| 【発明の名称】 |
水田作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】八木澤 俊夫
【氏名】山下 眞
【氏名】松木 直樹
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| 【要約】 |
【課題】圃場面に土塊が存在する場合や荒れている場合でも苗植付装置を不必要に上昇制御させることのない田植機を合理的に構成する。
【解決手段】圃場面に対する高さを計測して苗植付装置Aの昇降制御を行わせる感知フロート27Sの前部位置に対して、圃場面を整地する整地ローラ65を配置し、この整地ローラ65を苗植付装置Aのフレーム22から前方に突設した支持部材61の先端に横向き姿勢の支軸62周りで揺動自在なアーム63の揺動端に回転自在に支承した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の後端にアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を連結すると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートの上下変位に基づいて該対地作業装置と圃場面との相対高さを求めアクチュエータを制御して対地作業装置を圃場面に追従させて昇降させる制御手段を備えている水田作業機であって、前記接地フロートの前部位置の圃場面に圧接して整地を行う整地ローラを横向き姿勢の軸周りで回動自在に備えている水田作業機。 【請求項2】 前記苗植付装置のフレームから前方に延設した支持部材の先端に横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在にアームを備え、このアームの揺動端に前記整地ローラが支持されると共に、接地ローラを圃場面に押し付ける側にアームを付勢する付勢機構が備えられている請求項1記載の水田作業機。 【請求項3】 前記整地ローラが接地する圃場面の側部位置に接する整地板が前記フレームに対してブラケットを介して支持されると共に、このブラケットが前記支持部材に連結固定されている請求項2記載の水田作業機。 【請求項4】 前記整地ローラが、左右方向での中央位置に小径部を形成して圃場面の水の流通を許すよう構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の水田作業機。 【請求項5】 前記整地ローラが、全周が凹状となる溝を複数条形成して構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の水田作業機。 【請求項6】 前記対地作業装置に対する前記接地フロートの基準高さを変更する調節機構を備えると共に、この調節機構で接地フロートの基準高さを下降側に変更した場合には、この変更と連動して前記アームを付勢する付勢機構の付勢力を増大させる付勢力調節手段を備えている請求項2記載の水田作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の後端にアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を連結すると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートの上下変位に基づいて該対地作業装置と圃場面との相対高さを求めアクチュエータを制御して対地作業装置を圃場面に追従させて昇降させる制御手段を備えている水田作業機に関する。 【0002】 【従来の技術】上記のように構成された水田作業機として乗用型の田植機が存在し、従来からの田植機では、対地作業装置としての苗植付装置に対して複数の接地フロートを備え、この複数の接地フロートのうち左右方向での中央位置のものの上下変位量をワイヤで取り出す、あるいは、ポテンショメータで計測するセンサ系を備え、このセンサ系で計測される苗植付装置の圃場面に対する高さを目標高さに維持するよう油圧シリンダ等のアクチュエータを制御する機械式あるいは電気式の制御手段を備えている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来からの乗用型の田植機を例に挙げると、苗植付装置と圃場面との相対高さを計測するための接地フロートは、その後部が横向き姿勢の軸芯周りで苗植付装置に支持されると共に、その前部がバネによって下方に向けて付勢され、この接地フロートの前部位置に上下変位量を取り出すワイヤを連結する、あるいは、この接地フロートの前部位置に上下変位量を計測するポテンショメータを備てある。そして、苗植付装置を圃場面に追従させて昇降させる場合には、前記軸芯周りでの接地フロートの揺動姿勢を設定された目標姿勢に維持するよう、ワイヤの作動量、あるいは、ポテンショメータの計測結果に基づいて制御弁を操作するよう制御手段の制御形態が設定されている。 【0004】又、このように昇降制御を行うものでバネの付勢力を高めた場合や、接地フロートの目標姿勢を前上がり側に変更した場合には、接地フロートが圃場面に対して強く接触した状態で昇降制御が停止し、圃場面の小さな凹凸に影響されなくなるので制御感度が低下するものとなり、これとは逆に、バネの付勢力を下げた場合や、接地フロートの目標姿勢を前下がり側に変更した場合には、接地フロートが圃場面に対して弱い力で接した状態で昇降制御が停止し、圃場面の小さな凹凸を感知し得るので制御感度が高まるものとなる。このことから、従来からの田植機はバネの付勢力の調節や接地フロートの姿勢の変更で制御感度を調節できるものとなっていた。 【0005】しかし、接地フロートのレベル変化に基づいて苗植付装置の昇降制御を行うものでは、圃場面の凹凸の影響を受けやすく、圃場面の土塊に接地フロートが乗り上げた場合には接地フロートの持ち上げられることに起因して苗植付装置が上昇制御される不都合があった。特に制御感度を低く設定した場合に土塊に乗り上げた接地フロートが大きく持ち上げられる結果、苗植付装置を大きく上昇させる制御が行われるものとなり、苗の植付深さを浅くして浮き苗の発生に繋がるものであった。 【0006】本発明の目的は、圃場面に土塊が存在する場合や荒れている場合でも対地作業装置を不必要に上昇制御させることのない水田作業機を合理的に構成する点にある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は、走行機体の後端にアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を連結すると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートの上下変位に基づいて該対地作業装置と圃場面との相対高さを求めアクチュエータを制御して対地作業装置を圃場面に追従させて昇降させる制御手段を備えている水田作業機において、前記接地フロートの前部位置の圃場面に圧接して整地を行う整地ローラを横向き姿勢の軸周りで回動自在に備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0008】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記苗植付装置のフレームから前方に延設した支持部材の先端に横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在にアームを備え、このアームの揺動端に前記整地ローラが支持されると共に、接地ローラを圃場面に押し付ける側にアームを付勢する付勢機構が備えられている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0009】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項2において、前記整地ローラが接地する圃場面の側部位置に接する整地板が前記フレームに対してブラケットを介して支持されると共に、このブラケットが前記支持部材に連結固定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0010】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項1〜3のいずれか1項において、前記整地ローラが、左右方向での中央位置に小径部を形成して圃場面の水の流通を許すよう構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0011】本発明の第5の特徴(請求項5)は請求項1〜3のいずれか1項において、前記整地ローラが、全周が凹状となる溝を複数条形成して構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0012】本発明の第6の特徴(請求項6)は請求項2において、前記対地作業装置に対する前記接地フロートの基準高さを変更する調節機構を備えると共に、この調節機構で接地フロートの基準高さを下降側に変更した場合には、この変更と連動して前記アームを付勢する付勢機構の付勢力を増大させる付勢力調節手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0013】〔作用〕上記第1の特徴によると、接地フロートが通過する位置の圃場面に土塊や突出部が存在する場合には、接地フロートに達する以前に整地ローラが軸周りで回転しながら土塊や突出部に圧力を作用させて均平化できるので、接地フロートが大きく持ち上げられる不都合を回避して上昇制御を抑制でき、又、整地ローラが回転する構造であるので泥押しを発生させることもない。 【0014】上記第2の特徴によると、付勢機構の付勢力でアームの揺動とともに整地ローラを圃場面に押し付けるので、対地作業装置が昇降した際にも接地ローラを圃場面に圧接させる状態を維持できるものとなる。 【0015】上記第3の特徴によると、整地板を支持するブラケットと支持部材とが連結固定されているのでブラケットと支持部材とが強固な連結関係となり、しかも、整地ローラの支持構造も整地板の支持構造も大型の部材を用いる必要がなく軽量化も可能となる。 【0016】上記第4の特徴によると、圃場面に水や水を多く含んだ泥が多く存在する場合でも整地ローラの中央位置の小径部から水や水を多く含んだ泥を流通させて、泥押しの発生を抑制できるものとなる。 【0017】上記第5の特徴によると、整地ローラに溝が複数形成されているので、夫々の溝から水や水を含んだ泥の流通を可能にして泥押しの発生を抑制できるものとなる。 【0018】上記第6の特徴によると、対地作業装置に対する接地フロートの高さを下降させる側に変更した場合には、整地ローラの接地レベルが下降し、アームも下方に向けて揺動する結果、付勢手段がバネのように作用位置の変化での付勢力が低下するものであっても、付勢力調節手段が付勢手段の付勢力を増大させることによって整地ローラと圃場面との圧接力を低下させることなく一定の値に維持できるものとなる。 【0019】〔発明の効果〕従って、整地ローラを備えるだけで圃場面に土塊が存在する場合や荒れている場合でも、圃場面の均平化によって対地作業装置を不必要に上昇制御させることがなく、泥押しも発生させることがない水田作業機が合理的に構成されたのである(請求項1)。又、対地作業装置のレベルに拘わらず整地ローラを圃場面に圧接させて圃場面を良好に均平化して上昇制御を抑制し得るものとなり(請求項2)、整地ローラと整地板とを部材の大型化を抑制しながら強固に支持できるものとなり(請求項3)、圃場面に水や水を多く含んだ泥が多く存在する場合でも泥押しの発生を回避でき(請求項4、請求項5)、接地フロートの基準高さを変更した場合でも整地ローラを圃場面に対して適正な圧力で圧接させて圃場面の均平化を良好に行えるものとなったのである(請求項6)。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ステアリング操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載すると共に、この走行機体3の前部にエンジン4からの動力が伝えられる静油圧式の無段変速装置H、この無段変速装置Hからの動力が伝えられる前部位置のミッションケース5、及び、このミッションケース5からの動力が伝えられる後部位置の後車軸ケース6夫々を配置し、又、走行機体3の中央部にステアリングハンドル7と運転座席8とを配置し、走行機体3の後端部に対しアクチュエータとしてのリフトシリンダ9で駆動昇降操作される平行4連型のリンク機構Lを介して対地作業装置としての6条植用の苗植付装置Aを連結して水田作業機としての田植機を構成する。 【0021】前記ミッションケース5には左右の前車輪1,1に動力を伝える差動機構(図示せず)と、単位走行距離に対する苗植付装置Aの苗植付回数を設定する株間変速機構(図示せず)とを内蔵すると共に、このミッションケース5から苗植付装置Aに対する動力の伝動と遮断とを行う植付クラッチCとを内蔵している。又、前記後車軸ケース6には左右の後車輪2,2に動力を伝える伝動機構(図示せず・差動機構は備えていない)と、この伝動機構からの左右の後車輪2,2夫々に伝えられる動力を切り操作すると同時に制動力を作用させる左右のクラッチブレーキ機構10,10を内蔵している。 【0022】又、運転座席前方のメータパネルMPの左側部には前記無段変速装置Hを変速操作する主変速レバー11を配置し、運転座席8の左側部には前記ミッションケース内のギヤ式の副変速装置(図示せず)を変速操作する副変速レバー12を配置し、運転座席8の右側部には苗植付装置Aの昇降制御を行う操作レバーとしての昇降レバー13と、苗植付装置Aを圃場面Sに追従させて昇降制御する際の感度を設定する感度調節レバー14とを配置してある。 【0023】図1〜図3に示すように、前記リンク機構は左右一対のトップリンク17と左右一対のロアーリンク18と、後端の縦リンク19とで構成され、この縦リンク19の下端部に対して、苗植付装置Aの伝動ケース20がローリング自在に連結されている。苗植付装置Aは、走行機体3から伝動軸21を介して動力が伝えられる前記伝動ケース20と、この伝動ケース20に連結する横長姿勢の角パイプ状のパイプフレーム22と、このパイプフレーム22に前端が連結固定され伝動ケース20からの動力が分岐して伝えられる3つのチェーンケース23と、夫々のチェーンケース23の後部の左右位置に横向き姿勢の軸芯周りで回転するロータリケース24と、このロータリケース24に取付けられた植付アーム25とを有すると共に、マット状苗Wを載置する苗載せ台26と、3つの整地フロート27(接地フロートの一例)とを備えて構成され、植付作動時には苗載せ台26に載置したマット状苗Wの下端から植付アーム25の植付爪25Aが苗を1株ずつ切り出して圃場面Sに植付ける作動を行うよう構成されている。 【0024】前記パイプフレーム22の後方にパイプフレーム22と平行姿勢の植付深さ調節軸30が軸芯周りで回動自在に備えられると共に、この植付深さ調節軸30から後方に延設した3組のアーム31の夫々の後端部に横向き姿勢の支持軸29周りで揺動自在に前記3つの整地フロート27が支持され、この植付深さ調節軸30に連結する植付深さ調節レバー32をレバーガイド33に係止保持することで、前記植付爪25Aの作動軌跡Tに対する整地フロート27の上下方向での距離を変更して圃場面Sに対する苗の植付深さを調節できるよう構成されている。図5〜図7に示すように左右方向での中央位置の整地フロート27(以下感知フロート27Sと称する)の前部の左右方向での中央位置に横向き姿勢の第1支軸34周りで揺動自在に第1リンク35を備え、これと対応する位置のパイプフレーム22に横向き姿勢の第2支軸36周りで揺動自在に第2リンク37を支持し、第1リンク35と第2リンク37とを連結軸38で屈伸自在に連結することで感知フロート27Sの横方向への振れを阻止しながら該感知フロート27Sの前部の上下方向への作動を案内する屈伸リンクが構成されている。 【0025】又、前記屈伸リンクと前記植付深さ調節レバー32とに挟まれる位置の感知フロート27の上面に対して、横向き姿勢の軸39周りで揺動自在に縦長姿勢の縦リンク40を備えると共に、パイプフレーム22に対して前方に向けて片持ち状に設けたブラケット41の前端に横向きの軸42周りで揺動自在に揺動リンク43を備え、この揺動リンク43の前端側に横向き姿勢で設けたピン44を縦リンク40に対して上下方向に長手方向が向かう姿勢で穿設した長孔40Aに挿通し、縦リンク40の上端とピン44との間に引っ張り型の感知バネ45を備え、更に、この揺動リンク43の後端を前記植付深さ調節レバー32とを補正ロッド46で連結してある。又、操作ワイヤ47のアウターワイヤ47Aの端部を縦リンク40の上端に連結固定し、この操作ワイヤ47のインナーワイヤ47Bをピン44に連結することで、苗植付装置Aが圃場面Sを基準に下方(圃場面Sに接近する側)に変位して感知フロート27Sの前端側が上方に揺動した際には縦リンク40の上端とピン44との距離Dが拡大してインナーワイヤ47Bを引き操作し、苗植付装置Aが圃場面Sを基準に上方(圃場面Sから離間する側)に変位して感知フロート27Sの前端側が下方に揺動した際には縦リンク40の上端とピン44との距離Dが縮小してインナーワイヤ47Bを弛ませるよう操作方向が設定されている。更に、例えば、植付深さ調節レバー32を深植側(同図でレバー32の操作端を下方に操作する側)に操作した場合には揺動リンク43の前端を持ち上げ側に揺動させて感知フロート27Sの持ち上がり量と等しいだけピン44の位置を上方に変位させることで前記距離Dの値を維持して昇降制御の感度が維持されるように構成してある。 【0026】図8に示すように昇降用の制御手段Bが形成され、この制御手段Bでは感度調節レバー14と軸50周りで一体揺動する調節アーム51に前記アウターワイヤ47Aの走行機体側の端部を支持し、揺動軸52周りで揺動する第1アーム53の揺動端にインナーワイヤ47Bの走行機体側の端部を挿通させ、かつ、このインナーワイヤ47Bの端部のストッパー47Cを接当自在に備えてインナーワイヤ47Bの引き操作力を第1アーム53に伝えるようにしてある。又、この第1アーム53と揺動軸52を介して一体揺動する第2アーム54の揺動端と、前記リフトシリンダ9に作動油を給排する制御弁Vのスプール(図示せず)とを操作ロッド55を介して操作自在に連係してあり、更に、前記昇降レバー13と軸56周りで一体揺動する接当片57を前記揺動軸52より上方側の第1アーム53に対して接当自在に配置してあり、第1アーム53をインナーワイヤ47Bを引く方向に付勢する戻しバネ58を設けてある。 【0027】このように構成したことから、昇降レバー13を同図に示す「中立」位置から「上昇」位置に操作すると、接当片57が第1アーム53の上端に接当して第2アーム54を揺動させると共に、この揺動で操作ロッド55が引き操作され、制御弁Vのスプール(図示せず)が上昇位置に操作される結果、リフトシリンダ9に作動油が供給され苗植付装置Aが上昇する。又、この上昇時には第1アーム53の下部の揺動端が機体後方(同図において右側)に向けて揺動し、整地フロート27の前部が垂れ下がる状態となるのでインナーワイヤ47Bのストッパー47Cが第1アーム53から離間して前方に突出するものとなる。 【0028】次に、昇降レバー13を「中立」位置から「下降」位置に操作すると、接当片57が第1アーム53の上端から離間する状態となるので、戻しバネ58の付勢力で第2アーム54が揺動して操作ロッド55が押し操作され、制御弁Vのスプール(図示せず)が下降位置に操作されてリフトシリンダ9から作動油が排出される結果、苗植付装置Aが下降する。又、このように苗植付装置Aが下降すると整地フロート27が圃場面Sに接触して操作ワイヤ47のインナーワイヤ47Aが緊張状態に達し、戻しバネ58の付勢力に抗して、この操作ワイヤ47からの力を第2アーム54、操作ロッド55を介して制御弁Vのスプールを中立位置の側に操作するものとなり、中立位置に達した時点で苗植付装置Aの下降が停止する。このように苗植付装置Aの下降が停止した時点で整地フロート27は目標姿勢に維持され、苗植付装置Aと圃場面Sとの相対距離の変化で整地フロート27の姿勢が目標姿勢から外れた場合には、操作ワイヤ47からの操作力で制御弁Vを操作して整地フロート27を目標姿勢の維持するよう苗植付装置Aを昇降させる自動昇降制御が行われるものとなる。尚、昇降レバー13を「下降」位置から「植付」位置に操作すると、前述の自動昇降制御状態を維持したまま、この昇降レバー13の操作力で前記植付クラッチCを入り操作するものとなっている(操作系は図示せず)。 【0029】そして、この自動昇降制御時に感度調節レバー14を操作した場合には、アウターワイヤ47Aの基準位置が変化することにより整地フロート27の目標姿勢が変化し、感知バネ45の付勢力が変化するので昇降制御の感度を調節し得るものとなっており、「敏」の方向に操作した場合には、前記距離Dを拡大して感知フロートの目標姿勢を前下がり側に変更して感知バネ45から感知フロート27Sを持ち上げる方向に作用する付勢力を強めて敏感な制御を行わせ、「鈍」の方向に操作した場合には、前記距離Dを縮小して感知フロート27Sの目標姿勢を前上がり側に変更して感知バネから感知フロート27Sを持ち上げる方向に作用する付勢力を低下させて鈍感な制御を行わせるものとなっている。 【0030】図2〜図4(イ)、(ロ)に示すように、平面視で前記感知フロート27Sを挟む位置に設定してパイプフレーム22の前面から前方に向けて左右一対の棒状の支持部材61,61を延設すると共に、この支持部材61の先端位置に横向き姿勢の支軸62周りでアーム63を揺動自在に支持し、この左右のアーム63,63の揺動端同士に連結した軸体64に外嵌する状態に樹脂製の整地ローラ65を遊転支承してある。又、その一方の端部がパイプフレーム22の前面に連結し、その他方の端部が支持部材61の外側面に連結する左右一対のブラケット66,66を設け、このブラケット66,66に対して整地ローラ65の整地位置の両側位置の圃場面Sを整地するレーキ状の整地板67,67を連結固定してある。尚、軸体64はアーム63の先端に回転不能に連結固定され、この軸体64に対して内部への水や泥の侵入を阻止するブッシュやシール等を介して整地ローラ65が支承され、この整地ローラ65の左右方向での中央位置に小径部65Aを形成して水や泥の流通を許すものとなっている。 【0031】前記アーム63は、前記支持部材61を左右から挟み込む2枚の金属板を用いると共に、上端と下端を重ね合わせて溶接固定した形状に形成され、更に、上端と前記ブラケット66との間に亘って備えた引っ張りコイル型のバネ68(付勢手段の一例)で整地ローラ65を圃場面Sに押し付けるように付勢されている。又、図4(イ)に示すように、左側の支持部材61の先端位置に設けた支持片69にナット70を溶接固定し、このナット70に螺合するネジ体71をノブ71Nで回動操作できるよう備え、このネジ体71の緩み防止用の圧縮バネ72を備えることで、ネジ体71とアーム63の上端との接当位置を調節してアーム63の揺動限界を設定できるようになっている。又、図4(ロ)に示すように、右側の支持部材61の先端位置に設けた支持片73に横向き姿勢の軸74周りで揺動自在にロックアーム75を備えており、このロックアーム75を同図に実線で示す如く、ロック位置に設定するとバネ68の付勢力に抗してロックアーム75とアーム63の上端との接当でアーム63の下端を上方に持ち上げる姿勢に該アーム63の揺動姿勢を維持し、同図に仮想線で示す如く、非ロック位置に設定するとアーム63の自由な揺動を許すものとなっている。 【0032】このように、本発明では感知フロート27Sが通過する圃場面Sに圧接させて圃場面Sを均平化する整地ローラ65を備えるだけで圃場面Sに土塊が存在する場合や荒れている場合でも、整地ローラ65が押さえ込んで圃場面Sの均平化することによって苗植付装置Aを不必要に上昇制御させることがなく、泥押しも発生させることがないものとなっている。更に、バネ68で接地方向に付勢されたアーム63の揺動端に整地ローラ65を備えたので苗植付装置Aのレベルに拘わらず整地ローラ65を圃場面Sに圧接させて良好に均平化して上昇制御を抑制し得るものとなり、整地ローラ65の支持系と整地板67の支持系とを連結固定することで部材の大型化を抑制しながら夫々を強固に支持できるものとなり、圃場面Sに水や水を多く含んだ泥が多く存在する場合でも整地ローラ65の中央位置に形成した小径部65Aに水や泥の流通を許して泥押しの発生を回避できるものとなったのである。 【0033】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態以外に、例えば、図9、図10に示すように構成することも可能である。つまり、同図には前述した苗植付装置Aの昇降制御系と同じ構成を備えたものであり(前記実施の形態と同じ機能を有するものには共通する番号・符号を付する)、この構成に加えて、整地ローラ65の接地部に全周が凹状となる溝65Bを複数条形成することで、接地部において圃場面Sの水や水を含んだ泥の流れを許す形状のものを用いてあり、又、整地ローラ65を支持するアーム63のバネ68の反アーム側に連結する揺動型の調節部材78を軸79周りで支持部材61に備え、この調節部材78と感度調節レバー14をワイヤ80を介して連動連結することで、感度調節レバー14を「敏」の側に操作して感知フロート27Sの目標姿勢が前下がり側に変化した場合には、ワイヤ80の操作でバネ68の付勢力を高め、感度調節レバー14を「鈍」の側に操作して感知フロート27Sの目標姿勢が前上がり側に変化した場合には、ワイヤ80の操作でバネ68の付勢力を低下させることで、整地ローラ65が圃場面に対して決まった圧力で接触するよう構成してある。尚、この構成で感度調節レバー14の操作と連係してバネ68の付勢力を調節する調節部材78とワイヤ80とで付勢力調節手段が構成されている。 【0034】このように構成したことから、整地ローラ65の部位では圃場面Sの水や水を含んだ泥土を良好に流し泥押しを抑制するものとなり、又、感知フロート27Sの基準高さを変更した場合でも整地ローラ65を圃場面に対して適正な圧力で圧接させて圃場面Sの均平化を良好に行えるものとなっている。 【0035】又、本発明は植付深さ調節レバー32を操作した場合、具体的には、植付深さを浅い側に設定した場合にはバネ68の付勢力を高め、植付深さを深い側に設定した場合にはバネ68の付勢力を低下させるよう前記ワイヤ80を植付深さ調節レバー32と連係することで、前述した別実施の形態と同様にバネ68の付勢力を調節して整地ローラ65が圃場面Sに対して決まった圧力で接触するよう構成することも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年3月25日(1999.3.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−270629(P2000−270629A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−82191 |
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