社美善
【出願日】 平成11年3月29日(1999.3.29)
【代理人】 【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
【公開番号】 特開2000−270636(P2000−270636A)
【公開日】 平成12年10月3日(2000.10.3)
【出願番号】 特願平11−85727