トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 野菜移植機
【発明者】 【氏名】竹 山 智 洋

【氏名】清 水 修 一

【氏名】伊 藤 尚 勝

【氏名】早 田 裕 光

【要約】 【課題】2条以上の多条用野菜移植機の移植構造の簡素化と軽量化を可能とさせる。

【解決手段】苗載台(21)の苗トレイ(22)から取出される苗(N)を開孔形苗植付爪(25)によって圃場に植付けるようにした野菜移植機において、2条用2つの苗植付爪(25)を単一の植付アーム(43)の左右両側に支持させると共に、2つの苗植付爪(25)を同時に開閉する単一の爪開閉部材(77)を植付アーム(43)に備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗載台の苗トレイから取出される苗を開孔形苗植付爪によって圃場に植付けるようにした野菜移植機において、2条用2つの苗植付爪を単一の植付アームの左右両側に支持させると共に、2つの苗植付爪を同時に開閉する単一の爪開閉部材を植付アームに備えたことを特徴とする野菜移植機。
【請求項2】 苗載台の苗トレイから苗を取出す苗取出爪を取出アーム及びクランクアームを介しロータリケースに連結させて苗取りを行うようにした野菜移植機において、複数条用苗取出爪の取出アームを単一のクランクアームの出力軸に連結させたことを特徴とする野菜移植機。
【請求項3】 苗載台の両側に配設する1対の搬送チェンを上下の搬送スプロケット間に張架させ、これら1対の搬送チェン間を横架させる搬送ピンに苗載台上の苗トレイを係合させて、苗トレイの縦送りを行うようにした野菜移植において、単一の苗載台に複数の苗トレイを搭載させて、前記搬送ピンによって複数の苗トレイの同時縦送りを行うと共に、前記縦送りピンの中間を保持する補助スプロケットを、上下各両側の搬送スプロケット間略中央に配備させたことを特徴とする野菜移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は苗トレイから1株分の玉ネギ、葉ネギ、白ネギなどの野菜苗を取出して圃場に植付けるようにした野菜移植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、1つの苗載台上に1つの苗トレイを搭載させ、該苗トレイから1つ或いは2つの苗取出爪によって苗を取出し、爪に対応する苗植付爪に苗を受継いで苗の植付けを行っているが、多条植えとなって苗トレイ・苗取出爪・苗植付爪がそれぞれ複数分となったときには、各構造が極めて複雑且つ重量化したものとなる不都合がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、苗載台の苗トレイから取出される苗を開孔形苗植付爪によって圃場に植付けるようにした野菜移植機において、2条用2つの苗植付爪を単一の植付アームの左右両側に支持させると共に、2つの苗植付爪を同時に開閉する単一の爪開閉部材を植付アームに備えて、1組の爪開閉部材及び植付アームによって2つの苗植付爪を同時に動作可能させて、構造を簡素化して重量の軽減化を図ると共に、爪に付着する泥などの掃除用スクレーパなども従来の既設そのままの使用を可能とさせて実用性に秀れるものである。
【0004】また、苗載台の苗トレイから苗を取出す苗取出爪を取出アーム及びクランクアームを介しロータリケースに連結させて苗取りを行うようにした野菜移植機において、複数条用苗取出爪の取出アームを単一のクランクアームの出力軸に連結させて、例えば2条或いは4条など多条分の苗取出爪を横方向に並設させる場合にも、極めて構造の簡潔にして軽量化したものとさせるものである。
【0005】さらに、苗載台の両側に配設する1対の搬送チェンを上下の搬送スプロケット間に張架させ、これら1対の搬送チェン間を横架させる搬送ピンに苗載台上の苗トレイを係合させて、苗トレイの縦送りを行うようにした野菜移植において、単一の苗載台に複数の苗トレイを搭載させて、前記搬送ピンによって複数の苗トレイの同時縦送りを行うと共に、前記縦送りピンの中間を保持する補助スプロケットを、上下各両側の搬送スプロケット間略中央に配備させて、苗トレイの縦送り構造の簡素化と軽量化を図ると共に、長尺となる縦送りピン中央部の撓みなども補助スプロケットによって防止して、縦送り精度を安定維持させるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は移植機の全体側面図、図2は同全体平面図、図3は同全体背面図、図4は移植部の平面説明図であり、図中(1)はエンジン(2)を搭載する移動機体、(3)は前後スライドフレーム(4)(5)に機体(1)を左右スライド自在に支持する固定フレーム、(6)はスライドアーム(7)を介して機体(1)をスライド動作させる油圧式スライドシリンダ、(8)はミッションケース(9)からの駆動横軸(10)に左右伝動ケース(11)を介し上下揺動自在に支持する左右の後車輪、(12)は前記固定フレーム(3)の前端側にアクスルフレーム(13)を介し上下揺動自在に支持する左右の前車輪、(14)は固定フレーム(3)後端側のスイング軸(15)を介し前後車輪(12)(8)を上下揺動させる油圧式スイングシリンダ、(16)は機体(1)の後方にシャーシフレーム(17)を介し装設する苗供給装置、(18)は左右の後車輪(8)間に装設してミッションケース(9)に植付伝動ケース(19)を介して連結させる苗植付装置、(20a)(20b)は畝面(M)を鎮圧する左右1対の大径及び小径の鎮圧ローラである覆土輪であり、前記苗供給装置(16)の左右往復移動する苗載台(21)上の苗トレイ(22)より1株分のポット苗(N)を箸形苗取出爪(23)でもって取出し、この取出されたポット苗(N)を前記苗植付装置(18)のマルチカッタ(24)と連動して上下動するホッパ開孔形苗植付爪(25)に放出供給して、操向ハンドル(26)操作による機体(1)の走行中畝面(M)に一定間隔毎のポット苗(N)の植付け(移植)を行うように構成すると共に、機体(1)の左右スライド調節によって植付条位置の変更などを行うように構成している。
【0007】また、(27)は前記スイングシリンダ(14)を動作させて機体(1)を昇降操作する昇降レバー、(28)は植付クラッチの入切を行う植付クラッチレバー、(29)は走行速度を変速する主変速レバー、(30)は機体(1)を左右方向に位置調節するスライド調節レバー、(31)は左右後車輪(8)の駆動を停止させて機体(1)を旋回操作する左右サイドクラッチレバーである。
【0008】図4、図5、図6に示す如く、前記苗取出爪(23)及び苗植付爪(25)は、1つの苗載台(21)の苗トレイ(22)に対し一定の間隔を有して左右に各2つ並設させ、同位相駆動して1つの苗トレイ(22)から2条分の苗取りを行うと共に、同時2条の植付けを行うもので、前記シャーシフレーム(17)側に固定する左ブラケット(32)に単一のロータリケース(33)及びクランクアーム(34)と2つの取出アーム(35)(35)を介し2つの苗取出爪(23)(23)を左右対称に配設させる状態に支持させ、ミッションケース(9)を連動連結する植付クラッチケース(36)の出力軸(37)と、左ロータリケース(33)の入力軸(38)をチェン(39)を介しそれぞれ連結させ、植付クラッチケース(36)の植付クラッチの入時に左右2つの苗取出爪(23)(23)を同位相で駆動して、1つの苗トレイ(22)より2条分のポット苗(N)の同時取出しを行って、取出し後植付爪(25)との受継ぎ位置まで下向きに移動させるように構成している。
【0009】また、前記苗植付爪(25)は、ミッションケース(9)に入力軸(19a)を連動連結する単一の伝動ケース(19)の左出力軸(40)に単一のロータリケース(41)・クランクアーム(42)・植付アーム(43)を介して左右の苗植付爪(25)を左右対称に取付けて、前記出力軸(40)回りにロータリケース(41)を回転させ、クランクアーム(42)を介して昇降ガイドレール(43a)に沿って植付アーム(43)を前後揺動させ乍ら昇降させ、植付爪(25)を楕円形状の植付け軌跡で上下運動させると共に、開閉自在に分割された半円錐形状の2つの爪体(25a)(25b)によって植付爪(25)を形成し、ロータリケース(41)の1回転中において植付爪(25)が上昇したとき、前記取出爪(23)から苗(N)を受取り、植付爪(25)が下降したとき各爪体(25a)(25b)を前後に開動させて畝面(M)に開孔を形成させ、各爪体(25a)(25b)内部の苗(N)を畝面(M)の開孔に落下させるように構成している。
【0010】さらに前記苗載台(21)は、シャーシフレーム(17)に固設する左右サイドフレーム(44)間のガイドレール(45)と横送り駆動軸(46)に左右往復動自在に支持させると共に、苗載台(21)に縦送り駆動軸(47)を介し支持する駆動スプロケット(48)と、遊転軸(49)を介し支持する遊転スプロケット(50)間に張架する縦送りチェン(51)の所定間隔毎の縦送りピン(52)を苗トレイ(22)のポット底部間に掛合させて、苗載台(21)が左右移動終端に到達したとき縦送り軸(53)の縦送りカム(53a)を介して苗トレイ(22)を1ピッチ分縦送りするように構成している。
【0011】なお、(54)は苗取出爪(23)と苗植付爪(25)間に配設して、苗取出爪(25)より放出された苗(N)を苗植付爪(25)内に落下案内する中継ガイドである。
【0012】図7乃至図9にも示す如く、前記ロータリケース(33)の出力軸(55)に固設するクランクアーム(34)先端の出力軸であるカム軸(56)に、左右1対の苗取出爪(23)の先端部の開閉を行う爪開閉カム(57)を一体的に取付けると共に、前記苗取出アーム(35)の中間部を揺動自在にカム軸(56)に取付けるもので、前記開閉カム(57)は両側面に爪開閉用の凹凸状のカム面(57a)を有すると共に、苗取出爪(23)の先端側外側に先端輪状部(58a)を遊嵌させる線状の苗押出部材(58)を摺動作するための円周カム面(57b)をカム(57)の外周面に有している。
【0013】また前記苗取出アーム(35)は、一端側にL形状の左右揺動支点軸(59)及び揺動板(60)を介して前記苗取出爪(23)を一体支持させ、他端側のガイド体(61)を前記ブラケット(32)に一体的に固定するアームガイド板(62)のガイド溝(63)に係合させ、前記ロータリ入力軸(38)を中心とする出力軸(55)の公転時、前記苗取出アーム(35)の後端側をガイド溝(63)に沿って移動させて、トレイ(22)上方の苗取出位置と苗植付爪(25)上方の苗放出位置間で取出爪(23)を往復揺動させるように構成している。
【0014】さらに、左右の苗取出爪(23)をそれぞれ取付ける左右の前記揺動板(60)に突出長さ調節自在に爪開閉ネジ体(64)を結合させ、該爪開閉ネジ体(64)の各内端側を、左右揺動板(60)間に張設する引張バネ(65)のバネ力で前記カム(56)両側面の開閉カム面(56a)に摺接させて、左右揺動板(60)を前記支点軸(59)を中心として揺動させて苗取出爪(23)の先端側を開とさせるとき、該爪(23)先端に挾持する苗(N)の開放を行うと共に、前記苗押出部材(58)を取付ける苗押出操作板(66)の回転子(66a)と、カム(57)の円周カム面(57b)とのカム作用で苗押出部材(58)の輪状部(58a)を爪(23)先端側に押し下げて苗(N)を放出するように構成している。
【0015】左右2条分の苗取出爪(23)を取付ける左右2つの取出アーム(35)(35)を、単一の前記クランクアーム(34)のカム軸(56)に取付けると共に、2つの取出アーム(35)(35)の他端側間をロッド(67)で一体連結させて、該ロッド(67)の左端に設けるガイド体(61)を前記ガイド溝(63)に係合させて、単一のカム軸(56)の回転とアームガイド板(62)の案内でもって2条分の取出アーム(35)(35)を動作させるように構成している。
【0016】図6、図10、図11に示す如く、左右2条分の苗植付爪(25)を単一の植付アーム(43)に取付けるもので、左右の各爪体(25a)(25a)・(25b)(25b)の上端側を前後の開閉ロッド(68)(69)で一体連結させると共に、単一の植付アーム(43)に固設する爪支持板(70)に軸受ボス(71a)(71b)を介し前記ロッド(68)(69)の略中央をそれぞれ回動自在に支持させ、各ロッド(68)(69)に固設する各揺動板(72)(73)の中央を係合ローラ(74)を介し相互に連結させている。そして前記植付アーム(43)の基端部内のアーム軸(75)に一体回動可能に設ける植付カム(76)に、前記揺動板(72)に一端を係止した爪開閉部材であるプッシュロッド(77)他端を当接連結させ、前記クランクアーム(42)が1回転するとき、カム(76)でロッド(77)を進出させて爪体(25a)(25b)の下部を開閉させ、また各揺動板(72)(73)間のバネ(78)で爪体(25a)(25b)下部を閉じるもので、単一の植付アーム(43)を挾んで左右両側に開閉ロッド(68)(69)を介し2条分2つの苗植付爪(25)を配置させると共に、単一のプッシュロッド(77)でこれら苗植付爪(25)の同時の開閉を行うように構成している。
【0017】なお(79)は前記苗植付爪(25)の下降動作途中に植付爪(25)の前面外側に付着する泥土を掻き落すゴム板製のスクレーパである。
【0018】図12は前記のカム軸(56)を延長して、4条分の苗取出爪(23)を同時に動作させる構成例を示すもので、2条分1組のロータリケース(33)・クランクアーム(34)など備えて一定の植付条間(T)を有する爪駆動部(80a)(80b)を苗供給装置(16)の左右両側に配置させ、これら爪駆動部(80a)(80b)のカム軸(56)のみを中央で相互に一体連結させ、この単一のカム軸(56)によって各4条分の開閉カム(57)を回転させるように設けて、4条用の移植機における苗取出構造の簡素化と軽量化を図るように構成している。
【0019】図13は単一の苗載台(21)に2つの苗トレイ(22)を搭載させ、左右一対の縦送りチェン(51)間に設ける縦送りピン(52a)によって、2つの苗トレイ(22)を同時に縦送りするもので、縦送りチェン(51)の所定間隔毎で左右チェン(51)間を連結する長尺の縦送りピン(52a)を設けると共に、前記駆動軸(47)及び遊転軸(49)の左右スプロケット(48)(50)間略中央に各スプロケット(48)(50)と同一形状の補助スプロケット(48a)(50a)を設けて、苗トレイ(25)のポット底部間に縦送りピン(52a)を掛合させての搬送時、長尺のピン(52a)の中央部がトレイ(25)重量で撓むのを補助スプロケット(48a)(50a)だ防止するように設けて、2条分苗(N)の縦送り部構造の簡素化と軽量化を図ると共に、縦送り精度を安定維持させるように構成している。
【0020】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、苗載台(21)の苗トレイ(22)から取出される苗(N)を開孔形苗植付爪(25)によって圃場に植付けるようにした野菜移植機において、2条用2つの苗植付爪(25)を単一の植付アーム(43)の左右両側に支持させると共に、2つの苗植付爪(25)を同時に開閉する単一の爪開閉部材(77)を植付アーム(43)に備えたものであるから、1組の爪開閉部材(77)及び植付アーム(43)によって2つの苗植付爪(25)を同時に動作可能させて、構造を簡素化して重量の軽減化を図ると共に、爪に付着する泥などの掃除用スクレーパ(79)なども従来の既設そのままの使用を可能とさせて実用上至便とさせることができるものである。
【0021】また、苗載台(21)の苗トレイ(22)から苗(N)を取出す苗取出爪(23)を取出アーム(35)及びクランクアーム(34)を介しロータリケース(33)に連結させて苗取りを行うようにした野菜移植機において、複数条用苗取出爪(23)の取出アーム(35)を単一のクランクアーム(34)の出力軸(56)に連結させたものであるから、例えば2条或いは4条など多条分の苗取出爪(23)を横方向に並設させる場合にも、極めて構造の簡潔にして軽量化したものとさせることができるものである。
【0022】さらに、苗載台(21)の両側に配設する1対の搬送チェン(51)を上下の搬送スプロケット(48)(50)間に張架させ、これら1対の搬送チェン(51)間を横架させる搬送ピン(52a)に苗載台(21)上の苗トレイ(22)を係合させて、苗トレイ(22)の縦送りを行うようにした野菜移植において、単一の苗載台(21)に複数の苗トレイ(22)を搭載させて、前記搬送ピン(52a)によって複数の苗トレイ(22)の同時縦送りを行うと共に、前記縦送りピン(52a)の中間を保持する補助スプロケット(48a)(50a)を、上下各両側の搬送スプロケット(48)(50)間略中央に配備させたものであるから、苗トレイ(22)の縦送り構造の簡素化と軽量化を図ることができると共に、長尺となる縦送りピン(52a)中央部の撓みなども補助スプロケット(48a)(50a)によって防止して、縦送り精度を安定維持させることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成10年9月18日(1998.9.18)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2000−92925(P2000−92925A)
【公開日】 平成12年4月4日(2000.4.4)
【出願番号】 特願平10−283257