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【発明の名称】 風調節機能付き風分岐装置及び粒剤散布装置
【発明者】 【氏名】松嵜 一公

【要約】 【課題】風の整流、風速及び風量の調節を簡単にかつ安価に行うことの可能な風調節機能付き風分岐装置及び粒剤散布装置を提供する。

【解決手段】整流格子25及び分岐傾斜板31間の距離をシャフト29を進退させて広げたり縮めたりする。そして、シャフト29の小孔にピン35を挿入し固定する。このとき、整流された空気は、仕切線31aを境に均等に乱流無く分流する。整流格子25及び分岐傾斜板31間の距離が狭まれば、空気の通過面積は狭く、空気に対する負荷抵抗が大きいため、風量は小さくなる。従って、風速は遅くなる。距離を広げれば、風量は大きく、風速は早くなる。以上により、比重の軽い粒剤から重い粒剤まで、均等散布可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 送風機(21)と、該送風機(21)と一端が結ばれた連絡管(23)と、該連絡管(23)の他端に一端が接続された分岐基管(9C)と、該分岐基管(9C)の他端より分岐された2方向の分岐枝管(9A、9B)と、前記分岐基管(9C)と外筒(25a)が内接し、該外筒(25a)内が複数の小断面積の通路に仕切られた整流格子(25)と、該整流格子(25)と該整流格子(25)の軸方向に対峙する前記分岐枝管 (9A、9B)内部の所定地点間の距離を調節するため、前記整流格子(25)を前記分岐基管(9C)及び/又は前記分岐枝管(9A、9B)の外部より進退操作する進退操作手段(29)と、該進退操作手段(29)の進退操作により調節された前記整流格子(25)と前記分岐枝管(9A、9B)内部の所定地点間の距離を固定させる距離固定手段(35)とを備えたことを特徴とする風調節機能付き風分岐装置。
【請求項2】 送風機(21)と、該送風機(21)と一端が結ばれた連絡管(23)と、該連絡管(23)の他端に一端が接続された分岐基管(9C)と、該分岐基管(9C)の他端より分岐された2方向の分岐枝管(9A、9B)と、前記分岐基管(9C)と外筒(25a)が内接し、該外筒(25a)内が複数の小断面積の通路に仕切られた整流格子(25)と、前記2方向の分岐枝管(9A、9B)と前記分岐基管(9C)の他端を仮想的に延長した延長部とで形成された空間内で、前記分岐基管(9C)の他端より所定距離隔てて引かれた2方向に仕切る仕切線(31a)を含む頂部より、前記2方向の分岐枝管(9A、9B)と交わる底部まで、所定形状の広がり傾斜面(31b、31c)を有する分岐傾斜手段(31)と、該分岐傾斜手段(31)と前記整流格子(25)間の距離を調節するため、前記分岐傾斜手段(31)及び/又は前記整流格子(25)を前記分岐基管(9C)及び/又は前記分岐枝管(9A、9B)の外部より進退操作する進退操作手段(29)と、該進退操作手段(29)の進退操作により調節された前記分岐傾斜手段(31)と前記整流格子(25)間の距離を固定させる距離固定手段(35)とを備えたことを特徴とする風調節機能付き風分岐装置。
【請求項3】 送風機(21)と、該送風機(21)と一端が結ばれた連絡管(23)と、該連絡管(23)の他端に一端が接続された分岐基管(9C)と、該分岐基管(9C)の他端より分岐され、粒剤を排出する少なくとも一つの噴口が形成された2方向の分岐枝管(9A、9B)と、前記分岐基管(9C)と外筒(25a)が内接し、該外筒(25a)内が複数の小断面積の通路に仕切られた整流格子(25)と、該整流格子(25)と該整流格子(25)の軸方向に対峙する前記分岐枝管 (9A、9B)内部の所定地点間の距離を調節するため、前記整流格子(25)を前記分岐基管(9C)及び/又は前記分岐枝管(9A、9B)の外部より進退操作する進退操作手段(29)と、該進退操作手段(29)の進退操作により調節された前記整流格子(25)と前記分岐枝管(9A、9B)内部の所定地点間の距離を固定させる距離固定手段(35)と、粒剤を貯留する粒剤タンク(3)と、該粒剤タンク(3)より前記分岐枝管(9A、9B)に対し、所定量の粒剤を供給する少なくとも一つの繰出装置(5A、5B、5C、5D)と、前記分岐枝管(9A、9B)と連結され、粒剤を排出する少なくとも一つの噴口が形成された少なくとも一つの散布管(11A、13A、11B、13B)とを備えたことを特徴とする粒剤散布装置。
【請求項4】 送風機(21)と、該送風機(21)と一端が結ばれた連絡管(23)と、該連絡管(23)の他端に一端が接続された分岐基管(9C)と、該分岐基管(9C)の他端より分岐され、粒剤を排出する少なくとも一つの噴口が形成された2方向の分岐枝管(9A、9B)と、前記分岐基管(9C)と外筒(25a)が内接し、該外筒(25a)内が複数の小断面積の通路に仕切られた整流格子(25)と、前記2方向の分岐枝管(9A、9B)と前記分岐基管(9C)の他端を仮想的に延長した延長部とで形成された空間内で、前記分岐基管(9C)の他端より所定距離隔てて引かれた2方向に仕切る仕切線(31a)を含む頂部より、前記2方向の分岐枝管(9A、9B)と交わる底部まで、所定形状の広がり傾斜面(31b、31c)を有する分岐傾斜手段(31)と、該分岐傾斜手段(31)と前記整流格子(25)間の距離を調節するため、前記分岐傾斜手段(31)及び/又は前記整流格子(25)を前記分岐基管(9C)及び/又は前記分岐枝管(9A、9B)の外部より進退操作する進退操作手段(29)と、該進退操作手段(29)の進退操作により調節された前記分岐傾斜手段(31)と前記整流格子(25)間の距離を固定させる距離固定手段(35)と、粒剤を貯留する粒剤タンク(3)と、該粒剤タンク(3)より前記分岐枝管(9A、9B)に対し、所定量の粒剤を供給する少なくとも一つの繰出装置(5A、5B、5C、5D)と、前記分岐枝管(9A、9B)と連結され、粒剤を排出する少なくとも一つの噴口が形成された少なくとも一つの散布管(11A、13A、11B、13B)とを備えたことを特徴とする粒剤散布装置。
【請求項5】 前記送風機(21)乃至前記散布管(11A、13A、11B、13B)は車両(1)に搭載されたことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の粒剤散布装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は風調節機能付き風分岐装置及び粒剤散布装置に係わり、特に風の整流、風速及び風量の調節を簡単にかつ安価に行うことの可能な風調節機能付き風分岐装置及び粒剤散布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の粒剤散布装置の背面斜視図を図5に示す。粒剤散布装置は、水田の中を走行し、薬剤や粒状肥料を散布する乗用型自走車両である。図5において、車1に搭載された粒剤タンク3には、粒剤が入れられている。粒剤は、例えば粒状肥料や粒状除草剤である。この粒剤は、繰出装置5に内装された繰出ロータ7を回動させることにより送りの量が調節される。繰出装置5は、4台併設されており、繰出装置5A、5Bの出口が左側分岐枝管9Aに、また繰出装置5C、5Dの出口が右側分岐枝管9Bに連結されている。
【0003】右側分岐枝管9Bには、図示しない右側電動シリンダにより揺動自在な1段目の散布管11B及び2段目の散布管13Bが延長接続される。散布管11B及び散布管13Bには、図示しない噴口が複数個設けられている。散布管11B及び散布管13Bは、未使用時には、折り曲げられた状態で散布管受部15Bに載置及び固定される。ワイヤ17Bは、散布管11B及び散布管13Bが延長接続されたときに、垂れ下がるのを防止するため設けられている。左側分岐枝管9Aにも同様に、散布管11A及び散布管13Aが、図示しない左側電動シリンダにより揺動自在に延長接続される。
【0004】また、粒剤散布装置に搭載された粒剤散布のための送風機構の概念図を図6に示す。図6において、送風機21は、粒剤散布装置に搭載された図示しないエンジンにより回転される。送風機21の出口は、蛇腹管23を介して分岐基管9Cと接続されている。分岐基管9Cは、分岐枝管9A及び分岐枝管9Bに分岐される。分岐基管9C、分岐枝管9A及び分岐枝管9Bは、T字管を形成している。分岐基管9C内には、送風機21から送風された空気を整流するため整流格子25が固定されている。分岐枝管9A及び分岐枝管9Bの下部には、粒剤散布後に分岐枝管9A及び分岐枝管9Bに残留した残剤を回収するための残剤回収カバー27A、27Bが設けられている。
【0005】かかる構成において、まず、右側電動シリンダ及び左側電動シリンダを動作させて散布管11A、散布管13A、散布管11B及び散布管13Bを開く。但し、右側電動シリンダ及び左側電動シリンダは、単独にも制御可能である。そして、送風機21を駆動する。送風機21から送風された空気は、整流格子25で整流後左右に分離され、繰出装置5A、5B、5C、5Dから落下された粒剤と共に、分岐枝管9A、分岐枝管9B、散布管11A、散布管13A、散布管11B及び散布管13Bの噴口から噴出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の粒剤散布装置では、例えば反当散布量60kg/10aの粒剤を散布するのに適した粒剤散布装置において、反当散布量1kg/10aの粒剤を使用した場合には、風量が多いので、大部分の粒剤が散布管13A及び散布管13Bの先端に送出されてしまっていた。また、風量を減らすと風速が遅くなり、分岐枝管9A及び分岐枝管9B近傍の噴口から多量に吐出され、散布管13A及び散布管13Bの先端の吐出量が極端に少なくなった。
【0007】本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、風の整流、風速及び風量の調節を簡単にかつ安価に行うことの可能な風調節機能付き風分岐装置及び粒剤散布装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため本発明(請求項1)は、送風機(21)と、該送風機(21)と一端が結ばれた連絡管(23)と、該連絡管(23)の他端に一端が接続された分岐基管(9C)と、該分岐基管(9C)の他端より分岐された2方向の分岐枝管(9A、9B)と、前記分岐基管(9C)と外筒(25a)が内接し、該外筒(25a)内が複数の小断面積の通路に仕切られた整流格子(25)と、該整流格子(25)と該整流格子(25)の軸方向に対峙する前記分岐枝管(9A、9B)内部の所定地点間の距離を調節するため、前記整流格子(25)を前記分岐基管(9C)及び/又は前記分岐枝管(9A、9B)の外部より進退操作する進退操作手段(29)と、該進退操作手段(29)の進退操作により調節された前記整流格子(25)と前記分岐枝管(9A、9B)内部の所定地点間の距離を固定させる距離固定手段(35)とを備えて構成した。
【0009】2方向の分岐枝管(9A、9B)は、分岐基管(9C)の他端より分岐されている。2方向の分岐枝管(9A、9B)は、T字管のように180度隔てていてもよいが、これに限定するものではない。整流格子(25)の外筒(25a)は、分岐基管(9C)と内接している。そして、外筒(25a)内は複数の小断面積の通路に仕切られている。この小断面積の通路を通過することにより、送風機(21)から送り出された風は整流される。この整流格子(25)と整流格子(25)の軸方向に対峙する分岐枝管(9A、9B)内部の所定地点間の距離を調節するため、進退操作手段(29)を配設する。所定地点は、例えば分岐枝管(9A、9B)内部の空間の一地点でもよいし、分岐枝管(9A、9B)の内壁の一地点でもよい。
【0010】進退操作手段(29)は、分岐基管(9C)及び/又は前記分岐枝管(9A、9B)の外部より進退操作を行う。進退操作手段(29)は、送風量等を段階的に調節したい場合には、段階的に進退操作してもよいが、連続的に調節するようにしてもよい。距離固定手段(35)は、この進退操作により調節された整流格子(25)と分岐枝管(9A、9B)内部の所定地点間の距離を固定させる。
【0011】以上により、風量、風速の調節が幅広くかつ簡単に行える。また、整流格子と絞り弁機能が一体として構成出来、構造が簡単なため安価である。
【0012】また、本発明(請求項2)は、送風機(21)と、該送風機(21)と一端が結ばれた連絡管(23)と、該連絡管(23)の他端に一端が接続された分岐基管(9C)と、該分岐基管(9C)の他端より分岐された2方向の分岐枝管(9A、9B)と、前記分岐基管(9C)と外筒(25a)が内接し、該外筒(25a)内が複数の小断面積の通路に仕切られた整流格子(25)と、前記2方向の分岐枝管(9A、9B)と前記分岐基管(9C)の他端を仮想的に延長した延長部とで形成された空間内で、前記分岐基管(9C)の他端より所定距離隔てて引かれた2方向に仕切る仕切線(31a)を含む頂部より、前記2方向の分岐枝管(9A、9B)と交わる底部まで、所定形状の広がり傾斜面(31b、31c)を有する分岐傾斜手段(31)と、該分岐傾斜手段(31)と前記整流格子(25)間の距離を調節するため、前記分岐傾斜手段(31)及び/又は前記整流格子(25)を前記分岐基管(9C)及び/又は前記分岐枝管(9A、9B)の外部より進退操作する進退操作手段(29)と、該進退操作手段(29)の進退操作により調節された前記分岐傾斜手段(31)と前記整流格子(25)間の距離を固定させる距離固定手段(35)とを備えて構成した。
【0013】分岐傾斜手段(31)は、分岐基管(9C)の他端より所定距離隔てて引かれた2方向に仕切る仕切線(31a)を含む頂部より、2方向の分岐枝管(9A、9B)と交わる底部まで、所定形状の広がり傾斜面(31b、31c)を有する。仕切線(31a)を分岐基管(9C)の他端より所定距離隔てた位置に仮想的に引く。この仕切線(31a)は、分岐基管(9C)の左右を均等に分ける位置に引いてもよいが、予め2方向に供給する風のバランス量が明らかな場合には、2方向のいずれかにずらして引いてもよい。
【0014】所定形状の広がり傾斜面(31b、31c)は、例えば仕切線(31a)で交わる2つの傾斜平面(31b、31c)で形成してもよいが、仕切線(31a)を含む頂部より底部に至るまでの傾斜面の傾斜角度が次第に増加若しくは減少するように形成してもよい。また、2方向の送風のバランスを異ならせる場合には、必ずしも2方向とも等角度とする必要はない。
【0015】この分岐傾斜手段(31)と整流格子(25)間の距離を調節するため、進退操作手段(29)を配設する。進退操作手段(29)は、分岐基管(9C)及び/又は前記分岐枝管(9A、9B)の外部より進退操作する。進退操作手段(29)により整流格子(25)を移動させるのが好ましいが、分岐傾斜手段(31)側を移動させてもよい。また、分岐傾斜手段(31)と整流格子(25)共に移動させるようにしてもよい。
【0016】分岐傾斜手段(31)と整流格子(25)間の距離を可変すると、整流格子(25)から出た空気が傾斜面(31b、31c)によりバランス良く絞り若しくは開放される。傾斜面(31b、31c)に当たることで、整流格子(25)で整流された空気が分岐枝管(9A、9B)内部で乱流を生ずることもない。従って、2方向への風量、風速はこのとき定められた分岐傾斜手段(31)と整流格子(25)間の距離により決められる。
【0017】進退操作手段(29)は、送風量等を段階的に調節したい場合には、段階的に進退操作してもよいが、連続的に調節するようにしてもよい。距離固定手段(35)は、この進退操作により調節された分岐傾斜手段(31)と整流格子(25)間の距離を固定させる。
【0018】以上により、風量、風速の調節が幅広くかつ簡単に行える。また、分岐された風の乱流も極めて少ない。更に、整流格子と絞り弁機能が一体として構成出来、構造が簡単なため安価である。
【0019】更に、本発明(請求項3)は、送風機(21)と、該送風機(21)と一端が結ばれた連絡管(23)と、該連絡管(23)の他端に一端が接続された分岐基管(9C)と、該分岐基管(9C)の他端より分岐され、粒剤を排出する少なくとも一つの噴口が形成された2方向の分岐枝管(9A、9B)と、前記分岐基管(9C)と外筒(25a)が内接し、該外筒(25a)内が複数の小断面積の通路に仕切られた整流格子(25)と、該整流格子(25)と該整流格子(25)の軸方向に対峙する前記分岐枝管(9A、9B)内部の所定地点間の距離を調節するため、前記整流格子(25)を前記分岐基管(9C)及び/又は前記分岐枝管(9A、9B)の外部より進退操作する進退操作手段 (29)と、該進退操作手段(29)の進退操作により調節された前記整流格子(25)と前記分岐枝管(9A、9B)内部の所定地点間の距離を固定させる距離固定手段(35)と、粒剤を貯留する粒剤タンク(3)と、該粒剤タンク(3)より前記分岐枝管(9A、9B)に対し、所定量の粒剤を供給する少なくとも一つの繰出装置(5A、5B、5C、5D)と、前記分岐枝管(9A、9B)と連結され、粒剤を排出する少なくとも一つの噴口が形成された少なくとも一つの散布管(11A、13A、11B、13B)とを備えて構成した。
【0020】分岐枝管(9A、9B)には、粒剤を排出する少なくとも一つの噴口が形成されている。また、少なくとも一つの散布管(11A、13A、11B、13B)が、分岐枝管(9A、9B)と連結延長されて、長尺の散布管が形成される。散布管(11A、13A、11B、13B)は、2方向の双方に連結してもよいが、1方向のみに連結してもよい。また、複数段連結するようにしてもよい。この散布管(11A、13A、11B、13B)にも、少なくとも一つの噴口が設けられている。
【0021】一方、粒剤タンク(3)には、粒剤が貯留されている。繰出装置(5A、5B、5C、5D)からは、分岐枝管(9A、9B)に対し、所定量の粒剤を供給する。そして、送風機(21)により発生された空気の流れに乗せて粒剤は、分岐枝管(9A、9B)及び散布管(11A、13A、11B、13B)の噴口より放出される。
【0022】なお、従来のように、整流格子(25)を分岐基管(9C)内に固定としていた場合には、分岐基管(9C)から分岐枝管(9A、9B)を経て散布管(11A、13A、11B、13B)に至るまで、分岐枝管(9A、9B)で2分岐はされるものの、空気通路の通過断面積が極端に大きく変動することはない。このため、風量を減少させると、分岐枝管(9A、9B)からは粒剤が多量に吐出され、散布管(11A、13A、11B、13B)の先端の吐出量は少なくなる。
【0023】この点、本発明は、整流格子(25)が分岐基管(9C)内に進退操作される。従って、風量を減少させたとき(整流格子(25)と分岐枝管(9A、9B)内部の所定地点間の距離を狭くしたとき)には、整流格子(25)の出口付近の流速は速く、分岐枝管(9A、9B)及び散布管(11A、13A、11B、13B)内では、整流格子(25)から遠ざかるに連れて流速は遅くなる。ここに、整流格子(25)から遠ざかるに連れて流速が遅くなるのは、整流格子(25)の出口付近で絞られた空気が分岐後、徐々に分岐枝管(9A、9B)等先端に進むに連れて管路の断面積全体に渡って流れるようになるため、流路断面積の広がっていく分流速が徐々に遅くなるからである。
【0024】風量を減少させたときでも、分岐枝管(9A、9B)内での流速が速いため、分岐枝管(9A、9B)から粒剤が多量に吐出されることはない。また、この速い流速に粒剤が運ばれるため、散布管(11A、13A、11B、13B)の先端の吐出量が少なくなることもない。このように、整流格子(25)の出口付近から散布管(11A、13A、11B、13B)の先端に至るまで、流速のなだらかな傾斜を持たせることが出来、またこの傾斜の程度も進退操作手段(29)の進退操作により簡単に調節可能なので、粒剤の比重に応じた適切なバランスのよい散布を行うことが出来る。
【0025】更に、本発明(請求項4)は、送風機(21)と、該送風機(21)と一端が結ばれた連絡管(23)と、該連絡管(23)の他端に一端が接続された分岐基管(9C)と、該分岐基管(9C)の他端より分岐され、粒剤を排出する少なくとも一つの噴口が形成された2方向の分岐枝管(9A、9B)と、前記分岐基管(9C)と外筒(25a)が内接し、該外筒(25a)内が複数の小断面積の通路に仕切られた整流格子(25)と、前記2方向の分岐枝管(9A、9B)と前記分岐基管(9C)の他端を仮想的に延長した延長部とで形成された空間内で、前記分岐基管(9C)の他端より所定距離隔てて引かれた2方向に仕切る仕切線(31a)を含む頂部より、前記2方向の分岐枝管(9A、9B)と交わる底部まで、所定形状の広がり傾斜面(31b、31c)を有する分岐傾斜手段(31)と、該分岐傾斜手段(31)と前記整流格子(25)間の距離を調節するため、前記分岐傾斜手段(31)及び/又は前記整流格子(25)を前記分岐基管(9C)及び/又は前記分岐枝管(9A、9B)の外部より進退操作する進退操作手段(29)と、該進退操作手段(29)の進退操作により調節された前記分岐傾斜手段(31)と前記整流格子(25)間の距離を固定させる距離固定手段(35)と、粒剤を貯留する粒剤タンク(3)と、該粒剤タンク(3)より前記分岐枝管(9A、9B)に対し、所定量の粒剤を供給する少なくとも一つの繰出装置(5A、5B、5C、5D)と、前記分岐枝管(9A、9B)と連結され、粒剤を排出する少なくとも一つの噴口が形成された少なくとも一つの散布管(11A、13A、11B、13B)とを備えて構成した。
【0026】分岐傾斜手段(31)を設けたことで、乱流を生ずることなく、整流格子(25)の出口付近から散布管(11A、13A、11B、13B)の先端に至るまで、流速の一層なだらかな傾斜を持たせることが出来る。また、この傾斜の程度も進退操作手段(29)の進退操作により精度良く調節可能である。このため、粒剤の比重に応じた適切な一層バランスのよい散布を行うことが出来る。
【0027】以上に述べた請求項3又は請求項4記載の風調節機能付き風分岐装置は、背負式の散布機にセットすることも可能であるが、本発明(請求項5)は、前記送風機(21)乃至前記繰出装置(5A、5B、5C、5D)は車両(1)に搭載することも可能である。このことにより、車上から効率よく粒剤を散布可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に、本発明の実施形態の水平断面図を示す。また、図2には本発明の実施形態の斜視構成図を示す。図1及び図2において、整流格子25は、分岐基管9C内に収納され、分岐基管9C内を摺動可能なようになっている。整流格子25は、外筒25a内に十字状に鉄板25b、25cが配設され、鉄板25b、25cは外筒25aの内側に固着されている。鉄板25b、25cの交差点には、シャフト29の一端が固着されている。
【0029】分岐基管9Cの向かいである分岐枝管9A及び分岐枝管9Bには、分岐傾斜板31が固定されている。分岐傾斜板31は、頂部の仕切線31aを境に左右対象の傾斜面31b、31cで構成されている。仕切線31aの中心部には開口穴31dが配設され、開口穴31dには、シャフト29が貫通されている。傾斜面31b、31cは、分岐枝管9A及び分岐枝管9Bと交差しているが、分岐枝管9A及び分岐枝管9Bが円筒形であるため、傾斜面31b、31cの底部は半円形である。
【0030】分岐枝管9A及び分岐枝管9Bの連結部には、鉄板25b、25cの交差点より開口穴31dを貫通したシャフト29が通るように開口穴33が開けられている。シャフト29には、複数箇所に予め小孔が開けられ、この小孔にピン35が挿入されることにより、分岐枝管9A及び分岐枝管9Bの外部よりシャフト29を固定出来るようになっている。このピン35が挿入された粒剤散布装置の背面斜視図を図3に示す。
【0031】次に、本発明の第1実施形態の動作を図1及び図4を用いて説明する。図1に、整流格子及び分岐傾斜板間の距離を広げたときの様子を示す。図1において、整流格子25により、送風機21から送風された空気が整流される。整流後、この空気は分岐傾斜板31にあてられる。分岐傾斜板31は、仕切線31aを境に左右対象であるため、この空気は均等に分流される。整流格子25及び分岐傾斜板31間の距離は長いため、風は、傾斜面31b、31cに沿って乱流を生ずることなくスムースに流れる。空気の通過面積は広く、空気に対する負荷抵抗は小さいため、風量は大きい。従って、風速は速くなる。
【0032】また、図4に、整流格子及び分岐傾斜板間の距離を縮めたときの様子を示す。このとき、整流された空気が仕切線31aを境に均等に乱流無く分流されるのは、図1と同様である。しかしながら、今度は、空気の通過面積は狭く、空気に対する負荷抵抗が大きいため、風量は小さくなる。そして、整流格子25の出口付近の流速は速くなる。一方、分岐枝管9A、9B及び散布管11A、13A、11B、13B内の流速は、整流格子25から遠ざかるに連れて流速は遅くなる。
【0033】整流格子25から遠ざかるにつれて流速が遅くなるのは、整流格子25の出口付近で絞られた空気が分岐後、徐々に分岐枝管9A、9B等先端に進むに連れて管路の断面積全体に渡って流れるようになるため、流路断面積の広がっていく分流速が徐々に遅くなるからである。従って、風量を減少させたときでも、分岐枝管9A、9B内での流速が速く、この速い流速に粒剤が運ばれるため、分岐枝管9A、9Bから粒剤が多量に吐出されることはないし、散布管11A、13A、11B、13Bの先端の吐出量が少なくなることもない。分岐枝管9A、9B等先端に進むに連れて流速が徐々に遅くなるため、先端に大部分の粒剤が吐出されることもない。このように、整流格子25の出口付近から散布管11A、13A、11B、13Bの先端に至るまで、流速のなだらかな傾斜を持たせることが出来、またこの傾斜の程度もシャフト29の進退操作により簡単に調節可能なので、粒剤の比重に応じた適切なバランスのよい散布を行うことが出来る。
【0034】シャフト29を進退させて異なる小孔にピン35を挿入し固定することで、整流格子25及び分岐傾斜板31間の距離を調節可能である。従って、整流された空気の状態を乱すことなく維持しつつ、風量及び風速を簡単な操作で調節可能である。シャフト29の小孔を開ける位置は、実験的に風量、風速、粒剤の比重及び吐出量のバランス等との関係を求めた上で決めるのが望ましい。但し、送風機21の容量や分岐枝管9A及び分岐枝管9Bの断面積等から理論的に求めてもよい。
【0035】かかる調節された風量及び風速の空気を用いて、繰出装置5A、5B、5C、5Dから落下された粒剤を運び、分岐枝管9A、9B、散布管11A、13A、11B、13Bの噴口から噴出させる。
【0036】以上により、比重の軽い粒剤から重い粒剤まで、あるいは散布量の少ない粒剤から多い粒剤(例えば、1kg/10a〜60kg/10a)まで、均等散布可能である。また、整流格子と絞り弁機能が一体として構成出来、構造が簡単なため安価である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、分岐傾斜手段(31)と整流格子(25)間の距離を進退操作手段(29)により進退操作を行い調節することとしたので、風量、風速の調節が幅広くかつ簡単に行える。また、分岐された風の乱流も極めて少ない。更に、整流格子と絞り弁機能が一体として構成出来、構造が簡単なため安価である。粒剤散布装置に適用した場合には、比重の軽い粒剤から重い粒剤まで、あるいは散布量の少ない粒剤から多い粒剤まで均等散布可能である。
【出願人】 【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
【出願日】 平成10年12月7日(1998.12.7)
【代理人】 【識別番号】100105201
【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 正利
【公開番号】 特開2000−166342(P2000−166342A)
【公開日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【出願番号】 特願平10−347294