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【発明の名称】 軽量蒔き種子の製造方法
【発明者】 【氏名】福岡 正信

【要約】 【課題】広大な地域に植物種子を航空機撒きする場合、風に乗り、かつ水に浮き洪水により氾濫した地帯での流水による種子蒔きが可能な軽量な蒔き種子を製造する。

【解決手段】植物種子、植物繊維及び粘土水を混合して団子状物とし、木葉状、プロペラ状等に成形するか、該団子状物に羽毛等を取り付けた後、乾燥する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物種子、植物繊維及び/又は合成繊維並びに付着性付与剤含有水を混合して団子状物とし、空気抵抗が大きくなる形状に成形した後、乾燥することを特徴とする軽量蒔き種子の製造方法。
【請求項2】 植物種子、植物繊維及び/又は合成繊維並びに付着性付与剤含有水を混合して団子状物とし、該団子状物に羽状物を取り付けた後、乾燥することを特徴とする軽量蒔き種子の製造方法。
【請求項3】 上記付着性付与剤が粘土であることを特徴とする請求項1又は2記載の軽量蒔き種子の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物種子と植物繊維や合成繊維とが一体化した風媒・水媒可能な軽量蒔き種子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】米麦、野菜等の不耕起に直蒔を可能とする本発明者らの開発による植物種子と粘土とを団子にした粘土団子化種子は公知で、広く実施されている。ところが、このような粘土団子化種子は、航空機撒きのような場合に、途中での氷結や着地時の衝撃破壊、着地後の氷結物の破壊、乾燥によるひび割れ、大雨による破壊等により粘土団子が損傷し、強度的に不満足であった。
【0003】このような粘土団子化種子を広範囲に適応させるために、植物種子層、焼粘土粉層並びににがり、消石灰及び粘土粉層の多層構造からなる本発明者の開発に係る粘土団子化種子も知られている。しかし、これらの粘土団子化種子は、重量の大きい粘土や鉱物が用いられているために、その使用場所や使用方法によっては、運搬上、取扱い上等で不利となることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、航空機撒きの場合、風に乗って種子蒔きが可能で、水に浮き洪水により氾濫した地帯での流水による種子蒔きが可能な軽量な蒔き種子の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を行った結果、従来の団子状種子で用いられている粘土に代えて、紙屑や綿屑のような繊維状物を用い、それと植物種子とを混合した後、空気抵抗が大きくなる形状にしたり、羽毛状物を取り付けることにより本発明の目的が達成できることを見出だして本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、植物種子、植物繊維及び/又は合成繊維並びに付着性付与剤含有水を混合して団子状物とし、空気抵抗が大きくなる形状に成形した後、乾燥することを特徴とする軽量蒔き種子の製造方法を要旨とする。更に、本発明は、植物種子、植物繊維及び/又は合成繊維並びに付着性付与剤含有水を混合して団子状物とし、該団子状物に羽状物を取り付けた後、乾燥することを特徴とする軽量蒔き種子の製造方法を要旨とする。又、上記軽量蒔き種子の製造方法は、上記粘着性付与剤が粘土であることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、植物種子、植物繊維及び/又は合成繊維並びに付着性付与剤含有水を混合して団子状物とし、空気抵抗が大きくなる形状に成形した後、乾燥することを特徴とする軽量蒔き種子の製造方法(製法1)である。又、本発明は、植物種子、植物繊維及び/又は合成繊維並びに付着性付与剤含有水を混合して団子状物とし、該団子状物に羽状物を取り付けた後、乾燥することを特徴とする軽量蒔き種子の製造方法(製法2)である。
【0008】本発明で用いられる植物種子は、一個でも良く、複数でも良い。複数の場合は、同種の種子でも良く、異種の種子でも良い。植物種子に、植物細胞片及び/又は種菌(きのこ等)を混入させることも可能である。又、植物種子に緑肥草の種子を混ぜれば、緑肥草の生長と共に肥料やバクテリア等が播種地に入ることになり、施肥や耕起が不要となる。更に、植物種子が松の種子の場合、その菌根菌である松茸菌を、植物種子が豆科植物の種子の場合、根瘤菌を配合すれば、それらの植物を順調に生育させることができる。
【0009】本発明で用いられる植物繊維や合成繊維は、それらの繊維からなるものであればどのようなものでも良いが、経済性や環境上の観点から、古新聞、古雑誌等の故紙や紙屑、古綿や綿屑、衣類屑等が望ましい。これら植物繊維や合成繊維は2種以上混合して用いても良く、必要に応じて使用前に細断しても良い。
【0010】本発明で用いられる付着性付与剤含有水に含まれる該付着性付与剤は、植物種子と植物繊維及び/又は合成繊維とを付着し易くし、団子状や空気抵抗が大きくなる形状に成形し易くするためのものであり、粘土、ふのり、澱粉糊、ポリビニルアルコール製等の合成糊等が使用できるが、天然物であると共に、砂漠等の気候の激しい所でも保水性を維持できる粘土が特に好ましい。付着性付与剤含有水における付着性付与剤の含有量は、用いる付着性付与剤や植物繊維・合成繊維の種類により異なるが、通常は3〜50重量%である。
【0011】上記製法1及び製法2では、まず植物種子、植物繊維及び/又は合成繊維並びに付着性付与剤含有水を混合して団子状物とする。植物種子と植物繊維及び/又は合成繊維との混合割合は、植物種子1容量に対して植物繊維及び/又は合成繊維3〜20容量である。付着性付与剤含有水は、本発明の方法で乾燥後の蒔き種子中の付着性付与剤が20〜40重量%程度となるような量を使用する。
【0012】植物種子、植物繊維及び/又は合成繊維並びに付着性付与剤含有水の混合は、植物種子、上記繊維及び付着性付与剤含有水を同時に用いて行っても良く、例えば、最初に植物種子と上記繊維を混合し、そこに付着性付与剤含有水を注入して混合する等の上記3者の内の任意の2者を予め混合した後、残りのものを混合する方法を採用しても良い。上記混合は、通常ミキサーを用いて行われる。ミキサーとしては、小は家庭用のミキサー等から大はコンクリートミキサー等が使用可能である。混合は、上記3者が均等に分散するのに必要な時間行われるが、その時間は通常10分間〜1時間である。小型ミキサーの場合は、短時間で良い。次いで、団子状物とする。団子状物の形状は任意であり、又、その大きさは5〜20mm程度である。上記のように混合したものを上記大きさの団子状物にするのは、手造りしても良いが、ミキサーの傾斜角度、回転速度、混合時間を適宜調整することにより製造することができる。
【0013】上記製法1では、上記団子状物を空気抵抗が大きくなる形状に成形する。空気抵抗を大きくするには偏平状にすれば良いが、その形状の具体例として、木葉状、円盤状(ユーホー状)、プロペラ状等が挙げられる。
【0014】又、上記製法2では、上記団子状物に羽状物が取り付けられる。ここで用いられる羽状物としては、天然羽毛、動植物繊維や合成繊維等を用いて羽状、羽毛状、紙片状、飛行機の翼状等に成形したもの等が挙げられる。羽状物を取り付ける方法としては、羽状物の上に上記団子状物を転がしてまぶしたり、上記団子状物に羽状物を差し込んだりして団子状物に固定する方法等が挙げられる。羽状物の数は任意であるが、5枚以下が好ましい。
【0015】上記のようにして空気抵抗が大きくなる形状に成形されたり、羽状物が取り付けられたものは、次いで乾燥される。乾燥は、天日、電熱等どのような方法で行っても良く、乾燥の程度は、使用場所や使用方法等に応じて適宜決められる。上記のようにして本発明に係る蒔き種子を製造することができるが、更に、得られた蒔き種子にはっ水性を持たせると、水に浮かび易く、流水を利用して蒔き種子を遠くに伝播させることができる。蒔き種子にはっ水性を持たせるには、蒔き種子の表面に柿渋、流動パラフィン、シリコーン樹脂等のはっ水剤を塗布することにより達成できる。
【0016】
【発明の効果】本発明の方法により製造された蒔き種子は、軽量であるために、田畑や総ての耕作地の他、耕作が甚だしく困難か不能な、急傾斜地、荒廃地、砂漠等に容易に播種することができ、広面積の砂漠の航空機撒きにおいて、経済的かつ効率的にその緑化、食料生産を推進することを可能とする。
【0017】又、特に、洪水により頻繁に氾濫を繰り返す大陸の大河流域に航空機撒きをすると、軽量で水に浮き、はっ水性を持たせたものは耐水性があり、広大な範囲に種子を蒔くことができる。更に、蒔き種子を構成する繊維に古紙、紙屑、綿屑等を用いた場合、それらは生分解性であることから環境上何ら問題を起こすことなくその再利用を計ることができ、資源の再利用化の上でも、非常に有効である。
【出願人】 【識別番号】591025325
【氏名又は名称】福岡 正信
【出願日】 平成10年12月2日(1998.12.2)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−166317(P2000−166317A)
【公開日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【出願番号】 特願平10−342910