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【発明の名称】 苗移植装置
【発明者】 【氏名】川村 雄造

【要約】 【課題】多数の苗を高能率で移植することができる苗移植装置を提供する点にある。

【解決手段】多数の苗1が縦横に配列された横列のうちの特定の横一列の全ての苗1又は該横一列の一部の複数の苗1を一度に取り出すための取出手段3と、この取出手段3により取り出して移送される複数の苗1を一旦貯留しておくための複数の貯留部4を備え、前記取出手段3により取り出された苗1の全数が各貯留部4にほぼ均等に配分されるように前記貯留部4への取出手段3の移動を自動制御する制御手段を設け、前記各貯留部4に貯留してある苗を一苗ずつ送り出す送出手段5と、この送出手段5により送り出された複数の苗1のそれぞれを所定箇所に移植するための移植手段6とを備えたことを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多数の苗が縦横に配列された横列のうちの特定の横一列の全ての苗又は該横一列の一部の複数の苗を一度に取り出すための取出手段と、この取出手段により取り出して移送される複数の苗を一旦貯留しておくための複数の貯留部を備え、前記取出手段により取り出された苗の全数が各貯留部にほぼ均等に配分されるように前記貯留部への取出手段の移動を自動制御する制御手段を設け、前記各貯留部に貯留してある苗を一苗ずつ送り出す送出手段と、この送出手段により送り出された複数の苗のそれぞれを所定箇所に移植するための移植手段とを備えてなる苗移植装置。
【請求項2】 前記多数の苗を収容するものとして、収容部が縦横に多数配列された集合育苗トレーを用い、この集合育苗トレーの横列数よりも前記取出手段の数を少なく設定し、前記複数の取出手段が横列に位置する収容部のうちの所定間隔置きに位置する収容部に位置するように該取出手段同士の間隔を設定してなる請求項1記載の苗移植装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、花卉や野菜等の苗を圃場の畝(畦)等に高能率で移植することができる苗移植装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、1株の苗を圃場の畝(畦)等に人為力により植え付ける場合に、3〜4秒の時間が必要となり、例えば株間隔を13〜15cmとして10アール(100m2 )当たりの植え付け時間は50時間程度必要になる。このような多くの時間を少しでも改善するものとして、例えば特開昭49−131811号公報に示されるものがある。これは、区画された多数の区画部に発芽した苗をその区画部よりも大きな区画部を有し、かつ、直下方に位置する発育箱に、上下動可能な押し込み棒(プランジャー)により押し込んで植え付ける方法が示されている。又、特開平6−14617号公報では、縦横に載置された苗を縦送りコンベアにて縦方向に縦1ピッチずつ移送することにより、縦方向一端に配設された横送りコンベアに前記横一列分の全個数の苗を移送し、この横送りコンベアを横1ピッチずつ移送して受け取った横一列分の全個数の苗のうちの横一端側に位置する苗から1株分ずつ植え付け手段に移送して、1株分ずつ苗を植え付けるようにしている。又、実表昭62−500002号公報では、2本のピンを苗の土塊に突き刺して持ち上げて他の鉢に植え付けるものが示されている。
【0003】上記の3つの公報によれば、苗を自動的に植え付けることができ、人為的に行うものに比べて、植え付け作業を効率よく、しかも重労働となることがないものの、いずれの場合も圃場の1列ずつ植え付けていくものであるため、植え付け時間の短縮を図るためには、機械自体の性能によるものになり、植え付け時間を飛躍的に短縮できるものではなく、早期改善が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、多数の苗を高能率で移植することができる苗移植装置を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解決のために、多数の苗が縦横に配列された横列のうちの特定の横一列の全ての苗又は該横一列の一部の複数の苗を一度に取り出すための取出手段と、この取出手段により取り出して移送される複数の苗を一旦貯留しておくための複数の貯留部を備え、前記取出手段により取り出された苗の全数が各貯留部にほぼ均等に配分されるように前記貯留部への取出手段の移動を自動制御する制御手段を設け、前記各貯留部に貯留してある苗を一苗ずつ送り出す送出手段と、この送出手段により送り出された複数の苗のそれぞれを所定箇所に移植するための移植手段とを備えて、苗移植装置を構成した。つまり、多数の苗が縦横に配列された横列のうちの特定の横一列の全ての苗又は該横一列の一部の複数の苗を一度に取り出して移送し、それら移送された複数の苗を一旦複数の貯留部に貯留し、各貯留部にそれぞれ貯留してある苗を順次送り出して、所定箇所に移植することにより、従来のように1条植えに比べて整数倍で苗の植え付けを行うことができる。人為的に植え付ける場合は、例えば、株間隔を13〜15cmとして10アール(100m2 )当たりの植え付け時間が50時間程度必要になるのであるが、これに対して本発明で6条で植え付ける場合には、2時間程度で終了することができ、植え付け作業時間を飛躍的に短縮することができる。しかも、取出手段により取り出された苗の全数が各貯留部にほぼ均等に配分されるように前記貯留部への取出手段の移動を自動制御する制御手段を設けることにより、特定の貯留部が早期に空になり、その空になった貯留部から苗の植え付けができないといったトラブル発生がない。
【0006】前記多数の苗を収容するものとして、収容部が縦横に多数配列された集合育苗トレーを用い、この集合育苗トレーの横列数よりも前記取出手段の数を少なく設定し、前記複数の取出手段が横列に位置する収容部のうちの所定間隔置きに位置する収容部に位置するように該取出手段同士の間隔を設定している。集合育苗トレーを用いることによって、苗同士の間隔を常に同一にすることができ、苗を取り出す場合の制御の簡素化を図ることができる。又、前記集合育苗トレーは、効率よく育苗が行えるように隣合う収容部が非常に接近した状態で構成されているものであることから、苗を構成する枝が大きく張り出している場合に、隣合う収容部に収容された苗を取り出すと、枝同士が干渉する恐れがあり、又、狭いスペース内に取出手段同士が干渉することがないように取出手段の設置を工夫しなければならないことがあるが、本発明のように、集合育苗トレーの横列数よりも前記取出手段の数を少なく設定し、前記複数の取出手段が横列に位置する収容部のうちの所定間隔置きに位置する収容部に位置するように該取出手段同士の間隔を設定することによって、苗の枝同士の干渉がなく、しかも取出手段の設置を工夫する必要もない。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に、乗用型又は押し移動型等の走行車体に積載されて苗1の移植を行うための移植装置が示されている。この移植装置は、縦横に多数の苗1を収容するための収容部としてのポケット2Aが形成された集合育苗トレー(以下トレーと称する)2と、このトレー2に収容された苗1の中から横一列の16個の半分の8個の苗1を一度に取り出すための取出手段3と、この取出手段3により取り出した8個の苗1を一旦貯留しておくための6個の貯留部4と、各貯留部4に貯留してある苗1を一苗ずつ送り出すための6個の送出手段5と、この送出手段5により送り出された複数の苗1…のそれぞれを所定箇所に移植するための6個の移植手段6とを備えている。前記移植装置は、乗用型又は押し移動型等の走行車体に積載して使用する他、牽引するタイプから構成してもよいし、エンジン等を搭載した自走式のタイプから構成してもよい。又、前記取出手段3により一度に取り出すことができる苗1の数、貯留部4の数、送出手段5の数、移植手段6の数は、多ければ多いほど作業能率を高めることができるが、複数(2以上)であればどのような数に設定してもよい。
【0008】前記トレー2は、一般的に横16〜29×縦10〜14のものが使用され、ポケット2Aの数が160、200、228、406等の規格のものがある。前記ポケット2Aはセルとも言われ、横15mm×縦15mmで深さ25mmの小さなものから、横30mm×縦30mmで深さ45mmまでのいずれも下方が狭くなったほぼ円錐形のものがほとんどであり、底部に排水用の小さな孔が開けられているものが一般的であるが、本発明では、トレー2の大きさ及び形状は自由に変更可能であり、又、トレー2を用いることによって、苗1の持ち運びの容易化及び苗1の取り出しのための制御の簡素化を図ることができるのであるが、トレー2を省略して実施することも可能である。尚、前記トレー2は、図示していない固定手段により約45度(角度は何度でもよい)の姿勢(図3参照)に固定されることになる。このトレー2を傾斜姿勢とすることによって、トレー2の前後方向での設置スペースを少なくすることができる利点があるが、水平にして実施することも可能である。図3に示す2Kは、トレー2の位置決め用の枠部材である。
【0009】前記取出手段3は、前記トレー2の上方に左右一対ずつのピックアップ用針7,8の8組を左右(横)方向に平行に配設してなり、これら8組のピックアップ用針7,8…のそれぞれは、左右に配設した一対の上下駆動用のシリンダ9,9のピストンロッド9A,9A間に渡って設けられた支持フレーム10に取り付けられ、ピックアップ用針7,8をそれの上方にそれぞれ取り付けられた流体圧シリンダ11により上下動自在に構成してあり、シリンダ9,9のピストンロッド9A,9Aを伸長側に作動させることによりピックアップ用針7,8…を下降させた後、流体圧シリンダ11を作動させることによりピックアップ用針7,8…を下降させて苗1の苗用土1Aに突き刺し、この状態でシリンダ9,9のピストンロッド9A,9Aを短縮側に作動させることによりピックアップ用針7,8…を上昇させてトレー2から8個の苗1…を上方に取り出すことができるようにしている。
【0010】前記8個の苗1…を上方に取り出した後は、ピックアップ用針7,8…を前記貯留部4まで移動させて各貯留部4に苗1を供給し、次の取り出しを行うためにピックアップ用針7,8…を所定位置まで移動させるのである。つまり、長方形の外枠12の一端側所定箇所の外面に電動モータ13を取り付け、前記外枠12の平行な前後一対の側部12A,12Bの一方12Aに摺動自在に外嵌した嵌合部14Aの両端に、一端が他方12Bの上面にベアリング15を介して移動自在に支持させた左右一対のガイドレール14,14の他端をそれぞれ固定し、前記シリンダ9,9を取り付けているスライダー16,16を長手方向に移動自在に外嵌し、前記ガイドレール14,14に取り付けた複数個(図では6個)のプーリ17及び前記電動モータ13に渡って巻回されたベルト18の所定部位を前記スライダー16,16に固定して、電動モータ13の正逆転により、スライダー16,16をガイドレール14,14の長手方向(前後方向)に移動させることにより、前記のようにピックアップ用針7,8…を前記貯留部4と取り出す苗1…の上方位置とに渡って移動させることができるようにしている。
【0011】前記外枠12に前記ガイドレール14,14を前後一対の側部12A,12Bの長手方向に移動させるための電動モータ19を取り付けてあり、この電動モータ19の回転駆動軸19Aを回転させることにより、嵌合部14Aを側部12Aの長手方向に移動させて、ピックアップ用針7,8…の左右方向の位置を変更することができるようにしている。
【0012】前記貯留部4は、図1及び図3に示すように、前記ピックアップ用針7,8…から供給される苗1を下方から受け止める下方側ほど下方に位置する傾斜姿勢の底部20Aと、この底部20Aの左右両端から上方に立設し、かつ、トレー2側端部(前端部)にトレー2(前端部)側ほど外拡がり形状の前端部20Bを備えた側部20Cとからなるガイド板20から構成している。
【0013】前記送出手段5は、図1、図3及び図4に示すように、前記貯留部4の下端(後端)に配置した前後一対のストッパー21,22から構成され、これらストッパー21,22は、図4に示す流体圧シリンダ23,24により前記ガイド板20により形成される苗1の案内経路内に突出して苗1の下方側への移動を阻止する状態と苗1の案内経路から退避して苗1の下方側への移動を許容する状態とに別々に操作することができるようにしている。つまり、前記流体圧シリンダ24を伸縮作動させることにより後側に位置するストッパー22を縦軸芯X周りで揺動させることで、最下端に位置する苗1を前記移植手段6に供給する状態と供給しない状態とに切り替えることができ、又、前記流体圧シリンダ23を伸縮作動させることにより、前側に位置するストッパー21をスライド移動させることで、最下端から2番目に位置する苗1を下方に移動案内する状態と案内しない状態とに切り替えることができるのである。
【0014】前記移植手段6は、図3及び図4に示すように、前記送出手段5により供給された苗1を受け止める円弧状の底部と、送出手段5側が開放され、かつ、底部の上方に立ち上げられた側部とからなる左右一対の受止部材25,26と、これら受止部材25,26を苗1を受け止める受止姿勢と受止部材25,26により受け止めた苗1を圃場A内に埋設するために受止部材25,26を下降させた埋設姿勢とに切り替えるための駆動機構27とから構成している。前記駆動機構27は、図示していない電動モータにより正逆転自在な回転軸28と、この回転軸28に一体回転可能に外嵌され、かつ、前記受止部材25,26の支持アーム30,30が連結された回転部材29とからなり、図示していない電動モータを作動することにより回転部材29を一体回転することで、受止部材25,26を水平軸芯Z周りで上下揺動可能に構成している。又、前記支持アーム30,30の基端側、つまり回転部材29側端部を該回転部材29に縦軸芯Y周りで左右方向に揺動自在に枢支連結し、支持アーム30,30の長手方向ほぼ中央部同士を流体圧シリンダ31により連結してあり、この流体圧シリンダ31の両端から突出するピストンロッド31A,31Aを伸縮作動させることにより受止部材25,26を図に示す苗1を受け止める受止姿勢と矢印方向(外方側)に揺動して前記受止姿勢を解除する解除姿勢とに切り替え自在に構成している。尚、図に示す32は、前記流体圧シリンダ31のシリンダチューブの外面に突出しているピン31Bに係止して流体圧シリンダ31の伸縮により該シリンダチューブが移動してしまうことを阻止するための係止部材であり、前記回転部材29に固定している。
【0015】前記のように構成された苗移植装置の一連の動作を簡単に説明すれば、まず図1の状態においてシリンダ9,9を伸長作動させることにより8組のピックアップ用針7,8…を下降させてから、各シリンダ11を伸長作動させることにより図1において上端に位置する第1番目に相当する横一列の16個の苗1…のうちの1つ置きの8個の苗1…の苗用土1Aにピックアップ用針7,8…の先端(下端)を突き刺す。次に、シリンダ9,9を短縮作動させることにより8個の苗用土1Aを上方に持ち上げる。前記ピックアップ用針7,8…が先端側ほど接近する傾斜状態に取り付けられていることから、ピックアップ用針7,8…を下降させることにより更に先端側が接近した状態で苗用土1Aに突き刺さり、この状態のまま苗1を持ち上げることができるのである。そして、前記8個の苗1を上方に持ち上げた後、電動モータ13を作動させることにより貯留部4側へ移動させる。移動が完了すると、電動モータ19を作動させることにより例えば図1において最も右側に位置する(第1番目の)苗1を6個の貯留部4のうちの最も右側に位置する(第1番目の)貯留部4に供給できる位置まで移動させた後、ピックアップ用針7,8を上昇させることによりピックアップ用針7,8の先端が離間していき、苗1が落下して第1番目の貯留部4に供給することができる。続いて、電動モータ19を作動して右側から2番目に位置する苗1を右側から2番目に位置する貯留部4に供給した後、右側から3番目に位置する苗1を右側から3番目に位置する貯留部4に供給する。そして、右側から4番目に位置する苗1を前記右側から3番目に位置する貯留部4に1個余分に供給し、右側から5番目、6番目、7番目に位置する苗1を右側から4番面、5番面、6番目に位置する貯留部4に供給した後、右側から8番目に位置する苗1を前記右側から6番目に位置する貯留部4に1個余分に供給して8個の苗1の1回目の受け渡しが終了する。前記ピックアップ用針7,8が8組に対して貯留部4が6個であるため、ピックアップ用針7,8の右側から1番目から4番目の4組により持ち上げた苗1の4個を貯留部4の右側から第1番目から第3番目までの3個に供給し、ピックアップ用針7,8の右側から5番目から8番目の4組により持ち上げた苗1の4個を貯留部4の右側から第4番目から第6番目までの3個に供給するのである。
【0016】1回目の受け渡しの終了後は、2回目の受け渡しを開始するために、前記電動モータ13,19を作動させることにより前記第1番目に相当する横一列の16個の苗1…のうちの前回持ち上げなかった8個の苗1…を前記同様に持ち上げ、右側から1番目から2番目の苗1を右側から1番目から2番目に位置する貯留部4に供給し、右側から3番目に位置する苗1を前記右側から2番目に位置する貯留部4に1個余分に供給し、右側から4番目から5番目の苗1を右側から3番面から4番目に位置する貯留部4に供給し、右側から6番目に位置する苗1を右側から5番目に位置する貯留部4に供給し、右側から7番目に位置する苗1を前記右側から5番目に位置する貯留部4に1個余分に供給し、右側から8番目に位置する苗1を右側から6番目に位置する貯留部4に供給するのである。そして、2回目の受け渡しの終了後は、3回目の受け渡しを開始するために、前記電動モータ13,19を作動させることにより第2番目に相当する横一列の16個の苗1…のうちの1つ置きの8個の苗1…を前記同様に持ち上げ、右側から1番目の苗1を右側から1番目に位置する貯留部4に供給し、右側から2番目の苗1を前記1番目に位置する貯留部4に1個余分に供給し、右側から3番目、4番目、5番目に位置する苗1を右側から2番目、3番目、4番目に位置する貯留部4に順次供給し、右側から7番目、8番目の苗1を右側から5番目、6番目に位置する貯留部4に順次供給して3回目の受渡しを終了し、各貯留部4に4個の苗1が供給され、第1回目の供給サイクルを終了し、前記1回目の受け渡しから繰り返し行うことになる。前記のように余分な苗1を最も近い箇所に位置する貯留部4に供給することによって、供給時間の短縮を図ることができるが、この供給順序は自由に変更可能である。前記の苗1の受け渡しを各貯留部4に1個ずつ供給するようにしたが、2個以上供給するようにしてもよい。例えば、1回目に持ち上げた8個の苗1を右側から順に3個ずつ供給し、右から第3番目の貯留部4に2個の苗1を供給し、2回目に持ち上げた8個の苗1を右から第4番目の貯留部4から前回同様に3個ずつ供給し、右から第6番目の貯留部4に2個の苗1を供給し、3回目に持ち上げた8個の苗1を前回1個不足していた右から第3番目の貯留部4に3個を供給し、前回3個供給した右側から1番目又は2番目の貯留部4に2個の苗1を供給し、4回目に持ち上げた8個の苗1を前回1個不足していた右から第6番目の貯留部4に3個を供給し、前回3個供給した右側から4番目又は5番目の貯留部4に2個の苗1を供給し、各貯留部4に供給する苗1の数が均等又はほぼ均等になるように供給するように制御するのである。尚、前記各貯留部4に供給された苗1の数量は、苗1を突き刺した状態のピックアップ用針7,8を上昇させた回数を計数したり、貯留部4に落下供給された苗1を直接非接触式センサ等により検出し、その検出回数を計数する等、どのように計数してもよい。又、ピックアップ用針7,8の位置情報は、電動モータ13,19の駆動情報により間接的に把握する他、非接触式センサにより直接検出してもよい。
【0017】前記貯留部4に供給された苗1は、図4に示すように、ストッパー21,22により下方側への移動が阻止されている状態にあり、この状態から下側のストッパー22を外方側に揺動することによって、受止部材25,26に落下供給した後、受止部材25,26が下降して、苗1を圃場A内に埋設する。埋設後、受止部材25,26を外方側に揺動操作することにより受止部材25,26を解除して、受止部材25,26を上昇させて次の苗1を受け止める受止姿勢に復帰させるのである。前記下側のストッパー22を受け止め姿勢に復帰させた後は、上側のストッパー21を退避側に操作することによりストッパー21にて受け止めていた苗1を下方側に移動させてから、再度突出側に操作することで次の苗1の下方側への移動を阻止するのである。
【0018】図1では、ピックアップ用針7,8により苗1を持ち上げて貯留部4に供給するようにしたが、図5に示すように、苗1を下方から突き上げる突出ピン33により苗1を上方に移動させるようにしてもよい。つまり、下部の固定フレーム34の左右両端(図では左端のみ図示)にそれぞれ、流体圧シリンダ等のアクチュエータ35を取り付け、このアクチュエータ35の伸縮部(図示せず)の上端に昇降用フレーム36を取り付け、この昇降用フレーム36に多数の突出ピン33…の下端部を貫通固定している。従って、アクチュエータ35を伸長作動させることにより、図5に示すように苗1を下方から突き上げて上方に移動させることができ、アクチュエータ35を短縮作動させることにより、トレー2内から下方に引退させた退避位置に移動させて次の列の苗1を突き上げるために図示していない駆動機構によりトレー2を矢印a方向に1ピッチだけ移動させることができるようにしている。図5に示す35Aは、アクチュエータ35の伸縮部に土等が入ることを防止するための蛇腹部である。
【0019】そして、前記突出ピン33…により上方に移動された苗1は、図6及び図7に示すように、左右一対のクランプ37,37により挟持され、この状態でトレー2の進行方向aと平行に斜め下方に移動し、クランプ37,37間に設けられた流体圧シリンダ38を伸長作動させることにより前記挟持を解除することで苗1を貯留部4に供給するのである。苗1が供給された後は、図3及び図4の場合と同一であるため、同一符号を付すとともに、説明を省略する。図に示す39は、前記上方に移動した苗1を受け止める載置部39Aを備えた揺動アームであり、前記クランプ37,37と一緒に移動するとともに、貯留部4に移動する前に図に2点鎖線で示す上方位置に退避することによって、貯留部4に干渉することがないようにしている。
【0020】図6では、クランプ37,37を移動させる構成としたが、図8に示すように、クランプ37,37を水平軸芯W周りで揺動できる構成とし、苗1を受け止める載置部材40を移動可能にして実施してもよい。つまり、載置部材40に苗1を受け止めると、トレー2の進行方向aと平行に斜め下方に移動した後、クランプ37,37にほぼ水平移動し、クランプ37,37が2点鎖線で示す上方位置から実線で示す挟持位置まで移動し、前記流体圧シリンダ38を短縮作動させることにより載置部材40上の苗1を挟持する。この後、載置部材40が一旦下方に少し移動した後、クランプ37,37から離れる側にほぼ水平移動し、前記苗1を受け止める初期位置に復帰し、前記苗1を挟持したクランプ37,37を回転軸Wに平行方向に苗1が貯留部4入口に当面するように移動した後に前記苗1を挟持したクランプ37,37を更に下方に揺動操作した後、流体圧シリンダ38を伸長作動させることにより前記挟持を解除することで苗1を貯留部4に供給するのである。苗1が供給された後は、図3及び図4の場合と同一であるため、同一符号を付すとともに、説明を省略する。
【0021】図6及び図8では、トレー2を移動させる構成としたが、図9に示すように、突出ピン33…をトレー2の縦横方向に移動可能に構成してもよい。つまり、前記突出ピン33、下部の固定フレーム34、流体圧シリンダ等のアクチュエータ35、昇降用フレーム36を一体的に左右方向に移動させるための流体圧シリンダ等の伸縮式のアクチュエータ41を設けるとともに、アクチュエータ41及び突出ピン33、下部の固定フレーム34、流体圧シリンダ等のアクチュエータ35、昇降用フレーム36を支持フレーム42に沿って一体的に前後方向に移動させるための電動モータ43を設け、アクチュエータ41の伸縮作動により突出ピン33…を左右方向に移動させることができ、図に示すように1つ置きに突出ピン33…を設けることができ、隣合う苗1の枝同士の干渉を回避することができ、又、電動モータ43を作動させることにより螺軸43Aを回転させることにより、アクチュエータ41を支持フレーム42に沿って移動させて、突出ピン33…を前後方向に移動させることができるようにしている。又、突出ピン33…により上方に持ち上げられた苗1は、図に示す前記流体圧シリンダ38を短縮作動させることによりクランプ37,37により挟持され、縦軸芯V周りで揺動して、貯留部4まで移動され、流体圧シリンダ38を伸長作動させることにより前記挟持を解除し、貯留部4に供給するのである。図9に示す37Bは、苗1が前方側へ移動することを阻止するために苗1の前面を受け止める受板である。図では、クランプ37,37を1個のみ図示したが、クランプ37,37と同数設けて実施してもよい。
【0022】図8の載置部材40を図10に示すように移動させるようにしてもよい。つまり、載置部材40を水平軸芯T周りで揺動自在な流体圧シリンダ44のピストンロッド44Aの先端に取り付け、載置部材40が苗1を受け取ると、水平軸芯T周りで下方側に揺動した後、流体圧シリンダ44を伸長作動させることにより、載置部材40を前記クランプ37,37側に移動させ、前述のようにクランプ37,37により挟持して貯留部4に供給するのである。前記クランプ37,37の多数を、図11にも示すように、固定軸45に水平軸芯周りで上下揺動自在に取り付け、一個置きに位置する第1クランプ37,37群とこれを揺動操作する伸縮式の第1アクチュエータ48とを支軸46に回転自在に支持された操作アーム47を介して連結し、残りの一個置きに位置する第2クランプ37,37群とこれを揺動操作する伸縮式の第2アクチュエータ49とを支軸50に回転自在に支持された操作アーム51を介して連結して、第1アクチュエータ48又は第2アクチュエータ49を伸縮作動させることにより、第1クランプ37,37群又は第2クランプ37,37群を上下揺動させるようにしている。尚、クランプ37,37により苗1を挟持したりこの挟持を解除することは、前記同様に流体圧シリンダ38の伸縮作動により実行されるものである。又、説明しなかった他の構成は、前述したものと同一構成である。
【0023】前記トレー2を、図12及び図13に示すように、湾曲させた状態で使用してもよい。このように湾曲させた状態で使用することによりコンパクト化を図ることができながらも、多数の苗1を搭載することができる利点がある。つまり、図に示すようにトレー2の湾曲部のうちのほぼ水平方向となるポケット2Aに対して水平方向から押し出すための伸縮式のアクチュエータ52を設け、このアクチュエータ52により押し出された苗1を載置する載置部材53を設けるとともに、この載置部材53に載置された苗1を挟持して図13において水平方向右側に移動した後、下方側に揺動することにより苗1を貯留部4に供給するための前記と同一構成の左右一対のクランプ54,54を設けている。尚、クランプ54,54により苗1を挟持したりこの挟持を解除することは、前記同様に流体圧シリンダ(図示せず)の伸縮作動により実行されるものである。又、説明しなかった他の構成は、前述したものと同一構成である。
【0024】図13で示したクランプ54,54を、図14に示すように、水平軸芯周りで上下揺動可能にのみ構成して実施することにより、装置全体のコンパクト化を図るようにしてもよい。この場合、前記載置部材53を実線で示す苗載置姿勢からクランプ54,54を下方に揺動させる前に2点鎖線で示す退避位置に揺動可能に構成することになる。尚、クランプ54,54により苗1を挟持したりこの挟持を解除することは、前記同様に流体圧シリンダ(図示せず)の伸縮作動により実行されるものである。又、説明しなかった他の構成は、前述したものと同一構成である。
【0025】
【発明の効果】請求項1によれば、複数の苗を一度に移植することができるから、従来のように1条植えに比べて整数倍で苗の植え付けを行うことができ、特に条数が多くなればなるほど植え付け作業時間を飛躍的に短縮することができ、多数の苗を高能率で移植することができる。しかも、取出手段により取り出された苗の全数が各貯留部にほぼ均等に配分されるように前記貯留部への取出手段の移動を自動制御する制御手段を設けることにより、特定の貯留部が早期に空になり、その空になった貯留部から苗の植え付けができないといったトラブル発生がなく、苗の植え付けを効率よく連続的に作業することができる。
【0026】請求項2によれば、集合育苗トレーを用いることによって、苗同士の間隔を常に同一にすることができ、苗を取り出す場合の制御の簡素化を図ることができる。又、取出手段同士の間隔を所定間隔置きに位置する収容部に位置するように設定することによって、苗を構成する枝が大きく張り出している場合でも、枝同士が干渉して、苗を収容部から取り出すことができないといったトラブルを回避することができ、全部の苗を確実に取り出すことができるのである。
【出願人】 【識別番号】000246675
【氏名又は名称】有限会社イデアリサーチ
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】 【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
【公開番号】 特開2000−188913(P2000−188913A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平10−372210