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【発明の名称】 施肥装置
【発明者】 【氏名】中西 康仁

【氏名】菅原 祐二

【要約】 【課題】従来の施肥装置では、警報装置によって施肥ノズルの肥料詰まりを知らされたオペレ−タは、施肥作業を中断して、詰まった肥料を手作業によって取り除かねばならない課題があった。

【解決手段】走行車体1上の肥料タンク2から供給された肥料を、エアチャンバ3から送風される搬送用圧風によって圃場面に施肥する複数条の施肥ノズル4を配置して設ける。該施肥ノズルには、肥料の詰まりを検出する詰まりセンサSを設けると共に、送風上手側に風量を調節するアクチュエ−タ5を設ける。前記詰まりセンサSの検出情報に基づいて、該当する施肥ノズルに前記搬送用圧風より強い圧風を送風するように、前記アクチュエ−タ5を制御する制御手段Cを装備した。また肥料詰まりの発生した施肥ノズルに、搬送用圧風より強い圧風を間歇的に送風するように、アクチュエ−タ5を制御する制御手段を装備した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 以下に記載したa〜dの各要件を、組み合わせて構成した施肥装置、a、走行車体1上の肥料タンク2から繰り出された肥料を、エアチャンバ3から送風される搬送用圧風によって圃場面に施肥する複数条の施肥ノズル4を配置して構成したこと、b、前記施肥ノズル4に通じる送風上手側には、送風量を調節するアクチュエ−タ5を設けて構成したこと、c、前記施肥ノズル4には、肥料の詰まりを検出する詰まりセンサSを設けて構成したこと、d、前記詰まりセンサSの検出情報に基づいて、該当する施肥ノズル4に前記搬送用圧風より強い圧風を送風するように、前記アクチュエ−タ5を制御する制御手段Cを装備して構成したこと。
【請求項2】 以下に記載したa〜dの各要件を、組み合わせて構成した施肥装置、a、走行車体1上の肥料タンク2から繰り出された肥料を、エアチャンバ3から送風される搬送用圧風によって圃場面に施肥する複数条の施肥ノズル4を配置して構成したこと、b、前記施肥ノズル4に通じる送風上手側には、送風量を調節するアクチュエ−タ5を設けて構成したこと、c、前記施肥ノズル4には、肥料の詰まりを検出する詰まりセンサSを設けて構成したこと、d、前記詰まりセンサSの検出情報に基づいて、該当する施肥ノズル4に、搬送用圧風より強い圧風を間歇的に送風するように、前記アクチュエ−タ5を制御する制御手段Cを装備して構成したこと。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施肥装置に関するもので、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来から施肥装置は、走行車体上に搭載された複数の肥料タンク内にそれぞれ肥料を繰り出す繰出装置が設けられ、その繰出装置に移送管と、その移送管の先端部に連通状態で施肥ノズルを装備した構成とされている。そして、施肥装置は、繰出装置から繰り出された肥料を、エアチャンバから吹き出してくる圧縮空気によって、前記移送管内を施肥ノズルまで空気搬送し、圃場面に施肥する構成としている。そして、前記した各施肥ノズルには、肥料の詰まりを検出する詰まりセンサが設けられ、そのセンサの検出情報に基づいて、警報を発する構成のものが公知技術として知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の施肥装置は、圃場面に臨ませた施肥ノズルに肥料の詰まりを検出する詰まりセンサが設けられ、この詰まりセンサから検出情報が制御手段に入力される構成であった。そして、制御手段は、上述のようにして検出情報が入力されると、オペレ−タに対して詰まり警報(警報ブザ−、警報ランプ)を発する構成であった。
【0004】したがって、従来の施肥装置は、複数の施肥ノズルの一つに肥料詰まりが発生すると、施肥作業を中断して、オペレ−タが手作業によって施肥ノズルに詰まった肥料を取り除かねばならない課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講ずるものである。すなわち、請求項1の発明は、走行車体1上の肥料タンク2から繰り出された肥料を、エアチャンバ3から送風される搬送用圧風によって圃場面に施肥する複数条の施肥ノズル4を配置して設け、該施肥ノズルより送風上手側に送風量を調節するアクチュエ−タを設け、前記施肥ノズル4には、肥料の詰まりを検出する詰まりセンサSを設け、該詰まりセンサSの検出情報に基づいて、該当する施肥ノズル4に前記搬送用圧風より強い圧風を送風するように、前記アクチュエ−タ5を制御する制御手段Cを装備した施肥装置としたものである。
【0006】そして、請求項2の発明は、詰まりセンサSの検出情報に基づいて、該当する施肥ノズル4に、搬送用圧風より強い圧風を間歇的に送風するするように、アクチュエ−タ5を制御する制御手段Cを装備した請求項1記載の施肥装置としたものである。
【0007】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されているから、施肥作業の途中で施肥ノズルに肥料詰まりが発生しても、従来のようにオペレ−タの手作業による取り除きを必要とせず、自動的に肥料詰まりが解消される特有の効果を奏するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、その構成について述べる。走行車体1は、図3に示すように、操舵用の前輪6、6’と駆動用の後輪7、7’とをそれぞれ設け、中央のエンジンル−ム8上に操縦座席9を配置して設け、水田の耕盤上を回転して移動できる構成としている。そして、昇降リンク10は、上下一対の平行リンクから構成されており、前部が前記走行車体1の後部機枠11に枢着連結され、後部に連結装置12が取り付けられ、車体1側の油圧シリンダ13によって昇降できる構成としている。そして、前記連結装置12には、田植装置14と、以下説明する施肥装置15とを上下昇降自由に連結して構成している。
【0009】つぎに、施肥装置15を、図面に基づいて具体的に述べる。まず、施肥装置15は、図4および図5に示すように、定量の肥料が入る多数の肥料溝16を外周に形成した繰り出しロ−ル17を、肥料タンク2の下側に臨ませて伝動可能に軸架して設け、その下方には肥料を搬送する移送管18の始端部を配置して構成している。なお、前記肥料溝16は、図5に示すように、側部の調節具19を回転調節輪(歯車)20の回転調節操作によって軸に沿わせて左右に摺動し、肥料の入る容積を大小調節できる構成としている。
【0010】そして、ブラシ21は、図4に示すように、前記した繰り出しロ−ル17の表面に接触して均す働きをし、各肥料溝16に供給される肥料の量を均一にする機能を持つ構成としている。つぎに、エアチャンバ3は、図4乃至図6に示すように、円筒形状で前記繰り出しロ−ル17の下側の前に横向きに配置して設け、一端に起風翼車22を連結して設け、他端を蓋で密封して起風された空気を貯留できる構成としている。そして、前記移送管18は、その搬送始端部を開口して前記エアチャンバ3に連通して設け、高圧状態で貯留した空気(搬送用圧風)が送り込まれ、前述のように上方から供給されてくる所定量の肥料を空気搬送するように構成している。
【0011】このようにして、移送管18は、その始端部をエアチャンバ5に連通して圃場面に近い側に向けて延長し、終端部を施肥位置に設けている施肥ノズル4にそれぞれ連通して構成している。そして、施肥ノズル4は、図3に示すように、接地面に設けて表土を均しながら滑動するフロ−ト23に取り付け、前側に設けられた作溝器24によって作溝された施肥溝に噴出、施肥する構成としている。
【0012】以上のように構成された施肥装置15の施肥ノズル4は、図6に示す実施例の場合、肥料タンク2および移送管18を横方向に8条配列して、8条型の田植装置14に装備して構成している。そして、移送管18は、図4に示すように、移送始端部の前記エアチャンバ3に接近した位置に、開閉自由のシャッタ−25を設けて構成している。そして、シャッタ−25は、アクチュエ−タ5に連結して設け、後述する制御手段Cの制御信号に基づいて開閉操作され、エアチャンバ3からの圧風を遮断できる構成としている。
【0013】なお、この場合、シャッタ−25は、制御手段Cから出力される制御信号に基づいて作動するアクチュエ−タ5によって各移送管18ごとに選択的に開閉できる構成にしているが、この点については、制御手段Cの説明の項で具体的に述べる。つぎに、詰まりセンサSは、図7および図8に示すように、施肥ノズル4の内側に設け、上側に連通している移送管18から圧風によって空気搬送されてきた肥料が詰まったとき、検出情報を制御手段Cに入力する構成としている。通常、施肥ノズル4は、水田中に臨ませた状態で施肥作業を行なうものであるから、上方から搬送されてきた肥料が水分を含み、ノズル内壁に付着し易く、詰まり現象の発生する率が高いものである。
【0014】つぎに、マイクロコンピュ−タを利用した制御手段C(以下「コントロ−ラ−C」とよぶ)を説明する。まず、コントロ−ラCは、図1に示すように、入力側に翼車スイッチ30、詰まりセンサS(各施肥ノズル4毎に装備しているセンサ)とを接続している。そして、コントロ−ラCは、上記翼車スイッチ30をON操作すると、制御可能な立上り状態になる構成としている。なお、現実の製品は、上記スイッチとセンサの他に、田植装置14側のロ−リング制御に関する傾斜センサや苗補給に関する苗検出センサ等を接続しているが、図1の実施例の場合、これらを省略して本件発明に必要な部材に限って記載し説明する。
【0015】つぎに、コントロ−ラCは、その出力側には起風翼車22の翼車モ−タ31と各移送管18の基部に装備しているアクチュエ−タ5(シャッタ−25を開閉操作する)とをそれぞれ接続し、出力する制御信号に基づいて駆動制御ができる構成としている。そして、コントロ−ラCは、図1に示す実施例の場合、各施肥ノズル4(実施例では8条)の中で、詰まりセンサSから詰まりの検出情報が入力された施肥ノズル4に連通している移送管18のシャッタ−25のみを開放状態に保持し、他の移送管18のシャッタ−25を閉じる制御信号を各アクチュエ−タ5に出力する制御モ−ドを予め設定し、記憶させている。
【0016】したがって、詰まっている施肥ノズル4は、移送管18側から搬送圧風より強い圧風が送られ、肥料が吹き飛ばされて取り除かれ、詰まりが解消されることになる。つぎに、図2に示す実施例のコントロ−ラCは、詰まりの発生している施肥ノズル4に通じている移送管18のシャッタ−25を、間歇的に開閉する制御信号をアクチュエ−タ5に出力する制御モ−ドに構成としている。なお、この場合も、他の移送管18のシャッタ−15は、閉鎖している。
【0017】また、他の実施例として考えられる制御モ−ドは、詰まりの発生している施肥ノズル4に通じている移送管18のシャッタ−25を開閉作動するアクチュエ−タ5に、順次風圧が変化するように段階的に開閉作動する制御信号を出力するように設定しても効果的である。そして、コントロ−ラCは、予め設定した制御モ−ド及び基準とする各種のデ−タ−を入力して記憶させており、これらの予め設定している基準情報と前記センサから入力される検出情報とに基づいて比較演算しながら出力される制御信号によって前記した各アクチュエ−タ5を制御して施肥ノズル4の詰まりを自動的に解消する構成としている。
【0018】つぎに、図2に示す実施例は、コントロ−ラCの入力側に、肥料タンク2内の肥料の量を計測する残量計測器32と、繰り出しロ−ル17が繰り出す量(単位走行距離当り)を計測するセンサS1とを接続している。そして、コントロ−ラCは、出力側にモニタ33を接続して、計測した肥料残量に基づく走行距離(施肥しながら走行できる距離)を表示する構成としている。
【0019】つぎに、図4と図6に示す実施例の場合、肥料タンク2は、上部の蓋35の上面に前後方向の案内リブ36を設けて、苗補給時に苗板を載せて案内できる構成にしている。このように構成すると、オペレ−タは、後方の田植装置14の苗タンク37に、前側の予備苗枠の苗を補給するにあたり、肥料タンク2の上面(蓋35)を載置台の代わりに利用しながら、楽に、しかも、蓋35に傷をつけないで作業ができる。
【0020】つぎに、図9に示す実施例の場合、操縦座席9の上方に設けたル−フ38は、走行車体1側の支持筒39に、摺動自由の支持杆40を挿通し、それと平行させて油圧シリンダ41を設けて上下移動自由に支持する構成にしている。そして、圧力センサS2は、前記操縦座席9の下側に装置し、オペレ−タが着席すると体重を検出する構成としている。そして、図外のコントロ−ラは、圧力センサS2から検出情報が入力されると、油圧シリンダ41(図示しない油圧回路の切替バルブを制御する)を制御して、オペレ−タが座ればル−フ38が下がり、操縦座席9から離れれば上昇する構成としている。
【0021】つぎに、図10と図11に示す実施例の場合、作溝器24は、フロ−ト23に前部aを支点として後部が上下に回動できる構成にして、操作ワイヤ−42によって上下に切替可能に構成している。このように構成すると、施肥ノズル4は、図10の場合、土中施肥が可能であり、図11に切り替えると、表層施肥ができる。
【0022】つぎにその作用について説明する。まず、施肥装置15は、実施例の場合、肥料タンク2に肥料を充填し、一方、田植装置14の苗タンク37にも苗を装填して、田植作業と同時に施肥作業の準備を行なう。そして、走行車体1は、エンジンを始動して回転各部を駆動しながら、翼車スイッチ30をON操作して起風翼車22を駆動してエアチャンバ3に空気を蓄積し始めると共に、コントロ−ラCを作動状態に立ちあげる。
【0023】以上のような準備を完了すると、オペレ−タは、走行車体1を前進しながら作業を開始する。そして、肥料タンク2の肥料は、図4に示すように、下方で回転している繰り出しロ−ル17に達し、繰り出しロ−ル17の外周の肥料溝16にそれぞれ供給されて溜り回転方向に送られる。そのとき、肥料溝16内の肥料は、回転下手側にあるブラシ21に達して表面が均平に均されて定量となり、繰り出しロ−ル17の回転に伴って下方の移送管18の搬送始端部に落下する。そして、エアチャンバ3は、起風翼車22によって起風された圧縮空気が充填されており、シャッタ−25が開いた状態にある各移送管4に搬送用圧風を送り込むことになる。
【0024】したがって、肥料は、エアチャンバ3から吹き込まれてくる搬送用圧風によって移送管4内を空気搬送されながら先端側の施肥ノズル4に達し、フロ−ト23に設けられている作溝器24によって形成された施肥溝に施肥されるものである。以上のような施肥作業中において、施肥ノズル4は、圃場の水によって湿った状態にあり、上方から空気搬送によって送られてくる肥料が内壁に付着し、順次固まって、詰まり状態に達することがある。すると、詰まりセンサSは、通電状態が詰まった肥料によって阻害されることになって肥料詰まりを検出し、検出情報をコントロ−ラCに入力する。
【0025】そして、コントロ−ラCは、図1に示す実施例では、検出情報が入力されると、詰まりが発生したと判断してアクチュエ−タ5に制御信号を出力して、詰まったノズル4に通じる移送管18にあるシャッタ−25だけを開放状態に保ち、他の移送管18のシャッタ−25を全て閉鎖する。すると、詰まりが発生している施肥ノズル4は、搬送用圧風よりはるかに強い圧風が一度に吹き込まれてくるから、詰まっている肥料が徐々に取り除かれてなくなり、肥料詰まりが解消されることになる。
【0026】また、図2に示す実施例のコントロ−ラCは、制御モ−ドに基づいて、アクチュエ−タ5にシャッタ−25を間歇的に開閉するように制御信号を出力するから、詰まっている施肥ノズル4に搬送用圧風より強い圧風が間歇的に吹き込まれ、効果的に詰まった肥料が取り除かれるものである。以上述べたように、本発明の実施例は、詰まりセンサSが施肥ノズル4の詰まりを検出すると、自動的に詰まりを解消する作用が行われて、従来型の課題を解消することができたものである。
【0027】つぎに、構成の項で説明した2、3の実施例の作用を簡単に述べる。図2に示す実施例のコントロ−ラCは、残量計測器32と、繰り出しロ−ル17が繰り出す量(単位走行距離当り)を計測するセンサS1とから入力されてくる情報に基づいて、残量に基づく走行距離を比較演算しながら算出して出力側のモニタ33に表示することができる。
【0028】したがって、オペレ−タは、残り何メ−トルの施肥作業が可能であるかを知ることができ、肥料の補給時期等が判り、作業能率を上げることができる利点がある。つぎに、図4と図6に示す実施例は、肥料タンク2の蓋35の上面に前後方向の案内リブ36を設けているから、オペレ−タは、後方の田植装置14の苗タンク37に、前側の予備苗枠の苗を補給するにあたり、肥料タンク2の上面(蓋35)を載置台の代わりに利用しながら、楽に、しかも、蓋35に傷をつけないで作業ができるものである。
【0029】つぎに、図9に示す実施例の場合、操縦座席9の上方に設けたル−フ38は、オペレ−タが座れば下がり、離れれば上昇する構成にしているから、乗り降りするときにほとんど邪魔にならず、作業中には本来のル−フ機能が発揮できる特徴がある。つぎに、図10と図11に示す実施例の場合、作溝器24の位置を切り替えることにより、施肥ノズル4は、図10の場合、土中施肥が可能であり、図11に切り替えると、表層施肥が可能となる特徴がある。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年12月11日(1998.12.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−166343(P2000−166343A)
【公開日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【出願番号】 特願平10−353131