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【発明の名称】 施肥播種機
【発明者】 【氏名】後藤 隆志

【氏名】堀尾 光広

【氏名】西村 洋

【氏名】林 和信

【要約】 【課題】予め設定した肥料や種子の繰出し量に対して、肥料や種子の実繰出し量を作業中に変更可能とする。

【解決手段】走行車両1に施肥装置6、播種装置のいずれか一方、あるいは両方を搭載した施肥播種機において、肥料や種子の繰出し量を設定する第一の繰出し量調節機構14と、この第一の繰出し量調節機構14により設定した肥料や種子の繰出し量に対し所定の割合で肥料や種子の繰出し量を増減可能とする第二の繰出し量調節機構15を設けた。そして、実繰出し量を設定繰出し量に対して所定の割合で作業中に増減させることができる。そのため、設定繰出し量に対し、どのくらいの割合で施肥量や播種量を増減させているかを確認しながら作業することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車両に施肥装置、播種装置のいずれか一方、あるいは両方を搭載した施肥播種機において、肥料や種子の繰出し量を設定する第一の繰出し量調節機構と、この第一の繰出し量調節機構により設定した肥料や種子の繰出し量に対し所定の割合で肥料や種子の繰出し量を増減可能とする第二の繰出し量調節機構を設けたことを特徴とする施肥播種機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予め設定した肥料や種子の繰出し量に対して、肥料や種子の実繰出し量を作業中に変更可能とした施肥播種機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行車両に施肥装置、播種装置のいずれか一方、あるいは両方を搭載した施肥播種機が周知である。この種の施肥播種機においては、第一の繰出し量調節機構しか持たないため、設定した繰出し量を作業中に変更できないものが大半であった。一部には、第一の繰出し量調節機構で繰出し装置の回転数を変えることにより、繰出し量を変更できるようにしたものがあるが、設定繰出し量に対しどれくらいの割合で増減しているかが分からないものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、圃場の地力のばらつきや作物の生育状態のばらつきに対応して施肥量を増減させたり、圃場の砕土状態や高低差によって播種量を増減させて作業しようとしても、作業中に増減ができないか、できたとしても、正確な増減調節ができなかった。本発明はこのような問題点を解決することを目的になされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明は、走行車両に施肥装置、播種装置のいずれか一方、あるいは両方を搭載した施肥播種機において、肥料や種子の繰出し量を設定する第一の繰出し量調節機構と、この第一の繰出し量調節機構により設定した肥料や種子の繰出し量に対し所定の割合で肥料や種子の繰出し量を増減可能とする第二の繰出し量調節機構を設けたことを特徴としている。
【0005】
【作用】上記の構成によって本発明の施肥播種機は、第一の繰出し量調節機構により繰出し量を設定し、第二の繰出し量調節機構により、繰出し部を駆動するモータの回転数を変えたり、動力伝達系の途中に設けられた無段変速機の設定を変えたりすることにより、実繰出し量を設定繰出し量に対して所定の割合で作業中に増減させる。そのため、設定繰出し量に対し、どのくらいの割合で施肥量や播種量を増減させているかを確認しながら作業することができる。また、必要な時には簡単に設定繰出し量に合わせられる。
【0006】これにより、圃場の地力のばらつきや作物の生育状態のばらつきに対応して施肥量を変更したり、圃場の砕土状態や高低差によって播種量を変更したりする場合に、設定値に対して何割増減させているかが作業中に分かるようになり、それらの作業が正確に行なえる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて具体的に説明する。
【0008】図1において、符号1は農用トラクタや乗用管理機のような走行車両で、この走行車両1はエンジン2を搭載し、操縦部3を設け、前後4輪の走行車輪4を駆動して走行する。走行車両1の後部に、油圧装置により昇降する昇降機構5を介して施肥装置6を搭載している。この施肥装置6は、播種装置としての機能も有しており、また、施肥装置、播種装置のいずれか一方、あるいは施肥装置、播種装置の両方を併設するようにしてもよい。
【0009】施肥装置6は、図2及び図5に示すように、複数の繰出しロール8を底部に備えたホッパ7と、これら繰出しロール8により繰出される肥料を圃場に散布する多数の吐出口10を備えたブーム9を設けている。複数の繰出しロール8の回転駆動は左右半分ずつに分けられていて、右半分繰出しロール駆動用と左半分繰出しロール駆動用の2個の駆動モータ11により所定方向に駆動回転され、ホッパ7から下降してロール溝12に収容された肥料を繰り出すものである。このロール溝12は、その溝幅がロール溝幅調節ダイヤル13により調節され、肥料繰出し量を設定する第一の繰出し量調節機構を構成している。上記ロール溝調節ダイヤル13に代えて、図3に示すように、ロール回転数調節ダイヤル13aにより繰出しロール8の回転数を変えて繰出し量を調節するようにしてもよい。この第一の繰出し量調節機構14は、ホッパ7の近傍に設けられる。
【0010】一方、走行車両1の操縦部3の近傍の運転席に座った運転者が操作可能な位置に、駆動モータ11による繰出しロール8の回転速度を変えて、第一の繰出し量調節機構14により予め設定された設定繰出し量を、所定の割合で増減可能とした第二の繰出し量調節機構15を設けている。この第二の繰出し量調節機構15は、図4に詳細に示すように、左右一対の右半分調節レバー15aと左半分調節レバー15bを前後にスライドさせて、第一の繰出し量調節機構14により設定した設定繰出し量をそれぞれ−100%減から+100%増(設定量の0倍から2倍)まで調節可能である。この両レバー15a,15bは、ダイヤル式にしてもよいものである。なお、上記駆動モータ11は、可変速電動モータ、可変速油圧モータ、又は無段変速機を介して走行車両1のPTO動力を変速するものなどいずれでもよいものであり、第二の繰出し量調節機構15は、これらモータや変速機を制御して回転数を変える。
【0011】本発明による施肥(播種)装置の第2実施例を図6に示す。この実施例では、走行車両1の前部に支持アーム16を介して作物生育センサー又は土壌砕土状態センサー17を設け、第1実施例においては、走行車両1の運転席に座った運転者が第二の繰出し量調節機構15の右半分調節レバー15aと左半分調節レバー15bを操作して肥料や種子の繰出し量を調節していたのを、作物生育センサー又は土壌砕土状態センサー17により作物の生育状況又は土壌の砕土状態を検出して信号を発し、第二の繰出し量調節機構15を制御して施肥量を自動的に調節するようにしたものである。
【0012】上記のように構成された本発明による施肥(播種)機を供試して、水稲の追肥(穂肥)に利用した場合の収量及び米の食味に最も影響を与える玄米蛋白質含有の分布グラフを図7ないし図10に示す。図7は、運転者が稲の生育状態を観察して施肥量を調節しながら追肥した稲収量の分布、図8は、一定の施肥量で追肥した稲収量の分布、図9は、運転者が稲の生育状態を観察して施肥量を調節しながら追肥した玄米蛋白質含量の分布、図10は、一定の施肥量で追肥した玄米蛋白質含量の分布、をそれぞれ示している。これらのグラフから、運転者が作物の生育状況を観察しながら追肥の施肥量を調節することにより、稲の収量や品質のばらつきを減らすことができたことが分かる。なお、第二実施例の作物生育センサー又は土壌砕土状態センサー17を設けて自動制御した場合においても、同様の結果が得られる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明の施肥播種機によれば、肥料や種子の繰出し量を設定する第一の繰出し量調節機構と、この第一の繰出し量調節機構により設定した肥料や種子の繰出し量に対し所定の割合で肥料や種子の繰出し量を増減可能とする第二の繰出し量調節機構を設けたので、以下の効果を奏することができる。
【0014】第一の繰出し量調節機構により繰出し量を設定し、第二の繰出し量調節機構により、繰出し部を駆動するモータの回転数を変えたり、動力伝達系の途中に設けられた無段変速機の設定を変えたりすることにより、実繰出し量を設定繰出し量に対して所定の割合で作業中に増減させることができる。そのため、設定繰出し量に対し、どのくらいの割合で施肥量や播種量を増減させているかを確認しながら作業することができる。また、必要な時には簡単に設定繰出し量に合わせることができる。
【0015】これにより、圃場の地力のばらつきや作物の生育状態のばらつきに対応して施肥量を変更したり、圃場の砕土状態や高低差によって播種量を変更したりする場合に、設定値に対して何割増減させているかが作業中に分かるようになり、それらの作業を正確に行うことができるようになる。また、センサーを設けて自動制御することもできる。
【出願人】 【識別番号】000195568
【氏名又は名称】生物系特定産業技術研究推進機構
【出願日】 平成11年3月1日(1999.3.1)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2000−245215(P2000−245215A)
【公開日】 平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願番号】 特願平11−53142