| 【発明の名称】 |
芝の堆肥化方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】川畑 悟
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| 【要約】 |
【課題】ゴルフ場等で発生する刈り芝を、ゴルフ場の運営に支障をきたさないよう迅速で且つ、発酵の途中で悪臭を発生させないように堆肥化させる。
【解決手段】本発明芝の堆肥化方法は、少なくとも側壁3面をコンクリート壁で囲んだ堆肥槽1を形成すると共に該堆肥槽の上に前後に移動自在な切返機2を設ける。ゴルフ場等で生じる刈り芝を収集して、上記堆肥槽内に約100cm〜200cmの高さに堆積し、これにC/N比が20〜30となるように含窒素成分を添加しする。上記切返機で新規な芝と発酵進行中の芝とを隣接させる状態としつつ、排出口に向かって切り返しと移送を繰り返して構成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも側壁3面をコンクリート壁で囲んだ堆肥槽を形成すると共に該堆肥槽の上に前後に移動自在な切返機を設け、ゴルフ場等で生じる刈り芝を収集して、上記堆肥槽内に約100cm〜200cmの高さに堆積し、これにC/N比が20〜30となるように含窒素成分を添加し、上記切返機で新規な芝と発酵進行中の芝とを隣接させる状態としつつ、排出側に向かって切り返しと移送を繰り返すことを特徴とする芝の堆肥化方法。 【請求項2】 含窒素成分が石灰窒素である請求項1記載の堆肥化方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフ場、競馬場、サッカー場等で発生する刈り芝を堆肥化させる為の方法に関し、更に詳細には、該刈り芝を迅速に且つ悪臭の発生しない手段で堆肥化させるための方法に関する。 【0002】 【従来の技術】芝草を利用する施設には、例えば、ゴルフ場、競馬場、サッカー場、ゲートボール場、公園や庭園など多種の施設があり、これら施設は一定の基準に従ってスポーツターフとしての役割を果たすべく、細心の注意が払われ、芝刈りは欠かせない日課となっており、多量の刈り芝が発生する。 【0003】従来、この刈り芝は不要な廃棄物として扱われ、(a)そのまま廃棄物処理業者に渡され焼却処理されるか、(b)ゴルフ場等の隅等に積み上げ放置されているのが現状である。しかし、(a)の方法では費用が嵩み、又、(b)の方法では次第に腐敗臭が漂い始め、ゴルフ場等のイメージをいたく傷つける原因となっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解決しようとしてなされたもので、上記刈り芝を堆肥化させれば廃棄物とてしではなく、むしろ芝の生育を促す肥料源として活用できることに着目し、その際、ゴルフ場等の運営に支障をきたさないよう堆肥化の速度を迅速化させると共に、発酵の途中で悪臭を発生させない手段を見い出そうとしたものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明芝の堆肥化方法は、少なくとも側壁3面をコンクリート壁で囲んだ堆肥槽を形成すると共に該堆肥槽の上に前後に移動自在な切返機を設け、ゴルフ場等で生じる刈り芝を収集して、上記堆肥槽内に約100cm〜200cmの高さに堆積し、これにC/N比が20〜30となるように含窒素成分を添加し、上記切返機で新規な芝と発酵進行中の芝とを隣接させる状態としつつ、排出口に向かって切り返しと移送を繰り返して構成される。 【0006】 【発明の実施の形態】芝は大別して、高麗芝、西洋芝、野芝等に分類されるが、総じて幅3〜5mm程度の細長い形状を成し、内部には縦に繊維が直線状に走っており、ゴルフ場等では、刈り込んだ芝の滓(以下刈り芝という)は1〜2cm程度の長さとなる。従って刈り芝は、比較的弾性と剛性とに富み、これを積み上げたとき後述する空間密度との関係で通気性を確保し易い形態となる。又、刈り込み処理した後の生芝は、水分を多量に含むので、ほとんど水分調整の要なく発酵するが、枯芝の場合は後述する通り水分を供給する必要がある。 【0007】次に、上記刈り芝を、連続的に、且つ、大量処理する為に下記の如き堆肥槽1を形成する(図1,図2参照)。例えば、幅2メートルで長さが50メートルで深さが1.5メートルの平面長方形のコンクリートの側壁を形成し、その中に刈り芝を堆積させる構造とする。該堆肥槽1の底面は、同様にコンクリートとしても良いが、水分の吸収等を考慮して一般的には土とする。又、コンクリートの側壁は、投入側1a、脇側1b、1b、排出側1cの4面を囲っても良いが、発酵後の堆肥を排出させる排出側1cは開放しても良く、それを除く少なくとも側壁3面を囲う必要がある。該堆肥槽を長方形としたのは、後述の切返機を載せて連続処理を可能とする為であり、又、コンクリート壁で少なくとも側壁3面を囲うのは、発酵熱を逃すことなく蓄熱を促す為である。 【0008】次に、上記刈り芝の発酵を迅速に行う為に、各試験を重ねたところ、C/N比が重要であり、C/N比に関する試験を行った結果は下表の通りであった。 【0009】 【表1】
【00010】この結果、無添加と石灰窒素添加との間には、発酵速度において大きな差が生じ、刈り芝の発酵を迅速化させるには、C/N比の設定が重要であり、その値は25付近が最適であり、その前後±5の範囲が適切なものであった。尚、該C/N比は、刈り芝の有するC/N比を約90とし、石灰窒素中の窒素の含有割合を約20.8wt%として算出した。 【00011】次に、刈り芝の発酵を促す条件として、一般的にはあまり重要視されていないが、空間密度を適切化することに着目した。即ち、上述の通り、刈り芝は、その特性から弾性と剛性に富み、これを積み重ねてもフワフワとした感じとなり、各芝は離れて空隙が保たれ、所謂、通気性に優れた形態となる。しかし、この通気性に優れることは一方で、発酵の初期には熱の放散が過剰となる傾向があり、発酵に伴う熱が籠もることなく発散してしまい、発酵を遅らせる傾向となる。そこで、実験を重ねたところ、表2に示す如く、刈り芝を一定の厚み以上に堆積させ、その自重で一定の圧密状態とし、粗にすぎる空間密度を密状態とし、発酵熱が放散しない形態とすることが重要であることを見い出した。その値は、刈り芝の堆積の高さを1メートル〜2メートルの範囲とすることであり、勿論、好気性発酵に要する通気性は確保する。 【0012】 【表2】
【0013】次に、上記堆肥槽1にC/N比を20〜30とした刈り芝を、その堆積の高さが1〜2メートルとなるように投入するが、このとき堆肥槽1では、下記の要領で発酵を促進する。先ず、少なくとも側壁3面をコンクリート壁で被った堆肥槽1の上に、長手方向 に沿って移動自在な切返機2を装備する。該切返機2は、堆肥の発酵途中にあって、発酵が一定期間を経過したら嫌気性菌による腐敗を避けて好気性菌の繁殖を促すべく、刈り芝を撹拌させて通気を図るもので、同時に本発明では該切返機2を、刈り芝の槽内での移送を兼ねるものとする。 【0014】該切返機2は、例えば、図1及び図2に示す如くで、槽の上縁に沿ってレール2d,2dを敷き、その上を車輪の回転で移動自在とし、その2本のレールに横架させてモーター2aに連結した回転軸を設け、該回転軸とチェーンコンベア2bを連結させ、更に該チェーンコンベア2bの先に回転ローラ2cを配設する。該切返機2を所定位置におき、回転ローラ2c及びチェーンコンベア2bを回転させると、該回転ローラ2cが堆積した芝をすくい上げ、それをチェーンコンベア2bが上方へと搬送し、最後に後方へとサラサラと落下させる。この結果、刈り芝は新鮮な空気に触れて好気的な環境を獲得すると共に、前から後へと移送される。即ち、図1に示す如く、該堆肥槽1内では、前の投入口から後の排出口に向かって、順々に切り返しと移動とが同時に行われ、それを繰り返しつつ刈り芝を投入側1aから排出側1cに向かって移送させて行く。 【0015】さて、上記切返機2を備えた堆肥槽1に対し、順次刈り芝を投入し、発酵を促していくが、先ず、このとき重要なのは、最初の投入にあって新規な刈り芝は、その前の発酵過程にある芝の隣りに付けて、近接状態に置くことである。つまり、新規な刈り芝が投入されると、その隣には、上記切返機2によって移送された刈り芝が近接状態で存在し、この芝は発酵の途中にあるから、既に発酵熱を発し、その熱が近接した新規な芝へと伝達され、同時に発酵菌も増殖するから、新規に投入された芝も間もなく発酵を開始する。これは従来の自然発酵を待っている状態と比較すると、発酵を開始する時間を著しく短縮する。 【0016】同時に、発酵が盛んな芝は、排出側により近い発酵が峠を越えた芝に対しても熱を供給し、これらは発酵が減退する傾向にあり、ややもすると発酵熱が不足するきらいがあるが、この発酵熱の供給により、発酵を完熟させることができる。 【0017】そうして、該新規芝の発酵が一定期間、例えば、3日間を経過したら、切返機2を作動させ、上記と同様の操作を繰り返す。このとき、切返機2の作動は、排出側1cに近い部分から行い、順次前方に繰り上げるようにして行い、最後に投入側1aに新規な芝が投入可能な空隙が形成されるようにする。 【0018】斯くして、切返機2による作業を約25〜30回程度繰り返すと、刈り芝はその間、2次発酵等を経て堆肥化を完了し、この間約75日〜80日程度となる。堆肥化が完了したら、これを排出側1cから掻き出し、これを芝の肥料として施すと、ゴルフ場等の芝の生育に最も適した肥料となる。 【0019】 【実施例】高麗芝を施した約180万m2のゴルフ場を対象とした。該ゴルフ場の刈り芝を集めて125kgとした。芝の形状は、幅が3〜5mmで、長さが2〜4cm程度であり、繊維が縦に直線状に走っているもので、これに若干のススキの葉が混じった。これに石灰窒素7.8kgを投入し、C/N比を25程度とし、切返機で撹拌した。堆肥槽は、排出側を除いた側壁3面をコンクリート壁とし、幅2mで、高さ1.5mで、長さ50mの平面上長細い形状の槽とした。ここに、幅が約2mで深さ1.5mに達する回転可能なチェーンコンベア及び回転ローラを配し、槽上縁に設けたレール上を前後方向に移動自在とした切返機を装備した。当初だけ若干の堆肥化された芝を堆肥槽内に置き、その他は上記条件で、約3日おきに、切返機を切返の幅を約2m程度として運転し、これを25回繰り返した。尚、スタートは、5月初旬頃で、終了は7月初旬頃であった。この結果、約75日間で、堆肥化を完了し、サラサラとした粉粒状態となり、且つ、この間嫌気性菌による腐敗臭の発生は皆無であった。 【0020】 【発明の効果】以上の構成による本発明は、ゴルフ場等の刈り芝に対し、石灰窒素等の含窒素成分を混合し、そのC/N比を20〜30としたことで、該刈り芝の発酵条件に適合したものとなり、発酵を著しく短縮することができる。 【0021】又、弾力と剛性に富んだ刈り芝の形態に対し、刈り芝の堆積の高さを1メートルから2メートル程度とし、通気性と蓄熱性とのバランスを図ったので、好気性菌の増殖を促して腐敗臭の発生を防止すると共に、発酵を円滑化して上記と同様時間的短縮をもたらし得た。 【0022】更に、切返機を備えた発酵槽で新規な芝と発酵過程にある芝とを近接する状態において発酵を促すので、発酵に至る時間を短くすると共に、相互作用で発酵の停滞を回避し、全体に渡って良好な発酵条件を維持することができ、従来放置されてきたゴルフ場等の廃棄芝の処理に大きな改善をもたらすことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599034262 【氏名又は名称】有限会社 シバゲン
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| 【出願日】 |
平成11年3月12日(1999.3.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095739 【弁理士】 【氏名又は名称】平山 俊夫
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| 【公開番号】 |
特開2000−262111(P2000−262111A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月26日(2000.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−67600 |
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