| 【発明の名称】 |
乗用型田植機のバランスウエイト装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 信一郎
【氏名】谷 和典
【氏名】小池 康三
【氏名】中尾 康也
【氏名】森本 琢也
【氏名】永田 康弘
【氏名】三本 松夫
【氏名】楠 忠
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| 【要約】 |
【課題】バランスウエイトを大きさの割りには機体から前方や横側に突出しないとか、突出が少ない状態で、かつ、極力高い配置レベルにして取り付けられる乗用型田植機を提供する。
【解決手段】自走機体の前部乗降用ステップ31の横側にバランスウエイトWを配置してある。バランスウエイトWの上端43aの配置レベルを、前部乗降用ステップ31のステップ面31aよりも高レベルにしてある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体前部に原動部が備えられている自走機体の後部に苗植付装置を昇降操作自在に連結するとともに、前記自走機体の前部にバランスウエイを備えている乗用型田植機のバランスウエイト装置であって、前記自走機体の前記原動部の横側に位置する前部乗降用ステップの横側に前記バランスウエイトを配置するとともに、このバランスウエイトの上端の配置レベルを前記前部乗降用ステップのステップ面より高レベルにしてある乗用型田植機のバランスウエイト装置。 【請求項2】 前記バランスウエイトの上部に、前記前部乗降用ステップから機体横外側に離れるほど高レベルに位置する傾斜側面部を備えさせてある請求項1記載の乗用型田植機のバランスウエイト装置。 【請求項3】 前記前部乗降用ステップの後端部に自走機体を運転するための操作ペダルを配置するとともに、前記バランスウエイトの後端部を前記操作ペダルの横側に配置してある請求項1又は2記載の乗用型田植機のバランスウエイト装置。 【請求項4】 前記バランスウエイトを、下部バランスウエイトと、この下部バランスウエイトの上側に位置する上部バランスウエイトとに分離自在に構成するとともに、前記下部バンランスウエイトの上面を、前記前部乗降用ステップのステップ面に対して機体横方向に面一又はほぼ面一に並ぶ形状に形成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の乗用型田植機のバランスウエイト装置。 【請求項5】 前記前部乗降用ステップのステップ面が、前部乗降用ステップの前端側に位置する水平面部分と、前部乗降用ステップの後端側に位置する後下がり傾斜の傾斜面部分とで成る屈曲ステップ面であり、前記下部バランスウエイトの上面を、前記前部乗降用ステップの前記屈曲ステップ面に対して機体横方向に面一に並ぶ屈曲上面に形成し、前記上部バランスウエイトの底面を、前記下部バランスウエイトの前記屈曲上面に載置するとともにこの屈曲上面に沿う屈曲底面に形成してある請求項4記載の乗用型田植機のバランスウエイト装置。 【請求項6】 前記上部バランスウエイトに機体上下方向に貫設されて上部バランスウエイトを前記下部バランスウエイトに締め付け連結する連結ボルトを備えてあるとともに、この連結ボルトを装着するためのネジ孔を下部バランスウエイトに備えさせてある請求項4又は5記載の乗用型田植機のバランスウエイト装置。 【請求項7】 機体前部に原動部が備えられている自走機体の後部に苗植付装置を昇降操作自在に連結するとともに、前記自走機体の前部にバランスウエイを備えている乗用型田植機のバランスウエイト装置であって、前記自走機体の前部に、前記バランスウエイトを取り付けるための1本のウエイト支持杆を設け、前記ウエイト支持杆からウエイト支持アームをウエイト支持杆の軸芯に直行する方向に延出させるとともに、前記ウエイト支持杆を挿入させる取付け孔と、前記ウエイト支持杆のうちの前記ウエイト支持アームが連結している部分からウエイト支持杆の軸芯方向に位置ずれしている支持杆部分に引っ掛ける係止部とを前記バランスウエイトに備えさせてある乗用型田植機のバランスウエイト装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、機体前部に原動部が備えられている自走機体の後部に苗植付装置を昇降操作自在に連結するとともに、前記自走機体の前部にバランスウエイを備えている乗用型田植機のバランスウエイト装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記乗用型田植機において、従来、たとえば特開平10‐178840号公報に示されるように、原動部の横側に位置する前部乗降用ステップの横側にバランスウエイトを配置し、バランスウエイトが前部乗降用ステップを使用する際の障害になりにくいようにしながら、かつ、バランスウエイトが自走機体から前方に突出しないようにしたり、その突出を抑制したりしながら、自走機体の前後重量を調節するようにしていた。 【0003】自走機体の前部に1本のウエイト支持杆を設けてバランスウエイトを取り付けるように構成したものにおいて、従来、図9及び図10に示されるように構成していた。すなわち、ウエイト支持杆52に当て付けてバランスウエイト51の上部にボルト連結するように構成したウエイト取付け具57により、バランスウエイト51をウエイト支持杆52に吊り下げ支持させるようにし、そして、前記ウエイト取付け具57の一端側に固定具部分57aを備えさせ、この固定具部分57aを、ウエイト支持杆52のうちのウエイト支持部分の端部に連なる機体上下向き部分52aに締付け具58と連結ボルト59とによって締め付け連結することにより、バランスウエイト51がウエイト支持杆52の回りで回動したり、ウエイト支持杆51に沿ってずれ動くことを防止するようにしていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来、原動部の横側に前部乗降用ステップを備えるものにおいて、バランスウエイトが前部乗降用ステップのステップ面から上方に突出しないように構成していた。このため、バランスウエイトの重量アップを図ると、バランスウエイトが大型化してその上下高さが高くなる場合、バランスウエイトの底の配置レベルが低くなり、近くに前車輪が位置する場合には、バランスウエイトと車輪とが干渉するとか、バランスウエイトと車輪の間隔が著しく狭くなる事態が発生しやすくなっていた。また、バランスウエイトの大型化のためにその前後長さが長くなると、バランスウエイトが自走機体から前方に突出するとか、その突出長さが長くなる事態が発生しやすくなっていた。また、バランスウエイトの大型化のためにその機体横方向長さが長くなると、バランスウエイトが自走機体から横外側に突出する長さが大になり、機体を操縦しにくくなるなどの事態が発生しやすくなっていた。 【0005】1本のウエイト支持杆を備えるものにおいては、従来、バランスウエイトの着脱に手間が掛かっていた。バランスウエイトを有効に効くように重量化した場合には、殊に着脱しにくくなっていた。 【0006】本発明の目的は、原動部の横側に前部乗降用ステップを備えるものにおいては、そのステップを使用する際にバランスウエイトが障害になりにくいようにしながら、かつ、バランスウエイトの機体前方側や横側への突出をなくしたり抑制したりしながら、さらには、バランスウエイトの底レベルの低下をなくしたり抑制したりしながらウエイト重量をアップすることができ、1本のウエイト支持杆を備えるものにおいては、バランスウエイトを重量アップしても操作簡単に着脱でき、自走機体の前後重量を有利に調整できる乗用型田植機のバランスウエイト装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0008】〔構成〕機体前部に原動部が備えられている自走機体の後部に苗植付装置を昇降操作自在に連結するとともに、前記自走機体の前部にバランスウエイを備えている乗用型田植機のバランスウエイト装置において、前記自走機体の前記原動部の横側に位置する前部乗降用ステップの横側に前記バランスウエイトを配置するとともに、このバランスウエイトの上端の配置レベルを前記前部乗降用ステップのステップ面より高レベルにしてある。 【0009】〔作用〕バランスウエイトが前部乗降用ステップの横側に位置するとともに、バランスウエイトの上端の配置レベルが前部乗降用ステップのステップ面より高レベルに位置するものだから、バランスウエイトの重量アップを図るに当たり、バランスウエイトが大型化することになっても、体積の増加分を前部乗降用ステップのステップ面より高レベルに位置させ、前部乗降用ステップの上方を開放しながら重量アップできる。また、バランスウエイトが前部乗降用ステップのステップ面から上側に突出しないようにしていた従来よりも、バランスウエイトの前後長さを短くしながら、かつ、バランスウエイトの底の配置レベルを高くしながら、さらには、バランスウエイトが自走機体から横外側に突出する長さを少なく抑制しながら、重量アップできる。 【0010】〔効果〕苗植付装置が重量化するなどしても、バランスウエイトを重量アップしたものにして自走機体の前部に効果的に作用させ、自走機体の前後重量を操縦がしやすいなど適切なものに調整できる。その割りには、前部乗降用ステップの上方を開放して、ステップを使用しやすくできる。その上、バランスウエイトの前後長さを短く抑制するとともに、バランスウエイトの底の配置レベルを高くし、さらには、バランスウエイトが自走機体から横外側に突出する長さを少なく抑制し、バランスウエイトの機体外側への突出がないとか少なくて操縦しやすい状態を得られ、前車輪が近くに位置する場合でも車輪とバランスウエイトの隙間を適切なものにできる。 【0011】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0012】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記バランスウエイトの上部に、前記前部乗降用ステップから機体横外側に離れるほど高レベルに位置する傾斜側面部を備えさせてある。 【0013】〔作用〕バランスウエイトの上部の機体内方側に前記傾斜側面部のために空間スペースが形成され、この空間スペースのために、バランスウエイトの方に一部が入り込んだ広い横幅の空間スペースをステップ面の上方に形成できる。すなわち、ステップ面の横幅よりも広い横幅を有する空間スペースをステップ面の上方に形成しながら、バランスウエイトを前部乗降用ステップの横側に配置するとともにバランスウエイトの上端レベルを前部乗降用ステップのステップ面より高レベルにするものである。 【0014】〔効果〕バランスウエイトを前部乗降用ステップのステップ面より上方に突出する状態で前部乗降用ステップの横側に配置するものでありながら、ステップ面の上方にステップ面よりも広い横幅の空間スペースを確保し、足がステップ面からウエイト側に若干出ても支障なく歩行できるなど、前部乗降用ステップを一層使用しやすい状態にできる。 【0015】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0016】〔構成〕請求項1又は2による発明の構成において、前記前部乗降用ステップの後端部に自走機体を運転するための操作ペダルを配置するとともに、前記バランスウエイトの後端部を前記操作ペダルの横側に配置してある。 【0017】〔作用〕操作ベダルを操作しない場合、足を操作ペダルの横側近くに位置させておくと、ペダル操作が必要になったときに迅速に対処できる。このとき、足をバランスウエイトの後端部に載せることにより、足全体を楽に延ばした状態にしながらペダル操作に迅速に対処できる体勢を採れるものである。 【0018】〔効果〕ペダル操作に迅速に対処できる体勢を楽に採り、ペダル操作がタイミング遅れのないように適切にできるとともに楽に運転できる。しかも、バランスウエイトをフットレストに利用して構造面などで有利に得られる。 【0019】請求項4による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0020】〔構成〕請求項1〜3のいずれか1項による発明の構成において、前記バランスウエイトを、下部バランスウエイトと、この下部バランスウエイトの上側に位置する上部バランスウエイトとに分離自在に構成するとともに、前記下部バンランスウエイトの上面を、前記前部乗降用ステップのステップ面に対して機体横方向に面一又はほぼ面一に並ぶ形状に形成してある。 【0021】〔作用〕苗植付装置として植え付け条数が多い大型を採用するとか、施肥装置付きを採用するなどの場合には、上部バランスウエイトを取り付け、苗植付装置として植え付け条数が少ない小型を採用するとか、施肥装置無しを採用するなどの場合には、上部バランスウエイトを取り外すことにより、自走機体の前部重量を苗植付装置の重量に応じたものに調節し、自走機体の前後重量を苗植付装置の重量変化にかかわらず適切又はそれに近い状態にバランスするように調整できる。 【0022】上部バランスウエイトを取り外した際、下部バランスウエイトの上面が前部乗降用ステップのステップ面と面一又はほぼ面一に並び、前部乗降用ステップを使用する際、下部バランスウエイトが障害になりにくいとか、下部バランスウエイトの上面がステップ面の延長として使用しやすくなる。 【0023】〔効果〕苗植付装置の重量が異なる場合でも、上部バランスウエイトを着脱することによって自走機体の前後重量を適切又はそれに近い状態にバランスさせ、推進力を適切に発揮させたり、走行方向の変更を確実に行わせながら走行させられる。上部バランスウエイトを取り外した場合、下部バランスウエイトを前部乗降用ステップのステップ面を延長する補助ステップに利用して楽に乗降できる。 【0024】請求項5による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0025】〔構成〕請求項4による発明の構成において、前記前部乗降用ステップのステップ面が、前部乗降用ステップの前端側に位置する水平面部分と、前部乗降用ステップの後端側に位置する後下がり傾斜の傾斜面部分とで成る屈曲ステップ面であり、前記下部バランスウエイトの上面を、前記前部乗降用ステップの前記屈曲ステップ面に対して機体横方向に面一に並ぶ屈曲上面に形成し、前記上部バランスウエイトの底面を、前記下部バランスウエイトの前記屈曲上面に載置するとともにこの屈曲上面に沿う屈曲底面に形成してある。 【0026】〔作用〕上部バランスウエイトを取り付ける場合、上部バランスウエイトの屈曲底面が下部バランスウエイトの屈曲上面に沿い、これによって上部バランスウエイトが下部バランスウエイトに対して前後方向にずれ動きにくいように安定よく載る状態にして取り付けられる。 【0027】〔効果〕上部バランスウエイトを取付ける際、下部バランスウエイトにずれ動きにくいように安定よく載置し、連結ボルトの装着や締め付け操作が行いやすいなど、楽に取付け作業できる。 【0028】請求項6による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0029】〔構成〕請求項4又は5による発明の構成において、前記上部バランスウエイトに機体上下方向に貫設されて上部バランスウエイトを前記下部バランスウエイトに締め付け連結する連結ボルトを備えてあるとともに、この連結ボルトを装着するためのネジ孔を下部バランスウエイトに備えさせてある。 【0030】〔作用〕上部バランスウエイトを下部バランスウエイトに連結ボルトによって連結するためのネジ孔として、下部バランスウエイトを着脱する際に使用する治具を有利に得ることができるネジ孔を採用して、上部バランスウエイトを下部バランスウエイトに連結するものである。 【0031】すなわち、前記治具を下部バランスウエイトの前記ネジ孔に装着することによって下部バランスウエイトに連結するように構成する。すると、治具としては、下部バランスウエイトに操作簡単に着脱できるとともに強固に連結できるものであり、しかも、その割りには構造簡単なものが得られる。 【0032】〔効果〕したがって、下部バランスウエイトを着脱するに当たり、そのための治具として前記ネジ孔を連結孔に利用するものを採用し、治具を操作簡単に着脱して能率よく着脱作業できるとともに構造簡単な治具を利用して安価に行える。 【0033】請求項7による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0034】〔構成〕機体前部に原動部が備えられている自走機体の後部に苗植付装置を昇降操作自在に連結するとともに、前記自走機体の前部にバランスウエイを備えている乗用型田植機のバランスウエイト装置において、前記自走機体の前部に、前記バランスウエイトを取り付けるための1本のウエイト支持杆を設け、前記ウエイト支持杆からウエイト支持アームをウエイト支持杆の軸芯に直行する方向に延出させるとともに、前記ウエイト支持杆を挿入させる取付け孔と、前記ウエイト支持杆のうちの前記ウエイト支持アームが連結している部分からウエイト支持杆の軸芯方向に位置ずれしている支持杆部分に引っ掛ける係止部とを前記バランスウエイトに備えさせてある。 【0035】〔作用〕バランスウエイトの取付け孔にウエイト支持アームを挿入するようにして、かつ、係止部が支持杆部分に引っ掛かるようにしてバランスウエイトをウエイト支持杆に装着する。すると、ウエイト支持アームがウエイトに支持作用するとともにウエイト支持杆が係止部に支持作用し、バランスウエイトが吊り下げ支持されるとともに、バランスウエイトがウエイト支持杆やウエイト支持アームの回りで回動することも、ウエイト支持杆に沿ってずれ動くことも防止される。これにより、取付け孔にウエイト支持アームを抜き差しするように、かつ、係止部を支持杆部分に係脱させるように操作すれば、バランスウエイトを着脱できる。 【0036】〔効果〕1本のウエイト支持杆を用いるだけの構造簡単なものでありながら、取付け孔にウエイト支持アームを抜き差しするとともに係止部を支持杆部分に係脱させるだけで操作簡単にバランスウエイトを着脱でき、苗植付装置が重量化するなどによってバランスウエイトの重量アップを行う場合でも、そのウエイトを自走機体の前部に操作簡単に取り付けて効果的に作用させ、自走機体の前後重量を操縦がしやすいなど適切なものに容易に調整できる。 【0037】 【発明の実施の形態】図1及び図2に示すように、左右一対の駆動及び操向操作自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とによって自走し、機体前端部に位置するエンジンE及びエンジンボンネット3を有する原動部4、この原動部4の後方に位置する運転座席5aを有する運転部5を備えるとともに、エンジンボンネット3の両横側に上下複数段の予備苗載せ台6aを備える予備苗収容装置6を設けてある自走機体の後部に、油圧式のリフトシリンダ7によって上下に揺動操作自在なリンク機構8を介して昇降操作するように苗植付装置10を連結するとともに、自走機体の後部から回転伝動軸9によって苗植付装置10に動力伝達するように構成してある。苗植付装置10が備える苗載せ台11の後側に位置する肥料タンク21、苗植付装置10の植え付け機体の下部に機体横方向に並べて取り付けてある複数個の接地フロート12それぞれに支持させてある作溝器22などを有する施肥装置20を備えさせ、もって、施肥装置付き乗用型田植機を構成してある。 【0038】すなわち、苗植付装置10を自走機体に対して下降操作し、接地フロート12が圃場の泥面上に接触する作業レベルにして自走機体を走行させる。すると、苗植付装置10の植え付け機体の後部にこの機体横方向に並べて取り付けてある複数個の苗植付機構13それぞれが、苗載せ台11に載置されたマット状苗の下端部から一株分のブロック苗を切断するとともに取り出し、接地フロート12が整地した後の泥土面に苗植え付けしていく。 【0039】前記施肥装置20は、前記肥料タンク21及び前記複数個の作溝器22の他に、肥料タンク21の下部に自走機体の横方向に並んで連結する複数の肥料繰出し装置、各肥料繰出し装置の繰り出し部を前記複数個の作溝器22に各別に接続している複数本の肥料供給ホース23を備えており、苗植付装置10が苗植え作業を行っていくに伴い、各肥料繰出し装置が肥料タンク21から粒状肥料を設定量ずつ繰り出して肥料供給ホース23に送り込み、各作溝器22が苗植付機構13によって苗植え付けされる横側近くに溝を作成し、その溝の内部に肥料供給ホース23からの肥料を供給していく。 【0040】図1及び図2に示すように、自走機体の原動部4の両横側のエンジンボンネット3と予備苗収容装置6との間に、フロントバンパー30と、運転部5の運転用ステップ5bの前端とにわたって設けた前部乗降用ステップ31を備えている乗降用通路を設けてある。この乗降用通路は、畦からエンジンボンネット3と予備苗収容装置6との間を通って運転部5に乗り込んだり、運転部5からエンジンボンネット3と予備苗収容装置6との間を通って畦に降りるのに使用するものである。 【0041】前記左右の前部乗降用ステップ31,31それぞれのステップ面31aは、図3に示す如き屈曲ステップ面に形成してある。すなわち、前部乗降用ステップ31の前端側に位置する水平面部分31bと、前部乗降用ステップ31の後端側に機体後方側にいくほど配置レベルが低くなる後下がり傾斜の状態で位置する傾斜面部分31cとで成る屈曲ステップ面に形成してある。 【0042】左側の前部乗降用ステップ31の前記後下がり傾斜のステップ面部分31cを有する後端部分に、前後輪1,2に対する伝動を入り切りするべく主クラッチを操作するクラッチペダル32を配置してある。右側の前部乗降用ステップ31の前記後下がり傾斜のステップ面部分31cを有する後端部分に、左後輪2に伝動を切りながら摩擦制動力を掛ける左クラッチブレーキを操作する左ブレーキペダル33と、右後輪2に伝動を切りながら摩擦制動力を掛ける右クラッチブレーキを操作する右ブレーキペダル34とを配置してある。 【0043】前記左右の前部乗降用ステップ31,31それぞれの横外側に位置する第1バランスウエイトWを有する第1バランスウエイト装置部40と、前記左右の前部乗降用ステップ31,31それぞれの前端部の下方に位置する第2バランスウエイト51を有する第2バランスウエイト装置部50とで成るバランスウエイト装置を、自走機体の前部に設けてある。このバランスウエイト装置は、自走機体の後部に苗植付装置10の重量が掛かることから、自走機体の前後重量がバランスするように自走機体の前部に前記バランスウエイトWと51とによって重量を掛けるものであり、詳しくは次の如く構成してある。 【0044】図2〜図4に示すように、左側の第1バランスウエイト装置部40と右側の第1バランスウエイト装置部40のそれぞれは、前記予備苗収容装置6の前後一対の苗載せ台支柱6b,6bを支持する部材に兼用の板金製のウエイト収容ケース41を、前部乗降用ステップ31の前記屈曲ステップ面31aの水平面部分31bと傾斜面部分31cとのいずれの部分よりも上側には突出しないように配置して、前記前部乗降用ステップ31を形成するとともに自走機体の前部部分を形成している板金部材の横外側に複数本の連結ボルトによって取りつけ、このウエイト収容ケース41に、前記第1バランスウエイトWの下端側を入れ込むとともに機体前後及び横方向にずれ動かないように連結ボルトによって固定することによって構成してある。 【0045】第1バランスウエイトWは、このウエイトWの上端側が第1バランスウエイトWの機体前後方向での全長にわたってウエイト収容ケース41よりも上側に突出するとともに前部乗降用ステップ31の前記屈曲ステップ面31aの水平面部分31bと傾斜面部分31cとのいずれの部分よりも上側に突出するようにしてウエイト収容ケース41に保持させてある。左側の第1バランスウエイト装置部40における第1バランスウエイトWは、このウエイトWの後端部が前記クラッチペダル32の横側に位置するようにしてウエイト収容ケース41に保持させてある。右側の第1バランスウエイト装置部40における第1バランスウエイトWは、このウエイトWの後端部が前記右ブレーキペダル34の横側に位置するようにしてウエイト収容ケース41に保持させてある。左側の第1バランスウエイトWの後端部に、クラッチペダル32が踏み込み操作された際にこのペダル32の横端部が入り込む凹入部43bを設け、右側の第1バランスウエイトWの後端部に、右ブレーキペダル34が踏み込み操作された際にこのペダル34の横端部が入り込む凹入部43bを設けてある。 【0046】左右側いずれの第1バランスウエイト装置部40における第1バランスウエイトWにおいても、図2、図7などに示すように、ウエイトWの上部に、前部乗降用ステップ31から機体横外側に離れるほど高レベルに位置する傾斜側面部43cをウエイトWの全長にわたって備えさせてある。これにより、第1バランスウエイトWの上部の機体内方側に前記傾斜側面部43cのために第1バランスウエイトWの一部を切除した如き空間スペースSが形成され、この空間スペースSのために、第1バランスウエイトWの方に一部が入り込んだ広い横幅の空間スペースが前部乗降用ステップ31のステップ面31aの上方に形成される。 【0047】つまり、左右側いずれの第1バランスウエイト装置部40においても、第1バランスウエイトWの大きさの割りには、ウエイトWの自走機体から前方や横側への突出を無くしたり抑制できるように、かつ、ウエイトWの底の配置レベルが極力高くなるように、第1バランスウエイトWを前部乗降用ステップ31の横側に配置して、かつ、第1バランスウエイトWの上端43aの配置レベルを前部乗降用ステップ31の屈曲ステップ面31aよりも高レベルにしてウエイト収容ケース41を介して自走機体に取り付けるようにしてある。その割りには、前部乗降用ステップ31のステップ面31aの上方のスペースが第1バランスウエイトWの方に入り込んだ横幅の広いスペースになって前部乗降用ステップ31が使用しやすくなる。そして、クラッチペダル32から足を外した際には、左側の第1バランスウエイトWのクラッチベダル32の横側に位置する後端部を、ブレーキペダル33,34から足を外した際には、右側の第1バランスウエイトWの右ブレーキベダル34の横側に位置する後端部をそれぞれフットレストに利用して足を載せることを可能にしてある。 【0048】図3に明示するように、左右側いずれの第1バランスウエイトWも、ウエイト収容ケース41にほぼ全体にわたって入り込むように形成した下部バランスウエイト42と、前記凹入部43b及び傾斜側面部43cを備える上部バランスウエイト43とに分離させられるようにしてある。すなわち、左右側それぞれの第1バランスウエイトWは、前記下部バランスウエイト42と、この下部バランスウエイト42とは別体のバランスウエイトに作成して下部バランスウエイト42の上に重ねて載置した前記上部バランスウエイト43とを、第1バランスウエイトWの前後方向に並ぶ2本の連結ボルト44,44で締め付け連結することによって作成してある。 【0049】前記2本の連結ボルト44,44のそれぞれは、上部バランスウエイト43を機体上下方向に貫通している図5に示す如きボルト孔43dを挿通させ、下部バランスウエイト42に備えてある図3及び図4に示す如きネジ孔42aに取り付けることによって、両バランスウエイト42,43を締め付け連結するように構成してある。 【0050】前記下部バランスウエイト42の上面42bを、図3に示す如き屈曲上面に形成してある。すなわち、下部バランスウエイト42の前端側に位置する水平面部分42cと、下部バランスウエイト42の後端側に下部バランスウエイト42の後端側にいくほど低レベルに位置する後下がり傾斜の状態で位置する傾斜面部分42dとで成り、かつ、下部バランスウエイト42をウエイト収容ケース41に保持させた状態において前部乗降用ステップ31の前記屈曲ステップ面31aに対して機体横方向に面一又はほぼ面一に並ぶ屈曲上面に形成してある。 【0051】前記上部バランスウエイト43の底面43eを、図3及び図5(ロ)に示す如き屈曲底面に形成してある。すなわち、下部バランスウエイト42の前記屈曲上面42bのうちの前記水平面部分42cに沿うとともにこの水平面部分42cに当接する突起を備える水平面部分と、下部バランスウエイト42の前記屈曲上面42bのうちの前記傾斜面部分42dに沿うとともにこの傾斜面部分42dに当接する突起を備える傾斜面部分とで成る屈曲底面に形成してある。 【0052】つまり、左右側いずれの第1バランスウエイト装置部40においても、図2に上部バランスウエイト43を取り付けた場合を示し、図6に上部バランスウエイト43を取り外した場合を示す如く上部バランスウエイト42を着脱することによってウエイト重量の調節を行うのであり、ウエイト重量を重くする場合、上部バランスウエイト43を下部バランスウエイト42の上に重ねて載置して2本の連結ボルト44,44で連結する。このとき、上部バランスウエイト43の屈曲底面43bが下部バランスウエイト42の屈曲上面42bに沿って上部バランスウエイト43が下部バランスウエイト42の上にずれ動きにくいように安定よく載置し、連結ボルト44を操作容易に取り付けられる。上部バランスウエイト43を取り外した場合、下部バランスウエイト42の上面42bが前部乗降用ステップ31のステップ面31aに対して機体横方向に面一又はほぼ面一に並び、下部バランスウエイト42が障害にならないようにしたり、下部バランスウエイト42の上面42bをステップの一部に利用したりして、前部乗降用通路を通りやすくなる。 【0053】左側の第2バランスウエイト装置部50と右側の第2バランスウエイト装置部50のそれぞれは、図2及び図3などに示すように構成してある。すなわち、中間部が機体横向きの水平又はほぼ水平の姿勢になり、両端部が機体上下向きになるように屈曲成形して両端部を自走機体の前端部分に連結した丸パイプ材の前記水平姿勢部分により、1本の横断面円形のウエイト支持杆52を作成してある。このウエイト支持杆52に基部を溶接によって連結した丸棒材により、ウエイト支持杆52から機体前方向きに、かつ、ウエイト支持杆52の軸芯に直行する方向に延出する横断面円形のウエイト支持アーム53を作成し、このウエイト支持アーム53と前記ウエイト支持杆52とによって前記第2バランスウエイト51を支持させるようにしてある。 【0054】つまり、図8(イ),(ロ)に示すように、第2バランスウエイト51は、平面視で円弧形状の前端縁を備える前端側ウエイト部51aと、この前端側ウエイト部51aの後端側に連結している平面視矩形の後端側ウエイト部51bとによって構成してある。前端側ウエイト部51aの横幅方向での中央部に、第2バランスウエイト51の前後方向に貫通する取付け孔54を備えさせ、後端側ウエイト部51bの前端側の上部に、前記取付け孔54の後方側の両横側に分散して位置するように、かつ、前記取付け孔54よりも高レベルに位置するように配置した左右一対のフック形状の係止部55,55を備えさせてある。 【0055】第2バランスウエイト51をこのウエイト51の前後向きが自走機体の前後向きになるように支持しながら、ウエイト支持杆52に対してこれの機体前方側から近づけていくことにより、前記ウエイト支持アーム52を前記取付け孔54に第2バランスウエイト51の後方側から挿入する。ウエイト支持アーム52の所定長さが取付け孔54に入り込むと、前記両係止部55,55をウエイト支持杆52に引っ掛ける。すると、ウエイト支持アーム52が第2バランスウエイト51を吊り下げ支持するように支持作用し、第2バランスウエイト51がウエイト支持杆52の回りで回動することと、第2バランスウエイト51がウエイト支持杆52に沿ってずれ動くこととを防止するように支持作用する。そして、左右の係止部55,55がウエイト支持杆52のうちのウエイト支持アーム53が連結している部分からウエイト支持杆55の軸芯方向に位置ずれしている支持杆部分に引っ掛かり、ウエイト支持杆55が第2バランスウエイト51を吊り下げ支持するように支持作用し、かつ、第2バランスウエイト51がウエイト支持アーム53の回りで回動することと、第2バランスウエイト51がウエイト支持アーム53に沿ってずれ動くこととを防止するように支持作用する。これにより、第2バランスウエイト51の取り付けができる。このとき、ウエイト支持アーム53の第2バランスウエイト51の取付け孔54から前方側に突出した端部に位置するねじ部に抜け止めナット56を取り付け、第2バランスウエイト51の外れ止めを確実にする。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年3月25日(1999.3.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−270619(P2000−270619A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−82193 |
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