| 【発明の名称】 |
静油圧式無段変速装置を装備した耕耘機のサブタンク |
| 【発明者】 |
【氏名】早田 裕光
【氏名】中野 将憲
【氏名】丹治 光彦
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| 【要約】 |
【課題】多くの部品から成る複雑な構造のために生じるトラブルの根源を断ち洩油を無くし保守点検を容易にするHSTにおけるHSTオイル供給用サブタンクを提供することを課題とする。
【解決手段】油圧ポンプと油圧モータからなるHST12とロータリーカバー27の間にHSTオイル供給用サブタンク93を設け、前記サブタンクをチューブとし、HSTより開閉部が略上方を向くように突設し、前記サブタンクを透明または淡色の合成樹脂製チューブとした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油圧ポンプと油圧モータからなる静油圧式無段変速装置(以下「HST」)とロータリーカバーの間にHSTオイル供給用サブタンクを設けたことを特徴とする静油圧式無段変速装置を装備した耕耘機のサブタンク。 【請求項2】 前記サブタンクをチューブとし、HSTより開閉部が略上方を向くように突設したことを特徴とする請求項1記載の静油圧式無段変速装置を装備した耕耘機のサブタンク。 【請求項3】 前記サブタンクを透明または淡色の合成樹脂製チューブとしたことを特徴とする請求項1または2記載の静油圧式無段変速装置を装備した耕耘機のサブタンク。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はHSTオイル供給用サブタンクに関する。さらに詳しくは、HSTに直接接合することにより保守点検を簡素化することができるHSTオイル供給用サブタンクの技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来からHSTを収容したハウジングには潤滑油を兼用した作動油が充填されており、この作動油はHSTの駆動によって温度が上昇し、その温度上昇により作動油の体積は膨張し増加する。この体積増加分を受け入れるためにHSTオイル供給用タンクをハウジング外に配設したり、ハウジング内にその増加分に見合った体積を有する空間を形成してHSTオイル供給用タンク室を構成した技術が公知となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記によるHSTオイルを供給する方式では、配管やオイルタンク等の部品点数が多く、組立工数の増加に伴い生産コストも高くなる。また取扱い調節に高い専門技術を要するので現地での補修は不可能となり、微量のゴミ等による不調も生じやすく修理が困難である。さらに多くの配管で接合されているので洩油箇所が増え洩油の確率も高まるという問題がある。 【0004】本発明は、前記の点を鑑み、複雑な構造のために生じるトラブルの根源を断ち洩油を無くし保守点検を容易にするHSTに立設するHSTオイル供給用のサブタンクを提供することを課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】以上が本発明の解決する課題であり、次に課題を解決するための手段を説明する。即ち、油圧ポンプと油圧モータからなるHSTとロータリーカバーの間にHSTオイル供給用サブタンクを設けた。 【0006】また、前記サブタンクをチューブとし、HSTより開閉部が略上方を向くように突設した。 【0007】また、前記サブタンクを透明または淡色の合成樹脂製チューブとした。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施例に基づき、発明の実施の形態を説明する。最初に、本発明の一実施例に係る耕耘機の全体構成について説明する。 図1は本発明の一実施例に係る耕耘機の全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図である。 【0009】即ち、図1・図2に示す如く、この耕耘機は、左右一対の走行輪1・1をミッションケース2に車軸3・3を介して装設させ、ミッションケース2後部にハンドル台4下部を固定し、ハンドル台4上部に平面視ループ状の操向ハンドル5を連結させて、ミッションケース2の後方斜上方に操向ハンドル5が位置する構成としている。そして、主変速レバー6、クラッチレバー7、デフロックレバー8や、エンジンの回転数を変更するアクセルレバー10等を操向ハンドル5近傍の操作部9に取り付けている。主変速レバー6は後述するPTOクラッチの断接操作兼用としており、レバーの前後傾動により耕耘機の前後進及び速度の変更操作を行い、左右傾動によりPTOクラッチの断接操作を行うようにしている。 【0010】また、図1に示すように、前記ミッションケース2上面の略水平面2a上にエンジン11を載置固定し、エンジン11の出力を無段変速するHST12をミッションケース2後部の左右一側側面に設け、エンジン11の出力軸17とHST12の入力軸18とを、出力プーリ15、入力プーリ16、ベルト14により連結している。エンジン11の上部には燃料タンク34を設けている。また、両軸17・18の動力伝達を断接するためのベルトテンションクラッチ13が設けられ、該テンションクラッチ13は図示せぬリンク機構、ワイヤー等を介して上記操作部9のクラッチレバー7に連係され、該クラッチレバー7によりテンションクラッチ13の断接が操作される。また、テンションクラッチ13の「断」への切替と連動して制動を行うブレーキがHST12の入力軸18に配設され、クラッチ「断」操作直後の慣性力による回転を制動して、駆動停止を素早く行うようにしている。 【0011】また、前記ミッションケース2は側面視「L」型に形成して、後側を下方に突出させて上下延設部19とし、ミッションケース2後側の下部に左右の車軸3・3を軸支させ、ミッションケース2後部の上下延設部19内に走行変速機構20を設け、車軸3・3の略直上方に入力軸18を配設させ、入力軸18の略直上方に出力軸17を配設させている。更に、エンジン11の下方にはHST12を配設させ、HST12の下方に車軸3・3を配設させ、エンジン11の駆動力を上方から下方に伝えて走行輪1・1を駆動させる。 【0012】さらに、前記ミッションケース2上部は前方に突出させて前後延設部28とし、その前部にPTO軸21を軸支させ、図2に示すように伝動ケース22及びサイドフレーム23をミッションケース2前部に固定させ、伝動ケース22及びサイドフレーム23を介して作業機24を設け、ミッションケース2前側に作業機24を装設させており、伝動ケース22とサイドフレーム23にロータリ軸25の両端を回転自在に軸支し、耕耘と草刈に兼用する複数の切削ロータリ刃26・26・・・をロータリ軸25に取り付け、各切削ロータリ刃26・26・・・の上面及び左右をロータリカバー27によって閉塞させ、前記作業機24を構成している。 【0013】また、前記ミッションケース2の前後延設部28にはPTOクラッチや正逆転切替機構や減速機構等からなるPTO変速機構29を設け、前記入力軸18前方にPTO軸21を設けて作業機24のロータリ軸25に連結させ、切削ロータリ刃26・26・・・を走行輪1・1の前進側回転と同一方向(矢視Aの方向。以下「正転方向」)に低速で回転させることによって耕耘作業を行わせる一方、上記と逆方向(以下「逆転方向」)に切削ロータリ刃26・26・・・を高速回転させて草刈作業を行わせる。 【0014】さらに、この耕耘機は、前記作業機24の耕耘作業と同時に畔立作業を行わせる後作業機30を備え(図1)、ミッションケース2後面の後ヒッチ31にヒッチピン32を介して後作業機30を着脱自在に設けるとともに、後作業機30をヒッチピン32回りに回転させて昇降自在としており、後作業機30を下降着地させて畔立作業位置に支持させたり、ハンドル台4後側に後作業機30を持ち上げて非作業位置に支持させる。 【0015】次に、ミッションケース2の上下延設部19内に配設された、上述の走行変速機構20を説明する。図3はミッションケース内部の伝動系の構成を示した平面断面展開図である。 【0016】即ち、図3に示す如く、上記HST12には、その出力軸52の回転方向及び回転速度を変更するためのトラニオンレバー12aが装設され、該トラニオンレバー12aは、ワイヤーやリンク機構等を介して、上記操作部9の主変速レバー6に連係される。そして該HST12の出力軸52にはパイプ状の減速出力軸53が相対回転不能に取り付けられ、該減速出力軸53の外周面にはギア53aが刻設される。また、上記減速出力軸53下方(図3における上方)には減速中間軸65が配設され、該減速中間軸65にはギア66が固定され、該ギア66は上記減速出力軸53のギア53aに噛合される。上記減速中間軸65にはギア65aが形設され、該ギア65aは、上記減速出力軸53上に遊嵌した減速最終軸70上に固定したギア67に噛合される。該減速最終軸70にはスプロケット68が一体的に形設されており、該スプロケット68は、左右車軸3・3を差動的に結合するボールデフ機構55に設けられた入力スプロケット69に、走行駆動チェーン54を介して連動連結される。ボールデフ機構55には、操作部に配設された上述のデフロックレバー8に連係される、デフロック機構55aが配設される。 【0017】以上の構成により、入力プーリ16を介して入力軸18に入力されたエンジン11の動力は、HST12にて回転速度及び回転方向の制御が行われた後、出力軸52から減速出力軸53→ギア53a→ギア66→減速中間軸65と伝達されて減速された後、ギア65a→ギア67→減速最終軸70と伝達され、スプロケット68から走行駆動チェーン54を経由し、ボールデフ機構55を介して左右車軸3・3を駆動する。 【0018】次に、ミッションケース2の前後延設部28内に配設された、上述のPTO変速機構29を説明する。即ち、図3に示すように、上記入力軸18にはPTO出力スプロケット71が一体的に形設され、該入力軸の前方に設けられた伝動軸72には入力スプロケット73が相対回転自在に遊嵌され、両スプロケット71・73はPTO入力チェーン56を介して連動連結される。そして、上記伝動軸72にはPTOクラッチスライダ74が相対回転不能及び軸方向摺動自在にスプライン嵌合され、該PTOクラッチスライダ74には爪クラッチ74aを設けている。従って、PTOクラッチスライダが図3における右方向へ摺動することにより、上記爪クラッチ74aが上記入力スプロケットに係合し、PTOクラッチが「接」となり、入力スプロケット73の回転が該PTOクラッチスライダ74を介して伝動軸72に伝達される。また、PTOクラッチスライダ74には逆転ギア77が固定される。このPTOクラッチスライダは、リンク機構を介して上記操作部の主変速レバーに連係されており、該主変速レバーを機体左右方向に傾動することによりPTOクラッチの断接操作が行えるようにしている。 【0019】更に伝動軸72には耕耘側出力スプロケット75が一体的に形設され、該スプロケット75は、伝動軸72前方に軸支された上述のPTO軸21に相対回転自在に取り付けられたスプロケット76に、低速正転チェーン61を介して連動連結される。そして、PTO軸21には正逆転切替クラッチスライダ78が相対回転不能及び軸方向摺動自在にスプライン嵌合され、該正逆転切替クラッチスライダ78には、耕耘側入力爪クラッチ78aと草刈側入力ギア78bとを設けている。 【0020】以上の構成により、正逆転切替クラッチスライダ78が図3における右方向へ摺動したときは、上記逆転ギア77と草刈側入力ギア78bとの噛合が解除され、上記スプロケット76に耕耘側入力爪クラッチ78aが係合して、該スプロケット76の回転が正逆転切替クラッチスライダ78を介してPTO軸21に伝達されて、上述のロータリ軸25を低速で正転させ、耕耘作業を行わせる。一方、正逆転切替クラッチスライダが図3における左方向へ摺動した場合は、上記スプロケット76と耕耘側入力爪クラッチ78aの係合が解除され、上記逆転ギア77と草刈側入力ギア78bとが噛合されて、逆転ギア77の回転が正逆転切替クラッチスライダ78を介してPTO軸21に伝達されて、上述のロータリ軸25を高速逆転させて、草刈作業を行わせるのである。 【0021】即ち、入力軸18からPTO出力スプロケット71→PTO入力チェーン56→入力スプロケット73→PTOクラッチスライダ74と伝達された動力は、二手に分岐されて、一方は伝動軸72→スプロケット75→低速正転チェーン61→スプロケット76と減速されながら伝達され、他方は逆転ギア77にて増速及び回転方向の正逆変換を行う。そして、スプロケット76又は逆転ギア77の動力が択一的に正逆転切替クラッチスライダ78に入力されて、PTO軸21に低速正転又は高速逆転の動力を伝達しているのである。 【0022】次に、本発明のHSTオイル供給用サブタンク93の取付構成について、図1から図6の全図を参照して説明する。図4はミッション内部の伝動系の構成を示した側面図、図5は本発明のHSTオイル供給用サブタンクを立設するHSTの平面図、図6は同じく側面図である。また、図3および図4はHST12の固設位置およびHSTオイル供給用サブタンク93の立設位置をさらに詳細に示した図である。 【0023】図1および図2においてミッションケース2の進行方向右側面であってHST12とロータリーカバー27の間にHSTオイル供給用サブタンク93が立設されている。該HSTオイル供給用サブタンク93は長さ、太さ等の変更容易とし、配置位置や取付形状等に応じて加工できる合成樹脂製のチューブを使用している。また、HSTオイル供給サブタンク93を透明または淡色のチューブとすることにより、オイルの液面を外部より確認することが可能となり、点検や補充等が容易にできるようにしている。 【0024】図4、図5および図6において、前記HSTオイル供給用サブタンク93の下端部の接続部93bはHST12(HSTハウジング94)の上部前面に取り付けて内部と連通する構成とし、HST供給用サブタンク93を上方に延出して、上端には開閉部(蓋体)93aを設けて略上方を向くようにし、HSTハウジング94内に生じたエアが接続部93bからサブタンク93内に容易に入る構成として、油圧ポンプや油圧モーターを収容したHSTハウジング94内にエアが溜まってエア噛み等が生じないようにしている。このようにHST供給用サブタンク93は、チューブ状であるために幅が狭く、他の部品があっても曲折させて容易に回避することができ、HST12とロータリーカバー27の間に位置して前後方向外部から保護された形で配置することができる。 【0025】 【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。即ち、請求項1のように、油圧ポンプと油圧モータからなるHSTとロータリーカバーの間にHSTオイル供給用サブタンクを設けたので、前後方向の外部から保護され破損のおそれが少なくなり、また側方より容易に取り外しすることができ、注油等の保守点検を行うことも容易になる。 【0026】また、請求項2のように、前記サブタンクをチューブとしてHSTより開閉部が略上方を向くように突設したので、横幅の狭い簡単な構成となり、従来の技術と比較してオイルタンクや配管等の部品点数を大幅に削減することができ、部材が安価となりコストの低減化を図ることができる。また略鉛直上方より給油することができ、保守も容易となり、HSTハウジング内のエアがチューブより上方に抜けるため、エア噛みの心配はなくなる。そして、HSTオイル供給用サブタンクはHSTに直接接合しているため、油漏れや油の滲み等は従来の方式に比較して激減する。 【0027】また請求項3のようにHSTオイル供給用サブタンクを透明または淡色のチューブ状の合成樹脂を使用することにより、規定油量位置等の油量や油の色等がわかり、保守性に富む。また該HSTオイル供給用サブタンクをこのようなチューブ状の合成樹脂製にすることにより、車軸駆動装置の使用条件に応じて長さ、太さ、硬さ等形状を自由に使い分けることができる。たとえば、該車軸駆動装置を手の届かないところに固設している場合、該チューブの長さを長くする等して適当な位置に配設することができ汎用性に富む。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月7日(1999.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−342005(P2000−342005A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月12日(2000.12.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−159365 |
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