| 【発明の名称】 |
苗移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】布野 隆
【氏名】小玉 重夫
|
| 【要約】 |
【課題】苗載台上のマット苗を苗取出し側に縦送りする苗移植機において、マット苗の有無を感知体が上下動する苗センサにより感知する際に、縦送りされる苗がロール苗のような軟弱で軽量な苗であっても、上動する感知体が苗を押上げて上動するのを防止して確実に苗の有無を感知できるようにする。
【解決手段】苗移植機の苗載台9に、感知体56bが上下動して苗の有無を感知する苗センサ56を設けると共に、上記苗センサ56の上方位置には、マット苗に上方から接触して、感知体56bがマット苗を押上げて上動するのを規制する上動規制体57を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】苗載台上のマット苗を苗取出し側に縦送りする苗移植機において、上記苗載台に感知体が上下動して苗の有無を感知する苗センサを設けると共に、上記苗センサの上方位置には、マット苗に上方から接触して、感知体がマット苗を押上げて上動するのを規制する上動規制体を設けたことを特徴とする苗移植機。 【請求項2】上記苗センサが、マット苗を強制縦送りする搬送装置と、マット苗を上方から押圧する押え具とで形成した苗搬送部に設けてあることを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、縦送りされる苗載台上のマット苗を苗センサで感知しながら移植作業を行う苗移植機に係るものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、乗用田植機等の苗移植機においては、苗載台上のマット苗を縦送り装置によって苗取出し側に縦送りし、送出された苗を植付作動するプランタが掻取って圃場に植付けるようにしている。そして移植作業中は、苗載台に設けた苗センサにより、苗の有無を検知して適時に苗補給をしている。 【0003】このような苗センサは、上下動する感知体が縦送りされるマット苗で押圧されたときに苗有り状態を感知し、苗が無くなると上記感知体が上動して苗無状態を感知するものであるため、いわゆるロール苗を使用したときには、上動する苗センサの感知体がマット苗を押上げて、苗が有るのに苗無状態を感知してしまうという不都合があった。 【0004】すなわち、近年は圃場への苗運搬作業や苗移植機への苗補給作業の効率化を図るため、軽量かつ長大な帯状の苗を巻き取ってロール苗を形成し、このロール苗を移植機に載せて移植するものが知られているが、このようなロール苗は、長大(例えば、幅30センチメートル、長さ6メートル)な育苗ケースに、不織布等の補強用マット材を敷き、この上に所定量の種籾を播種した後、所定期間水耕栽培で育苗して根絡み状態とした厚さ1センチメートル程度の軟弱で軽量なマット苗を巻いたものであるため、ロール苗から繰出されたマット苗を苗センサで感知する際に、感知体がマット苗を押上げて上動し、苗が有るのに誤って苗無状態を感知することがある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような実情に鑑み創作されたものであって、苗取出し側に縦送りされるマット苗を苗センサにより感知する際に、縦送りされる苗がロール苗のような軟弱で軽量な苗であっても、感知体による苗の逃げや押上げを防止して確実に苗の有無を感知することができる苗移植機を提供しようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、苗載台上のマット苗を苗取出し側に縦送りする苗移植機において、上記苗載台に感知体が上下動して苗の有無を感知する苗センサを設けると共に、上記苗センサの上方位置には、マット苗に上方から接触して、感知体がマット苗を押上げて上動するのを規制する上動規制体を設けたことを特徴とし、また、上記苗センサが、マット苗を強制縦送りする搬送装置と、マット苗を上方から押圧する押え具とで形成した苗搬送部に設けてあることを特徴とするものである。 【0007】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、図面に示されたロール苗を使用する苗移植機の実施例に基いて詳細に説明する。まず図1〜図3において、1は苗移植機として例示した乗用田植機の走行機体であって、この走行機体1の後部には、リンク機構2を介して植付部3が昇降自在に装着されている。上記植付部3は、リンク機構2に着脱自在に連結されるホルダフレーム4、該ホルダフレーム4にローリング自在に連結される植付部フレーム5、該植付部フレーム5に組付けられたドライブケース6、該ドライブケース6から後方に突出する複数の植付ケース7、該植付ケース7上方の苗取出し側に配設されるエプロン8、該エプロン8に沿って左右往復動自在に配設される苗載台9、該苗載台9から苗を掻って圃場に植付ける植付爪10、該植付爪10の前方位置で田面を均すフロート11等で構成されているが、これらの基本構成は何れも従来と同様である。 【0008】前記苗載台9は、前高後低状の傾斜姿勢に配設されており、その上面には、上下方向のガイドリブ12で仕切られた植付条数分の苗載面13が形成されており、各苗載面13にロール苗14をセットして、ロール苗14から繰出されたマット苗を、左右のガイドリブ12で横ズレを規制しながら下方のエプロン8に向けて供給ガイドするようになっている。 【0009】15は植付ケース7の後端部に取付けられたロータリケースであって、該ロータリケース15は、その両端部に前記植付爪10を備えると共に、自らの回転に伴って一対の植付爪10を所定の軌跡に沿って回転運動させるギヤ機構を内装している。そして植付爪10は、エプロン8に形成された掻取口8aに所定寸法L1だけ入り込んでロール苗14の下端部から1株分の苗を掻取る掻取行程と、田面に突入して掻取苗を放出する植付行程との間を循環的に植付作動するようになっている。 【0010】16は各苗載面13に設けられた搬送装置であって、該搬送装置16は、苗載面13の下面側に設けた下側(搬送下手側)の駆動ローラ17と上側(搬送上手側)の従動ローラ18との間に、突起付きの幅広ベルトからなる左右の縦送りベルト19を懸回すると共に、駆動ローラ軸17aを図示しないラチェット機構を介して縦送りレバーに連動連結している。そして苗載台9が横送り端に達すると、ドライブケース6に設けた縦送り駆動カムが縦送りレバーを叩き上げるように構成されており、縦送りレバーが叩き上げられた場合には、これに連動して駆動ローラ17が所定量回転するのに伴い、縦送りベルト19の張り側(苗接触側)が所定の送り量L2だけ下動してロール苗14をエプロン8に向けて強制的に縦送りする。また本実施例では、各条の搬送装置16を搬送方向の上側と下側の上下2段に構成すると共に、上下の搬送装置16をチェン伝動機構20を介して連動連結している。なお送り量L2を、植付爪10のエプロン8への入り込み量L1よりも小さく設定することにより、ロール苗14のエプロン8への押付けを防止している。 【0011】21は各条の苗載面13に対向して配設されるロール苗保持部であって、該ロール苗保持部21は、ガイドリブ12に立設された保持部ラケット22、該保持部ラケット22間に架設される左右方向のアーム支軸23、該アーム支軸23に回動自在に外嵌するアームボス24、該アームボス24に所定間隔を存して溶着される上下揺動自在な左右一対の支持アーム25、該支持アーム25を所定の位置に保持する支持アーム保持機構26、左右の支持アーム25間に着脱自在で、かつ回転自在に支持されるロール苗保持軸27等で構成されている。即ち、ロール苗保持部21にロール苗14を補給する場合には、ロール苗14のロール芯28をロール苗保持軸27に挿通した後、該ロール苗保持軸27の両端部を、支持アーム25の先端部に形成されたフック溝25aに引っ掛け状にセットするようになっている。そして、左右の支持アーム25間にセットされたロール苗14を、平面視で左右のガイドリブ12間に位置させて、ロール苗14から連続的に繰出されるマット苗を、左右のガイドリブ12で導くようになっている。 【0012】前記支持アーム保持機構26は、保持部ラケット22に前後揺動自在に取付けられるアーム保持レバー29と、該アーム保持レバー29を支持アーム25の基端部に向けて付勢する弾機29cとで構成されている。そして、支持アーム25の基端部にストッパ片25bを形成する一方、アーム保持レバー29に係止溝29aを形成し、該係止溝29aでストッパ片25bを係止することにより支持アーム25を所定位置に保持する。また、アーム保持レバー29には、上下方向に複数の係止溝29aが形成されていて、ロール苗14の繰出しに適した位置と、苗載面13に近接する格納位置および繰出位置から上方に退避した退避位置とに支持アーム25を選択的に保持できるようになっている。 【0013】また前記ロール苗保持軸27は、支持アーム25の左右間隔よりも多少長く形成される軸部材27aに、ロール芯28の内径よりも僅かに小径な左右一対のホイールプレート27bを溶着すると共に、左右のホイールプレート27bを補強ステーで連結して形成されている。そして、ロール苗保持軸27にロール苗14をセットする場合には、ロール苗保持軸27の一端側からロール苗14のロール芯28を挿通するが、ロール芯28の内周面一端部には段差部28aが形成されていて、該段差部28aとホイールプレート27bとの接当に基づいてロール苗14が適正セット位置で係止されるようになっている。 【0014】30はロール苗14から繰出されたマット苗を上方から前記搬送装置16側に押圧する上下方向に配置した押え具であって、該押え具30は次ぎのように構成されている。すなわち、31は上側縦送りベルト19の対向位置に配設された上側回転苗押え体であって、該上側回転苗押え体31は、前記保持部ラケット22に上下揺動自在(苗載面接離方向移動自在)に設けられた左右一対の苗押えアーム32、該苗押えアーム32間に架設される苗押え支軸33、該苗押え支軸33に回転自在に外嵌する左右の苗押え円盤34、該苗押え円盤34を位置決めするカラー35等で構成されている。そして、上記苗押え円盤34は、上側縦送りベルト19に沿って繰出されるロール苗14を、自重もしくは図示しない弾機の付勢力で上側縦送りベルト19に押付けながら従動的に回転して、ロール苗14の横ズレを規制しながら繰出すようになっている。 【0015】また36は前記下側縦送りベルト19の上部対向位置に配設される第一回転苗押え体であって、該第一回転苗押え体36は、苗載台9の左右両端部に立設される一対の苗押えブラケット37、該苗押えブラケット37の上端部に上下揺動自在に設けられる左右一対の第一苗押えアーム38、該第一苗押えアーム38間に架設される第一苗押えフレーム39、該第一苗押えフレーム39から各条の下側縦送りベルト19に向けて突設される第一苗押えステー40、該第一苗押えステー40の先端部に溶着されるボス41、該ボス41に回転自在に挿通される第一苗押え軸42、該第一苗押え軸42に回転自在に外嵌する左右複数の第一苗押え円盤43、該第一苗押え円盤43を位置決めするカラー44等で構成されている。そして、上記第一苗押え円盤43は、下側縦送りベルト19に沿って繰出されるロール苗14を、自重もしくは図示しない弾機の付勢力で下側縦送りベルト19に押付けながら従動的に回転するため、ロール苗14の浮上りおよび横ズレが規制されることになるが、各条の下側縦送りベルト19に対向する複数の第一回転苗押え体36を、単一の第一苗押えフレーム39に一体的に設けているため、第一苗押えフレーム39に設けられる退避操作レバー45の操作に伴って各条の第一回転苗押え体36を同時に上動させた規制位置に退避させることができるようになっている。 【0016】さらに46は前記下側縦送りベルト19の下部対向位置に配設される第二回転苗押え体であって、該第二回転苗押え体46は、前記苗押えブラケット37の上端部に上下揺動自在に設けられる左右一対の第二苗押えアーム48、該第二苗押えアーム48間に架設される第二苗押えフレーム49、該第二苗押えフレーム49から各条の下側縦送りベルト19に向けて突設される第二苗押えステー50、該第二苗押えステー50の先端部に溶着されるボス51、該ボス51に回転自在に挿通される第二苗押え支軸52、該第二苗押え支軸52に回転自在に外嵌する左右複数の第二苗押え円盤53、該第二苗押え円盤53を位置決めするカラー54等で構成されている。そして、左右の第二苗押え円盤53は、下側縦送りベルト19に沿って繰出されるロール苗14を、自重もしくは図示しない弾機の付勢力で下側縦送りベルト19に押付けながら従動的に回転する。このように、上下に二列の回転苗押え体36、46により、ロール苗14の浮上りを規制しているが、各回転苗押え体36、46の苗押え円盤43、53は、ロール苗14の接離方向に独立的に移動するため、ロール苗14の厚さにバラツキがあっても、各苗押え円盤43、53が独立して適度にロール苗14を押圧することになり、その結果、下側縦送りベルト19がスリップしてロール苗14の縦送り量にバラツキが生ずる等の不都合を可及的に防止できる。 【0017】また前記第二苗押えアーム48は、第一苗押えフレーム39の上方を通って第一苗押え円盤43の下方まで達しているので、第一回転苗押え体36を退避操作した場合には、第一苗押えフレーム39が第二苗押えアーム48を押上げて第二回転苗押え体46も連動的に退避させるようなっている。55は退避ロックレバーである。 【0018】そして上記のように構成された前後方向の押え具30と搬送装置16とによって苗搬送部Aが形成されており、該苗搬送部Aには、縦送りされる苗の有無を感知する苗センサ56が配設されている。上記苗センサ56は、図4に示すようにセンサ本体56aの上面に上動付勢された上下動する感知体56bが設けてあり、該感知体56bが縦送りされる苗で押圧されて下動すると、接点56cが閉となって苗有り状態を感知し、また苗が無いときには感知体56bが上動し、接点56cが開となって苗無状態を感知するようになっている。上記苗センサ56は、第二苗押えフレーム49下方の苗載面13に配設されていて、前後方向の第一回転苗押え体36および第二回転苗押え体46で押圧されながら搬送される苗を感知するようになっている。 【0019】そして上記苗センサ56の上方位置には、感知体56bがマット苗を押上げて上動するのを規制する板状の上動規制体57が設けられている。上記上動規制体57は、第二回転苗押え体46のボス51に、後方に向けて溶着されており、その下端部が、感知体56bとの間に縦送りされる苗を挟んだ状態で苗床に接触する摺接面となっている。また上記摺接面は各苗押え円盤43、53の下面よりも僅かに上方位置となっている。そして、感知体56bの上方に縦送りされる苗が有るときには、感知体56bが苗を押上げて上動しようとしても、上動規制体57上方から苗床を押えて上動を規制するようになっている。また、本実施例のものは、上動規制体57と第二苗押えステー50とが一体状に形成されている。 【0020】本発明は上記のように構成されているので、苗移植作業を行うに当り、ロール苗保持部21の左右支持アーム25間にロール苗14をセットすれば、ロール苗14から繰出されたマット苗は、苗搬送部Aにより苗取出し側に縦送り搬送されてエプロン8上から植付作動する植付爪10で掻取られて圃場に移植される。そして縦送りされる苗の有無を苗センサ56で感知するが、苗が有るときには、苗床に接触した上動規制体57がマット苗を上方から押えて感知体56bの上動を規制するので、軽量で軟弱なロール苗であっても、感知体56bが苗を押上げて苗が有るのに誤って苗無し感知をするようなことはない。一方、感知体56bの上方に苗が無くなったときには、感知体56bが直ちに上動して苗無し感知をするので、適時に苗補給して精度のよい移植作業をおこなうことができる。 【0021】また、上記苗センサ56を設けた苗搬送部Aでは、マット苗が前後方向の押え具30で押圧されながら搬送装置16によって良好な状態で搬送されるので、苗センサ56を一層正確に作動させて苗の有無を感知することができる。 【0022】なお、上記実施例おいては、ロール苗を使用する苗移植機について説明したが、従来のマット苗を使用する苗移植機についても同様に適用できることは勿論である。 【0023】 【発明の効果】これを要するに本発明は、苗載台上のマット苗を苗取出し側に縦送りする苗移植機において、上記苗載台に感知体が上下動して苗の有無を感知する苗センサを設けると共に、上記苗センサの上方位置には、マット苗に上方から接触して、感知体がマット苗を押上げて上動するのを規制する上動規制体を設け、また、上記苗センサが、マット苗を強制縦送りする搬送装置と、マット苗を上方から押圧する押え具とで形成した苗搬送部に設けてあることから、苗センサの上方位置に設けた上動規制体が、マットに接触して上方から押えるので、軟弱軽量なマット苗を移植するときでも、苗センサの感知体がマット苗を押上げることはなく、苗センサの誤作動を防止して移植精度の向上を図ることができる。また、上記苗センサを苗搬送部に設けたものでは、搬送装置と押え具とでマット苗が良好に搬送される場所で苗の有無を感知するので、苗センサを一層正確に作動させることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年10月9日(1998.10.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066876 【弁理士】 【氏名又は名称】稲葉 昭治
|
| 【公開番号】 |
特開2000−116216(P2000−116216A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月25日(2000.4.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−303411 |
|