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【発明の名称】 苗移植機における苗供給装置
【発明者】 【氏名】竹山 智洋

【氏名】伊藤 尚勝

【要約】 【課題】苗取り出し部123に向かって斜め下向きに移送される苗トレイ22における移送方向の上下流位置の複数の苗ポット部22aから立設する苗葉22bが密集して互いに絡み合い、苗取出爪による苗取り出し不良や受け継ぎ不良が発生するのを防止する。

【解決手段】苗供給装置における枠フレーム100から立設する脚体128の上端に、苗トレイ22の移送方向と直交する方向に横向きに延びる多数本の苗葉規制棒130を、移送の下流側から上流側に適宜間隔で固定し、移送方向の上下流位置の複数の苗ポット部22aから立設する苗葉22bを前記各苗葉規制棒130に当てて、苗トレイ22の移送につれて、密集する苗葉22bをさばいて互いの絡みつきをなくする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右走行車輪にて自走する機体に、エンジンからの動力にて、苗トレイにマトリックス状に配置されたポット苗を供給するための苗供給装置と、上下揺動アームの先端に移植すべき苗を保持して圃場に移植するための移植用カップ等からなる移植機構と、前記苗供給装置からポット苗を移植用カップに移送するための一対の苗取出爪等からなる受け継ぎ機構と、を備えてなる苗移植機において、前記苗供給装置を、前記苗トレイを前記受け継ぎ機構に向かって下向き傾斜状にて移動させるように構成し、該苗供給装置には、前記ポット苗から立ち上がる苗葉の上端部近傍を前記受け継ぎ機構から遠ざけるように規制する苗葉規制棒を苗トレイの移送方向に適宜間隔にて多数配置したことを特徴とする苗移植機における苗供給装置。
【請求項2】 前記苗葉規制棒は、苗トレイの上面に対する高さ調節可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の苗移植機における苗供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苗トレイから1株分の玉葱等の野菜苗を取り出して、圃場に植付ける苗移植機に係り、より詳しくは、苗トレイから苗ポット部を掴み出す時の苗葉が絡みつくのを防止するための苗葉規制棒を備えた苗供給装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来公知の苗移植機は、例えば、特開平7−8029号公報や、特開平9−28130号公報に開示されているように、左右走行車輪にて畝を跨いで自走する走行機体に、エンジンと、ミッションケースと、苗植付け装置と、苗トレイにマトリックス状に配置されたポット苗を供給するための苗供給装置とを備え、前記苗植付け装置を、上下揺動アームの先端に移植すべき苗を保持して圃場に移植するための移植用カップ等からなる移植機構と、前記苗供給装置から下向き傾斜状に移送される苗トレイにおけるポット苗を移植用カップに移送するための苗取出爪等からなる受け継ぎ機構とにより構成したものがあった。
【0003】そして、苗トレイのポット部の苗床土部に上方向から前記左右一対の苗取出爪を突き刺した後、当該一対の苗取出爪の先端側の左右間隔を縮まらせて苗床土を掴み、引き上げる。次いで、移植機構の上方にてポット苗を放すというサイクルを繰り返すのであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この場合、苗供給装置では、前記受け継ぎ機構の下方に向かって下向き傾斜状に苗トレイを移送するので、その苗トレイに配置されたポット苗における苗葉が前記受け継ぎ機構の下方側に傾いて密集し易くなり、上方から下りてくる前記苗取出爪に苗葉が絡みつき、苗の取り出し、受け継ぎが円滑且つ正確にできず、また苗葉を傷つけてしまうという問題があった。
【0005】そのため、従来の苗移植機では、前記受け継ぎ機構の下方位置であって、苗葉の自由端(先端)が通過する高さ位置には、苗葉を前記傾斜と反対側に寄せる苗葉押さえ棒を配置したものがあったが、この苗葉押さえ棒の箇所に苗トレイの移送方向の上流側と下流側との多数のポット苗における苗葉同士が絡みつき、かえって苗取り出し及び受け継ぎの不良が多くなるという問題があった。
【0006】特に、玉葱の苗等では、その苗葉が細長くて、傾斜の下方向に倒れ易いからその苗葉同士の絡みつきがひどくなるのであった。
【0007】本発明はこの問題を解決すべくなされたものであって、下向き傾斜状に移送される苗トレイにおけるポット苗から立ち上がる苗葉の上端側を、苗トレイにおける移送方向の上流側と下流側との多数の箇所で規制することにより、苗葉同士の絡みつきを無くし、苗取り出し及び受け継ぎを円滑にできるようにした苗移植機を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の苗移植機における苗供給装置は、左右走行車輪にて自走する機体に、エンジンからの動力にて、苗トレイにマトリックス状に配置されたポット苗を供給するための苗供給装置と、上下揺動アームの先端に移植すべき苗を保持して圃場に移植するための移植用カップ等からなる移植機構と、前記苗供給装置からポット苗を移植用カップに移送するための一対の苗取出爪等からなる受け継ぎ機構と、を備えてなる苗移植機において、前記苗供給装置を、前記苗トレイを前記受け継ぎ機構に向かって下向き傾斜状にて移動させるように構成し、該苗供給装置には、前記ポット苗から立ち上がる苗葉の上端部近傍を前記受け継ぎ機構から遠ざけるように規制する苗葉規制棒を苗トレイの移送方向に適宜間隔にて多数配置したものである。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の苗移植機における苗供給装置において、前記苗葉規制棒は、苗トレイの上面に対する高さ調節可能に構成されているものである。
【0010】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、各苗葉規制棒は、苗トレイの上面から適宜離れて、当該苗トレイの移送方向と直交する方向に平行状に延びるように配置され、且つ苗トレイの移送方向に適宜間隔にて配置されるものである。従って、前記移送方向に沿って移動するポット苗のうち移送上流側でのポット苗から立ち上がる苗葉の上端部近傍は、移送方向の上流側の苗葉規制棒で倒れを規制され、移送下流側に移動するごとに適宜間隔にて配置された苗葉規制棒にて、ポット苗から立ち上がる苗葉の上端部近傍が、移送方向の下流側へ倒れないように規制するというように、移送方向に沿ったポット苗からの苗葉を少ない数ごとに苗葉規制棒にて区切って倒れを規制することができ、多数の苗葉が集合して絡みつくという現象を無くすことができる結果、苗トレイからの苗取出や苗の受け継ぎ機構の箇所での移植機構への受け継ぎを円滑に実行できるという効果を奏する。
【0011】そして、請求項2に記載の発明によれば、苗トレイの上面に対して前記苗葉規制棒を高さ調節できるから、苗葉の高さに応じて、最適な位置に苗葉規制棒をセットすることができ、苗葉の絡みつきを防止する最適高さ位置にすることができるという効果を奏する。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体化した実施例について説明する。図1は苗移植機の概略側面図、図2は苗移植機の概略平面図、図3は全体背面図、図4は移植機構の要部平面図、図4は移植機構の要部側面図、図7は苗供給部における苗葉規制棒の平面図、図8は苗葉規制棒の要部側面図である。
【0013】エンジン2とミッションケース9とを備えた機体1は、メインフレーム3における前後一対の横長のスライドフレーム4,5に左右スライド自在に支持されている。メインフレーム3に設けた油圧シリンダ6と揺動アーム7とを介して機体1は、前記スライドフレーム4,5にそって横方向に位置変更可能に構成されている。メインフレーム3の左右両側から後向きに延びる一対のアクスルフレーム13,13には各々前輪12,12が装着されており、メインフレーム3における後部側で横方向に延びる駆動横軸ケース10の両端には伝動ケース11,11を介して後輪8,8が装着され、ミッションケース9からの動力が後輪8,8に伝達される。
【0014】前後輪12,8は、メインフレーム3におけるスイング軸15とスイング用油圧シリンダ14とを介して昇降揺動可能に構成され、もって、走行路面、ないしは畝面Mに対して機体1の高さを変更可能(対地高さ調節可能)に構成されている。
【0015】機体3の後部に延びるように設けたシャーシフレーム17の上端には後向きに延びるハンドル26を設け、シャーシフレーム17に対して苗載台21が左右に往復移動可能に配置されるように苗供給装置16が設けられている。
【0016】この苗載台21は後述する横送り機構を介して左右往復動させるように構成され、この苗載台21には、苗ポット部22aを平面視で進行方向の前後左右にマトリックス状に設けた苗トレイ22を、後述する苗受け継ぎ機構の下方に向かって斜め下向きに移送するように載置し(図6、図8及び図9参照)、苗載台21に設けた後述する縦送り機構にて、前記横送りの移動終端で、苗ポット部22aを機体1の前進方向に1ピッチずつ間欠的に縦送りするように構成するものである。
【0017】左右一対の苗植付機構としての苗植付装置18a,18bは、左右両側の後輪8,8の間でミッションケース9に植付け伝動ケース19を介して設けられている(図4参照)。
【0018】苗植付装置18a,18bは、図2に示すように、それぞれ上下揺動する揺動アーム31と該揺動アーム31の先端に移植すべきポット苗Nを保持して圃場に移植するための移植用カップ32等からなる移植機構30と、前記苗供給装置16における苗トレイ22の苗ポット部22aから移植用カップ32に移送するため苗取出爪23等からなる受け継ぎ機構29とにより構成し、前記苗供給装置16及び受け継ぎ機構29に対してはミッションケース9からチェンスプロケットに巻掛けられたチェンを介する伝達経路を経て動力伝達される。
【0019】図4及び図13に示すように、2つの苗取出爪23及び2つの移植用カップ32は、一つの苗載台21における苗トレイ22に対して左右に一定間隔を隔てて並設させ、位相を同期させて1つの苗トレイ22から2条分の苗取りと畝Mへの2条の苗移植とを実行するものである。
【0020】なお、移植用カップ32による苗移植の前にマルチカッタ24にて畝面Mを覆うマルチフィルムを移植箇所ごとにカットする。苗移植箇所の後方には、畝面Mを鎮圧する左右一対の大径及び小径の鎮圧輪20a,20bが配置されている。
【0021】次に、前記苗植付装置18a,18bのうち移植機構30の構造を図4、図13、図14を参照して説明する。ミッションケース9の側面に突出する出力軸としてのPTO軸9aの両端に移植機構30における植付け伝動ケース19内の基端側チェンスプロケットを取付けし、植付け伝動ケース19における自由端側の回転軸36に被嵌したチェンスプロケットにチェン38を巻掛けして動力伝達する。
【0022】植付け伝動ケース19における自由端側の左右両側のフランジ体34a,34bには前記回転軸36の両端にボール式自在継手35を介して各ロータリケース40の取付け軸37を水平に対して機体1の外方向に行くに従って上方向となる傾斜状になるように連結する。各ロータリケース40内では、取付け軸37と一体的に回転する太陽歯車39に噛み合う中間歯車41とこれに噛み合う遊星歯車42とはロータリケース40内にて回転自在に軸支されている。また、前記遊星歯車42が取付けられた支軸44にはクランクアーム45を固着し、該クランクアーム45の先端軸46を前記揺動アーム31の中途部に回転可能に装着する。該揺動アーム31の基端の案内コロ47は、上下長手のガイドレール48に上下摺動自在に嵌合している。この左右一対のガイドレール48,48は、図13に示すごとく、機体1の正面視或いは背面視において、上側が基端の左右中央に近く、下に行くに従って外側に広がるように傾斜状(実施例では、θは略6度)に機体に立設されている。従って、後述する左右一対の移植用カップ32,32は上昇位置で左右間隔巾Wが狭く、畝面Mに下降すると広くなるように設計されている。
【0023】各移植用カップ32は下向きに窄まる略円錐状のものを前後に半割りした一対のカップ体32a,32bとからなり、カップ体32a,32bそれぞれの上端側に固着した回動支軸49a,49bは、前記揺動アーム31の一側から突出する支持板50に回動可能に枢支されており、二つのリンク片の中途をピンにて枢着してなる側面視X字状のリンク機構51を介して両回動支軸49a,49bを相互に反対向きに回動するように構成し、且つリンク機構51には一対のカップ体32a,32bの下端側が常時閉まる方向にばね52にて付勢されている。また、前記リンク機構51に連結した押し杆53の基端は、揺動アーム31に対して進退動自在に支持され、且つ押し杆53の基端は、前記クランクアーム45の先端軸46に被嵌して一体的に回転するカム54に常時当接しているように設けられている。
【0024】この構成により、苗移植時に、回転軸36を介してロータリケース40を図14の矢印A方向に回転させるとき、前記太陽歯車39、中間歯車41、遊星歯車42の噛み合い回転により、クランクアーム45は矢印B方向に回転し、このクランクアーム45に連結する揺動アーム31は案内コロ47の箇所を中心に前後揺動しつつガイドレール48に沿って上下移動するから、移植用カップ32は図12の軌跡55(上側の一部のみ示す)に沿って上下動し、前記苗トレイ22の前方位置から畝7まで移動する。また、移植用カップ32は、その上方位置では一対のカップ体32a,32bの下端が閉じており、従って、その内部に移植すべきポット苗Nを上から挿入しても姿勢保持できる。他方、移植用カップ32が下降して、カップ体32a,32bの下端が畝7の土壌面に突き刺さるときには、カム54にて押し杆53を押し出し、リンク機構51を介して両回動支軸49a,49bを相互に反対向きに回動させ、カップ体32a,32bの下端が開くから、内部のポット苗Nは畝Mに移植できるのである。
【0025】次に、図4、図5、図10〜図13を参照しながら、苗取出爪23等からなる受け継ぎ機構29の構成について説明する。この受け継ぎ機構29は、後述する左右一対の苗取出爪23,23にて1ヵ所のポット部20aからポット苗Nを取り出して、上昇位置における各移植用カップ32のほぼ真上にてポット苗Nを落下させて、当該各移植用カップ32にて苗を受け止めることができるように配置されるものである(図13参照)。
【0026】即ち、ミッションケース9の入力軸56に連動連結する植付クラッチケース57内の出力軸58には、植付クラッチ58aを備え、そのクラッチのON時には、出力軸58の両端からチェン59,59を介して左右両側のロータリケース72におけるロータリ入力軸71のチェンスプロケット63,63を回転駆動させる(図10参照)。走行機体1の左右両側に固着した各ブラケット67に支持板68を固設し、この支持板68に固定された太陽歯車70の内周には、前記チェンスプロケット63から動力が伝達される入力軸71を回転自在に嵌合し、この入力軸71の他端をロータリケース72に固着して一体的に回転するように構成する(図12参照)。
【0027】ロータリケース72内には、太陽歯車70に噛み合う中間歯車73と、クランク軸74に固着して中間歯車73に噛み合う遊星歯車75とを内装してあり、クランク軸74に取付けられたクランクアーム76の先端から突出するカム軸77には、一端に左右一対の苗取出爪23,23が装着された苗取出しアーム78を回転自在に被嵌する。苗取出しアーム78の他端から突出したガイド軸79は、前記支持板68と平行状に固定されたガイド板80における略円弧状のガイド溝81に摺動自在に嵌合されており、前記入力軸71周りのロータリケース72の一回転にて、前記一対の苗取出爪23,23が苗トレイ22の苗ポット部22a内に苗取出爪23,23の先端のへら部23aが突き刺さってポット苗Nを挟持する姿勢を経て元に戻る軌跡82(図11参照)を巡るように構成されている。
【0028】なお、タマネギの苗用の各苗取出爪23は、図11に示す如く、棒状の軸の先端にへら部23aが取付けられたものであって、へら部23aは正面視で変形菱形状で、先端(下端)側が窄まり、且つ断面は鈍角のL字状となるように、薄い金属板等にて形成されている。
【0029】また、前記左右一対の苗取出爪23,23の基端取付け片83,83は、L状の枢軸84,84に固着され、該各枢軸84は苗取出しアーム78における眼鏡状の取付け部78aに回動可能に装着され、左右両取付け片83,83を連結するばね(図示せず)にて、左右一対の苗取出爪23,23の先端側が常時閉じる方向に付勢されている。
【0030】前記カム軸77にはカム板86を固着し、該カム板86の広幅表裏面には、円周方向に沿って回動角度の一区間において円弧状の端面カム部87,87を突設し、前記左右一対の苗取出爪23,23の基端取付け片83,83から相対向するように突出する球状等の当接片88,88が端面カム部87,87箇所に乗り上げて当接すると、両苗取出爪23,23の先端が前記ばねの力に抗して開くように構成されている。
【0031】次に、図2、図4〜図9及び図11を参照しながら苗供給装置3について説明する。
【0032】苗載台21は図4、図5及び図6に示すように、平面視で略矩形状の枠フレーム100と、該枠フレーム100の一側に配置した縦送り機構としての縦送り用伝動部を内蔵した縦送りケース101と、苗トレイ22を前記受け継ぎ機構29における苗取出爪23,23の下方側に向かって斜め下方向に縦送り(移送)するための搬送チェン102と、大小のチェンスプロケット103,104と、空の苗トレイ22がハンドル19の後端方向に導かれるにように配置したガイドフレーム105等からなる。
【0033】前記苗載台21の枠フレーム100等に装着した前部の案内コロ109を、前記シャーシフレーム17に固定された左右長手のコ字型ガイドレール106に嵌挿する一方、枠フレーム100後部の下向きコ字型のガイドレール107をシャーシフレーム17の左右両側に固定した摺接ガイド片108に載置させて苗載台21が左右に移動可能に装架されている。
【0034】苗トレイ22は可撓性を有する軟質合成樹脂材にて構成し、搬送チェン102に搭載されて搬送されるとき大径のチェンスプロケット103の円周に沿って湾曲可能となっている。そして、前記左右一対の搬送チェン102,102は縦送りケース101内の動力伝達系を介して駆動される縦送り駆動軸110に装着された大径チェンスプロケット103と枠フレーム100に回転自在に装着された従動軸111における小径チェンスプロケット104とに巻掛けられている。前記左右一対の搬送チェン102,102には、適宜ピッチP2にて横向きの係合ピン112が突設されており、この左右の係合ピン110が苗トレイ22における搬送前後方向に並ぶ苗ポット部22aの連設部下面側に係合して確実に図11の矢印C方向に搬送するものである。
【0035】前記横送り機構における伝動ケースから突出する横送り軸115には往復送りねじ部が形成されており、該往復送りねじ部に螺合する船型キー付き送りブロックと苗載台21におけるフレームから突出する係合ボルト等の係合片とを連結させ、苗載台21を苗トレイ22の横幅方向に左右往復移動させるように構成する。
【0036】他方、前記伝動ケース114から突出する縦送り軸118は、前記苗載台21の横送り終端位置で間欠的に回動し、該縦送り軸118に前記横送り距離だけ隔てて設けた一対の蹴り爪119,119は、縦送りケース101に設けた従動カム(図示せず)を蹴り回動させ、縦送りケース101内の伝動部を介して前記縦送り駆動軸110を間欠回動させ、苗ポット部22aが一定ピッチP1だけ間欠縦送りされるように構成するものである。
【0037】そして、前記枠フレーム100の上端部もしくは平面視コ字型のガイドフレーム105の前後中途部に設けたブラケット121にボルト122を介して後向きに延びるように、平面視略コ字状の補助苗載台用フレーム120を着脱可能に装着し、前後に長い苗トレイ22の後端が垂れ下がらないように摺動可能に支持できるよう構成されている。
【0038】また、図7及び図8に示すように、金属棒材を屈曲させた左右一対の足部材125,125の上端間に第1苗葉規制棒124aと第2苗葉規制棒124bを溶接固定し、前記枠フレーム100の左右両側から立設する縦ブラケット126に螺着させたボルト127を前記各足部材125の縦溝125aに貫通させてナット止めすることで、前記両苗葉規制棒124a,124bの高さ位置を調節可能となし、且つ、前記第1苗葉規制棒124aが前記苗取出爪23,23によるポット苗の取り出し部123の近傍の上方に位置して、苗ポット部22aから立設する苗葉22bの上端部近傍に当接し、当該苗葉22bの上端部側が前記取り出し部123で上下動する苗取出爪23,23に絡まないようにし、第2苗葉規制棒124bは前記第1苗葉規制棒124aより苗トレイの移送上流側に適宜距離(間隔)離して位置させ、移送下流側の苗ポット部22aにおける苗葉22bとそれより上流側の苗ポット部22aにおける苗葉22bとを分離するようにしている。この場合、第1苗葉規制棒124aと第2苗葉規制棒124bとの間隔は、苗ポット部22aのピッチP1の2〜3倍程度とする。
【0039】さらに、前記第2苗葉規制棒124bの位置よりも苗トレイの移送上流側には、側面視下向きコ字型に金属棒を湾曲させた左右一対の脚体128,128を前記枠フレーム100の左右両側の取付けブラケット129の縦溝割り嵌挿部に上下動可能に差し込み、前記縦溝割り嵌挿部に螺合するナット等にて前記各脚体128の固定位置を変更させて高さ位置調節可能に固定できるようにすると共に、前記左右一対の脚体128,128の上端間には多数本の第3苗葉規制棒130〜第6苗葉規制棒130等を苗ポット部22aのピッチP1の2〜3倍程度の間隔にて差し渡して固定する(図7及び図8参照)。これらの多数本苗葉規制棒130によっても、苗トレイ22の移送につれて、移送下流側の複数の苗ポット部22aにおける苗葉22bとそれより上流側の複数の苗ポット部22aにおける苗葉22bとを捌いて分離することができ、多数本の苗葉が密集して互いに絡み合うのを防止することができる。
【0040】このようにして、苗取出爪23,23による苗ポット部22aを掴んで取り出すときにも、その苗葉22aとそれより上流側の苗ポット部22aの箇所の苗葉22bとが絡まって同時に苗トレイ22から抜け出る等の苗取り出し不良や、苗取出爪23,23にて掴んだ苗の苗葉22aがその上流側の苗葉22aにて引っ張られて掴み姿勢が狂い、移植用カップ32に適正姿勢で入らない等の受け継ぎ不良が発生するのを確実に防止することができる。
【0041】なお、以上の構成により、機体1を前進させながら、苗供給装置3及び苗植付け装置2を作動させると、苗供給装置16における苗載台21は進行方向の右または左方向に移動し、この移動に同期して受け継ぎ機構における対の苗取出爪23,23のへら部23a,23aにて苗トレイ22の苗ポット部23aからポット苗Nを挟持して抜き出し、移植機構30における図11の軌跡82の上端位置にある移植用カップ32にポット苗Nを放出する。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年3月19日(1999.3.19)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
【公開番号】 特開2000−262115(P2000−262115A)
【公開日】 平成12年9月26日(2000.9.26)
【出願番号】 特願平11−74762