| 【発明の名称】 |
アタッチメント及びブーム装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】深川 善範
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| 【要約】 |
【課題】走行機体の汎用性を高めるアタッチメントを提案する。
【解決手段】本発明に係るアタッチメント14は、それ自体が、走行機体1に対する作業部材17,18,19の相対位置を変化せしめる変位駆動機構43を備えている。このため、前記走行機体1に取り付けた場合には、前記変位駆動機構43の作用により、前記走行機体1に対する前記作業部材17,18,19の相対位置を、作業時の必要性に応じて、例えば、上下方向や左右方向等に変化させることができる。一方、前記アタッチメント14を前記走行機体1から取り外せば、該走行機体1側には、運転者の乗降動作や、他の作業等の邪魔になるようなものは何も残らないので、前記走行機体1を、何の支障もなく別の目的にも広く利用することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体(1)に対して着脱自在なアタッチメント(14)であって、作業部材(17,18,19)と、前記走行機体(1)に対する前記作業部材(17,18,19)の相対位置を変化せしめる変位駆動機構(43)と、を一体的に備えてなる、アタッチメント。 【請求項2】 前記変位駆動機構(43)は、前記走行機体(1)に対して前記作業部材(17,18,19)を上下方向に変位せしめるものである、請求項1に記載のアタッチメント。 【請求項3】 前記変位駆動機構(43)は、前記走行機体(1)に連結されるリンク装置(44)と、該リンク装置(44)を駆動する駆動装置(45)と、を備えてなる、請求項1または2に記載のアタッチメント。 【請求項4】 前記駆動装置は、前記作業部材(17,18,19)の左右方向の中央部から一側方へ偏倚せしめて前記走行機体(1)側へと架設される単一のアクチュエータ(45)であり、前記変位駆動機構(43)は、前記単一のアクチュエータ(45)による前記作業部材(17,18,19)の昇降駆動時に前記リンク装置(44)のねじれを防止する補強部材(51,57)を備えてなる、請求項3に記載のアタッチメント。 【請求項5】 前記駆動装置(45)は、前記走行機体(1)側に搭載された動力源(6,7)によって駆動されるものである、請求項3または4に記載のアタッチメント。 【請求項6】 前記作業部材(17,18,19)と前記変位駆動機構(43)とを一体的に地面(G)上に自立せしめる自立支持部材(58,58)を備えてなる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアタッチメント。 【請求項7】 前記自立支持部材(58,58)は、前記アタッチメント(14)の前記走行機体(1)への取付部(47a,47a,48a,48a)を、前記走行機体(1)側の取付受部(40,40,40,40)と同一地上高(H1,H2)に位置せしめるものである、請求項6に記載のアタッチメント。 【請求項8】 前記自立支持部材(58,58)が取り外し自在である、請求項6または7に記載のアタッチメント。 【請求項9】 前記変位駆動機構(43)は、前記走行機体(1)側にそれぞれ連結される上部リンク(47,47)と下部リンク(48,48)と、を備え、前記自立支持部材(58,58)は、前記上部リンク(47,47)と前記下部リンク(48,48)とを互いに連結固定せしめるものである、請求項8に記載のアタッチメント。 【請求項10】 躯体(1)に対して着脱自在なアタッチメント(14)であって、作業部材(17,18,19)と、前記躯体(1)に対する前記作業部材(17,18,19)の相対位置を変化せしめる変位駆動機構(43)と、を一体的に備えてなる、アタッチメント。 【請求項11】 走行機体(1)に対して着脱自在なブーム装置(14)であって、ブーム(17,18,19)と、前記走行機体(1)に対する前記ブーム(17,18,19)の上下位置を変化せしめる昇降駆動機構(43)と、を一体的に備えてなる、ブーム装置。 【請求項12】 前記昇降駆動機構(43)は、前記走行機体(1)に取り付けられる平行リンク装置(44)と、該平行リンク装置(44)側から前記走行機体(1)側へと架設されて前記平行リンク装置(44)を駆動せしめるアクチュエータ(45)と、を備えてなる、請求項11に記載のブーム装置。 【請求項13】 走行機体(1)に対して着脱自在な散布物送り出し装置(13)と、前記走行機体(1)に対して着脱自在なブーム装置(14)と、を互いに別体に備えてなる散布装置(2)であって、前記散布物送り出し装置(13)は、散布物を収容する散布物容器(15)と、該散布物容器(15)内の前記散布物を送り出す強制送り出し装置(16)と、を一体的に備え、前記ブーム装置(14)は、前記散布物送り出し装置(13)から送り出される前記散布物を散布するブーム(17,18,19)と、前記走行機体(1)に対する前記ブーム(17,18,19)の上下位置を変化せしめる昇降駆動機構(43)と、を一体的に備えてなる、散布装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には、躯体に対して着脱自在なアタッチメントに関し、より具体的には、走行機体に取り付けて使用される薬剤散布用ブーム装置および該ブーム装置を備えた散布装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、農用の乗用管理機に薬剤等の散布機能を付与する場合には、その走行機体の前部または後部に、例えば、平行リンケージ式等のリフト装置を設け、該リフト装置に対して、散布手段として、例えば、その左右長さ方向に適当な等間隔をおいて多数のノズルを有する、折り畳み式ブームを取着している。前記リフト装置は、前記走行機体に対する前記ブームの相対的な上下位置を変化させる。これにより、前記ブームによる散布地上高を変更することが可能となる。前記ブームは、散布作業時には、一度に広幅の散布を行うことができるように、前記走行機体の左右外方へと伸展される。一方、移動時や格納時等の非散布作業時には、前記ブームは、走行や収納の邪魔にならないように、該走行機体の左右側部に沿って折り畳んで収納される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このため、前記従来構成のものによれば、前記走行機体の左右側部に沿って折り畳まれた前記ブームが、乗用式の前記走行機体の運転席への乗降口を横切ることになり、前記運転席への、又は該運転席からの、運転者の乗降の妨げとなる場合があった。 【0004】また、従来、前記ブームは、前記走行機体に取り付けたままにしておくのが一般的であり、該走行機体を利用して、例えば、耕耘作業や草刈り作業や種蒔き作業等の他の作業を行う場合には、前記走行機体の別の位置に予め設けられた作業機取付部に、耕耘機や草刈機や播種機等の別の作業機を適宜付け替えて使用していた。このため、前記走行機体の左右側部に沿って折り畳まれた状態の前記ブームが、前記他の作業機の取り付け作業や取り外し作業の邪魔になることもあった。 【0005】こうした問題を解決するためには、不要時には、前記ブームを前記リフト装置から取り外せるようにすることも考えられる。しかし、該リフト装置が前記走行機体側に残されていると、例えば、前記リフト装置が前記走行機体の前部にある場合には、前記運転者の視界を妨げることになり、前記走行機体の運転操作の邪魔になる等の問題がある。また、前記走行機体側に残された前記リフト装置が、前記作業機取付部への前記他の作業機の取付作業の邪魔になる等の問題もある。 【0006】本発明は、こうした事情に鑑みてなされたもので、走行機体に対して着脱自在な新規な構成のアタッチメントを提案することにより、前記の如き問題を解決しようとするものである。 【0007】また、本発明は、走行機体に対して着脱自在な新規な構成のブーム装置および散布装置を提案することにより、前記の如き問題を解決しようとするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明は、走行機体に対して着脱自在なアタッチメントであって、作業部材と、前記走行機体に対する前記作業部材の相対位置を変化せしめる変位駆動機構と、を一体的に備えたものである(請求項1)。 【0009】本発明に係るアタッチメントは、それ自体が、前記走行機体に対する前記作業部材の相対位置を変化せしめる変位駆動機構を備えている。このため、前記走行機体に取り付けた場合には、前記変位駆動機構の作用により、前記走行機体に対する前記作業部材の相対位置を、作業時の必要性に応じて、例えば、上下方向や左右方向等に変化させることができる。一方、前記アタッチメントを前記走行機体から取り外した場合には、該走行機体側には、運転者の乗降動作や、前記走行機体の運転操作や、他の作業の邪魔になるようなものは何も残らないので、前記走行機体を、何の支障もなく、別の目的にも広く利用することができる。 【0010】前記変位駆動機構によって奏される前記走行機体に対する前記作業部材の相対位置の変化の態様は、前記作業部材の特性に応じて適宜に決定すればよい。例えば、前記走行機体に対して前記作業部材を上下方向に変位せしめるものでも良いし(請求項2)、また、前記走行機体に対して前記作業部材を左右方向に変位せしめるものでも良く、さらに、それらを複合したものとすることもできる。 【0011】例えば、前記作業部材が、前記従来技術の項で述べた如き薬剤散布用ブームである場合には、散布地上高の変更を自在として、作物の種類に応じた効果的な散布を可能にせしめるため、前記変位駆動機構の構成を、前記ブームの前記走行機体に対する上下位置の変更が可能となるようにせしめるのが望ましい。また、例えば、前記作業部材が草刈機である場合には、前記変位駆動機構によって、前記走行機体に対する前記草刈機の左右位置の変更が可能となるようにせしめれば、前記走行機体を進行させながら、前記草刈機による刈取位置を前記走行機体の左右方向に適宜に変更できて、好適である。 【0012】なお、前記走行機体は、乗用式のものには限定されず、歩行操縦式のものであっても良い。 【0013】前記変位駆動機構の好適な具体例としては、例えば、前記走行機体に連結されるリンク装置と、該リンク装置を駆動する駆動装置と、を備えた構成とすることもできる(請求項3)。 【0014】また、該駆動装置として、前記作業部材の左右方向の中央部から前記走行機体の左右方向の一側方へと偏倚した位置で前記走行機体側へと架設される、単一のアクチュエータを採用し、前記変位駆動機構は、前記単一のアクチュエータによる前記作業部材の昇降駆動時に前記リンク装置のねじれを防止する補強部材を備えた構成とすることもできる(請求項4)。 【0015】このようにすれば、前記駆動装置として、前記単一のアクチュエータを準備するのみで足りるので、コスト上有利となる。また、前記単一のアクチュエータは、前記作業部材の中央部から前記走行機体の左右方向へと偏倚した位置で前記走行機体側へと架設されるので、例えば、前記走行機体として、その前部中央部に単一の前輪を有するとともにその後部に左右二つの後輪を有する、三輪式走行機体を用いた場合でも、前記単一の前輪の支持腕の上部カバー等が、前記単一のアクチュエータの前記走行機体への架設の障害になる等の問題がない。よって、前記走行機体に対して、前記リンク装置を可能な限り近づけて取り付けることができるので、前記走行機体の前後バランスが良くなり、その結果、三輪式の場合でも、前記走行機体の走行安定性がより高まる等の効果がある。さらに、前記補強部材を設けているので、前記単一のアクチュエータによる前記作業部材の昇降駆動時に、前記リンク装置にねじれが生じて作動不良となる等の問題もない。 【0016】他の実施の形態として、前記駆動装置を、前記走行機体側に搭載された動力源によって駆動せしめることもできる(請求項5)。このようにすれば、前記アタッチメント側には、前記駆動装置の動力源が不要となるので、前記アタッチメント自体の重量が軽量となり、前記アタッチメントの取扱性が良好となる。 【0017】また、他の実施の形態として、前記作業部材と前記変位駆動機構とを一体的に地面上に自立せしめる自立支持部材を備えたアタッチメントとすることもできる(請求項6)。このようにすれば、該アタッチメントから手を離しても該アタッチメントが倒れないので、前記走行機体への取付作業性や前記走行機体からの取外作業性が良くなるほか、前記アタッチメントの取扱性も良好となる。 【0018】前記自立支持部材は、前記アタッチメントの前記走行機体への取付部を、前記走行機体側の取付受部と同一地上高に位置せしめるものとすれば(請求項7)、前記走行機体への取付作業性が一層良好となる。すなわち、例えば、前記自立支持部材によって前記アタッチメントを地面上で自立させておき、前記走行機体を前記アタッチメント側へと移動せしめれば、前記取付部と前記取付受部とが自然に一致するからである。 【0019】さらに、前記自立支持部材を、前記アタッチメントから取り外し自在にせしめれば(請求項8)、前記自立支持部材が前記作業部材による作業の邪魔にならないので、好適である。 【0020】他の実施の形態として、前記変位駆動機構は、前記走行機体側にそれぞれ連結される上部リンクと下部リンクと、を備えたものとし、前記自立支持部材は、前記上部リンクと前記下部リンクとを互いに連結固定せしめるものとすることもできる(請求項9)。この場合、前記自立支持部材は、前記アタッチメントを自立せしめる作用に加えて、前記走行機体への非取付状態において、前記上部リンクと前記下部リンクとを共に不動状態に保持せしめる作用も奏する。よって、前記走行機体への非取付状態における前記アタッチメントの取扱性が一層良好となる。 【0021】本発明の他の実施の形態においては、躯体に対して着脱自在なアタッチメントであって、作業部材と、前記躯体に対する前記作業部材の相対位置を変化せしめる変位駆動機構と、を一体的に備えたアタッチメントとせしめることもできる(請求項10)。この構成のアタッチメントは、取付の相手方が走行機体には限定されず、広く躯体である点で、前に述べたアタッチメントより広い構成となっている。 【0022】本発明に係るブーム装置は、走行機体に対して着脱自在なブーム装置であって、ブームと、前記走行機体に対する前記ブームの上下位置を変化せしめる昇降駆動機構と、を一体的に備えたものである(請求項11)。 【0023】前記ブーム装置は、それ自体が、前記走行機体に対する前記ブームの相対位置を変化せしめる変位駆動機構を備えている。このため、前記走行機体に取り付けた場合には、前記変位駆動機構の作用により、前記走行機体に対する前記ブームの相対位置を、作業時の必要性に応じて、例えば、上下方向や左右方向等に変化させることができる。一方、前記ブーム装置を前記走行機体から取り外した場合には、該走行機体側には、運転者の乗降動作や、該走行機体の運転操作や、他の作業の邪魔になるようなものは何も残らないので、前記走行機体を、何の問題のなく、別の目的に広く利用することができる。 【0024】前記ブーム装置において、前記昇降駆動機構は、例えば、前記走行機体に取り付けられる平行リンク装置と、該平行リンク装置側から前記走行機体側へと架設されて前記平行リンク装置を駆動せしめるアクチュエータと、を備えたものとすることができる(請求項12)。 【0025】また、本発明に係る散布装置は、走行機体に対して着脱自在な散布物送り出し装置と、前記走行機体に対して着脱自在なブーム装置と、を互いに別体に備えてなる散布装置であって、前記散布物送り出し装置は、散布物を収容する散布物容器と、該散布物容器内の前記散布物を送り出す強制送り出し装置と、を一体的に備え、前記ブーム装置は、前記散布物送り出し装置から送り出される前記散布物を散布するブームと、前記走行機体に対する前記ブームの上下位置を変化せしめる昇降駆動機構と、を一体的に備えたものである(請求項13)。 【0026】前記散布装置は、前記散布物送り出し装置と、前記ブーム装置と、の双方を、前記走行機体に取り付けて使用する。前記散布物容器内の前記散布物は、前記強制送り出し装置によって、前記ブームへと搬送されて散布される。該ブームによる散布地上高は、前記昇降駆動機構の作用によって、作物に応じた高さに調節することができる。 【0027】一方、不要なときには、前記散布装置を、前記走行機体から取り外すことができる。前記散布物送り出し装置は、前記散布物容器と、前記強制送り出し装置と、を一体的に備えており、前記ブーム装置は、前記ブームと、前記昇降駆動機構と、を一体的に備えているので、前記散布装置、すなわち、前記散布物送り出し装置と、前記ブーム装置と、を前記走行機体から取り外せば、前記走行機体には、散布装置に特有な構成要素は残らない。よって、前記走行機体を他の用途に使用する場合に、使用上の制約が全くない。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の一形態を説明する。 【0029】図1は、本発明の実施の一形態に係るアタッチメントとしてのブーム装置を備えたブームスプレーヤの平面図、図2は、図1のブームスプレーヤの左側面図である。本実施の形態のブームスプレーヤは、躯体としての走行機体1と、該走行機体1に対して着脱自在な散布装置2と、を備えている。 【0030】図1に示すように、前記走行機体1は、限定はされないが、一つの操向前輪3と、左右一対の駆動後輪4,4と、これら三つの車輪3,4,4によって移動自在に支持された機体フレーム5と、を備えている。該機体フレーム5には、走行駆動源および作業動力源として、例えば、内燃エンジン6が搭載されている。また、前記機体フレーム5には、各種の電動装置に電力を供給するための作業動力源として、前記内燃エンジン6の作動によって充電されるバッテリ7も搭載されている。 【0031】本実施の形態では、前記走行機体1は、運転席8と、例えば、ステアリングホイール9や図示しない操作レバーや操作ボタン等の各種操作部材を含む操縦装置と、を備えた乗用式のものとされているが、これに限る必要はなく、例えば、前記運転席8を有しない歩行操縦式のものであってもよい。 【0032】前記走行機体1は、例えば、耕耘機や草刈機や播種機等の様々な作業機を付け替えて搭載できる汎用走行作業車であり、前記様々な作業機を取り替え装着するための手段として、例えば、図2に示すように、平行リンケージ式等の作業機支持装置10を備えている。本実施の形態では、該作業機支持装置10は、前記操向前輪3と、前記運転席8と、の間のスペースSを利用して、前記様々な作業機を持ち上げ状態で支持するようになっている。前記作業機支持装置10は、上下左右四本の平行リンク11,11,11,11と、該四本の平行リンク11,11,11,11を駆動せしめる作業機昇降駆動用アクチュエータ12と、を備えている。該作業機昇降駆動用アクチュエータ12は、例えば、電動式直線動アクチュエータであり、前記走行機体1に搭載された前記バッテリ7を電源として作動する。 【0033】次に、図1に示すように、前記散布装置2は、散布物送り出し装置13と、薬剤散布用ブーム装置14と、を備えていて、これら二つの装置13,14は、互いに別体に形成されている。本実施の形態では、前記散布物送り出し装置13は、液体肥料や薬液等の散布液を収容する、上蓋15a付きの左右のタンク15と、該タンク15内の前記散布液を強制的に送り出す、例えば、高圧プランジャ式等のポンプ16と、を一体的に備えている。これに対応して、前記ブーム装置14は、作業部材としての液体噴霧用のブーム17,18,19を備えたものとされている。 【0034】これに対し、例えば、散布物として粉粒材を散布する場合には、散布物容器として、例えば、ロール式等の粉粒材繰り出し装置を含む粉粒材収容ホッパーを用い、前記ポンプに代わる強制送り出し装置として、例えば、粉粒材搬送気流を生ぜしめるブロワを用い、さらに、粉粒材散布用ブームを有するブーム装置を用いることもできる。 【0035】本実施の形態において、前記散布物送り出し装置13は、図1に示すように、タンク支持フレーム20と、該タンク支持フレーム20上に前記走行機体1の進行方向に向かって左右に対にして配置された、互いに同一容量の前記タンク15と、該左右一対のタンク15,15同士の間に配置されて前記タンク支持フレーム20上に支持された前記ポンプ16と、を一体的に備え、一体として前記走行機体1に対して着脱自在とされている。前記タンク支持フレーム20には、前記左右一対のタンク15,15同士の間に位置するように、左右一対の柱部材21,21を介して、上下左右四つの取付部22,22,22,22が形成されている。該四つの取付部22,22,22,22には、前記走行機体1に予め設けられている前記作業機支持装置10の前記四本の平行リンク11,11,11,11の上下揺動端部が連結される。その後、前記作業機昇降駆動用アクチュエータ12を作動させれば、前記四本の平行リンク11,11,11,11によって前記散布物送り出し装置13が持ち上げられる。そして、該散布物送り出し装置13は、図2に明瞭に示されているように、前記操向前輪3と、前記運転席8と、の間の前記作業機支持スペースSにおいて、持ち上げ状態で支持される。 【0036】なお、図2に示すように、前記散布物送り出し装置13の前記タンク支持フレーム20には、前記散布物送り出し装置13の運搬を容易にせしめるため、キャスタ式台車23等の移動補助部材を設けることもできる。この場合、前記台車23は、前記タンク支持フレーム20から取り外し自在とせしめても良い。 【0037】一方、本実施の形態において、前記ブーム装置14は、図1に示すように、作業部材としての前記液体噴霧用のブーム17,18,19を備えている。該ブーム17,18,19は、一度に広幅の散布が行えるように、水平横長の中央ブーム17と、該中央ブーム17の左右両外端部にそれぞれ連結された長尺の左右ブーム18,19と、から成る。これらのブーム17,18,19の下面には、図3にも示すように、多数の噴霧ノズル24をその左右長さ方向に沿って等間隔をおいて有するノズル管25が、それぞれ取着されている。 【0038】前記中央ブーム17と、前記左右ブーム18,19と、の間は、前記ブームスプレーヤの移動時や運搬時や格納時等に、前記左右ブーム18,19を、前記走行機体1の左右側部に沿って後方へと折り畳んで収納できるように、それぞれ適当な形式のピボット折り畳み機構26を介して、屈曲可能に連結されている。 【0039】前記左右ブーム18,19の各々は、ブーム開閉駆動用アクチュエータ27によって、個別に開閉駆動される。ここでは、該各ブーム開閉駆動用アクチュエータ27として、電動式直線動アクチュエータを用いているが、これには限定されず、油圧式または空気圧式等の適宜のアクチュエータを採用することもできる。前記各ブーム開閉駆動用アクチュエータ27は、固定部としての前記中央ブーム17と、前記左右ブーム18,19の各々と、の間に架設され、その伸縮ロッド28を、前記左右ブーム18,19側に位置せしめて、それぞれに、枢止軸29,30によって枢止されている。前記各ブーム開閉駆動用アクチュエータ27は、前記ブーム装置14の前記走行機体1への取付時に、該走行機体1に搭載された前記バッテリ7から延びる電線(図示せず)に接続されて、前記バッテリ7を電源として作動する。 【0040】次に、図3を参照して、前記ブーム装置14の要部を詳細に説明する。図3は、前記走行機体1に対する前記ブーム装置14の取付関係を示す斜視図である。 【0041】前記ブーム装置14は、前記各ブーム17,18,19に加えて、前記走行機体1に対する前記ブーム17,18,19の相対位置を変化せしめる変位駆動機構43を一体的に備えており、図3に明瞭に示すように、一体として、前記走行機体1に対して着脱自在とされている。具体的には、図1および図2に示したように、前記走行機体1の前端部には、ブーム装置取付ステー31が予め固設され、前記ブーム装置14は、前記ブーム装置取付ステー31に対して着脱自在とされている。 【0042】該ブーム装置取付ステー31は、図3に示すように、前記走行機体1の左右方向に延びるベース部32と、該ベース部32の左右両端部の前面に下向きに延びるように固設された左右一対のリンク支持腕33,33と、前記ベース部32の長さ方向中央部より左右いずれか一方(図示例では、左方)に偏倚した位置で上向きに延びるように、前記ベース部32の前面に固設されたアクチュエータ支持腕34と、を備えている。前記ベース部32には、該ベース部32を前記走行機体1の平坦な上面35(図1参照)へボルト36で固定するための、複数の取付ボルト挿通孔37を有する取付板38が固設されている。また、前記左右一対のリンク支持腕33,33の各々には、その上下両端部の前面に、リンク枢止ピン挿通孔39を有するリンク連結用ブラケット40が固設されており、同様に、前記アクチュエータ支持腕34の上端部の前面には、アクチュエータ枢止ピン挿通孔41を有する走行機体側アクチュエータ連結用ブラケット42が固設されている。 【0043】一方、前記ブーム装置14の前記変位駆動機構43は、本実施の形態では、前記走行機体1に対して前記ブーム17,18,19を上下動せしめて、該ブーム17,18,19による散布地上高の変更を可能にせしめるための、ブーム昇降駆動機構とされている。該ブーム昇降駆動機構43は、前記走行機体1に連結される平行リンク装置44と、該平行リンク装置44を駆動せしめるブーム昇降駆動用アクチュエータ45と、を備えている。ここでは、該ブーム昇降駆動用アクチュエータ45として、一本の電動式直線動アクチュエータを用いているが、これには限定されず、油圧式または空気圧式等の適宜のアクチュエータを採用することもできる。前記ブーム昇降駆動用アクチュエータ45は、前記各ブーム開閉駆動用アクチュエータ27と同様に、前記ブーム装置14の前記走行機体1への取付時に、該走行機体1に搭載された前記バッテリ7から延びる電線(図示せず)に接続されて、前記バッテリ7を電源として作動する。 【0044】図3に示すように、前記平行リンク装置44は、前記中央ブーム17の左右両端部寄りの位置に立設された左右一対の前支柱46,46と、該左右一対の前支柱46,46に対してそれぞれ枢止された上下左右四本の平行リンク47,47,48,48と、を備えている。該四本の平行リンク47,47,48,48の各々は、その揺動前端部を、前記左右一対の前支柱46,46の上下両端部に対して、平行リンク枢止ピン49で枢止されている。一方、前記四本の平行リンク47,47,48,48の後端部(基端部)47a,47a,48a,48aは、前記ブーム装置取付ステー31の前記四つのリンク連結用ブラケット40,40,40,40に対して、平行リンク枢止ピン50で相対回動自在に連結される。 【0045】前記左右一対の下部平行リンク48,48は、前記揺動前端部に近い位置において、左右方向に延びるねじれ防止補強部材となる連結棒51で一体に連結されている。該連結棒51には、前記走行機体側アクチュエータ連結用ブラケット42の位置に対応せしめて、その長さ方向中央部より左方に偏倚した位置に、ブーム装置側アクチュエータ連結用ブラケット52が固設されている。そして、該ブーム装置側アクチュエータ連結用ブラケット52には、前記ブーム昇降駆動用アクチュエータ45の伸縮ロッド53の先端部が、ブーム装置側アクチュエータ枢止ピン54で枢止されている。 【0046】本実施の形態においては、前記ブーム昇降駆動用アクチュエータ45を一本だけしか使用していないので、コスト上有利である。前記一本のブーム昇降駆動用アクチュエータ45は、図1および図2に示すように、前記走行機体1の前記単一の操向前輪3の支持腕55の上部カバー56を避けるように、前記走行機体1の左右方向中央部からそのいずれか一側方(図示例では左方)へと偏倚せしめて配置されている。このため、前記走行機体1に対して、前記平行リンク装置44を可能な限り接近せしめて取り付けることができる。よって、前記ブームスプレーヤの全長をより短くすることができるので、たとえ三輪式であっても、前記走行機体1の走行安定性がより高まる等の効果がある。 【0047】ところで、左右一側方へと偏倚して架設された前記一本のブーム昇降駆動用アクチュエータ45で前記平行リンク装置44を上下駆動せしめると、前記ブーム17,18,19の総重量によっては、前記平行リンク装置44にねじれが生じて作動不良となることも予想される。そこで、本実施の形態では、前記連結棒51に加えて、例えば、図3に示すように、前記左右一対の前支柱46,46の上部同士を互いに連結せしめる平行リンク連結部材57を設けている。該平行リンク連結部材57は、前記一本のブーム昇降駆動用アクチュエータ45による前記ブーム17,18,19の昇降駆動時に、前記平行リンク装置44のねじれを防止する。 【0048】また、前記ブーム装置14は、互いに一体となっている前記ブーム17,18,19と前記ブーム昇降駆動機構43と、を地面G上で自立せしめる自立支持部材として、左右一対の支持脚58,58を備えている。このため、前記走行機体1から外した前記ブーム装置14から手を離しても該ブーム装置14が倒れないので、前記走行機体1からの取外作業性が良くなるほか、該走行機体1への非取付状態における前記ブーム装置14の取扱性も良好となる。 【0049】本実施の形態では、前記左右一対の支持脚58,58の各々は、前記左右一対の上部平行リンク47,47と、前記左右一対の下部平行リンク48,48とを、互いに上下方向に連結固定せしめる柱部材59と、該柱部材59の下端に固設された接地部材60と、該接地部材60と前記柱部材59との間に斜めに架設された補強部材61と、を備えている。前記各柱部材59は、前記各上部平行リンク47と、前記各下部平行リンク48と、に対して、上下一対の支持脚取付手締めねじ62,62で、着脱可能に取り付けられている。 【0050】本実施の形態では、前記左右一対の支持脚58,58によって、前記走行機体1への非取付状態においても、前記四本の平行リンク47,47,48,48が不動状態に保持されるので、前記ブーム装置14の取扱性が一層良好となる。さらに、図4に明瞭に示したように、前記左右一対の支持脚58,58は、前記走行機体1への取付部となる前記四本の平行リンク47,47,48,48の前記後端部47a,47a,48a,48aを、前記走行機体1側の取付受部となる前記四つのリンク連結用ブラケット40,40,40,40と同一地上高H1,H2に位置せしめている。このため、前記ブーム装置14の前記走行機体1への取付作業性が良好となる。すなわち、例えば、前記左右一対の支持脚58,58によって前記ブーム装置14を地面G上で自立させておき、前記走行機体1を前記ブーム装置14側へと前進せしめれば、前記走行機体1側の前記四つのリンク連結用ブラケット40,40,40,40が、自然に前記四本の平行リンク47,47,48,48の前記後端部47a,47a,48a,48aと一致するからである。 【0051】図3において、前記左右一対の支持脚58,58の内、少なくとも左側の支持脚には、前記走行機体1への非取付状態において、前記ブーム昇降駆動用アクチュエータ45のシリンダ部63の下端部63a側を支持するアクチュエータレスト64が一体形成されている。該アクチュエータレスト64を設けておけば、前記走行機体1への非取付状態において、前記ブーム昇降駆動用アクチュエータ45が前記地面Gに接触して汚損されたりすることが防止される。 【0052】次に、図4を参照して、前記ブーム装置14の前記走行機体1への取り付け方法を説明する。 【0053】前記ブーム装置14は、前記左右一対の支持脚58,58によって、前記地面G上で安定的に自立している。作業者は、前記ブーム昇降駆動用アクチュエータ45を、前記ブーム装置側アクチュエータ枢止ピン54を中心として上方へと回動せしめて、前記ブーム昇降駆動用アクチュエータ45を前記平行リンク連結部材57にもたれ掛けさせる等、適宜の手段で一時的に上向きに保持せしめた後に、前記走行機体1を運転して、該走行機体1を、自立状態の前記ブーム装置14へと接近せしめる。すると、前記走行機体1側の前記四つのリンク連結用ブラケット40,40,40,40が、自然に、前記四本の平行リンク47,47,48,48の前記後端部47a,47a,48a,48aと一致する。そこで、前記作業者は、前記走行機体1から降りて、前記四つのリンク連結用ブラケット40,40,40,40と、前記四本の平行リンク47,47,48,48の前記後端部47a,47a,48a,48aとを、前記リンク枢止ピン50でそれぞれ枢止せしめるとともに、前記ブーム昇降駆動用アクチュエータ45の前記シリンダ部63側の前記下端部63aを、走行機体側アクチュエータ枢止ピン65(図3参照)によって、前記走行機体側アクチュエータ連結用ブラケット42に枢止せしめれば良い。そして、前記作業者は、前記ブーム昇降駆動用アクチュエータ45と、前記各ブーム開閉駆動用アクチュエータ27と、を、前記走行機体1に搭載された前記バッテリ7から延びる電線(図示せず)に接続するとともに、前記散布物送り出し装置13から延びる図示しないホースを、例えばワンタッチカプラー等を介して、前記各ノズル管25へと接続する。その後、前記作業者は、前記支持脚取付手締めねじ62を外して、前記ブーム装置14から不要となった前記左右一対の支持脚58,58を取り外す。 【0054】前記ブーム装置14を前記走行機体1から取り外す場合には、前記と逆の手順で、取り外し作業を行えば良い。 【0055】本実施の形態によれば、散布作業を行う場合には、前記走行機体1に、前記ブーム装置14と、前記散布物送り出し装置13と、を簡単に取り付けることができ、一方、散布作業が終了し、他の作業を行う場合等には、前記ブーム昇降駆動機構43を含む前記ブーム装置14を、一体として、前記走行機体1から取り外すとともに、前記散布物送り出し装置13を、一体として、前記走行機体1から取り外すことができる。このため、前記ブーム装置14を前記走行機体1から取り外すと、該走行機体1側には、運転者の乗降動作や、前記走行機体1の運転操作や、他の作業の邪魔になるようなものは何も残らないので、前記走行機体1を、別の目的にも何の支障もなく広く利用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000141990 【氏名又は名称】株式会社共立
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| 【出願日】 |
平成11年6月11日(1999.6.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067677 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 彰司
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| 【公開番号】 |
特開2000−350502(P2000−350502A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月19日(2000.12.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−165016 |
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