| 【発明の名称】 |
植生シート |
| 【発明者】 |
【氏名】大西 昭行
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| 【要約】 |
【課題】不溶性の材質を一切使用しなくともシート敷設時及び施工初期において必要な強度を備え、発芽に必要な水分をシート内に保持することができ、しかも発芽の邪魔をしない構成の植生シートを提供する。
【解決手段】植生シート1は、保水性及び水脆弱性を備える材質の厚紙本体2の両面に水脆弱性薄紙3を貼着してなり、厚紙本体2には適宜間隔で播種孔4が穿設してある。この播種孔4内には所定の植物種子5を収容する。植生シート1を法面に敷き並べる際には、播種孔を利用して木製釘を打ち込んで固定する。この植生シート1は、少なくとも両面を水脆弱性薄紙3で覆っているため、設置直後の風雨による種子の散逸や流出を防止することができ、種子の偏在や無秩序な繁殖も防止できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 法面の植生を行う植物種子が播種された植生シートにおいて、種子発芽時に必要な水分を保持することが可能で、しかも吸水により脆弱化する材質よりなる厚紙本体に適宜間隔で播種孔を穿設し、この厚紙本体の両面に水脆弱性薄紙を貼着して収納空間を形成すると共に各播種孔内に植物種子を内蔵することを特徴とする植生シート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、法面を緑化して表層の土砂流出防止及び景観保護を図るための植生シートに関する。 【0002】 【従来の技術】土地開発や災害等で形成された法面は、早期に緑化してその表面・表層を保護する必要があるが、従来はこのような法面緑化をいわゆる種子吹付け工法で行っていた。種子吹付け工法は水に、種子、肥料、ファイバーあるいは土等を混合し、これらをポンプや吹付けガンによって法面全体に吹付ける工法であったが、散布中の種子の分布が不均一になったり、又吹付け直後の雨水等で流出してしまう欠点があった。 【0003】このため、例えば特公平7−14285号公報に記載されるような植生シートが提案されてきた。この従来の植生シートは、水溶性又は水脆弱性シートである上下2枚のシート内に種子及び粒状化成肥料を挟持して接着し、これを補強用ネットで支持する構成のものであった。上下シートはPVA(ポリビニールアルコール)等の水溶性フィルムか、水脆弱性の不織布、紙等の材質のもので、設置後の降雨にて種子及び肥料が法面に接着可能なものが採用されていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の植生シートは、その基材である上下シートが施工時及び施工初期に必要とされる強度を満たさないため、別途補強用ネットが必要であった。これは、発芽時に強い強度を保有する上下シートが存在すると苗の発育が望めなくなるからであり、又発芽に必要な水分は法面から吸収しなければならない点からもシートは設置後直ちに破れる弱いシートの方が望ましかったからである。このため、従来の植生シートは、種子を保持する基材には分解可能な材質を用いても、不溶性の補強ネットが存在するため、全ての素材を自然に還元し得るものではなかった。又、基材に発芽に必要な水分を十分には保有できない構造であったため、法面の湿潤程度が低い場合には、定期的な散水を行わないと発芽しない恐れもあった。 【0005】この発明は、上記のような従来の植生シートが有する問題点を解消すべくなされたものであり、不溶性の材質を一切使用しなくともシート敷設時及び施工初期において必要な強度を備え、又発芽に必要な水分をシート内に保持することができ、しかも発芽の邪魔をしない構成の植生シートを提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、この発明の植生シートは、種子発芽時に必要な水分を保持することが可能で、しかも吸水により脆弱化する材質よりなる厚紙本体に適宜間隔で播種孔を穿設し、この厚紙本体の両面に水脆弱性薄紙を貼着して収納空間を形成すると共に各播種孔内に植物種子を内蔵することを特徴とするものである。 【0007】厚紙本体としてはパルプを単一化したり、それに近い状況に古紙を加工して作成する。又強度と保水性を持たせるため、本体の厚さは一般には2mm以上とするが種子の性状により適宜その厚さを定める。厚紙本体はその保水性と吸水により脆弱化する性質を備えることで、軟らかい土の代用としての役割を果たし発根を促す。又播種孔の間隔は、植生する草木の種類に応じ定める。播種孔の両端を覆う水脆弱性薄紙は、種子の発芽で容易に破れる弱い強度のものを用いる。 【0008】この植生シートは法面に敷き並べながら移動しないように数箇所木製の釘を打ち込んで止める。敷設後シート上に散水して、厚紙本体に十分な水分を供給することで発芽を促進させる。植生シートは、植物の生育に伴い徐々に脆弱化し、最終的にはバクテリア等の作用によって分解され法面に同化する。 【0009】 【発明の実施の形態】次にこの発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は植生シートの斜視図、図2は同一部拡大断面図である。植生シート1は、保水性及び水脆弱性を備える材質の厚紙本体2の両面に水脆弱性薄紙3を貼着してなり、厚紙本体2には適宜間隔で播種孔4が穿設してある。この播種孔4内には所定の植物種子5を収容する。 【0010】ここで厚紙本体2は、古紙を再利用するものが望ましい。なお、古紙のシュレッダーとしては図3に示す構成の紙片破砕処理装置を用いるのが望ましい。この紙片破砕処理装置101は、紙片を細断せずに再利用可能な状態の紙片破砕を行えるもので、筒状のケーシング102と、このケーシング102内に平行に軸支される一対の回転軸103,103とを有し、それぞれの回転軸103,103は投入される紙片104を巻き込む方向に相互に異なる回転速度で回転する。 【0011】この紙片破砕処理装置101では投入された紙片104を切断せずに引き裂くので紙繊維を微細化する恐れがない。又引き裂かれた紙片104は、排出されるまでに凝縮貯留され、次第に揉みほぐされ細粒化していくが、紙繊維の強度、長さが保持されるため再利用しやすい。 【0012】次にこのシュレッド紙を用いて植生シートを作成する手順を説明する。シュレッド紙は粘結剤(ベントナイト)と共にその量を測定し、脱水機内に水をためて両者を投入する。これらを撹拌してシュレッド紙を繊維化し、シュレッド紙と粘結剤を充分に混ぜ合わせる。その後脱水機の水を抜き、播種孔形成用の突起を設ける網上に原料のシートを作成する。脱水機内から網とその上にできたシートを取り出し、脱水した後離網し、乾燥させる。シート片面に糊を塗り水脆弱性薄紙であるロール紙を貼り付ける。播種孔に種子を入れた後、上面に同様なロール紙を貼付け、糊が乾燥するまで自然乾燥させる。 【0013】このようにして作成した植生シート1を法面6に敷き並べる際には、図4に示すように播種孔を利用して木製釘7を打ち込んで固定する。この植生シート1は、少なくとも両面を水脆弱性薄紙3で覆っているため、設置直後の風雨による種子の散逸や流出を防止することができ、種子の偏在や無秩序な繁殖も防止できる。なお、この植生シートは法面に限らず、平面でも利用することができ、家庭用の苗床シートとしても活用可能である。 【0014】 【発明の効果】以上説明したように、この発明の植生シートは、吸水により脆弱化する厚紙本体と水脆弱性薄紙より構成されるので、水に溶けない材質のものが無く、全ての素材を自然に還元することができる。しかもシート敷設時及び施工初期において必要な強度を備えるため施工管理も容易である。又厚紙本体は、発芽に必要な水分を保持できるため、設置時に所定の散水を行えば法面の湿潤程度が低い場合でも容易に発芽させることができる。又種子は水脆弱性薄紙に覆われているため、発芽迄の散逸が防止できると共に、発芽時には容易にこれを破ることができるため芽や根を抵抗なく伸長させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】392021573 【氏名又は名称】日立造船富岡機械株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月21日(1998.7.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098453 【弁理士】 【氏名又は名称】飯郷 豊
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| 【公開番号】 |
特開2000−32809(P2000−32809A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月2日(2000.2.2) |
| 【出願番号】 |
特願平10−221022 |
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