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【発明の名称】 野菜移植機
【発明者】 【氏名】早田 裕光

【要約】 【課題】走行駆動変速と苗取り駆動変速とを行うミッションケースを機体の前後中央部に配置し、該ミッションケースから出力される駆動力を横送り動動変速及び縦送り駆動変速された駆動力の伝達される苗載台の支持構成をシンプルとするとともに、野菜移植機全体のバランスを良好に保つ必要があった。

【解決手段】前記ミッションケース3の上方に横送り駆動変速及び縦送り駆動変速を行う変速機構を収納する駆動ケース84を配置し、駆動ケースの左右両側面より後側方にフレーム340・341を突設し、該フレーム後部間に苗載台を左右に摺動自在に支持させ、一方のフレーム後部に縦送り駆動軸123を軸支し、他方のフレーム後部に横送り軸85を軸支し、それぞれのフレーム内の伝達機構を介して駆動させている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行駆動変速と苗取り駆動変速とを行うミッションケースを機体の前後中央部に配置し、該ミッションケースから出力される駆動力を横送り駆動変速及び縦送り駆動変速して苗載台に伝達して苗載台上の載置される苗トレーを縦送りするとともに苗載台を左右に往復動させる野菜移植機において、前記ミッションケースの上方に横送り駆動変速及び縦送り駆動変速を行う変速機構を収納する駆動ケースを配置したことを特徴とする野菜移植機。
【請求項2】 走行駆動変速と苗取り駆動変速とを行うミッションケースを機体の前後中央部に配置し、該ミッションケースから出力される駆動力を横送り駆動変速及び縦送り駆動変速して苗載台に伝達して苗載台上の載置される苗トレーを縦送りするとともに苗載台を左右に往復動させる野菜移植機において、横送り駆動変速及び縦送り駆動変速を行う変速機構を駆動ケースに収納し、該駆動ケースの左右両側面より後側方にフレームを突設し、該フレーム後部間に苗載台を左右に摺動自在に支持させることを特徴とする野菜移植機。
【請求項3】 前記駆動ケース左右両側面より後側方に突設する一方のフレーム後部に縦送り駆動軸を軸支し、他方のフレーム後部に横送り軸を軸支し、それぞれのフレーム内の伝達機構を介して駆動されることを特徴とする請求項2記載の野菜移植機。
【請求項4】 前記縦送り駆動軸と横送り軸とで苗載台を摺動自在に支持するとともに苗送り駆動を伝達することを特徴とする請求項3記載の野菜移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜移植機の苗載台のフレーム構成をシンプルなものにするとともに、前後バランスを良好に保つ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から苗載台上に野菜苗が育苗された苗トレイを載置し、機体の後部に左右に摺動自在に苗載台を配し、該苗載台の左右往復動の終端位置で苗トレイの縦送り駆動が行われ、横送り駆動によって野菜苗を苗取り位置に案内し、苗取爪によって野菜苗を取り出し、移植爪内に投入して、該移植爪を回動させて、圃場に移植する技術は公知となっている。前記苗載台は機体後部に横設されるスライド軸とガイドレールによって摺動自在に支持され、前記スライド軸を角軸等で構成し、該スライド軸に縦送り駆動力を伝達して苗載台に縦送り駆動力を伝達する技術も公知となっていた。また、前記苗載台の横送りは、苗載台の近傍に横送り軸を横架し、該横送り軸上を左右往復動するスベリ子を苗載台側に連結して横送り駆動力を伝達していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術において、スライド軸を縦送り軸として兼用させていたが、苗載台近傍にはガイドレールや横送り軸、縦送り駆動力を伝達する伝達ケース等が配置され、苗載台周りは複雑な構成となっており、野菜苗を取り出す苗取爪とその駆動機構のレイアウトが制限されるので、効率良く配置することが難しいものであった。さらに前記横送り軸が苗載台の外側に配置される構成においては、該横送り軸上を横送りされるスベリ子と苗載台側とを連結させるために、苗載台に特別のフレームを設ける必要があり、苗載台周囲の構造をさらに複雑としていた。このように、前記横送り軸やガイドレール、苗取爪等の配置に制限があり、機体が前後に長くなりコンパクト化を図ることが難しく、前後バランスを良好に保つことが困難となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。即ち、走行駆動変速と苗取り駆動変速とを行うミッションケースを機体の前後中央部に配置し、該ミッションケースから出力される駆動力を横送り駆動変速及び縦送り駆動変速して苗載台に伝達して苗載台上の載置される苗トレーを縦送りするとともに苗載台を左右に往復動させる野菜移植機において、前記ミッションケースの上方に横送り駆動変速及び縦送り駆動変速を行う変速機構を収納する駆動ケースを配置したものである。また、横送り駆動変速及び縦送り駆動変速を行う変速機構を収納する駆動ケースの左右両側面より後側方にフレームを突設し、該フレーム後部間に苗載台を左右に摺動自在に支持させたものである。また、前記駆動ケース左右両側面より後側方に突設する一方のフレーム後部に縦送り駆動軸を軸支し、他方のフレーム後部に横送り軸を軸支し、それぞれのフレーム内の伝達機構を介して駆動させたものである。また、前記縦送り駆動軸と横送り軸とで苗載台を摺動自在に支持するとともに苗送り駆動を伝達するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を、添付の図面を用いて説明する。図1は野菜移植機の全体側面図、図2は同じく平面図、図3は操作部に配置した二本のレバーの連動構成を示す平面断面図、図4は走行駆動輪の取付け位置を変更可能とする断面図、図5は前輪の取付け位置を変更可能とする断面図、図6はベルト式無段変速装置による株間変速を示す断面図、図7は同じく側面図、図8はベルト式無段変速装置による株間変速の別形態の断面図、図9は同じく側面図、図10は別形態のベルト式無段変速装置による株間変速の断面図、図11は主変速レバーの操作構成の側面断面図、図12は同じく後面図である。
【0006】次に、本発明の歩行型野菜移植機について全体構成から説明する。図1、図2に示すように、機体の前部にエンジンフレーム2が配置され、該エンジンフレーム2上にエンジン4が載置され、エンジンフレーム2後部に固設したミッションケース3内にプーリ、ベルト等を介して動力を伝達するようにしている。前記ミッションケース3後方に移植部5が配置され、該移植部5の後上方に左右スライド自在に苗載台34を配置している。更に、前記ミッションケース3はエンジンフレーム2後部より後方に伸延され、ミッションケース3上部より後方にハンドルフレーム1を突設している。該ハンドルフレーム1は前記移植部5の側方や苗載台34の下方を通過し、ハンドルフレーム1後端に操作部6が配設されている。前記エンジン4やミッションケース3の上方や側方は図示せぬカバーによって覆われている。機体前部の左右両側上に予備苗台30が載置固定されている。また、前記操作部6にはスタートスイッチや植付クラッチレバー305や油圧調整レバー306等が配置されている。
【0007】前記植付クラッチレバー305や油圧調整レバー306の支持構成が図3に示されている。操作部6を支持するハンドルフレーム1後部には、前後方向に複数のレバー支持用ステー300・301・302等が立設され、前記植付クラッチレバー305や油圧調整レバー306等が支持されている。前記レバー支持用ステー300・301後部に左右向きに枢支軸303が横架され、該枢支軸303に油圧調整レバー306の基端部が遊嵌され、枢支軸303を中心として油圧調整レバー306を回動操作可能としている。前記油圧調整レバー306の途中部にピン308が突設され、該ピン308に操作ワイヤー309端部の締結部310が枢支されている。
【0008】また、レバー支持用ステー301・302の後部間には左右向きに枢軸311が横架され、該枢軸311の進行方向に対して右側(紙面左側)にボス312が枢支され、該ボス312に植付クラッチレバー305の途中部が固設され、枢軸311を中心に植付クラッチレバー305が回動操作される。更に、前記植付クラッチレバー305の端部に左右に軸芯を有する筒状の枢支部313が固設され、該枢支部313の左右両側より連動ピン314が挿入可能となっている。該連動ピン314は一側端部が枢支部313の孔より大きくなった頭部314aが形成され、連動ピン314の途中部にピン孔が開口され、抜け止め用のピンが挿入可能となっている。
【0009】そして、前記枢支部313の左側(紙面右側)より連動ピン314を挿入すると、該連動ピン314で油圧調整レバー306基部側端部が係合され、油圧調整レバー306の操作が不能となっている。逆に、前記連動ピン314を枢支部313の右側(紙面左側)より組み付けることで、油圧調整レバー306と植付クラッチレバー305とを個別に操作可能となるのである。このように連動ピン314の挿入方向を変えるといった簡単な構成において、二本のレバーを連動したり、独立に操作することができるのである。
【0010】また、図1、図2に示すように、前記ミッションケース3の下部両側より走行駆動軸10・10が突出され、該走行駆動軸10・10に後走行駆動ケース12・12が上下回動自在に枢支されている。該後走行駆動ケース12内の走行駆動軸10上にはスプロケットが固設され、後走行駆動ケース12の他側に車軸14が軸支されて、該後走行駆動ケース12内の車軸14上にはそれぞれスプロケットが固定され、走行駆動軸10よりスプロケット、チェーンを介して車軸14とともに走行駆動輪16が駆動できるようにしている。
【0011】また、前記エンジンフレーム2前部に支持フレーム19が横架され、該支持フレーム19両端部に前輪15を支持する前輪支持体52・52が回動自在に枢支されている。前記前輪支持体52と後走行駆動ケース12とが図示せぬ連結ロッドを介して連動連結されている。さらに、後走行駆動ケース12上部には、上下動操作ロッド91の一端が連結され、上下動操作ロッド91の他端が図示せぬ昇降駆動ユニットに連結され、該昇降駆動ユニットを駆動することで機体を上下に昇降させることができる。
【0012】また、前記走行駆動輪16と、前輪15とが左右トレッド幅を変更可能に設けられている。図4に示すように、走行駆動輪16の中心部のボス16aが車軸14上を左右にスライドして適所位置で固定ピン319を用いて固定されている。前記車軸14には、複数のピン孔14a・14a・・・が開口されている。該ピン孔14a・14a・・・は、車軸14の軸芯方向に一定の間隔を開けて開口され、また、その隣合うピン孔14a・14aの軸芯を90°位相をずらして開口されている。このように構成することは、同一方向にピン孔を開口した場合に比べて車軸14が一方向への曲げに対して弱くなることがないので、隣合うピン孔320a・320aの間隔を狭めることができ、走行駆動輪16・16のトレッドを細かく調整することができる。
【0013】同様に、前記前輪支持体52・52端部に支持フレーム19上を左右にスライドするボス52aが設けられ、該ボス52aを固定ピン321を用いて支持フレーム19上の適所位置に固定することができる。図5に示すように、支持フレーム19の端部に複数のピン孔19a・19a・・・を開口し、その隣合うピン孔19a・19a・・・の軸芯を90°位相をずらして開口させることで、ピン孔19a・19a間隔を狭めても支持フレーム19の剛性を高く保つようにしている。従って、前記走行駆動輪16及び前輪15のトレッドを移植する作物の畝幅に合わせて正確に調整することができ、野菜移植機の汎用性を向上することができるのである。
【0014】また、前記ミッションケース3内で走行変速された動力が株間変速装置であるベルト式無段変速装置に伝達され、移植爪31や苗取り駆動力として伝達されている。本実施例において、ベルト式無段変速装置を構成する駆動プーリ250と従動プーリ251との両方が割りプーリとして構成されている。
【0015】即ち、前記従動軸261途中部の外周面上に筒状のカム筒254が固設され、該カム筒254内に従動プーリ251を軸支する従動軸261が配置されている。前記カム筒254の側部に傾斜部254aが形成されている。一方、前記従動軸261の外端部(紙面左端部)に従動プーリ251の固定片251aが嵌合されている。前記従動軸261外周面の途中部に筒状の摺動体256が摺動自在にスプライン嵌合され、該摺動体256の外方端部に従動プーリ251の摺動片251bが固設され、摺動体256が従動軸261上を左右に摺動させることで、従動プーリ251の固定片251aと摺動片251bとの間隔を調整可能としている。図中の従動プーリ251の下側のように固定片251aと摺動片251bとの間隔を狭めて、巻回するベルト252の半径を大きくしている。逆に図中の従動プーリ251の上側のように固定片251aと摺動片251bとの間隔を広げて、巻回するベルト252の半径を小さくしている。
【0016】更に、前記摺動体256外周面にベアリング257を介してボス体258が枢支され、該ボス体258の内側(紙面右側)端部に傾斜部258aを形成し、該傾斜部258aと前記カム筒254側の傾斜部254aとを当接させてカムが形成されている。また、前記ボス体258外周面よりアーム258bが突設され、該アーム258bに第一ワイヤー260を介して後述する株間変速レバー70に連動連結され、アーム258b途中部にトグルバネ259の一端が係止されている。
【0017】また、割りプーリとした前記駆動プーリ250の固定片250aは駆動軸253外端部(紙面左側端部)に嵌合されている。前記駆動プーリ250の摺動片250bは、駆動軸253外周面の途中部に筒状の摺動体262がスプライン嵌合され、該摺動体262外端部に摺動片250bが固設されている。更に、前記摺動体262外周面の途中部に当接部262aが形成され、該当接部262aと駆動軸253途中部に固設した受け皿体263との間にコイルバネ264が配置され、摺動体262を紙面左方に付勢している。前記駆動プーリ250の摺動片250bを固定片250a側に移動させると、駆動プーリ250紙面下側の如く、間隔を狭めてベルト252を巻回する半径を大きくし、従動側の回転数を増加させている。
【0018】また、この駆動プーリ250の外周側よりベルト252を押圧可能にローラー265が配置されている。該ローラー265はアーム266の一端に枢支され、他端が第二ワイヤー268を介して前記株間変速レバー70に連動連結されている。
【0019】そして、株間変速レバー70が株間を長くする側に操作されると、第一ワイヤー260が引っ張られることがなく、前記従動プーリ251のトグルバネ259の付勢力によってボス体258を回動され、ボス体258の傾斜部258aがカム筒254側の傾斜部254aにガイドされるのでボス体258が紙面左方に移動し、従動プーリ251の摺動片251b紙面左方(固定片251a側)に移動して、従動プーリ251の紙面下側に示すように間隔が狭められ、従動プーリ251に巻回するベルト252半径が大きくなり、従動側の回転数を減少させている。
【0020】また、前記第二ワイヤー268、アーム266を介してローラー265がベルト252を押圧し、駆動プーリ250の紙面上方のように摺動体262が紙面右側に移動してベルト252への回転数の伝達を少なくして移植爪31等の駆動速度を減速して株間を長くするようにしている。
【0021】逆に、前記株間変速レバー70を株間を短くする側に操作すると、第一ワイヤー260が引っ張られてボス体258を逆側に回動操作し、傾斜部258aが傾斜部254aにガイドされながらボス体258及び摺動片251bを紙面右側へ移動可能となり、ベルト252のテンションによって摺動片251bが紙面右側へ移動し、従動プーリ251の紙面上側に示すように間隔が広げられ、従動プーリ251に巻回するベルト252半径が小さくなり、従動側の回転数を増加している。
【0022】また、第二ワイヤー268、アーム266を介してローラー265がベルト252を押圧する力がなくなり、駆動プーリ250の紙面上方のように摺動片251bが紙面右側に移動してベルト252を巻回する半径を小さくし、駆動プーリ250からベルト252への回転数を増加して移植爪31等の駆動速度を増速して株間を短くするようにしている。このように、駆動プーリ250及び従動プーリ251との両方が割プーリとなり株間変速の変速比を大きくすることができ、小型のプーリを使用することができ株間変速機構全体を小型化することができる。
【0023】尚、前記株間変速レバー70と連動連結する第一ワイヤー260は、従動プーリ251側に連動連結する構成に限定するものでなく、図8、図9に示すように、駆動プーリ250の摺動体262にボス体258’を枢支し、該ボス体258’外周面にアーム258’bを突設して第一ワイヤー260を締結し、該ボス体258’をカムを用いて駆動軸253の軸芯方向に摺動させて、駆動プーリ250の摺動片250bと固定片250aとの間隔を調整可能とすることもできる。この場合には、従動プーリ251側の摺動体256がコイルバネ264’で付勢され、摺動体256上の摺動片251bが紙面左方(固定片251a方)へ移動可能に付勢されている。この従動プーリ251の外周面にローラー265’を配置し、第二ワイヤー268を介して株間変速レバー70と連動連結させている。この構成においても、駆動プーリ250及び従動プーリ251との両方が割プーリとなり株間変速の変速比を大きくすることができ、小型のプーリを使用して株間変速機構全体を小型化することができる。
【0024】また、前記駆動プーリ250’の別形態として、図10に示すように構成することもできる。この形態では、従動プーリ251側に第一ワイヤー260を連動し、駆動プーリ250側の外周側にローラーを配置して駆動プーリ250の間隔を調整する構成としている。前記駆動プーリ250’は駆動軸253の途中部に円板状の固定体270を固設し、該固定体270の外周側面に筒体271を固設している。該筒体271外周面に駆動プーリ250’の固定片250’aを固設し、筒体271内周面に駆動軸253の軸芯方向に摺動自在に摺動筒272外周面をスプライン嵌合し、該摺動筒272外端部に駆動プーリ250’の摺動片250’bを固設している。
【0025】さらに、前記摺動筒272内周面の紙面右端部に当接部272aを形成し、該当接部272aと駆動軸253端部に固設した受けプレート273との間にコイルバネ274を配置して、摺動筒272を介して摺動片251’bを固定片251’a側に付勢している。また、前記駆動プーリ250’の外周面に図示せぬローラーを配置し、ベルト252を押圧して摺動片250’bと固定片250’aとの間隔を調整するようにしている。
【0026】この場合に株間を短くする側に操作されると、従動プーリ251の紙面上方のように間隔が広がり、これに対応して駆動プーリ250の紙面下方のように間隔が狭められ、従動軸261を高回転させている。この時、駆動プーリ250と従動プーリ251とで巻回するベルト252位置が左右にズレることなく正確に動力伝達するようにしている。
【0027】そして、株間を長くする側に操作すると、従動プーリ251の紙面下方のように摺動片251bが紙面左方に移動してベルト252も若干左へ移動されている。この時、駆動プーリ250’の紙面上方のように左外側に設けた摺動片250’bが左方へ移動してベルト252の巻回する位置が従動プーリ251側に合わせて左方に移動するので、ベルト252位置が左右にズレることなく正確に動力伝達するようにしている。このように、駆動プーリ250’及び従動プーリ251との両方が割プーリとしても、ベルト252の巻回する左右位置がズレることがなく、ベルト252の磨耗により駆動力をロスすることがなく、動力伝達率の向上を図ることができる。
【0028】また、図1、図2に示すように、ハンドルフレーム1の前後中央部の間に移植爪31の昇降開閉機構32が配置され、また、前記ミッションケース3の後方に下部フレーム37を突出し、該下部フレーム37の後下部に覆土輪39を配置され、後述する苗取爪66によって、苗トレーから苗を一つずつ移植爪31に搬送して、該移植爪31を下降して畝上で開き落下させて植え付け、覆土輪39によって両側の土を押さえつけて移植している。また、前記覆土輪39の上方に主変速レバー73や株間変速レバー70、植深さレバー、覆土圧調整レバー等を有する第二操作部が配設されている。
【0029】前記主変速レバー73は、前後左右に操作可能に設けられている。図11、図12に示すように、前記ハンドルフレーム1の後下部に第二動作部としての操作ガイドパネル330が固設され、前記主変速レバー73等が操作可能にガイドされている。前記操作ガイドパネル330前下方のハンドルフレーム1後下部にブラケット324を介して基部プレート325が固設され、該基部プレート325にボス326が固設され、該ボス326内に回動自在に略筒状の操作支持部327が枢支され、さらにこの筒状の操作支持部327内に略前後方向に摺動自在に操作軸331が挿入されている。前記操作支持部327外周面より上方にアーム328を突設し、該アーム328上部に左右向きに横架する支軸329に主変速レバー73基部が枢支されている。更に、該主変速レバー73基部より下方に連結アーム330を突設し、該連結アーム330下端部に操作軸331の後端部に横設した水平ピン332が遊嵌されている。
【0030】従って、図2に示すように、前記操作ガイドパネル330に形成した「H」字状のガイド溝330aに沿って主変速レバー73を左右に操作すると、連結アーム330を介して操作軸331が回動操作され、主変速レバー73を上下に操作すると連結アーム330が支軸329を中心に回動して、操作軸331が略前後に移動操作されている。即ち、「H」字状の前記ガイド溝330aに沿って主変速レバー73を四位置に操作しても、各位置への操作が操作軸331の回動と前後摺動に操作伝達が変換され、該操作軸331よりミッションケース3内に正確に伝達でき、主変速レバー73を直線上に操作するに比べて誤操作することのない構成となっている。
【0031】また、図1、図2に示すように、本発明において前記ミッションケース3の上方に図示せぬステー等を介して苗送り駆動ケース84が配置され、重量の嵩む苗送り駆動ケース84を前後方向の重心位置に近い位置に配置でき機体の前後バランスが良好に保たれている。更に、前記苗送り駆動ケース84左右側面より後方に伝動フレーム340・341を突設し、該伝動フレーム340・341後部に苗載台34を左右スライド自在に支持している。
【0032】また、前記苗送り駆動ケース84には、ミッションケース3よりチェーン342を介して苗送り駆動ケース84左側面に軸支した入力スプロケット343に駆動力を伝達するようにしている。前記苗送り駆動ケース84内には、横送り駆動変速機構と縦送り駆動変速機構とが収納され、苗送り駆動ケース84左側面に固定した前記伝動フレーム340内に横送り駆動力を伝達し、苗送り駆動ケース84右側面に固定した前記伝動フレーム341内に縦送り駆動力を伝達するようにしている。更に、苗送り駆動ケース84左側の後方に苗取爪駆動機構220が配置され、苗送り駆動ケース84より図示せぬチェーンを介して苗取り駆動と同調した動力が伝達され、該苗取爪駆動機構220の右側(機体の左右中央位置)に配置する苗取爪66が苗取り駆動されている。
【0033】前記伝動フレーム340は、苗送り駆動ケース84左側面より左方に突設する筒状の横フレーム340aと、該第一フレーム340a左端部より後方に突設する第二フレーム340bとで構成され、第二フレーム340b後部に枢結プレート344が固設されている。
【0034】同様に、前記苗送り駆動ケース84右側面に固設した前記伝動フレーム341も右側に突設する第一フレーム341aとその端部より後方に伸延する第二フレーム341bとで構成され、該第二フレーム341b後端内側(左側)に前記枢結プレート344と対となる枢結プレート345が固設されている。前記伝動フレーム341後端側方の枢結プレート344と枢結プレート345前部間に縦送り駆動軸123が軸支され、伝動フレーム341内に軸支した伝動軸352・353とベベルギヤ機構を介して縦送り駆動軸123と連動され、苗送り駆動ケース84から縦送り駆動力が伝達されている。また、前記枢結プレート344と枢結プレート345後部間に横送り軸85が軸支され、該横送り軸85の左端部が伝動フレーム340後端部内に挿入され、伝動フレーム340内に軸支した伝動軸350・351とベベルギヤ機構を介して連動され、苗送り駆動ケース84から横送り駆動力が伝達されている。
【0035】そして、前記横送り軸85と縦送り駆動軸123とで苗載台34が左右にスライド自在に支持されている。前記苗載台34は、苗トレイを載置する案内板120、案内板120の左右側部を支持する側部フレーム121、側部フレーム121前部に遊嵌される駆動スプロケット126、側部フレーム121の前後途中部に軸支される従動スプロケット125等より構成されている。
【0036】前記従動スプロケット125と駆動スプロケット126との周りにチェーン127が巻回され、チェーン127の途中位置より内側に図示せぬ押動ピンが突出され、該押動ピンが苗トレイの前後のポット穴の間位置に挿入されている。前記チェーン127を駆動させると、押動ピンによって、苗トレイのポット穴を後方より前方に押動して、苗載台34周囲に設けた上部押さえ杆131と案内板120との間を通り、苗トレイが縦送り駆動軸123の回動によって縦送りされ、苗の抜き取られた後の苗トレイが下部押さえ杆132上に送られる。
【0037】そして、前記駆動スプロケット126中心部に多角形状に形成した縦送り駆動軸123が摺動自在に嵌入され、駆動スプロケット126を介してチェーン127を駆動して縦送り駆動を伝達するとともに、苗載台34前部がスライド自在に嵌合されている。また、前記側部フレーム121の途中部に前記横送り軸85が摺動自在に挿入され、苗載台34の前後途中部が支持されている。更に、横送り軸85の回動に従って左右にスライドするスベリ子85aが苗載台34に係合されている。
【0038】従って、前記縦送り駆動軸123及び横送り軸85の両送り軸を介して前記縦送り駆動軸123及び横送り軸85へ駆動力を伝達する伝動フレーム340・341が苗載台34の支持フレームとして兼用されるので、フレーム構成をシンプルにすることができ、従来のように機体側に剛性の高いメインフレームを設ける必要がなく、コストの低減化を実現することができる。また、従来のように苗載台34の外部にガイド枠等の支持部材を設ける必要がなくなり苗載台34の周囲の簡素化が図られる。特に、苗載台34内に横送り軸34を配置してスベリ子85aと係合する部分が苗載台34の外部に設けられることがなくなるので、苗載台34の外側周囲の空間を有効に利用することができ、苗取爪66のレイアウトが制限されることがなくなり、設計の自由度が増大され効率の良いレイアウトを実現するこができる。また、縦送り駆動と横送り駆動との両駆動伝達経路が、前記伝動フレーム340・341内を通すことで外部に露出されることがないので駆動系が保護されている。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。即ち、請求項1記載のように、走行駆動変速と苗取り駆動変速とを行うミッションケースを機体の前後中央部に配置し、該ミッションケースから出力される駆動力を横送り駆動変速及び縦送り駆動変速して苗載台に伝達して苗載台上の載置される苗トレーを縦送りするとともに苗載台を左右に往復動させる野菜移植機において、前記ミッションケースの上方に横送り駆動変速及び縦送り駆動変速を行う変速機構を収納する駆動ケースを配置したので、重量の嵩むミッションケースの上方の前後方向の重心位置に近い位置に苗取駆動変速機構を収納した駆動ケース配置され、機体の前後バランスが良好に保たれ、野菜移植機の走行性が向上され、旋回操作時の機体の取りまわし操作が向上されている。
【0040】また、請求項2記載のように、走行駆動変速と苗取り駆動変速とを行うミッションケースを機体の前後中央部に配置し、該ミッションケースから出力される駆動力を横送り駆動変速及び縦送り駆動変速して苗載台に伝達して苗載台上の載置される苗トレーを縦送りするとともに苗載台を左右に往復動させる野菜移植機において、横送り駆動変速及び縦送り駆動変速を行う変速機構を駆動ケースに収納し、該駆動ケースの左右両側面より後側方にフレームを突設し、該フレーム後部間に苗載台を左右に摺動自在に支持させたので、駆動ケースに対して苗載台の位置が安定され、駆動ケースから苗載台へ横送り駆動変速及び縦送り駆動変速を確実に伝達することができる。
【0041】また、請求項3記載のように、前記駆動ケース左右両側面より後側方に突設する一方のフレーム後部に縦送り駆動軸を軸支し、他方のフレーム後部に横送り軸を軸支し、それぞれのフレーム内の伝達機構を介して駆動されたので、苗載台を支持するフレームを動力伝達用のフレームとして兼用され、フレーム構成をシンプルにすることができ、部品点数を削減してコストの低減化を実現することができ、さらには苗載台の周囲の簡素化が図られ、苗載台上の苗トレイより苗を取り出す苗取爪等の配置が制限されることなく効率の良いレイアウト構成とすることができる。また、縦送り駆動と横送り駆動との両駆動伝達経路を前記フレーム内を通すことで外部に露出されることがないので駆動系が保護されている。
【0042】また、請求項4記載のように、縦送り駆動軸と横送り軸とで苗載台を摺動自在に支持するとともに苗送り駆動を伝達するようにしたので、苗載台を摺動自在に支持する部材として兼用することができ、従来のように苗載台外部に別のガイド部材を無くすことができ、部品点数を削減してコストの低減化を実現することができる。また、横送り軸が苗載台内のガイド部材として内部に摺動自在に挿入されるので、苗載台の外側周囲の空間を有効に利用することができ、苗載台上の苗トレイより苗を取り出す苗取爪等の配置に制限がなくなり、効率の良いレイアウト構成とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成10年8月20日(1998.8.20)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2000−60231(P2000−60231A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−234534