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【発明の名称】 苗カートリッジとカートリッジ用苗挟持整列装置
【発明者】 【氏名】遠藤 雅博

【氏名】池田 敬三

【要約】 【課題】集合育苗器具の列をなす苗収容部(紙筒w)のうち、隣り合う2つのものの間隔と同じ間隔で、側枝苗等の苗を挟持して整列させておける苗カートリッジとカートリッジ用苗挟持整列装置の提供。

【解決手段】本発明に係る苗カートリッジAは、甘蔗等の苗Pを挟持する複数の挟持部体2…を、多数の苗収容部w…を縦横に列設している集合育苗器具Wの列をなしている複数の苗収容部w…のうち、隣り合う2つのものw,wの間隔と同じ間隔で列設した構成になっている。本発明に係る苗挟持整列装置は、苗カートリッジAの各挟持部体2…に苗P…を受入して、それらの苗P…を挟持整列させるものであり、その苗カートリッジAを装着するカートリッジ受け22,22と、これに装着された苗カートリッジAの各挟持部体2…を開閉する挟持部体開閉機構Cとを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 甘蔗等の苗を挟持する複数の挟持部体を、多数の苗収容部を縦横に列設している集合育苗器具の列をなしている複数の苗収容部のうちの、隣り合う2つのものの間隔と同じ間隔で列設してなることを特徴とする苗カートリッジ。
【請求項2】 挟持部体が、支持体に着脱自在に支持されている請求項1記載の苗カートリッジ。
【請求項3】 挟持部体は、弾性板材からなる1対の苗挟持片を備えている請求項1又は2記載の苗カートリッジ。
【請求項4】 請求項1,2又は3記載の苗カートリッジの各挟持部体に苗を受入して、それらの苗を挟持整列させるカートリッジ用苗挟持整列装置であって、上記苗カートリッジを装着するカートリッジ受けと、これに装着された苗カートリッジの各挟持部体を開閉する挟持部体開閉機構とを備えていることを特徴とするカートリッジ用苗挟持整列装置。
【請求項5】 挟持部体開閉機構は、各挟持部体に入出される複数の挟持部体開閉ロッドと、カートリッジ受けに装着された苗カートリッジの抜け出しを抑える1対のカートリッジ抑止アームと、上記各挟持部体開閉ロッドを各挟持部体に対して入出させるロッド入出用アクチュエータとを備えている請求項4記載のカートリッジ用苗挟持整列装置。
【請求項6】 カートリッジ抑止アームは、各挟持部体開閉ロッドを各挟持部体に挿入する前に、苗カートリッジの抜け出しを抑止する請求項5記載のカートリッジ用苗挟持整列装置。
【請求項7】 1対のカートリッジ抑止アームのうちの一方のものには、苗の葉部側を載置する葉部側載置板が、また、他方のものには、その苗の根部側を載置する根部側載置板がそれぞれ固定されている請求項5又は6記載のカートリッジ用苗挟持整列装置。
【請求項8】 苗の根部側を載置する根部側載置板には、苗の根部に当接してそれらを一定に揃える位置決め片が形成されている請求項7記載のカートリッジ用苗挟持整列装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の苗収容部を縦横に列設してなる集合育苗器具の各苗収容部に、その列単位で甘蔗等の苗を差し込むのに便利なように工夫した苗カートリッジと、これに上記苗を挟持整列させるためのカートリッジ用苗挟持整列装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、梢頭部を切除することにより側芽が発芽する催芽現象を連続的に起こさせることによって得た所要長さの側芽成長茎、すなわち、展開葉が所要枚数になるまで成長した側芽の第10節等より上部である梢頭部を切除することを繰り返し行うことによって得た所要長さの側芽成長茎を側枝苗とし、これを本圃に植え付ける栽培方法がたとえば特開平8−280244号公報に開示されている。
【0003】上記のようにして栽培された側枝苗Pは、図23に示すように、対角寸法waが2.9cm、高さhが10cmほどの六角筒形に形成された紙筒(苗収容部)wを一定の間隔kで、しかも、w1,w2…で示す紙筒列のように、各列同じ本数からなる紙筒wの並びを1列毎にk/2の間隔だけずらして綴合させた集合育苗器具に、換言すると、蜂の巣状配列にした集合育苗器具であるペーパーポット(登録商標、日本甜菜製糖株式会社)Wに差し込んで育苗されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来においては、ペーパーポットWに差し込んだ側枝苗Pの育苗状態を揃える必要から、同数の展開葉を持った側枝苗P毎に選別しておき、それら選別しておいたものを、同数の展開葉を持つ側枝苗P毎に各別のペーパーポットWに手作業で差し込んでいる。このために、その差込み作業が煩雑で長時間を要するとともに、その作業時間の経過に従って作業効率も低下するという欠点がある。
【0005】本発明は、集合育苗器具の列をなしている複数の苗収容部(紙筒w)のうちの、隣り合う2つのものの間隔と同じ間隔で、側枝苗等の苗を挟持して整列させておける苗カートリッジとカートリッジ用苗挟持整列装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る苗カートリッジAは、甘蔗等の苗Pを挟持する複数の挟持部体2…を、多数の苗収容部w…を縦横に列設している集合育苗器具Wの列をなしている複数の苗収容部のうち、隣り合う2つのものw,wの間隔と同じ間隔で列設した構成になっている。
【0007】本発明に係る苗挟持整列装置は、苗カートリッジAの各挟持部体2…に苗P…を受入して、それらの苗P…を挟持整列させるものであり、その苗カートリッジAを装着するカートリッジ受け22,22と、これに装着された苗カートリッジAの各挟持部体2…を開閉する挟持部体開閉機構Cとを備えている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る苗カートリッジとカートリッジ用苗挟持整列装置の各一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】まず、苗カートリッジAについて、図1〜3を参照して説明する。苗カートリッジAは、前面に嵌挿溝1aを形成した断面略コ字形の横長支持体1と、前記ペーパーポットWの各列をなす紙筒w…のうち、隣り合う紙筒w,wと同じ間隔kでかつそれらの紙筒w…と同数の挟持部体2…とからなるものであり、それらの挟持部体2…が、上記嵌挿溝1aに着脱自在に嵌挿されている。
【0010】横長支持体1の後面1bには、後述する挟持部体開閉ロッド15…を遊挿できる複数のロッド挿入孔1c…が挟持部体2…と対向する位置に、すなわち、一定間隔kで形成されており、また、上面1dには、後述するカートリッジ掛止具Dに係合する角形係合リング1e,1eと、苗カートリッジAを後述する苗インサート機構Gに装着するための円柱突起1f,1fが突設されている。
【0011】挟持部体2は、図4にも示すように、連結脚2aの両端に苗挟持片2b,2bを折曲形成したものであり、たとえば鋼,合成樹脂製の弾性板材からなる。
【0012】また、連結脚2aを、上記隣り合う紙筒w,wの間隔kと同じ幅にしているので、挟持部体2…を互いに当接させて横長支持体1の嵌挿溝1aに嵌挿したときに、それらが各紙筒w…に対向する間隔になる。
【0013】なお、2c,2cは、苗挟持片2b,2bの基部の上下両辺縁に形成された、上記横長支持体1の嵌挿溝1aをなす辺縁に係合する係合溝、2dは、連結脚2aに形成されたロッド遊挿孔であり、また、2eは苗挟持片2bの基部に形成された強度調整用孔であり、その径を拡縮することにより、その弾性強度を、たとえば苗である側枝苗Pの径や甘蔗以外の種類の苗に応じて調整できるようにしている。
【0014】3,3は苗挟持片2b,2bの先端部対向面に固着された、ゴム等の弾性材で形成された挟持用パットであり、それらの対向面には、図3に示すような、上下3段にした横長突起3a〜3cと、上段の横長突起3aの下側に配置した平面鋸歯形の突起3dと、下段の横長突起3cと中段の横長突起3bの中間部分に配置した同じく平面鋸歯形の突起3eが形成されている。
【0015】また、図1,3に示すように、横長支持体1の後面1bから挟持部体2の苗挟持片2b,2bの先端までの寸法Mを、後述するカートリッジ送給コンベアFのカートリッジ受け49…の配列間隔に一致させている。
【0016】4,4は、横長支持体1の嵌挿溝1aに嵌挿された挟持部体2…を横長支持体1の長手方向両側から押さえるコ字形の挟持部体押さえ片であり、それらの両側脚片4a,4aに形成された係止用孔4b,4bに、横長支持体1の上下面1d,1hに形成した切起こし舌片1g,1gを弾性的に係合させている。
【0017】次に、苗カートリッジAに、側枝苗Pを受入して挟持整列させるためのカートリッジ用苗挟持整列装置について説明する。Bは載置台であり、それは、図5,6に示すように、左右両側に互いに所要の間隔で配設した側板5,5間に連結部材6を横架してなる支持枠7の四隅に、すなわち、側板5,5の前側と後側にそれぞれ起立脚8,9、8,9を配設するとともに、それら起立脚8,9の下端部間に連結部材10を、また、それら連結部材10,10の中央部分間に連結部材11を横架してなる。
【0018】各側板5は、これの前側に円形の支持孔5aが、また、後側に弧状ガイド孔5bが縦長にして穿設された側面扇形のものであり、それら側板5,5の間に傾動枠12が支持されている。
【0019】傾動枠12は、図5〜8に示すように、前側下部を上記各側板5,5の支持孔5a,5aに支承しかつ後側下部を弧状ガイド孔5b,5bに沿って摺動自在に支持した傾動側板13,13間に、これらの前後側上部にパイプ材13a,13aを、また、下部中央に下向きコ字形の連結部材13bを横架してなる。これにより、傾動枠12は、全体として、支持孔5a,5aを中心とする所要の角度範囲内で傾動可能になっている。
【0020】Cは傾動枠12に配設された挟持部体開閉機構であり、それの構成は次の通りである。14は、上記連結部材13bに載置された空圧,油圧又は電動シリンダー等のロッド入出用アクチュエータであり、これの伸縮ロッド14aには、上記挟持部体2…に対応する本数の挟持部体開閉ロッド15…を、ペーパーポットWの列をなしている複数の紙筒W…のうち、隣り合う紙筒w,wの間隔kと同じ間隔で列設した横長のロッド支持部材16が取り付けられている。
【0021】17,17は、横長板18の先端に、後述するカートリッジ抑止アーム19,19に当接する当接ローラ20,20を配設してなるアーム傾動用部材であり、ロッド支持部材16の前側面と後側面に突設されている。なお、21,21はロッド支持部材16の昇降移動をガイドするガイド部材であり、上記傾動側板13,13にそれぞれ固定されている。
【0022】22,22は、上記苗カートリッジAを装着する断面コ字形のカートリッジ受けであり、傾動側板13,13の上辺縁中央部分、換言すると、苗カートリッジAを挟持部体開閉ロッド15…に対向させられる位置にそれぞれ固着されている。なお、22a,22aは、苗カートリッジAの装着位置を規制する規制片である。
【0023】上記カートリッジ抑止アーム19,19は、カートリッジ受け22,22を挟む前後両側に配置されており、それらの先端部に、それらカートリッジ受け22,22に装着された苗カートリッジAの横長支持体1に当接する当接片19a,19aが先端部に折曲形成され、また、基端部19b,19bが連結部材13bの前後両面に突設されたブラケット13c,13cにそれぞれ軸支されているものである。
【0024】19c,19cは、カートリッジ抑止アーム19,19の上記アーム傾動用部材17,17との当接領域に折曲形成された傾動用斜面であり、これらに、ロッド入出用アクチュエータ14による挟持部体開閉ロッド15…の伸出に従って昇降するアーム傾動用部材17,17が転接する。
【0025】これにより、カートリッジ抑止アーム19,19は、上記当接片19a,19aが苗カートリッジAの横長支持体1に当接して、カートリッジ受け22,22に装着された苗カートリッジAの抜け出しを抑えるカートリッジ抑止位置(イ)(図7)と、それら当接片19a,19aが横長支持体1から離間して、その苗カートリッジAの装着と抜脱を許容する着脱許容位置(ロ)(図8)との間で傾動する構成にしている。
【0026】すなわち、カートリッジ抑止アーム19,19は、アーム傾動用部材17,17が、傾動用斜面19c,19cの上下端間で転接するのに従って、カートリッジ抑止アーム19,19が上記カートリッジ抑止位置(イ)と着脱許容位置(ロ)との間で揺動するようになっている。
【0027】19dは、側枝苗Pの葉部側を載置する葉部側載置板であり、カートリッジ抑止アーム19,19のうちの一方のものに、ステー19eを介して固定されている。
【0028】19fは、側枝苗Pの根部側を載置するとともに、それの挟持位置、具体的には苗カートリッジAの挟持部体2の中心から側枝苗Pの根部側端部までの長さLを一定に揃えるためのL字形の位置決め片19f′を形成してなる根部側載置板であり、ステー19gを介して他方のカートリッジ抑止アーム19に固定されている。なお、23はカートリッジ抑止アーム19,19の中間部分間に張架された引張スプリングである。
【0029】次に、上記構成の苗挟持整列装置により、同じく上記構成の苗カートリッジAの挟持部体2…に側枝苗Pを受入して挟持整列させる動作について説明する。ここで挟持させようとしている側枝苗Pは、たとえば次のようにして栽培,選別されている。
【0030】(1) 母茎として利用する甘蔗を栽培し、それが所要の茎丈となったとき、頂芽成長点を含む上側茎を切除するとともに残存する下側茎の葉を取り払って母茎とする。
【0031】(2) その母茎に発芽する1次腋芽を1次枝茎に成長させ、その頂芽成長点を含む1次枝茎上側茎を切除し、母茎に1次枝茎基部を残存させる。
【0032】(3) その1次枝茎基部に発芽する2次腋芽を2次枝茎に成長させ、その頂芽成長点を含む2次枝茎上側茎を切除し、上記1次枝茎基部に2次枝茎基部を残存させる。
【0033】(4) その2次枝茎基部に発芽する3次腋芽を3次枝茎に成長させることにより、あるいは、必要に応じ、同様にして4次枝茎を成長させることによって、上記母茎に3次枝茎又は4次枝茎である高次枝茎を集中群生させて高次枝茎塊とする。
【0034】(5) 上記高次枝茎塊全体を母茎から切り離した後に、各高次枝茎の切り離しを、その高次枝茎基部に芽基及び根基組織部分を付けた状態にして行う。
【0035】(6) 上記高次枝茎を、葉数が同じもの毎に区分するとともに、所要の茎丈のところで剪葉する。以上の(1)〜(6)の工程により、多数の高次枝茎苗、すなわち、側枝苗Pを得る。
【0036】苗カートリッジAをカートリッジ受け22,22に装着していないときには、図1,2に示す載置台Bの前面に配設した操作レバー24をたとえば上向きに操作しておく。
【0037】これにより、図9,10に示すように、ロッド入出用アクチュエータ14の伸縮ロッド14aが縮退されて、カートリッジ抑止アーム19,19が着脱許容位置(ロ)に移動し、この状態で、カートリッジ受け22,22に苗カートリッジAを装着することができる。
【0038】このとき、挟持部体開閉ロッド15…は、これらの先端部がカートリッジ受け22,22の上側に位置してはいるものの、苗カートリッジAの横長支持体1内に止まっているので、挟持部体2の苗挟持片2b,2bは閉じている。
【0039】苗カートリッジAの装着後、上記操作レバー24を下向きに操作すると、図11に示すように、伸縮ロッド14aが伸出して、カートリッジ抑止アーム19,19がカートリッジ抑止位置(イ)に回動する。このとき、挟持部体開閉ロッド15…は、まだ、各苗挟持片2b,2b間に挿入されていない。
【0040】これにより、それらカートリッジ抑止アーム19,19の当接片19a,19aが横長支持体1に当接して、カートリッジ受け22,22からの苗カートリッジAの抜き出しを抑止した状態になる。すなわち、挟持部体開閉ロッド15…が、各苗挟持片2b,2b間に挿入される前に、苗カートリッジAの抜き出しが抑止される。
【0041】その後、挟持部体開閉ロッド15…が挟持部体2…の各苗挟持片2b,2b間に挿入することによって、図12,13に示すように、各挟持部体2…は苗挟持片2b,2bを開き、そこに側枝苗Pを受け入れることができる状態になる。
【0042】そこで、側枝苗Pを、根部を位置決め片19f′に当接させながら、苗挟持片2b,2bの先端部から基端部に向けて下降させることにより、上記のように開いている苗挟持片2b,2b間に受入する。これにより、側枝苗Pは、葉部側を葉部側載置板19dに、また、根部側を根部側載置板19fに載置した安定状態で保持される。
【0043】すべての挟持部体2…に対して同数の展開葉を持つ側枝苗Pを受入したなら、操作レバー24を上向きに操作することにより、ロッド入出用アクチュエータ14の伸縮ロッド14aが縮退されて、カートリッジ抑止アーム19,19が着脱許容位置(ロ)に回動し、挟持部体2…の苗挟持片2b,2b間に挿入していた挟持部体開閉ロッド15…が下方に抜脱する。
【0044】これにより、それら各挟持部体2の苗挟持片2b,2bが閉じ、これらの間に受入されている側枝苗Pをしっかりと挟持した状態になるとともに、カートリッジ受け22,22からの苗カートリッジAの抜き出しを許容する状態になる。
【0045】以上のようにして、同数の展開葉を持つ側枝苗P…を挟持整列させた苗カートリッジAを、1又は2冊以上のペーパーポットW分だけ、さらに具体的には、それらの合計紙筒w…の列分だけ用意しておく。
【0046】Dは、上記複数の苗カートリッジA…を掛止しておくカートリッジ掛止具であり、それの構成は次の通りである。
【0047】カートリッジ掛止具Dは、図14に示すように、苗カートリッジAの角形係合リング1e,1eに差し込むことができる横U字形からなる1対の吊下げ部材25,25と、これの基端部間に架設した連結部材26aに下端部を固着したハンドル26とからなる。
【0048】吊下げ部材25,25の上脚部25a,25aは、たとえば6本の苗カートリッジA…を同時に掛止しておける長さのものを例として示しているが、任意の長さに設定することができる。
【0049】吊下げ部材25,25に苗カートリッジA…を互いに当接した状態で掛止させることにより、それら苗カートリッジA…の横長支持体1…が、後出のカートリッジ送給コンベアFのカートリッジ受け49…と同じ配列間隔、すなわち、それらに対向した状態となる。
【0050】次に、上記苗挟持整列装置により側枝苗P…を挟持整列された苗カートリッジAを用いて、それらの側枝苗P…をペーパーポットWに差し込む苗差込み装置について、主に図15〜19を参照して説明する。
【0051】Eは、複数のペーパーポットW…を搬送するペーパーポット搬送コンベアであり、それの構成は次の通りである。
【0052】ペーパーポット搬送コンベアEは、側部枠材28,28の両端部間に連結部材29,29を横架してなる枠体27と、その側部枠材28,28の両端部側に配設された回転軸31,32とからなる。
【0053】回転軸31,32の両端部にはスプロケット30,30が固定されており、回転軸31のスプロケット30,30と回転軸32のスプロケット30,30の間にはコンベアチェーン33,33が張架されている。なお、34は回転軸32の一端部に連結されたモーターである。
【0054】コンベアチェーン33,33間には、一側端側にトレー位置決め片35a,35aを突設した横架部材35…が所定の間隔で配列されており、それらの上に、ポット載置トレー36を位置決めして載置できるようになっている。
【0055】37はポット展開具であり、これの構成は次の通りである。ポット展開具37は、図20〜22に示すように、連結板部38cの両端に当接板部38d,38dを形成した平面コ字形の2つの型枠38,38と、ペーパーポット展開用帯板39,39とを備えてなる。
【0056】連結板部38cには、ペーパーポットWの各紙筒列w1、w2、…に一致する位置決め用切欠き38a…を列設した位置決め片38bが折曲形成されており、また、当接板部38d,38dの基端には、後述するペーパーポット展開用帯板39を係止する係止片38e,38eが形成されている。
【0057】ペーパーポット展開用帯板39,39は、連結板部38cよりも長く、また、ペーパーポットWとこれの両端部に貼着したポット展開用紙片(図示しない)との間に挿入して、そのペーパーポットWを引張するものである。
【0058】すなわち、ペーパーポット展開用帯板39,39を、ペーパーポットWとこれの両端部に貼着したポット展開用紙片(図示しない)との間に挿入して、ペーパーポットWを引張し、その状態のまま、ペーパーポットWを、型枠38,38を平面ロ形となるように当接させてなる枠に収容し、また、それらペーパーポット展開用帯板39,39を、それら型枠38,38の係止片38e,38eに係止する。
【0059】これにより、ペーパーポットWは、型枠38,38で形成した上記枠内で展開された状態を保持する。その後、それらをポット載置トレー36に載置して、各紙筒w…に土詰めした後、ペーパーポット展開用帯板39,39を抜き取る。
【0060】位置決め用切欠き38a…は、図16,18に示す、枠体27の一側部に配置したポット検出センサーS1により検出されるようになっており、それら位置決め用切欠き38a…が、ポット検出センサーS1により検出されるごとに、ペーパーポット搬送コンベアEが停止される。これにより、ペーパーポットWをなす紙筒w…の各紙筒列w1,w2…が所定位置に順次停止されながら、搬送方向α1に向けて搬送される。
【0061】Fは上記ペーパーポット搬送コンベアEの上方に配置された、カートリッジ送給コンベアであり、それの構成は次の通りである。
【0062】カートリッジ送給コンベアFは、図15〜17に示すように、互いに平行にした側部枠材43,43の両端部に、スプロケット40,40を固定した回転軸44,45を配設するとともに、回転軸44のスプロケット40,40と、回転軸45,45のスプロケット40,40との間にコンベアチェーン46,46を張架してなるものである。
【0063】側部枠材43,43は、これの一端部が、側部枠材28の一端部側に立設した起立脚41,41のやや上側寄りに固定され、また、それの他端部が支持部材42,42の上端部に固定されている。
【0064】なお、47は回転軸44の一端部に連結されたモーター、48はその回転軸44の他端部に固定した回転検出用円板、S2はその回転検出用円板48に円環状に列設されたスリットを検出する検出センサーである。
【0065】コンベアチェーン46,46には、前記苗カートリッジAを支持するカートリッジ受け49…が一定間隔Mで横架配列されており、それら各カートリッジ受け49…により苗カートリッジA…を保持するようになっている。
【0066】検出センサーS2によって回転検出用円板48のスリットを計数することにより、回転軸44の回転角度、すなわち、コンベアチェーン46,46に横架したカートリッジ受け49…を一定間隔毎に、移送方向α2に向けて移送することができる。
【0067】Gは、上記苗カートリッジAに挟持整列されている側枝苗P…を、上記ポット載置トレー36に収容されているペーパーポットWに差し込む苗インサート機構であり、それの構成は次の通りである。
【0068】50,50は、図16に示すように、たとえばロッドレスシリンダー等のリニアアクチュエータであり、これらは、上記起立脚41,41の上端部に搭載されて、横長のガイド部材51を搬送方向α1にまたそれとは逆向きに移動させるようにしている。
【0069】ガイド部材51には、これの上下辺縁に沿って互いに平行にしたガイドレール52,52が固定されており、それらのガイドレール52,52には、これらに沿って移動自在な横動ベース53が吊持されている。なお、54は横動ベース53を移動させるモーターである。
【0070】横動ベース53は、上端部をガイドレール52,52に移動自在に取り付けた断面コ字形のベース55に、昇降スライダー56が昇降摺動自在に取り付けられており、これに、横長ステー57が固定されている。
【0071】横長ステー57の両端部後面には、図17に示すように、ブラケット58,58を介してリニアアクチュエータ59,59が配設されており、それらの伸縮ロッド(図示しない)に、苗カートリッジAの挟持部体2…を開閉するための挟持片開閉用ロッド60…を列設したロッド支持部材61が固定されており、これらにより、苗開放機構Hを構成している。
【0072】すなわち、リニアアクチュエータ59,59の伸縮ロッドを伸出させると、挟持部体開閉ロッド60…が、横長支持体1のロッド挿入孔1c…を介して、挟持部体2…の各苗挟持片2b,2b…間に挿入することによって、各挟持部体2…は苗挟持片2b,2bを開いた状態になる。
【0073】横長ステー57の両端部前面には、図16に示すように、連結台62,62を介してカートリッジ把持アクチュエータ63,63が固定されており、これに設けられている把持具64,64により苗カートリッジAの円柱突起19f,19fを把持するようになっている。
【0074】カートリッジ把持アクチュエータ63,63間には、図16に示すように、振動伝達用板65が横設されており、それには、苗カートリッジAに保持されている側枝苗P…に所要の振動を加えるためのバイブレータ66が載置固定されている。
【0075】67は、起立脚41,41間に横設した連結部材68に固定されたカートリッジ回収枠台であり、前記カートリッジ掛止具Dの吊下げ部材25を支持するブラケット67aを、補強部材67bにより支えた構成になっている。
【0076】続いて、上記の構成からなる苗差込み装置の動作について説明する。まず、ペーパーポット搬送コンベアE上に、ペーパーポットWを収容したポット載置トレー36を配置しておく(図15)。
【0077】カートリッジ送給コンベアFへの苗カートリッジAの供給は、カートリッジ掛止具Dをカートリッジ送給コンベアFにセットすることにより、そのカートリッジ掛止具Dに掛止した苗カートリッジA…を、カートリッジ受け49…に同時に載せることにより行う。
【0078】すなわち、互いに当接して掛止されている苗カートリッジA…の間隔と、カートリッジ受け49…の間隔とを前述したように一致させているので、それら苗カートリッジA…全てを、それらカートリッジ受け49…に一度にセットすることができる。そして、カートリッジ受け49…に載せられた苗カートリッジA…は、図17に示すカートリッジ送給コンベアFの受渡し位置(ハ)に順次移送される。
【0079】昇降スライダー56は、把持具64,64を、受渡し位置(ハ)に移送された苗カートリッジAに対向する把持待機位置(ニ)に位置させるように停止されている。
【0080】把持具64,64は、所定のタイミングで搬送方向α1に移動され、受渡し位置(ハ)に停止されている苗カートリッジAを把持した後、把持待機位置(ニ)に復帰移動する。
【0081】その後、昇降スライダー56を下降させ、さらに、ガイドレール52を搬送方向α1に移動させて、把持具64,64で把持している苗カートリッジAを、図15,19に示す所定の挿苗位置(ホ)に移動させる。
【0082】挿苗位置(ホ)の下方には、ペーパーポットWの第1列目の紙筒列w1が位置するように、ポット載置トレー36が移動されている。
【0083】次に、昇降スライダー56を、すなわち、把持具64,64をさらに所定距離だけ下降させて、苗カートリッジAに挟持されている側枝苗P…を第1列目の紙筒列w1をなす土詰めされている各紙筒w…に差し込む。このとき、側枝苗P…をバイブレータ66により振動させて、土詰めされている紙筒w…への側枝苗P…の差し込みを容易に行うようにしている。
【0084】側枝苗Pの差し込みの完了により、リニアアクチュエータ59,59が駆動されて、各挟持部体2…の苗挟持片2b,2b間に挟持部体開閉ロッド60…が挿入され、それまで挟持していた側枝苗P…が一斉に開放される。
【0085】側枝苗P…を開放した後、使用済みの苗カートリッジAを把持している把持具64,64は、カートリッジ回収枠台67に対向する位置に移動される。
【0086】そして、把持している苗カートリッジAをカートリッジ回収台67にセットされているカートリッジ掛止具Dの吊下げ部材25に挿入掛止した後、把持具64,64は、カートリッジ送給コンベアFに対向する把持待機位置(ニ)に復帰移動されて、次の苗カートリッジAを待機する。
【0087】以上の動作を繰り返すことにより、ペーパーポットWをなす、第1列目の紙筒列w1から後列の紙筒列w2,w3…にかけて、順次側枝苗Pの差込み動作を所要回数繰り返し、ペーパーポットWをなす全ての紙筒w…に側枝苗Pを差し込む。
【0088】また、前述した紙筒列w1…と紙筒列w2等の紙筒w…のずれに対しては、横動ベース53の停止位置を、そのずれと同じ間隔だけそれらの列に沿ってずらすことにより、側枝苗P…の差込み位置と、紙筒w…との相対的な位置ずれを無くしている。
【0089】なお、上記においては、土詰めした紙筒に側枝苗を差し込む際に、その側枝苗をバイブレータで振動させている例について説明したが、土詰めした紙筒に側枝苗を容易に挿入できる場合には、必ずしも振動させる必要はない。
【0090】
【発明の効果】請求項1〜3記載の発明によれば、甘蔗等の苗を挟持する複数の挟持部体を、多数の苗収容部を縦横に列設している集合育苗器具の列をなしている複数の苗収容部のうち、隣り合う2つのものの間隔と同じ間隔で列設しているので、集合育苗容器の苗収容部と同じ間隔で側枝苗等の苗を挟持して整列させておくことができる。
【0091】請求項2記載の発明によれば、挟持部体が、支持体に着脱自在に支持されているので、必要に応じて挟持部体だけを交換することができる。
【0092】請求項3記載の発明によれば、挟持部体を、弾性板材からなる1対の苗挟持片を備えているので、その間に挟持部体開閉用ロッドを入出させるだけで苗の挟持と開放を行うことができ、また、簡易な構成にすることができる。
【0093】開いた状態の苗挟持片に苗を受入するだけでよいので、その作業を容易に行うことができる。
【0094】請求項4〜8記載の発明によれば、苗カートリッジを装着するカートリッジ受けと、これに装着された苗カートリッジの各挟持部体を開閉する挟持部体開閉機構とを備えているので、集合育苗容器の苗収容部と同じ間隔で側枝苗等の苗を挟持して整列させておくことができる。
【0095】請求項4〜8記載の発明で得られる上記共通の効果の他、各請求項記載の発明によれば次の各効果を得ることができる。
【0096】請求項5記載の発明によれば、挟持部体開閉機構を、各挟持部体に入出される複数の挟持部体開閉ロッドと、カートリッジ受けに装着された苗カートリッジの抜け出しを抑える1対のカートリッジ抑止アームと、上記各挟持部体開閉ロッドを各挟持部体に入出させるロッド入出用アクチュエータとを備えているので、簡易な構成で、苗カートリッジをカートリッジ受けに抑止できる。
【0097】請求項7記載の発明によれば、1対のカートリッジ抑止アームのうちの一方のものに、苗の葉部側を載置する葉部側載置板を、また、他方のものに、その苗の根部側を載置する根部側載置板を固定しているので、挟持した苗の姿勢を崩すことなく保持することができる。
【0098】請求項8記載の発明によれば、根部側載置板に、苗の根部に当接してこれを位置決めする位置決め片を形成しているので、苗の根部側を一定に揃えることができる。これにより、各苗の苗収容部への差込み量を一定にすることができる。
【出願人】 【識別番号】000130455
【氏名又は名称】株式会社サークル鉄工
【識別番号】599038031
【氏名又は名称】財団法人石垣市農業開発組合
【出願日】 平成11年3月19日(1999.3.19)
【代理人】 【識別番号】100062476
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 信市
【公開番号】 特開2000−262113(P2000−262113A)
【公開日】 平成12年9月26日(2000.9.26)
【出願番号】 特願平11−76235