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【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】福▲高▼ 恭史

【要約】 【課題】圃場の傾斜状態に拘わらず一定の植え付け精度(植付け姿勢、植付け深さ)確保できるようにする。

【解決手段】前輪支持アーム25が伸縮自在に構成され、走行機体2Aの前後方向における上下の傾斜角度を検出する傾斜検出手段107が設けられ、走行機体2Aが水平状態を維持するように、傾斜検出手段107で感知した傾斜角度に応じてアーム伸縮装置30を制御すると共に、前輪支持アーム25が伸縮に拘わらず植付手段13の高さを一定に保持するように機体昇降装置31を制御する制御手段111が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体(2A)に前輪支持アーム(25)を介して支持された前輪(10)と、後輪(11)とを備えると共に、走行機体(2A)の後部側に植付手段(13)を備え、前輪(10)と後輪(11)とにより走行機体(2A)を支持し、前輪(10)及び後輪(11)を走行機体(2A)に対して相対的に昇降することにより走行機体(2A)を昇降する機体昇降装置(31)が設けられた移植機において、前記前輪支持アーム(25)が伸縮自在に構成され、走行機体(2A)の前後方向における上下の傾斜角度を検出する傾斜検出手段(107)が設けられ、走行機体(2A)が水平状態を維持するように、傾斜検出手段(107)で感知した傾斜角度に応じてアーム伸縮装置(30)を制御すると共に、前輪支持アーム(25)が伸縮に拘わらず植付手段(13)の高さを一定に保持するように機体昇降装置(31)を制御する制御手段(111)が設けられていることを特徴とする移植機。
【請求項2】 走行装置と昇降動作する植付手段(13)とが駆動装置(8)に連動連結され、駆動装置(8)と植付手段(13)との連動を断接する電磁クラッチ(72)が設けられ、走行機体(2A)の傾斜に拘わらず所定の株間が得られるように、圃場の傾斜角度に応じて、上り傾斜では電磁ラッチ(72)の切断時間を長くすると共に下り傾斜では電磁ラッチ(72)の切断時間を短くするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【請求項3】 走行装置と昇降動作する植付手段(13)とが駆動装置(8)に連動連結され、駆動装置(8)と植付手段(13)との連動を断接する電磁クラッチ(72)が設けられ、駆動車輪のトルクを検出するトルクセンサ(123)が設けられ、トルクセンサ(123)により検出したトルクの大きさに応じて、トルクが大であれば電磁ラッチ(72)の切断時間を長くすると共に、トルクが小であれば電磁ラッチ(72)の切断時間を短くするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【請求項4】 圃場条件を複数段階に設定できる圃場条件モードスイッチ(121)が設けられ、圃場条件モードスイッチ(121)により設定した圃場条件での走行機体(2A)のスリップ率を考慮して、走行機体(2A)の傾斜に拘わらず所定の株間が得られるように、圃場の傾斜角度に応じて、上り傾斜では電磁ラッチ(72)の切断時間を長くすると共に下り傾斜では電磁ラッチ(72)の切断時間を短くするようにしたことを特徴とする請求項2又は3に記載の移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行しながら野菜等の苗を圃場の畝に移植する移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、移植機として、走行機体に前輪支持アームを介して支持された前輪と,後輪とを備え、前輪と後輪とにより走行機体を支持し、走行機体の後部側に植付手段を備え、前輪及び後輪を走行機体に対して相対的に昇降することにより走行機体を昇降する機体昇降装置が設けられ、畝を跨いで畝長手方向に走行しながら苗を移植するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の移植機では、平坦地では、走行機体が水平状態になって植付手段により苗を植え付けることになるが、傾斜地では、例えば登り傾斜の場合、走行機体が前上がりに傾斜しこれに伴い植付手段も後傾し、また下り傾斜の場合、走行機体が後上がりに傾斜しこれに伴い植付手段13も前傾する。このため、傾斜地では、植付手段13が前・後傾するために、平坦地と同様な植え付け精度(植付け姿勢、植付け深さ)が確保できなくなるという問題があった。
【0004】そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、圃場の傾斜状態に拘わらず一定の植え付け精度(植付け姿勢、植付け深さ)確保できるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を解決するための本発明の技術的段は、走行機体2Aに前輪支持アーム25を介して支持された前輪10と、後輪11とを備えると共に、走行機体2Aの後部側に植付手段13を備え、前輪10と後輪11とにより走行機体2Aを支持し、前輪10及び後輪11を走行機体2Aに対して相対的に昇降することにより走行機体2Aを昇降する機体昇降装置31が設けられた移植機において、前記前輪支持アーム25が伸縮自在に構成され、走行機体2Aの前後方向における上下の傾斜角度を検出する傾斜検出手段107が設けられ、走行機体2Aが水平状態を維持するように、傾斜検出手段107で感知した傾斜角度に応じてアーム伸縮装置30を制御すると共に、前輪支持アーム25が伸縮に拘わらず植付手段13の高さを一定に保持するように機体昇降装置31を制御する制御手段111が設けられている点にある。
【0006】また、本発明の他の技術的手段は、走行装置と昇降動作する植付手段13とが駆動装置8に連動連結され、駆動装置8と植付手段13との連動を断接する電磁クラッチ72が設けられ、走行機体2Aの傾斜に拘わらず所定の株間が得られるように、圃場の傾斜角度に応じて、上り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を長くすると共に下り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を短くするようにした点にある。また、本発明の他の技術的手段は、走行装置と昇降動作する植付手段13とが駆動装置8に連動連結され、駆動装置8と植付手段13との連動を断接する電磁クラッチ72が設けられ、駆動車輪のトルクを検出するトルクセンサ123が設けられ、トルクセンサ123により検出したトルクの大きさに応じて、トルクが大であれば電磁ラッチ72の切断時間を長くすると共に、トルクが小であれば電磁ラッチ72の切断時間を短くするようにした点にある。
【0007】また、本発明の他の技術的手段は、圃場条件を複数段階に設定できる圃場条件モードスイッチ121が設けられ、圃場条件モードスイッチ121により設定した圃場条件での走行機体2Aのスリップ率を考慮して、走行機体2Aの傾斜に拘わらず所定の株間が得られるように、圃場の傾斜角度に応じて、上り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を長くすると共に下り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を短くするようにした点にある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図11は本発明の一実施の形態を示し、図1〜4において、1は野菜等のソイルブロック苗を移植する移植機を示し、この移植機1は、走行体2の後方に移植装置3および操縦ハンドル4を有する歩行型であって、畝5を跨いでその長手方向に走行しながら、ソイルブロック苗Sを畝5に所定間隔をおいて自動的に植付けるものである。
【0009】なお、移植機1の進行方向を前後方向といい、進行方向に直交する横方向を左右方向という。走行体2は、ミッションケース6の前部に機体フレーム7を前方突出状に取付固定すると共に、この機体フレーム7上にエンジン8等を搭載して主構成されてなる走行機体2Aを備え、この走行機体2Aは、左右両側に備えた前輪10および後輪11によって走行可能に支持されている。移植装置3は、走行機体2の後部に装着された移植フレーム12に設けられており、苗Sを畝5に植付ける植付手段13と、この植付手段13に苗Sを供給する苗供給装置14と、植付けた苗の根本を覆土・鎮圧する覆土輪15と、畝5を被覆するマルチフィルムに植付用の穴を形成する穿孔手段16とを備えて主構成されている。
【0010】移植フレーム12は、前部がミッションケース6に取付固定された主フレーム12Aと、前部がミッションケース6に左右軸廻りに回動自在に枢着された可動フレーム12Bとから構成され、主フレーム12A上に苗供給装置14が設けられると共に、主フレーム12Aの後端部に操向ハンドル4が取付けられ、可動フレーム12Bに植付手段13、覆土輪15および穿孔手段16が支持されている。植付手段13は、揺動リンク機構によって前後移動しながら昇降するように支持されていてその軌跡の上部で苗Sが落下供給されると共に、下部にくちばし状の開閉自在なオープナを備えており、軌跡の下端側にて畝5に突入したときにオープナが前後に開き、畝5に植付穴を形成すると共に、該植付穴に植付手段13内に保持した苗Sを植付け得るようになっている。
【0011】苗供給装置14は、多数のソイルブロック苗を縦横に収容した苗トレイ17を縦横に間欠送りする苗トレイ送り装置18と、この苗トレイ送り装置18の前方側に配置されていて苗トレイ17から苗を一つずつ取出して植付手段13へと搬送する苗分送装置19とから構成されている。覆土輪15は、植付手段13後方に苗植付部分を挟むように左右一対配置され、畝5の上面を転動し、可動フレーム12Bの後部を支持すると共に、苗Sの根本部分の土を左右両側から押圧して土寄せと同時に鎮圧する。
【0012】穿孔手段16は、平行リンクによって植付手段13の揺動リンク機構に連動して昇降するように支持され、穿孔手段16が下降した際に、その下端部に設けた加熱体をマルチフィルムに押し当てることで、マルチフィルムに移植用の孔を形成するようになっている。機体フレーム7の前部には、バッテリ20を搭載する支持枠21が取付固定され、この支持枠21の下部には、左右方向の軸心を有する支持筒22が固定され、この支持筒22には左右一対の前輪支軸23の左右方向内端側が左右軸廻りに回動自在に挿通されおり、左右各前輪支軸23の左右方向外端側には取付筒24が外嵌されている。左右各取付筒24には前輪支持アーム25の上端側が連結固定され、各前輪支持アーム25の下端側に前輪10が車軸を介して左右軸廻りに回転自在に取付けられている。
【0013】前輪支持アーム25は油圧シリンダにより伸縮可能に構成されて、図5に示す油圧回路等を有するアーム伸縮装置30によって、後述する制御手段111の制御の下で、前輪支持アーム25を伸縮調整できるように構成されている。ミッションケース6の左右両側には、下部に後輪11を支持した伝動ケース29L,29Rが配置され、ミッションケース6に伝動ケース29L,29Rが左右移動自在で且つ車輪伝動軸28廻りに回動自在に支持されている。機体フレーム7の前後中間部には、左右方向に配置されたローリング軸33が軸受体34を介して左右軸廻りに回動自在で且つ前後移動自在に支持されている。このローリング軸33の左右方向中間部前方には、昇降シリンダ35が配置されて機体フレーム7に固定されている。この昇降シリンダ35のピストンロッドはローリング軸33に連結され、この昇降シリンダ35のピストンロッドの出退によってローリング軸33が前後に移動可能とされている。
【0014】ローリング軸33の左右両側にはブラケット36が固定され、左右各前輪支軸23には前側連結ブラケット37が固定され、左右の被支持筒31L,31Rには後側連結ブラケット38が固定されている。また、右側のブラケット36は下方側に突出状とされ、左側のブラケット36および前後の連結ブラケット37,38は上方側に突出状とされている。ブラケット36と後側連結ブラケット38とは連結リンク39によって連結され、前側連結ブラケット37と後側連結ブラケット38とは連結ロッド40によって連結されている。なお、これら連結リンク39および連結ロッド40は前後端部側に二股継手を備えており、これら二股継手が各ブラケット36,37,38にピンを介して左右軸廻りに回動自在に枢支連結されている。
【0015】したがって、昇降シリンダ35のピストンロッドを出退させることによって、左右の連結リンク39が前後に押引きされて後側連結ブラケット38を介して伝動ケース29L,29Rが走行機体2Aに対して相対的に上下揺動すると共に、連結ロッド40が前後に押引きされて前連結ブラケット37,前輪支軸23および取付筒24を介して前輪支持アーム25が走行機体2Aに対して相対的に上下揺動し、これによって、左右の前後輪10,11が四輪同時に走行機体2Aに対して相対的に昇降し、したがって、前後輪10,11が接地していることから走行機体2Aが地面に対して昇降するように構成されている。
【0016】即ち、昇降シリンダ35、左右の連結リンク39、左右の連結ロッド40等によって走行機体2Aを昇降調整する機体昇降装置31(図5参照)が構成されている。図7は移植機のミッションケース内の動力伝達系の詳細を示している。図7において、ミッションケース6の入力部とエンジン8の出力部とは巻掛伝動手段44で連動されている。巻掛伝動手段44でミッションケース6内に入った動力は、走行系と移植系に分岐され、走行系動力は車輪伝動軸28から取り出され、移植系動力はPTO横軸41及びPTO前後軸42から取り出される。
【0017】前記車輪伝動軸28の左右端には軸心廻りに上下揺動する伝動ケース29が枢支され、この伝動ケース29を介して左右の後輪(走行駆動輪、走行装置)11が支持され、伝動ケース29内の巻掛伝動手段43aにより後輪11が駆動可能になっている。左右後輪11は畝5間の溝を転動する。左右の伝動ケース29は車輪伝動軸28の軸心廻りに上下揺動することにより、後輪11と走行機体2Aとの相対上下位置を調整可能である。前記植付手段13は、巻掛伝動手段49に連動するクランク軸50によるクランク運動で上下動自在とされている。この植付手段13がクランク軸50の回動によって上昇すると、上限検出スイッチ48で検出される。上限検出スイッチ48は、植付手段13が上死点にあることを検出する。
【0018】また、図示していないが、植付手段13には開閉手段が設けられており、下降して畝5に突き刺さったときにくちばしを開放するようになっていて、このくちばしの突き刺しと開放で、畝5に孔を開けて土付き苗を植え付ける。エンジン8の動力は巻掛伝動手段44から入力軸51に伝達される。ミッションケース6には入力軸51と平行に、回転軸52、中間軸53、中間軸54、バック軸57、車輪伝動軸28及びPTO横軸41がそれぞれ回転自在に支持され、前後方向のPTO前後軸42が後方突出状に設けられている。
【0019】入力軸51上のギヤ51aは回転軸52上の遊転ギヤ55と噛合しており、この遊転ギヤ55にクラッチギヤ56を摺動させてその咬合部を咬合させることにより、入力軸51から回転軸52へ動力伝達可能になる。前記クラッチギヤ56は遊転ギヤ55と咬合する方向に弾圧されており、爪式の主クラッチ58を構成している。前記回転軸52には、クラッチギヤ56の他に、ギヤ60、61が一体回動可能に支持されており、中間軸53には変速ギヤ体62が摺動及び一体回動自在に支持され、この変速ギヤ体62には前記ギヤ56、60と択一的に噛合可能なギヤ部62A、62Cが形成されている。
【0020】バック軸57にはギヤ63、64が設けられており、ギヤ63は前記ギヤ61と噛合しており、ギヤ64には変速ギヤ体62のギヤ部62Cが噛合可能になっている。したがって、変速ギヤ体62の摺動により前進2段、後進1段の変速が可能になっている。即ち、変速ギヤ体62、ギヤ60、ギヤ56により走行変速機構65が構成され、ギヤ部62Cをギヤ60に噛合させたとき前進の第1速F1 (植付け)になり、ギヤ部62Aをギヤ56に噛合させたとき前進の第2速F2 (移動)になる。また、ギヤ部62Cをバック軸57側に連結させたとき後進Rになる。
【0021】前記中間軸53上には伝動ギヤ66及び図示省略の駐車ブレーキが設けられており、伝動ギヤ66は車輪伝動軸28に固設された大ギヤ68と噛合している。前記回転軸52は一端がミッションケース6から突出していて、その外端に電磁クラッチ72が固定されており、また、回転軸52の外端部を包囲するように筒軸状のカップリング軸73がミッションケース6に回転自在に支持されており、電磁クラッチ72の作動で回転軸52とカップリング軸73とが一体回転し、移植系動力を分岐取り出しできるようになっている。
【0022】このカップリング軸73にはギヤ74及びギヤ79が固定されており、このギヤ74は中間軸54に遊嵌したアイドラギヤ75と噛合可能であり、ギヤ79は中間軸54に固設したギヤ80と噛合可能であり、アイドラギヤ75は更にPTO横軸41上のギヤ76と噛合し、移植系動力を伝達可能にしている。したがって、アイドラギヤ75とギヤ80との摺動により株間を2段に変速できるようになっており、ギヤ74、アイドラギヤ75、ギヤ79、ギヤ80により、植付手段13を2段の昇降速度で昇降動作できるように、株間変速機構81が構成されている。即ち、エンジン8と植付手段13の間に株間変速機構81が設けられ、ギヤ74とアイドラギヤ75とを噛合したとき、株間変速機構81が高速の株間変速1となり、ギヤ79とギヤ80とを噛合したとき、株間変速機構81が低速の株間変速2となる。
【0023】PTO横軸41にはベベルピニオン77が固定され、PTO前後軸42上のベベルギヤ78と噛合しており、移植系動力を2系統に分岐して、PTO横軸41で動力伝達手段49を介して植付手段13及び穿孔手段16を、PTO前後軸42で苗供給装置14をそれぞれ駆動する。前記回転軸52の電磁クラッチ72より外端に回転パルスセンサ85が取り付けられている。この回転パルスセンサ85は例えば回転軸52に外嵌固着したスプロケットの凹凸を近接センサでカウントする構造のものが使用でき、回転パルスセンサ85は回転軸52の回転を検出して回転軸52の1回転毎に数十パルス発生するように構成されている。
【0024】従って、植付手段13の上昇状態(上限検出スイッチ48が検出状態)からクランク軸50が1回転する毎に、図4に示すように植付手段13の上昇状態から下降した後再び上昇位置に戻る。植付手段13が上昇位置に戻ったとき、電磁クラッチ72を消磁して移植系動力を切ると、図4に示すように植付手段13が上昇状態で停止し、クランク軸50の1回転に対応する基準最小株間(120mm又は240mm)以上の株間が得られる。すなわち、後述する制御手段111で株間を設定しておくと、上限検出スイッチ48が植付手段13の上昇を検出したとき、電磁クラッチ72を消磁して移植系動力を切り、設定株間に対応して前記電磁クラッチ72が消磁中のパルスをカウントし、その後電磁クラッチ72を作動して移植系動力を伝達し、上昇していた植付手段13を降下して植え付けをする。前記電磁クラッチ72が消磁中のパルスのカウント数を変更することにより、株間を調整する。
【0025】そして、例えば、回転軸52の1回転毎に、回転パスルセンサ85がパルス信号を24パルス発生するようになっており、株間変速機構81を株間変速1にセットしておくと、クランク軸50が1回転する間に、移植機1が12cm走行し、回転軸52が3回転し、回転パルスセンサ85がパルス信号を72パルス発生する。このとき、移植機1が1cm走行する間(株間1cm当たり)に回転パルスセンサ85がパルス信号を6パルスを発生する。また、株間変速機構81を株間変速2にセットしておくと、例えば、クランク軸50が1回転する間に、移植機1が24cm走行し、回転軸52が6回転し、回転パルスセンサ85がパルス信号を144パルス発生する。このとき、移植機1が1cm走行する間(株間1cm当たり)に回転パルスセンサ85がパルス信号を6パルスを発生する。
【0026】図5は制御系のブロック図を示す。図5において、101はメインスイッチ、102は主クラッチスイッチで、前記主クラッチ58を接続可能にするためのスイッチである。103はリミットスイッチにより構成した株間変速スイッチで、例えば前記株間変速機構81を変速操作するための株間変速レバー87に対応して設けられており、前記株間変速機構81を株間変速2にセットしたときこれを検出してオンするように構成されている。104は株間を設定するための株間設定手段(株間調節ダイヤル)で、株間設定スイッチ105と株間設定可変抵抗106とを備え、株間設定スイッチ105はオンオフの2段(A,B)に切り換えることができ、株間設定可変抵抗106は7段(1,2,3,4,5,6,7)に切り換えでき、従って、株間設定手段104は、全体で図10及び図11に示す如く14段階(A−1,A−2,A−3,A−4,A−5,A−6,A−7,B−1,B−2,B−3,B−4,B−5,B−6,B−7)に切り換え設定できるようになっている。
【0027】107は傾斜検出手段で、振り子式等の角度センサにより構成され、移植機1の車体前後方向における上下の傾斜角度αを検出する。108は植付けリレーで、これが励磁されたとき前記電磁クラッチ72のソレノイド72aに電流が流れ、植付けリレー108を介して電磁クラッチ72を断続するようになっている。111は制御手段で、回転パルスセンサ85からのパルスをカウントする機能の他、その他の演算処理機能を持ったマイコン等により構成され、制御手段111は傾斜検出手段107からの信号を入力し、圃場の傾斜に拘わらず走行機体2Aが水平状態を維持するように、傾斜検出手段107で感知した傾斜角度に応じてアーム伸縮装置30を制御すると共に、植付手段13の高さを一定に保持するように機体昇降装置を制御するように構成されている。即ち、登り傾斜の場合、走行機体2Aの前側が上昇するので、前輪支持アーム25を縮小させるようにアーム伸縮装置30を制御し、圃場の登り傾斜にも拘わらず走行機体2Aを水平状態に維持する。また、このときの前輪支持アーム25の縮小によって走行機体2A機体の後部に設けられている植付手段13が圃場に対して上昇するため、機体昇降装置31を走行機体2Aを下降するように制御し、前輪支持アーム25の伸縮動作にも拘わらず植付手段13を圃場から一定の高さに保つのである。また、下り傾斜の場合、走行機体2Aの前側が下降するので、前輪支持アーム25を伸長させるようにアーム伸縮装置30を制御し、圃場の下り傾斜にも拘わらず走行機体2Aを水平状態に維持する。また、このときの前輪支持アーム25の伸長によって走行機体2A機体の後部に設けられている植付手段13が圃場に対して下降するため、機体昇降装置31を走行機体2Aが上昇するように制御し、前輪支持アーム25の伸縮動作にも拘わらず植付手段13を圃場から一定の高さに保つのである。
【0028】また、制御手段111は、上限検出スイッチ28、主クラッチスイッチ102、株間変速スイッチ103、株間設定手段104の株間設定スイッチ105及び株間設定可変抵抗106からの信号を入力し、所定の設定された制御順序に従って電磁クラッチ72を制御するようになっており、制御手段111は、植付けリレー108を介して電磁クラッチ72の切断を制御するための切断制御手段112と、電磁クラッチ72の接続を制御する接続制御手段113と、電磁クラッチ72の切断期間を設定する切断期間設定手段114と、前記傾斜検出手段107で検出した傾斜角度αに応じて前記切断期間設定手段114によって設定した切断期間を補正する切断期間補正手段115とを有する。
【0029】切断期間設定手段114は、株間変速スイッチ103がオフ(株間変速1)のとき、株間設定手段104によって設定した条件から図10に示す株間変速1のテーブルによって電磁クラッチ72の切断期間A(電磁クラッチ72を切断するための回転パルスセンサ85のパルス数)を設定すると共に、株間変速スイッチ103がオン(株間変速2)のとき、株間設定手段104によって設定した条件から図11に示す株間変速2のテーブルによって電磁クラッチ72の切断期間A(電磁クラッチ72を切断するための回転パルスセンサ85のパルス数)を設定する。
【0030】即ち、株間変速スイッチ103がオフ(株間変速1)のとき、図10に示す如く株間設定手段104によって設定した段数が1段増加する毎に、電磁クラッチ72の切断期間Aが、回転パルスセンサ85が6パルスを発生する期間(株間1cm)だけ増加するように設定し、株間を19cm〜32cmまで1cm間隔で微調整できるようになっている。例えば株間設定手段104によって設定した段数がA−1のとき電磁クラッチ72の切断期間Aを42パルスに設定して、株間を19cmにし、段数がA−6のとき電磁クラッチ72の切断期間Aを72パルスに設定して、株間を24cmにする。
【0031】また、株間変速スイッチ103がオン(株間変速2)のとき、図11に示す如く株間28cm〜44cmでは、株間設定手段104によって設定した段数が1段増加する毎に、電磁クラッチ72の切断期間Aが、回転パルスセンサ85が12パルスを発生する期間だけ増加するように設定し、株間を28cm〜44cmまで2cm間隔で微調整できるようになっている。株間44cm〜58cmでは、株間設定手段104によって設定した段数が1段増加する毎に、電磁クラッチ72の切断期間Aが、回転パルスセンサ85が18パルスを発生する期間だけ増加するように設定し、株間を44cm〜58cmまで3cm間隔で微調整できるようになっている。
【0032】例えば株間設定手段104によって設定した段数がA−1のとき電磁クラッチ72の切断期間Aを24パルスに設定して、株間を28cmにし、株間設定手段104によって設定した段数がA−6のとき電磁クラッチ72の切断期間を84パルスに設定して、株間を38cmにし、株間設定手段104によって設定した段数がB−6のとき電磁クラッチ72の切断期間Aを186パルスに設定して、株間を55cmにする。切断期間補正手段115は、傾斜検出手段107で検出した傾斜角度をα(度)とすると、切断期間設定手段114によって設定した切断期間A(パルス)から、A×(1+αβ)の式によって、補正した切断期間B(パルス)を得る。ここで、傾斜角度αは、登り傾斜の場合「正(+)」の値とされ、下り傾斜の場合「負(−)」の値とされる。βは補正係数で、実験データによって定められ、固定値又は傾斜角度αに応じた変数値で与えられ、前記A×(1+αβ)の式によって得られた補正した切断期間B(パルス)によって、図10及び図11に示す株間設定手段104によって設定した所定の株間(cm)が得られるように補正係数βが定められている。つまり、A×(1+αβ)の式によって、補正した切断期間B(パルス)を得ることにより、車体前後方向における上下の傾斜に拘わらず所定の株間が得られるように、傾斜検出手段107で感知した傾斜角度αに応じて、上り傾斜では電磁クラッチ72の切断時間を長くすると共に下り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を短くするようになっている。
【0033】切断制御手段112は、上限検出スイッチ28がオンのときに電磁クラッチ72を切断すると共に、電磁クラッチ72の切断状態が前記切断期間補正手段115によって補正した電磁クラッチ72の切断期間Bに達していないとき、即ち、補正した電磁クラッチ72の切断期間Bのパルス数から電磁クラッチ72の切断状態になって入力したパルス数を順次引き算した値が0よりも大であると判別したとき、電磁クラッチ72を切断する。接続制御手段113は、上限検出スイッチ28がオフのときに電磁クラッチ72を接続すると共に、電磁クラッチ72の切断状態が切断期間補正手段115によって補正した電磁クラッチ72の切断期間Bに達したとき、即ち、補正した電磁クラッチ72の切断期間Bのパルス数から電磁クラッチ72の切断状態になって入力したパルス数を順次引き算した値が0になったと判別したとき、電磁クラッチ72を接続する。
【0034】次に、図6のフローチャートを参照しながら動作を説明する。移植作業に際しては、メインスイッチ101、主クラッチスイッチ102をオンすれば、ステップ1で、電磁クラッチ72がオンし、移植作業が開始される。このとき、制御手段111は、傾斜検出手段107からの信号を入力し、傾斜検出手段107で検出した傾斜角度α(度)を記憶すると共に、傾斜検出手段107で検出した傾斜角度α(度)に応じて、アーム伸縮装置30を制御して前輪支持アーム25を伸縮させ、これにより圃場の傾斜に拘わらず走行機体2Aを水平状態を維持させる。また、制御手段111は、植付手段13の高さを一定に保持するように機体昇降装置31を制御する。即ち、登り傾斜の場合、走行機体2Aの前側が上昇するので、制御手段111により、前輪支持アーム25を縮小させるようにアーム伸縮装置30を制御し、圃場の登り傾斜にも拘わらず走行機体2Aを水平状態に維持する。また、このときの前輪支持アーム25の縮小によって走行機体2Aの後部に設けられている植付手段13が圃場に対して上昇する(植え付け深さが浅くなる方向に変化する)ため、制御手段111により、機体昇降装置31を走行機体2Aを下降するように制御し、前輪支持アーム25の伸縮動作にも拘わらず植付手段13を圃場から一定の高さに保つ(植付手段13による植え付け深さを一定に保つ)。また、下り傾斜の場合、走行機体2Aの前側が下降するので、制御手段111により、前輪支持アーム25を伸長させるようにアーム伸縮装置30を制御し、圃場の下り傾斜にも拘わらず走行機体2Aを水平状態に維持する。また、このときの前輪支持アーム25の伸長によって走行機体2A機体の後部に設けられている植付手段13が圃場に対して下降する(植え付け深さが深くなる方向に変化する)ため、機体昇降装置31を走行機体2Aが上昇するように制御し、前輪支持アーム25の伸縮動作にも拘わらず植付手段13を圃場から一定の高さに保つ(植付手段13による植え付け深さを一定に保つ)。
【0035】ステップ2で、上限検出スイッチ28がオンかオフかを判別し、上限検出スイッチ28がオフであれば、ステップ1に戻り、上限検出スイッチ28がオンであれば、ステップ3に進み、電磁クラッチ72をオフする。従って、クランク軸50が1回転する間、電磁クラッチ72はオンを保持し、植付手段13が上昇状態から下降して植え付けした後再び上昇位置に戻り、この時点で電磁クラッチ72はオフする。ステップ4で、株間変速スイッチ103がオンかオフかを判別し、株間変速スイッチ103がオフであれば、ステップ5で、株間設定手段104によって設定した条件から図6に示す株間変速1のテーブルによって電磁クラッチ72の切断期間(電磁クラッチ72を切断するための回転パルスセンサ85のパルス数)を設定し、ステップ6に進む。
【0036】ステップ4で株間変速スイッチ103がオンであると判断すれば、ステップ8に進み、ステップ8で、株間設定手段104によって設定した条件から図7に示す株間変速2のテーブルによって電磁クラッチ72の切断期間(電磁クラッチ72を切断するための回転パルスセンサ85のパルス数)を設定し、ステップ9に進む。ステップ6では、切断期間設定手段114によって設定した図10に示す切断期間A(パルス)を、傾斜検出手段107で検出した傾斜角度α(度)(制御手段111が記憶している傾斜角度αであって、制御手段111によりアーム伸縮装置30を制御して走行機体2Aを水平状態にする前に傾斜検出手段107で検出した傾斜角度α(圃場の傾斜角度))に応じて、A×(1+αβ)の式によって補正し、補正した切断期間B(パルス)を得て、ステップ7に進む。
【0037】ステップ7では、電磁クラッチ72の切断状態が、前記ステップ6で補正した電磁クラッチ72の切断期間Bに達したか否か、即ちステップ6で補正した電磁クラッチ72の切断期間Bのパルス数から電磁クラッチ72の切断状態になって入力したパルス数を順次引き算した値が0か否かを判断し、値が0でなければ、ステップ3に戻って電磁クラッチ72を切断し、値が0であれば、ステップ1に戻って電磁クラッチ72を接続する。ステップ9では、切断期間設定手段114によって設定した図11に示す切断期間A(パルス)を、傾斜検出手段107で検出した傾斜角度をα(度)(制御手段111が記憶している傾斜角度αであって、制御手段111によりアーム伸縮装置30を制御して走行機体2Aを水平状態にする前に傾斜検出手段107で検出した傾斜角度α(圃場の傾斜角度))に応じて、A×(1+αβ)の式によって補正し、補正した切断期間B(パルス)を得て、ステップ10に進む。
【0038】ステップ10では、電磁クラッチ72の切断状態が、前記ステップ9で補正した電磁クラッチ72の切断期間Bに達したか否か、即ちステップ9で補正した電磁クラッチ72の切断期間Bのパルス数から電磁クラッチ72の切断状態になって入力したパルス数を順次引き算した値が0か否かを判断し、値が0でなければ、ステップ3に戻って電磁クラッチ72を切断し、値が0であれば、ステップ1に戻って電磁クラッチ72を切断する。従って、株間変速機構82を株間変速1にセットしておくと、クランク軸50が1回転する間に移植機11は基準最小株間(120mm)だけ走行することとなって、クランク軸50が高速状態になるが、株間設定手段104によって設定した段数が1段増加する毎に、電磁クラッチ72の切断期間Aが、回転パルスセンサ85が6パルスを発生する期間だけ増加するように設定されるため、株間設定手段104によって設定した1段当たりの株間調整量が約10.0mmになる。
【0039】また、株間変速機構81を株間変速2にセットしておくと、クランク軸50が1回転する間に移植機1は基準最小株間(240mm)だけ走行するようになって、クランク軸50が低速状態になる。このとき株間変速スイッチ103がオフであれば、株間設定手段104によって設定した1段当たりの株間調整量が約10.0mmになるが、株間変速スイッチ103のオンによって株間設定手段104によって設定した段数が1段増加する毎に、電磁クラッチ72の切断期間Aが、回転パルスセンサ85が12パルス又は18パルスを発生する期間だけ増加するように設定されるので、株間設定手段104によって設定した1段当たりの株間調整量が約20.0mm又は30.0mmになる。
【0040】従って、制御手段111によって、株間が大に設定されているとき株間設定手段104の操作量に対する前記電磁クラッチ72の切断時間を長く設定されると共に、株間が小に設定されているとき株間設定手段104の操作量に対する前記電磁クラッチ72の切断時間Aが短く設定される。また、株間変速機構81が株間変速1に変速操作されたとき、株間設定手段104の操作量に対する前記電磁クラッチ72の切断時間Aが短く設定され、株間変速機構81が株間変速2に変速操作されたとき、株間設定手段104の操作量に対する前記電磁クラッチ72の切断時間Aが長く設定される。
【0041】そして、このとき、傾斜検出手段107で検出した傾斜角度αが0度の場合(上下の傾斜のない場合)、株間設定手段104により設定した切断期間Aを傾斜角度αに応じて補正した切断期間Bは、A×(1+αβ)=Aとなり、補正した切断期間Bは設定した切断期間Aと等しくなる。従って、傾斜のない場合、株間設定手段104で設定した図10及び図11に示す株間を得ることができる。また、傾斜検出手段107で検出した傾斜角度αが「正(+)」の値の場合(登り傾斜の場合)、株間設定手段104により設定した切断期間Aを傾斜角度αに応じて補正した切断期間Bは、A×(1+αβ)>Aとなり、補正した切断期間Bは設定した切断期間Aよりも大になる。従って、登り傾斜の場合、スリップ率が高くなるため株間が短くなる傾向があるにも拘わらず、株間設定手段104で設定した図10及び図11に示す所定の株間を得ることができる。
【0042】また、傾斜検出手段107で検出した傾斜角度αが「負(−)」の値の場合(下り傾斜の場合)、株間設定手段104により設定した切断期間Aを傾斜角度αに応じて補正した切断期間Bは、A×(1+αβ)<Aとなり、補正した切断期間Bは設定した切断期間Aよりも小になる。従って、下り傾斜の場合、車体が前方に引っ張られるため株間が長くる傾向があるにも拘わらず、株間設定手段104で設定した図10及び図11に示す所定の株間を得ることができる。なお、前記実施の形態では、制御手段111は、傾斜検出手段107からの信号を入力し、傾斜検出手段107で検出した傾斜角度α(度)を記憶すると共に、制御手段111が記憶している傾斜角度αであって、制御手段111によりアーム伸縮装置30を制御して走行機体2Aを水平状態にする前に傾斜検出手段107で検出した傾斜角度α(圃場の傾斜角度)に応じて、上り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を長くすると共に下り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を短くするようにしているが、これに代え、傾斜検出手段107で検出した現在の傾斜角度αと、制御手段111によりアーム伸縮装置30を制御して前輪支持アーム25を伸縮させた伸縮状態とから、制御手段111により走行中の圃場の傾斜角度を算出し、この算出した圃場の傾斜角度に応じて、上り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を長くすると共に下り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を短くするようにしてもよい。また、走行機体2Aの傾斜角度を検出する傾斜検出手段107とは別に圃場の傾斜角度を検出する角度センサを設け、この角度センサにより検出した圃場の傾斜角度に応じて、上り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を長くすると共に下り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を短くするようにしてもよい。
【0043】図12は、他の実施の形態を示し、走行部の圃場が硬い、普通、軟弱等の圃場条件を複数段階に設定できる圃場条件モードスイッチ121が設けられ、圃場条件モードスイッチ121により設定した圃場条件での走行機体2Aのスリップ率を考慮して、圃場の傾斜角度に拘わらず所定の株間が得られるように、圃場の傾斜角度に応じて、上り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を長くすると共に下り傾斜では電磁ラッチ72の切断時間を短くするようにしたものである。例えば、同じ圃場の傾斜角度でも、圃場が軟弱であれば、スリップ率が高くなり、圃場が硬ければ、スリップ率が低くなるため、同じ圃場の傾斜角度でも、圃場が軟弱であれば、電磁ラッチ72の切断時間を長くすると共に、圃場が硬ければ、電磁ラッチ72の切断時間を短くするのである。その他の点は前記の実施の形態の場合と同様の構成である。従って、圃場の傾斜角度を検出して、その圃場の傾斜角度のみでは、圃場の条件(土質、圃場水分等)によって、スリップ率が異なるため、より精度の高い株間調整ができなくなる恐れがあるが、この場合、圃場の傾斜角度による補正の他に予め圃場条件を大まかに複数段階に設定することにより、圃場の条件(土質、圃場水分等)を考慮に入れたより精度の高い株間補正をすることができる。
【0044】図13は、他の実施の形態を示し、駆動輪である後輪11にトルクセンサ123を設け、トルクセンサ123で感知したトルクに応じて、トルクが大であれば電磁ラッチ72の切断時間を長くすると共に、トルクが小であれば電磁ラッチ72の切断時間を短くするようにしたものである。即ち、駆動輪である後輪11のトルクが大きいことは、圃場が登り傾斜或いは圃場が軟弱であるためにスリップ率が大の状態となる傾向があり、また駆動輪である後輪11のトルクが小さいことは、圃場が下り傾斜或いは圃場が硬いためにスリップ率が小の状態となる傾向があり、トルクセンサ123で感知したトルクに応じて、トルクが大であれば電磁ラッチ72の切断時間を長くすると共に、トルクが小であれば電磁ラッチ72の切断時間を短くすることによってより高い精度の株間を得ることが可能になる。その他の点は前記の実施の形態の場合と同様の構成である。なお、前輪10が駆動車輪となる場合には、その駆動輪である前輪10にトルクセンサ123を設け、前輪10のトルクを検出するようにすればよい。
【0045】なお、前記実施の形態では、駆動装置としてエンジン8を用いているが、これに代えモータその他を駆動装置としてもよい。また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、電磁クラッチ72を中間軸53に取り付けて、中間軸53とギヤ75との間で動力の断接をするようにしたりしてもよい。また、移植機11はマルチ畝用を例示したが、マルチフィルムを被覆していない畝用、すなわちマルチ穿孔装置22を装備しないものでよい。
【0046】また、前記実施の形態では、株間変速機構81が低速側の株間変速2に変速操作されたことを検出する株間変速スイッチ103が設けられ、株間変速スイッチ103が、株間変速機構81が低速側の株間変速2に変速操作されたことを検出したとき、株間設定手段104の操作量に対する前記電磁クラッチ72の切断時間が長くなるように自動設定するようにしているが、これに代え、株間変速機構81が高速側の株間変速1に変速操作されたことを検出する株間変速スイッチ103を設け、株間変速スイッチ103が、株間変速機構81が高速側の株間変速1に変速操作されたことを検出したとき、株間設定手段104の操作量に対する前記電磁クラッチ72の切断時間が短くなるように自動設定するようにしてもよい。
【0047】また、前記実施の形態では、株間変速機構81を株間変速1と株間変速2とにセットできるようにしているが、植付けの株間変速段数は2段に限らず、植付けの株間変速段数を3段以上に変速できるようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、圃場が登り傾斜又は下り傾斜していても、前輪支持アーム25の伸縮により走行機体2Aを自動的に水平状態を維持することができ、しかも前輪支持アーム25の伸縮に拘わらず植付手段13の高さを一定に保持することができ、平坦な圃場の場合と同様の植付手段13の植付け姿勢、植付け深さを確保でき、植付け精度を向上させることができる。また、圃場が登り傾斜の場合、スリップ率が高くなるため株間が短くなる傾向があるにも拘わらず、電磁クラッチ72の切断時間を長くして、所定の株間を得ることができ、また、圃場が下り傾斜の場合、走行機体2Aが前方に引っ張られるため株間が長くなる傾向があるにも拘わらず、電磁クラッチ72の切断時間を短くして所定の株間を得ることが出きる。従って、傾斜地でも所定の株間を確実に得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年2月26日(1999.2.26)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2000−245207(P2000−245207A)
【公開日】 平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願番号】 特願平11−50919