| 【発明の名称】 |
水稲マルチ栽培紙シート、その製造方法及びその製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 行男
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| 【要約】 |
【課題】点播方式の水稲マルチ栽培紙シートを提供する。
【解決手段】連続する紙製のシート1には、前後方向に5列に連なる複数の長方形状の出芽孔2が設けられている。籾袋3は不織布製の連続するテープを軸線に沿って籾Rを包むように丸め、切断して独立した籾袋3としたものであり、各出芽孔2ごとに、それぞれ2つの独立した籾袋3を、各籾Rが出芽孔2に重畳するように2列に並べてシート1の裏面に接着する。これを水田の表面に被覆することにより、点播方式の水稲マルチ栽培を行なうことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 紙製であって、少なくとも一定の間隔を空けて籾を配置すべき箇所それぞれに出芽孔が設けられたシートと、中に充填された籾が発芽出根する際の芽及び根の成長を妨げない複数の間隙を有する材料で構成され、前記出芽孔に籾が充填された部分が重畳するように、前記シートの裏面に接着された籾袋とからなり、水田の表面を被覆する水稲マルチ栽培紙シートにおいて、前記籾袋は、不織布製の連続するテープを籾を包むように軸線に沿って丸めた後に略一定の長さに切断した独立した籾袋であって、前記独立した籾袋を前記各出芽孔ごとに籾が充填された部分が重畳するように前記シートの裏面に接着してなることを特徴とする水稲マルチ栽培紙シート。 【請求項2】 前記独立した籾袋は、前記各出芽孔に対して複数が接着される請求項1に記載の水稲マルチ栽培紙シート。 【請求項3】 前記籾袋は、不織布製の連続するテープを籾を包むように軸線に沿って丸めた後切断される前に、前記出芽孔と略同じ形状及びサイズの孔が設けられた紙製の連続するテープである補強材に、前記孔ごとに籾が充填された部分が重畳するように貼り付けられ、前記補強材と共に切断されかつ前記シートの裏面に前記出芽孔と前記孔とが重畳するように接着される請求項1に記載の水稲マルチ栽培紙シート。 【請求項4】 不織布製の連続するテープを軸線に沿って丸めて籾を包んだ籾袋を、少なくとも籾を配置すべき箇所それぞれに出芽孔が設けられた紙製のシートの裏面に、前記籾袋の籾が前記出芽孔と重畳するように籾袋を接着する水稲マルチ栽培紙シートの製造方法において、前記籾袋の先端部分を切断して独立した籾袋とし、略一定の間隔を空けて籾を配置すべき箇所それぞれに出芽孔が設けられたシートの裏面に、前記独立した籾袋の籾が前記出芽孔と重畳するように、前記独立した籾袋を接着することを特徴とする水稲マルチ栽培紙シートの製造方法。 【請求項5】 前記シートの裏面の前記出芽孔に隣接する箇所に接着剤を塗布する過程と、前記籾袋の先端部分を切断して前記独立した籾袋とする過程と、前記独立した籾袋の籾が前記出芽孔と重畳するように、前記独立した籾袋を前記シートの裏面に配置する過程と、前記独立した籾袋が接着された前記シートを冷却する過程とを含む請求項4に記載の水稲マルチ栽培紙シートの製造方法。 【請求項6】 不織布製の連続するテープを軸線に沿って丸めて籾を包んだ籾袋を、少なくとも籾を配置すべき箇所それぞれに出芽孔が設けられた紙製のシートの裏面に、前記籾袋の籾が前記出芽孔と重畳するように籾袋を接着する水稲マルチ栽培紙シートの製造装置において、外周面の一部に空気を吸入する円弧状の空気吸入溝を有する固定軸と、前記固定軸の周りを回転し、回転角度に応じて前記固定軸の前記空気吸入溝と周面方向の外部とを導通できる複数の空気吸込孔が全周にわたって設けられたローラと、前記空気吸込孔の吸込により前記ローラの外周の一部に巻き付いた前記籾袋の先端部分を切断するカッターと、前記ローラの外周の一部に巻き付いた前記籾袋の先端部分とその裏面とが接する位置を通って前記シートを搬送するシート搬送装置とを含むことを特徴とする水稲マルチ栽培紙シートの製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は水稲マルチ栽培紙シート、その製造方法及び製造装置に関し、特に点播方式による水稲のマルチ栽培に適合した水稲マルチ栽培紙シート、その製造方法及び製造装置にに関する。 【0002】 【従来の技術】水稲の栽培において、古来から行われている田植え方式のほかに、直接水田に種子籾を播種する「直播き方式」がコスト低減の観点から最近着目されている。しかし水田面積が小さく所有が細分化されている我が国では、アメリカ等で行われている「飛行機からの種子籾散布」は不向きであり、これに代わって圃場播種用機器が開発され、また一部では地上からの誘導による無人小型ヘリコプターからの散布が試験的に行われているが、これらも零細な水田特に区画未整理圃場や山間の棚田向きではなく、他の方法の開発が望まれている。また、我が国の農家の高齢化や就労人員の滅少に対応して、労力軽滅のため作業の機械化が進み、除草作業も薬剤に依存する傾向が強くなっている。一方、一般社会においては、最近の環境問題への関心の高まりから、有機肥料や無農薬によって栽培される米の評価が高まる趨勢にあり、農家側でもこれに呼応して栽培方法を見直そうとする動きが見られるが、ここでも労力問題が障害になっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】除草のための労力が軽減でき、農薬も少なくて済むという優れた雑草繁茂抑制効果が期待されるものとして、紙シートを水田の表面に被覆しておき、紙シートに孔を空けると同時に各孔に苗を植え付けるいわゆるマルチ栽培方法が、特開平5−276839に開示されている。このマルチ栽培方法によれば、有機米や無農薬米の生産に有利で大きなメリットを有すると考えられるが、紙シートの被覆と田植えを同時に行うため、特開平5−276839に示されているような特殊な田植え機を必要とし、栽培コストが高くなるという難点があり、普及の妨げとなっている。この難点を取り除くために、苗代を使わずに籾を接着した紙シートを水田に被覆する栽培(紙マルチ栽培)が案出された。これは従来から畑作については実用されていた方式で、直播き栽培が難しかった小規模水田にも容易かつ安価に適用が可能であると思われた。しかし、紙シートは畑ではなく水田に被覆されるので、籾がシートから脱落するとシートの下に入り込んで発芽できず、あるいは水田から流出してしまう。従って籾の接着には水溶性の接着剤は使用できず、また非水溶性の接着剤を使用すると胚乳部分が接着剤で覆われ、発芽の確率が劣化するという課題があった。 【0004】よって本発明の目的は、水田に被覆しても籾が脱落せず、かつ発芽率が良好であり、特に点播方式に適した水稲マルチ栽培紙シート、その製造方法及び製造装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、紙製であって、少なくとも一定の間隔を空けて籾を配置すべき箇所それぞれに出芽孔が設けられたシートと、中に充填された籾が発芽出根する際の芽及び根の成長を妨げない複数の間隙を有する材料で構成され、前記出芽孔に籾が充填された部分が重畳するように、前記シートの裏面に接着された籾袋とからなり、水田の表面を被覆する水稲マルチ栽培紙シートにおいて、前記籾袋は、不織布製の連続するテープを籾を包むように軸線に沿って丸めた後に略一定の長さに切断した独立した籾袋であって、前記独立した籾袋を前記各出芽孔ごとに籾が充填された部分が重畳するように前記シートの裏面に接着してなるように水稲マルチ栽培紙シートを構成した。 【0006】請求項1に記載の発明に係る水稲マルチ栽培紙シートによると、シートを水田の表面に被覆すると、シートの裏面に接着された独立した籾袋の中に充填された籾が発芽出根し、出芽孔を通してシート上方に芽が伸び、かつシート下方に根が伸び、間隔を空けて稲の株が発生する点播方式の水稲マルチ栽培を行なうことができる。籾はシートに直接貼り付けるのではなく、籾袋の中に充填され、独立した籾袋をシートに接着するようにしたので、水稲マルチ栽培紙シートを水田の表面に被覆する作業中に籾が脱落しにくい。このような水稲マルチ栽培によると、水田の他の部分は紙シートに覆われているので雑草の成育が阻害され、また病虫害や鳥害をも避けられるなどの効果があることが立証されている。シートは適当な時間が経過すると(通常40日程度、田植え時期や地温等に応じて調節されたものが選択できる)、自然分解し、紙なので水田を汚染しない。このシートは例えば再生紙製で、安価で分解しやすく構成できる。また同様の理由で、不織布製テープも自然分解しやすいセルロースを主原料としていることが好ましい。このような連続する状態の籾袋は東京都目黒区の日本プラントシーダー株式会社より入手可能である。 【0007】連続する状態の籾袋にはほぼ一定の間隔で単数または複数の粒が充填され、例えば1群2粒、群内間隔1.5cm、群間隔(連続する群の中心の間隔)5cm(従って連続する群の後尾の粒と先頭の粒との間隔は3.5cm)である。あるいは1.5cm間隔で1粒づつが充填される。連続する状態の籾袋は、好ましくは籾群と籾群との中間で切断されて独立した籾袋とされ、また好ましくは独立した籾袋は籾の充填されていない部分でシートの裏面に接着される。これにより、籾の損傷や接着剤の影響により、籾の発芽率が低下することを避けることができる。一つの出芽孔ごとに重畳される籾の数は1粒以上であって限定されるものではないが、通常は4〜6粒程度である。また請求項2に記載のように、独立した籾袋を各出芽孔に対して複数接着してもよい。 【0008】籾または籾の群は、籾の成育や刈り取りや田の手入れ等に適した間隔で配置されていることが好ましく、例えば出芽孔は各条間は30cm、同じ条の隣り合う出芽孔間は20cm(いずれも出芽孔の中心の間隔)である。出芽孔はシートに形成された各々一つの孔・複数の小孔群・切れ目・裂け目等であり、例えば長方形状の孔や2本の平行な切れ目である。このような出芽孔は、穿設装置やタテメス・ヨコメスを使用することにより形成される。出芽孔の間隔、形状及びサイズは、籾の発芽能力、紙の強度、雑草の発生の度合い、泥の上がりやすさ、鳥害、各農家それぞれの事情等に応じて調整することができる。 【0009】籾袋は、不織布製の連続するテープを籾を包むように軸線に沿って丸めた後切断される前に、出芽孔と略同じ形状及びサイズの孔が設けられた紙製の連続するテープである補強材に、孔ごとに籾が充填された部分が重畳するように貼り付けられ、補強材と共に切断されかつシートの裏面に出芽孔と孔とが重畳するように接着してもよい。このように補強材を付加すると、連続する状態及び独立した状態の籾袋を取り扱いやすく、製造過程を自動化しやすい。 【0010】請求項4に記載の発明は、不織布製の連続するテープを軸線に沿って丸めて籾を包んだ籾袋を、少なくとも籾を配置すべき箇所それぞれに出芽孔が設けられた紙製のシートの裏面に、前記籾袋の籾が前記出芽孔と重畳するように籾袋を接着する水稲マルチ栽培紙シートの製造方法において、前記籾袋の先端部分を切断して独立した籾袋とし、略一定の間隔を空けて籾を配置すべき箇所それぞれに出芽孔が設けられたシートの裏面に、前記独立した籾袋の籾が前記出芽孔と重畳するように、前記独立した籾袋を接着するように水稲マルチ栽培紙シートの製造方法を構成した。 【0011】請求項4に記載の発明に係る水稲マルチ栽培紙シートの製造方法においては、連続する状態の籾袋の先端部分を切断して独立した籾袋とし、これを出芽孔と籾袋の籾が重畳するようにシートに接着することにより、点播方式の水稲マルチ栽培紙シートを得ることができる。籾袋は連続しておらず出芽孔ごとに独立しているので、必要な不織布製の連続するテープの量が比較的少なく点播方式の水稲マルチ栽培紙シートを製造できるという利点がある。 【0012】上記過程は、請求項5に記載のように、前記シートの裏面の前記出芽孔に隣接する箇所に接着剤を塗布する過程と、前記籾袋の先端部分を切断して前記独立した籾袋とする過程と、前記独立した籾袋の籾が前記出芽孔と重畳するように、前記独立した籾袋を前記シートの裏面に配置する過程と、前記独立した籾袋が接着された前記シートを冷却する過程とを含むように構成することができる。 【0013】請求項6に記載の発明は、不織布製の連続するテープを軸線に沿って丸めて籾を包んだ籾袋を、少なくとも籾を配置すべき箇所それぞれに出芽孔が設けられた紙製のシートの裏面に、前記籾袋の籾が前記出芽孔と重畳するように籾袋を接着する水稲マルチ栽培紙シートの製造装置において、外周面の一部に空気を吸入する円弧状の空気吸入溝を有する固定軸と、前記固定軸の周りを回転し、回転角度に応じて前記固定軸の前記空気吸入溝と周面方向の外部とを導通できる複数の空気吸込孔が全周にわたって設けられたローラと、前記空気吸込孔の吸込により前記ローラの外周の一部に巻き付いた前記籾袋の先端部分を切断するカッターと、前記ローラの外周の一部に巻き付いた前記籾袋の先端部分とその裏面とが接する位置を通って前記シートを搬送するシート搬送装置とを含むように水稲マルチ栽培紙シートの製造装置を構成した。 【0014】請求項6に記載の発明に係る水稲マルチ栽培紙シートの製造装置においては、連続する状態の籾袋は、ローラの外周の一部に巻き付く。固定軸には空気を吸入する円弧状の空気吸入溝が設けられており、ローラには空気吸入溝と周面方向の外部とを導通できる複数の空気吸込孔が全周にわたって設けられているので、空気吸入溝に通じている空気吸込孔は、空気を吸い込むことにより籾袋を吸い付けて巻き付かせる。よってローラを回転させると連続する状態の籾袋を巻き取ることができる。空気吸入溝に通じていない空気吸込孔は籾袋を吸い付けることはなく、よってローラの回転により巻き付いていた籾袋を解放する。巻き付いている籾袋の先端部分はカッターにより切断され、解放された先端部分はシート搬送装置によって搬送されてきたシートの裏面に接することによりシート裏面に配置される。これにより独立した籾袋を、シートに設けられた出芽孔と籾袋の籾とが重畳するようにシートに接着することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下図示の実施の形態について説明する。 【0016】図1(a)は、本発明に係る水稲マルチ栽培紙シートの一つの実施の形態の一部を示す平面図であり、図1(b)(c)はそれぞれ図1(a)の水稲マルチ栽培紙シートの一部を拡大した平面図及びC−C断面図である。図1(c)(d)は、説明のために各部材の幅を厚くして示してある。図1(d)は、補強材を付加した籾袋をシートに接着した実施の形態の図1(c)と同様の断面図である。各断面図は説明のために一部部材の厚さを実際よりも厚く示してある。 【0017】各図において、シート1は再生紙製であり、段ボール用中芯材に利用されるものと同質の故紙100パーセント無漂白のものであって、図視上下方向に連続する幅160cmのロール紙である。シート1を構成する再生紙は、水田の表面に被覆されて水に浸けられた後、約40日で自然分解し土壌に還元される。また、水に浮かず、水がなくなった時に籾が乾かないように、親水性である方が好ましい。なお分解までの期間は、地域や年ごとの地温の変化や品種に対応して、耐水剤等による加工などにより調整可能である。 【0018】シート1には、籾が出芽するための出芽孔として、左右方向に5列に並んで上下方向に一定の間隔を空けて長方形状の孔2が設けられている。孔2のサイズは4cm×0.8cmであり、孔2の間隔は各列(条)の間はそれぞれ30cm、同じ列の隣り合う孔2はそれぞれ20cm(いずれも孔の中心より中心まで)である。稲は、このような出芽孔に沿って縦20cm、横30cmの間隔で成育するので、手入れや刈取りが容易である。出芽孔を複数の平行な切れ目とする場合は、必要数のタテメスを配置し、横の切れ目を入れないことで対応できる。出芽孔の形状、大きさ、間隔等は、籾の発芽能力、紙の強度、雑草の生え具合、泥の上がり難くさ、鳥害発生の度合等を考慮して決定される。 【0019】籾袋3は、出芽孔2の面積が4cm×0.8cmの場合、長さ5cmで、その中心部に1.5cmの間隔を空けて籾Rが2粒充填されたもの2つを並列させて孔2に重畳する。籾袋3に充填する籾Rの粒数や籾袋3の数は地域の実状に応じて増滅することができるが、これにともなって孔2の大きさや隣り合う孔2同士の間隔を変更する必要が生じることがある。籾袋3は、ホットメルト接着剤によりシート1の裏面の出芽孔2の長手方向両端外側部分に接着される。籾袋3は、セルロースを主原料とする日の粗い不繊布製テープを、籾Rを包むように軸線に沿って丸めるようにして形成された紐状である。充填されている籾Rが発芽する際には、芽及び根が不繊布の目を通って伸びることができる。またセルロースを主原料としているので自然分解しやすく、田を汚染したり刈取機にからみついたりすることもない。ホットメルト接着剤は非水溶性であり、シート1が水田の水に浸されても籾袋3がシート1から脱落することはないが、生分解性であり、水中あるいは土中での接着力が20日程度維持できるものである。 【0020】このような水稲マルチ栽培紙シートは水田の表面に被覆される。その際シートに直接籾を貼付したものに比べて、籾を包んだ籾袋がシートに貼付されているため籾が脱落することが少なく、また連続する紐状の籾袋の籾と籾の間を切断するため不織布製テープの長さを節約でき、籾の損傷や接着剤の影響を受けにくいためその後の出芽率も良好な点播方式の水稲マルチ栽培を行なうことができる。出芽孔以外の部分はシートに覆われているので、雑草の繁茂が抑制され、よって除草剤が不要もしくは最小限の使用で済む。 【0021】図2は、本発明に係る水稲マルチ栽培紙シートの製造方法の一つの実施の形態が適用された水稲マルチ栽培紙シートの製造装置を示し、図1に示す水稲マルチ栽培紙シートを製造できる。図2において、図1に示した部材と同様の部材には同じ符号を付して示してある。 【0022】図2において、水稲マルチ栽培紙シート製造装置は連続する紐状の籾袋3がそれぞれ巻かれている2個のボビン4、4と、ボビン4、4からそれぞれ巻き出された2本の連続する状態の籾袋3、3を0.8cm幅に揃えて前進あるいは停止させるために間欠的に回転する駆動ローラ5と、図示しないローラから供給されたシート1の所定位置に出芽孔2を形成する横メス6及び縦メス7と、切り取られた紙クズを排出する排出装置8と、横メス6及び縦メス7と連動してシート1の裏面の所定位置すなわち出芽孔2の周辺にホットメルト接着剤を塗布するホットメルト塗布装置9と、ホットメルト接着剤を硬化させるための冷風吹き付け器10及び冷却ローラ11、12と、シート1に設けられた出芽孔2と籾袋3、3とを圧接する圧接装置13と、籾袋3、3の先端部分を切断するカッター装置14と、駆動ローラ5やカッター装置14等の制御のためにシート1のホットメルト接着剤が塗布された位置に基づいて出芽孔2の位置を検知する接着剤検知装置15と、籾袋3、3の中の籾Rの有無を検知して、必要に応じ装置全体の稼働停止を指示する籾検知装置16と、ボビン4、4から供給される籾袋3、3が巻回され、駆動ローラ5と連動して間欠的に回転するローラ17と、駆動ローラ5と連動して間欠的に回転し、ボビン4、4から供給される籾袋3、3を巻き取り、カッター装置14により切断された籾袋3、3の先端部分をシート1の裏面の所定位置に配置する吸着ローラ18とからなる。 【0023】なお図1に示すように、出芽孔2は1枚のシート1に5列が並設されるので、図2の各装置は5列の出芽孔2に対応するように構成されている。例えばボビン4、4は1列に2個づつ、計10個用意され、10本の籾袋3が引き出される。また縦メス6、横メス7、排出装置8、ホットメルト塗布装置9、カッター装置14、駆動ローラ5、ローラ17、吸着ローラ18、冷却ローラ11、12、圧接装置13、接着剤検知装置15、籾検知装置16等は各列ごとに1個(1組)が対応している。 【0024】このような装置において、ボビン4、4に巻かれたそれぞれ連続する状態の籾袋3の先端は、ローラ17を経由して吸着ローラ18のシート1との合流点にセットされる。籾袋3は、先端より5cmの位置でカッター装置14により切断される。連続する状態の籾袋3は、上述したように不織布製の連続するテープにより籾を包むように軸線に沿って丸めるように形成した紐状であり、1.5cm及び3.5cmの間隔を空けて籾が充填されている。カッター装置14により切断されるのは、3.5cmの間隔の中間である。 【0025】図3は、吸着ローラ18を示す横断面図である。吸着ローラ18は内側の固定軸19と固定軸19の周りを回転する回転ローラ20とからなる。固定軸19は長さ約140cmであり、回転ローラ20は固定軸19の回りに30cm間隔で5個配置されている。円柱状の固定軸19の中心部には軸方向に通気管191が延びており、回転ローラ20ごとに区画されて、それぞれに空気吸入装置(図示していない)が接続されている。通気管191の側部からは、回転ローラ20の位置で外方向に5本の空気吸入孔192が固定軸19の外周に向かって延び、それぞれ5つの空気吸入溝193に接続している。空気吸入溝193はそれぞれ円弧状であり、すなわち固定軸19の外周の所定の角度にわたって続く溝である。回転ローラ20は固定軸19に対して回転可能であり、図示しない駆動装置により間欠的に(具体的には90度ごとに)図視時計回り方向に回転する。回転ローラ20には、空気吸入溝193と回転ローラ20の外周面の外側とを導通する複数の空気吸込孔201が設けられている。複数の空気吸込孔201は回転ローラの全周にわたって、各空気吸入溝193に対応する位置に配置されている。また回転ローラ20の周面にはカッター装置14の刃を受け入れる4つの溝202が設けられている。 【0026】このような吸着ローラ18においては、固定軸19の空気吸入溝193に導通している回転ローラ20の空気吸込孔201が空気を吸い込むため、回転ローラ20の外周に巻きつけられた籾袋3は回転ローラに密着する。回転ローラ20が90度回転すると連続する状態の籾袋3が引っ張られて巻き取られる一方、カッター装置14により切断されて独立した籾袋3は、その先端部分と後端部分とがホットメルト塗布装置9によって塗布されたホットメルト接着剤9a、9bにそれぞれ接するようにシート1の裏面に配置される。シート1との合流点のちょうど内側の位置において空気吸入溝193は途絶しているので、独立した籾袋3は回転ローラ20から解放される。 【0027】図2において、シート1はまず横メス6により長さ0.8cmの横方向の切れ目2本を4cmの間隔で入れ、次に縦メス7により横方向の切れ目の両端をそれぞれ結ぶように縦の切れ目を入れる。これにより4cm×0.8cmの出芽孔2が形成される。出芽孔2の間隔(中心から中心まで)は20cmである。ホットメルト接着剤塗布装置9により、出芽孔2を長手方向に挟んだ両側にホットメルト接着剤(図3の9a及び9b)が塗布される。さらに籾袋3との合流点に近づくと、ホットメルト接着剤9aが検知装置15により検知され、その結果に基づいて回転装置5、ローラ17、吸着ローラ18が回転して籾袋3が前進する。同時に上述のようにその先端から5cmの部分がシート1の裏面に配置されて合流し、圧接装置13によって必要な圧力を加えられて確実に接着される。 【0028】次に検知装置15の検知に基づいて回転装置5、ローラ17、吸着ローラ18が停止し、カッター装置14が作動して籾袋3の先端から5cmの位置が切断される。切断されても、独立した籾袋3は空気吸込孔201により吸着されるので脱落することはなく、次の吸着ローラ18の回転によりシート1の裏面に配置される。籾袋3が接着されたシート1は、冷風吹き付け器10からの冷風により冷却ローラ11、12を通過する過程で冷却される。装置全体の稼働停止指示装置16は、籾袋3が停止している時に、本来その位置において、あるべき籾Rがなんらかの事情により見当たらない場合にそれを検知して装置全体の作動を停止させるものである。 【0029】この装置において籾袋3に充填される籾Rは例えば1群2粒、群間隔5cm、群内聞隔1.5cmで、2列ずつが出芽孔2に重畳されるので、一つの出芽孔あたりの籾数は4粒となる。なお、出芽孔あたりの籾数を確実に4粒以上とするため、若干無駄にはなるが籾Rを1.5cm間隔で連続して籾袋3に入れる方法もある。出芽孔を長方形の孔とせず、複数の縦の切れ目とする場合は、横メス6を省略して縦メス7から始める方法でよいが、籾袋を複数列とする場合は、採光効果を上げるために縦メスを増設し、切れ目を3列以上とする方法もある。 【0030】図4は、予め紙テープに連続する籾袋を接着した籾袋3を示す平面図である。補強材である紙テープ21は幅3〜4.5cmであり、中央部分にシート1の出芽孔2と同じサイズ及び形状である長方形の孔22を1cmの前後間隔を空けて設け、孔22に重畳するように2つの籾袋3をそれぞれの籾Rの位置がなるべく一致するように2列に並置し、前後の孔22と孔22との間でホットメルト接着する。紙テープの前後の孔22と孔22の間には、籾袋3と重ならない部分に1mm程度の切り残しを数箇所設けた切り込み23と、籾袋3と紙テープ21の重なる部分には幅1cm程度の切り込み24とを入れて、この籾袋付き紙テープをシート1に接着する際の切断及び接着の作業を容易にする。また、紙テープ21の両側面には、籾袋3に平行してそれぞれ幅1mm程度のホットメルト接着剤25を連続して塗布しておく。このような紙テープ付きの籾袋は、上述の2列の籾袋3、3に代えてシート1の裏面に接着することができる。 【0031】図5は、予め紙テープ21に連続する籾袋を接着した籾袋3をシート1に接着する水稲マルチ紙シート製造装置を示す正面図である。ボビン4に紙テープ21とともに巻かれている籾袋3は回転ローラ26、27に挟持され、その回転により連続して引き出される。一方出芽孔2が設けられたシート1は回転ローラ28とヒートローラ29、及び図示しない冷却ローラ(図2に示した冷却ローラと類似のもの)とに挟持され、その回転により連続して引き出される。両者は、回転ローラ28とヒートローラ29との接する点aにおいて合流し、籾袋3は先端部分が切断されて独立した籾袋3となり、籾袋3に充填された籾が出芽孔2に重畳するようにシート1の裏面にそれぞれ接着される。 【0032】籾袋3の先端部分を切断するために、この装置では各ローラの組による引き出し速度の相違を利用している。すなわち回転ローラ28とヒートローラ29、及び冷却ローラとによるシート1の引き出される速度は、回転ローラ26、27とによる籾袋3の引き出される速度の4倍の速さである。回転ローラ26、27により挟持されて引き出され、案内板31上を進行する連続する籾袋3の先端がa点に達し回転ローラ28とヒートローラ29との間に挟持されると、回転ローラ28とヒートローラ29とによる引き出し速度は回転ローラ26、27による引き出し速度の4倍の速さなので、連続する籾袋3は前後方向に引っ張られ、図4に示した切り込み23、24の箇所で切断される。これにより、連続する籾袋3の先端部分は切断されて、独立した籾袋となる。なお連続する籾袋3の先端から一番近い切り込み23、24が切断されるように、回転ローラ26、27による挟持部分と点aとの間の長さは、独立した籾袋3の2倍の長さ、すなわち先端から二番目の切り込み23、24までの長さよりも短く設定されている。 【0033】回転ローラ26及びヒートローラ29には、籾が圧砕されないように周面の中央部分に幅1cm程度の溝がそれぞれ周設されており、この溝に籾袋3に充填された籾が入り込む。ヒートローラ29の溝の両側部分は加熱されており、紙テープ21の両側近くに予め塗布されているホットメルト接着剤を熱溶解し、紙テープ21をシート1に接着する。これにより籾袋3は間接的にシート1に接着される。 【0034】ヒートローラ29は図示しないカム機構により回転ローラ28に対して接近離反する方向に移動可能であり、a点における回転ローラ28との周面同士の間隔を調整することができる。すなわち紙テープ21の先端がa点に到達するまでは間隔を広げておき、先端が入りやすくしておく。この間、シート1は冷却ローラにより引き出される。紙テープ21を挟持している時は、間隔をより狭めてホットメルトの熱接着を効率よく行なうとともに、籾袋3を確実に切断するようにしている。 【0035】出芽孔検知装置30はシート1に設けられた出芽孔2の位置を検知し、a点においてシート1と紙テープ21とが適正な相対位置になるように、すなわち出芽孔2と孔22とが一致して接着されるように、必要に応じて回転ローラ26、27の回転速度を調整するように検知結果を図示しない制御装置に送信する。 【0036】以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能であることは言うまでもない。例えば、需要者の希望に応じてシート1の幅と籾袋3の列数を次のように設定することもできる。
また出芽孔2の形についても、例えば縦メス横メスに替わる丸孔抜き装置により丸孔とすることがでさる. 【0037】 【発明の効果】本発明に係る本発明に係る水稲マルチ栽培紙シートによると、作業中や田の表面に被覆後に籾がシートから脱落することがなく、よって経済的にも実用的にも有用な点播方式の水稲マルチ栽培を行うことができる。また本発明に係る水稲マルチ栽培紙シートの製造方法及び製造装置によると、点播方式に適した水稲マルチ栽培紙シートが自動的に製造できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592073813 【氏名又は名称】佐藤産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年2月4日(1999.2.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071560 【弁理士】 【氏名又は名称】網野 誠 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−224903(P2000−224903A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月15日(2000.8.15) |
| 【出願番号】 |
特願平11−27234 |
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