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【発明の名称】 野菜移植機の移植部
【発明者】 【氏名】大垣 洋三

【氏名】清水 修一

【氏名】和田 俊郎

【氏名】早田 裕光

【要約】 【課題】野菜移植機の移植爪を昇降開閉機構を用いて昇降駆動自在に支持し、該移植爪の昇降駆動の下降時に左右方向に移動させて畝条の左右適所位置に移植を正確に行えるようにする必要があった。

【解決手段】前記昇降開閉機構32を機体の進行方向に対して左右に回動自在に支持し、昇降開閉機構より動力を取り出して揺動アーム300を往復駆動させて、該揺動アームと連動して往復駆動する連結アーム297と昇降開閉機構とを連結ロッド298を介して連結し、揺動アームに揺動調節機構を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移植爪を昇降開閉機構に昇降駆動自在に支持し、下降させて畝上に突入させて苗を植え付けて行く野菜移植機において、前記昇降開閉機構を機体の進行方向に対して左右に回動自在に支持し、昇降開閉機構より動力を取り出して揺動アームを往復駆動させて、該揺動アームと連動して往復駆動する連結アームと昇降開閉機構とを連結ロッドを介して連結し、連結アームに揺動調節機構を設けたことを特徴とする野菜移植機の移植部。
【請求項2】 前記連結アームに調節孔を設けて連結ロッドの取付け位置を調整可能としたことを特徴とする野菜移植機の移植部。
【請求項3】 移植爪を昇降開閉機構に昇降駆動自在に支持し、下降させて畝上に突入させて苗を植え付けて行く野菜移植機において、前記昇降開閉機構を機体の進行方向に対して左右に回動自在に支持し、昇降開閉機構よりクランクアームを介して動力を取り出し、該クランクアームに揺動アームを揺動自在に連動連結し、揺動アームの揺動死点位置と移植爪の上下の死点位置とを略一致させたことを特徴とする野菜移植機の移植部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜移植機の苗載台上の苗トレイから苗を抜き取り、移植爪を楕円状の軌跡を描くと同時に左右方向へ振ることを可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から苗載台上に野菜苗が育苗された苗トレイを載置し、機体の後部に左右にスライド軸を横設し、該スライド軸に摺動自在に苗載台を配し、該苗載台の左右往復動の終端位置で苗トレイの縦送り駆動を行い、横送り駆動によって野菜苗を苗取り位置に案内し、苗取爪によって野菜苗を取り出し、移植爪内に投入して、該移植爪を回動させて、圃場に移植する技術は公知となっている。前記移植爪の昇降駆動機構では、移植爪は機体の左右幅方向に対して前後方向の同一線上を上下動するものであった。この移植爪及びその昇降駆動機構を左右に二組配置し、移植爪に野菜苗を受け継ぐ苗取爪も左右に二組配置して、幅広に形成した苗載台に左右に二個載置した苗トレイより苗を抜き取って、移植爪に受け継ぎ、移植する二条植えを行う技術も公知となっていた。また、機体上の移植部等はエンジン等と共にフレームに一体支持し、このフレームを走行部に対して左右にスライド可能に支持する技術も公知となっており、移植部を左右にスライドさせて畝上の左右適所位置に移植するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術においては、移植爪は機体の左右幅方向に対して同一線上を上下動されていたので、移植位置を畝上の左右方向で変更して移植するには機体を左右にズラして直進させる必要があり、作業者に熟練した能力を要求するものであった。また、移植部等を含むフレームを走行部に対して左右にスライドさせる構成においては、油圧シリンダーやモーター等の駆動アクチュエータを用いて移植部等を含むフレームをスライドさせていたが、スライド支持する構成に加えて前記駆動アクチュエータを必要としていたので部品が多くなりコストが高くなっていた。また、前記の二条植えの野菜移植機においては、左右の移植爪は機体側に取付け位置が固定されたものであったので、植付け条間隔を移植する野菜苗の種類や野菜を栽培させる方式に合わせて簡単に調整できる構成となっていなかったので、汎用性の欠けるものであった。その為に、移植位置を苗の受継位置より左右方向に移動させるとともに、その移動量を調整可能として畝幅上の左右適所位置に正確に移植させる必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。即ち、移植爪を昇降開閉機構に昇降駆動自在に支持し、下降させて畝上に突入させて苗を植え付けて行く野菜移植機において、前記昇降開閉機構を機体の進行方向に対して左右に回動自在に支持し、昇降開閉機構より動力を取り出して揺動アームを往復駆動させて、該揺動アームと連動して往復駆動する連結アームと昇降開閉機構とを連結ロッドを介して連結し、連結アームに揺動調節機構を設けたものである。また、前記連結アームに調節孔を設けて連結ロッドの取付け位置を調整可能としたものである。また、移植爪を昇降開閉機構に昇降駆動自在に支持し、下降させて畝上に突入させて苗を植え付けて行く野菜移植機において、前記昇降開閉機構を機体の進行方向に対して左右に回動自在に支持し、昇降開閉機構よりクランクアームを介して動力を取り出し、該クランクアームに揺動アームを揺動自在に連動連結し、揺動アームの揺動死点位置と移植爪の上下の死点位置とを略一致させたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を、添付の図面を用いて説明する。図1は2条植え用の野菜移植機の全体平面図、図2は2条植え用の移植装置及び苗取爪と、移植状態を示す断面図、図3は移植爪及び昇降開閉機構を左右に往復回動させる構成の側面断面図、図4は同じく平面断面図、図5は同じく正面断面図、図6は伝達軸の回転を往復動に変換する構成の図3のA−A断面図、図7は移植爪の回動軌跡の後面概念図である。
【0006】次に、本発明の多条植え用の歩行型野菜移植機について全体構成から説明する。図1、図2に示すように、機体の前部にエンジンフレーム2が配置され、該エンジンフレーム2上にエンジン4が載置され、エンジンフレーム2後部に固設したミッションケース3内にプーリー、ベルト等を介して動力を伝達し、該ミッションケース3の後方に移植装置5が配置されている。更に、機体後方に向けてメインフレーム1を突設して苗載台34を左右スライド可能に配置し、メインフレーム1後端に走行クラッチレバーや作業クラッチレバー等が配置され操作部6が構成されている。また、エンジン4やミッションケース3の上方や側方はカバー9によって覆われ、機体前部の左右両側上に予備苗台10・10が載置可能となっている。
【0007】そして、前記ミッションケース3の下部にアクスルケース18が配置され、該アクスルケース18両端部に後走行駆動ケース12・12が上下回動自在に枢支されている。該後走行駆動ケース12端部に走行駆動輪16が走行駆動可能に軸支されていた。また、前記エンジンフレーム2前部に進行方向に対して左右に伸延する支持フレーム19が横架され、該支持フレーム19両端部に前輪15を支持する前輪支持体52・52一端が回動自在に枢支されている。前記前輪支持体52と後走行駆動ケース12とが連動連結され、機体に対して取付け角度を変更させることで、畝高さに合わせて機体を昇降するようにしていた。更に、前記アクスルケース18及び支持フレーム19は、左右方向に伸縮自在に構成され、前輪15・15及び走行駆動輪16・16のトレッドを畝幅に合わせて調整可能としている。
【0008】また、メインフレーム1の前後中央部の移植装置5は左右一対の移植爪31・31及び昇降開閉機構32・32より構成され、メインフレーム1の後部に2条植え用の幅広に形成した苗載台34や苗送り駆動機構等が配置されている。
【0009】前記移植爪31の昇降開閉機構32・32はミッションケース3の左右側面に各々配置され、苗送り駆動と同調した動力が伝達される構成となっている。また、前記ミッションケース3から図示せぬ苗取爪駆動機構に動力を伝達して苗取爪66を駆動させている。さらに、ミッションケース3から図示せぬユニバーサルジョイント等を介して苗送り駆動ケース160内に駆動力が伝達され、横送り軸85及び縦送り駆動軸123が駆動され、前記苗載台34が左右に間欠的に往復動されるとともに、苗載台34の左右往復動の終端位置で苗載台34上の苗トレイが下方へ一定量で搬送されている。そして、前記苗取爪66によって、苗トレーから野菜苗を移植爪31に搬送して、該移植爪31を下降して畝内に突入させて開き落下させて植え付け、図示せぬ覆土輪によって移植位置の両側の土を押さえつけて移植するのである。
【0010】また、本実施例において二条植え用の昇降開閉機構32・32は、図2に示すように、ミッションケース3の左右両側面に左右対称に形成されており、以下、進行方向の左側の昇降開閉機構32について説明する。前記ミッションケース3側面に昇降開閉機構32を構成する植付伝達ケース45が配設され、ミッションケース3内より前記苗取爪66や走行駆動と同調した昇降駆動力が伝達されている。前記植付伝達ケース45後部に二組のロータリーケース240・241を連結して移植アーム230を略上下方向に平行移動可能に支持するものであり、移植アーム230後端部に固設した移植爪31を楕円状の軌跡を描いて駆動するようにしたものである。
【0011】即ち、図3〜図5に示すように、植付伝動ケース45より右側に第一回転軸243が突設され、該第一回転軸243に第一ロータリーケース240が固設され、植付伝動ケース45に対して第一ロータリーケース240が正回転されている。また、前記第一ロータリーケース240他端に第二回転軸244が軸支され、該第二回転軸244右端部に第二ロータリーケース241が固設され、第一ロータリーケース240端部に第二ロータリーケース241が逆回動自在に軸支されている。また、前記第二ロータリーケース241他端には第三回転軸246が軸支され、該第三回転軸246右端部に移植アーム230に固設され、移植アーム230を第二ロータリーケース241の回転方向に対して逆方向に回動させている。
【0012】また、前記移植アーム230前部には、第三回転軸246上のカム271を収納する凹部が形成されている。この移植アーム230前部の凹部内に進退ロッド270前部が挿入され、該進退ロッド270の前端が前記カム271に当接されている。前記進退ロッド270の後部が略クチバシ状に形成した移植爪31に連結され、進退ロッド270が後方に摺動されることで、移植爪31が前後に開かれる。
【0013】そして、前記ミッションケース3側より植付伝動ケース45を介して前記第一回転軸243に動力が伝達され、この第一回転軸243の駆動が第一ロータリーケース240に伝達され、第一ロータリーケース240を正回転させている。該第一ロータリーケース240が回転されるとともに内部のギヤ機構が駆動され、第二回転軸244を介して第二ロータリーケース241が第一ロータリーケース240の回転方向に対して逆方向に回動されている。同様に、第二ロータリーケース241が回動されることで内部のギヤ機構が駆動され、第三回転軸246を介して移植アーム230を第二ロータリーケース241と逆方向、つまり第一ロータリーケース240と同方向に回動され、移植アーム230が対地的に水平に維持された状態で昇降回動され、移植アーム230に伴われて移植爪31が昇降回動されるのである。
【0014】従って、従来のように機体側に設けたガイドフレームを用いることなく、第一ロータリーケース240及び第二ロータリーケース241とその内部のギヤ機構のみで移植爪31を昇降駆動することができ、後述する如く移植爪31を上下回動させると共に左右に往復動させることができる。
【0015】尚、前記昇降開閉機構32は、従来のような機体側に固定したガイドレール等に係合しない構成とする為に、植付伝動ケース45に一つのロータリーケースを連動連結し、その後部に連結されるクランクアームに移植アーム230を枢支し、該移植アーム230の一端を植付伝動ケース45上に立設するガイドレールに摺動自在にガイドさせる構成とすることもできる。
【0016】また、本発明において前記昇降開閉機構32を左右に往復動させて、移植爪31を側面視で楕円状の昇降回動の軌跡を後面視で軌跡下部を左右方向に振るようにしている。
【0017】図3に示すように、ミッションケース3側面に断面を四角形とする筒状の基部フレーム281が配置され、内部に左右に軸芯を有するPTO軸280が軸支され、該PTO軸280を介して苗取駆動と同調した動力が入力される。更に、前記PTO軸280に対して直角であり基部フレーム281の左側に、略上下方向に回動伝達支点軸282が軸支されている。該回動伝達支点軸282上部が基部フレーム281上部より上方に突出され、上部に昇降開閉機構32の植付伝動ケース45が枢支される。
【0018】前記植付伝動ケース45前部の右側面が右側に膨出させてギヤケース45aが形成され、該ギヤケース45aの上下部に配置したベアリング288・289に回動伝達支点軸282上部が軸支され、該回動伝達支点軸282を回動中心として、植付伝動ケース45等を介して昇降開閉機構32及び移植爪31が回動自在に支持されている。
【0019】また、前記PTO軸280左端部にベベルギア283が固設され、該ベベルギア283に回動伝達支点軸282に固設するベベルギア284が噛合されている。更に、前記ギヤケース45aには、回動伝達支点軸282と直角であり略水平状に水平軸285が軸支され、回動伝達支点軸282上下途中部よりベベルギア286・287を介して水平軸285に動力を伝達し、水平軸285上に前記駆動スプロケット255が固設され、チェーン256を介してロータリーケース240・241内に動力を伝達し、前述した如く、走行駆動と同調させて移植爪31を昇降回動駆動させている。
【0020】また、互いに噛合する前記ベベルギア286・287は同一のギアであり、駆動スプロケット255と従動スプロケット257とが同一スプロケットとなっており、回動伝達支点軸282の回転が減速されることなく、ロータリーケース240・241に伝達され、回動伝達支点軸282を一回転させることで、ロータリーケース240・241が回動し、移植爪31の昇降回動が一回転される。
【0021】また、前記回動伝達支点軸282の下部が基部フレーム281下部より下方に突出されている。該回動伝達支点軸282下部には、クランクアーム291の一端が固設され、該クランクアーム291他端には連結ピン292が突設され、回動伝達支点軸282とともに回動されている。前記連結ピン292の回動運動は往復駆動体によって往復動に変換されている。
【0022】即ち、前記基部フレーム281下部より左後方にステー294が突設され、端部にボス295が固設されている。該ボス295内には、前記回動伝達支点軸282と平行に軸芯を有する連動軸296が枢支されている。該連動軸296の下部に往復駆動体としての揺動アーム300の一端が枢支され、該揺動アーム300の他端側に長孔300aが開口され、該長孔300a内に前記連結ピン292が摺動自在に挿入されている。前記クランクアーム291とともに連結ピン292が回転されると、揺動アーム300が一定角度の範囲内で往復回動されている。即ち、前記クランクアーム291の回転運動が往復運動に変換され、揺動アーム300基部の連動軸296が一定角度内を往復回動されるのである。
【0023】尚、往復駆動体の別形態として、連結ピン292にアームを枢支し、該アーム他端に筒等のガイド体内に往復動可能に収納されたピストンの如く往復駆動体を枢支し、この往復駆動体の往復動を植付伝動ケース45に伝達する構成とすることもできる。
【0024】また、前記連動軸296上部に側面視「コ」字状の連結アーム297下部が固設され、該連結アーム297上部に連結部材として連結ロッド298の一端が取付け位置を調整自在に枢支され、該連結ロッド298の他端が前記植付伝動ケース45途中部の下面に枢支されている。前記揺動アーム300を介して連動軸296が往復回動されると、連結アーム297も連動軸296を中心に往復回動され、連結ロッド298を介して植付伝動ケース45が回動伝達支点軸282を中心として往復回動される。即ち、移植爪31の回動軌跡の下部が左右何れか一方に振られて、苗の移植位置を苗取爪66からの受継位置より左右何れか一方にズラされた位置となる。
【0025】また、図4、図5に示すように、前記植付伝動ケース45を機体の進行方向と一致する前後方向に配置されている状態において、植付伝動ケース45の一定角度の範囲の往復回動の終端位置でであり、植付伝動ケース45のこの位置で、移植爪31が最上昇位置に回動され、移植爪31のこの位置が苗取爪66からの苗の受け継ぎ位置となっている。従って、前記移植爪31が最上昇位置に回動されている時には、植付伝動ケース45を必ず前後向きに配置され、移植爪31が下降されるとともに、植付伝動ケース45が左右方向に往回動され、植付伝動ケース45の往回動の終端位置で移植爪31を最下降位置とタイミングを合わせることができる。この最下降位置で苗が移植され、移植位置が苗の受け継ぎ位置より左右何れか一方に振られて、再び移植爪31が上昇されると植付伝動ケース45が逆方向の復回動され、最上昇位置にくる時には、植付伝動ケース45が前後向きとなるのである。
【0026】次に、前記連結アーム297と連結ロッド298との連結構成について説明する。前記連結アーム297の側面視「コ」字状に形成された上面には係合部材である連結ロッド298を係合する揺動調節機構が形成されている。揺動調節機構として前記連結アーム297上部に略前後方向に長い平面視円弧状のでありなおかつデテント状の調整孔297aが形成され、該調整孔297aに連結ロッド298の枢支位置を変更することで移植爪31の左右への振幅が調節されている。該調整孔297aは、複数の円形の孔を円弧状に配置して隣り合う孔を溝で連結したものであり、該調整孔297aに枢支される連結ロッド298端部を嵌合したものである。尚、前記係合部は調整孔297aに限定するものでなく、単にフック等により形成することもできる。
【0027】そして、前記植付伝動ケース45の往復回動は、回動伝達支点軸282が一回転されると、連結アーム297のデテント状の調整孔297aに連結ロッド298を掛け替えることにより、植付伝動ケース45が前後向きより左方向へ一回往復動又は右方向へ一回往復動するように構成されている。
【0028】即ち、前記調整孔297aの中央部の孔が、前記連動軸296の延長線上に開口され、連結アーム297の回動中心であり死点となっている。
【0029】前記連結ロッド298を、調整孔297aの中央位置に嵌合すると、連結アーム297が揺動されても連結ロッド298が揺動されることがなく、植付伝動ケース45を左右方向に揺動させることがない。
【0030】そして、前記連結ロッド298端部を調整孔297aの中央位置より前方の図4で示す範囲dで示した左移動量調整位置に嵌合した場合には、植付伝動ケース45が前後に向けられ、移植爪31が最上昇位置となっている状態より駆動が開始されると、連結アーム297前部が図4の矢印aのように左外側に回動され、移植爪31が下降されるとともに、植付伝動ケース45が左側に回動され移植爪31を苗取爪66の近傍の苗の受継位置より左下方に下降させることができる。該移植爪31で畝の左側に移植し、その後に右上方に上昇され移植爪31が元の苗の受け継ぎ位置まで回動されている。
【0031】逆に、前記連結ロッド298端部を調整孔297aの中央位置より後方の図4で示す範囲eで示した右移動量調整位置に嵌合した場合には、連結アーム297後部が図4の矢印bのように右側に回動されるので、移植爪31が苗取爪66近傍位置より右下方に向けて下降され、畝の右寄りに移植し、上昇時には元の苗の受継位置まで回動されている。また、前記連結ロッド298の枢支位置を調整孔297aの中央位置より離れる程、連結アーム297の揺動幅が大きくなり、連結ロッド298を介して移植爪31の左方向への振り幅を大きくすることができる。
【0032】また、円弧上に形成した前記調整孔297aの円弧の中心は、連結体である連結ロッド298の植付伝動ケース45側の枢支位置となっている。従って、前記連結ロッド298と連結アーム297との連結位置を替えて、移植爪31の往復揺動の振幅の調節をしても、連結アーム297を回動させる必要がなく、移植爪31の昇降回動と左右往復動の位相がズレることがないのである。従って、調整が容易となり、作業中においても容易に条合わせができ、作業時間を短縮することができる。
【0033】また、前記連結アーム297の揺動と、揺動アーム300の回動との連動構成について説明する。図6に示すように、前記揺動アーム300は、連結ピン292の円状の回動軌跡と連動軸296との接線の間を揺動する。連結ピン292は図中の矢印cの方向に回動され、その回動軌跡は、該連結ピン292が図中の左側に位置し、揺動アーム300を最も左側に回動させる位置300’より一定の角度の間を範囲Lとし、該範囲Lに位置している間は連結ピン292が回動されても、その回動は揺動アーム300の長孔300aの開口方向に向けて移動され、揺動アーム300が余り回動されることのない停滞範囲となっている。また、この範囲Lに対して、回動伝達支点軸282を中心点とした点対称位置に範囲Rとし、範囲Rに連結ピン292が移動している間も揺動アーム300の揺動角の変化が少ない停滞範囲となっている。この範囲Rと範囲L以外では、揺動アーム300の揺動角の変化が大きい進行範囲となっている。
【0034】つまり、クランクアーム291の回転運動が、揺動アーム300の往復運動に変換される回動する方向が切り替わる死点位置では、揺動アーム300の回動の角速度が遅くなるのである。
【0035】従って、前記連結ピン292が範囲R内の任意位置において、連結アーム297が図中の実線に位置し、連結ロッド298を介して植付伝動ケース45が前後に向けられ、移植爪31の左右揺動の終端位置で、移植爪31に苗の受け継ぎが可能な最上昇位置(上死点)となっている。この時、連結ピン292が等速度で回動されているが、揺動アーム300及び連結アーム297の回動量が少なく、図7に示す如く、前記揺動アーム300の回動範囲Rに対応する移植爪31の回動軌跡の範囲R’のように、左右にあまり回動されることがなく前記苗取爪66より確実に苗を受け継ぐことができる。
【0036】また、前記連結ピン292が範囲L内の任意位置において、揺動アーム300が最も左側に回動され、連結アーム297が図4の二点鎖線に位置する。この時、連結ロッド298を介して植付伝動ケース45が左右何れか側方に回動され、移植爪31が最も側方に揺動され、移植爪31が苗の移植可能な最下降位置(下死点)となっている。この時も連結ピン292が等速度で回動されるが、揺動アーム300及び連結アーム297の回動量が少なく、図7に示す如く、範囲Lに対応する移植爪31の回動軌跡の範囲L’のように、移植爪31の左右方向への回動量が少なく畝への移植の精度が保たれている。
【0037】そして、前記連結ピン292が範囲Rと範囲L以外に位置する時は、揺動アーム300の回動が速く、連結アーム297、連結ロッド298を介して植付伝動ケース45及び移植爪31が素早く左右何れか一方向に回動されるのである。よって、移植爪31を昇降回動可能に支持するとともに、移植位置を苗の受継位置より左右何れか一方に振るように左右方向に往復揺動可能に支持しても、移植爪31の最上昇位置と最下降位置での左右の往復動が小さく、苗の受け継ぎと移植精度が高く維持されるのである。
【0038】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。即ち、請求項1記載のように、移植爪を昇降開閉機構に昇降駆動自在に支持し、下降させて畝上に突入させて苗を植え付けて行く野菜移植機において、前記昇降開閉機構を機体の進行方向に対して左右に回動自在に支持し、昇降開閉機構より動力を取り出して揺動アームを往復駆動させて、該揺動アームと連動して往復駆動する連結アームと昇降開閉機構とを連結ロッドを介して連結し、連結アームに揺動調節機構を設けたので、移植爪の昇降駆動を左右方向へ振るその振幅を調整することができ、畝上に移植する条合わせの精度が高くなる。
【0039】請求項2記載の如く、前記連結アームに調節孔を設けて連結ロッドの取付け位置を調整可能としたので、簡単な構成において条合わせを行うことができ、コストを削減することができ、また、作業中においても容易に条合わせができ、作業時間を短縮することができる。
【0040】請求項3記載の如く、移植爪を昇降開閉機構に昇降駆動自在に支持し、下降させて畝上に突入させて苗を植え付けて行く野菜移植機において、前記昇降開閉機構を機体の進行方向に対して左右に回動自在に支持し、昇降開閉機構よりクランクアームを介して動力を取り出し、該クランクアームに揺動アームを揺動自在に連動連結し、揺動アームの揺動死点位置と移植爪の上下の死点位置とを略一致させたので、移植爪を上下に昇降駆動させるとともにその軌跡の下端(移植位置)を軌跡上端(苗の受継位置)より左右何れか一方に振るように左右に往復動させる複雑な動きをさせて条合わせができる構成としても、移植爪が最上方に回動された時には左右に往復動がほとんど停止されて苗を受け継ぎ易くなり、また移植爪が最下方まで回動された移植時にも左右への往復動が緩やかとなり苗の移植を確実に行うことができるのである。
【出願人】 【識別番号】000125853
【氏名又は名称】株式会社 神崎高級工機製作所
【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成10年9月29日(1998.9.29)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2000−102306(P2000−102306A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平10−275938