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【発明の名称】 施肥装置付きの苗移植機
【発明者】 【氏名】玉井 利男

【氏名】塩崎 孝秀

【氏名】竹川 和弘

【氏名】奥村 仁

【要約】 【課題】苗植付部の前方で且つ操縦席の後方となる走行車体の後部に設けた施肥装置の肥料繰出部が前記走行車体に対して昇降するようにした施肥装置付きの苗移植機において、作業者が機体の左右側方から前記肥料繰出部のメンテナンスを行うようなとき、肥料繰出部を昇降させるための昇降操作具が機体の左右中央部にあると機体の左右側方にいる作業者にとって該昇降操作具の操作が行いにくいものとなる。

【解決手段】苗植付部の前方で且つ操縦席の後方となる走行車体の後部に施肥装置1の肥料繰出部32…を設けた施肥装置付きの苗移植機において、前記肥料繰出部32…が前記走行車体に対して昇降するように構成すると共に、前後方向のリンク回動軸109回りに回動操作する施肥装置昇降操作レバ−124を機体の左右側部に設け、施肥装置昇降操作レバ−124を操作することにより前記肥料繰出部32…が昇降するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗植付部4の前方となる走行車体3の後部に施肥装置1の肥料繰出部32…を設けた施肥装置付きの苗移植機において、前記肥料繰出部32…が前記走行車体3に対して昇降するように構成すると共に、前記肥料繰出部32…の昇降を操作する昇降操作具124を機体の左右側部に設けたことを特徴とする施肥装置付きの苗移植機。
【請求項2】 苗植付部4の前方で且つ操縦席Aの後方となる走行車体3の後部に施肥装置1の肥料繰出部32…を設けた施肥装置付きの苗移植機において、前記肥料繰出部32…が前記走行車体3に対して昇降するように構成すると共に、前後方向の回動軸109回りに回動操作する昇降操作具124を操作することにより前記肥料繰出部32…が昇降するようにしたことを特徴とする施肥装置付きの苗移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、施肥装置付きの苗移植機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、苗植付部の前方で且つ操縦席の後方となる走行車体の後部に施肥装置の肥料繰出部を設けた施肥装置付きの苗移植機において、前記肥料繰出部が前記走行車体に対して昇降するように構成し、作業終了後に肥料繰出部を走行車体に対して上昇させて該肥料繰出部のメンテナンスを容易に行えるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の構成において、上記肥料繰出部の昇降を操作するための昇降操作具を設ける必要があるが、作業者が機体の左右側方から前記肥料繰出部のメンテナンスを行うようなとき、前記昇降操作具が機体の左右中央部にあると機体の左右側方にいる作業者にとって該昇降操作具の操作が行いにくいものとなる。
【0004】また、回動操作式の昇降操作具を使用することにより作業者が前記肥料繰出部を小さい操作力で容易に上昇させられるようにするとき、前記昇降操作具を左右方向の軸回りに回動する構成とすると、該昇降操作具の操作に要する操作スペースを機体の前後方向に長く必要となり、この操作スペースを操縦席の後方あるいは側方に設けることにより機体の前後長が長くなったり機体に搭乗する作業者の苗植付部への苗供給作業の作業性を悪化させたりする恐れがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を解決すべく次の技術的手段を講じた。すなわち、第一の発明は、苗植付部4の前方となる走行車体3の後部に施肥装置1の肥料繰出部32…を設けた施肥装置付きの苗移植機において、前記肥料繰出部32…が前記走行車体3に対して昇降するように構成すると共に、前記肥料繰出部32…の昇降を操作する昇降操作具124を機体の左右側部に設けたことを特徴とする施肥装置付きの苗移植機の構成とした。
【0006】また、第二の発明は、苗植付部4の前方で且つ操縦席Aの後方となる走行車体3の後部に施肥装置1の肥料繰出部32…を設けた施肥装置付きの苗移植機において、前記肥料繰出部32…が前記走行車体3に対して昇降するように構成すると共に、前後方向の回動軸109回りに回動操作する昇降操作具124を操作することにより前記肥料繰出部32…が昇降するようにしたことを特徴とする施肥装置付きの苗移植機の構成とした。
【0007】
【発明の効果】よって、第一の発明によると、昇降操作具を機体の左右側端部に設けているので、作業者が機体の左右側方から前記肥料繰出部のメンテナンスを行うようなとき、機体の左右側方にいる作業者が該昇降操作具の操作を容易に行える。また、第二の発明によると、前後方向の回動軸回りに回動操作する昇降操作具を操作することにより前記肥料繰出部が昇降するようにしたので、昇降操作具の操作に要する操作スペースが機体の前後方向に長くならないので、この操作スペースにより機体の前後長が長くなったり機体に搭乗する作業者の苗植付部への苗供給作業において邪魔になるのを抑えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は、乗用型の田植機に粒状の肥料を圃場に散布する施肥装置1が装着された施肥装置付きの乗用型田植機2を示している。この乗用型田植機2は、主として前記施肥装置1と走行車体3と6条植えの苗植付部4とで構成される。
【0009】走行車体3の前後左右略中央に駆動源であるエンジン5が備えられ、このエンジン5からの動力により油圧式無断変速装置6、主ミッションケ−ス7を介して前輪8,8及び後輪9,9が駆動されて走行車体3が走行する構成となっている。尚、前記エンジンの上方となる位置に、操縦席Aを設けている。また、この走行車体3の後部にリンク機構10を介して前記苗植付部4が装着され、この苗植付部4は油圧昇降シリンダ11の伸縮により上下に昇降するように設けられている。また、該苗植付部4は、前記主ミッションケ−ス7内からの動力を伝達する作業伝動軸12、植付クラッチケ−ス13を介して植付伝動軸14により伝動されて作動する構成となっている。尚、苗植付部4の駆動の入切を行う植付クラッチ(図示せず)が前記植付クラッチケ−ス13内に設けられている。
【0010】苗植付部4は、主として苗載置台16と植付伝動部17及び6条分の苗植付装置18…からなり、前記植付伝動軸14の動力が入力される植付伝動部17を介して伝動され作動する構成となっている。また、苗植付部4の下部には中央部にセンタ−フロ−ト19及び両側部にサイドフロ−ト20,20が設けられており、圃場面を滑走するようになっている。また、該苗植付装置18…が作動に伴って、植付伝動部17からの動力により左右移動する左右移動棒21により苗載置台16を該苗載置台の下端部に設けた苗載置台左右移動ガイド22に沿って左右移動させ、マット状の苗を前記苗載置台左右移動ガイド22に設ける苗掻き取り口22a…から苗植付装置18…により一株づつ掻き取る構成となっている。
【0011】苗載置台16には、各条に苗送りベルト23…が設けられている。各条の前記苗送りベルト23…は、下側の駆動ロ−ラ24…と上側の従動ロ−ラ25…とに巻回されている。苗載置台16の左右移動終端において、植付伝動部17の植付伝動ケ−ス17a内から左右に突出した出力軸26,26と一体回転する左右の苗送り駆動カム27,27が回転することにより該カム27,27に当接して左右それぞれの苗送り伝達ア−ム28,28が所定角度回転することにより、前記駆動ロ−ラ25…が所定量回転して苗送りベルト23…が苗を苗植付装置18…側に所定量づつ順次移送する構成となっている。
【0012】前記施肥装置1は、苗植付部4の前方に設けられている。この施肥装置1は、圃場に散布する粒状肥料を貯留する肥料ホッパ31と各条毎の肥料繰出部32…と肥料の搬送を案内する各条毎の案内管33…と該案内管33…に圧力風を供給する施肥エアチャンバ−34と該エアチャンバ−34に圧力風を供給する送風機35とを備えて構成される。尚、前記施肥エアチャンバ−34は前記肥料繰出部32…の前側で左右方向に長く構成され、該エアチャンバ−34の左端部に前記送風機35が取り付けられた構成となっている。尚、前記施肥エアチャンバ−34は、後述する肥料回収管36と一体に構成され、側断面が略長方形の形状に構成されている。前記肥料ホッパ31及び前記肥料繰出部32…は、走行車体3の操縦席37の直ぐ後側となる走行車体3の後部に設けられている。該肥料ホッパ31の下に設けた各条毎の肥料繰出部32…の繰出ロ−ラ32a…が回転することにより所定量毎に肥料を各条の繰出口32b…を介して前記案内管33…に供給される。
【0013】前記案内管33…に供給された粒状肥料は、前記施肥エアチャンバ−34からの圧力風により該案内管33…、肥料移送管38…を介して該肥料移送管38…終端に設けられた施肥部39…へ搬送されて圃場に散布される。尚、前記肥料移送管38…は、フレキシブルなチュ−ブにより構成されている。前記施肥部39…は、作溝器40を備えて構成され、この作溝器40が前記肥料移送管38…とブ−ツ41…により接続され、苗植付部4による各条の圃場の苗植付位置の側部に肥料が供給されるように前記フロ−ト19,20,20に取り付けられている。該作溝器40…の前側には作溝突起40a…が設けられ、この作溝突起40a…が機体前進に伴って圃場の泥土を横方向及び下方向に押し分けて作溝し、その作溝された溝内に肥料が供給されるようになっている。また、作溝器40…の溝を覆土する覆土体42…が作溝器40…と同様にフロ−ト19,20,20に設けられている。従って、この乗用型田植機2は、圃場に苗を移植するため圃場内を田植機2が走行するのに伴って圃場内へ肥料の散布を行う構成となっている。
【0014】前記複数の肥料繰出部32…の本体となる繰出部ケ−ス32c…は、前部を左右方向に延びる施肥エアチャンバ−34の上方の肥料回収管36に支持され、後部を左右方向に延びる肥料繰出部支持フレ−ム43に締付ボルト43a…により取り付けられ支持された構成となっている。また、前記肥料ホッパ31は、前記繰出部ケ−ス32c…の前後に設けられた固定フック44…により取り付けられた構成となっている。従って、施肥エアチャンバ−34、肥料回収管36、送風機35、肥料繰出部支持フレ−ム43、肥料ホッパ31、肥料繰出部32…及び案内管33…は、一体的に構成されている。
【0015】前記送風機35は走行車体3の前部に配置したバッテリ−45の電源により駆動される構成となっており、この送風機35の吐出口35aと施肥エアチャンバ−34の左端とが後述するエア切替部46を介して接続され、前記送風機35からの圧力風を施肥エアチャンバ−34ヘ供給可能に構成している。尚、施肥エアチャンバ−34の右端は、閉鎖されている。
【0016】また、エンジン5の後方に送風機35の吸気口47を設け、該吸気口47から肥料繰出部支持フレ−ム43内の空洞部43bと該フレ−ム43の左端に取り付けた屈曲管48とを介して機体の左側にある送風機35内に吸気されるようになっており、エンジン5周辺で温められたエアが送風機35ひいては肥料移送管38…へ供給されるようにしている。
【0017】前記肥料繰出部32…の駆動構成について説明すると、前記植付クラッチケ−ス13内からの伝動により駆動する上下方向の施肥伝動軸49の動力によりベベルギヤ等が内蔵された繰出駆動ケ−ス50を介して施肥駆動軸51が駆動される。尚、前記施肥伝動軸49は、該軸49方向に伸縮可能であると共に両端部がユニバ−サルジョイント49a,49aにより屈曲可能に構成されている。前記施肥駆動軸51から該駆動軸51と一体回転する各2条毎の駆動ギヤ52…を設け、各2条毎の該駆動ギヤ52…とそれぞれ噛み合う各2条毎の従動ギヤ53…とそれぞれ一体回転するな各2条毎の繰出軸54…が駆動され、繰出ロ−ラ32a…が駆動回転される構成となっている。尚、前記各2条毎の従動ギヤ53…は、前記繰出軸54…に沿って摺動可能に設けられており、肥料繰出部32…間に設けた各2条毎の植付作業及び施肥作業の入切が行える条クラッチレバ−55…の下方への回動操作で該レバ−55…の突出部55a…が前記従動ギヤ53…の側方から退避して従動ギヤ53…に対して前記条クラッチレバ−55…の反対側に設けた圧縮スプリング56…により条クラッチレバ−55…側に付勢されて移動し、駆動ギヤ52…との噛み合いを解除して各2条毎の肥料繰出部32…への伝動を断つようになっている。逆に、条クラッチレバ−55…を切位置から上方へ回動操作することにより、該レバ−55…の突出部55a…が前記従動ギヤ53…の側面に当接して前記従動ギヤ53…を前記圧縮スプリング56…に抗して駆動ギヤ52…と噛み合う位置まで移動させるようになっている。尚、条クラッチレバ−55…には各2条毎の苗植付装置連動用ワイヤ57…及び苗送りベルト連動用ワイヤ58…がそれぞれ連結され、条クラッチレバ−55…の操作により各2条毎の施肥作業の入切に連動して苗植付装置18…及び苗送りベルト23…の駆動が入切されるようになっている。
【0018】次に、肥料繰出部32の構成について説明する。肥料繰出部32の繰出ロ−ラ32aの外周面には、回転方向の一定角度毎に繰出溝61…が設けられており、その繰出溝61…に肥料ホッパ31から落下供給される粒状肥料を溜めて該繰出ロ−ラ32aを回動することによって繰出口32bヘ肥料が繰り出される構成となっている。尚、繰出ローラ32aの上側の外周に接するように左右に流下案内壁62,62を設けており、この左右の流下案内壁62,62間に案内されて肥料ホッパ31内の粒状肥料が繰出溝61…に供給される。肥料繰出部32における条クラッチレバ−55の左右反対側には、開度調節歯車63が設けられている。該開度調節歯車63は、前記従動ギヤ53と一体回転する繰出軸51に嵌合する歯車回動軸64回りに回転して左右移動する構成となっている。前記開度調節歯車63は、開度調節軸65の小歯車66と噛み合う。開度調節歯車63に設けられた調節輪67から突出し前記繰出溝61…に嵌合する複数の突子68…が前記開度調節歯車63の回動によって繰出溝61…方向に移動可能とすることで繰出溝61…の有効長さを変更し、施肥の繰出量を調節するようになっている。従って、繰出量調節は、機体右側に設けた開度調節ハンドル69で前記開度調節軸65を回動させて各条の前記小歯車66…を回転させ調節する構成となっている。
【0019】また、繰出ロ−ラ32aの前側には、該ロ−ラ32a外周面と接触するブラシ70が設けられており、繰出溝61…から溢れた肥料を掻き除くように構成される。このブラシ70は、左右の流下案内壁62,62間に該流下案内壁62,62の間隔と同幅に設けられ、繰出部ケ−ス32cの外側に設けたブラシ回動レバ−71の回動操作により左右方向のブラシ回動軸71a回りに繰出部ケ−ス32cに対して前後に回動可能な構成となっている。従って、前記ブラシ回動レバ−71の操作により、ブラシ70が繰出ロ−ラ32aの外周面から退避可能に設けられている。
【0020】また、繰出ロ−ラ32aの外周面に繰出軸54回りに回動可能な肥料供給停止用シャッタ72を設け、図10に示すように該シャッタ72を繰出ロ−ラ32aの上方に回動させることにより肥料ホッパ31内の肥料を該繰出ロ−ラ32aの繰出溝61…に供給せず肥料の繰出を停止することができる。前記肥料供給停止用シャッタ72は繰出部ケ−ス32cの外側に設けた肥料供給停止用レバ−73により回動操作され、各条の前記肥料供給停止用レバ−73により各条毎の施肥作業の入切が行えるようになっている。
【0021】また、前記繰出ロ−ラ32aの前側には、作業終了後等に肥料ホッパ31及び肥料繰出部32…に残存する粒状肥料を取り出し回収するための肥料回収部となる肥料回収管36と該肥料回収管36へ肥料を供給するための取出口74…とを設けている。肥料繰出部32…の前部には前方へ突出する取出口開閉操作具75…を設け、該取出口開閉操作具75…を繰出ロ−ラ32a…側に押し操作することにより該操作具75…と一体のスライド部材76…を繰出ロ−ラ32a…の外周面に接触させ、繰出ロ−ラ32a…上方から繰出口32b…への肥料流路を遮断すると共に繰出ロ−ラ32a…上方から前記取出口74…への肥料流路を構成するようになっている。従って、前記スライド部材76…を繰出ロ−ラ32a…の外周面に接触させた状態でブラシ70…を前方に回動させて繰出ロ−ラ32a…の外周面から退避させることにより、肥料ホッパ31内及び繰出ロ−ラ32a…上方の粒状肥料が自重により下降して前記取出口74…を経由して肥料回収管36に供給される。尚、前記スライド部材76…の前部は前下がりの傾斜面76a…に構成されると共に前記傾斜面76a…の左右に立上壁76b…が設けられ、該立上壁76b…間を前記傾斜面76a…に沿って肥料が流下するようになっている。また、取出口開閉操作具75…には、通常作業状態、肥料回収状態それぞれのスライド部材76…の位置決めのための位置決め用溝75a…,75b…を設けている。
【0022】肥料繰出部32…の繰出部ケース32c…の前側部分は着脱可能なカバー77…により構成されており、前記カバー77…を外すのに伴って前記取出口開閉操作具75…及び前記スライド部材76…が一体的に繰出部ケース32c…から外れるようになっている。そして、前記カバー77…を外した状態で、前側から繰出ローラ32a…、ブラシ70…及び肥料流路の清掃等のメンテナンスを行うことができる。尚、前記カバー77は、上端の係止部77a及び左右両側の取付ピン78,78にそれぞれ嵌め込む嵌込部77b,77bにより装着し固定するようになっている。
【0023】前記取出口74…は、前記肥料回収管36の上面に形成した四辺形の孔36a…により構成され、該孔36a…の外周を覆う被覆体79…を備えて構成される。前記被覆体79は、ゴム製であり、前記孔36aの周辺の肥料回収管36の上壁の上側と下側にそれぞれ位置する縁部80,81を備えている。また、肥料回収管36内に位置する前記被覆体79の下側には、前記被覆体79と一体のゴムで構成された肥料流下案内体82を設けている。前記肥料流下案内体82は、被覆体79の下側の縁部81と該縁部81の前後端から下方に延びる前後の側壁部83,83と前記縁部81から前記側壁部83,83の下端をつなぐように右側に下降するように傾斜して設けた底面部84とを備え、これらにより肥料回収管36への肥料の吐出口85が右側に向かった構成となっている。また、前記側壁部83,83の外側は、肥料回収管36の前後の側壁部に接するようになっている。そして、一体の前記被覆体79及び肥料流下案内体82を装着するときは、肥料回収管36の前後幅より小さい取出口74を構成する前記孔36aに上方からゴム製の肥料流下案内体82を折り曲げる等して前後幅を縮めて嵌め込むようになっている。尚、前記被覆体79及び前記肥料流下案内体82の装着は、繰出部ケース32cの前側部分のカバー77を外すことにより前側から行えるようになっている。
【0024】前記肥料回収管36は、施肥エアチャンバ−34の上方に該エアチャンバ−34と一体構成され、前記施肥エアチャンバ−34と同様に側断面が略長方形の形状に構成されている。また、肥料回収管36の左端は送風機35の吐出口35aとエア切替部46を介して接続され、送風機35からの圧力風を前記肥料回収管36に供給可能に構成している。肥料回収管36の右端には下方に屈曲した屈曲管86を接続して下向きの肥料回収口87を設け、該肥料回収口87から出てくる粒状肥料を袋や容器等で受けて肥料を回収するようになっている。
【0025】前記エア切替部46は、左右方向の筒形状の本体ケ−ス46aと前後方向の回動軸回りに回転するエア切替シャッタ88とを備えて構成されている。前記エア切替シャッタ88は、前記本体ケ−ス46aの前側に設けたエア切替レバ−89と一体回動するようになっている。前記本体ケ−ス46aの後側にはエア切替シャッタ88と一体回転する引張スプリング掛止部90を設け、該引張スプリング掛止部90と本体ケ−ス下部の固定ピン91との間に引張スプリング92を設けている。また、施肥エアチャンバ−34と肥料回収管36との間の仕切壁93の左端がエア切替シャッタ88の回動に拘らず該シャッタ88の回動軸88a回りに設けたゴム部材94に接触した構成とすると共にエア切替シャッタ88の外周が施肥エアチャンバ−34側あるいは肥料回収管36側に回動させることにより本体ケ−ス46a内部に設けた肩部46bに当接することで、送風機35の吐出口35aと施肥エアチャンバ−34側あるいは肥料回収管36側との連通を閉鎖するようになっている。従って、通常作業時にはエア切替シャッタ88を肥料回収管36側に回動させ圧力風を施肥エアチャンバ−34へ供給するようにし、作業終了時等肥料ホッパ31内の残留肥料を回収するときにはエア切替シャッタ88を施肥エアチャンバ−34側に回動させ圧力風を肥料回収管36へ供給するようになっている。尚、前記エア切替シャッタ88の側面にはゴム部材88bを設け、このゴム部材88bが本体ケ−ス46aの肩部46bに密着するようになっている。尚、エア切替シャッタ88の回動軸88a回りにもゴム部材94を設けているので、このゴム部材94が施肥エアチャンバ−34と肥料回収管36との間の仕切壁93に密着するようになっている。また、引張スプリング92はエア切替シャッタ88の回動により死点越えするようになっており、いずれの側に回動させても前記引張スプリング92によりエア切替シャッタ88のゴム部材88bが本体ケ−ス46aの肩部に密着する側に付勢され、エア切替シャッタ88の外周部におけるエア漏れを防止している。
【0026】ところで、左から右に圧力風が流れる肥料回収管36内において、取出口74…の下方となる肥料流下案内体82…の肥料の吐出口85…が右側に向かっているので、前記圧力風が前記吐出口85…へ吹き込むのを抑えられ、前記圧力風により前記取出口74…から肥料回収管36内へ流下する肥料が逆流したり肥料回収管36内への流下に抵抗が生じるのを抑えている。また、肥料流下案内体82…の側壁部83,83が肥料回収管36の内壁に接触しているので、前記肥料流下案内体82部分において圧力風が該案内体82の下方部分のみを流れ、前記側壁部83,83と肥料回収管36の内壁との間に流れる圧力風が肥料流下案内体82…の吐出口からの肥料の流下を妨げる等の悪影響を及ぼすことがない。尚、前記肥料流下案内体82…の底面部84…が右側に下降するように傾斜しているので、肥料回収管36内を流れる圧力風が前記吐出口85…付近で吐出口85…から離れる側すなわち下方に向かって案内され、圧力風が肥料流下案内体82…の吐出口85…からの肥料の流下を妨げることを抑制している。また、前記吐出口85…が右側に向かうことにより、肥料流下案内体82…により肥料の流下抵抗を生じて該吐出口85…から多量の肥料が急激に流下せず肥料を徐々に流下させることができ、肥料回収管36内に多量の肥料が急激に流下することにより前記肥料回収管36内で肥料が詰まるのを防止している。尚、下方から見て取出口74…を肥料流下案内体82…の底面部84…により覆うように構成すると、より圧力風が前記吐出口85…ひいては前記取出口74…へ吹き込むことを抑制できる。
【0027】施肥装置1は、走行車体3の後部の上下方向の左フレ−ム101及び右フレーム102の上端に施肥装置側の支持プレート103が載置され、走行車体3に支持されるようになっている。前記支持プレ−ト103は、前記肥料繰出部支持フレ−ム43から取付プレ−ト104を介して設けた左右の上下方向の施肥中央部フレ−ム105,105の下端部に前記両フレーム105,105を繋ぐように固着されている。また、走行車体3の後上部の左右方向の後フレーム106の左右には、取付ボルト107…により側面視コの字型の昇降用リンク取付プレ−ト108,108をそれぞれ取り付けている。そして、該昇降用リンク取付プレ−ト108,108に固着した前後方向のリンク回動軸109,109に回動可能に設けた施肥装置昇降用リンク110,110の回動先端部と肥料繰出部支持フレーム43に固着された上下方向の施肥左右フレーム111,111の下端部とを左右それぞれのリンク回動先端側回動軸110a,110aにより連結しており、前記施肥左右フレーム111,111の下端が前記昇降用リンク取付プレ−ト108,108に設けた前後方向のリンク回動規制軸112,112に当接している。尚、前記後フレーム106は、前記左フレーム101、前記右フレーム102のそれぞれから後方に延びる左右の中継フレーム113,113を介して取り付けられている。前記左フレーム101と前記右フレーム102との前側には、前記両フレーム101,102を繋ぐように固着した左右方向の前フレーム114を設けている。
【0028】前記前フレーム114の左右両端部にはフランジ115,115,116,116を介して補助ステップ117,117を取り付けており、苗植付部4の苗載置台16の前方に施肥ホッパ31が位置することにより機体に搭乗する作業者が困難となる前記苗載置台16への苗供給作業において作業者が該補助ステップに片足を載せることにより前記苗載置台16の最外側条部分16a,16aへの苗供給作業を行いやすいようになっている。尚、前記補助ステップ117,117側のフランジ116,116は、前記後フレ−ム106に固着した取付用プレ−ト118,118にも締付ボルト119…により固着された構成となっている。また、昇降用リンク取付プレ−ト108,108に固着したリンク回動軸109,109及びリンク回動規制軸112,112の前端には、取付ボルト120…により補助ステップ支持ユニット121,121を固着して取り付けた構成となっている。尚、前記補助ステップ支持ユニット121,121は左右プレ−ト121a,121aの左右に前下方に延びる前後プレ−ト121b…をそれぞれ固着した構成となっており、該前後プレ−ト121b…の前端には締付ボルト122…及び締付ナット123…により補助ステップ117,117の基部フレ−ム117a,117aの上側に溶接した左右のプレ−ト117b…を固着している。従って、前記補助ステップ117,117は、前フレ−ム114と後フレ−ム106とで支持された構成となっている。
【0029】ところで、右側の施肥装置昇降用リンク110には、施肥装置昇降操作レバ−124を固着して設けている。尚、この施肥装置昇降操作レバ−124は、該レバ−124の把持部124aが施肥ホッパ31の右側方に位置する構成となっている。従って、機体の右側に入る作業者が前記施肥装置昇降操作レバ−124の把持部124aを握って右側のリンク回動軸109回りに押し下げるように操作することにより、平行リンク機構を構成する左右の施肥装置昇降用リンク110,110がリンク回動軸109,109回りに上方へ回動し、一体的に施肥エアチャンバ−34、肥料回収管36、送風機35、肥料繰出部支持フレ−ム43、肥料ホッパ31、肥料繰出部32…及び案内管33…で構成される施肥装置1の上下移動部分が走行車体3に対して右方向へ移動しながら上昇する。これにより、前記施肥装置1の上下移動部分のメンテナンスを容易に行える。
【0030】尚、リンク回動軸109,109には施肥装置昇降用リンク110,110を上方に回動付勢するトルクスプリング125,125を設けており、このトルクスプリング125,125が施肥装置1の上下移動部分を上昇側に付勢することにより施肥装置昇降操作レバ−124の押し下げ側の操作荷重を軽減させて、作業者が楽に施肥装置1の上下移動部分を上昇させられるように構成している。また、前記リンク回動軸109,109の中途部には昇降用リンク回動規制ストッパプレ−ト126,126を設けており、施肥装置昇降用リンク110,110が上方へ回動して該リンク110,110の上下方向位置から若干死点越えする位置で前記昇降用リンク回動規制ストッパプレ−ト126,126に当接するようになっている。一方、右側のリンク回動規制軸112の後端部には該軸112回りに回動するリンク回動固定プレ−ト127を設け、このリンク回動固定プレ−ト127の長孔128に右側の施肥装置昇降用リンク110のリンク回動先端側回動軸110aの後端部が挿入されている。そして、施肥装置昇降操作レバ−124により昇降用リンク回動規制ストッパプレ−ト126,126に当接するまで施肥装置昇降用リンク110,110を回動させると、前記リンク回動先端側回動軸110aの移動により前記リンク回動固定プレ−ト127が右側に回動して前記リンク回動先端側回動軸110aが該プレ−ト127の長孔128の端部の係止部128aに案内されて施肥装置昇降用リンク110,110の回動位置を固定し、前記施肥装置1の上下移動部分が上昇位置で保持されるようになっている。尚、前記リンク回動固定プレ−ト127は、右側のリンク回動規制軸112に設けたトルクスプリング129により右側すなわち前記上下移動部分の上昇により連動して回動する側に付勢されている。また、左右のリンク回動規制軸112,112の中途部には施肥装置1の上下移動部分の上下動固定用の固定具130,130を設けると共に施肥左右フレーム111,111には前記固定具130,130の作用部を係止できるフック131,131をそれぞれ固着しており、左右の前記固定具130,130により通常作業時に前記施肥装置1の上下移動部分が機体の振動等により走行車体3に対して上昇しないようにしている。
【0031】また、肥料移送管38…は、この施肥装置1の上下移動部分の上方への移動において取り外す必要のないように、施肥部39…までの長さが設定されている。また、前記施肥伝動軸49は、該軸49方向に伸縮可能であるとと共に該軸49の両端部がユニバ−サルジョイント49a,49aにより屈曲可能となっているので、前記施肥装置昇降用リンク110,110の回動による施肥装置1の上下移動部分の左右方向へ移動しながらの上昇において取り外す必要がない。
【0032】従って、作業終了後のメンテナンス等のために施肥装置1の上下移動部分を上昇させるときには、左右の前記固定具130,130の固定を解除して施肥装置昇降操作レバ−124を押し下げて操作することにより前記上下移動部分が上昇位置で保持される。そして、施肥装置1の前記上下移動部分を通常作業位置に下降させるときには、施肥装置昇降操作レバ−124を若干押し下げ操作しながらリンク回動固定プレ−ト127を左側に回動させることにより該プレ−ト127の長孔128の係止部128aからリンク回動先端側回動軸110aを外して前記上下移動部分の回動位置を固定を解除し、急に回動しないよう施肥装置昇降操作レバ−124を左上方へゆっくりと回動させて戻し操作し、前記上下移動部分が前記通常作業位置まで下降したら左右の前記固定具130,130により前記上下移動部分を走行車体3に固定する。
【0033】以上により、この施肥装置付きの乗用型田植機2は、苗植付部4の前方で且つ操縦席Aの後方となる走行車体3の後部に施肥装置1の肥料繰出部32…及び施肥ホッパ31を設け、肥料繰出部32…及び施肥ホッパ31が前記走行車体3に対して昇降するように構成すると共に、前記肥料繰出部32…及び前記施肥ホッパ31の昇降を操作する施肥装置昇降操作レバ−124を施肥ホッパ31の右方となる機体の右側部に設けている。また、前後方向のリンク回動軸109回りに回動操作する前記施肥装置昇降操作レバ−124を操作することにより前記肥料繰出部32…及び前記施肥ホッパ31が昇降するようになっている。
【0034】よって、前記施肥装置昇降操作レバ−124を施肥ホッパ31の右方となる機体の左右側部に設けているので、作業者が機体の左右側方から前記肥料繰出部32…及び前記施肥ホッパ31のメンテナンスを行うようなとき、機体の左右側方にいる作業者が該施肥装置昇降操作レバ−124の操作を容易に行える。また、前後方向のリンク回動軸109回りに回動操作する前記施肥装置昇降操作レバ−124を操作することにより前記肥料繰出部32…及び前記施肥ホッパ31が昇降するようにしたので、前記施肥装置昇降操作レバ−124を施肥ホッパ31の右方に設けると共に左右方向に回動操作するようにしたため該レバ−124の操作に要する操作スペースが機体の前後方向に長くならないと共に施肥ホッパ31の右方となる機体側方に位置するので、前記操作スペースが操縦席Aの後方や側方のステップ上方に位置することによって前記操作スペ−ス分機体の前後長が長くなったり機体に搭乗する作業者の苗植付部4への苗供給作業の作業性を悪化させたりすることがない。
【0035】また、施肥装置1の上下移動部分が右方に移動しながら上昇するので、作業終了後等に施肥ホッパ31内の肥料を回収するとき、前記上下移動部分を上昇させることにより肥料回収管36の右端に設けた肥料回収口87が右寄りすなわち機体外側に移動するので、前記肥料回収口87から出てくる肥料を受ける袋や容器等を容易に位置させることができる。
【0036】尚、この発明の実施の形態は6条植えの施肥装置付きの乗用型田植機2について詳述したが、本発明は6条植えのものに限定されるものではない。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年8月28日(1998.8.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−69805(P2000−69805A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−243595