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【発明の名称】 連続水稲苗田植機
【発明者】 【氏名】若松 大朔

【要約】 【課題】連続水稲苗田植機1への苗ロール4の搭載、セットを容易にし植えつけ性能等を向上させる。

【解決手段】苗乗せ台下端に回転ブラシ9を設け、毛先29の弾力で、マット苗11の端部横ずれ、変形を防ぐ。補強紙2のロールを搭載しマット苗11の下に敷いて繰り出し、剛性を付加して整形に掻取る。補強紙2には農薬、肥料等を含有、付着等させても良い。着脱式苗抵抗棒8の縦棒上部先端33を上に曲げ等し、苗押さえロール7、同歯車5を置いて、マット苗11を押さえながら繰り出す。多数の孔17・18を設けた板2枚を平行に固定した苗ロール搭載装置3を用い、小口径の角型苗ロール巻き取りパイプ23苗ロール解除防止パイプ24を簡単に着脱して、運搬、搭載を容易にする。苗押さえロール7の軽い外筒37内に、重い内筒38を入れて偏心させ、マット苗11を苗送りベルト12の最下部で押さえて繰り出しずれを防ぐ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗乗せ台下端にマット苗端面ずれ防止のための回転ブラシを設けた連続水稲苗田植機。
【請求項2】 苗乗せ台の苗ロール搭載位置より上に、マット苗の補強紙を搭載する構造の連続水稲苗田植機。
【請求項3】 苗乗せ台下端の着脱式苗抵抗棒の縦棒先端を曲げ、または縦棒に突起を設け等して、装着したマット苗押さえロールまたはマット苗押さえ歯車の移動を防いで、マット苗上の定位置で回転させる構造の連続水稲苗田植機。
【請求項4】 苗乗せ台下端の着脱式苗抵抗棒の縦棒下部端に、マット苗端部ずれ防止のための回転ブラシの保持部を設けた連続水稲苗田植機。
【請求項5】 大口径パイプ内に、これより口径の小さな重量丸棒または重量パイプ等を入れたマット苗押さえロールを搭載する連続水稲苗田植機。
【請求項6】 多数の孔を設けた板2枚をマット苗の幅に適合するように平行に固定し、この孔により苗ロール巻き取りパイプと苗ロール解除防止パイプ、棒等を着脱する構造の苗ロール搭載装置を使用する連続水稲苗田植機。
【請求項7】 「請求項6」の板2枚の上端部を曲げ等して、苗乗せ台上縁に引っかける構造の苗ロール搭載装置を使用する連続水稲苗田植機。
【請求項8】 「請求項6」の板2枚を固定する軸を、苗乗せ台表面に設けた突起に引っかける構造の苗ロール搭載装置を使用する連続水稲苗田植機。
【請求項9】 「請求項6」の孔に適合するバネにより伸縮する軸を内在した苗ロール巻き取りパイプを使用する連続水稲苗田植機。
【請求項10】 角型の苗ロール巻き取りパイプを用いる連続水稲苗田植機。
【請求項11】 農薬・肥料等を含有、塗布、糊着等した補強紙とこれを培土苗、マット苗等の下敷きとして移植に用いる田植機及び連続水稲苗田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、連続水稲苗の移植に用いる田植機において、連続水稲苗を巻き取った苗ロールの搭載を容易にして、施肥、施薬、苗繰り出し、掻取り、植えつけ性能等を向上させた、連続水稲苗田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】 現用されている育苗箱による箱苗育成、田植機移植方法において培土詰め、灌水、播種、覆土した育苗箱の重量は1箱当たり約6kgに達する。この重量ある育苗箱を1枚1枚運搬する労働集約的箱苗育成、運搬、引きはがし、田植機搭載移植方法を改善するために、次の新技術が研究されている。長尺の不織布補強基材上に籾を播種して、長尺マット状の連続水稲苗を水耕槽内で育成し、成育した苗を巻き取りと反対方向に倒して大口径の硬質塩化ビニール管に巻き取り苗ロールとする。これを、はめ込み式搭載装置で田植機に搭載して移植する方法が、ロングマット育苗法として、農林水産省農業研究センターで研究され、養賢堂発行「農業および園芸」平成8年6月号に「水稲の育苗・移植作業の軽作業化−水稲ロングマット水耕苗の誕生と展望−」 田坂幸平 として発表されている。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】 前記ロングマット水耕育苗法等による連続水稲苗(以下マット苗と称する)を、巻き取ってロール状にまるめた、巻き取り苗ロール(以下苗ロールと称する)の繰り出し方法は、田植機の苗送りベルトにより,苗ロールの荷重を受け、苗送りベルトの駆動力により苗ロールを回転させて、解除、巻きほごしして苗乗せ台へ繰り出し、通常移植方法と同じく、移植爪で掻取り移植する。苗ロールは多量の水を含んでおり、不織布補強基材も薄く柔らかい。マット苗を移植爪で掻取ると、鋸歯状に掻取り残りが出来て、これが苗乗せ台下部に密接するしゆう動板に設けられた、平滑な掻取り口の縁にはりつき・引っ掛かる。はりつき・引っ掛かるとマット苗の端面隅部は、苗乗せ台の移動とともに、掻取り口の縁に引っ張られて縮小し、端面の形は台形となって幅が狭くなる。
【0004】 マット苗の端面が台形となって幅が狭くなり苗乗せ台各条の隅部に空所が出来ると、移植爪で掻取っても苗はマット苗から分離されないから、苗は植えつけられず欠株が生ずる。掻取りにあたって苗乗せ台は往復するから、マット苗の端面隅部が変形して空所が出来ると往復ともに欠株が生じて連続欠株となる。連続欠株は他の株による補償作用が及ばず、収量の低下ばかりではなく雑草の発生と繁茂を促進する。
【0005】 また、従来の培土箱育苗による剛性のある厚い苗と異なり、柔らかく薄いマット苗は、移植爪で掻取る場合グニヤグニヤして変形し、苗がうまく分離されずに損傷を受けて、植えつけ姿勢や植えつけ本数も不安定となる。なによりも、掻取り残りが出来て、これが前記のようにしゆう動板に設けられた掻取り口の縁にはりつき・引っ掛かり、マット苗が偏ったり、苗ロールの繰り出しが安定しなくなったりする。
【0006】 また従来の培土詰め箱育苗による剛性のある厚く重い苗(以下培土苗と称する)は、その重量で田植機の苗送りベルトの突起に密着する。したがって、培土苗の苗送りは良好であり、上記のように剛性があるから、移植爪による掻取りも、掻取り口の形どおりの方形に連続して掻取られる。
【0007】 しかし、前記のマット苗は、柔らかく薄く極く軽いため、田植機の苗送りベルトの突起に密着せず、苗送りは不良となる。このため、特許出願番号平成8年257281「連続水稲苗の田植機」のように、苗送りベルトの苗乗せ面の直上等に、バネで押さえる苗押さえ歯車またはローラー等の苗押さえ機構を設けることが提案されている。この苗押さえ機構も、苗ロールの搭載、解除、マット苗の繰り出しセットにあたっての操作がより簡便に出来るものが望ましい。
【0008】 農林水産省農業研究センターで研究され、続いて主要農機具製造会社で開発使用されている、水稲ロングマット水耕苗の搭載方法は、次のように複雑で重く操作がむずかしい。前記特許出願番号平成8年257281「連続水稲苗の田植機」に図示されているように、3角形に組んだ鉄パイプ溶接保持金具を、苗ロール巻き取りの大口径の硬質塩化ビニール管に差し込んで、これに重く複雑な構造の鉄板溶接の保持支柱にラックではめ込み、さらに、この保持支柱を苗乗せ台表面に設けられた鉄製ラックにはめ込む方式である。従って苗ロール径も太くなり扱いずらい。
【0009】
【課題を解決するための手段】 苗乗せ台下端上部にマット苗端面ずれ防止の回転ブラシを設けて、回転ブラシの毛による抵抗で、マット苗の端面が、しゆう動板の移動とともに、掻取り口の縁で横に引っ張られて縮小、変形するのを防ぐ。
【0010】 苗乗せ台の苗ロール搭載位置より上に、片面ダンボール等の補強紙ロールを搭載して、補強紙をマット苗の下に敷くようにして重ねて繰り出す。掻取りにあたっては、剛性のある片面ダンボール等の補強紙が、柔らかいマット苗の下に敷かれた状態で掻取り口の上に乗り、移植爪で掻取られるので、変形が無く、移植掻取り口の形とおりの方形に掻取りが連続して行われる。補強紙の耐水性は通常の使用では特に必要がないが耐水紙を使用しても良い。補強紙に予め農薬、肥料、土壌改良剤等を含有、塗布、糊着させても良い。
【0011】 苗乗せ台下端の着脱式苗抵抗棒の縦棒を極短くして、縦棒の上部先端を上に曲げるか下向きの突起を設け、苗送りベルト下端の位置にマット苗押さえロールまたはマット苗押さえ歯車を置く。上に曲げた縦棒の上部または突起が、マット苗押さえロールまたはマット苗押さえ歯車の移動を防ぐ。マット苗押さえロールまたはマット苗押さえ歯車は、その重量でマット苗を苗送りベルト下端に押さえつけ、繰り出す。
【0012】 場合によっては、マット苗押さえロールの大口径パイプ内に、これより口径の小さな重量丸棒または重量パイプを入れ、重心を下方に偏心させたマット苗押さえロールを本発明の連続水稲苗田植機に搭載する。
【0013】 多数の孔を設けたアルミ等の板2枚を軸によってマット苗の幅に適合するよう平行に固定し、この孔により小口径の苗ロール巻き取りパイプ・苗ロール解除防止パイプを着脱する構造の苗ロール搭載装置を使用する。この板2枚の上端部を曲げ等して、苗乗せ台上縁に引っかけるか、板2枚を相互に固定する軸を、苗乗せ台表面に設けた突起に引っかけて、本発明の連続水稲苗田植機に搭載する。
【0014】 苗巻き取りロールを搭載するには、前記板2枚の孔に適合する、バネにより伸縮する軸を内在した、角型苗ロール巻き取りパイプを使用する。
【0015】 さらに、苗ロール外周に密着する位置の孔に、バネにより伸縮する軸を内在した、苗ロール解除防止パイプを固定する。
【0016】
【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を実施例にもとづき、図面を参照して説明する。
【0017】 図1・図5において、1は乗用4条の連続水稲苗田植機である。説明のため、両端の2条のみ片面ダンボール等の補強紙2のロールと苗ロール4を搭載した状態である。補強紙2のロールは、図1のように、苗乗せ台の最上部に設けた軸にとおして回転自在にしてあり,苗送りベルト12の駆動により引っ張られて順次苗乗せ台に繰り出す。
【0018】 苗乗せ台左端条には、図3及び図4で説明する苗ロール搭載装置3によって、苗ロール4が搭載されている。前記で説明した主要農機具製造会社で開発使用されている、鉄板溶接の保持支柱6を苗乗せ台表面に設けられた鉄製ラックにはめ込み、苗ロール4を搭載する方法は、図1の連続水稲苗田植機1の右端条に図示してある。
【0019】 搭載装置3の上端14は、図3のように曲がっており連続水稲苗田植機1の苗乗せ台上縁に、ここを引っかけて装着される。
【0020】 苗ロール4は、苗送りベルト12の駆動により回転してマット苗11を繰り出す。苗乗せ台下端の着脱式苗抵抗棒8の縦棒上部は、苗送りベルト12の下端より少し上の位置で上方に曲げられており、ここにマット苗押さえ歯車5または、マット苗押さえロール7が置かれる。繰り出された補強紙2は、苗ロール4の下に敷きこまれる。各苗ロール4から解除されたマット苗11の下に補強紙2が重なって、マット苗押さえ歯車5または、マット苗押さえロール7の重量で、苗送りベルト12の突起31に密着して繰り出される。補強紙2が片面段ボールやエンボス(凹凸・皺付け)、ケバたて加工紙の場合は、マット苗11、苗送りベルト12とのなじみが良く、繰り出し性能が良好となり、マット苗11端面のずれも減少する。
【0021】 着脱式苗抵抗棒8の縦棒下部には、C型のラック27が設けてあり、両端に回転ブラシ9を取り付けた軸が、鞘を覆うパイプ28を介して各条ごとにC型のラック27に取り付けられる。回転ブラシ9の毛先29は、しゅう動板の上まで伸びていて、マット苗11に触れてその横ずれ移動を防止する。マット苗11は、補強紙2が下となって重なってピンと張り、掻取りにあたってグニャッとなること無く剛性を保つから、掻取り残りが鋸歯状になることも無く、移植爪10によって綺麗に整形に掻取られる。
【0022】 この2枚かさね状態を図2の縦断面図で説明する。角型苗ロール巻き取りパイプ23に巻かれた苗ロール4は、補強紙2を下敷きとして苗送りベルト12の駆動により回転してマット苗11を下方に繰り出す。13は掻取り損傷せぬよう繰り出し方向の逆向きに倒しておいた稲苗である。
【0023】 図3において、苗ロール搭載装置3の構成を説明する。苗ロール搭載装置3は、アルミ、鉄等の板2枚を、直交するボルトとナット16または丸棒、板、パイプ等を溶接、ビス止め等により平行に固定したもので、板は苗乗せ台の曲面にピッタリ合うようにカーブを付ければさらに良い。上部のボルトまたは丸棒、パイプ等には、保持用パイプ15がとおしてあり、ここを持って苗ロール搭載装置3を運搬する。前記のように上部の端部14は曲げて、苗乗せ台上縁に引っかける構造となっている。勿論直線状の端部にC型、L型の引っかけ金具を取り付け、この金具で苗乗せ台上縁に引っかけても良い。各板には、苗ロール4を装着するための孔群17と、その下部に苗ロール4外周に密着する位置を選択出来るように苗ロール固定用孔群18が設けてある。
【0024】 小口径の角型苗ロール巻き取りパイプ23の内径に嵌合する円筒形の固定駒20の中心に、バネ21により伸縮する軸19を固定し、軸19を苗ロール搭載用の孔群17中の苗送りベルト12の駆動と苗ロール4の回転に適合する孔にはめ込んで角型苗ロール巻き取りパイプ23を苗ロール搭載装置3に装着する。軸19の他端は、角型苗ロール巻き取りパイプ23の内径に適合する円筒形の中間固定駒22を経て円筒形の固定駒に同様に連結されて、向合う他の板の苗ロール搭載用の孔群17の同一位置の孔にはめ込まれる。角型苗ロール巻き取りパイプ23を、苗ロール搭載装置3からはずすには、円筒形の固定駒20の一端を押して、バネ21を圧縮し、軸19を縮めれば良い。
【0025】 図4は、育苗板25上で苗ロール4を装着した別形式の苗ロール搭載装置3で、連続水稲苗田植機1への搭載は、苗乗せ台表面の各条仕切りリブ等に設けたボルト等の突起に、前記の板固定上部ボルト等を引っかけて行う。固定用孔群18の苗ロール4の外周に密着する位置の孔に、前項に説明した機構によるバネにより伸縮する軸を内在した苗ロール解除防止パイプ24を装着して、運搬および連続水稲苗田植機1への搭載に際して苗ロール4の回転を防ぎ、解除を防止する。簡単には丸棒等を前記孔に挿入しても苗ロール4の解除防止は可能である。
【0026】 図5において、図1の苗乗せ台下部機構の詳細を説明する。着脱式苗抵抗棒8は、苗乗せ台下端左右と中央に設けられた着脱式苗抵抗棒はめ込み枠30の孔に横棒左右の端部をはめて連続水稲苗田植機1に固定される。
【0027】 着脱式苗抵抗棒8の縦棒上部先端33は上に曲げてある。マット苗押さえロール7をマット苗11上に置くと、マット苗押さえロール7は、着脱式苗抵抗棒の縦棒上部先端33の曲がり部分に引っ掛かって止まる。マット苗11の移動につれて、マット苗押さえロール7は引っ掛かった定位置で回転し、その重量でマット苗11、補強紙2を苗送りベルト12の突起31に密着させて繰り出す。
【0028】 着脱式苗抵抗棒8の縦棒下部には、C型のラック27が設けてあり、ここに両端に回転ブラシ9を取り付けた軸が、鞘パイプ28を介して回転自在の状態で連続水稲苗田植機1の苗乗せ台各条ごとに取り付けられる。回転ブラシ9の毛先29は、しゅう動板の上まで伸びて、掻取り口26の上を覆う。
【0029】 マット苗11は、マット苗押さえロール7と苗送りベルト12によって繰り出され、着脱式苗抵抗棒8の下を潜り、回転ブラシ9の毛先29に触れて、回転ブラシ9を回転させながら掻取り口26の上に乗る。このマット苗11は苗乗せ台の移動につれて、必要あれば補強紙2が下となった重なった状態で、移植爪10によって掻取られ、移植される。移植爪10は回転ブラシ9の毛先29中を通過して、マット苗11を掻取る。通過にあたって回転ブラシ9の毛先29は、移植爪10の尖った先端によって、左右にかき分けられるので、損傷を受けることは無い。
【0030】 万一マット苗11・補強紙2の掻取り残が、掻取り口26にはりつき引っ掛かって横方向にずれ、マット苗11の端面隅部が変形しようとしても、しゅう動板の上まで伸びて、掻取り口26の上を覆う回転ブラシ9の毛先29が、マット苗11の表面にある稲苗13に接触して、弾力で横移動を押さえる。
【0031】 図6は図5の苗乗せ台下部機構の別形式である。着脱式苗抵抗棒8は、苗乗せ台下端に設けられた着脱式苗抵抗棒はめ込み枠30の孔に、着脱式苗抵抗棒8の横棒の端部をはめて固定される。
【0032】 着脱式苗抵抗棒8の各縦棒は横棒を貫通して固定されており、その上部先端33は前記同様上に曲げてある。着脱式苗抵抗棒8の縦棒下部には、C型のラック27にかわって軸受け32が設けてある。
【0033】 軸受け32には回転ブラシ9の回転軸が回転自在の状態で貫通保持され、回転軸の両端には回転ブラシ9が取り付けられる。回転ブラシ9に植え込まれた毛の毛先29は前記と同じく図6のように、しゅう動板の上まで伸びて、掻取り口26の上を覆う。前記と同様回転ブラシ9の毛先29がマット苗11の表面にある稲苗13に触れて弾力で横移動を押さえる。
【0034】 図7はマット苗11を押さえて繰り出す苗押さえ歯車5と、着脱式苗抵抗棒8による苗押さえロール7の別装着方式を示す。機構を明瞭に示すため、マット苗11を省略してある。苗押さえ歯車5は、苗乗せ台各条の幅(約285mm)に適合する長さの重量ある鉄・真鍮・ステンレス等のパイプ34の両端に、繰り出し方向にのみ回転する歯車35を軸受により苗送りベルト12の端部に乗る位置に、はめ込んである。
【0035】このパイプ34が着脱式苗抵抗棒の縦棒上部先端33の曲がり部分等に引っ掛かって止まる機構は、前記の苗押さえロール7の場合と同様である。マット苗11には、苗押さえ歯車5の歯車35がその重量で食い込んで押さえ、苗送りベルト12の駆動により、マット苗11はしゅう動板の掻取り口26に向かって歯車35が回転して繰り出される。掻取り等によるマット苗11の横方向へのずれ、縦方向への引っ張りは、歯車35の食い込みよっても防がれる。
【0036】 着脱式苗抵抗棒8による苗押さえロール7の別装着方式は、図7に示すように縦棒上部に十字型やT字型の突起を溶接等により設け、この突起36により苗押さえロール7の移動を防止する。他の機構は前記と同様である。
【0037】 図8は、マット苗押さえロール7の内部構造を示す。硬質塩化ビニール等の軽い外筒37の内部には、鉄・真鍮・ステンレス等の径の小さい丸棒またはパイプの重い内筒38が入り蓋39により外部への脱出を防止してある。軽い外筒37の径が大きいため、着脱式苗抵抗棒8による装着が容易であり、軽い外筒37の重心位置が、重い内筒38により低く偏心しているため、マット苗11を苗送りベルト12の最下部上で押さえマット苗11のずれもよく防ぐ。
【0038】
【発明の効果】 本発明は以上のように構成実施されるので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0039】 回転ブラシによりマット苗端面隅部ずれ、縮小、変形防止等が可能となり、連続気泡硬質尿素樹脂、ロックウール、籾殻マット等適度の剛性のある厚いマット苗基材を使用した場合は、必ずしも補強紙を必要としない。
【0040】 補強紙ロールを搭載してあるので、不織布等の柔らかいマット苗基材を使用しても、掻取りが整形に連続して行われ、鋸歯状の掻取り残りが掻取り口にひっかかり、マット苗が変形して欠株、損傷株が生じるのを防げる。片面段ボールの補強紙の場合は、段繰り、裏ライナーの凹凸等が、エンボス加工紙等の場合はその表裏の粗面・凹凸・皺が、マット・苗、苗送りベルト突起と良くなじんで摩擦力が強まりマット苗の繰り出しが良好になる。
【0041】 補強紙に農薬等を塗布等すれば、連続苗田植機に肥料や農薬の散布・注入装置を付設したり、育成苗に農薬を散布し含浸させて田植えする複雑多費な作業を免れる。塗布等した補強紙を培土苗やマット苗を切断した長尺苗等の下敷きにして、現用の田植機にそのまま搭載、移植しても同様の効果を表す。
【0042】 マット苗押さえロールまたはマット苗押さえ歯車の着脱が極容易で、苗ロール搭載後の苗マットの繰り出し、セットも容易になる。苗掻取り時の移植爪による苗マットの縦引きずりのずれもマット苗押さえ歯車等で防げる。
【0043】 大口径パイプ内に、口径の小さな重量丸棒または重量パイプを入れて、重心を下方に偏心させたマット苗押さえロールを搭載すれば、苗送りベルトの最下端で苗マットを押さえて、苗マットの繰り出し、固定が良好になる。
【0044】 多数の孔を設けた板2枚を平行に固定した苗ロール搭載装置・バネにより伸縮する軸を内在した小口径苗ロール巻き取りパイプや苗ロール解除防止パイプ等を用いるので、苗ロールの装着、解除防止、運搬、搭載が容易になり、苗ロールの径も小さくなるので厚く保水性の良いマット苗基材が使える。
【0045】 角型苗ロール巻き取りパイプ内径に嵌合する角型突起を有するクランクを用いて、苗マット巻き取り作業を簡単に行える。
【出願人】 【識別番号】596090823
【氏名又は名称】若松 大朔
【出願日】 平成11年1月11日(1999.1.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−201513(P2000−201513A)
【公開日】 平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願番号】 特願平11−42073