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【発明の名称】 農作業機
【発明者】 【氏名】安田 真

【氏名】吉田 和正

【氏名】北井 浩昭

【氏名】藤井 健二

【氏名】古市 正和

【要約】 【課題】後輪用の車軸ケースの耐久性を高めることができる農作業機を提供する。

【解決手段】両端に後車輪2,2への減速伝動ケース13をそれぞれ後方下方向きに延設して備える車軸ケース10を、機体3に対して前後軸芯Y周りでローリング揺動自在に設けた農作業機であって、前記車軸ケース10における前記前後軸芯Yの左右両横脇位置の上面部に対して上方への揺動を規制するように接当する左右一対の接当部17を、前記車軸ケース10内の伝動軸12の軸芯よりも後側に位置する状態で前記機体3側に設けてある農作業機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両端に後車輪への減速伝動ケースをそれぞれ後方下方向きに延設して備える車軸ケースを、機体に対して前後軸芯周りでローリング揺動自在に設けた農作業機であって、前記車軸ケースにおける前記前後軸芯の左右両横脇位置の上面部に対して上方への揺動を規制するように接当する左右一対の接当部を、前記車軸ケース内の伝動軸の軸芯よりも後側に位置する状態で前記機体側に設けてある農作業機。
【請求項2】 前記接当部の配置位置を、前記後車輪における回転中心の上方近くに設定してある請求項1に記載の農作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用型田植機やトラクタ等の農作業機に関し、詳しくは、両端に後車輪への減速伝動ケースをそれぞれ後方下方向きに延設して備える車軸ケースを、機体に対して前後軸芯周りでローリング揺動自在に設けた農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の農作業機においては、図6に示すように、車軸ケース10のローリング限界を設定するために、車軸ケース10のローリング軸芯Yの左右両脇に位置する状態で機体側に固定されたストッパーSが、車軸ケース10の前側上面箇所10aに接当してその車軸ケース10が大きくローリングしないよう規制していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の農作業機は、車軸ケース10の前側上面箇所10aに接当することで車軸ケース10の不当なローリングを規制していたのであるが、そのローリングの規制によるストッパーSからの下向きの接当反力が車軸ケース10の前側上面箇所10aに作用するとともに、接地反力を受けて車軸ケース10における減速伝動ケース13の連結箇所に上向きの力が作用することで、それらの力が車軸ケース10が捩じられるように働くので、その捩じりにより車軸ケース10と減速伝動ケース13とのボルト締結箇所等が緩んでしまう等の不具合の発生する虞れがあって、車軸ケース10が不当に捩じれるようなことがないよう、耐久性を高めることが望まれていた。
【0004】本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、後輪用の車軸ケースの耐久性を高めることができる農作業機の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】(構成) 本発明の請求項1にかかる農作業機は、両端に後車輪への減速伝動ケースをそれぞれ後方下方向きに延設して備える後車軸ケースを、機体に対して前後軸芯周りでローリング揺動自在に設けた農作業機であって、前記車軸ケースにおける前記前後軸芯の左右両横脇位置の上面部に対して上方への揺動を規制するように接当する左右一対の接当部を、前記車軸ケース内の伝動軸の軸芯よりも後側に位置する状態で前記機体側に設けてあることを特徴構成とする。
【0006】(作用) 本発明の請求項1にかかる構成によれば、車軸ケースのローリングを規制するための接当部を、車軸ケース内に内装されている伝動軸の軸芯位置よりも後方側に位置する状態で機体側に設けていることによって、減速伝動ケースから車軸ケースに作用する力と逆に接当部から車軸ケースに作用する力とがほぼ上下で逆向き作用する圧縮力として車軸ケースに働くので、従来のように車軸ケースに捩じれが生じるような回転力を発生させる不具合を抑制するものとなっている。
【0007】(効果) 従って、本発明の請求項1にかかる構成によれば、従来のように車軸ケースに回転力が発生してその車軸ケースを強く捩じるようなことが抑制されるものとなっているから、減速伝動ケースと車軸ケースとの連結が緩んだり車軸ケースにひびが入る等の破損が生じにくくなって、特に強度アップを特別図ることなく、車軸ケースの耐久性を高めることができる。
【0008】(構成) 本発明の請求項2にかかる農作業機は、請求項1に記載のものにおいて、前記接当部の配置位置を、前記後車輪における回転中心の上方近くに設定してあることを特徴構成とする。
【0009】(作用) 本発明の請求項2にかかる構成によれば、接当部の配置位置を後車輪における回転中心の上方近くに設定していることによって、接当部による車軸ケースへの接当位置と、後車輪が地面から受ける上向きの反力の作用する位置とが前後方向で近いものとなるので、車軸ケースに対する捩じり力の発生がより一層小さいものとなる。
【0010】(効果) 従って、本発明の請求項2にかかる構成によれば、車軸ケースに発生する捩じり力をより一層小さいものにできることによって、車軸ケースに対する螺子締結の緩みの発生や車軸ケースの破損等の不具合の発生を一層抑制できるものとなっている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、農作業機の一例としての6条植え用の乗用型田植機を示している。この乗用型田植機は、左右一対の前車輪1,1及び後車輪2,2によって走行可能に支持される機体としての機体フレーム3の前側にエンジン4を配備し、該エンジン4からの動力を変速する変速装置5、搭乗運転部6等を搭載装備し、機体フレーム3の後端部に、リンク機構7及び油圧シリンダ8により苗植付装置9を昇降自在に装着して構成している。
【0012】図3に示すように、前記変速装置5からの動力が車軸ケース10のデファレンシャルギア装置11に入力されるように構成し、このデファレンシャルギア装置11から左右に伝動軸としての車軸12,12を延出するとともに、該車軸ケース10の両端部に、後方下方向きに延設される状態で減速伝動ケース13,13をそれぞれ設けている。そして、この減速伝動ケース13,13の下端部に各後車輪2,2を連結支持する支軸14,14を設け、前記車軸12,12からの動力で各後車輪2,2が駆動されるようにしている。
【0013】図2乃至図5に示すように、車軸ケース10は、機体フレーム3に対して前後軸芯Y周りでローリング揺動自在に設けている。すなわち、機体フレーム3にボルト連結された前後一対の板金製のブラケット15,16には、車軸ケース10の左右方向での中心箇所で前方並びに後方にそれぞれ突出形成した円柱部10f,10rを外嵌して保持する嵌合ボス部を備えている。さらに、後側のブラケット16には、側面視矩形状の板金材製の接当部17,17を前記前後軸芯Yの左右両側にそれぞれ配置された状態で、かつ前方に突出する片持ち状態で溶接してある。この接当部17,17の下縁はローリング揺動する車軸ケース10の上面が接当するようにしてあるのであって、車軸ケース10が水平姿勢のときには、各接当部17,17と車軸ケース10の上面とが所定間隔(車軸ケース10のローリング範囲に相当)離れた状態となるように設定している。尚、車軸ケース10側の接当部17,17との当たり箇所18,18は、それぞれ膨出形成しており、車軸ケース10の補強構造としても機能している。さらに、図3に示すように、接当部17,17の位置は前後方向においては、前記後車輪2,2の支軸14位置のほぼ上方に位置するように設定している。
【0014】上記構成により、作業走行時において、後車輪2,2の地面との接触位置に対応して相対的に機体フレーム3との関係において車軸ケース10がローリング揺動したときに、そのローリング限界に達すると、前記接当部17,17の一方つまり車軸ケース10において上昇した側の接当部17の下縁と車軸ケース10の上面とが接当してそれ以上のローリング揺動が規制されることになる。そして、そのようにローリング規制されるときにおいて、車軸ケース10の上面の接当位置が、前後方向において、車軸ケース10における車軸12,12の軸芯よりも後方となる後端箇所であって、さらに後車輪2の支軸14近く(平面視での前後方向において)であるから、地面からの反力による上方への力の作用と、接当部17からの反力とが前後方向でほぼ同じ位置となるから車軸ケース10に対しては圧縮力として作用するので、車軸ケース10に不当に捩じり力が大きく働くことは抑制されている。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年3月1日(1999.3.1)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−245212(P2000−245212A)
【公開日】 平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願番号】 特願平11−52576