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【発明の名称】 田植機の苗ガイド構造
【発明者】 【氏名】吉田 和正

【氏名】蔵野 淳次

【氏名】藤井 健二

【氏名】古市 正和

【要約】 【課題】苗ガイド体の左右間隔の維持を良好に行えながらも、耐久性を高くできる田植機の苗ガイド構造を提供する。

【解決手段】苗のせ台9の下部の苗取出口16から植付爪10aの通過軌跡に沿って下方に延出される左右一対の苗ガイド体18,18を互いの間隔が下すぼまりとなるように設け、該苗ガイド体18,18を一定間隔に維持する連結部材19を、前記両苗ガイド体18,18を前記植付爪10aのある側とは反対側の前方から抱き込んで該両苗ガイド体18,18に対して後方から係合するように構成してある田植機の苗ガイド構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗のせ台の下部の苗取出口から植付爪の通過軌跡に沿って下方に延出される左右一対の苗ガイド体を互いの間隔が下すぼまりとなるように設け、該苗ガイド体を一定間隔に維持する連結部材を、前記両苗ガイド体を前記植付爪のある側とは反対側の前方から抱き込んで該両苗ガイド体に対して後方から係合するように構成してある田植機の苗ガイド構造。
【請求項2】 前記連結部材を、前記両苗ガイド体に対して上下複数箇所に設けてある請求項1に記載の田植機の苗ガイド構造。
【請求項3】 前記左右一対の苗ガイド体間における前記植付爪の通過軌跡の奥側に該植付爪からの苗抜けを規制する金属製の奥側ガイドを設けるとともに、前記連結部材を、前記奥側ガイドの前方への変位を接当規制する受け止め部材に構成してある請求項1又は2に記載の田植機の苗ガイド構造。
【請求項4】 前記左右一対の苗ガイド体の横外面に上下方向に沿うリブを設けるとともに、前記連結部材を該リブに後方から係合するように構成してある請求項1乃至3のいずれか一項に記載の田植機の苗ガイド構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苗のせ台から植付爪で切り出した苗を案内する田植機の苗ガイド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の田植機の苗ガイド構造としては、例えば特開平9‐266711号公報に開示されているように、左右一対の苗ガイド体を所定間隔に維持するために、両苗ガイド体の前縁部側に突設したブラケット間にわたって棒状体を架設する状態で止め付けたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記従来の田植機の苗ガイド構造にあっては、例えば後進時等において苗ガイド体が泥面に突っ込むようなことがあった場合に、比較的局所的な応力が棒状体やブラケットに作用すると、その棒状体やブラケットが破損する虞れが高く、その破損によって両苗ガイド体の左右間隔を広がらないよう一定に維持することができなくなって、苗植付時に植付爪の苗に対する左右のガイドを良好に行えなくなるという不具合が発生する虞れがあった。
【0004】本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、苗ガイド体の左右間隔の維持を良好に行えながらも、耐久性を高くできる田植機の苗ガイド構造の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】(構成) 本発明の請求項1にかかる田植機の苗ガイド構造は、苗のせ台の下部の苗取出口から植付爪の通過軌跡に沿って下方に延出される左右一対の苗ガイド体を互いの間隔が下すぼまりとなるように設け、該苗ガイド体を一定間隔に維持する連結部材を、前記両苗ガイド体を前記植付爪のある側とは反対側の前方から抱き込んで該両苗ガイド体に対して後方から係合するように構成してあることを特徴構成とする。
【0006】(作用) 本発明の請求項1にかかる構成によれば、苗ガイド体を一定間隔に維持する連結部材を、両苗ガイド体を前記植付爪のある側とは反対側の前方から抱き込んで該両苗ガイド体に対して後方から係合するように構成してあるから、この連結部材は、苗ガイド体に対して、連結部材による間隔維持が確実性高く行えるとともに、その抱き込み姿勢での苗ガイド体の係合を前後方向で行うものであるから、その係合によって連結部材は前後方向で位置規制されるものであって、連結部材が前後に外れることや破損することがないようになっている。
【0007】(効果) 従って、本発明の請求項1にかかる構成によれば、連結部材の強度が高いものとなるとともに、左右の苗ガイド体における間隔維持も広がらないよう良好に行えるものとなっている。
【0008】(構成) 本発明の請求項2にかかる田植機の苗ガイド構造は、請求項1に記載のものにおいて、前記連結部材を、前記両苗ガイド体に対して上下複数箇所に設けてあることを特徴構成とする。
【0009】(作用) 本発明の請求項2にかかる構成によれば、連結部材を、両苗ガイド体に対して上下複数箇所に設けてあるから、その連結支持が一層確実性高いものとなるとともに、耐久性も高いものとなる。
【0010】(効果) 従って、本発明の請求項2にかかる構成によれば、連結部材の支持を一層良好に行えるとともに耐久性高くできる。
【0011】(構成) 本発明の請求項3にかかる田植機の苗ガイド構造は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記左右一対の苗ガイド体間における前記植付爪の通過軌跡の奥側に該植付爪からの苗抜けを規制する金属製の奥側ガイドを設けるとともに、前記連結部材を、前記奥側ガイドの前方への変位を接当規制する受け止め部材に構成してあることを特徴構成とする。
【0012】(作用) 本発明の請求項3にかかる構成によれば、左右一対の苗ガイド体間における植付爪の通過軌跡の奥側に該植付爪からの苗抜けを規制する金属製の奥側ガイドを設けるとともに、連結部材を、奥側ガイドの前方への変位を接当規制する受け止め部材に構成してあるから、例えば機体後進時に苗ガイド体や奥側ガイドが圃場の泥土中に突っ込むことがあった場合、その後進による泥土からの反力で奥側ガイドが前方に変位しようとするのであるが、その変位を連結部材で受け止めて保持するので、奥側ガイドが不当に変形してしまうようなことを防止できる。
【0013】(効果) 従って、本発明の請求項3にかかる構成によれば、奥側ガイドが不当に変形してしまうような不具合の発生も連結部材によって防止できる。
【0014】(構成) 本発明の請求項4にかかる田植機の苗ガイド構造は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のものにおいて、前記左右一対の苗ガイド体の横外面に上下方向に沿うリブを設けるとともに、前記連結部材を該リブに後方から係合するように構成してあることを特徴構成とする。
【0015】(作用) 本発明の請求項4にかかる構成によれば、左右一対の苗ガイド体の横外面に上下方向に沿うリブを設けるとともに、連結部材を該リブに後方から係合するように構成してあるから、苗ガイド体はリブによって補強されて耐久性の高いものに構成されるとともに、そのリブを利用して連結部材の係合が行える。
【0016】(効果) 従って、本発明の請求項4にかかる構成によれば、苗ガイド体の補強構造を利用して連結部材の係合も行えるようにしているから、係合用の構造を別途設けなくても良く、構造簡単にできるものでありながら苗ガイド体の機械的強度を高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、乗用型田植機の一例を示している。この乗用型田植機は、左右一対の前車輪1,1及び後車輪2,2によって走行可能に機体3を支持するとともに、該機体3の前部にはエンジン4、ミッションケース5及び搭乗運転部6を設けるとともに機体3の後端部には、油圧シリンダ7aで昇降操作されるリンク機構7を介して苗植付装置8を装着して構成している。
【0018】そして、図1乃至図3に示すように、苗植付装置8には、複数条分の苗を載置して一定ストロークで左右に往復動自在な苗のせ台9、該苗のせ台9の下端から苗を一株づつ切り出して植え付ける複数条分の回転式の苗植付機構10、圃場面を整地するフロート11等が装備されている。
【0019】苗のせ台9の下端は、図1乃至図3に示すように、植付伝動ケース12に固定した摺動レール13に案内支持されるとともに、苗のせ台9の上部背面が、植付伝動ケース12の前部を支持する左右に長い角パイプ状の主フレーム14における左右端部から立設された左右一対の支持フレーム15,15の上端に左右摺動自在に係合支持されている。摺動レール13には、各植付条における苗植付機構10の植付爪10aが通過する取出口16が切り欠き形成されているとともに、この取出口16には、取出口ガイド17が取り付けられるとともに、その左右両側下方に、植付爪10aで取り出された苗の床土部を左右から案内する左右一対の苗ガイド体18,18がビス止め等によって取り付けられている。両苗ガイド体18,18は合成樹脂材製であって、図4乃至図6に示すように、比較的厚肉の板体状に左右対称の形状を成すよう形成されているとともに、両者は、下すぼまり、つまり下方ほど互いに近づくように取り付けられて構成されている。さらに、各苗ガイド体18,18の横外面には上下方向に沿うリブ18a,18aを一体に突設している。そして、板金材を折り曲げ形成及びプレス加工して製造された連結部材19によって、両苗ガイド体18,18を所定間隔に一定に維持するようにしている。詳述すると、連結部材19は、図5に示すように、平面視コの字状に折り曲げ加工されているとともに、この連結部材19のコの字状を成す左右両端縁部分は内方に直角に屈折形成したフランジ部19a,19aに構成されている。そして、各苗ガイド体18,18の前縁部に前方に突出形成した突片18b,18bを挿脱自在な係合孔19b,19bを連結部材19に一対形成している。また、苗ガイド体18の前端縁からリブ18aの後端縁までの長さと、連結部材19の前端からフランジ部19aまでの長さとがほぼ一致するように設定している。従って、連結部材19を、その係合孔19b,19bに突片18b,18bを挿入して上下方向での連結部材19の位置規制をする状態で、両苗ガイド体18,18の前側から抱き込むようにして、フランジ部19a,19aを各リブ18a,18aの後縁部に係合させることで、両苗ガイド体18,18に取り付けている。尚、連結部材19において前記係合孔19b,19bが穿設形成されている前面部19cの上縁近くには、この連結部材19の取り付けの上下向きを明示するための丸孔19dを形成している。さらに、植付爪10aによる植付作動時に、植付爪10aから苗が抜けないように前側での規制を行う奥側ガイド20を、両苗ガイド体18,18の間で植付爪10aの移動軌跡の奥側、すなわち前側に前記取出口ガイド17に上端部を係合支持した下方延出姿勢にして配置している。尚、この奥側ガイド20はステンレス製の板金材で構成されているとともに、その下端が苗ガイド体18,18の下端近くに位置するように正面視先すぼまり状に構成している。その上、この奥側ガイド20は、図3乃至図6に示すように、前記連結部材19の前面部19cによって前方への移動つまり変位が接当規制されている。但し、その接当規制箇所より下方部分は前方への変位が弾性的に幾分可能となっている。
【0020】上記構成により、連結部材19の前面部19cが両苗ガイド体18,18間に左右に架設されるようにして前側から連結部材19の左右それぞれの側面部19e,19eが両苗ガイド体18,18を抱き込むようにして、各側面部19e,eの後端縁部のフランジ部19a,19aによりリブ18a,18aに係合させて前後方向での連結部材19の位置規制がなされているから、両苗ガイド体18,18同士の間隔が一定に維持されるとともに、連結部材19の外れ止めも簡易になされることになる。
【0021】次に、本発明に係る別の実施の形態について説明する。尚、上記実施の形態と同様の構造については説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図7乃至図9に示すように、苗ガイド体18,18に対して上下に2箇所で連結部材19,21を抱き込み状態で設けるようにしている。各連結部材19,21は、上側のものに対して下側のものが比較的幅広の帯板部材22で連結されている。すなわち、上下の連結部材19,21と帯板部材22とは一枚の板金材をプレス加工等によって折り曲げ製造したものである。従って、連結部材19,21が上下に複数箇所で苗ガイド体18,18に対して前方から抱き込む状態でその後端縁部のフランジ部19a,21aで苗ガイド体18,18の側面部に上下に沿って形成されるリブ18aにそれぞれ係合しているから、全体としての強度アップが図れるとともに、奥側ガイド20に対する受け止め保持強度も高いものとなる。
【0022】さらに、本発明に係る別の実施の形態について説明する。尚、上記実施の形態と同様の構造については説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図10乃至図13に示すように、左右一対の苗ガイド体18,18を前側から抱き込む状態で互いの左右間隔を一定に維持するための連結部材23を、合成樹脂材により形成している。この連結部材23は、平面視コの字状に形成されているとともに、比較的上下幅が狭く形成された前壁部23Aに、各苗ガイド体18,18の前縁部に前方に突出形成したブラケット24,24に前方側から係合する左右一対の被係合部23a,23aを形成している。すなわち、ブラケット24,24は、前方に突出した側面視半円形状の突起であって、その先端部に係合用の凹部24a,24aを形成しているとともに、この凹部24a,24aに係入されて保持される被係合部23a,23aを側面視での断面形状がほぼ円形に連結部材23の前壁部23Aの後面側に形成している。さらに、前壁部23Aより上下幅を広く形成するとともに後方側ほどその上下幅を広くなるように形成した左右の側壁部23B,23Bの後端部に、苗ガイド体18,18の横外面に形成した上下方向に沿うリブ18aに後方側から係合するためのフック部23cを設けている。従って、このフック部23cがリブ18aに後方側から係合されること、及び被係合部23aが凹部24aに係合することによって、連結部材23の両苗ガイド体18,18に対する連結がなされ、両苗ガイド体18,18同士のその連結箇所での外広がりを規制して一定間隔に維持するようにしている。
【0023】〔別の実施の形態〕
■ 上記実施の形態では苗ガイド体の側面部のリブに対して連結部材を係合するものを示したが苗ガイド体の後縁部に連結部材の後端部を係合するようにしても良いとともに、苗ガイド体の側面部に係合用の孔や溝を形成してその孔や溝に連結部材の一部(連結部材の後端部に限らない、すなわち連結部材の前端から後端までに至る中間部分に係合部を設けても良く、要は連結部材を前後に位置規制するように係合できるようになっていれば良い)を係合するようにしても良い。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年8月27日(1998.8.27)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−60246(P2000−60246A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−241380