| 【発明の名称】 |
耕耘機の作業機制動機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】丹治 光彦
【氏名】早田 裕光
【氏名】中野 将憲
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| 【要約】 |
【課題】除草作業等、高速回転を行う耕耘機の作業機において、作業機のクラッチで動力の切断を行った際、慣性により作業機はしばらくの間回転を続けていた。
【解決手段】エンジンからの動力をミッションケース2に伝え、該ミッションケースに設けたPTOクラッチを介してPTO軸21より作業機に動力を伝える耕耘機において、ミッションケース内にPTOブレーキを設け、該PTOブレーキと前記PTOクラッチを連動し、また、PTO軸に高速回転と低速回転を伝える動力伝達装置に切替クラッチ機構を設け、該切替クラッチ機構のスライダ74にギヤ77とPTOブレーキを構成する押圧部材を設け、前記PTOブレーキの押圧部材を制動部材58へ常時押し当てるようにばね101で付勢した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンからの動力をミッションケースに伝え、該ミッションケースに設けたPTOクラッチを介してPTO軸より作業機に動力を伝える耕耘機において、ミッションケース内にPTOブレーキを設け、該PTOブレーキと前記PTOクラッチを連動したことを特徴とする耕耘機の作業機制動機構。 【請求項2】 エンジンからの動力をミッションケースに伝え、該ミッションケースに配置したPTO軸に高速回転と低速回転を伝える動力伝達装置に切替クラッチ機構を設け、該切替クラッチ機構のスライダにギヤとPTOブレーキを構成する押圧部材を設けたことを特徴とする耕耘機の作業機制動機構。 【請求項3】 前記PTOブレーキの押圧部材を制動部材へ常時押し当てるように付勢したことを特徴とする請求項2記載の耕耘機の作業機制動機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば中耕除草又は耕耘作業等を行う歩行式の耕耘機に関する。詳細には、該耕耘機の作業部において、クラッチとブレーキが連動する機構を提供するための技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、PTO軸にトルクリミッタを設けて無理な負荷がかかった場合に動力伝達部の破損を防ぐため、クラッチ爪をクラッチプレートにばねの付勢力で圧迫する安全装置を設ける構成が、コンバイン等では公知となっているが、耕耘機においては未だ前例がない。また、従来における、草刈作業等、刈刃軸を高速回転させるモア等では、作業機のクラッチで動力の切断を行っても、慣性により作業機はしばらくの間回転を続けるので、この慣性回転を防止するために慣性ブレーキを設ける技術も公知となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の耕耘機では、モアを装着した場合には、モア側に慣性ブレーキを設けていたが、本機側には設けられず、特に、草刈作業と耕耘作業を切り替えて作業できる耕耘機が要望されていたのである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。即ち、請求項1においては、エンジンからの動力をミッションケースに伝え、該ミッションケースに設けたPTOクラッチを介してPTO軸より作業機に動力を伝える耕耘機において、ミッションケース内にPTOブレーキを設け、該PTOブレーキと前記PTOクラッチを連動した。 【0005】請求項2においては、エンジンからの動力をミッションケースに伝え、該ミッションケースに配置したPTO軸に高速回転と低速回転を伝える動力伝達装置に切替クラッチ機構を設け、該切替クラッチ機構のスライダにギヤとPTOブレーキを構成する押圧部材を設けた。 【0006】請求項3においては、前記PTOブレーキの押圧部材を制動部材へ常時押し当てるように付勢した。 【0007】 【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明する。最初に、本発明の一実施例に係る耕耘機の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施例に係る耕耘機の全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図である。 【0008】即ち、図1・図2に示す如く、この耕耘機は、左右一対の走行輪1・1をミッションケース2に車軸3・3を介して装設させ、ミッションケース2後部にハンドル台4下部を固定し、ハンドル台4上部に平面視ループ状の操向ハンドル5を連結させて、ミッションケース2の後方斜上方に操向ハンドル5が位置する構成としている。 【0009】そして、クラッチレバー7や、主変速操作手段たる主変速レバー6や、デフロック操作手段たるデフロックレバー8や、エンジンの回転数を変更するアクセルレバー10等を操向ハンドル5近傍の操作部9に取り付けている。主変速レバー6は後述するPTOクラッチの断接操作兼用としており、レバーの前後傾動により耕耘機の前後進及び速度の変更操作を行い、左右傾動によりPTOクラッチの断接操作を行うようにしている。 【0010】また、図1に示すように、前記ミッションケース2上面の略水平面2a上にエンジン11を載置固定し、エンジン11の出力を無段変速する静油圧式無段変速装置(以下「HST」)12をミッションケース2後部の左右一側(本実施例では進行方向右側)側面に設け、エンジン11の出力軸17とHST12の入力軸18とを、出力プーリ15、入力プーリ16、ベルト14により連結している。エンジン11の上部には燃料タンク34を設けている。また、該ミッションケース2への動力伝達を断接するためのベルトテンションクラッチ13が設けられ、該テンションクラッチ13は図示せぬリンク機構、ワイヤー等を介して上記操作部9のクラッチレバー7に連係され、該クラッチレバー7によりテンションクラッチ13の断接が操作される。また、テンションクラッチ13の「断」への切替と連動して制動を行うブレーキがHST12の入力軸18に配設され、クラッチ「断」操作直後の慣性力による回転を制動して、駆動停止を素早く行うようにしている。 【0011】また、前記ミッションケース2は側面視「L」型に形成して、後側を下方に突出させて上下延設部19とし、ミッションケース2後側の下部に左右の車軸3・3を軸支させ、ミッションケース2後部の上下延設部19内に走行変速機構20を設け、車軸3・3の略直上方に入力軸18を配設させ、入力軸18の略直上方に出力軸17を配設させている。更に、エンジン11の下方にはHST12を配設させ、HST12の下方に車軸3・3を配設させ、エンジン11の駆動力を上方から下方に伝えて走行輪1・1を駆動させる。この構成により、伝動レイアウトをシンプルとすることができ、メンテナンス性を向上させることができる。また、ミッションケース2をコンパクトとすることができ、機体の小型化をも図ることができる。 【0012】さらに、前記ミッションケース2上部は前方に突出させて前後延設部28とし、その前部にPTO軸21を軸支させ、図2に示すようにミッションケース2前部左右にパイプ部材99・99を突出させ、該パイプ部材99・99を介して伝動ケース22及びサイドフレーム23をミッションケース2前部に固定させ、伝動ケース22及びサイドフレーム23を介して作業機24を設け、ミッションケース2前側に作業機24を装設させており、伝動ケース22とサイドフレーム23にロータリ軸25の両端を回転自在に軸支し、該作業機24はロータリ耕耘装置兼草刈り機としている。つまり、耕耘と草刈に兼用する複数の切削ロータリ刃26・26・・・をロータリ軸25に取り付け、各切削ロータリ刃26・26・・・の上面及び左右をロータリカバー27によって閉塞させている。 【0013】また、前記ミッションケース2の前後延設部28にはPTOクラッチや正逆転切替機構や減速機構等からなるPTO変速機構29を設け、前記入力軸18前方にPTO軸21を設けて作業機24のロータリ軸25に連結させ、切削ロータリ刃26・26・・・を走行輪1・1の前進側回転と同一方向(矢視Aの方向。以下「正転方向」)に低速で回転させることによって耕耘作業を行わせる一方、上記と逆方向(以下「逆転方向」)に切削ロータリ刃26・26・・・を高速回転させて草刈作業を行わせる。 【0014】さらに、この耕耘機は、前記作業機24の耕耘作業と同時に畔立作業を行わせる後作業機30を備え(図1)、ミッションケース2後面の後ヒッチ31にヒッチピン32を介して後作業機30を着脱自在に設けるとともに、後作業機30をヒッチピン32回りに回転させて昇降自在としており、後作業機30を下降着地させて畔立作業位置に支持させたり、ハンドル台4後側に後作業機30を持ち上げて非作業位置に支持させる。 【0015】次に、作業機24の構成について、主に図3及び図4を参照して説明する。図3は耕耘機の前部に取り付けられる作業機の構成を示した側面図、図4は同じく平面図である。図5は作業機におけるロータリ刃の取り付け構成を示した側面図一部断面図である。 【0016】即ち、作業機24左右の適宜位置にて調高アーム39・39及びゲージフレーム35・35を支軸40・40を介して傾動自在に枢支し、ゲージフレーム35・35の先端は前方に突出されてゲージ輪36・36をそれぞれ方向転換自在に取り付け、ゲージフレーム35を介してゲージ輪36が昇降可能となるようにしている。更に、ゲージフレーム35・35にはブラケット81を固定させ、平面視門型の前面カバー45の左右両端部を該ブラケット81に支軸46・46を介して回転自在に取り付けており、ゲージフレーム35の上下傾動操作と連動して前面カバー45の上昇又は下降が行われるようにしている。 【0017】該前面カバー45の左右側面上縁には板状部材82を突出して、該板状部材82にピン83を突設する一方、上記調高アーム39は、その前縁部に上下二つの凹部39a・39bを設けている。この構成により、上記ピン83を上側凹部39aに係止することにより、ゲージフレーム35を上方へ傾動させてゲージ輪36を耕耘作業位置Naへ上昇させた状態で保持固定できるようにしている。一方、ピン83を下側凹部39bに係止することにより、ゲージフレーム35を下方へ傾動させてゲージ輪36を草刈作業位置Nbへ下降させた状態で保持固定できるようにしている。上記ゲージ輪36の高さの変更は、前面カバー45前部に設けた把持部84をオペレータが握って昇降操作することにより行われる。また、上記ブラケット81にはワイヤー85が連結されて、ミッションケースのPTO変速機構29に配設された、後述の正逆転切替クラッチスライダ(図6における符号78)に連係されており、上記ゲージ輪36が耕耘作業位置Naにあるときは正転方向の低速回転がロータリ軸25に伝達され、上記ゲージ輪36が草刈作業位置Nbにあるときは逆転方向の高速回転がロータリ軸25に伝達されるようにしている。 【0018】以上構成により、上記前面カバー45の把持部84をオペレータが握って持ち上げたときは、ゲージフレーム35が上方へ傾動され、ゲージ輪36が耕耘作業位置Naまで上昇され、ロータリ軸25のゲージ輪36に対する相対高さが低くなって、耕耘作業に適した深さで切削ロータリ刃26を地中に突入可能とするとともに、前面カバー45も上昇退避されて耕耘作業の邪魔にならないようにしている。また、ブラケット81によるワイヤーの張引が解除され、これに連動してPTO変速機構29内の正逆転クラッチスライダ78が摺動されてクラッチの係脱が行われ、この状態で耕耘機を駆動させた場合は上記ロータリ軸25に正転方向(矢視A)の低速回転が伝達されて、耕耘作業が行われるようにしている。一方、上記把持部84を握って押下したときは、ゲージフレーム35が下方へ傾動され、ゲージ輪36が草刈作業位置Nbまで下降され、ロータリ軸25のゲージ輪36に対する相対高さが高くなって草刈作業に適した位置となるとともに、前面カバー45が下降してロータリカバー27の前部を遮蔽して、刈り取られた草等が飛散するのを防止するようにしている。また、ブラケット81がワイヤーを張引するので、連動してPTO変速機構29内のクラッチの係脱が行われ、この状態で耕耘機が駆動された場合は上記ロータリ軸25に逆転方向の高速回転が伝達されて、草刈作業が行われるようにしているのである。 【0019】上記のように、耕耘機の草刈作業及び耕耘作業の切替操作を耕耘機前方の上記把持部84により行うように構成していることにより、この切替操作はオペレータが、耕耘機後部の操作部9から一旦離れて、作業機24前方にまわって把持部84を操作することにより行わなければならないこととなる。このことは、耕耘機の操作部9のクラッチレバー7から手を離した状態で該切替操作をしなければならないことを意味するから、この切替は必ず作業機24及び走行輪1・1に動力が伝達されない状態で行われることとなり、誤操作等が防止され、故障等の可能性も低くなるのである。 【0020】また、前記左右のパイプ部材99・99のうち一側の中途部に固定させる受け台41に調高ハンドル軸42aが回転自在及び摺動不能に取り付けられ、該調高ハンドル軸42aの前端にはネジ部44が設けられる一方、左右の調高アーム39・39はその上部を連結パイプ80により連結され、該連結パイプ80の中途部に取り付ける螺着子43に上記ネジ部44を螺挿し、調高ハンドル軸42a後端に基端を固設する調高ハンドル42の回転操作によって支軸40回りにゲージフレーム35を揺動させ、ゲージ輪36の高さの細かい調整が行えるようにしている。 【0021】また、図3・図4に示すように、前記ロータリ軸25には爪台49を固定させ、爪台49に支軸50を介して切削ロータリ刃26を枢支しており、草刈作業時にはロータリ軸25を逆転方向(矢視Aと逆方向)に高速回転させることにより、切削ロータリ刃26は遠心力によって放射線方向に保持されながら回転するようにしている。また、草刈作業時に切削ロータリ刃26が石等に当たっても、その衝撃は、切削ロータリ刃26の支軸50回りの回転によって吸収されるようにしており、作業機24の破損を防止する構成となっている。一方、前記爪台49には後退ストッパ51が固設されており、ロータリ軸25を矢視A方向に正転させて耕耘作業を行うときは、切削ロータリ刃26が該ストッパ51に当接して、切削ロータリ刃26を後傾姿勢で保持させるようにしており、形成される後退角により耕耘抵抗を低減させるとともに、耕耘力(耕耘深さ)を確保するようにしている。 【0022】次に、ミッションケース2の上下延設部19内に配設された、上述の走行変速機構20を説明する。図6はミッションケース内部の伝動系の構成を示した平面断面展開図である。 【0023】即ち、図6に示す如く、上記HST12には、その出力軸52の回転方向及び回転速度を変更するためのトラニオンレバー12aが装設され、該トラニオンレバー12aは、ワイヤーやリンク機構等を介して、上記操作部9の主変速レバー6に連係される。そして該HST12の出力軸52にはパイプ状の減速出力軸53が相対回転不能に取り付けられ、該減速出力軸53の外周面にはギア53aが刻設される。また、上記減速出力軸53下方(図6における上方)には減速中間軸65が配設され、該減速中間軸65にはギア66が固定され、該ギア66は上記減速出力軸53のギア53aに噛合される。上記減速中間軸65にはギア65aが形設され、該ギア65aは、上記減速出力軸53上に遊嵌した減速最終軸70上に固定したギア67に噛合される。該減速最終軸70にはスプロケット68が一体的に形設されており、該スプロケット68は、左右車軸3・3を差動的に結合するボールデフ機構55に設けられた入力スプロケット69に、走行駆動チェーン54を介して連動連結される。ボールデフ機構55には、操作部に配設された上述のデフロックレバー8に連係される、デフロック機構55aが配設される。 【0024】以上構成により、入力プーリ16を介して入力軸18に入力されたエンジン11の動力は、HST12にて回転速度及び回転方向の制御が行われた後、出力軸52から減速出力軸53→ギア53a→ギア66→減速中間軸65と伝達されて減速された後、ギア65a→ギア67→減速最終軸70と伝達され、スプロケット68から走行駆動チェーン54を経由し、ボールデフ機構55を介して左右車軸3・3を駆動する。 【0025】次に、ミッションケース2の前後延設部28内に配設された、上述のPTO変速機構29を説明する。即ち、図6に示すように、上記入力軸18にはPTO出力スプロケット71が一体的に形設され、該入力軸の前方に設けられた伝動軸72には入力スプロケット73が相対回転自在に遊嵌され、両スプロケット71・73はPTO入力チェーン56を介して連動連結される。該入力スプロケット73の側面には図8に示すように、爪クラッチ73aが形成されている。そして、上記伝動軸72にはPTOクラッチスライダ74が相対回転不能及び軸方向摺動自在にスプライン嵌合され、該PTOクラッチスライダ74には爪クラッチ74aを設けている。従って、PTOクラッチスライダが図6における右方向へ摺動することにより、上記爪クラッチ74aが上記入力スプロケット73の爪クラッチ73aに係合し、PTOクラッチが「接」となり、入力スプロケット73の回転が該クラッチスライダ74を介して伝動軸72に伝達される。また、PTOクラッチスライダ74には逆転ギア77が固定される。このPTOクラッチスライダ74は、リンク機構を介して上記操作部9の主変速レバー6に連係されており、該主変速レバー6を機体左右方向に傾動することによってPTOクラッチの断接操作が行えるようにしている。 【0026】更に伝動軸72には耕耘側出力スプロケット75が一体的に形設され、該スプロケット75は、伝動軸72前方に軸支された上述のPTO軸21に相対回転自在に取り付けられたスプロケット76に、低速正転チェーン61を介して連動連結される。また、スプロケット76側面に爪クラッチ76aを構成している。そして、PTO軸21には正逆転切替クラッチスライダ78が相対回転不能及び軸方向摺動自在にスプライン嵌合され、該正逆転切替クラッチスライダ78には、耕耘側入力爪クラッチ78aと草刈側入力ギア78bとを設けている。このようにして、切替クラッチ機構を構成している。 【0027】以上の構成により、正逆転切替クラッチスライダ78が図6における右方向へ摺動したときは、上記逆転ギア77と草刈側入力ギア78bとの噛合が解除され、上記スプロケット76の爪クラッチ76aに耕耘側入力爪クラッチ78aが係合して、該スプロケット76の回転が正逆転切替クラッチスライダ78を介してPTO軸21に伝達されて、上述のロータリ軸25を低速で正転させ、耕耘作業を行わせる。一方、正逆転切替クラッチスライダ78が図6における左方向へ摺動した場合は、上記スプロケット76の爪クラッチ76aと耕耘側入力爪クラッチ78aの係合が解除され、上記逆転ギア77と草刈側入力ギア78bとが噛合されて、逆転ギア77の回転が正逆転切替クラッチスライダ78を介してPTO軸21に伝達されて、上述のロータリ軸25を高速逆転させて、草刈作業を行わせるのである。 【0028】即ち、入力軸18からPTO出力スプロケット71→PTO入力チェーン56→入力スプロケット73→PTOクラッチスライダ74と伝達された動力は、二手に分岐されて、一方は伝動軸72→スプロケット75→低速正転チェーン61→スプロケット76と減速されながら伝達され、他方は逆転ギア77にて増速及び回転方向の正逆変換を行う。そして、スプロケット76又は逆転ギア77の動力が択一的に正逆転切替クラッチスライダ78に入力されて、PTO軸21に低速正転又は高速逆転の動力を伝達しているのである。 【0029】また、図4に示すように、上記PTO軸21は前記パイプ部材99・99のうち一側の内部を挿通して伝動ケース22内に突出されて、該突出部分にはスプロケット90が取り付けられる一方、作業機のロータリ軸25には基軸91を介してスプロケット92が相対回転不能に取り付けられており、伝動チェーン63により両スプロケット90・92が連動連結されて、PTO軸21の回転をロータリ軸25に伝達している。更に、前記逆転ギア77はPTOブレーキを構成する押圧部材を兼ねており、該逆転ギア77側方のミッションケース内壁にはPTOブレーキを構成する制動部材58が固設されており、後述する操作により、前記PTOクラッチスライダ74が「断」となったときは、該制動部材58を上記逆転ギア77の側面に圧接させて制動作用を行わせて、特に草刈り作業におけるPTOクラッチ「断」操作直後の、切削ロータリ刃26の慣性力による回転を素早く停止するPTOブレーキを構成している。 【0030】次に、本発明の要部たる、作業機の制動機構に関して図7乃至図9より詳述する。このPTOクラッチスライダ74には、PTOクラッチフォーク102が嵌合しており、該クラッチフォーク102の摺動によりPTOクラッチの断接操作が行えるようにしている。該クラッチフォーク102は図9に示すように、ミッションケース内でその一端を軸支されたシャフト100上に固設されており、該シャフト100外周上にはミッションケース2の内壁と該クラッチフォーク102間にばね101を巻装させ、該クラッチフォーク102を図の矢視F1方向に付勢している。また、シャフト100の他端はミッションケース2の外側に突出しており、その端部に枢支軸100aを固設し、該枢支軸100aにアーム104の中途部を回動自在に支持している。該アーム104はプレートを側面視略U字状に形成しており(図7)、その一端(下端)が回動支点104aとしてピンによりミッションケース2に回動自在に支持され、該アーム104は枢支軸100aに軸支される部分からミッションケース2の外方側に屈曲し、その他端(上端)にはピン104bを固設し、該ピン104bにばね105の一端を係止している。さらに該ばね105の他端にはワイヤケーブル106が連結され、該ワイヤケーブル106がリンク機構等を介して上記操作部の主変速レバー6に連係されている。 【0031】以上の構成において、前記クラッチフォーク102はばね101の付勢力により図9の矢視F1方向に付勢され、該クラッチフォーク102に係合される前記PTOクラッチスライダ74も同じく矢視F2方向に付勢され、該PTOクラッチスライダ74が図8における左方向へ摺動することにより、PTOクラッチが「断」の状態となる。このとき、PTOクラッチスライダ74と共に、前記逆転ギア77の側面が制動部材58に圧接されPTOブレーキが制動されることとなり、該逆転ギア77は草刈側入力ギア78bと噛合し、該草刈側入力ギア78bはPTO軸21とスプライン嵌合しているので、作業が慣性で回転していても、速やかに回転が停止されるのである。そして、前記主変速レバー6の左右傾動によりPTOクラッチ「断」の操作が行われると、ワイヤケーブル106が図9の矢視F3方向に引張られ、前記アーム104が回動し、前記シャフト100及びクラッチフォーク102を一体的に矢視F1(F2)方向とは逆方向に摺動させる。これにより、PTOクラッチスライダ74が図8における右方向へ摺動して、PTOクラッチが「接」の操作が行われ、制動は解除されるのである。 【0032】 【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。即ち、請求項1の如く、エンジンからの動力をミッションケースに伝え、該ミッションケースに設けたPTOクラッチを介してPTO軸より作業機に動力を伝える耕耘機において、ミッションケース内にPTOブレーキを設け、該PTOブレーキと前記PTOクラッチを連動したので、PTOクラッチの「断」操作でPTOブレーキを制動させることができて、作業終了と同時に作業機の慣性回転を速やかに停止させることができ、耕耘爪による土の飛散等を防止できる。また、「接」操作でPTOブレーキの制動を解除して通常の作業が行え、作業を停止する度に作業機の慣性回転を停止させる操作等を不要とすることができた。 【0033】また、請求項2の如く、エンジンからの動力をミッションケースに伝え、該ミッションケースに配置したPTO軸に高速回転と低速回転を伝える動力伝達装置に切替クラッチ機構を設け、該切替クラッチ機構のスライダにギヤとPTOブレーキを構成する押圧部材を設けたので、クラッチとブレーキの機能を同一部品で兼用することができ、部品点数を削減でき、コストダウンが実現できたのである。 【0034】また、請求項3の如く、前記PTOブレーキの押圧部材を制動部材へ常時押し当てるように付勢したので、レバーを「断」位置に操作するだけで、それと同時に、ばね付勢力にて押圧部材を制動部材に圧接し、制動することができ、制動するための操作が不要となり、制動の忘れを防止でき、誤操作も防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月7日(1999.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−342015(P2000−342015A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月12日(2000.12.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−159361 |
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