| 【発明の名称】 |
乗用型田植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】蔵野 淳次
【氏名】藤井 健二
【氏名】越智 竜児
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| 【要約】 |
【課題】合理的なフロート配置によって、苗植付装置の構成の簡素化並びに製造コストの低減化を効果的に図りながら、植え付け作業全体の仕上がり精度の向上を効果的に図ることのできる10条植え用の乗用型田植機を提供する。
【解決手段】走行機体1の後部に昇降自在に連結される10条植え用の苗植付装置4の左右中央側に3条分の整地を行う略Π字状の整地フロート12Aを左右に並設するとともに、それらの各横外側方に2条分の整地を行うT字状の整地フロート12Bを配設した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の後部に昇降自在に連結される10条植え用の苗植付装置の左右中央側に3条分の整地を行う略Π字状の整地フロートを左右に並設するとともに、それらの各横外側方に2条分の整地を行うT字状の整地フロートを配設してある乗用型田植機。 【請求項2】 前記T字状の各整地フロートに、それらの横軸芯周りでの上下揺動を検出するフロートセンサを装備して、それらをセンサフロートに構成してある請求項1記載の乗用型田植機。 【請求項3】 前記苗植付装置に装備された複数の植付機構に対する各整地フロートの高さ位置を一体的に変更する植付深さ調節レバーを装備するとともに、前記植付深さ調節レバーから各整地フロートに亘る連係機構中に衝撃吸収部を設けてある請求項1又は2記載の乗用型田植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の後部に10条植え用の苗植付装置を昇降自在に連結した乗用型田植機に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、上記のような乗用型田植機としては、例えば、特開平10‐178831号公報で開示されているように、苗植付装置の左右中央側に2条分の整地を行うT字状の整地フロートを左右に並設するとともに、それらの外側方に1条分の整地を行うU字状の整地フロートを、更に、それらの外側方に2条分の整地を行うT字状の整地フロートを夫々配設する(以下、第1配置構成と略称する)、あるいは、苗植付装置の左右中央側に2条分の整地を行うT字状の整地フロートを左右に並設するとともに、それらの外側方に3条分の整地を行う略Π字状の整地フロートを配設する(以下、第2配置構成と略称する)、などのフロート配置によって10条分の苗植え付け箇所を前もって整地するように構成したものや、特開平10‐248332号公報で開示されているように、苗植付装置の左右中央に2条分の整地を行うT字状の整地フロートを、その左右に3条分の整地を行う略Π字状の整地フロートを、更に、それらの外側方に1条分の整地を行うU字状の整地フロートを夫々配設する(以下、第3配置構成と略称する)、苗植付装置の左右中央に2条分の整地を行うT字状の整地フロートを、その左右に3条分の整地を行う略Π字状の整地フロートを、更に、それらの外側方に1条分の整地を行う整地板を夫々配設する(以下、第4配置構成と略称する)、あるいは、苗植付装置の左右方向に5基の2条分の整地を行うT字状の整地フロートを並設する(以下、第5配置構成と略称する)、などのフロート配置によって10条分の苗植え付け箇所を前もって整地するように構成したものがあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術のうちの第1配置構成のものは、苗植付装置に合計6基の整地フロートを装備する必要が生じることから、苗植付装置の構成がかなり複雑化するとともに製造コストもかなり嵩むようになっていた。又、一般的に4条分の苗植え付け箇所を跨ぐように配設される車輪が、中央側のT字状の整地フロートとU字状の整地フロートの間に位置するようになり、それによって、車輪の通過跡に対して整地作用を施し難くなることから、車輪通過跡近くの植え付け条への苗植え付け精度の低下や植え付け作業全体の仕上がりが悪くなる不都合を招くようになっていた。 【0004】上記従来技術のうちの第2配置構成のものは、苗植付装置に合計4基の整地フロートを装備するだけであることから、苗植付装置の構成の簡素化並びに製造コストの低減化を図れるものの、車輪がT字状の整地フロートと略Π字状の整地フロートの間に位置するようになって、車輪の通過跡に対して整地作用を施すことができなくなることから、車輪通過跡近くの植え付け条への苗の植え付け精度の低下や植え付け作業全体の仕上がりが悪くなる不都合を招くようになっていた。又、苗植付装置の左右両端側に、他の整地フロートに比較して幅広であることによって泥押しや波立ちが大きくなる略Π字状の整地フロートを配設していることによって、既植苗の植え付け姿勢の乱れや倒伏を招き易くなる不都合が生じるようになっていた。 【0005】上記従来技術のうちの第3配置構成のものは、車輪の後方に略Π字状の整地フロートが位置することによって車輪の通過跡に対しても整地作用を良好に施すことができるようになることから、車輪通過跡近くの植え付け条への苗の植え付けも良好に行えるとともに、植え付け作業全体の仕上がりを良くすることができるものの、苗植付装置に3種類で合計5基の整地フロートを装備することから、前記第2配置構成のものに比較して、苗植付装置の構成が複雑化するとともに製造コストが嵩むようになっていた。 【0006】上記従来技術のうちの第4配置構成のものは、車輪の後方に略Π字状の整地フロートが位置することによって車輪の通過跡に対しても整地作用を良好に施すことができるようになることから、車輪通過跡近くの植え付け条への苗の植え付けを良好に行わせることができ、又、苗植付装置に合計3基の整地フロートを装備するだけであることから、植付装置における整地フロートの支持構成の簡素化や整地フロートにかかるコストの削減を大幅に図れるものの、新たに整地板を設けるとともにその支持構造を構成する必要があることから、苗植付装置全体としての構成の簡素化や製造コストの低減化を図る上で未だ改善の余地があった。又、整地板は、整地フロートに比べて整地性能の低いものであることから、整地板によって整地される植え付け条への苗植え付け精度が低下するとともに、植え付け作業全体の仕上がりが悪くなる不都合を招くようになっていた。 【0007】上記従来技術のうちの第5配置構成のものは、車輪の後方にT字状の整地フロートが位置することによって車輪の通過跡に対しても整地作用を良好に施すことができるようになることから、車輪通過跡近くの植え付け条への苗の植え付けも良好に行えるとともに、植え付け作業全体の仕上がりを良くすることができるものの、苗植付装置に合計6基の整地フロートを装備する必要が生じることから、苗植付装置の構成がかなり複雑化するとともに製造コストもかなり嵩むようになっていた。 【0008】本発明の目的は、合理的なフロート配置によって、苗植付装置の構成の簡素化並びに製造コストの低減化を効果的に図りながら、植え付け作業全体の仕上がり精度の向上を効果的に図ることのできる10条植え用の乗用型田植機を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行機体の後部に昇降自在に連結される10条植え用の苗植付装置の左右中央側に3条分の整地を行う略Π字状の整地フロートを左右に並設するとともに、それらの各横外側方に2条分の整地を行うT字状の整地フロートを配設した。 【0010】〔作用〕上記請求項1記載の発明によると、苗植付装置の左右中央側に位置するようになる左右の略Π字状の整地フロートが、左右中央側の6条分の苗植え付け箇所に対して前もって整地作用を施すようになり、又、苗植付装置の左右両端側に位置するようになる各T字状の整地フロートが、左右両端側の2条分ずつの苗植え付け箇所に対して前もって整地作用を施すようになる。しかも、左右中央側の各略Π字状の整地フロートは、4条分の苗植え付け箇所を跨ぐように配設される車輪の後方に位置するようになることから、車輪通過跡に対しても整地作用を施すようになる。 【0011】つまり、苗植付装置に合計4基の整地フロートを装備するだけで、10条分の苗植え付け箇所及び車輪通過跡に対して整地作用を良好に施すことができ、又、新たに苗植え付け箇所整地用の整地板を設けるとともにその支持構造を構成する必要もないことから、各植え付け条及び車輪通過跡に対する整地性能の向上を図りながらも、苗植付装置全体としての構成の簡素化並びに製造コストの低減化を効果的に図れるようになる。そして、各植え付け条及び車輪通過跡に対する整地性能の向上を図れることによって、車輪通過跡の遠近にかかわらず、各植え付け条への苗の植え付けを良好に行えるようになる。 【0012】又、苗植付装置の左右両端側にT字状の整地フロートを配設していることにより、苗植付装置の左右両端側に略Π字状の整地フロートを配設する場合に比較して、左右両端側の整地フロートの泥押しや波立ちに起因する既植苗の植え付け姿勢の乱れや倒伏を効果的に抑制できるようになる。 【0013】しかも、苗植付装置の左右中央側に略Π字状の整地フロートを左右に並設していることによって、10条植え用の苗植付装置に対応する充分な推力を得るために車輪の内側に補助車輪を並設したものにおいては、補助車輪の通過跡を整地する特別な整地板を新たに設けなくても、その補助車輪の通過跡に対して整地作用を良好に施すことができるようになる。 【0014】その上、各整地フロートが左右に分散して対称配置された状態になることによって、苗植付装置を折り畳み姿勢に姿勢変更可能な左右2分割構造に構成したものにおいては、苗植付装置の左右中間位置に整地フロートを配設した場合に生じる、左右中間位置の整地フロートが、苗植付装置を折り畳み姿勢に切り換えた際に一方の分割端側から突出するようになる、といった不都合を回避できるようになり、苗植付装置を折り畳み姿勢に切り換えた際の左右バランスの安定性の向上などを図れるようになる。 【0015】〔効果〕従って、合理的なフロート配置によって、苗植付装置の構成の簡素化並びに製造コストの低減化を効果的に図りながら、各植え付け条及び車輪通過跡に対する整地性能を高めることができて各植え付け条への苗の植え付けを更に良好に行えるようにすることができる上に、左右両端側の整地フロートの泥押しや波立ちに起因する既植苗の植え付け姿勢の乱れや倒伏を効果的に抑制できる、植え付け作業全体の仕上がり精度の向上が効果的に図られた10条植え用の乗用型田植機を提供できるようになった。 【0016】本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記T字状の各整地フロートに、それらの横軸芯周りでの上下揺動を検出するフロートセンサを装備して、それらをセンサフロートに構成した。 【0017】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、苗植付装置の左右両端側に配設するT字状の各整地フロートをセンサフロートに構成していることによって、それら各センサフロートにより検出される検出値(圃場の起伏に起因するT字状の各整地フロートの横軸芯周りでの上下揺動量)の平均値から、苗植付装置の対地高さを設定高さに維持するように苗植付装置の昇降を制御して所望の苗植え付け深さを確保し易くする自動昇降制御を行うことができ、又、それら各センサフロートにより検出される検出値の差から、苗植付装置の左右の対地高さを設定高さに維持するように苗植付装置の前後軸芯周りでの傾動を制御して所望の苗植え付け深さを確保し易くする苗植付装置のローリング制御を行えるようになる。 【0018】しかも、それら各センサフロートは、車輪通過跡を整地するものではないことから、車輪通過跡の影響を受けない好適な整地フロートの上下動を検出することができるようになり、もって、その検出に基づく自動昇降制御及びローリング制御における制御性能の向上を図れるようになる。 【0019】そして、自動昇降制御及びローリング制御における制御性能の向上を図れることによって、苗植付装置の対地高さをより精度良く設定高さに維持することができ、それによって、各整地フロートの整地性能の向上を更に図れるようになることから、各植え付け条への苗の植え付けを更に良好に行えるようにすることができるとともに、左右両端側の整地フロートの泥押しや波立ちに起因する既植苗の植え付け姿勢の乱れや倒伏をより効果的に抑制できるようになる。又、苗植付装置の対地高さをより精度良く設定高さに維持できることによって、所望の植え付け深さでの苗の植え付けをより精度良く行えるようになる。 【0020】〔効果〕従って、合理的なフロート配置によって、自動昇降制御及びローリング制御における制御性能の向上を図れるようになり、各植え付け条への苗の植え付けを所望の植え付け深さでより精度良く良好に行えるとともに、左右両端側の整地フロートの泥押しや波立ちに起因する既植苗の植え付け姿勢の乱れや倒伏をより効果的に抑制できることから、植え付け作業全体の仕上がり精度の向上をより効果的に図れるようになった。 【0021】本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の発明において、前記苗植付装置に装備された複数の植付機構に対する各整地フロートの高さ位置を一体的に変更する植付深さ調節レバーを装備するとともに、前記植付深さ調節レバーから各整地フロートに亘る連係機構中に衝撃吸収部を設けた。 【0022】〔作用〕一般的に、植付深さ調節レバーから各整地フロートに亘る連係機構は、フロート支点軸や揺動アームなどによって衝撃吸収部を備えない状態で構成されていることから、枕地旋回時や路上走行時などにおいて整地フロートの後端側を他物に接触させた場合には、そのときの衝撃によって、植付深さ調節レバーから各整地フロートに亘る連係機構のうちの強度の弱い箇所が破損するようになるのであるが、上記請求項3記載の発明においては、整地フロートの後端側を他物に接触させた際の衝撃を衝撃吸収部が吸収するようになることから、植付深さ調節レバーから各整地フロートに亘る連係機構の破損を防止できるようになる。 【0023】〔効果〕従って、枕地旋回時や路上走行時などにおいて整地フロートの後端側を他物に接触させた場合に生じる虞ある、植付深さ調節レバーから各整地フロートに亘る連係機構の破損を防止できるようになった。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0025】図1には乗用型田植機の全体側面が示されており、この田植機は、4条分の苗植え付け箇所を跨ぐように配設される左右一対の前輪1Aと後輪1Bとを備えた乗用型の走行機体1の後部に、昇降リンク機構2を介して、油圧シリンダ3の作動で昇降駆動可能に、かつ、電動モータMの作動で前後軸芯X周りにローリング揺動駆動可能となるように、10条植え用の苗植付装置4を連結することによって、10条分の植え付けを行えるように構成されている。尚、走行機体1における各後輪1Bの内側には、10条植え用の苗植付装置4に対応する充分な推力を得るための補助車輪1Cが並設されている。 【0026】図1〜4に示すように、苗植付装置4は、昇降リンク機構2の後端に連結された固定フレーム5、この固定フレーム5の左右両端部にそれぞれ第1縦軸芯P1周りに揺動自在に連結された揺動フレーム6、各揺動フレーム6の遊端に第2縦軸芯P2周りに揺動自在に連結された角パイプ状の支持フレーム7、各支持フレーム7の一端側に連結支持されたフィードケース8、左右方向に所定間隔を隔てる状態で各支持フレーム7から後方に向けて延設された左右三基ずつの植付伝動ケース9、各植付伝動ケース9の後部に軸支されたロータリ式の植付機構10、5条分ずつのマット状苗を載置する左右の苗載台11、及び、植え付け作業走行時に整地作用を施す4基の整地フロート12、などによって、それぞれ5条分の植え付けを行う左苗植付装置部4Aと右苗植付装置部4Bとに分離可能な2分割構造に構成されるとともに、それら左右の苗植付装置部4A,4Bを各縦軸芯P1,P2周りに揺動操作することによって、左苗植付装置部4Aと右苗植付装置部4Bとがそれぞれ前向きで横一列状に並ぶ状態で連結される作業姿勢(図2参照)と、左苗植付装置部4Aと右苗植付装置部4Bとがそれぞれ横向きで互いに向かい合わせになる折り畳み姿勢(図3参照)とに姿勢切り換え可能に構成されている。 【0027】つまり、苗植付装置4を作業姿勢から折り畳み姿勢に切り換えると、走行機体1に対する苗植付装置4の横方向への張り出し量を小さくすることができるようになっており、これによって、路上走行時やトラックなどによる運搬時には、苗植付装置4を折り畳み姿勢に切り換えておくことによって、苗植付装置4が他物に接触する虞を軽減できるようになっている。 【0028】左右の各苗植付装置部4A,4Bにおいて、左右両端に位置する植付伝動ケース9には、その後部左右両側に植付機構10が軸支され、又、左右中央に位置する植付伝動ケース9には、その後部右側のみに植付機構10が軸支されるようになっている。又、苗植付装置4の作業姿勢においては、左右の苗載台11が連結されて、各植付機構10に対して一定のストロークで一体往復横移動するようになっている。 【0029】図2、図3及び図5に示すように、整地フロート12には、3条分の整地を行う略Π字状のものと2条分の整地を行うT字状のものとが採用されており、苗植付装置4の左右中央側には略Π字状の整地フロート12Aを左右に並設し、それらの各横外側方にT字状の整地フロート12Bを配設することによって、植え付け作業走行時には、各2基ずつで合計4基の整地フロート12Bでありながら、各植付機構10による合計10条分の苗植え付け箇所並びに各車輪1A〜1Cの通過跡に対して前もって良好に整地作用を施すことができるようになっている。 【0030】つまり、整地フロート12を合理的に配設することによって、極力、苗植付装置4に装備する整地フロート12の数量を少なくして、苗植付装置4全体としての構成の簡素化並びに製造コストの低減化を図りながらも、良好な整地作用を得られるようにして、各植え付け条への苗の植え付けを良好に行えるようにしているのである。又、略Π字状の整地フロート12Aに比べて泥押しや波立ちの少ないT字状の整地フロート12Bを苗植付装置4の左右両端側に配設していることから、苗植付装置4の左右両端側に略Π字状の整地フロート12Aを配設する場合に比較して、左右両端側の整地フロート12の泥押しや波立ちに起因する既植苗の植え付け姿勢の乱れや倒伏を効果的に抑制できるようになっている。更に、各整地フロートが左右に分散して対称配置された状態になることによって、苗植付装置4を折り畳み姿勢に切り換えた状態での左右バランスの安定性の向上を図れるとともに、苗植付装置4を折り畳み姿勢に切り換えた状態でも、各整地フロート12が左右の各苗植付装置部4A,4Bの横幅内に位置するようになることから、苗植付装置4を折り畳み姿勢に切り換えた路上走行時などにおいて各整地フロート12が他物に接触する虞を抑制できるようになっている。 【0031】図2〜6に示すように、各植付伝動ケース9の前下部には、それらに亘るように横架されたフロート支点軸13が第1横軸芯P3周りで回動自在となるように支持されている。フロート支点軸13は、苗植付装置4の折り畳み姿勢への姿勢切り換えに伴って、左苗植付装置部4Aに属する左フロート支点軸部13Aと、右苗植付装置部4Bに属する右フロート支点軸部13Bとに分離可能な2分割構造に構成されている。左右の各フロート支点軸部13Aから後方に向けて複数の支持アーム14が延設されており、それらの各支持アーム14の延出端に対応する整地フロート12が第2横軸芯P4周りに上下揺動自在に支持されている。 【0032】図4、図5及び図7に示すように、苗載台11の上部を支持する支持部材15には、植付深さ調節レバー16が、左右揺動操作可能かつ所望の操作位置に保持可能な状態で装着されている。植付深さ調節レバー16は、フロート支点軸13や支持アーム14などからなる連係機構Aを介して各整地フロート12に連係されており、その揺動操作によって、各植付機構10に対する各整地フロート12の高さ位置を一体的に変更することができ、もって、各植付機構10による苗植え付け深さを調節できるようになっている。 【0033】連係機構Aの構成について詳述すると、その構成部材の一つであるフロート支点軸13の右フロート支点軸部13Bから前方に向けて操作アーム17が延設されており、この操作アーム17の延出端には操作ロッド18の下端部が枢支されている。操作ロッド18の上端部は、支持部材15に軸支されたクランクアーム19の一端部に枢支され、そのクランクアーム19の他端部に衝撃吸収部20を介して植付深さ調節レバー16が連結されている。この構成から、植付深さ調節レバー16を左右揺動させると、フロート支点軸13を第1横軸芯P3周りに回動させることができて、各植付機構10に対する各整地フロート12の高さ位置を一体的に変更することができるのである。 【0034】図7に示すように、衝撃吸収部20は、植付深さ調節レバー16に枢支される第1筒状体20A、クランクアーム19の他端部に枢支される第2筒状体20B、第1筒状体20Aと第2筒状体20Bとを離間付勢するように第1筒状体20Aと第2筒状体20Bの間に介装されたコイルバネ20C、及び、それら各筒状体20A,20Bとコイルバネ20Cとを挿通支持する状態で植付深さ調節レバー16とクランクアーム19の他端部とに亘って横架された支持部材20D、によって構成されている。植付深さ調節レバー16又はクランクアーム19の他端部と連結される支持部材20Dの各連結部には、コイルバネ20Cの付勢に抗した第1筒状体20Aに対する第2筒状体20B及び支持部材20Dの摺動変位を許容する長孔aが形成されている。 【0035】この構成から、植付深さ調節レバー16を操作すると、コイルバネ20Cの付勢により、第1筒状体20A、第2筒状体20B、コイルバネ20C、及び、支持部材20Dが、植付深さ調節レバー16とクランクアーム19の他端部との距離を一定に維持する状態で一体変位するようになっており、もって、植付深さ調節レバー16の操作量に応じた各整地フロート12の各植付機構10に対する高さ位置の変更を行えるようになっている。又、枕地旋回時や路上走行時などにおいて整地フロート12の後端側を他物に接触させた場合には、コイルバネ20Cの付勢に抗して第2筒状体20B及び支持部材20Dが第1筒状体20Aに対して摺動変位することにより、そのときの衝撃を吸収するようになっており、もって、その衝撃による植付深さ調節レバー16から各整地フロート12に亘る連係機構Aの破損を防止できるようになっている。 【0036】図1及び図8に示すように、走行機体1における運転座席21の右側方箇所には揺動操作式の植付クラッチレバー22が配備されている。植付クラッチレバー22の揺動支点には、その操作位置を検出する回転式のポテンショメータからなる第1レバーセンサSaが装備されている。第1レバーセンサSaは、その検出を走行機体1に搭載されたマイクロコンピュータからなる制御装置23へ出力するようになっている。制御装置23は、第1レバーセンサSaの検出に基づいて、油圧シリンダ3に対する作動油の流動状態を切り換える電磁制御弁24の切り換え操作、又は、植え付け伝動系に介装された植付クラッチ25の伝動状態を切り換えるクラッチモータ26の駆動操作を行うことによって、苗植付装置4の昇降及び作動を制御するようになっている。 【0037】詳述すると、制御装置23は、第1レバーセンサSaにより植付クラッチレバー22の「上昇」位置への操作が検出されると、電磁制御弁24を作動油供給状態に切り換えて油圧シリンダ3を伸長作動させることによって苗植付装置4を上昇させ、第1レバーセンサSaにより植付クラッチレバー22の「下降」位置への操作が検出されると、電磁制御弁24を作動油排出状態に切り換えて油圧シリンダ3を短縮作動させることによって苗植付装置4を下降させ、第1レバーセンサSaにより植付クラッチレバー22の「中立」位置への操作が検出されると、電磁制御弁24を作動油給排停止状態に切り換えて油圧シリンダ3を作動停止させることによって苗植付装置4を昇降停止させるようになっている。又、第1レバーセンサSaにより植付クラッチレバー22の「入(植え付け)」位置への操作が検出されると、植付クラッチ25を伝動入り状態に切り換えるためのクラッチモータ26の駆動操作を行うことによって苗植付装置4を作動させ、第1レバーセンサSaにより植付クラッチレバー22の「入(植え付け)」位置から「切(植え付け)」位置への操作が検出されると、植付クラッチ25を伝動切り状態に切り換えるためのクラッチモータ26の駆動操作を行うことによって苗植付装置4を作動停止させるようになっている。一方、第1レバーセンサSaにより植付クラッチレバー22の「自動」位置への操作が検出されると、ステアリングホイール27の右下部に配備された中立復帰型の操作レバー28の上昇揺動操作を検出する第1スイッチSb、又は、その操作レバー28の下降揺動操作を検出する第2スイッチScの検出に基づいて、苗植付装置4の昇降及び作動を制御するようになっている。 【0038】第1スイッチSa又は第2スイッチSbからの検出に基づく制御装置23の制御作動について詳述すると、制御装置23は、第1スイッチSbにより操作レバー28の上昇揺動操作が検出されると、植付クラッチ25を伝動切り状態に切り換えるためのクラッチモータ26の駆動操作を行うことによって苗植付装置4を作動停止させた後、電磁制御弁24を作動油供給状態に切り換えて油圧シリンダ3を伸長作動させることによって苗植付装置4を所定の上限位置まで上昇させるようになっている。一方、苗植付装置4が圃場泥面から浮上している状態で第2スイッチScにより操作レバー28の下降揺動操作が検出されると、電磁制御弁24を作動油排出状態に切り換えて油圧シリンダ3を短縮作動させることによって苗植付装置4を予め設定された目標対地高さ(植え付け作業高さ)まで下降させるようになっている。そして、苗植付装置4が予め設定された目標対地高さまで下降している状態で第2スイッチScにより操作レバー28の下降揺動操作が検出されると、植付クラッチ25を伝動入り状態に切り換えるためのクラッチモータ26の駆動操作を行うことによって苗植付装置4を作動させるようになっている。 【0039】つまり、制御装置23には、植付クラッチレバー22又は操作レバー28の操作に基づいて苗植付装置4の昇降及び作動を制御する手動制御手段23Aが制御プログラムとして備えられている。 【0040】図1〜3、図6及び図8に示すように、苗植付装置4の左右両端に配備されたT字状の各整地フロート12Bは、その先端側が、連係ロッド29及び連係アーム30を介して、左右の各支持フレーム7の外側端に支持固定された回転式のポテンショメータからなるフロートセンサSdにそれぞれ連係されている。各フロートセンサSdは、対応する整地フロート12Bの植え付け作業時の走行に伴う第2横軸芯P4周りでの上下揺動を検出して制御装置23へ出力するようになっている。つまり、T字状の各整地フロート12Bは、それらの第2横軸芯P4周りでの上下揺動を検出するセンサフロートとして機能するように構成されている。 【0041】制御装置23には、各フロートセンサSdからの検出に基づいて、それらの検出値の平均値が予め設定された基準値の許容範囲内(不感帯幅内)に復帰するように、油圧シリンダ3の作動による苗植付装置4の昇降を制御する自動昇降制御手段23Bと、各フロートセンサSdからの検出値の差が予め設定された所定値の許容範囲内(不感帯幅内)に復帰するように、ローリングモータMの作動による苗植付装置4の前後軸芯X周りでの揺動を制御するローリング制御手段23Cとが制御プログラムとして備えられている。 【0042】そして、自動昇降制御手段23Bの制御作動によって、進行方向での圃場の起伏にかかわらず、植え付け作業時での苗植付装置4の対地高さを目標対地高さに維持することができ、又、ローリング制御手段23Cの制御作動によって、進行方向と直交する方向での圃場の起伏にかかわらず、植え付け作業時での苗植付装置4の対地高さを目標対地高さに維持することができようになっている。 【0043】又、センサフロートに構成されるT字状の各整地フロート12Bは、各車輪1A〜1Cの通過跡を整地するものではないことから、各フロートセンサSdによて、各車輪1A〜1Cの通過跡の影響を受けない好適な整地フロート12Bの上下動を検出することができ、それによって、その検出に基づく自動昇降制御及びローリング制御における制御性能の向上を図れるようになっており、もって、より精度良く苗植付装置4の対地高さを目標対地高さに維持することができて、予め設定された所望の植え付け深さでの苗の植え付けをより精度良く行えるようになっている。 【0044】尚、自動昇降制御手段23Bは、植付クラッチレバー22が「自動」位置に操作され、操作レバー28の下降揺動操作により、苗植付装置4の予め設定された目標対地高さへの下降が開始されるのに伴って作動するようになっている。又、ローリング制御手段23Cは、植付クラッチレバー22が「入」位置、「切」位置、「下降」位置、又は、「自動」位置のいずれかに操作された場合に作動するようになっている。自動昇降制御用の基準値は、ダイヤル式の第1設定器31の操作によって設定変更できるようになっている。又、ローリング制御用の所定値は、ダイヤル式の第2設定器32の操作によって設定変更できるようになっている。 【0045】図7及び図8に示すように、制御装置23には、植付深さ調節レバー16の操作位置を検出する回転式のポテンショメータからなる第2レバーセンサSeからの検出に基づいて、第1設定器31の操作によって設定された自動昇降制御用の基準値を補正する補正手段23Dが制御プログラムとして備えられており、この補正手段23Dの制御作動によって、自動昇降制御用の基準値を、植付深さ調節レバー16の操作による植え付け深さの調節に伴って変動するフロートセンサSdに対する連係アーム30の基準姿勢に応じた基準値に補正できるようになっている。 【0046】図6に示すように、各整地フロート12の先端部には、各支持フレーム7に軸支された各クランクアーム33の一端部に枢支されたボス34を挿通するロッド35の下端部が枢支されている。各クランクアーム33の他端部は、フロート支点軸13に立設された各操作アーム36に操作ロッド37を介して連係されている。ロッド35には、ボス34との接当により各整地フロート12の下降揺動限界量を設定するピン38が装着されている。そして、この構成から、植付深さ調節レバー16の操作による植え付け深さの調節によって各整地フロート12の高さ位置を変更すると、その変更方向と同じ方向に同じ変更量でボス34の高さ位置を変更できるようになっており、もって、植え付け深さの調節にかかわらず、各整地フロート12の下降揺動限界量を一定にすることができるようになっている。尚、ピン38は、ロッド35に対する取り付け位置を複数段階で変更できるようになっている。 【0047】〔別実施形態〕 ■ 乗用型田植機としては、苗植付装置4を折り畳み姿勢に姿勢切り換え不能に構成したものであってもよい。 ■ 図2及び図5において二点鎖線で示すように、後輪1Bの外側に補助車輪1Cを並設するものにおいては、その通過跡を整地する整地板39を苗植付装置4に設けるようにしてもよい。 ■ 苗植付装置4としては、5基の植付伝動ケース9を左右方向に一定間隔を隔てる状態に並設するとともに、それら各植付伝動ケース9の後部左右両側に植付機構10を軸支することによって、10条植え用に構成されたものであってもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年3月26日(1999.3.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−270628(P2000−270628A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−82894 |
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