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【発明の名称】 施肥装置用の遠心ブロワ
【発明者】 【氏名】河瀬 宗之

【要約】 【課題】大きな送風量を得ながらも静粛な運転を行える施肥装置用の遠心ブロアを提供する。

【解決手段】ホッパー16から繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワにおいて、回転中心近くから外周部に亘る多数の主羽根41を羽根車側板40に対する片持ち支持状態で周方向に並設するとともに、外周部近くにのみ位置する補助羽根42を羽根車側板40に対する片持ち支持状態で主羽根41どうしの間に設けて羽根車29を形成し、補助羽根42を、その回転中心側の端縁42aが羽根車側板40に対する連結側ほど回転中心寄りとなって羽根幅が羽根車側板40に対する連結側ほど大きくなる羽根形状にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワであって、回転中心近くから外周部に亘る多数の主羽根を羽根車側板に対する片持ち支持状態で周方向に並設するとともに、外周部近くにのみ位置する補助羽根を前記羽根車側板に対する片持ち支持状態で前記主羽根どうしの間に設けて羽根車を形成し、前記補助羽根を、その回転中心側の端縁が前記羽根車側板に対する連結側ほど回転中心寄りとなって羽根幅が前記羽根車側板に対する連結側ほど大きくなる羽根形状にしてあることを特徴とする施肥装置用の遠心ブロワ。
【請求項2】 ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワであって、回転中心近くから外周部に亘る多数の主羽根を周方向に並設するとともに、外周部近くにのみ位置する補助羽根を前記主羽根どうしの間に設けて羽根車を形成し、前記補助羽根の厚みを前記主羽根の厚みよりも大きくしてあることを特徴とする施肥装置用の遠心ブロワ。
【請求項3】 ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワであって、スパイラル状のケーシング内周面により吐出口に向けて案内される風を吐出風とケーシング内の再循環風とに分ける舌部を、その舌部の先端部分における弧状断面形状の半径がケーシング内側面の側ほど漸次的に大きくなる形状にしてあることを特徴とする施肥装置用の遠心ブロワ。
【請求項4】 ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワであって、スパイラル状のケーシング内周面における大径側の端部で、そのケーシング内周面とケーシング内側面との間のコーナー部における弧状断面形状の半径を吐出口の側ほど漸次的に大きくしてあることを特徴とする施肥装置用の遠心ブロワ。
【請求項5】 ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワであって、ケーシングのうち、スパイラル状のケーシング内周面により吐出口に向けて案内される風を吐出風とケーシング内の再循環風とに分ける舌部の形成部分を、他のケーシング内周面の形成部分よりも厚肉にしてあることを特徴とする施肥装置用の遠心ブロワ。
【請求項6】 ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワであって、吐出口に連なる吐出風路部分に、前記吐出口の側を大径風路にする拡径部を形成してあることを特徴とする施肥装置用の遠心ブロワ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワに関する。
【0002】
【従来の技術】遠心ブロワを用いて肥料を風力搬送する施肥装置では、例えば特開平9‐56231号公報で開示されているように、運転席の後部に配置された肥料タンクから繰り出された複数条分の肥料を風力搬送するために、並列配備された各条の繰り出し装置の繰り出し部に亘って横長の分配管を配備するとともに、この分配管の一端に遠心ブロワを接続し、遠心ブロワから送り出された空気を分配管によって各条の繰り出し部に分配供給する構造が採用されている。また、遠心ブロワは、ケーシング内の羽根車を高速で駆動回転することによって、ケーシング側壁の吸入口から外気を吸入し、その吸入気をケーシング周部の吐出口から接線状に吐出するよう構成されており、羽根車には、回転中心近くから外周部に亘る多数の羽根が湾曲放射状に設けられた一般的なものが用いられている。また、羽根車の駆動には電動モータが利用されている。
【0003】施肥装置用の遠心ブロワは、横方向に幅広く並列配備された複数の繰り出し部に搬送用空気を均一に供給する必要があるため、相当の送風量が必要とされ、所望の風量を確保するためには相当の高速で羽根車を回転駆動する必要があり、そのために、羽根車の回転に伴って発生する騒音が大きいものとなっていた。特に、この遠心ブロワは運転席に近い位置に配置されるために、運転環境が悪化する一因になるものであり、吸気部からの騒音の洩れだしを減少する工夫や、騒音が運転部に伝播するのを抑制する工夫、などが試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、吸気部からの騒音の洩れだしを減少するだけでは十分な静粛化を図ることは困難であり、更なる改良が望まれている。
【0005】本発明は、このような点に着目してなされたものであって、合理的な改良により、大きな送風量を得ながらも静粛な運転を行うことができるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】(請求項1記載の発明の構成、作用、および、効果)
【0007】(構成) 請求項1記載の発明は、ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワにおいて、回転中心近くから外周部に亘る多数の主羽根を羽根車側板に対する片持ち支持状態で周方向に並設するとともに、外周部近くにのみ位置する補助羽根を前記羽根車側板に対する片持ち支持状態で前記主羽根どうしの間に設けて羽根車を形成し、前記補助羽根を、その回転中心側の端縁が前記羽根車側板に対する連結側ほど回転中心寄りとなって羽根幅が前記羽根車側板に対する連結側ほど大きくなる羽根形状にしてあることを特徴とする。
【0008】(作用) この構成によると、羽根車の吸気側である中心部では補助羽根の不存により羽根枚数が少なく、これに対し、吸入気を遠心加速する外周部近くでは主羽根どうしの間の補助羽根の存在により羽根枚数が多くなり、このことから、吸気抵抗を増すこと無く羽根群による遠心加速機能を高めることができて、従来と同じ風量を得るのに要する回転数を低くすることができる。また、外周部近くでの羽根間隔が小さくなることで、羽根車の回転に伴う圧力変動も小さくすることができる。
【0009】しかも、補助羽根は、その回転中心側の端縁が羽根車側板に対する連結側ほど回転中心寄りとなって羽根幅が羽根車側板に対する連結側ほど大きくなる羽根形状にするから、吸気抵抗を小さくする上記の効果は得ながら、羽根車側板に対する連結部長さは大きく確保して大きな支持強度を得ることができ、これにより、補助羽根を片持ち支持状態で外周部近くにのみ設けるものものとしながらも、支持強度の不足のために補助羽根において騒音や風量低下の要因となる振動が生じることを回避できる。
【0010】(効果) 従って、請求項1の発明によれば、従来と同等ないし同等以上の十分な風量を得ながらも静粛な運転が可能となる。
【0011】(請求項2記載の発明の構成、作用、および、効果)
【0012】(構成) ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワにおいて、回転中心近くから外周部に亘る多数の主羽根を周方向に並設するとともに、外周部近くにのみ位置する補助羽根を前記主羽根どうしの間に設けて羽根車を形成し、前記補助羽根の厚みを前記主羽根の厚みよりも大きくしてあることを特徴とする。
【0013】(作用) この構成によると、前記した請求項1の発明と同様、上記補助羽根の装備により、従来と同じ風量を得るのに要する回転数を低くすることができ、また、羽根車の回転に伴う圧力変動も小さくすることができる。
【0014】そして、補助羽根は外周部近くにのみ設けるもの(すなわち、羽根幅を主羽根に比べ小さくするもの)としながらも、その厚みを主羽根の厚みよりも大きくするから、羽根自身の強度及び羽根車側板に対する支持強度を大きく確保することができ、これら強度の不足のために補助羽根において騒音や風量低下の要因となる振動が生じることを回避できる。
【0015】(効果) 従って、請求項2の発明によれば、従来と同等ないし同等以上の十分な風量を得ながらも静粛な運転が可能となる。
【0016】(請求項3記載の発明の構成、作用、および、効果)
【0017】(構成) 請求項3記載の発明は、ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワにおいて、スパイラル状のケーシング内周面により吐出口に向けて案内される風を吐出風とケーシング内の再循環風とに分ける舌部を、その舌部の先端部分における弧状断面形状の半径がケーシング内側面の側ほど漸次的に大きくなる形状にしてあることを特徴とする。
【0018】(作用・効果) この構成によると、舌部による吐出風とケーシング内の再循環風とへの分流において舌部とケーシング内側面との間のコーナー部で特に顕著に生じる気流の乱れを、上記の舌部形状による流れの円滑化により効果的に抑制でき、また、この流れの円滑化による送風量の増加をもって、従来と同じ風量を得るのに要する回転数も低くすることができ、これらのことから、従来と同等ないし同等以上の十分な風量を得ながらも静粛な運転が可能となる。
【0019】(請求項4記載の発明の構成、作用、および、効果)
【0020】(構成) 請求項4記載の発明は、ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワにおいて、スパイラル状のケーシング内周面における大径側の端部で、そのケーシング内周面とケーシング内側面との間のコーナー部における弧状断面形状の半径を吐出口の側ほど漸次的に大きくしてあることを特徴とする。
【0021】(作用・効果) この構成によると、スパイラル状のケーシング内周面における大径側の端部(略言すれば吐出口の近傍部)において、そのケーシング内周面とケーシング内側面との間のコーナー部で顕著に生じる気流の乱れを、上記のコーナー部形状による流れの円滑化により効果的に抑制でき、また、この流れの円滑化による送風量の増加をもって、従来と同じ風量を得るのに要する回転数も低くすることができ、これらのことから、従来と同等ないし同等以上の十分な風量を得ながらも静粛な運転が可能となる。
【0022】(請求項5記載の発明の構成、作用、および、効果)
【0023】(構成) 請求項5記載の発明は、ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワにおいて、ケーシングのうち、スパイラル状のケーシング内周面により吐出口に向けて案内される風を吐出風とケーシング内の再循環風とに分ける舌部の形成部分を、他のケーシング内周面の形成部分よりも厚肉にしてあることを特徴とする。
【0024】(作用・効果) この構成によると、分流対象の風の衝突や舌部における激しい気流の乱れに原因して舌部の形成部分が振動することを、その部分の厚肉化により抑止でき、また、この振動の抑止で送風が安定化することによる送風量の増加をもって、従来と同じ風量を得るのに要する回転数も低くすることができ、これらのことから、従来と同等ないし同等以上の十分な風量を得ながらも静粛な運転が可能となり、殊にケーシングを樹脂製とする場合に特に有効となる。
【0025】また、ケーシングを回転軸心方向での分割構造にする場合、上記の振動により舌部における分割部に隙間が生じて送風性能が低下するといったことも上記の厚肉化をもって一層確実に防止することができる。
【0026】(請求項6記載の発明の構成、作用、および、効果)
【0027】(構成) 請求項6記載の発明は、ホッパーから繰り出された肥料を施肥箇所にまで風力搬送する施肥装置用の遠心ブロワにおいて、吐出口に連なる吐出風路部分に、吐出口の側を大径風路にする拡径部を形成してあることを特徴とする。
【0028】(作用・効果) この構成によると、送風に伴い上記拡径部における段部分に生じる負圧により、吐出口に向かう風を吐出風路の径方向に拡げて、吐出口からの偏り吐出を抑制でき、これにより、従来に比べ、偏り吐出に原因する風音や振動を低減することができて静粛な運転が可能となる。
【0029】また、偏り吐出を抑制できることにより肥料の風力搬送も安定化することができて、施肥性能も併せて向上できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】図1に、施肥装置付き田植機の全体側面が示されている。この田植機は、乗用型の走行機体1の後部に昇降リンク機構2を介して昇降自在に苗植付装置3が連結されるとともに、走行機体1の後部に施肥装置4が搭載されている。
【0032】走行機体1は、その前部に搭載されたエンジン5、エンジン5からの動力が伝達される変速装置6、変速装置6を経由した変速後の動力が伝達される左右一対の前輪7と後輪8、前輪7を操向するステアリングハンドル9、及び運転座席10、などによって構成されている。
【0033】苗植付装置3は、変速装置6を経由した変速後の動力が伝達されるフィードケース11、植付伝動ケース12、植付伝動ケース12の後部左右両側に軸支されたロータリ式の植付機構13、所定のストロークで往復横移動される苗載台14、及び、整地フロート15、などによって構成されている。
【0034】図1〜3に示すように、施肥装置4は、粉粒状の肥料を貯留するホッパー16、ホッパー16内の肥料を所定量ずつ繰り出す繰出機構17、整地フロート15の左右両部に装着された作溝器18、繰出機構17と作溝器18とを連通接続する供給ホース19、繰出機構17から繰り出された肥料を供給ホース19を介して作溝器18に向けて圧送する遠心ブロワ20、及び、走行機体1に装備された動力分配機構21の出力軸21aから繰出機構17の入力軸17aに亘って架設された施肥用伝動機構22、などによって構成されており、ホッパ16と繰出機構17が走行機体1における運転座席10の後部箇所に配設されている。
【0035】施肥用伝動機構22は、動力分配機構21における出力軸21aの両端に位相が異なる状態で一体回転可能に連結された左右一対の回転アーム23、各繰出機構17に亘るように架設された単一の駆動軸24、駆動軸24と各入力軸17aとの間に介装された断続クラッチ機構25、駆動軸24にワンウェイクラッチ26を介して連結された左右一対の揺動アーム27、及び、対応する回転アーム23と揺動アーム27とを連係するロッド28、などによって、回転運動を往復揺動運動に変換した後、ワンウェイクラッチ26を介して往復揺動運動の一方向のみを伝動することによって、各繰出機構17を間歇駆動するように構成されている。
【0036】図2〜5に示すように、遠心ブロワ20は、羽根車29、これを回転駆動する電動モータ30、及び、羽根車29を外囲する周部がスパイラル状のケーシング31、などによって構成されており、ケーシング31の周部に接線方向に向けて開口された吐出口aが、各繰出機構17の導風口17bに接続されるように各繰出機構17に亘って横架された大径の給気パイプ32の左端部に接続されている。
【0037】つまり、この施肥装置4は、各繰出機構17がホッパ16から所定量の肥料を繰り出し、繰り出された肥料を遠心ブロワ20からの送出風にのせて各供給ホース19を介して各作溝器18へ風力搬送し、作溝器18によって圃場に形成された施肥溝に肥料を埋設するようになっている。
【0038】尚、遠心ブロア20と各繰出機構17とに亘らせる給気パイプ32は、各繰り出し機構17における短パイプ32aどうし、及び、端の短パイプ32aと遠心ブロア20とを、着脱自在なゴム製の繋ぎホース32bにより連結することで形成してあり、保守点検時などには繋ぎホース32bを外すことで分解できるようにしてある。
【0039】図2及び図3における符号17cは、各繰出機構17に形成された肥料供給口であり、この肥料供給口17cに対応する供給ホース19が接続されるようになっている。図2における符号33は、供給ホース19が接続されない肥料供給口17cを閉塞するキャップである。図3における符号17dは、各繰出機構17に形成された残肥排出口部、又、符号34は、この残肥排出口部17dに接続される残肥排出ホースであり、ホッパー16内の余剰肥料を残肥排出口部17dから残肥排出ホース34を介して外部に排出できるようになっている。
【0040】図1,図2,図4、及び図5に示すように、遠心ブロワ20は、その吐出口aが、走行機体1における運転座席10の後部箇所に配設された各繰出機構17に亘って架設される給気パイプ32の左端部に接続されることにより、操縦部1Aの近傍箇所となる運転座席10の左後部における左側の後輪8の左上方箇所に位置するようになっている。そのため、遠心ブロワ20は、ケーシング31の一方の側壁に形成した吸気口bが後ろ側に位置する姿勢で配設されるとともに、そのケーシング31には、吸気口bを下向きに変向する吸気ダクト35が接続されており、これによって、吸気口bから漏出するブロワ20の騒音を操縦部1Aから遠ざけるようになっている。
【0041】また、吸気ダクト35の入口側端部には、吸気口bに面する障壁体36が、その後輪8側ほど吸気口bに近接する傾斜姿勢で配設されており、この障壁体36によって左側の後輪8により跳ね上げられた泥土や泥水などの吸気ダクト35内への入り込みを防止するようになっている。
【0042】障壁体36は、吸気ダクト35における吸気口bの周縁部を形成する周縁部材38の縦壁部38Aに取り付けられている。周縁部材38は、その周壁38Bが、吸気口bの周囲に降る雨水を受け止めるとともに、受け止めた雨水を縦壁38Aにおける吸気口bの反対側から障壁体36の下方へ流下させるようになっており、もって、雨天作業時に遠心ブロワ20が外気とともに雨水を吸気口bから取り入れることに起因して、肥料詰まりなどの施肥不良が発生することを回避するようになっている。また、障壁体36の周縁と周縁部材38の周壁部38Bとに亘って、周方向に所定間隔をもって多数の縦向きルーバ39が架設されており、これによって、吸気口bと障壁体36の間を通って他物が吸気口bから入り込むことを防止するようにしている。
【0043】本発明は上記遠心ブロワ20に工夫を施したものであり、次に、その実施形態を例示図に基づいて説明する。
【0044】図6〜図9に示すように、遠心ブロア20の羽根車29には、ケーシング31内でモータ30の側に位置する一枚の羽根車側板40に多数の羽根を片持ち支持状態で取り付けて吸気口b側を開放したオープンタイプを採用してあり、回転中心近くから外周に亘る多数の湾曲放射状の主羽根41を羽根車側板40に対する片持ち支持状態で周方向に並設するとともに、外周部近くにのみ位置する補助羽根42を羽根車側板40に対する片持ち支持状態で主羽根41どうしの間に設け羽根車29を形成してある。つまり、この構成によると、羽根車29の吸気側となる中心部では羽根枚数は少なく、吸入気を遠心加速する外周部近くでは羽根枚数が多くなり、このことから、吸気抵抗を増すことなく羽根群による遠心加速機能を高めることができて、所要の風量を得るのに要する回転数を低くすることができる。また、外周部近くでの羽根間隔が小さくなることで羽根車29の回転に伴う圧力変動も少なくすることもでき、これらのことで騒音を低減できる。
【0045】補助羽根42は、その回転中心側の端縁42aが羽根車側板40に対する連結側ほど回転中心寄りとなって羽根幅が羽根車側板40に対する連結側ほど大きく羽根形状にすることで、羽根車側板40に対する連結部長さを大きく確保にするとともに、厚みd2を主羽根41の厚みd1よりも大きくしてあり、これにより、補助羽根42を片持ち支持状態で外周部近くにのみ設ける構造としながらも、羽根自身の強度及び羽根車側板42に対する支持強度を十分に確保して、これら強度の不足のために補助羽根42において振動が生じることを回避するようにしてある。
【0046】遠心ブロア20のケーシング31は、回転軸心方向での2つ割り構造にして両分割部分を周方向に分散配置のボルト43により連結することで形成してあり、両分割部分の夫々について、スパイラル状のケーシング内周面31aにより吐出口aに向けて案内される風を吐出風とケーシング内の再循環風とに分ける舌部44を、その舌部44の先端部分における弧状断面形状の半径r1がケーシング内側面31bの側ほど漸次的に大きくなる形状にするとともに、スパイラル状のケーシング内周面31aにおける大径側の端部(略言すれば吐出口aの近傍部)において、そのケーシング内周面31aとケーシング内側面31bとの間のコーナー部における弧状断面形状の半径r2を吐出口aの側ほど漸次的に大きくしてある。
【0047】この構成によると、舌部44による吐出風とケーシング内の再循環風とへの分流において舌部44とケーシング内側面31aとの間のコーナー部で顕著に生じる気流の乱れ、及び、スパイラル状のケーシング内周面31aにおける大径側の端部(吐出口の近傍部)において、そのケーシング内周面31aとケーシング内側面31bとの間のコーナー部で顕著に生じる気流の乱れを効果的に抑制でき、また、これら流れの円滑化による送風量の増加をもって所要の風量を得るのに要する回転数もさらに低くすることができ、これらのことから静粛化を一層効果的に達成できる。
【0048】また、ケーシング31のうち舌部44の形成部分は、他のケーシング内周面31aの形成部分よりも厚肉にし、この厚肉化により、分流対象の風の衝突や舌部44における激しい気流の乱れで舌部44の形成部分が振動することを抑止して一層の静粛化を図るとともに、その振動により分割構造のケーシング31において舌部44における分割部に隙間が生じて送風性能が低下することを防止するようにしてある。
【0049】〔別実施形態〕次に本発明の別の実施形態を列記する。
【0050】前述の実施形態では、一枚の羽根車側板40に主羽根41及び補助羽根42の夫々を片持ち支持状態に設けて羽根車29を形成する例を示したが、図10に示すように、モータ側の羽根車側板40Aと吸気口側の羽根車側板40Bとの間に主羽根41及び補助羽根42を両持支持状態に設ける羽根車29' において、補助羽根42の厚みd2を主羽根41の厚みd1よりも大きくすることで静粛化を図るようにしてもよい。
【0051】前述の実施形態では吐出口aに連なる吐出風路部分を径が一定の筒状にしたが、図11や図12に示すように、吐出口aに連なる吐出風路部分に、吐出口aの側を大径風路にする拡径部45を形成してもよい。この構成によると、送風に伴い上記拡径部45における段部分に生じる負圧により、吐出口aに向かう風を吐出風路の径方向に拡げて、吐出口aからの偏り吐出を抑制でき、これにより、効果的な静粛化が可能になるとともに、肥料の風力搬送も安定化することができて施肥性能も併せて向上できる。
【0052】補助羽根をその回転中心側の端縁が羽根車側板に対する連結側ほど回転中心寄りとなって羽根幅が羽根車側板に対する連結側ほど大きくなる羽根形状にする場合、回転中心側の端縁の稜線形状は、凹の弧状にしたり凹の折れ線形状にしたり、また、単純な傾斜直線にするなど、稜線形状を採ることができる。
【0053】補助羽根の厚みを主羽根の厚みよりも大きくする場合、それらの厚み比には種々の値を採用でき、また、補助羽根を片持ち支持状態で設ける場合には、補助羽根の厚みを羽根車側板に対する連結側から先端に亘って一様にする代え、羽根車側板に対する連結側ほど厚みを大きくするようにしてもよい。
【0054】ケーシング及び羽根車は、夫々、樹脂製、金属製のいずれであってもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年9月11日(1998.9.11)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−83429(P2000−83429A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−258213