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【発明の名称】 田植機の苗のせ台構造
【発明者】 【氏名】上田 吉弘

【氏名】廣瀬 綾

【氏名】黒岩 良三

【氏名】西尾 恒雄

【要約】 【課題】ロール状に巻かれたマット状の苗を使用する田植機の苗のせ台構造において、ロール状に巻かれたマット状の苗の苗のせ面への載置が楽に行えるようにする。

【解決手段】ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯部分18を回転自在に支持する支持アーム35を、苗のせ台12の左右方向に沿って仕切り部12bに片持ち状に支持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の苗のせ面と、隣接する前記苗のせ面の間に位置して前記苗のせ面を仕切る仕切る部とを備えると共に、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を回転自在に支持する支持アームを、苗のせ台の左右方向に沿って前記仕切り部に片持ち状に支持してある田植機の苗のせ台構造。
【請求項2】 複数の苗のせ面と、隣接する前記苗のせ面の間に位置して前記苗のせ面を仕切る仕切る部とを備えると共に、支持基部材を苗のせ台の左右方向に沿う横軸芯周りに上下揺動自在に前記仕切り部に備え、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を回転自在に支持する支持アームを、苗のせ台の左右方向に沿って前記支持基部材の揺動端側部分に片持ち状に支持してある田植機の苗のせ台構造。
【請求項3】 前記支持アームを苗のせ台の左右方向の右向き及び左向きに姿勢変更自在に構成してある請求項1又は2記載の田植機の苗のせ台構造。
【請求項4】 ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の前記支持アームへの挿入を許す許容姿勢、及び、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の前記支持アームからの抜けを阻止する阻止姿勢に変更自在な抜け止め部材を備えてある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の田植機の苗のせ台構造。
【請求項5】 前記支持アームを前記複数の苗のせ面の各々に配置し、隣接する苗のせ面の前記支持アームの位置を、苗のせ台の苗送り方向に沿って異なるものに設定してある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の田植機の苗のせ台構造。
【請求項6】 前記支持アームを苗のせ台の左右方向に沿った第1姿勢、及び機体前後方向に沿った後向きの第2姿勢に姿勢変更自在に構成してある請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の田植機の苗のせ台構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機における苗のせ台の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な田植機では、長方形状のマット状の苗(例えば縦600ミリ、横300ミリ程度)を、苗のせ台の一つの苗のせ面に複数枚連ねて載置しており、植付機構により苗のせ台の下部の苗取り出し口から苗が取り出され田面に植え付けられる。この田植機では苗のせ面の苗が消費されると、苗のせ面にマット状の苗を補給する必要があり、マット状の苗の補給は頻繁に行わなければならないので、長いマット状の苗をロール状に巻いて苗のせ面に載置できるように構成して、苗のせ面への苗の補給回数を少なくするように構成することが提案されている。
【0003】この場合、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の左右両端部を、苗のせ面の左右両側に位置する仕切り部に設けられた支持部に支持し、ロール状に巻かれたマット状の苗を苗のせ面に回転自在に載置して、植付機構により苗のせ台の下部の苗取り出し口から苗が取り出され田面に植え付けられるのに伴い、ロール状に巻かれたマット状の苗が回転しながら繰り出され、苗取り出し口に送られるように構成されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の構造であると、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の左右両端部が仕切り部の支持部に支持され、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の左右両端部が両持ち状に支持されている。
【0005】これによって、ロール状に巻かれたマット状の苗を苗のせ面に載置する場合、ロール状に巻かれたマット状の苗を仕切り部の支持部よりも高い位置に持ち上げて、次にロール状に巻かれたマット状の苗を仕切り部の支持部に向けて降ろしながら、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の左右両端部を仕切り部の支持部に支持させると言う操作を行わなければならない。ロール状に巻かれたマット状の苗は重量が重いので、前述のように仕切り部の支持部よりも高い位置に持ち上げると言うような操作は、作業者にとって負担が大きなものになっている。本発明は、ロール状に巻かれたマット状の苗を使用する田植機の苗のせ台構造において、ロール状に巻かれたマット状の苗の苗のせ面への載置が、楽に行えるように構成することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】[I]請求項1の特徴によると、複数の苗のせ面及び隣接する苗のせ面の間に位置して苗のせ面を仕切る仕切る部を備えた苗のせ台において、支持アームが苗のせ台の左右方向に沿って仕切り部に片持ち状に支持されている。これにより、ロール状に巻かれたマット状の苗を、支持アームと略同じ高さに位置させ、支持アームの非支持部側(仕切り部に支持された側とは反対側)に位置させた状態で横に移動させることにより、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を支持アームに挿入することができるのであり、ロール状に巻かれたマット状の苗を、支持アームにより苗のせ面に回転自在に載置することができる。従って、ロール状に巻かれたマット状の苗を苗のせ面に載置する場合、ロール状に巻かれたマット状の苗を、一度高い位置に持ち上げてから苗のせ面に向けて降ろしながら、苗のせ面に載置すると言うような操作を行わなくてもよい。
【0007】[II]請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項2の特徴によると、支持アームが支持基部材を介して仕切り部に片持ち状に支持されており、支持基部材が苗のせ台の左右方向に沿う横軸芯周りに上下揺動自在に仕切り部に支持されている。これにより、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を支持アームに挿入する際、挿入が行い易いように(例えば挿入の際に隣の仕切り部が邪魔にならないように)、支持基部材を介して支持アームを上方に持ち上げることができる。植付作業に伴って支持アームに回転自在に支持されたロール状に巻かれたマット状の苗の外径が小さくなっていくと、これに伴い支持基部材を介して支持アームが下方に揺動して、ロール状に巻かれたマット状の苗からの苗の繰り出しが支障なく行われる。
【0008】[III]請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項3の特徴によると、支持アームが苗のせ台の左右方向の右向き及び左向きに姿勢変更自在に構成されているので、支持アームを苗のせ台の左右方向の右向きに設定すれば、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を、右側から支持アームに挿入することができるのであり、支持アームを苗のせ台の左右方向の左向きに設定すれば、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を、左側から支持アームに挿入することができる。これにより、植付作業の状態や機体と畦との位置関係等により、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の挿入が行い易い向きに、支持アームを設定することが可能になる。
【0009】[IV]請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を支持アームに回転自在に支持させてから、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の支持アームからの抜けを阻止する阻止姿勢に、抜け止め部材を設定しておけば、植付作業に伴ってロール状に巻かれたマット状の苗が回転しながら繰り出される際、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分が支持アームから抜けることはなく、ロール状に巻かれたマット状の苗が安定して回転しながら繰り出される。
【0010】[V]請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[IV]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。苗のせ台において複数の苗のせ面の各々に支持部材を、苗のせ台の左右方向に沿って並べて配置すると、一つの支持アームにロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を挿入する際、この支持アームと同じ位置に隣の苗のせ面の支持アームが位置していれば、隣の苗のせ面の支持アームにロール状に巻かれたマット状の苗が干渉して、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を支持アームにうまく挿入できないことがある。
【0011】請求項5の特徴によると、隣接する苗のせ面の支持アームの位置が苗のせ台の苗送り方向に沿って異なるように設定されているので、前述のように一つの支持アームにロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を挿入する際、隣の苗のせ面の支持アームが苗のせ台の苗送り方向に沿って異なる位置に配置されており、隣の苗のせ面の支持アームにロール状に巻かれたマット状の苗が干渉するようなことは少ない。
【0012】[VI]請求項6の特徴によると、請求項1〜5のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[V]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項6の特徴によると、支持アームが苗のせ台の左右方向に沿った第1姿勢及び機体前後方向に沿った後向きの第2姿勢に姿勢変更自在に構成されている。これにより、支持アームの第1姿勢において苗のせ台の左右方向の右側(又は左側)から、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を支持アームに挿入し難い場合、支持アームを機体前後方向に沿った後向きの第2姿勢に設定すれば、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を、後側から支障なく支持アームに挿入することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に示すように、前輪1及び後輪2で支持された機体の前部に、エンジン3及びミッションケース4が備えられて、機体の中央部に運転部5が形成されており、機体の後部にリンク機構6を介して苗植付装置7が昇降操作自在に連結されて、乗用型の田植機が構成されている。苗植付装置7は植付伝動ケース8、植付伝動ケース8の左右両側に回転駆動自在に支持された回転ケース9、回転ケース9の両端に支持された一対の植付爪10、接地フロート11及び苗Nを載置する苗のせ台12等により構成されている。これにより、苗のせ台12が所定のストローク(苗のせ面12a(図3参照)の横幅に対応するストローク)で、苗のせ台12の左右方向に往復横送り駆動されるのに伴って、苗のせ台12の下部の苗取り出し口20a(図2参照)から、一対の植付爪10が交互に苗Nを取り出して田面に植え付ける。
【0014】次に、乗用型の田植機に装備された施肥装置の構成について説明する。図1に示すように、肥料を貯留する透明樹脂製の肥料ホッパー13、及び肥料ホッパー13から肥料を繰り出す繰り出し部14が、機体の後部に支持されている。植付爪10によって植え付けられた苗Nの横側部に、溝を形成しながら肥料を田面に送り込んでいく作溝器15が接地フロート11に支持されて、繰り出し部14と作溝器15とがホース16によって接続されており、搬送風をホース16に供給するブロア17が備えられている。これにより、肥料ホッパー13の肥料が繰り出し部14からホース16に繰り出されると、ブロア17の搬送風により肥料がホース16を通って作溝器15に供給され、作溝器15により田面に形成された溝に肥料が送り込まれる。
【0015】次に、ロール状に巻かれたマット状の苗Nについて説明する。図3に示すように、不織布に種籾を播き水耕栽培により発芽させて、長いマット状の苗Nを作る(例えば幅300ミリ、長さ6メートル)。次に樹脂製のパイプ状の芯材18に1枚の長いマット状の苗Nを巻き付けて、ロール状に巻かれたマット状の苗Nが開かないように、面ファスナー19a(商品名、マジックテープ)を備えたシート19を苗Nに巻き付けて留める。これにより、ロール状に巻かれたマット状の苗Nを持ち運ぶことができる。
【0016】次に、苗のせ台12の構造について説明する。図2及び図3に示すように、苗のせ台12は複数の苗のせ面12aと、隣接する苗のせ面12aの間に位置して苗のせ面12aを仕切る縦壁状の仕切り部12bとを備えて構成され、ガイドレール20に沿って横移動自在に苗のせ台12が支持されており、苗のせ面12aの各々に対応した苗取り出し口20aがガイドレール20に形成されている。
【0017】図2に示すように、苗のせ面12aの各々に左右一対の縦送り機構21が備えられている。縦送り機構21は駆動プーリー22及び従動プーリー23に、突起付きの縦送りベルト24が巻回されて構成されており、苗のせ面12aの開孔から縦送りベルト24が露出するように配置されている。図1に示すように、苗残量センサー25が仕切り部12bの内部に備えられ、縦送りベルト24の上下範囲の中間付近で、苗のせ面12aに突出するように配置されており、苗残量センサー25が苗Nに接触しているか否かによって、苗Nがまだ在るか、苗残量センサー25の位置よりも苗Nが少なくなったかが検出される。図2に示すように、縦送り機構21によって苗Nが苗取り出し口20aに送られる際、苗Nの浮き上がりを止める苗ステー26が、苗のせ面12aの各々の下部に配置されている。
【0018】次に、ロール状に巻かれたマット状の苗Nにおいて、苗のせ面12aでの支持構造について説明する。図2及び図3に示すように苗のせ台12において、仕切り部12bの各々の上部に支持板27が固定されて、支持板27の各々に亘り補強フレーム28が連結されており、後述するようにロール状に巻かれたマット状の苗Nを回転自在に支持する支持部材29が、支持板27に支持されるように構成されている。
【0019】ロール状に巻かれたマット状の苗Nを回転自在に支持する支持部材29は、次のように構成されている。図3及び図4に示すように、横向きの第1支持基部材31に支持ピン33aを備えたアーム33が左右一対固定され、第1支持基部材31の一端に縦向きの第2支持基部材32が固定されている。第2支持基部材32の揺動端側部分に円板部材34が固定され、円板部材34に3本の丸パイプ状の支持アーム35が、第1支持基部材31と平行に三角状に配置されて固定されており、支持アーム35の端部に三角板部材36が固定されている。
【0020】図4及び図5に示すように、板状の抜け止め部材37に支持ロッド37a及び位置決めピン37bが固定され、三角板部材36の開孔に支持ロッド37aが挿入されて、抜け止め部材37が三角板部材36に図4の紙面左右方向にスライド操作自在及び回転操作自在に支持されており、抜け止め部材37を三角板部材36側に付勢する圧縮バネ38が、支持ロッド37aに取り付けられている。これにより、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18の支持アーム35への挿入を許す許容姿勢(図5の二点鎖線参照)、及びロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18の支持アーム35からの抜けを阻止する阻止姿勢(図5の実線参照)に、抜け止め部材37を変更操作することができる。
【0021】以上の構造により図2及び図3に示すように、例えば支持アーム35の端部を苗のせ台12の左右方向の右向きに設定した状態で、支持ピン33aを支持板27の切欠部27aに上側から挿入する。これにより、一つの苗のせ面12aに一つの支持部材29が、支持ピン33a周りに(苗のせ台12の左右方向に沿う横軸芯P1)周りに、自由に上下揺動自在な状態で設置され、支持アーム35が縦送り機構21の上方に位置する。
【0022】次にロール状に巻かれたマット状の苗Nを支持部材29に支持させる場合、支持部材29において抜け止め部材37を、図4の紙面右方に圧縮バネ38に抗して抜き出し回転操作して、図5の二点鎖線に示すように、抜け止め部材37の位置決めピン37bを三角板部材36の一対の位置決め孔36bの一方に挿入し、抜け止め部材37を許容姿勢に設定する。支持ピン33a(苗のせ台12の左右方向に沿う横軸芯P1)周りに支持部材29を上方に少し持ち上げ、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18を、図3に示すように苗のせ台12の左右方向の右側から支持アーム35に挿入し、抜け止め部材37を図4の紙面右方に圧縮バネ38に抗して抜き出し回転操作して、図4及び図5の実線に示すように、抜け止め部材37の位置決めピン37bを三角板部材36の位置決め孔36aに挿入し、抜け止め部材37を阻止姿勢に設定する。
【0023】これにより図4及び図5に示すように、芯材18の内面が3本の支持アーム35により回転自在に支持されて、ロール状に巻かれたマット状の苗Nが回転自在に支持されるのであり、阻止姿勢の抜け止め部材37が芯材18の縁部に接当して、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18の支持アーム35からの抜けが阻止される。次にロール状に巻かれたマット状の苗Nを留めているシート19を外し、ロール状に巻かれたマット状の苗Nを回転させながら、苗Nの先端部を引き出してガイドレール20(苗取り出し口20a)に位置させ、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの苗のせ面12aへの載置を終了する。
【0024】以上のようにロール状に巻かれたマット状の苗Nを苗のせ面12aに載置した後に植付作業を開始すると、苗のせ台12が所定のストローク(苗のせ面12a(図3参照)の横幅に対応するストローク)で、苗のせ台12の左右方向に往復横送り駆動されるのに伴って、苗取り出し口20a(図2参照)から、一対の植付爪10が交互に苗Nを取り出して田面に植え付けていくのであり、苗のせ台12が往復横送り駆動のストロークエンドに達すると、縦送り機構21により苗Nが所定量だけ苗取り出し口20aに送られる。
【0025】この場合、図2に示すように支持アーム35に回転自在に支持されたロール状に巻かれたマット状の苗Nが、一対の縦送り機構21に乗っている点により、前述のように縦送り機構21により苗Nが所定量だけ苗取り出し口20aに送られるのに伴い、ロール状に巻かれたマット状の苗Nが支持アーム35周りに回転させられ、苗Nが繰り出されて苗取り出し口20aに送られるのであり、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの外径が小さくなっていくのに伴って、第2支持基部材32及び支持アーム35が、支持ピン33a(苗のせ台12の左右方向に沿う横軸芯P1)周りに下方に揺動していく。植付作業に伴い苗Nが消費され、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの後端部が芯材18(支持アーム35)から外れて、図1に示す苗残量センサー25の位置に達すると、苗Nによって仕切り部12bに押し込まれていた苗残量センサー25が苗のせ面12aに突出して、警報が発せられる。これにより、作業者は前述のようにして、ロール状に巻かれたマット状の苗Nを苗のせ面12aに載置する。
【0026】図3に示す状態では、支持アーム35の端部を苗のせ台12の左右方向の右向きに設定した状態で、支持部材29を苗のせ面12aに設置している。これに対して、支持ピン33aを支持板27の切欠部27aから上方に抜いて、支持部材29を上下反転させ、支持アーム35の端部を苗のせ台12の左右方向の左向きに設定した状態で、支持ピン33aを支持板27の切欠部27aに上側から挿入して、支持部材29を苗のせ面12aに設置すれば、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18を、苗のせ台12の左右方向の左側から支持アーム35に挿入することができる。このように複数の苗のせ面12aに支持部材29を設置する場合、支持部材29の支持アーム35を、苗のせ台12の左右方向の所望の向きに設定することができる。
【0027】ロール状に巻かれたマット状の苗Nを使用せずに、長方形状のマット状の苗Nを使用する場合には、支持部材29を苗のせ面12aから取り外し、図2に示す苗ステー26を通常の苗ステー(図示せず)(苗取り出し口20aの位置から支持板27の付近までの長さを持つもの)に交換すればよい。これにより、一つの苗のせ面12aに長方形状のマット状の苗Nを、複数枚連ねて載置することにより、植付作業を行うことができる。
【0028】[発明の実施の第1別形態]図6及び図7に示すように支持部材29において、第1支持基部材31に最も近い支持アーム35の先端部35aを突出させ、仕切り部12bに補助支持部材30を固定しておいてもよい。これにより、支持ピン33a(苗のせ台12の左右方向に沿う横軸芯P1)周りに支持部材29を大きく上方に持ち上げて、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18を支持アーム35に挿入した後、支持部材を29を下方に揺動させて、ロール状に巻かれたマット状の苗Nを苗のせ面12aに載置すると、支持アーム35の先端部35aが補助支持部材30の上面に乗る。この場合、支持ピン33a(苗のせ台12の左右方向に沿う横軸芯P1)周りに支持部材29が上下揺動する際、支持アーム35の先端部35aが描く円弧軌跡に沿うように、補助支持部材30の上面が形成されており、植付作業時にロール状に巻かれたマット状の苗Nが、第2支持基部材32及び補助支持部材30により両持ち状に支持される。
【0029】補助支持部材30を図6に示す作用姿勢、及び仕切り部12bに沿った上向き(又は下向き)の格納姿勢に姿勢変更自在に構成してもよい。これにより、補助支持部材30を仕切り部12bに沿った上向き(又は下向き)の格納姿勢に変更することによって、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18を支持アーム35に挿入する際に、補助支持部材30が邪魔にならない。
【0030】[発明の実施の第2別形態]図8に示すように支持部材29において、第2支持基部材32の横側面部に伸縮自在なスタンド39を、図8の実線に示す位置を中心として第2支持基部材32の横軸芯P2周りに約180°の範囲で揺動操作できるように取り付けてもよい。これにより、図8に示すように支持ピン33a(苗のせ台12の左右方向に沿う横軸芯P1)周りに支持部材29を上方に持ち上げて、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18を支持アーム35に挿入する際、図8の実線に示すようにスタンド39を下に向け、延ばして仕切り部12bに接地させることにより、支持部材29を上方に持ち上げた状態に保持しておくことができる。図8に示す状態から支持部材29を上下反転させて苗のせ面12aに設置した場合には、図8の実線に示す状態とは逆向きにスタンド39を向けて延ばせば、仕切り部12bにスタンド39を接地させることができる。以上のようにして、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの苗のせ面12aへの載置が終了すると、スタンド39を図8の二点鎖線に示す位置に戻して保持しておく。
【0031】[発明の実施の第3別形態]図9に示すように、仕切り部12bに固定される支持板27を、苗のせ台12の苗送り方向に沿って異なる位置(ずらした位置)に配置して、支持部材29を苗のせ面12aの各々に設置した場合、支持アーム35の位置が苗のせ台12の苗送り方向に沿って異なる位置(ずらした位置)になるように構成してもよい。このように構成した場合、図9に示すように複数のロール状に巻かれたマット状の苗Nを支持可能な台車40を備える。台車40はキャスター車輪40aにより移動自在に構成されており、複数のロール状に巻かれたマット状の苗Nを、横向き(芯材18が苗のせ台12の左右方向に沿う向き)で、前後に位置をずらして支持可能な支持部40bを備えている。
【0032】これにより図9に示すように、ロール状に巻かれたマット状の苗Nを支持部材29の間に位置させて、苗のせ台12の左右方向に沿って台車40を移動させることにより、隣の支持部材29(支持アーム35)に邪魔されることなく、複数のロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18を一度に支持アーム35に挿入することができる。
【0033】[発明の実施の第4別形態]図10に示すように支持部材29において、第2支持基部材32の軸芯P3周りに支持アーム35を、苗のせ台12の左右方向に沿った第1姿勢(図9及び図3参照)、及び機体前後方向に沿った後向きの第2姿勢(図10の実線参照)に揺動及び固定自在に構成してもよい。このように構成した場合、複数のロール状に巻かれたマット状の苗Nを支持可能な台車(図示せず)を備える。台車はキャスター車輪により移動自在に構成されており、複数のロール状に巻かれたマット状の苗Nを、縦向き(芯材18が機体前後方向に沿う向き)に支持可能な支持部を備えている。
【0034】これにより、図10に示すように支持アーム35を機体前後方向に沿った後向きの第2姿勢に固定し、支持部材29を支持ピン33a(苗のせ台12の左右方向に沿う横軸芯P1)周りに少し持ち上げて、支持アーム35を略水平に設定する。次に、台車を苗のせ台12の後側から苗のせ台12側に移動させることにより、複数のロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18を一度に支持アーム35に挿入し、支持アーム35を苗のせ台12の左右方向に沿った第1姿勢(図9及び図3参照)に戻して固定する。
【0035】[発明の実施の第5別形態]図11に示すように、芯材18に把手部18aを設けて、把手部18aを持つことにより、ロール状に巻かれたマット状の苗Nを容易に持ち運ぶことができるように構成してもよい。この場合、図11及び図12に示すように、芯材18の縁部から少し内側に入った部分に、丸棒状の把手部18aを直径方向に架け渡すように固定し、把手部18aから少し内側に入った部分に、リング状のフランジ部18bを固定する。支持部材29においては、図4に示す支持アーム35よりも少し短い支持アーム35とする。
【0036】これにより、図12に示すようにロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18を、把手部18aの反対側から支持アーム35に挿入すると、許容姿勢の抜け止め部材37が把手部18aとフランジ部18bとの間に位置するのであり、抜け止め部材37を阻止姿勢に設定し、抜け止め部材37をフランジ部18bに接当させて、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18の支持アーム35からの抜けを阻止する。
【0037】図11及び図12に示すように芯材18に把手部18aを設けると、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18は、把手部18aの反対側からしか支持アーム35に挿入することができない。これにより、把手部18aを備えた芯材18に1枚の長いマット状の苗Nを巻き付ける際に、巻き付ける方向を一定の向きに決めておき(図2参照)、支持部材29を苗のせ面12aに設置する際に、支持アーム35における苗のせ台12の左右方向に沿う向きも一定の向きに決めておけば、ロール状に巻かれたマット状の苗Nの芯材18を、把手部18aの反対側から支持アーム35に挿入した場合、間違いなく苗Nが苗取り出し口20aに繰り出される向きに設定される。
【0038】
【発明の効果】請求項1の特徴によると、ロール状に巻かれたマット状の苗を使用する田植機の苗のせ台構造において、支持アームの非支持部側(仕切り部に支持された側とは反対側)に位置させた状態で、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を横に移動させることにより、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を楽に支持アームに挿入することができるようになって、ロール状に巻かれたマット状の苗の苗のせ面への載置の作業性を向上させることができた。
【0039】請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項2の特徴によると、支持アームを備えた支持基部材が苗のせ台の左右方向に沿う横軸芯周りに上下揺動自在に仕切り部に支持されており、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の支持アームへの挿入がさらに行い易くなって、ロール状に巻かれたマット状の苗の苗のせ面への載置の作業性をさらに向上させることができた。請求項2の特徴によると、植付作業に伴って支持アームに回転自在に支持されたロール状に巻かれたマット状の苗の外径が小さくなっていくと、これに伴い支持基部材を介して支持アームが下方に揺動し、ロール状に巻かれたマット状の苗からの苗の繰り出しが支障なく行われるようになるので、植付性能の向上と言う面で有利なものとなった。
【0040】請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前述の請求項1又は2の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項3の特徴によると、植付作業の状態や機体と畦との位置関係等により、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の挿入が行い易い向きに、支持アームを設定することが可能になるので、ロール状に巻かれたマット状の苗の苗のせ面への載置の作業性をさらに向上させることができた。
【0041】請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜3の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項4の特徴によると、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分の支持アームからの抜けを阻止する抜け止め部材を備えているので、植付作業に伴ってロール状に巻かれたマット状の苗が回転しながら繰り出される際、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分が支持アームから抜けることはなく、ロール状に巻かれたマット状の苗が安定して回転しながら繰り出されるようになって、植付性能の向上と言う面で有利なものとなった。
【0042】請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜4の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項5の特徴によると、隣接する苗のせ面の支持アームの位置が苗のせ台の苗送り方向に沿って異なるように設定されているので、隣の苗のせ面の支持アームの干渉を受けること少なく、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を支持アームに挿入することができるようになって、ロール状に巻かれたマット状の苗の苗のせ面への載置の作業性をさらに向上させることができた。
【0043】請求項6の特徴によると、請求項1〜5のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜5の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項6の特徴によると、支持アームが苗のせ台の左右方向に沿った第1姿勢及び機体前後方向に沿った後向きの第2姿勢に姿勢変更自在に構成されているので、苗のせ台の左右方向の右側(又は左側)からロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を支持アームに挿入し難い場合、支持アームを機体前後方向に沿った後向きの第2姿勢に設定することにより、ロール状に巻かれたマット状の苗の芯部分を後側から支障なく支持アームに挿入することができるようになって、ロール状に巻かれたマット状の苗の苗のせ面への載置の作業性をさらに向上させることができた。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年3月3日(1999.3.3)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−245213(P2000−245213A)
【公開日】 平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願番号】 特願平11−55430