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【発明の名称】 刈取収穫機
【発明者】 【氏名】池田 博

【氏名】高原 一浩

【要約】 【課題】機体前方側における植立茎稈の分布状態を合理的な構成により能率よく検出して、刈取収穫のための走行を極力、適正に行うことが可能となる刈取収穫機を提供する。

【解決手段】距離検出方向を機体前方側で且つ下方側に向けた距離検出センサSa1,Sa2を備えて、この距離検出センサSa1,Sa2により機体前方側における植立茎稈の既刈領域と未刈領域との境界を検出する分布状態検出手段BKが設けられ、この分布状態検出手段BKの検出情報に基づいて境界に沿って走行すべく走行を制御するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 距離検出方向を機体前方側で且つ下方側に向けた距離検出センサを備えて、この距離検出センサにより機体前方側における植立茎稈の機体横幅方向での分布状態を検出する分布状態検出手段が設けられ、この分布状態検出手段の検出情報に基づいて刈取収穫のための走行を制御する走行制御手段が設けられている刈取収穫機。
【請求項2】 前記分布状態検出手段が、前記分布状態として、前記植立茎稈の既刈領域と未刈領域との境界を検出するように構成され、前記走行制御手段は、前記境界に沿って走行すべく走行を制御するように構成されている請求項1記載の刈取収穫機。
【請求項3】 前記走行制御手段は、未刈領域の外周に沿う1つの作業行程の終端部に達するに伴って、前記未刈領域に接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、前記1つの作業行程と交差する次の作業行程の手前個所に向けて後進旋回走行を開始させ、その後進旋回走行中において、前記分布状態検出手段が前記次の作業行程における始端部を検出するに伴って、前記後進旋回走行を終了し、引続き、前記分布状態検出手段の検出情報に基づいて、前記次の作業行程における始端部に向けて前進走行させる作業行程切換用の旋回走行制御を実行するように構成されている請求項1又は2記載の刈取収穫機。
【請求項4】 水平基準姿勢に対する機体前後傾斜角を検出する傾斜角検出手段が設けられ、前記分布状態検出手段が、前記傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、前記距離検出センサの検出値を補正して、その補正値から前記分布状態を検出するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の刈取収穫機。
【請求項5】 前記分布状態検出手段が、前記距離検出センサを機体横幅方向に沿って複数並置させた状態で備えて、その各距離検出センサの検出値の差に基づいて、前記分布状態を検出するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の刈取収穫機。
【請求項6】 前記分布状態検出手段が、前記距離検出センサを、機体横幅方向に沿って往復移動操作自在に備えるとともに、その距離検出センサの移動位置を検出する位置検出手段を備えて、前記距離検出センサの検出情報と、前記位置検出手段の検出情報とに基づいて、前記分布状態を検出するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の刈取収穫機。
【請求項7】 前記距離検出センサが、前記距離検出方向に向けて超音波を発信してから検出対象物にて反射してくる反射波を受信するまでの時間に基づいて、検出対象物までの距離を検出する超音波センサにて構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の刈取収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行しながら植立茎稈を刈取収穫するように構成されている刈取収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記刈取収穫機において、従来では、例えば特開平1−206906号公報に示されるように、機体前方側の植立茎稈に対する距離を検出する超音波式の距離センサと、この距離センサを縦軸芯周りで水平方向に走査させる走査手段と、距離センサの検出情報と走査手段の走査角度情報とに基づいて、刈取収穫のための走行を制御する制御手段とが設けられ、距離センサの検出情報と走査手段の走査角度情報とに基づいて、植立茎稈の未刈領域の外周部に対する近似直線を求めるとともに、その近似直線の検出結果により次の作業行程の始端部に対応する未刈領域の角部を求めてその角部に向けて機体を走行させたり、あるいは、前記近似直線の検出情報に基づいて、その近似直線に対する機体の向きと横幅方向の位置とが設定範囲内に維持されるように走行を制御して、前記作業行程における刈取走行、即ち、未刈領域の外周部(既刈領域との境界)に沿う刈取走行を行わせるように構成したものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成においては、例えば、上記したような検出情報に基づいて未刈領域の外周部(既刈領域との境界)に沿って刈取走行させる場合においては、近似直線に対する機体の向きと横幅方向の位置とが設定範囲内に維持されるように走行を制御する構成であり、距離センサの距離検出方向を縦軸芯周りで水平方向に走査させる構成であるから次のような不利があった。つまり、設定単位時間毎に距離センサによる距離情報を多数計測して、近似直線を求めるための複雑な演算が必要であり、しかも、距離センサは水平方向に走査されるので、検出信号を発信した時点から反射波を受信するまでの間に所定角度にわたり走査されており、検出信号を発信した時点における走査角度と反射波を受信した時点における走査角度との間に誤差が生じるので、走査角度データを距離検出データに応じて逐次補正する等の複雑な処理も必要となって、演算処理が煩わしく処理に時間がかかる不利があり、刈取収穫のための走行を適正に制御することができないおそれがある。
【0004】本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、機体前方側における植立茎稈の分布状態を能率よく検出して刈取収穫のための走行を極力、適正に行うことが可能となる刈取収穫機を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構成によれば、距離検出方向を機体前方側で且つ下方側に向けた距離検出センサを備えて、この距離検出センサにより機体前方側における植立茎稈の機体横幅方向での分布状態を検出する分布状態検出手段が設けられ、この分布状態検出手段の検出情報に基づいて刈取収穫のための走行を制御する走行制御手段が設けられている。
【0006】分布状態検出手段は、それに備えられた距離検出センサが距離検出方向を機体前方側で且つ下方側に向けた状態で距離を検出して、機体前方側における植立茎稈の機体横幅方向での分布状態を検出することになる。そして、走行制御手段は、このようにして検出された分布状態検出手段の検出情報(分布状態)に基づいて刈取収穫のための走行を制御するのである。
【0007】従って、前記距離検出センサによる距離検出情報は、常に、機体前後方向に沿う距離情報であることから、例えば、距離検出方向を水平方向に走査するような従来構成に比べて、距離検出情報を水平走査方向の変化に応じて補正したり、走査方向の変化に対応させて近似直線を求める等の煩わしい演算処理を要することなく、能率よく植立茎稈の機体横幅方向での分布状態を検出することが可能となり、刈取収穫のための走行を極力、適正に行うことが可能となる刈取収穫機を提供できるに至った。
【0008】請求項2に記載の特徴構成によれば、前記分布状態検出手段が、前記分布状態として、前記植立茎稈の既刈領域と未刈領域との境界を検出するように構成され、前記走行制御手段は、前記境界に沿って走行すべく走行を制御するように構成されている。
【0009】分布状態検出手段によって距離検出センサによる距離検出情報に基づいて植立茎稈の既刈領域と未刈領域との境界が検出され、その境界に沿って走行すべく走行が制御されることになる。従って、植立茎稈の既刈領域と未刈領域との境界を能率よく検出しながら、前記境界に沿う状態で行われる刈取収穫のための走行を極力、適正に行うことが可能となった。
【0010】請求項3に記載の特徴構成によれば、前記走行制御手段は、未刈領域の外周に沿う1つの作業行程の終端部に達するに伴って、前記未刈領域に接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、前記1つの作業行程と交差する次の作業行程の手前個所に向けて後進旋回走行を開始させ、その後進旋回走行中において、前記分布状態検出手段が前記次の作業行程における始端部を検出するに伴って、前記後進旋回走行を終了し、引続き、前記分布状態検出手段の検出情報に基づいて、前記次の作業行程における始端部に向けて前進走行させる作業行程切換用の旋回走行制御を実行するように構成されている。
【0011】つまり、前記1つの作業行程の終端部に達するに伴って、未刈領域に接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、その作業行程と交差する次の作業行程の手前個所に向けて後進旋回走行を開始させることになるが、そのとき、その後進旋回走行中に分布状態検出手段により検出される前記分布状態の検出情報に基づいて次の作業行程における始端部が検出されると、後進旋回走行を終了する。そして、それに引続いて分布状態検出手段により検出される前記分布状態の検出情報に基づいて、次の作業行程における始端部に向けて前進走行させるのである。
【0012】従って、上記したように、1つの作業行程の終端部から、それと交差する次の作業行程の始端部に向かうように旋回走行する場合に、植立茎稈の分布状態を能率よく検出しながら、前記後進旋回走行の終了とそれに引き続く次の作業行程の始端部に向けての走行とを適正に行わせることが可能となった。
【0013】請求項4に記載の特徴構成によれば、水平基準姿勢に対する機体前後傾斜角を検出する傾斜角検出手段が設けられ、前記分布状態検出手段が、前記傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、前記距離検出センサの検出値を補正して、その補正値から前記分布状態を検出するように構成されている。
【0014】前記距離検出センサは、その距離検出方向が機体前方側で且つ下方側に向けて距離を検出することになるが、その検出作動を実行しているときに、例えば、走行面の傾斜や凹凸等に起因して機体前後傾斜角が変化した場合、前記距離検出方向もそれに伴って変化してしまうことになるので、その検出距離情報をそのまま用いて前記分布状態を検出すると実際の分布状態とは異なる誤った情報として検出してしまうおそれもある。そこで、傾斜角検出手段により水平基準姿勢に対する機体前後傾斜角を検出して、その検出情報に基づいて距離検出センサの検出値を補正して、その補正値から前記分布状態を検出するのである。
【0015】その結果、刈取作業走行に伴って機体姿勢が前後傾斜するようなことがあっても、機体前方側で且つ下方側に向けての距離検出を極力精度よく行うことができ、前記分布状態を適正に検出することが可能となる。
【0016】請求項5に記載の特徴構成によれば、前記分布状態検出手段が、前記距離検出センサを機体横幅方向に沿って複数並置させた状態で備えて、その各距離検出センサの検出値の差に基づいて、前記分布状態を検出するように構成されている。
【0017】機体横幅方向に沿って並置させた複数の距離検出センサが各々距離検出方向を機体前方側で且つ下方側に向けて距離を検出して、それらの各距離検出センサの検出値の差に基づいて前記分布状態を検出するのである。例えば、前記分布状態として、前記植立茎稈の既刈領域と未刈領域との境界を検出する構成では、複数の距離検出センサのうち植立茎稈の既刈領域を検出対象とするものは、植立茎稈が存在することから検出距離が短く、植立茎稈の既刈領域を検出対象とするものは、植立茎稈が存在せず地面までの距離を計測することになり検出距離が長くなる。このような距離の検出値の差によって前記分布状態を検出することができるのである。
【0018】このように構成した場合には、例えば、距離検出センサを移動操作させたりする等の複雑な機構を設ける必要がなく、これらを設置するための構成が簡単であり、しかも、複数の距離検出値を対比してそれらの差によって分布状態を検出する構成であるから、距離検出情報に基づいて分布状態を検出するための演算処理等も簡単なもので済ませることができ、構成を簡素化できる利点がある。
【0019】請求項6に記載の特徴構成によれば、前記分布状態検出手段が、前記距離検出センサを、機体横幅方向に沿って往復移動操作自在に備えるとともに、その距離検出センサの移動位置を検出する位置検出手段とを備えて、前記距離検出センサの検出情報と前記位置検出手段の検出情報とに基づいて、前記分布状態を検出するように構成されている。
【0020】つまり、前記距離検出センサがその距離検出方向を機体前方側で且つ下方側に向けた状態で機体横幅方向に沿って往復移動操作されるに伴って、その距離検出センサにて距離が検出されるとともに、位置検出手段により距離検出センサの移動位置が検出され、距離検出センサの検出情報と位置検出手段の検出情報とに基づいて、機体前方側における植立茎稈の機体横幅方向での分布状態が検出されることになる。
【0021】前記分布状態として、例えば、植立茎稈の既刈領域と未刈領域との境界を検出する場合においては、前記距離検出センサによる検出情報(検出距離)が大きく変化する箇所が前記境界に対応することから、そのときの前記位置検出手段にて検出される距離検出センサの移動位置が前記境界に対応することになり、複数の距離検出センサを位置固定状態で並置させて各距離検出センサの検出値の差に基づいて境界(分布状態)を検出する構成に比べて、前記境界を精度よく検出することができる。
【0022】その結果、距離検出センサを機体横幅方向に沿って複数並置させた状態で備えて各距離検出センサの検出値の差に基づいて分布状態を検出する構成に比べて、精度よく分布状態を検出することが可能となり、刈取収穫のための走行をより適正に行うことが可能となる刈取収穫機を提供できるに至った。
【0023】請求項7に記載の特徴構成によれば、前記距離検出センサが、前記距離検出方向に向けて超音波を発信してから検出対象物にて反射してくる反射波を受信するまでの時間に基づいて、検出対象物までの距離を検出する超音波センサにて構成されている。
【0024】前記距離検出センサとして、例えば光式の距離検出センサにて構成することも考えられるが、このような光式の距離検出センサであれば、走行に伴って発生する塵埃が検出光の投受光部に付着して、適切に距離検出できなくなるおそれがあるのに比べて、超音波センサにて構成されることで、かかる不具合を適切に回避させながら、しかも、光式の距離検出センサに比べて比較的安価なものとして距離検出センサを構成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る刈取収穫機の一例としてのコンバインについて図面に基づいて説明する。図1に示すように、コンバインには、左右一対のクローラ走行装置1R,1L、脱穀装置2、操縦部4等を備えた走行機体9の前部側に、走行に伴って圃場の植立茎稈Tを刈り取る刈取部3が、刈取昇降用の油圧シリンダ23によって昇降自在な状態で設けられている。
【0026】刈取部3は、倒伏している茎稈を引き起こす引き起こし装置5、引き起こされた植立茎稈の株元を切断する刈刃6、刈取茎稈を横倒れ姿勢に変更しながら機体後部側の脱穀用のフィードチェーン8に向けて搬送する搬送装置7等を備えている。上記引き起こし装置5の下部後方側個所に、刈取部3の対地高さを検出する超音波式の刈高センサS5が設けられ、搬送装置7の搬送始端側箇所に、刈取茎稈の株元が接当するとオン作動し、刈取茎稈の株元が接当しない状態ではオフ作動する株元センサS0が設けられている。つまり、この株元センサS0の検出情報に基づいて刈取作業状態であるか否かが判別される。
【0027】次に、図2に基づいてコンバインの動力伝達系、及び、制御構成について説明する。エンジンEの動力が油圧式の無段変速装置10に伝動され、この変速装置10の変速後の出力が、ミッションケース11を介してクローラ走行装置1R,1Lに伝達されている。ミッションケース11には、上記変速装置10の変速後の出力を前進又は後進状態に切り換えるための前後進切換機構(図示しない)と、上記変速後の出力を左右クローラ走行装置1L,1Rに各別に断続して伝えると共に各クローラ走行装置1L,1Rを各別に制動作動させるための左右一対の操向クラッチブレーキ17L,17Rとが設けられている。そして、左側の操向クラッチブレーキ17Lを切り操作又は制動操作すると機体は左旋回し、右側の操向クラッチブレーキ17Rを切り操作又は制動操作すると機体は右旋回するように構成されている。
【0028】上記無段変速装置10は、変速操作用の電動モータ13によって変速操作されるとともに、操縦部4に設けた変速レバー12に連動連結され、且つ、この変速レバー12による人為的な変速操作を電動モータ13による変速操作に優先させるようにするために、変速レバー12と変速装置10との連係経路中に、電動モータ13が摩擦式の伝動機構14を介して連係されている。又、前記刈取昇降シリンダ23に対する圧油の供給を制御して刈取部3を昇降操作するための電磁弁25と、前記左右の各操向クラッチブレーキ17L,17Rに対する圧油の供給を制御して各クラッチを入り切り及び制動操作するための操向用の電磁弁19とが設けられている。
【0029】又、エンジンEと脱穀装置2及び刈取部3とがベルトテンション式の脱穀クラッチ33及び刈取クラッチ34を介して夫々連動連結されている。そして、脱穀クラッチ33及び刈取クラッチ34を夫々人為的に入り切り操作する脱穀クラッチレバー32及び刈取クラッチレバー31が操縦部4に設けられ、それらの入り操作に伴ってオン作動する脱穀スイッチSW2及び刈取スイッチSW1が設けられている。エンジンEの回転数を検出する回転数検出センサS1と、ミッションケース11の入力軸に伝動される変速装置10の出力回転数に比例するパルスを計数して、走行距離や車速を検出するためのロータリーエンコーダS2とが設けられている。尚、エンジンEの出力は、エンジン始動後、図示しないアクセルレバー等によって上昇操作されて、作業用の回転数にセットされる。前記エンジン回転数や車速等の検出情報を用いて、刈取作業中においてエンジンEの無負荷回転数との差によってエンジン負荷を検出するとともに、機体操縦部4に備えられた上限車速設定器(図示せず)によって設定される上限車速を越えない範囲で、エンジン負荷が設定負荷に維持されるように車速(具体的には、変速用電動モータ13の作動状態)を自動調節する車速制御を実行する構成となっている。
【0030】図1、図2、図4に示すように、走行機体9の前部側の既刈り側(機体右側)箇所に、機体前方に位置する植立茎稈Tまでの距離Lを検出する距離検出センサとしての一対の超音波センサS3a1,S3a2が検出方向を機体前方に向ける状態で左右方向に並んで設けられている。又、走行機体9の未刈り側(機体左側)の横側部には、機体横側方に位置する植立茎稈Tまでの距離Lを検出する一対の超音波センサS3b,S3cが、検出方向を機体横側方に向ける状態で機体前後方向に設定間隔を隔てて設けられている。前記各超音波センサS3a1,S3a2,S3b,S3cは、夫々、機体外方側に向けて超音波を発信する発信器と、検出対象物にて反射された超音波を受信する受信器とを備えて、超音波を発信してから受信するまでの時間に基づいて、検出対象物(植立茎稈Tや地面)までの距離を検出するように構成されている。尚、機体前部に位置する超音波センサS3a1,S3a2及び機体横側方の前部側に位置する超音波センサS3bは、植立茎稈Tよりも上方に位置して、検出方向が機体外方側で且つ斜め下方に向かう状態で超音波を発信して距離を計測するように構成され、機体横側方の後部側に位置する超音波センサS3cは機体横側部の低い位置に設けられている。
【0031】詳述すると、前記機体前部に位置する超音波センサS3a1,S3a2は、図11にも示すように、刈取部3による刈取対象域の右側端部に位置させて機体横幅方向に沿って設定間隔あけて並置させた状態で、且つ、その超音波発信方向(距離検出方向)を機体前方側で且つ下方側に向かう状態で、操縦筒45に位置固定状態で備えられている。各超音波センサS3a1,S3a2の超音波発信方向は平行に同じ方向に向くように設定されている。又、走行機体9の水平基準面に対する前後傾斜角度を検出する傾斜角検出手段としての前後傾斜角センサS7が設けられ、前記各超音波センサS3a1,S3a2の検出値(距離情報)が前記前後傾斜角センサS7の検出情報に基づいて補正されるようになっている。例えば、図11に示すように、機体が水平姿勢にあれば、各超音波センサS3a1,S3a2により適切な状態で距離検出が行えるが、図12に示すように、地面の凹凸等により機体前部側が持ち上がる等、水平姿勢から前後に傾斜すると距離検出値に誤差が生じるので、走行機体9の水平基準面に対する前後傾斜角度を検出して前記距離検出値を補正するのである。尚、この前後傾斜角センサS7は、シリコンオイル等の比較的粘度の大きい液体を容器内に貯留して、機体傾斜に伴い液面と容器との相対傾斜角度を例えば電気的に検出する等の構成が用いられる。
【0032】前記機体横側方の前部側に位置する超音波センサS3bは、図10に示すように、機体前後方向に沿う水平軸芯X周りで上下揺動自在に、機体固定部から延設されたステー46に支持されるとともに、角度調節機構47によって超音波の発信方向を上下方向に沿って変更調節自在に構成されている。尚、詳述はしないが角度調節機構47は、電動モータとギア式操作機構等からなる。このように超音波センサS3bは、前記検出方向と前記走行機体との間の上下方向に沿う相対角度を変更調節自在に構成されている。そして、前記超音波センサS3bの実際の上下揺動調節位置は、角度検出センサS6にて検出される構成となっている。又、走行機体9の水平基準面に対する左右傾斜角度を検出する左右傾斜角センサS8が設けられ、走行機体9の左右傾斜に拘わらず前記超音波センサS3bによる超音波の発信方向(距離検出方向)が常に一定の方向になるように前記角度調節機構47が制御されるようになっている。
【0033】図2に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置16が設けられ、この制御装置16に、株元センサS0、回転数検出センサS1、ロータリーエンコーダS2、刈高センサS5、各超音波センサS3a1,S3a2,S3b,S3c、角度検出センサS6、前後傾斜角センサS7、左右傾斜角センサS8、脱穀スイッチSW2、刈取スイッチSW1等の各検出情報が入力されている。一方、制御装置16からは、前記変速操作用の電動モータ13、角度調節機構47、刈取昇降用の電磁弁25及び操向用の電磁弁19に対する各駆動信号が出力されている。
【0034】前記制御装置16は、図3に示すように、矩形状の未刈領域Mに対して、いわゆる回り刈り形式で、未刈領域Mの外周の各辺M1〜M4に沿う各作業行程を左回りで順次刈取走行し、各作業行程の終端位置に達すると、隣接する次の作業行程に移動するように走行を制御する走行制御手段100を備えて構成されている。この走行制御手段100は、具体的には、前記操向用の電磁弁19を駆動操作して左右クローラ走行装置1R,1Lの作動を制御する構成となっている。
【0035】又、前記制御装置16は、各作業行程を刈取走行するときには、機体前部に位置する超音波センサS3a1,S3a2の検出情報により、機体前方側における植立茎稈の機体横幅方向での分布状態として、植立茎稈の既刈領域と未刈領域との境界を判別するように構成され、前記走行制御手段100が、その境界に沿って走行すべく走行制御するように構成されている。このとき、走行機体が前後水平基準姿勢にあるときを基準状態として設定し、且つ、前後傾斜角センサS7の検出情報に基づいて、前記超音波センサS3a1,S3a2の距離検出値を補正して、その補正した後の各超音波センサS3a1,S3a2の距離検出値に基づいて、前記分布状態として、既刈領域と未刈領域との境界を判別するように構成されている。
【0036】従って、制御装置16が前記分布状態を判別する判別手段101を備えて構成され、この判別手段101と前記各超音波センサS3a1,S3a2とにより分布状態検出手段BKが構成される。
【0037】前記境界検出について説明を加えると、上述したように超音波センサS3a1,S3a2は超音波発信方向(距離検出方向)を機体前方側で且つ下方側に向かう状態で位置固定状態で備えられるので、機体が基準水平姿勢にあれば既刈領域(地面にて超音波が反射する状態)に対応する検出距離は予め定まった値となるが(図11参照)、機体が前後傾斜するとその検出距離は変化することになる(図12参照)。そこで、機体傾斜角度が前後傾斜角センサS7にて検出されて、超音波センサS3a1,S3a2の検出値を、機体が基準水平姿勢にあるときの値に対応するように補正することで、そのときの既刈領域に対応する適切な検出距離として検出することができる。そして、機体が基準水平姿勢にあるときの既刈領域(地面にて超音波が反射する状態)に対応する検出距離を、基準値として予め設定しておき、前記各超音波センサS3a1,S3a2の検出値が前記基準値と比較され、基準値との差が大きければ植立茎稈(未刈領域)を検出していると判断し、差が小さければ既刈領域を検出していると判断することになる。例えば、右側の超音波センサS3a2が既刈領域を検出し、且つ、左側の超音波センサS3a1が未刈領域を検出する状態であれば、それらの間に未刈領域と既刈領域との境界が位置していることになって、境界を検出している状態となる。つまり、結果的に、前記各超音波センサS3a1,S3a2の検出値の差が大きければ前記境界を検出している状態となり、前記差が小さければ境界を検出していない状態となる。
【0038】そして、前記走行制御手段100は、各作業行程を刈取走行するときには、前記各超音波センサS3a1,S3a2の検出情報に基づいて、前記境界を検出している状態を維持するように、前記操向用の電磁弁19を駆動操作して左右クローラ走行装置1R,1Lの作動を制御するのである。
【0039】又、前記走行制御手段100は、未刈領域の外周に沿う1つの作業行程の終端部に達するに伴って、前記未刈領域Mに接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、前記1つの作業行程と交差する次の作業行程の手前個所に向けて後進旋回走行を開始させ、その後進旋回走行中において、前記分布状態検出手段BKが前記次の作業行程における始端部を検出するに伴って、前記後進旋回走行を終了し、引続き、前記分布状態検出手段BKの検出情報に基づいて、前記次の作業行程における始端部に向けて前進走行させる作業行程切換用の旋回走行制御を実行するように構成されている。
【0040】前記後進旋回走行の終了と、次の作業行程における始端部に向けての前進走行について説明を加えると、後進旋回走行中において、機体前部に位置する超音波センサS3a1,S3a2が共に既刈領域を検出している状態から左側の超音波センサS3a1だけが未刈領域を検出する状態に切り換わることによって、前記次の作業行程における始端部を検出すると、そのときに後進旋回走行を終了させる。そして、左側の超音波センサS3a1が未刈領域を検出し、右側の超音波センサS3a2が既刈領域を検出する境界検出状態を維持するように、左右クローラ走行装置1R,1Lの作動を制御して操向制御を実行するのである。そして、次の作業行程における始端部に到達して茎稈が株元センサS0に作用して株元センサS0がオンすると、その後は、境界検出状態を維持するように、左右クローラ走行装置1R,1Lの作動を制御して操向制御を継続して実行するとともに、前記刈高制御及び車速制御の実行を開始し、機体が作業行程の終端部に達して株元センサS0がオフするまでそれらの各制御を実行する。
【0041】前記制御装置16は、前記超音波センサS3bにより検出される検出距離情報、並びに、その超音波センサS3bによる超音波発信方向(距離検出方向)と機体との間の上下方向に沿う相対角度情報に基づいて、未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を判別するように構成され、その判別結果に基づいて、旋回走行すべくクローラ走行装置1R,1Lの作動を制御する構成となっている。
【0042】以下、この制御装置16による走行制御について、図6〜図9のフローチャートに従って具体的に説明する。図6に示すように、未刈領域Mの外周に沿う1つの作業行程の始端部から走行を開始すると、超音波センサS3a1,S3a2の検出情報に基づく操向制御、前記刈高センサS5の検出情報に基づいて刈取部3の対地高さを適正高さに維持する刈高制御、上限車速を越えない範囲でエンジン負荷が目標負荷に維持されるように車速を制御する車速制御とを、株元センサS0がオフして作業行程の終端位置に達したことが判別されるまで実行する。作業行程の終端位置に達したことが判別されると、未刈領域Mに対する刈取作業が終了したか否かを判断して、作業終了でなければ、隣接する次の作業行程に移動させるための旋回制御を実行する。一方、作業終了であれば、走行を停止して制御を終える。
【0043】前記操向制御では、図7に示すように制御が実行される。つまり、機体前部に位置する各超音波センサS3a1,S3a2により距離検出作動を実行するとともに、前後傾斜角センサS7の検出値を読み込む。尚、ロータリエンコーダS2の検出情報に基づいて例えば車速が急激に変化(増速又は減速)した場合には、その車速変化時点から設定時間が経過するまでの間は、前後傾斜角センサS7の検出値を読み込まないようにして検出誤差を少なくするようにしている。つまり、前後傾斜角センサS7は、急な車速変化の直後は上記したシリコンオイルが加速度により過剰に変化して、実際の機体傾斜状態よりも過大な傾斜角度として誤検出するおそれがあるので、そのような検出誤差を極力小さくするようにしている。そして、前後傾斜角センサS7の検出値に基づいて、各超音波センサS3a1,S3a2夫々による距離検出値を補正して、左側の超音波センサS3a1が前記未刈領域を検出し且つ右側の超音波センサS3a2が前記既刈領域を検出する境界検出状態であれば、機体が適正な刈取作業位置にあるので、機体を直進走行させる。又、前記境界検出状態でない場合には、機体が前記境界に対して左右いずれの側に位置ずれしているかを各超音波センサS3a1,S3a2の検出情報に基づいて判別する。つまり、左右の各超音波センサS3a1,S3a2夫々が共に未刈領域を検出している状態であれば、適正な刈取作業位置に対して機体が左側に位置ずれしていると判別し、左右の各超音波センサS3a1,S3a2夫々が共に既刈領域を検出している状態であれば、適正な刈取作業位置に対して機体が右側に位置ずれしていると判別するのである。そして、左側に位置ずれしていると判別すれば機体が設定量だけ右方向に操向するように、且つ、右側に位置ずれしていると判別すれば機体が設定量だけ左方向に操向するように、操向用の電磁弁19を駆動操作して左右クローラ走行装置1R,1Lの作動を制御するのである。このような制御を繰り返して実行することで、前記境界検出状態を維持するように、刈取収穫のために境界に沿って走行すべく機体の走行を制御するのである。
【0044】前記旋回制御は、図8、図9に示すように制御が実行される。つまり、刈取部3を上昇させるとともに、図4(イ)に示すように、先ず直進状態で旋回走行開始位置まで前進走行させる。ここで、走行機体9が上記旋回走行開始位置に達したことは、図5に示すように、機体左前側の超音波センサS3bの距離検出信号bが先に距離小から距離大に変化した後、さらに機体が前進走行して、機体左後側の超音波センサS3cの距離検出信号cが距離小から距離大に変化したことによって判別する。
【0045】旋回走行開始位置に達すると、図4(ロ)に示すように、左側のクローラ走行装置1Lをブレーキ作動させて、機体前部側が未刈領域Mに接近するように走行機体9を左旋回走行させるとともに、その旋回走行中において機体左前部側の超音波センサS3bの検出距離情報に基づいて、走行機体9が未刈領域Mに対する位置(例えば次の辺に対してなす角度θ)を判断して、その位置が設定位置(例えば、前記角度θが45°の位置)になるに伴って前進の左旋回走行を停止させ、左側のクローラ走行装置1Lのブレーキ作動を解除する。
【0046】上記左旋回走行を実行するとき、走行機体の左右傾斜に拘わらず前記超音波センサS3bの超音波発信方向(距離検出方向)が常に適正な方向に向くように、角度調節機構47の作動を制御する角度補正制御を実行する。つまり、走行機体9が水平基準姿勢にあるときに前記角度θが前記設定角度(例えば45度)に対応する旋回位置にて、超音波センサS3bが未刈領域Mの外周の存在を検出する検出方向となる姿勢(図10(イ)、(ロ)参照)が角度調節機構47における基準姿勢として予め設定されている。そして、機体が左右傾斜してもその検出方向が維持されるように、傾斜角センサS7の検出情報に基づいて角度調節機構47の作動を制御するのである(図10(ハ)参照)。
【0047】そして、超音波センサS3bが前記所定検出方向での距離検出を実行しながら旋回走行が行われ、超音波センサS3bによる検出距離が設定値より短くなり、未刈領域Mの外周の存在を検出すると(図10(ロ)参照)、そこで上記左旋回走行を停止することになる。
【0048】次に、図4(ハ)に示すように、上記旋回走行の停止位置から、直進状態で旋回走行開始位置まで後進走行させる。ここで、走行機体9が旋回走行開始位置に達したことは、図5に示すように、機体左前側の超音波センサS3bの距離検出信号bが極小値を過ぎて増加に転じたことによって判別される。
【0049】このとき、前記角度調節機構47における基準姿勢として、図10(ニ)に示すように、上記左旋回走行を実行するとき(角度α1)よりも下向き(角度α2)に変更させて上記補正制御を実行することで、走行機体が未刈領域Mの外周(角部)の近くを通過する場合であっても未刈領域Mの外周までの距離を有効に検出することができる。
【0050】旋回走行開始位置に達すると、図4(ハ)〜(ニ)に示すように、右側の操向クラッチブレーキ17Rを切り操作して、走行機体9を緩旋回状態で後進左旋回走行させる。そして、走行機体9が隣接する次の作業行程の手前箇所に位置して、次の作業行程における始端部を検出するに伴って、後進左旋回走行を停止させる。ここで、次の作業行程における始端部の検出は、機体前部側における左右一対の超音波センサS3a1,S3a2のうち左側に位置する超音波センサS3a1の距離検出信号aが距離大の状態から、機体前方側の植立茎稈Tを検出する状態に変化したことによって判断される。即ち、超音波センサS3a1,S3a2が共に既刈領域を検出している状態から左側の超音波センサS3a1だけが未刈領域を検出する状態に切り換わることによって判断されるのである。
【0051】次に、前記次の作業行程の手前箇所から次の作業行程の始端部に向けて直進前進走行させるのであるが、このとき、上記したような操向制御を実行する。つまり、前記超音波センサS3a1の距離検出信号aが機体前方側の植立茎稈Tを検出する状態(未刈領域を検出する状態)を維持し、他方側の超音波センサS3a2の距離検出信号aが距離大を検出する状態(既刈領域を検出する状態)、即ち、前記境界検出状態を維持するように操向用の電磁弁19を制御しながら次の作業行程の始端部に向けて直進前進走行させる。そして、刈取部3を下降させた後に次の作業行程での刈取作業を開始させる。刈取作業が開始されて株元センサS0がオンするに伴って、刈高制御及び車速制御を実行する状態に移行し、操向制御を継続して実行する。以後は上述したような制御を繰り返すのである。
【0052】〔別実施形態〕(1)上記実施形態では、2個の超音波センサ(距離検出センサ)S3a1,S3a2を機体横幅方向に間隔を置いて並置する構成としたが、3個以上の超音波センサ(距離検出センサ)を機体横幅方向に間隔を置いて並置する構成としてもよく、これ以外に、次のように構成してもよい。図13に示すように、距離検出方向を機体前方側で且つ下方側に向けた1つの超音波センサ(距離検出センサ)S3a0を機体横幅方向に設定範囲にわたり往復スライド移動自在に設けて、この超音波センサS3a0を往復スライド移動させるための電動モータや移動機構等にて構成される移動駆動装置30と、超音波センサS3a0のスライド移動位置を検出する位置検出手段としての位置検出センサ30a等が設けられている。そして、移動駆動装置30によって超音波センサS3a0が往復移動操作されるとともに、その移動操作に伴って逐次、前記距離検出方向に沿って距離を検出する。そして、超音波センサS3a0による距離検出情報と、位置検出センサ30aにより検出される横移動位置の情報とに基づいて、前方側の植立穀稈Tの分布状態が検出される。図14を参照して、上記スライド式の超音波センサS3a0による距離検出及び境界判別処理の具体的な動作について説明すると、先ず、植立穀稈Tが検出されていれば、超音波センサS3a0を右側にスライド移動させて、植立穀稈Tが検出されなくなると移動を停止させ、逆に、植立穀稈Tが検出されていなければ、超音波センサS3a0を左側にスライド移動させて、植立穀稈Tが検出されると移動を停止させ、各移動停止させたスライド位置を記憶する。そして、この記憶させた位置データが所定個数になると、例えば、それらのデータを平均処理して得られるスライド位置を、未刈領域Mと既刈領域との境界位置と判別する。そして、図13(イ)〜(ニ)に示すように、未刈茎稈群Mの境界に沿って適切に刈取作業が行えるように操向制御される。
【0053】上記スライド式の超音波センサ(距離センサ)による距離検出及び境界判別処理としては、上記したように茎稈検出状態が変化すると移動を停止させる構成に代えて、停止することなく往復移動を継続しながら、例えば、図15に示すように、距離センサによる距離検出値と、その距離検出値に対する位置検出センサの検出値とを対応付けて検出することで、距離検出値が大きく変化するときにおける位置検出センサの検出値により、未刈領域Mと既刈領域との境界位置と判別するようにしてもよい。
【0054】(2)上記実施形態では、機体前方側における植立茎稈の機体横幅方向での分布状態として、既刈領域と未刈領域との境界を検出する構成としたが、このような構成に代えて、あるいは、このような構成に加えて、例えば、前記超音波センサ(距離センサ)がその検出情報に基づいて未刈領域を検出している場合に、その距離検出値に基づいて、植立茎稈の分布状態として植立茎稈の倒伏度合いを判別するようにしてもよい。そして、例えば倒伏度合いが大きい場合には、車速を自動的に設定量減速させたり、あるいは、車速制御における制御内容を変更させたりする等、茎稈の状況に応じて刈取収穫のための走行を制御するようにしてもよい。
【0055】(3)上記実施形態では、超音波センサ(距離センサ)の超音波発信方向(距離検出方向)は、機体前方側で且つ下方側に向けて位置固定として、機体の前後傾斜角度の検出情報により距離検出値を補正する構成としたが、このような構成に代えて、前記超音波発信方向(距離検出方向)を機体前方側で且つ下方側に向かう状態を維持しながら上下方向に設定周期で走査する構成として、超音波センサは、上下移動に伴って逐次、距離検出作動を繰り返して、その複数の検出値の平均値や最小値等を用いて前記分布状態を判別する構成としてもよい。
【0056】(4)上記実施形態では、前記各作業行程を刈取走行するときには、常に超音波センサS3a1,S3a2の検出情報に基づいて、植立茎稈の既刈領域と未刈領域との境界を判別して、その境界に沿って走行すべく走行を制御するように構成したが、このような構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
【0057】つまり、前記刈取部3の引き起こし装置5の下部側には、走行に伴って刈取部3に導入される左右の植立茎稈に接当して、機体後方側に揺動する左右一対の検出バーを備えて、その検出バーの機体後方側への揺動角度に基づいて植立茎稈の機体横方向での位置を検出するための方向センサを設けて、前記各作業行程のうち、田植機により植付けられている植え付け条に沿って刈取作業を行う条刈り作業形態では、前記方向センサの検出情報に基づいて、植立茎稈の機体横方向での位置が設定位置に維持されるように左右クローラ走行装置1R,1Lの作動を制御して操向制御を実行する構成とし、前記植え付け条と直交する方向での刈取作業、所謂、横刈り作業の形態では、上記実施形態における超音波センサS3a1,S3a2の検出情報に基づく操向制御を実行する構成としてもよい。
【0058】(5)上記実施形態では、矩形状の未刈茎稈群Mの各辺に沿って刈取走行するとともに、各辺の終端位置に達すると90度旋回しながら前後進走行して隣接する辺の始端位置に移動するようにしたが、これ以外の走行形態で刈取作業を行うようにしてもよい。具体的には、例えば、矩形状の未刈茎稈群Mの1辺に沿っての刈取走行が終わると、180度向きを変更しながら枕地部分を旋回走行して、未刈茎稈群Mに対して逆向きに走行する往復走行形態で刈取作業を実施できる。なお、上記刈取作業において、未刈茎稈群Mの1辺に対する刈取走行を終了するに伴って刈取部3を上昇させて旋回走行させ、次の作業開始位置で、距離検出手段S3aにて検出される未刈茎稈群Mまでの距離が設定距離内になるに伴って、刈取部3を下降させるようにすることができる。
【0059】(6)上記実施形態では、未刈領域Mの外周までの距離を検出する距離検出手段として、走行機体9に、超音波式の距離検出手段を設けたが、これ以外に、例えば、検出光を植立茎稈Tに対して投受光する光式の距離検出手段等を用いてもよい。
【0060】(7)上記実施形態では、各走行装置1L,1Rを各別に制動作動させるための左右一対の操向クラッチブレーキを設ける構成としたが、このような構成に限らず、左右一対の油圧式無段変速装置を備えて左右各別に無段変速可能な構成としたり、遊星ギア式の変速機構とする等、各種の駆動形態で実施してもよい。
【0061】(8)上記実施形態では、刈取収穫機として、植立茎稈の一例としての植立茎稈を刈り取るコンバインを例示したが、コンバイン以外に、例えば、植立茎稈としてイグサを刈り取る刈取収穫機等でもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年6月4日(1999.6.4)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−342013(P2000−342013A)
【公開日】 平成12年12月12日(2000.12.12)
【出願番号】 特願平11−157845