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【発明の名称】 乗用田植機
【発明者】 【氏名】伊谷 一明

【氏名】加藤 裕一

【要約】 【課題】支柱部材(56)を介して施肥機(36)を高位置に上昇させ、施肥機(36)下側の繰出ケース(47)部の掃除、並びに施肥機(36)のホッパー(46)下部からの残留肥料の取出などの作業を容易に行える。

【解決手段】走行車(1)後側に植付部(15)を装設させると共に、走行車(1)後部で植付部(15)前側に施肥機(36)を設ける乗用田植機において、走行車(1)後部に前記施肥機(36)を昇降自在に取付けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車後側に植付部を装設させると共に、走行車後部で植付部前側に施肥機を設ける乗用田植機において、走行車後部に前記施肥機を昇降自在に取付けたことを特徴とする乗用田植機。
【請求項2】 施肥機の繰出ケースの前後に設ける一組の支柱部材を左右に対称に配設させたことを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機。
【請求項3】 走行車の車体フレーム左右幅と施肥機のベースフレーム左右幅を略同じ寸法に形成すると共に、前記ベースフレーム両側部に左右支柱部材を立設させたことを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機。
【請求項4】 施肥機の2条分の繰出ケースを挾んで両側部に左右支柱部材を配設させたことを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機。
【請求項5】 施肥機を上昇位置及び下降位置で支柱部材に固定させるロック部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば苗載台及び植付爪を備えて連続的に苗植作業を行う乗用田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、実開平3−18714号公報に示す如く、走行車後側にリンク機構を介して植付部を昇降自在に装設させると共に、走行車後部で植付部前側に施肥機を設ける技術があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、走行車の所定位置に施肥機を固定させていたから、施肥機または周辺の保守修理を行うとき、施肥機を取外す分解作業を行う必要があり、例えば繰出ケース部の掃除などが極めて面倒であると共に、作業終了時にホッパーの残留肥料と取出すシュートを高位置に設ける必要があり、ホッパー位置が高くなり、またホッパー底部に肥料が残り易く、肥料の吸水固結によって次回作業時に肥料詰りを発生する等の問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、走行車後側に植付部を装設させると共に、走行車後部で植付部前側に施肥機を設ける乗用田植機において、走行車後部に前記施肥機を昇降自在に取付けたもので、田植作業と同時に行う施肥作業時に支柱部材を介して低位置に安定良く下降支持し得ると共に、支柱部材を介して施肥機を高位置に上昇支持させることにより、施肥機下側の繰出ケース部の掃除、並びに施肥機のホッパー下部からの残留肥料の取出などの作業を、走行車の運転席側から容易に行い得るものである。
【0005】また、施肥機の繰出ケースの前後に設ける一組の支柱部材を左右に対称に配設させたもので、施肥機の重心位置を囲む四方を4個所の支柱部材によって支持し得、施肥機の前後及び左右の傾動を規制してスムーズな昇降動作を容易に得られるものである。
【0006】また、走行車の車体フレーム左右幅と施肥機のベースフレーム左右幅を略同じ寸法に形成すると共に、前記ベースフレーム両側部に左右支柱部材を立設させたもので、走行車機体左右幅内に支柱部材を配置させて軽量コンパクトに構成し得、作業者の肥料補給作業空間などを容易に確保し得ると共に、前記車体フレームの左右方向全幅を利用して施肥機を安全良く支持し得、また施肥機支持構造のコンパクト化などを容易に図り得るものである。
【0007】また、施肥機の2条分の繰出ケースを挾んで両側部に左右支柱部材を配設させるもので、2条分の繰出ケースを1ユニットとして偶数多条用の施肥機を容易に搭載し得ると共に、作業者が握る昇降操作用取手を左右支柱部材に接近させて配設し得、施肥機の昇降操作性の向上などを容易に図り得るものである。
【0008】また、施肥機を上昇位置及び下降位置で支柱部材に固定させるロック部材を設けたもので、施肥機を上昇または下降位置に確実に係止し得、施肥機の昇降誤動作を防いで安全に取扱い得るものである。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はリヤアクスルケース部の側面図、図2は乗用田植機の側面図、図3は同平面図を示し、図中(1)は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン(2)を車体フレーム(3)前部上方に搭載させ、ギヤ変速ケース(4)前方にフロントアクスルケース(5)を介して水田走行用前輪(6)を支持させると共に、前記ギヤ変速ケース(4)の後部にリヤアクスルケース(7)を連設し、前記リヤアクスルケース(7)に水田走行用後輪(8)を支持させる。そして前記エンジン(2)等を覆うボンネット(9)両側に予備苗載台(10)を取付けると共に、ステップ(11)を介して作業者が搭乗する車体カバー(12)によって前記ギヤ変速ケース(4)等を覆い、前記車体カバー(12)上部に運転席(13)を取付け、その運転席(13)の前方で前記ボンネット(9)後部に操向ハンドル(14)を設ける。
【0010】また、図中(15)は6条植え用の苗載台(16)並びに複数の植付爪(17)などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台(16)を下部レール(18)及びガイドレール(19)を介して植付ケース(20)に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース(21)を前記植付ケース(20)に支持させ、該ケース(21)の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース(22)(22)を配設し、その爪ケース(22)(22)先端に植付爪(17)(17)を取付ける。また前記植付ケース(20)の前側にローリング支点軸(23)を介して支持フレーム(24)を設け、トップリンク(25)及びロワーリンク(26)を含む三点リンク機構(27)を介して走行車(1)後側に支持フレーム(24)を連結させ、前記リンク機構(27)を介して植付部(15)を昇降させる昇降シリンダ(28)をロワーリンク(26)に連結させ、前記前後輪(6)(8)を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台(16)から一株分の苗を植付爪(17)によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0011】また、図中(29)は主変速レバー、(30)は植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー、(31)は植付け感度調節レバー、(32)は主クラッチペダル、(33)(33)は左右ブレーキペダル、(34)は2条分均平用センターフロート、(35)は2条分均平用サイドフロート、(36)は6条用の側条施肥機である。
【0012】さらに、図4、図5、図6に示す如く、左右一対の四角筒形の前記車体フレーム(3)(3)前部にエンジン(2)を搭載し、前車軸(37)(37)を介して左右前輪(6)(6)を軸支させるフロントアクスルケース(5)をエンジン(2)後方の車体フレーム(3)(3)下面に取付け、フロントアクスルケース(5)後方の左右車体フレーム(3)(3)間に無段ベルト変速ケース(38)を設け、無段変速ケース(38)後方の左右車体フレーム(3)(3)間にギヤ変速ケース(4)を設けると共に、後車軸(39)(39)を介して左右後輪(8)(8)を軸支させるリヤアクスルケース(7)を左右車体フレーム(3)(3)後端下面に固設させ、エンジン(2)出力を各変速ケース(38)(4)を介して各アクスルケース(5)(7)に走行駆動力として伝達させ、前後輪(6)(8)を駆動するように構成している。
【0013】また、正面視門形のリフトフレーム(40)両端を左右車体フレーム(3)(3)後端上面に溶接固定させ、車体フレーム(3)中間のブレーキペダル受軸(41)と、車体フレーム(3)上に立設させるリフトフレーム(40)中間の間に、前低後高に傾斜させるサブフレーム(42)(42)を架設させると共に、サブフレーム(42)(42)間に昇降シリンダ(28)を取付け、またトップリンク(25)及びロワーリンク(26)で形成するリンク機構(27)を各フレーム(3)(40)(42)を介して取付け、昇降シリンダ(28)によってリンク機構(27)を揺動させて植付部(15)を昇降させるように構成している。
【0014】さらに、前ステップ(43)及び後ステップ(44)及び後カバー(45)によって前記車体カバー(12)を3分割に分離自在に形成し、後カバー(45)を取外して該部に前記施肥機(36)を装設させるもので、肥料を入れるタンク(46)、肥料を定量供給する繰出ケース(47)、フロート(34)(35)の側条施肥シュート(48)にフレキシブル形送出パイプ(49)を介して肥料を排出させる送風ターボファン(50)と、円筒形の施肥本体フレーム(51)とを、前記施肥機(36)に備えると共に、開閉自在な蓋(52)によって施肥本体フレーム(51)右側開口を閉塞し、施肥本体フレーム(51)左側端にターボファン(50)を取付け、6条分の6組の繰出ケース(47)…と送出パイプ(49)…を施肥本体フレーム(51)に配設させている。
【0015】さらに、図1、図6、図7、図8に示す如く、前記車体フレーム(3)後端部でリンクフレーム(40)上側にベースフレーム(53)を取付け、左右方向に横架させる前記ベースフレーム(53)を介して施肥機(36)を設けると共に、左右一対のサイドステー(54)(54)と前記ベースフレーム(53)の背面視門形フレーム構造を介して施肥機(36)を設けるもので、リンクフレーム(40)上側の左右サブフレーム(42)(42)後端上面にベースフレーム(53)中間下面をボルト止め固定させ、ベースフレーム(53)左右側端に左右サイドステー(54)(54)上端をボルト止め固定させ、左右車体フレーム(3)(3)後端のブラケット(55)(55)に左右サイドステー(54)(54)下端をボルト止め固定させている。
【0016】また、略水平に横架させる平面視H形のベースフレーム(53)両側に支柱部材である昇降レール(56)…を立設させ、前後一組左右二対の4本の該昇降レール(56)(56)(56)(56)を介して施肥機(36)を昇降自在に取付けると共に、弾性上昇部材である左右一対の2本のガススプリング(57)(57)と施肥本体フレーム(51)による門形フレーム構造によって昇降自在に施肥機(36)を取付け、車体フレーム(3)後端部に配置させるリヤアクスルケース(7)により施肥機(36)重量を支持させるもので、図8にも示す如く、左右昇降レール(56)(56)に対向させる軸受板(58)(58)を前記施肥本体フレーム(51)に溶接固定させ、前記レール(56)に転動自在に嵌込むベアリングローラ(59)…を軸受板(58)に回転自在に軸支させ、前後2本のレール(56)(56)を左右対称に2組設け、1本のレール(56)に対して上下2個のローラ(59)(59)を取付け、施肥本体フレーム(51)を4本のレール(56)と8個のローラ(59)…によってベースフレーム(53)に昇降自在に支持させている。前記のように、施肥機(36)の繰出ケース(47)の前後に設ける一組の支柱部材である昇降レール(56)(56)を左右に対称に配設させたもので、施肥機(36)の重心位置を囲む四方を4個所(4本)の昇降レール(56)…によって支持でき、施肥機(36)の前後及び左右の傾動を規制してスムーズな昇降動作を容易に得ることができるものである。
【0017】また、前記ガススプリング(57)の下端を前記ブラケット(55)に連結させ、前記軸受板(58)にガススプリング(57)上端を連結させ、前記レール(56)とガススプリング(57)を略平行に設けると共に、施肥機(36)の前後幅方向の重心位置にガススプリング(57)を連結させるもので、施肥機(36)の重量と略等しいかまたは若干小さい伸張力をガススプリング(57)が有するように構成している。このように、走行車(1)の後部にリヤアクスルケース(7)を介して後輪(8)を装設させる乗用田植機において、左右一対の弾性上昇部材であるガススプリング(57)(57)を介して前記リヤアクスルケース(7)上に施肥機(36)の施肥本体フレーム(51)を取付けると共に、走行車(1)に昇降自在に設ける施肥機(36)の略重心位置に弾性上昇部材であるガススプリング(57)を連結させるもので、前記リヤアクスルケース(7)の利用によって施肥機(36)の支持を安定させ、前記ガススプリング(57)の支持によって作業者による施肥機(36)持上げ操作力を軽減させ、施肥機(36)を持上げて行う掃除または残留肥料取出しなどの作業性を向上させると共に、前記ガススプリング(57)の上昇力による施肥機(36)の前後または左右の傾きを防ぎ、施肥機(36)の昇降動作がスムーズになり、施肥機(36)の昇降案内構造を昇降レール(56)…などによって簡略で軽量コンパクトに構成している。なお、図7のように、前記ガススプリング(57)と略同じ構造で、前方側に補助ガススプリング(60)を設け、左右4本のガススプリング(57)(57)(60)(60)によって施肥機(36)を持上げてもよい。
【0018】さらに、図9、図10、図11、図12に示す如く、施肥機(36)を持上げるときに作業者が握る左右一対の取手(61)(61)を前記施肥本体ケース(51)に溶接固定させ、前記取手(61)に支軸(62)を介してロックアーム(63)を回転自在に軸支させると共に、前記昇降レール(56)の補強リブ(64)に上下係合孔(65)(66)を形成させ、各係合孔(65)(66)にロックアーム(63)を係入させて施肥機(36)を上昇位置または下降位置で固定支持させるもので、ロックアーム(63)に設けるロック部材である解除レバー(67)を前記取手(61)の下側に延出させ、作業者が取手(61)を握り乍ら解除レバー(67)を操作し、ロックアーム(63)を係合孔(65)(66)から離脱させることができるように構成している。
【0019】また、前記施肥本体フレーム(51)にケースブラケット(68)を溶接固定させ、該ケースブラケット(68)に前記繰出ケース(47)をボルト止め固定させるもので、1ユニットとして構成する2条分の繰出ケース(47)(47)を左右の昇降レール(56)(56)間に配設させ、昇降レール(56)(56)の機外側に2条分の繰出ケース(47)(47)を夫々配設させ、2条1組として3ユニットの繰出ケース(47)…を左右に並設させている。
【0020】さらに、図11、図12、図13、図14、図15に示す如く、前記繰出ケース(47)の上面前側の取入口(69)に前記タンク(46)下部出口を嵌着させると共に、前記繰出ケース(47)前面下側に取出口(70)を形成し、着脱自在なキャップ(71)によって取出口(70)を閉塞している。前記施肥本体フレーム(51)に溶接固定させるシュート(72)によって取出口(70)外側を囲み、キャップ(71)を取外して取出口(70)を開放し、タンク(46)内部の肥料(A)をシュート(72)に流下させるもので、このときに施肥機(36)を昇降レール(56)の上昇位置に支持させ、シュート(72)とベースフレーム(53)の間隔を拡大させ、肥料を入れる容器を前記シュート(72)下方に容易に差し入れることができ、残留肥料の取出しを容易に行えるように構成している。
【0021】また、前記繰出ケース(47)下面に閉塞レバー(73)及びバネ(74)を介して底蓋(75)を着脱自在に固定させると共に、硬質合成樹脂製の前記底蓋(75)下面に出口パイプ(76)を一体形成するもので、施肥本体ケース(51)に前端部を嵌着させる軟質合成樹脂製の接合パイプ(77)を備え、該パイプ(77)後端に前記出口パイプ(76)前端を着脱自在に嵌着させると共に、前記出口パイプ(76)後端に前記送出パイプ(49)を嵌着させ、前記ターボファン(50)の送風を施肥本体フレーム(51)中空部から各パイプ(77)(76)(49)に吹出させ、底蓋(75)の出口(78)から出口パイプ(76)中間に落下する肥料(A)を送出パイプ(49)に移動させるように構成している。前記出口パイプ(76)の入口側の内径を小さくして風速加速部(79)を形成し、出口(78)での送風による肥料(A)吸引力及び搬送力が大きくなるように構成している。
【0022】また、取入口(80)及び吹出口(81)を有する入口板(82)と、同一円周上に略四角形の複数の繰出口(83)…を有する繰出板(84)と、排出口(85)を有する出口板(86)を備え、略円形平板製の前記各板(82)(84)(86)を繰出ケース(47)と底蓋(75)の間に多層状に配設させると共に、繰出ケース(47)に繰出軸(87)を略垂直に回転自在に軸支させ、各板(82)(84)(86)の中央部に繰出軸(87)下端側を貫通させ、繰出軸(87)下端にゴム輪(88)を着脱自在に係止させ、各板(82)(84)(86)を下方に抜出し自在に繰出軸(87)に支持させ、かつバネ(74)によって各板(82)(84)(86)を弾圧させるもので、入口板(82)と出口板(86)を繰出ケース(47)に係止させ、各板(82)(86)に対して繰出軸(87)を遊転させると共に、繰出板(84)を繰出軸(87)に係合軸支させ、繰出軸(87)によって繰出板(84)を強制的に回転させ、取入口(80)から繰出口(83)に入った肥料(A)を排出口(85)に移動させて出口(78)方向に落下させるように構成している。
【0023】また、前記取入口(80)端部で繰出口(83)上面の余分な肥料(A)を取除くブラシ(89)を備え、高さ調節する撮(90)を介して前記ブラシ(89)を繰出ケース(47)に高さ調節自在に取付け、繰出板(84)上面に対するブラシ(89)下端の高さ調節を繰出ケース(47)外部から行い、繰出口(83)の肥料(A)送出量を調節するように構成している。
【0024】また、前記入口板(82)の吹出口(81)に対向させる圧風取入口(91)を繰出ケース(47)に形成し、前記施肥本体ケース(51)の中空部と前記圧風取入口(91)を分流パイプ(92)によって連通させ、前記パイプ(92)及び取入口(91)を介してターボファン(50)からの送風を吹出口(81)に供給し、排出口(85)位置に移動した繰出口(83)に吹出口(81)から送風し、該送風によって繰出口(83)の肥料(A)を下方に強制的に落下させ、粒形の肥料(A)またはこの粉が繰出口(83)内に残るのを防ぐように構成している。
【0025】さらに、図4、図5、図16に示す如く、前記エンジン(2)出力を植付部(15)に伝達させるPTO軸(93)をギヤ変速ケース(4)から後方に延出させると共に、前記リフトフレーム(40)左側に軸受筒(94)を溶接固定させ、軸受筒(94)の施肥入力軸(95)前端部を前記PTO軸(93)中間にチェン(96)を介して連動連結させる。前記施肥入力軸(95)後端部にクランク板(97)を固定させる。また、前記軸受板(58)及びケースブラケット(68)の各後端側を一体固定させる四角パイプ形後面フレーム(98)を備え、施肥本体フレーム(51)と略平行に後面フレーム(98)を横架させると共に、後面フレーム(98)にブラケット(99)を介して軸受(100)を固定させ、軸受(100)に支点軸(101)を介して繰出量調節レバー(102)を回転自在に軸支させる。そして、結合レバー(103)及び係合板(104)(105)を介して切離し自在に連結させる入力及び出力ロッド(106)(107)を備え、前記クランク板(97)と繰出量調節レバー(102)の一端側とを前記ロッド(106)(107)によって連結させる。
【0026】また、前記後面フレーム(98)に軸受板(108)を介して繰出駆動軸(109)を回転自在に軸支させ、該駆動軸(109)に揺動アーム(110)を固定させ、前記繰出量調節レバー(102)に長さ調節自在な伸縮ロッド(111)一端側を連結させ、かつ前記揺動アーム(110)に複数の軸孔(112)…を介して支点間距離調節自在に前記伸縮ロッド(111)の他端側を連結させると共に、前記支点軸(101)に対する出力ロッド(107)と伸縮ロッドの夫々の連結距離の比をネジ(113)の回転によって変更させる回転レバー(114)を繰出量調節レバー(102)に設けるもので、前記の複数の軸孔(112)…の選択により伸縮ロッド(111)を連結する揺動アーム(110)の長さを変化させ、該アーム(110)の揺動ストロークを変更させて肥料繰出量の多段調節を行うと共に、前記回転レバー(114)操作により支点軸(101)に対して繰出量調節レバー(102)をネジ(113)軸芯方向に摺動させ、支点軸(101)に対するレバー(102)とロッド(107)の連結点の長さと、支点軸(101)に対するレバー(102)とロッド(111)の連結点の長さの比を変化させ、伸縮ロッド(111)の往復ストロークを無段階に変更させて肥料繰出量の無段調節を行うように構成している。
【0027】さらに、図14に示す如く、前記後面フレーム(98)に軸受(115)をボルト止め固定させ、連れ回り防止一方向クラッチ(115a)を介して前記軸受(115)にクラッチ軸(116)を軸支させ、該クラッチ軸(116)に一方向クラッチ(117)を介して入力リンク(118)を設けると共に、前記繰出駆動軸(109)に揺動リンク(119)を固定させ、該リンク(119)を前記入力リンク(118)に連係バー(120)を介して連結させ、入力リンク(118)を揺動させてクラッチ軸(116)を一方向に間欠的に回転させ、また前記入力リンク(118)が戻る一方向クラッチ(117)空転動作によってクラッチ軸(116)が逆転するのを、前記連れ回り防止一方向クラッチ(115a)と軸受(115)のブレーキ作用によって阻止するように構成している。
【0028】また、前記繰出ケース(47)にクラッチケース(121)を固定させると共に、前記繰出軸(87)上端側にベベルギヤ(122)(123)を介して入力軸(124)を常時連結させるもので、入力軸(124)を前記クラッチ軸(116)に継断自在に連結させる条止めクラッチ(125)を備え、該クラッチ(125)を前記クラッチケース(121)に内設させると共に、前記条止めクラッチ(125)を継断操作するクラッチレバー(126)とクラッチアーム(127)を前記クラッチケース(121)の前後に振分け配設させ、前記植付部(15)の苗載台(16)上側背面部に設ける植付け条止めレバー(128)に、後面フレーム(98)のアウタ受(129)により張設させるワイヤ(130)を介して、前記クラッチアーム(127)を連結させる。そして、前記植付け条止めレバー(128)操作によって6条植え用の各植付爪(17)…のいずれかを停止させたとき、停止させた植付爪(17)に対応する条止めクラッチ(125)を切断動作させて施肥動作を中止させ、植付爪(17)によって苗を植付ける条にだけ施肥を行うもので、例えば左側と中央の4条の苗植付けを行うとき、左側と中央の4条の繰出ケース(47)…から施肥を行うと共に、作業者によってクラッチレバー(126)を操作して条止めクラッチ(125)を切断させることにより、6条の繰出ケース(47)…のいずれかまたは全部を任意に選択して、苗植付けとは関係なく、施肥を中止させることができるように構成している。
【0029】さらに、図17、図18に示す如く、一方の係合板(104)に2本の軸(131)(132)を溶接固定させ、もう一方の係合板(105)の孔(133)(133)に各軸(131)(132)を抜出し自在に係入させると共に、一方の係合板(104)の孔(134)に、もう一方の係合板(105)に溶接固定させる係合軸(135)を出入自在に貫通させるもので、一方の係合板(104)に前記軸(131)を介して結合レバー(103)を回転自在に軸支させ、係合軸(135)の貫通端部に結合レバー(103)を係脱自在に係止させ、該レバー(103)を係合軸(135)にバネ(136)によって係止保持させ、各係合板(104)(105)を分離自在に合体固定させる。そして、施肥機(36)を昇降レール(56)下降位置に支持させているとき、結合レバー(103)及び各軸(131)(132)(135)によって固定させる各係合板(104)(105)を介して入力及び出力ロッド(106)(107)を一体的に連結させ、施肥機(36)側に各ロッド(106)(107)を介して駆動力を伝達させると共に、前記結合レバー(103)解除操作によって該レバー(103)を係合軸(135)から離脱させることにより、各係合板(104)(105)が分離して入力及び出力ロッド(106)(107)が切離され、昇降レール(56)の案内によってこの上昇位置に施肥機(36)を上昇させる操作が可能になる。従って、作業者が左右の取手(61)(61)を握った手で左右の解除レバー(67)(67)を操作した後、取手(61)(61)を上方に持上げることにより、施肥機(36)を昇降レール(56)上端側に上昇移動させて上昇位置に支持させることができる。
【0030】上記から明らかなように、施肥機(36)を走行車(1)に取付ける場合、後カバー(45)を取外し、平面視H形のベースフレーム(53)中央部をサブフレーム(42)後端上面にボルト止め固定させ、サブフレーム(42)両側と下方の左右ブラケット(55)(55)間に左右サイドステー(54)(54)をボルト止め固定させ、車体フレーム(3)後端でリヤアクスルケース(7)及び後車軸(39)の略直上にリンクフレーム(40)を介してベースフレーム(53)を固定させる。そして、ベースフレーム(53)上の昇降レール(56)…に上端開口部からベアリングローラ(59)…を嵌入させ、各レール(56)…及びローラ(59)…を介して施肥本体フレーム(51)をベースフレーム(53)に昇降自在に支持させると共に、施肥本体フレーム(51)の左右一対の軸受板(58)(58)と下方の左右ブラケット(55)(55)間に左右ガススプリング(57)(57)をボルト止め固定させ、ガススプリング(57)によって施肥機(36)を支持させる。次いで、フロート(34)(35)の側条施肥シュート(48)…と繰出ケース(47)…の間に送出パイプ(49)…を連結させるもので、ターボファン(50)の送風により、繰出ケースに取出されたタンク(46)の肥料(A)が送出パイプ(49)から側条施肥シュート(48)に送出され、植付爪(17)による苗の植付け条に隣接させて肥料(A)を埋込む側条施肥が行われる。
【0031】上記のように、リンクフレーム(40)を利用して施肥機(36)を取付けることにより、ベースフレーム(53)を軽量コンパクトに形成できると共に、施肥機(36)荷重を車体フレーム(3)後端で支えることにより、施肥機(36)を後車軸(39)上で安定良く支持できる。また、施肥本体フレーム(51)とガススプリング(57)を介して施肥機(36)重量をリヤアクスルケース(7)で受けることにより、走行車(1)側の強度的に安定した個所で施肥機(36)を支持できると共に、走行車(1)側で発生する振動をガススプリング(57)で吸収させることができ、このガススプリング(57)のショックアブソーバ効果により、肥料繰出し量が安定し易く、かつ施肥機(36)本体の耐久性を向上させることができる。
【0032】さらに、昇降レール(56)の下降位置に施肥機(36)を支持させることにより、車体カバー(12)上面の低い位置に施肥機(36)を支持して施肥作業を行うことができる。一方、昇降レール(56)の上昇位置に施肥機(36)を支持させることにより、タンク(46)に残留している肥料(A)を受取るための容器をシュート(72)下方に容易に差し入れることができ、施肥本体フレーム(51)に対してタンク(46)を接近させて施肥機(36)の上下幅のコンパクト化並びに低重心化を容易に行えると共に、閉塞レバー(73)のロック解除操作によって底蓋(75)を下方に取外し、ゴム輪(88)を外して入口板(82)及び繰出板(84)及び出口板(86)を繰出ケース(47)から下方に取出し、各板(82)(84)(86)の掃除を行える。
【0033】さらに、前記結合レバー(103)のロック解除操作によって各係合板(104)(105)が分離して入力ロッド(106)と出力ロッド(107)が切離され、走行車(1)側と施肥機(36)の連結が工具を用いずに解除され、昇降レール(56)の案内により施肥機(36)を上昇させることができる。また、前記軸孔(112)…による揺動アーム(110)と伸縮ロッド(111)の連結、並びに支点軸(101)に対する各ロッド(107)(111)連結点の距離の比を変更自在な繰出量調節レバー(102)調節により、施肥入力軸(95)の回転数を一定に保った状態で繰出軸(87)の回転数を多段階にまたは無段階的に変化させ、繰出板(84)による肥料(A)繰出し量調節を多段階にまたは無段階に行える。しかも、植付部(15)の条止めレバー(128)操作によって植付部(15)の植付条数を変化させるだけで、停止した植付爪(17)に対向する繰出ケース(47)の肥料繰出しをクラッチアーム(127)を介して自動的に中止させることができ、肥料の無駄使いを防げると共に、6条分の繰出ケース(47)…に対応させて夫々設けたクラッチレバー(126)…を作業者によって任意に入切操作し、6条全体または一部の繰出ケース(47)…による肥料(A)繰出しを手動操作によって中止させることができる。
【0034】さらに、走行車(1)後側に植付部(15)を装設させると共に、走行車(1)後部で植付部(15)前側に施肥機(36)を設ける乗用田植機において、走行車(1)後部に左右支柱部材である昇降レール(56)(56)を立設させ、前記施肥機(36)の施肥本体フレーム(51)を左右昇降レール(56)(56)に昇降自在に取付けるから、結合レバー(103)操作によって入力ロッド(106)と出力ロッド(107)を切離し、駆動連結部を1個所取外すだけで、フレキシブルホースで形成する送出パイプ(49)を連結させた状態で、施肥機(36)を上昇させることができる。また、田植作業と同時に行う施肥作業時に昇降レール(56)を介して低位置に安定良く下降支持できると共に、昇降レール(56)を介して施肥機(36)を高位置に上昇支持させることにより、施肥機(36)下側の繰出ケース(47)部の掃除、並びに施肥機(36)のホッパー(46)下部からの残留肥料の取出などの作業を、走行車(1)の運転席(13)側から容易に行え、例えば走行車(1)と植付部(15)の間に作業者が入り込んで施肥機(36)を持上げる危険な作業を不要にし、また残留肥料を入れるための大きな容器を上昇位置の前記ホッパー(46)下部に運転席(13)から簡単に出入させることができ、容器から肥料を零れさせることなく簡単に回収できる。
【0035】さらに、走行車(1)の車体フレーム(3)左右幅と施肥機(36)のベースフレーム(53)左右幅を略同じ寸法に形成すると共に、前記ベースフレーム(53)両側部に左右支柱部材である昇降レール(56)(56)を立設させたもので、走行車(1)機体左右幅内に昇降レール(56)を配置させて軽量コンパクトな構成となり、しかも作業者の肥料補給作業空間が施肥機(36)周辺に確保されると共に、前記車体フレーム(3)の左右方向全幅を利用して施肥機(36)を安全良く支持でき、また施肥機(36)支持構造のコンパクト化などを容易に図れる。
【0036】さらに、施肥機(36)の2条分の繰出ケース(47)(47)を挾んで両側部に左右支柱部材である昇降レール(56)(56)を配設させるもので、左右昇降レール(56)(56)の左右機外側方に2条分の繰出ケース(47)(47)を夫々配設させることによって6条用施肥機(36)が構成され、2条分の繰出ケース(47)(47)を1ユニットとして偶数多条用の施肥機(36)を容易に搭載できると共に、運転席(13)側から作業者が両手で最も操作し易い幅に左右取手(61)(61)を施肥本体フレーム(51)に設けると、左右昇降レール(56)(56)の外側に近接して左右取手(61)(61)が配置される。このように、取扱い上並びに強度的に最も有利な左右昇降レール(56)(56)近くに、作業者が握る昇降操作用取手(61)を配設でき、施肥機(36)の昇降操作性の向上などを容易に図れる。
【0037】さらに、施肥機(36)を上昇位置及び下降位置で支柱部材である昇降レール(56)に固定させるロック部材である解除レバー(67)及びロックアーム(63)を設けるから、施肥機(36)を上昇または下降位置に確実に係止させ、施肥機(36)の昇降誤動作を防いで安全に取扱えるもので、施肥機(36)を昇降させるときに作業者が握る取手(61)にロックアーム(63)を取付け、取手(61)に近接させて解除レバー(67)を設け、取手(61)を握った手で解除レバー(67)を操作してロック解除動作させることができ、取手(61)による上下動作と解除レバー(67)によるロック解除動作を一連に行えて使い易いと共に、取手(61)と解除レバー(67)を各別に形成しているから、取手(61)によってロックアーム(63)のロック動作を解除させる構造のように、取手(61)を握っただけでロック解除が行われる誤動作を防ぎ、安全に取扱える。また、施肥機(36)下降位置で昇降レール(56)の下端基部にロックアーム(63)を係止させるから、施肥作業時など通常の下降位置支持状態では大きな支持強度で施肥機(36)が固定される。
【0038】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、走行車(1)後側に植付部(15)を装設させると共に、走行車(1)後部で植付部(15)前側に施肥機(36)を設ける乗用田植機において、走行車(1)後部に前記施肥機(36)を昇降自在に取付けたもので、田植作業と同時に行う施肥作業時に支柱部材(56)を介して低位置に安定良く下降支持できると共に、支柱部材(56)を介して施肥機(36)を高位置に上昇支持させることにより、施肥機(36)下側の繰出ケース(47)部の掃除、並びに施肥機(36)のホッパー(46)下部からの残留肥料の取出などの作業を、走行車(1)の運転席(13)側から容易に行うことができるものである。
【0039】また、施肥機(36)の繰出ケース(47)の前後に設ける一組の支柱部材(56)(56)を左右に対称に配設させたもので、施肥機(36)の重心位置を囲む四方を4個所の支柱部材(56)…によって支持でき、施肥機(36)の前後及び左右の傾動を規制してスムーズな昇降動作を容易に得ることができるものである。
【0040】また、走行車(1)の車体フレーム(3)左右幅と施肥機(36)のベースフレーム(53)左右幅を略同じ寸法に形成すると共に、前記ベースフレーム(53)両側部に左右支柱部材(56)(56)を立設させたもので、走行車(1)機体左右幅内に支柱部材(56)を配置させて軽量コンパクトに構成でき、作業者の肥料補給作業空間などを容易に確保できると共に、前記車体フレーム(3)の左右方向全幅を利用して施肥機(36)を安全良く支持でき、また施肥機(36)支持構造のコンパクト化などを容易に図ることができるものである。
【0041】また、施肥機(36)の2条分の繰出ケース(47)(47)を挾んで両側部に左右支柱部材(56)(56)を配設させるもので、2条分の繰出ケース(47)(47)を1ユニットとして偶数多条用の施肥機(36)を容易に搭載できると共に、作業者が握る昇降操作用取手(61)を左右支柱部材(56)(56)に接近させて配設でき、施肥機(36)の昇降操作性の向上などを容易に図ることができるものである。
【0042】また、施肥機(36)を上昇位置及び下降位置で支柱部材(56)に固定させるロック部材(67)を設けたもので、施肥機(36)を上昇または下降位置に確実に係止でき、施肥機(36)の昇降誤動作を防いで安全に取扱うことができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成6年4月15日(1994.4.15)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2000−23510(P2000−23510A)
【公開日】 平成12年1月25日(2000.1.25)
【出願番号】 特願平11−211696